JP2008107266A - 移動体検出装置 - Google Patents

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【課題】スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子(SV−GMR素子)を用いた移動体検出装置において、SV−GMR素子の磁気抵抗効果膜パターンのピン層磁化方向の幅を20μm以上とすることによって、検出出力のばらつきが少なく、感度の高い移動体検出装置を提供する。
【解決手段】磁性材移動体としての歯車1と、この外周面に対向配置されるSV−GMR素子R1〜R4と、SV−GMR素子にバイアス磁界を印加するバイアス磁石5とを有する移動体検出装置であって、SV−GMR素子が有する磁気抵抗効果膜パターンのピン層磁化方向の幅を20μm以上としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性材移動体の移動に伴う磁界変化を検出する移動体検出装置に係り、特に工業用工作機械や、自動車のエンジン等に用いられる軟磁性体歯車の回転情報を検出する場合、あるいは磁性粉等からなる磁性層パターン(磁性粉又は磁性膜によるパターン)が付着した媒体の情報を検出する場合等に用いて好適な移動体検出装置に関するものである。
従来のスピンバルブ型巨大磁気抵抗素子(以下、SV−GMR素子)を用いた移動体検出装置は、SV−GMR素子の急峻な磁気特性を利用し、高感度な検出装置としていた。SV−GMR素子を用いた移動体検出装置の1例として下記特許文献1がある。
特開2005−233795号公報 この種の移動体検出装置で用いられるSV−GMR素子の模式的な膜構成及び磁気特性を図7に示す。SV−GMR素子は、磁化方向が一方向に固定された強磁性体のピン層と、電流が主として流れる非磁性体を介して前記ピン層に積層された強磁性体のフリー層とからなる磁気抵抗効果膜を有し、ピン層は外部磁界(外部磁束)によって磁化方向は変化せず、フリー層は外部磁界(外部磁束)の方向に磁化される。ここで、磁気抵抗効果膜におけるピン層の磁化方向とフリー層の磁化方向(つまり外部磁界の方向)とが直交しているとき(図7(a)のθ=0のとき)、抵抗変化率(ΔR/R)は0である。ピン層の磁化方向とフリー層の磁化方向(つまり外部磁界Hの方向)とが平行であるが向きが逆のとき、つまり反平行のとき、抵抗変化率はプラスとなり、図7(a)の高抵抗状態となる。また、ピン層の磁化方向とフリー層の磁化方向(つまり外部磁界Hの方向)とが平行でかつ向きが同じとき、つまり順平行のとき、抵抗変化率はマイナスとなり、図7(b)の低抵抗状態となる。
また、SV−GMR素子において、外部磁界が飽和磁界Hkに達するまでの非飽和領域では外部磁界変化に対して抵抗変化率は直線的に大きく変化し、外部磁界が飽和磁界Hk以上となると飽和状態となって抵抗変化率は略一定となる特性である。飽和磁界Hkは微弱磁界感度の目安になるものであり、SV−GMR素子の飽和磁界Hkにばらつきがあると、飽和磁界Hk未満の外部磁界と抵抗変化率との関係を示す直線の傾きが変化してしまう。例えば図8のSV−GMR素子の入出力変換図において、直線L1に対して直線L2の傾きが倍(SV−GMR素子の感度が2倍)であると、入力信号である磁界変化に対して抵抗変化は2倍(換言すれば出力信号は2倍)となる。つまり、SV−GMR素子の非飽和領域のリニアな特性を利用して微小外部磁界を検出する場合、SV−GMR素子の飽和磁界Hkのばらつき(感度ばらつき)が検出出力のばらつきを引き起こしていた。
従来の移動体検出装置は、上記の飽和磁界Hkのばらつきに起因する検出出力のばらつきに対する配慮がなく、例えば回転検出の用途に使用する場合には、検出出力のばらつきは回転情報のばらつきに繋がり、検出出力の安定した移動体検出装置を無調整で作製することが難しかった。
また、移動体検出装置が、例えば、軟磁性歯車と、この歯車に近接配置されるSV−GMR素子と、これにバイアス磁界を印加するバイアス磁石とを有する回転検出装置である場合、前記歯車とSV−GMR素子間の必要なギャップを確保しつつ、微小磁界変化での検出出力を高めるためには、バイアス磁石による発生磁界を高めなければならない。この場合、サイズの大きな磁石の使用や、磁石材料を変更しなければならず、小型化やコスト低減の妨げとなっていた。
上記の点に鑑み、本発明者は、SV−GMR素子の磁気抵抗効果膜パターンの長さ及び幅と飽和磁界Hkとの関係を考察し、その結果、飽和磁界Hkが小さく高感度で、かつ飽和磁界Hkの変化が少ない領域を見いだした。
すなわち、本発明は、SV−GMR素子を用いた移動体検出装置において、SV−GMR素子の磁気抵抗効果膜パターンのピン層磁化方向の幅を20μm以上とすることで、検出出力のばらつきが少なく、感度の高い移動体検出装置を提供することを目的とする。
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
上記目的を達成するために、本発明のある態様の移動体検出装置は、磁性材移動体と、磁界発生手段と、少なくとも1つのスピンバルブ型巨大磁気抵抗素子(SV−GMR素子)とを有し、
前記SV−GMR素子が有する磁気抵抗効果膜パターンのピン層磁化方向の幅を20μm以上としたことを特徴としている。
前記移動体検出装置において、前記磁性移動体が少なくとも1つの凸部又は凹部を有していてもよい。
前記移動体検出装置において、前記磁性移動体が磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体であってもよい。
前記SV−GMR素子が1対又は複数対あり、対をなす前記SV−GMR素子のピン層磁化方向が互いに前記磁性材移動体の移動方向に対し、略順方向と略逆方向を向くように配置されていてもよい。
前記SV−GMR素子が磁気抵抗効果膜パターンの直列接続、並列接続の一方又は両方を有するものであってもよい。
前記SV−GMR素子が同一基板上に一対又は複数対形成され、対をなすSV−GMR素子が磁気抵抗効果膜パターンを含むダブルミアンダパターンで構成されていてもよい。
本発明に係る移動体検出装置によれば、SV−GMR素子の飽和磁界Hkを小さく、かつ飽和磁界Hkのばらつきを少なくできるので、検出出力のばらつきを低減し、感度の向上を図ることができる。また、SV−GMR素子を高感度にすることで、磁界発生手段(バイアス磁石等)は大型化する必要がなくなり、移動体検出装置の小型化にも寄与できる。
また、前記SV−GMR素子が磁気抵抗効果膜パターンの直列接続、並列接続の一方又は両方を有する構成とした場合、抵抗値が調整可能となり、増幅回路等との整合が容易となる。
さらに、対をなしたSV−GMR素子を、磁気抵抗効果膜パターンを含むダブルミアンダパターンで構成する場合、SV−GMR素子群の集積度を向上させて小型化を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、移動体検出装置の実施の形態を図面に従って説明する。
図1乃至図3で本発明に係る移動体検出装置の実施の形態1を説明する。実施の形態1は、磁性材移動体として軟磁性体歯車の回転検出を行う回転センサを構成した場合を示す。
図1(A)において、1は軟磁性体歯車であり、外周面に凹凸を有する(例えば一定配列ピッチPで凸部2を有する)ものである。
また、軟磁性体歯車1の外周面に対向するように、4個のSV−GMR素子R1,R2,R3,R4が固定配置され、これらの背後にバイアス磁界印加用のバイアス磁石5が固定配置されて、4個のSV−GMR素子R1,R2,R3,R4を磁気バイアスするようになっている。この場合、4個のSV−GMR素子R1,R2,R3,R4の配列方向は軟磁性体歯車1の移動方向(回転方向)に対して略垂直方向で歯車1の厚み方向に直線的に配置されている。
本実施の形態では、磁性材移動体である軟磁性体歯車1で変化された磁界に対応して抵抗値が変化するSV−GMR素子を用いており、その飽和磁界Hkが安定となる条件を磁気抵抗効果膜パターンのピン層磁化方向と直交する方向の長さとピン層磁化方向の幅とを変化させて求めた。
図2(A),(B),(C)は、SV−GMR素子の模式的拡大図であり、SV−GMR素子は基板10にAu電極パッド11の対を形成し、その電極パッド11の延長リード部11a間に磁気抵抗効果膜の直線状パターン12が形成され、延長リード部11aに接続されている。そして、図2(A)では磁気抵抗効果膜パターン12のピン層磁化方向と直交する方向の長さを120μm、同図(B)では長さを60μm、同図(C)では長さを30μmとして、それぞれピン層磁化方向の幅を2μmから120μmまで変化させて飽和磁界Hkを測定した結果を図3に示す。
図3の測定結果を見ると、ピン層磁化方向のパターン幅を変化させることにより、微弱磁界感度の目安となる飽和磁界Hkが調整できることが明らかである。このとき、ピン層磁化方向と直交する方向のパターン長さは飽和磁界Hkに殆ど関係しない(長さを30〜120μmに変化させても曲線はほぼ重なっている)。図3より飽和磁界Hkが小さく(感度が高く)かつ飽和磁界Hkのばらつきの小さいパターン幅を求めると(Hk−線幅曲線を3本の直線で近似して求めると)、20μm以上となる。20μm以上の線幅では、飽和磁界Hkは10〜15Oe{=(1/4π)×10A/m}の範囲内で安定する。
図3の結果から、図1で使用する4個のSV−GMR素子R1,R2,R3,R4では、その磁気抵抗効果膜パターンのピン層磁化方向の幅を20μm以上に設定する。ピン層磁化方向の幅の上限は、対をなす電極パッド11の幅(本例では例えば120μm程度)で通常制約される。パターン幅20μm以上に設定すれば、数μmのパターン幅変化では飽和磁界Hkが殆ど変化せず、ばらつきの少ないSV−GMR素子が得られる。また、1例として、従来のパターン幅9μmのSV−GMR素子と比較して飽和磁界Hkは約半分となり、SV−GMR素子の非飽和領域を利用する場合、感度は約2倍に向上する。
4個のSV−GMR素子R1,R2,R3,R4は感磁パターンとなる磁気抵抗効果膜パターンを有する感磁面を持ち、それらの感磁面は図1の軟磁性体歯車1の外周面に接する平面に平行な同一平面内にあることが望ましく、対をなすSV−GMR素子R1,R2のうちR1はピン層の磁化方向が歯車回転方向の略逆方向、R2は略順方向である。同様に、もう1組の対をなすSV−GMR素子R3,R4のうちR3はピン層の磁化方向が歯車回転方向の略逆方向、R4は略順方向である。
図1(A)の前記バイアス磁石5は、例えば軟磁性体歯車1の外周面に対向する面にN極、反対面にS極を有する永久磁石であり、N極面と軟磁性体歯車1間に4個のSV−GMR素子R1,R2,R3,R4が位置する関係である。また、直線的に配列された各SV−GMR素子R1,R2,R3,R4に略均等の磁界を印加できるように、4個のSV−GMR素子の配置幅W1より大きい十分な横幅を有することが望ましい。同様に、歯車1の厚みW2もW1以上であることが望ましい。
図1(B)のように、SV−GMR素子R1,R2の対と、もう一つのSV−GMR素子R3,R4の対とでホイートストンブリッジ回路を構成しており、このホイートストンブリッジ回路には一定の供給電圧Vinが供給されるようになっている。検出出力VoutはR1,R2の接続点とR3,R4の接続点間の電位差として得られる。
従って、図1(A)のような配置で検知対象の軟磁性体歯車1の凸部2がSV−GMR素子R1,R2,R3,R4の感磁面に接近してきた時、各SV−GMR素子の感磁面位置における磁束ベクトルの歯車回転接線方向成分は凸部2が接近してくる方向を向く。図7のように、SV−GMR素子の磁気特性は、外部磁界の方向とピン層磁化方向とが順平行で抵抗変化率(ΔR/R)はマイナス、外部磁界の方向とピン層磁化方向とが反平行で抵抗変化率(ΔR/R)はプラスであるから、磁束ベクトル成分が凸部接近方向に向いた時、2対のSV−GMR素子(R1とR2の対、及びR3とR4の対)の一方のSV−GMR素子R1,R3では抵抗値が小となり(ピン層磁化方向と磁束ベクトル方向の歯車接線方向成分が順平行の時)、他方のSV−GMR素子R2,R4では抵抗値が大となる(ピン層磁化方向と磁束ベクトル方向の歯車接線方向成分が反平行の時)。
また、凸部2がSV−GMR素子R1,R2,R3,R4の感磁面から遠ざかる時、SV−GMR素子の感磁面位置における磁束ベクトルの歯車回転接線方向成分は凸部2が遠ざかる方向を向く。磁束ベクトル成分が凸部の遠ざかる方向に向いた時、一方のSV−GMR素子R1,R3では抵抗値が大となり(ピン層磁化方向と磁束ベクトル方向の歯車接線方向成分が反平行の時)、他方のSV−GMR素子R2,R4では抵抗値が小となる(ピン層磁化方向と磁束ベクトル方向の歯車接線方向成分が順平行の時)。
このように、軟磁性体歯車1の凸部2が接近してくる時もしくは遠ざかる時、2対のSV−GMR素子の各々の対では、一方の抵抗値が最小、他方が最大となり、図1(B)のホイートストンブリッジ回路を組むことにより、1つのSV−GMR素子の4倍の検出出力Voutを得ることが可能になる。検出出力Voutは軟磁性体歯車1の凸部2が通過する毎に変化することから軟磁性体歯車1の回転検出が可能である。
この実施の形態1によれば、次の通りの効果を得ることができる。
(1) SV−GMR素子R1,R2,R3,R4の磁気抵抗効果膜パターン12のピン層磁化方向の幅を20μm以上としたことで、各SV−GMR素子R1,R2,R3,R4の飽和磁界Hkのばらつきを小さくでき、ひいては、検出出力の安定化を図ることができる。つまり、製品毎の検出出力電圧のばらつきを低減できる。
(2) 磁気抵抗効果膜パターン12のピン層磁化方向の幅が20μm以上であると、飽和磁界Hkは低い値で安定し、高い感度を安定して得ることができる。1例として、従来のパターン幅9μmのSV−GMR素子と比較して飽和磁界Hkは約半分となり、感度を約2倍に向上させることができる。
(3) 磁気抵抗効果膜パターン12のピン層磁化方向の幅が20μm以上であるSV−GMR素子R1,R2,R3,R4を用いることで、軟磁性体歯車1とSV−GMR素子R1,R2,R3,R4間のギャップを適切値に維持したときでも、バイアス磁石5の大型化や材質変更は必要なく、小型で高感度の移動体検出装置を実現できる。
図4(A),(B)は本発明の実施の形態2であって、磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体を検出するのに適した移動体検出装置を示す。この場合、移動体検出装置は、図4(A)に示すように、バイアス磁界印加用のバイアス磁石5Aと一対のSV−GMR素子R1A,R2Aとを備えている。SV−GMR素子R1A,R2Aは、バイアス磁石5Aの磁極面(図では上面のN極面)に対向する位置(図4では磁極面の上側の位置)に、検出対象である検出媒体(磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体)21の移動方向(図4では水平方向)に対して略垂直(図4では奥行き方向)に並んで配置されている。一対のSV−GMR素子R1A,R2Aのピン層磁化方向は、検出媒体21の移動方向に対して略平行でかつ互いに逆向き(図4では水平方向右向き及び左向き)である。また、磁石5Aは検出媒体1の移動方向に略垂直にSV−GMR素子R1A,R2Aを磁気バイアスするものであり、つまりSV−GMR素子R1A,R2Aの感磁面に対して略垂直な一定のバイアス磁界を印加している。
この実施の形態2の場合も、図4で使用する2個のSV−GMR素子R1A,R2Aにおいて、その磁気抵抗効果膜パターンのピン層磁化方向の幅を20μm以上に設定している。
図4(B)のように、一対のSV−GMR素子R1A,R2Aは、直列に接続されており、この直列接続の一方の側は直流定圧電源Vccに、他方の側はグランドラインに、それぞれ接続されている。そして、一対のSV−GMR素子R1,R2同士の直列接続部25から検出出力信号Voutを取り出す構成である。
検出媒体21は、紙、プラスチックのフイルムやカード等に磁気インク等で磁性粉を付着させて磁性層パターン22を形成した磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体(例えば紙幣やカード)である。前記磁石5A及び一対のSV−GMR素子R1A,R2Aは、この検出媒体21の移動経路に沿って配置され、検出媒体21は図示しない移動手段によりSV−GMR素子R1A,R2Aに近接対向した状態で図4(A)の矢印方向(水平方向右向き)に走行可能となっている。
磁性層パターン22の検出動作は以下の通りである。図4(A)の1本の磁性層パターン22がSV−GMR素子R1A,R2Aの真上の手前側(左側)に近接すると、バイアス磁石5Aによるバイアス磁界は磁性層パターン22の影響で左上向きとなり、SV−GMR素子R1Aのピン層磁化方向に一致する磁界成分が発生し、SV−GMR素子R1Aは低抵抗、SV−GMR素子R2Aは高抵抗となり、図4(B)の検出出力信号Voutの出力波形において前側の正のピーク電圧が得られる。そして、図4(A)の1本の磁性層パターン22がSV−GMR素子R1A,R2Aの真上を通過して右側に位置すると、バイアス磁石5Aによるバイアス磁界は磁性層パターン2の影響で右上向きとなり、SV−GMR素子R2Aのピン層磁化方向に一致する磁界成分が発生し、SV−GMR素子R1Aは高抵抗、SV−GMR素子R2Aは低抵抗となり、図1(B)の検出出力信号Voutの出力波形において後側の負のピーク電圧が得られる。
この実施の形態2によっても、実施の形態1と同様に検出出力の安定した高感度の磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体を対象とした移動体検出装置を実現できる。
図5は本発明の各実施の形態で使用できるSV−GMR素子の変形例である。図5(A)は基板10に形成されたAu電極パッド11の延長リード部11a間に磁気抵抗効果膜の直線状パターン12が1本のみ形成、接続されている場合である。図5(B)は、対をなすAu電極パッド11間にそれぞれ延長リード部11aを介して磁気抵抗効果膜の直線状パターン12が複数本形成され、複数本のパターン12が対をなすAu電極パッド11間に電気的に並列に接続されている。図5(C)はAu電極パッド11の延長リード部11a間に複数の磁気抵抗効果膜の直線状パターン12をAu接続リード部13で相互に直列に接続したシングルミアンダパターン14が形成されている。
図5(A)の磁気抵抗効果膜の直線状パターン12が1本のSV−GMR素子の抵抗値をRΩとしたとき、同図(B)の場合は磁気抵抗効果膜の直線状パターン12が4本並列であるため、抵抗値はR/4Ωとなり、同図(C)の場合は磁気抵抗効果膜の直線状パターン12が3本直列であるため、抵抗値は3RΩとなる。
通常、SV−GMR素子は、増幅回路と組み合わせて使用される。その際、回路が比較的容易になることから、複数のSV−GMR素子をフルブリッジ回路やハーフブリッジ回路として接続し、一定電圧を印加する構成が用いられる。この場合、SV−GMR素子の磁気抵抗効果膜パターン幅のみを変更すると、SV−GMR素子の抵抗値が大きく変化し、増幅回路との接続に相応しい抵抗値から外れ、増幅回路とのマッチングの低下や、消費電流が大きくなる問題が考えられる。しかし、この点に関しては、図5に示したように、所望の飽和磁界Hkの磁気抵抗効果膜パターンを並列、直列、あるいは両方の組み合わせで接続することにより自在に調整できるので問題にならない。
図6は本発明の各実施の形態で使用できるSV−GMR素子の他の変形例である。図6(A)は、基板10上のAu電極パッド11の延長リード部11a間に複数の磁気抵抗効果膜の直線状パターン12をAu接続リード部13で相互に直列に接続したシングルミアンダパターン14を示し、同図(B)は、2つのミアンダパターンを相互に入り組むように形成したダブルミアンダパターン15を示し、各ミアンダパターンは2対設けられたAu電極パッド11間にそれぞれ接続されている(図6(A)と同一又は相当部分には同一符号を付した)。図6(B)のダブルミアンダパターンの場合、同一基板上に2個(一対)のSV−GMR素子が構成されることになる。なお、同一基板上に複数対のSV−GMR素子をそれぞれダブルミアンダパターンで構成することもできる。
図6(B)のように、磁気抵抗効果膜パターン12の幅が20μmのSV−GMR素子を用いつつ、複数素子分の磁気抵抗効果膜パターンを含むダブルミアンダパターンとすることで、SV−GMR素子を集中配置でき、基板10を切り出すウエハの無駄を減らし、かつSV−GMR素子を用いる移動体検出装置の小型化も可能となる。
なお、各実施の形態においてバイアス磁界発生手段として永久磁石を用いたが、動作原理上、電磁石を用いてもよい。
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
本発明に係る移動体検出装置の実施の形態1であって、(A)は移動体検出装置の構成を示す模式的斜視図、(B)は回路図である。 本発明の実施の形態で用いるSV−GMR素子であって、(A)は磁気抵抗効果膜パターン長さが120μm、(B)は磁気抵抗効果膜パターン長さが60μm、(C)は磁気抵抗効果膜パターン長さが30μmの場合の平面図である。 磁気抵抗効果膜パターンのピン層磁化方向の幅と飽和磁界Hkの関係を示すグラフである。 本発明に係る移動体検出装置の実施の形態2であって、(A)は移動体検出装置の構成を示す模式的斜視図、(B)は回路図である。 本発明の各実施の形態で使用可能なSV−GMR素子の変形例であって、(A)は1本の磁気抵抗効果膜パターン、(B)は磁気抵抗効果膜パターンの並列接続、(C)は磁気抵抗効果膜パターンの直列接続を有する場合をそれぞれ示す平面図である。 本発明の各実施の形態で使用可能なSV−GMR素子の他の変形例であって、(A)は磁気抵抗効果膜パターンを含むシングルミアンダパターン、(B)はダブルミアンダパターンを有する場合をそれぞれ示す平面図である。 SV−GMR素子の膜構成及び磁気特性を示す説明図である。 SV−GMR素子の飽和磁界Hkの変化により、非飽和領域の磁界−抵抗変化率の関係を示す直線の傾きが変化し、入力信号に対する出力信号がその傾き変化で変動することを示す説明図である。
符号の説明
1 軟磁性体歯車
2 凸部
5,5A バイアス磁石
10 基板
11 電極パッド
11a 延長リード部
12 直線状パターン
13 接続リード部
14 シングルミアンダパターン
15 ダブルミアンダパターン
21 検出媒体
22 磁性層パターン
R1,R2,R1A,R2A,R3,R4 SV−GMR素子

Claims (6)

  1. 磁性材移動体と、磁界発生手段と、少なくとも1つのスピンバルブ型巨大磁気抵抗素子とを有する移動体検出装置であって、
    前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が有する磁気抵抗効果膜パターンのピン層磁化方向の幅を20μm以上としたことを特徴とする移動体検出装置。
  2. 前記磁性移動体が少なくとも1つの凸部又は凹部を有している請求項1記載の移動体検出装置。
  3. 前記磁性移動体が磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体である請求項1記載の移動体検出装置。
  4. 前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が1対又は複数対あり、対をなす前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子のピン層磁化方向が互いに前記磁性材移動体の移動方向に対し、略順方向と略逆方向を向くように配置されている請求項1,2又は3記載の移動体検出装置。
  5. 前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が磁気抵抗効果膜パターンの直列接続、並列接続の一方又は両方を有するものである請求項1,2,3又は4記載の移動体検出装置。
  6. 前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が同一基板上に一対又は複数対形成され、対をなすスピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が磁気抵抗効果膜パターンを含むダブルミアンダパターンで構成されている請求項1,2,3又は4記載の移動体検出装置。
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