JP2008107161A - 角速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱による動作周波数の変動に強い音叉型の角速度センサを提供する。
【解決手段】本発明に係る角速度センサ10は、基部11A,11Bと、基部11A,11Bから一体的に突出形成された振動子部12A,12Bと、振動子部12A,12Bの一表面に形成された圧電機能層15A,15Bを有し、圧電機能層15A,15Bは、当該圧電機能層の形成面に対して垂直な方向に振動子部12A,12Bを励振する駆動電極と、当該圧電機能層の形成面に対して平行な方向への振動子部12A,12Bの振動を角速度として検出するための検出電極とを備えた一対のセンサ素子10A,10Bの接合体からなり、これら一対のセンサ素子10A,10Bを、各々の振動子部12A,12Bが同一方向に振動するように、基部11A,11Bどうしで互いに接合することで、角速度センサ10を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、ビデオカメラの手振れ検知やバーチャルリアリティ装置における動作検知、カーナビゲーションシステムにおける方向検知などに用いられる角速度センサに関する。
従来より、民生用の角速度センサとしては、振動子を所定の共振周波数で振動させておき、角速度の影響によって生じるコリオリ力を圧電素子などで検出することによって角速度を検出する、いわゆる振動型のジャイロセンサが広く用いられている。振動型ジャイロセンサは、単純な機構、短い起動時間、安価に製造可能といった利点を有しており、例えば、ビデオカメラ、バーチャルリアリティ装置、カーナビゲーションシステムなどの電子機器に搭載され、それぞれ手振れ検知、動作検知、方向検知などをする際のセンサとして活用されている。
さて、この種の角速度センサとしては、片持ち梁型と称される単一の振動子を有するもののほか、音叉型と称される複数本の振動子を有する角速度センサが知られている(例えば下記特許文献1参照)。音叉型の角速度センサは、図11に模式的に示すように、基部1と、この基部1から一体的にほぼ同一方向(y軸方向)へ延出された2本のアーム部2A,2Bとを供えている。アーム部2A,2Bはそれぞれ振動子として構成されており、一方のアーム部2Aの一表面には励振用の駆動電極3a1,3a2と角速度検出用の検出電極4aが形成され、他方のアーム部2Bの一表面には励振用の駆動電極3b1,3b2と角速度検出用の検出電極4bが形成されている。
駆動電極3a1と3a2及び駆動電極3b1と3b2は、各アーム部2A,2B上において検出電極4a及び検出電極4bを挟むようにしてそれぞれ配置されている。そして、検出電極4a,4bはアーム部2A,2Bの軸心上にそれぞれ形成されており、駆動電極3a1及び駆動電極3a2はそれぞれ検出電極4aの外側及び内側に配置され、駆動電極3b1及び3b2はそれぞれ検出電極4bの外側及び内側に配置されている。これらの各駆動電極3a1,3a2,3b1,3b2及び検出電極4a,4bは、アーム部2A,2B上に下地電極膜を介して設けられた圧電膜の上に形成されており、以下これらを総称して、それぞれ圧電機能層5A,5Bともいう。
以上の構成の従来の音叉型角速度センサは、外周側に位置する一対の駆動電極3a1,3b1と、内周側に位置する一対の駆動電極3a2,3b2との間で、互いに逆相の駆動電圧を印加することで、アーム部2A,2Bを圧電駆動する。その結果、図12A,Bに示すように、各アーム部2A,2Bは、互いに離間する方向と互いに近接する方向へ周期的に励振される。すなわち、各アーム部2A,2Bは圧電機能層5A,5Bの形成面に対して平行な方向(x軸方向)に励振される。
一方、この状態において、アーム部2A,2Bの周りに角速度が作用すると、各アーム部2A,2Bにコリオリ力が生じて各アーム部2A,2Bをその圧電機能層5A,5Bの形成面と垂直な方向(z軸方向)に振動する成分が生成される。この振動成分は、検出電極4a,4bにより検出され、角速度信号として処理される。
また、近年における電子部品の小型化の要求から、角速度センサのMEMS(Micro Electro Mechanical System)構造化が進められており、基部1及びアーム部2A,2Bをシリコン基板等の単結晶基板で形成するとともに、圧電膜及び各種電極膜を半導体製造用のフォトリソグラフィ技術を用いて形成するようにしている。
特開2006−17569号公報
一般に、表面に圧電膜を備えた振動子をこの圧電膜の伸縮駆動により励振させる場合、図13に示すように、振動子7は、圧電膜6の形成面に対して平行な方向(x軸方向)よりも、圧電膜6の形成面に対して垂直な方向(z軸方向)の方が励振され易い。
これに対して、上述した従来の音叉型角速度センサにおいては、図12に示したように、圧電機能層5A,5Bの形成面に平行に各アーム部2A,2Bが励振されるように構成されている。このことをアーム部2A,2Bの振動特性で説明すると、アーム部2A,2Bは、図14に概念的に示すように、アーム部2A,2Bの動作周波数fvに比べて、コリオリ力(角速度)の検出周波数fhの方がより振動され易い構成であるといえる。すなわち、x軸方向よりも、z軸方向の方が、アーム部2A,2Bをより安定して振動させることができる。
一方、動作周波数fvで駆動される角速度センサにおいて、周波数faの外部信号の飛び込み(外乱)による影響について考える。この場合、角速度センサの動作周波数fvに周波数faの変動成分が重畳する結果、動作周波数fvは周波数faで変調を受けることになる。変調を受けた駆動信号は、fv+faとfv−faの周波数成分に分離される。角速度センサの振動子は、動作周波数fvと検出周波数fhとがほぼ一致するように設計されているが、動作性能の面から完全に一致させずに数十Hz〜数百Hz程度離して設計され、fv−faがfhに近い場合、振動子を構成するアーム部2A,2Bは共振して、周波数fv−faの振動モードで振動することになる。
この場合、従来の角速度センサにおいては、上述したように、圧電機能層5A,5Bの形成面に対して平行な方向(x軸方向)を励振方向とし、圧電機能層5A,5Bの形成面に対して垂直な方向(z軸方向)を検出方向としているため、圧電機能層5A,5Bの形成面に平行な動作周波数fvでの振動に比べて、圧電機能層5A,5Bの形成面に垂直な検出周波数fhでの振動の方が安定である。その結果、振動モードが周波数fv−faに変化した場合、アーム部2A,2Bは、x軸方向での振動モードから、z軸方向での振動モードに遷移し易くなる。これにより、センサ出力のノイズが増大することになる。なお、このような問題は、fv−fh<0で、fv+faがfhに近い場合も同様に当てはまる。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、外乱による動作周波数の変動に強い音叉型の角速度センサを提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明の角速度センサは、基部と、上記基部から一体的に突出形成された振動子部と、上記振動子部の一表面に形成された圧電膜と、上記圧電膜の上に形成され当該圧電膜の形成面に対して垂直な方向に上記振動子部を励振する駆動電極と、上記圧電膜の上に形成され当該圧電膜の形成面に対して平行な方向への上記振動子部の振動を角速度として検出するための検出電極とを備えた一対のセンサ素子の接合体からなり、上記一対のセンサ素子は、各々の上記振動子部が同一方向に振動するように、上記基部どうしで互いに接合されていることを特徴とする。
本発明では、振動子部の励振方向を、圧電膜の形成面と垂直な方向にするとともに、角速度の検出方向を圧電膜の形成面と平行な方向とすることで、振動子部の動作方向が検出方向よりも安定した振動モードを実現し、外乱により振動モードが振動方向から検出方向へ遷移しにくくしている。これにより、外乱に強い音叉型の角速度センサを構成でき、高精度な出力特性を安定して得ることができるようになる。
本発明の角速度センサを構成する一対のセンサ素子は、それぞれ同一の構成とすることができる。特に、このセンサ素子は、MEMS加工技術を用いて同一ウエハ上に複数個同時に作製することが可能であり、作製したセンサ素子を任意に組み合わせて本発明に係る角速度センサとすることができる。
センサ素子の接合態様は、各々の振動子部の振動方向が同一であれば、特に制限されない。好適には、上記基部は、振動子部の圧電膜形成面と同一の平面内に属する第1の主面と、この第1の主面と反対側の主面であって振動子部に段部を介して形成される第2の主面とを有し、一対のセンサ素子は、基部の第2の主面どうしで互いに接合される。これにより、互いの振動子部の間に一定の間隙を形成して安定した共振振動を確保することができる。
また、上記構成の各センサ素子において、基部の第1の主面に信号入出力用の配線パターンを形成し、一方のセンサ素子には、当該一方側の基部の配線パターンの一部としてボンディングワイヤ接続用の電極端子を形成するとともに、他方のセンサ素子には、当該他方側の基部の配線パターンの一部としてフリップチップ接続用の電極端子を形成する。この構成により、角速度センサが搭載される配線基板への電気的接続を容易に行うことが可能となる。
更に、各センサ素子において、基部と振動子部との間に、基部の形成幅にわたって溝部を形成することにより、実装基板側への振動の漏出を抑制することが可能となる。
以上述べたように、本発明の角速度センサによれば、圧電膜の形成面に対して垂直な方向に振動子部を励振させ、圧電膜の形成面に対して平行な方向を角速度の検出方向としているので、外乱による動作周波数の変動に対して強く、高精度な出力特性を安定して得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図4は本発明の実施形態による音叉型の角速度センサ10の概略構成を示しており、図1は角速度センサ10の平面図、図2は角速度センサ10の側断面図、図3は角速度センサ10の底面図、図4は図2における[4]−[4]線方向断面図である。本実施形態の角速度センサ10は、第1,第2の一対のセンサ素子10A,10Bの接合体で構成されている。
各センサ素子10A,10Bは同様な構成を有しており、基部11A,11Bと、基部11A,11Bから一体的にy軸方向へ延出された振動子部(アーム部)12A,12Bとを備えている。これら基部11A,11Bおよび振動子部12A,12Bは、シリコンウエハなどの圧電特性を有さない単結晶基板から所定形状に切り出されて作製される。
図1に示すように、振動子部12Aの一表面には、励振用の駆動電極13aが形成されているとともに、この駆動電極13aを挟むように角速度検出用の一対の検出電極14a1,14a2がそれぞれ形成されている。駆動電極13aは、断面四角形状の振動子部12Aの軸心上に形成されており、一対の検出電極14a1,14a2は駆動電極13aに関して対称な位置に配置されている。駆動電極13aおよび検出電極14a1,14a2は、これら駆動電極13a、検出電極14a1,14a2の下地膜として形成された圧電膜16aと、この圧電膜16aと振動子部12Aの表面との間に形成された基準電極となる下地電極膜17aとともに、圧電機能層15Aを構成している。
一方、振動子部12Bの一表面には、図3に示すように、励振用の駆動電極13bが形成されているとともに、この駆動電極13bを挟むように角速度検出用の一対の検出電極14b1,14b2がそれぞれ形成されている。駆動電極13bは、断面四角形状の振動子部12Bの軸心上に形成されており、一対の検出電極14b1,14b2は駆動電極13bに関して対称な位置に配置されている。駆動電極13bおよび検出電極14b1,14b2は、これら駆動電極13b、検出電極14b1,14b2の下地膜として形成された圧電膜16bと、この圧電膜16bと振動子部12Bの表面との間に形成された基準電極となる下地電極膜17bとともに、圧電機能層15Bを構成している。
圧電機能層15A,15Bは、振動子部12A,12Bを当該圧電機能層15A,15Bの形成面に垂直な方向に励振する一方、当該圧電機能層15A,15Bの形成面に平行な方向の振動を角速度信号として検出するように構成されている。
ここで、基部11A,11Bは、図2に示すように、圧電機能層15Aが形成される振動子部12A,12Bの一表面と同一の平面内に属する第1の主面11A1,11B1と、この第1の主面11A1,11B1と反対側の主面であって、振動子部12A,12Bに段部11A3,11B3を介して形成される第2の主面11A2,11B2とを有している。
そして、本実施形態の角速度センサ10は、一対のセンサ素子10A,10Bの各々の基部11A,11Bがそれらの第2の主面11A2,11B2どうしが接着層20を介して互いに接合されることによって構成されている。接着層20の種類は特に限定されず、仕様に応じて適宜選択することができる。これにより、各センサ素子10A,10Bの振動子部12A,12Bがそれぞれ同一方向(z軸方向)に振動する音叉型の角速度センサ10が構成される。このとき、振動子部12A,12Bの間に、段部11A3,11B3の高さの和に相当する一定の間隙を形成されることにより、振動子部12A,12Bの安定した共振振動を確保することができる。
また、各センサ素子10A,10Bの各々の基部11A,11Bの第1の主面11A1,11B1上には、基部11A,11Bの形成幅にわたって溝部21A,21Bがそれぞれ形成されている。これら溝部21A,21Bは、振動子部12A,12Bから基部11A,11Bに向かう振動の伝播を抑制する機能を有している。
一方のセンサ素子10Aにおいて、圧電機能層15Aは、振動子部12Aの表面から基部11Aの根元部位にかけて形成されている(図1)。そして、基部11Aの根元部位において、第1の主面11A1に形成されたリードパターン23a1,23a2,23a3,23a4に駆動電極13a、検出電極14a1,14a2および下地電極膜17aがそれぞれ接続されている。第1の主面11A1において、溝部21Aを挟んでリードパターン23a1〜23a4と対向する領域には、外部接続用の電極端子24a1,24a2,24a3,24a4が形成されており、これらの電極端子24a1〜24a4にリードパターン23a1〜23a4がボンディングワイヤWA1を介してそれぞれ接続されている。なお、リードパターン23a1〜23a4および電極端子24a1〜24a4は、信号入出力用の配線パターンを構成している。
また、他方のセンサ素子10Bにおいても同様に、圧電機能層15Bは、振動子部12Bの表面から基部11Bの根元部位にかけて形成されている(図3)。そして、基部11Bの根元部位において、第1の主面11B1に形成されたリードパターン23b1,23b2,23b3,23b4に駆動電極13b、検出電極14b1,14b2および下地電極膜17bがそれぞれ接続されている。第1の主面11B1において、溝部21Bを挟んでリードパターン23b1〜23b4と対向する領域には、外部接続用の電極端子24b1,24b2,24b3,24b4が形成されており、これらの電極端子24b1〜24b4にリードパターン23b1〜23b4がボンディングワイヤWB1を介してそれぞれ接続されている。なお、リードパターン23b1〜23b4および電極端子24b1〜24b4は、信号入出力用の配線パターンを構成している。
図2に示すように、角速度センサ10は、支持基板30の上に機械的かつ電気的に接続される。本実施形態では、一方のセンサ素子10Aは他方のセンサ素子10Bの上に接合されて角速度センサ10を構成している。そして、一方のセンサ素子10Aにおいては、電極端子24b1〜24b4上にそれぞれ形成された金属バンプBBを介したフリップチップ実装法により支持基板30上の複数のランド部31に接続されている。また、他方のセンサ素子10Bにおいては、電極端子24a1〜24a4と支持基板30上の所定の複数のランド(図示略)との間がそれぞれボンディングワイヤWA2を介して電気的に接続されている。
以上のように構成される本実施形態の角速度センサ10においては、駆動電極13a,13bにそれぞれ共通の駆動信号が入力されることにより、振動子部12A,12Bを圧電機能層15A,15Bの形成面に対して垂直な方向に励振する。これにより、各振動子12A,12Bは、図4に示すようにz軸方向に共振し、ある瞬間には互いに近接する方向に振動し、また他の瞬間には互いに離間する方向に振動する。
一方、この状態において、振動子部12A,12Bの軸方向(y軸方向)の周りに角速度が入力されると、各振動子部12A,12Bにコリオリ力が作用して各振動子部12A,12Bを圧電機能層15A,15Bの形成面と平行な方向(x軸方向)に振動する成分が生成される。この振動成分は、検出電極14a1,14a2および検出電極14b1,14b2により検出され、角速度信号として処理される。
本実施形態によれば、振動子部12A,12Bの励振方向を圧電機能層15A,15Bの形成面に対して垂直な方向(z軸方向)に設定しているので、その検出方向(x軸方向)と異なり、本来的に安定した振動モードで振動させることができる。すなわち、図5に概念的に示すように、振動子部12A,12Bの動作周波数(振動子部の縦共振周波数)fvの方が、コリオリ力(角速度)の検出周波数(振動子部の横共振周波数)fhに比べて、励起され易い振動モードであるといえる。なお、図5の例ではfv−fh>0の場合を示している。
この構成により、図5に示したように、動作周波数fvで駆動される角速度センサにおいて、周波数faの外部信号の飛び込み(外乱)で発生する擬似駆動信号(fv−fa)によって、検出周波数fhによるx軸方向への振動モードへの遷移を起こしにくくし、z軸方向の振動モードを安定に維持することが可能となる。これにより、電気的な外乱による動作周波数の変動に対して強い角速度センサ10を構成することができ、高精度な出力特性を安定して得ることが可能となる。
図6は、振動励起方向がx軸方向である従来の角速度センサと、振動励起方向がz軸方向である本発明の角速度センサの耐ノイズ特性を比較して示す一実験結果である。図において、横軸は動作周波数に重畳する周波数(fa)であり、縦軸はノイズ量である。ある周波数帯域においてノイズ量の増大が認められるが、本発明の角速度センサによれば、従来の角速度センサに比べて、ノイズ量を著しく低減させることができる。
また、本実施形態によれば、各センサ素子10A,10Bの基部11A,11Bに溝部21A,21Bを形成したので、振動子部12A,12Bで発生される振動が基部11A,11Bおよび支持基板30へ伝播することを抑制でき、これにより、角速度センサ10の安定した出力特性を得ることができる。
更に、本実施形態によれば、基部11A,11Bの第1の主面11A1,11B1に信号入出力用の配線パターンを形成し、一方のセンサ素子11Aには、当該一方側の基部11A1の配線パターンの一部としてボンディングワイヤ接続用の電極端子24a1〜24a4を形成するとともに、他方のセンサ素子10Bには、当該他方側の基部11Bの配線パターンの一部としてフリップチップ接続用の電極端子24b1〜24b4を形成しているので、角速度センサ10が搭載される配線基板30への電気的接続を容易に行うことが可能となる。
なお、本発明において、角速度センサを構成するセンサ素子は、MEMS加工技術を用いて同一ウエハ上に複数個同時に作製することが可能であり、作製したセンサ素子を任意に組み合わせることによって、本発明に係る角速度センサ10を構成することができる。
具体的に、本発明に係るセンサ素子は、シリコンウエハの表面に対する下地電極膜、圧電膜、上部電極膜(駆動電極、検出電極)からなる圧電機能層と各種リードパターンを素子形成エリア毎にパターニングするとともに、シリコンウエハの裏面に対してウェットエッチングを施して、振動子部と基部との間に段部(11A3,11B3)に相当する凹所を素子エリア毎にパターニングした後、シリコンウエハから素子毎に切り出して個片化される。この個片化工程において、振動子部12A,12Bの外形形状の形成には、ICPエッチング法などのドライエッチング法が用いられ、基部の外形形状の形成にはダイシング加工技術が用いられる。
基部11A,11B上の溝部21A,21Bの形成に際しては、段部11A3,11B3の形成工程において実施されるウェットエッチング法を用いることができる。ウェットエッチング法を用いることにより、シリコン単結晶基板の結晶構造に起因した異方性エッチングを実現でき、溝の側壁がテーパ形状である溝部21A,21Bを容易に形成することができる。また、図7に示すように、溝部21A,21Bの側壁を基部11A,11Bの主面に対して垂直に形成する場合には、振動子部12A,12Bの外形加工時に用いられるドライエッチング法を用いることができる。勿論、形成方法による溝部21A,21Bの作用効果上の違いは生じない。
溝部21A,21Bの形成は任意であり、図8に示すように、溝部21A,21Bの形成を省略してもよい。この例によれば、基部11A,11Bの第1の主面11A1,11B1が平坦であるので、当該主面11A,11Bにおける圧電機能層15A,15Bに対する信号入出力用の配線形成を容易に行うことが可能となり、特に、上記溝部を超えるためのボンディングワイヤWA1、WB1(図2)の形成が不要となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施の形態では、各振動子が同一方向に振動する音叉型角速度センサの構成例として、図4に示したように、圧電機能層15A,15Bが各振動子12A,12Bの各々の外側の表面に位置する構成例について説明したが、これに限らず、例えば図9に示すように、圧電機能層15A,15Bのうち何れか一方を振動子部の内側の表面に位置させるようにしてもよい。この場合、各圧電機能層15A,15Bの駆動電極には、互いに逆位相の駆動信号を入力することにより、各振動子12A,12Bを互いに近接する方向と離間する方向とに周期的に励振させることが可能となる。
また、以上の実施形態では、各振動子が同一方向に振動する音叉型角速度センサの構成例として、図2に示したように、各センサ素子10A,10Bをz軸方向に積層して接合する構成例について説明したが、これに代えて、例えば図10に示すように、各センサ素子10A,10Bをx軸方向に並べて接合する構成例を採用してもよい。この構成の角速度センサ40においても、各振動子部12A,12Bをそれぞれ励振させることが可能となる。なお、図10において上述の実施形態と対応する部分については同一の符号を付している。
この場合、圧電機能層15A,15Bを構成する駆動電極13a1,13a2及び駆動電極13b1,13b2は、振動子部12A,12Bの軸心上に配置された検出電極14a,14bを挟むように一対配置されている。そして、駆動電極13a1,13a2と駆動電極13b1,13b2とに対して相互の逆相の駆動信号を入力することにより、各振動子部12A,12Bがz軸方向に逆相で励振される。このような構成の角速度センサ40においても、上述の実施形態と動揺に、耐ノイズ性に優れ、高精度な角速度信号を安定して生成することが可能となる。
本発明の実施形態による角速度センサの概略構成を示す平面図である。 本発明の実施形態による角速度センサの概略構成を示す側断面図である。 本発明の実施形態による角速度センサの概略構成を示す底面図である。 図2における[4]−[4]線方向の要部断面図である。 本発明の実施形態の角速度センサの周波数特性を示す図である。 本発明に係る角速度センサを従来構造の角速度センサについての外乱ノイズによる影響を比較して示す図である。 本発明の実施形態による角速度センサの構成の変形例を示す側断面図である。 本発明の実施形態による角速度センサの構成の変形例を示す側断面図である。 本発明の実施形態による角速度センサの構成の変形例を示す要部断面図である。 本発明の実施形態による角速度センサの構成の変形例を示す全体斜視図である。 従来の角速度センサの概略構成を示す斜視図である。 従来の角速度センサの各アーム部の励振方向及び角速度検出方向を説明するためのアーム部の正面図である。 アーム部の振動方向を説明する要部概略斜視図である。 従来の角速度センサの周波数特性を示す図である。
符号の説明
10,40…角速度センサ、10A,10B…センサ素子、11A,11B…基部、11A1,11B1…第1の主面、11A2,11B2…第2の主面、12A,12B…振動子部、13a,13a1,13a2,13b,13b1,13b2…駆動電極、14a,14a1,14a2,14b,14b1,14b2…検出電極、15A,15B…圧電機能層、16a,16b…圧電膜、17a,17b…下地電極膜、20…接着層、21A,21B…溝部、24a1〜24a4,24b1〜24b4…電極端子、30…支持基板

Claims (4)

  1. 基部と、
    前記基部から一体的に突出形成された振動子部と、
    前記振動子部の一表面に形成された圧電膜と、
    前記圧電膜の上に形成され当該圧電膜の形成面に対して垂直な方向に前記振動子部を励振する駆動電極と、
    前記圧電膜の上に形成され当該圧電膜の形成面に対して平行な方向への前記振動子部の振動を角速度として検出するための検出電極とを備えた一対のセンサ素子の接合体からなり、
    前記一対のセンサ素子は、各々の前記振動子部が同一方向に振動するように、前記基部どうしで互いに接合されている
    ことを特徴とする角速度センサ。
  2. 前記基部は、
    前記振動子部の一表面と同一の平面内に属する第1の主面と、
    前記第1の主面と反対側の主面であって前記振動子部に段部を介して形成される第2の主面とを有し、
    前記一対のセンサ素子は、前記基部の第2の主面どうしで互いに接合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ。
  3. 前記基部の第1の主面には、信号入出力用の配線パターンが形成されており、
    一方の前記センサ素子には、当該一方側の基部の配線パターンの一部としてボンディングワイヤ接続用の電極端子が形成されているとともに、
    他方の前記センサ素子には、当該他方側の基部の配線パターンの一部としてフリップチップ接続用の電極端子が形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の角速度センサ。
  4. 前記基部の第1の主面には、前記基部の形成幅にわたって溝部が形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の角速度センサ。




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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011232200A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Panasonic Corp 角速度センサ素子およびその製造方法

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