JP2008106875A - 大型転がり軸受 - Google Patents

大型転がり軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2008106875A
JP2008106875A JP2006291464A JP2006291464A JP2008106875A JP 2008106875 A JP2008106875 A JP 2008106875A JP 2006291464 A JP2006291464 A JP 2006291464A JP 2006291464 A JP2006291464 A JP 2006291464A JP 2008106875 A JP2008106875 A JP 2008106875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling bearing
outer ring
inner ring
bearing
nitrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006291464A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Tobitaka
秀幸 飛鷹
Daisuke Watanuki
大輔 渡貫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2006291464A priority Critical patent/JP2008106875A/ja
Publication of JP2008106875A publication Critical patent/JP2008106875A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】異物混入潤滑環境下で使用されても長寿命な大型転がり軸受を提供する。
【解決手段】円筒ころ軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1及び外輪2の間に転動自在に配された複数の転動体3と、を備えており、内径が140mm以上の大型転がり軸受である。そして、鋼で構成された内輪1及び外輪2には、軟窒化処理の後に浸炭処理が施されているため、その軌道面には十分な量の窒素が確保されているとともに十分高い表面硬度を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は大型転がり軸受に関する。
摩耗粉等の異物が潤滑剤中に混入した潤滑環境下(以降においては、このような潤滑環境を「異物混入潤滑環境」と記すこともある)で使用された場合に転がり軸受に生じる早期剥離は、軌道輪と転動体との間に異物を噛み込むことによって形成された圧痕を起点として生じ、圧痕縁における応力集中が原因であると言われている。
このような形態の剥離の抑制には、軌道輪の残留オーステナイト量を増加させ、なおかつ硬質の窒化物などによって表面硬度を高めることにより、圧痕が形成されにくくし、圧痕縁における応力集中を低減させる手法が有効である。残留オーステナイト量や表面硬度を高める方法としては、浸炭処理や浸炭窒化処理が一般的であり、特に浸炭窒化処理は異物混入潤滑環境下での転がり軸受の長寿命化に有効である(特許文献1を参照)。
特開昭64−55423号公報 特開平6−17224号公報 特開2000−192962号公報
しかしながら、大型の転がり軸受に対しては、浸炭窒化処理はほとんど行われていない。これは、鋼は熱処理によって変形を起こすため大型の転がり軸受ほど取り代が大きくなることと、必要な浸炭深さが大きいので経済的に浸炭処理を行うためには窒化がほとんど起こらない900℃以上の高温で処理を行う必要があること、が理由である。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、異物混入潤滑環境下で使用されても長寿命な大型転がり軸受を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の大型転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配された複数の転動体と、を備え、内径が140mm以上である大型転がり軸受において、前記内輪及び前記外輪の少なくとも一方は、軟窒化処理の後に浸炭処理が施されたものであることを特徴とする。
このように浸炭処理の前に軟窒化処理を施せば、窒素の供給源をフェライト域(700℃以下)の領域で生成する窒化物として、窒素の拡散を浸炭処理と同時に行うことができる。以下に、さらに詳細に説明する。
鋼への窒素の導入は、アンモニアガス等が鋼の表面で反応することによって進行し、フェライト域では窒素の固溶源が少ないので表面に窒化物として析出する。この状態のものをオーステナイト域(700℃以上)まで加熱すると、フェライトからオーステナイトへの相変態が起こるが、オーステナイトは窒素の固溶源が大きく、相変態時には結晶構造の変化に伴う界面移動によって窒素が短時間のうちに数百μm程度浸入する。それと同時に、転がり軸受として必要な硬度を満足するために長時間の浸炭処理が行われるので、その温度と時間を利用して炭素と同様に内部まで窒素が拡散する。
このような熱処理により、熱処理による変形が大きく取り代を大きく設計せざるを得ない大型の転がり軸受においても、表面に十分な量の窒素(例えば0.1質量%以上)を確保することができ、浸炭窒化処理が施された小型の転がり軸受と同様に異物混入潤滑環境下で使用されても長寿命となる。
本発明の大型転がり軸受は、異物混入潤滑環境下で使用されても長寿命である。
本発明に係る大型転がり軸受の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る大型転がり軸受の一実施形態である円筒ころ軸受の構造を示す縦断面図である。
図1の円筒ころ軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1及び外輪2の間に転動自在に配された複数の転動体3と、内輪1及び外輪2の間に転動体3を保持する保持器4と、を備えており、内径が140mm以上の大型転がり軸受である。なお、保持器4は備えていなくてもよい。
鋼で構成された内輪1及び外輪2には、軟窒化処理の後に浸炭処理が施されているため、その軌道面には十分な量の窒素が確保されているとともに十分高い表面硬度を有している。よって、この円筒ころ軸受は、異物混入潤滑環境下で使用されても長寿命である。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、大型転がり軸受の例として円筒ころ軸受をあげて説明したが、転がり軸受の種類は円筒ころ軸受に限定されるものではなく、本発明は様々な種類の転がり軸受に対して適用することができる。例えば、深溝玉軸受,アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。
〔実施例〕
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。呼び番号NU228の円筒ころ軸受を用意して回転試験を行い、その寿命を評価した。まず、円筒ころ軸受の製造方法について説明する。
円筒ころ軸受の内輪及び外輪は浸炭用軸受鋼SCR420で構成されており、以下のような熱処理が施されている。まず、アンモニアを含有する雰囲気下、500〜650℃で1〜30時間軟窒化処理を施す。次に、RXガス雰囲気下、800〜1000℃で10〜100時間浸炭処理を施す。そして、軸受として必要な硬度を得るため、大気下,真空下,又は窒素ガス下で焼入れ及び焼戻しを行う。焼入れの条件は750〜860℃で1〜3時間であり、焼戻しの条件は150〜300℃で1〜3時間である。
表1に、軟窒化処理の処理時間と、熱処理終了後の表面の窒素濃度とを示す。窒素濃度については、研削前の表面から0.5mm内側の部分の窒素濃度を測定した。これは、呼び番号RV650等の大型転がり軸受を想定し、取り代を0.5mmに設定したためである。
Figure 2008106875
表1から分かるように、軟窒化処理の処理時間が長くなるほど、表面から0.5mm内側の部分の窒素濃度が高くなっている。これは、該窒素濃度が、軟窒化処理によって導入された窒素量に依存していることを示している。
次に、熱処理終了後の内輪及び外輪に研削加工(取り代は0.5mm)を行い、組み立てて円筒ころ軸受を完成させた。そして、異物混入潤滑環境下において下記のような条件で回転試験を行い、寿命を測定した。
荷重 :P/C(P:動等価荷重、C:基本動定格荷重) =0.3
回転速度:1000min-1
潤滑剤 :ISO粘度グレードがISO VG68であるタービン油
潤滑剤中の混入異物:硬さHv870、粒径74〜147μmの微粉を200ppm混入した。
試験結果を表1に示す。また、軟窒化処理の処理時間と寿命との関係を図2のグラフに示し、前述の窒素濃度と寿命との関係を図3のグラフに示す。なお、表1及び図2,3における寿命の数値は、比較例1の軸受の寿命を1とした場合の相対値で示してある。
図2のグラフから、軟窒化処理の処理時間が1時間以上であると、軸受が長寿命となることが分かる。これは、1時間以上軟窒化処理を施すことにより、研削前の表面から0.5mm内側の部分の窒素濃度が0.1質量%以上となることに対応している。
このように、浸炭処理の前に軟窒化処理により窒素を窒化物として供給しておき、その後の浸炭処理において窒素を拡散させることにより、長寿命な大型転がり軸受を製造することが可能である。
本発明の大型転がり軸受は、圧延機に代表される産業機械等において好適に使用可能である。
本発明に係る大型転がり軸受の一実施形態である円筒ころ軸受の構造を示す縦断面図である。 軟窒化処理の処理時間と軸受の寿命との関係を示すグラフである。 窒素濃度と軸受の寿命との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 転動体

Claims (1)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配された複数の転動体と、を備え、内径が140mm以上である大型転がり軸受において、前記内輪及び前記外輪の少なくとも一方は、軟窒化処理の後に浸炭処理が施されたものであることを特徴とする大型転がり軸受。
JP2006291464A 2006-10-26 2006-10-26 大型転がり軸受 Pending JP2008106875A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006291464A JP2008106875A (ja) 2006-10-26 2006-10-26 大型転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006291464A JP2008106875A (ja) 2006-10-26 2006-10-26 大型転がり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008106875A true JP2008106875A (ja) 2008-05-08

Family

ID=39440388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006291464A Pending JP2008106875A (ja) 2006-10-26 2006-10-26 大型転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008106875A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010130484A3 (de) * 2009-05-11 2011-01-13 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur carbonitrierung

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010130484A3 (de) * 2009-05-11 2011-01-13 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur carbonitrierung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007107588A (ja) 転がり軸受
WO2011122371A1 (ja) 転がり軸受
JP2003254327A (ja) スラスト軸受
JP2007046114A (ja) 転がり軸受
JP2014088893A (ja) 転がり軸受及びその製造方法
US20050047694A1 (en) Rolling bearing
JP2001336538A (ja) 転がり軸受とその製造方法
JP5163183B2 (ja) 転がり軸受
JP2010025311A (ja) 転がり軸受及びその製造方法
JP2008151236A (ja) 転がり軸受
JP2007332390A (ja) 転動部材
JP2007186760A (ja) 転がり軸受用軌道輪の製造方法及び転がり軸受
JP2007009951A (ja) 円錐ころ軸受用内輪および円錐ころ軸受
JP2006071022A (ja) 転がり軸受
JP2008106875A (ja) 大型転がり軸受
JP2008232212A (ja) 転動装置
US11319994B2 (en) Thrust roller bearing
JP2009204076A (ja) 転がり軸受
JP2007120712A (ja) 航空機用複列自動調心ころ軸受
JP2009250371A (ja) 水素ガスコンプレッサ用転がり軸受
JP2005337361A (ja) ころ軸受
JP2005195150A (ja) 転動装置
JP2010209965A (ja) 転がり軸受用保持器
JP2006112559A (ja) 円すいころ軸受
JP2009041652A (ja) 転がり軸受およびその製造方法