JP2008106405A - 補強用繊維コードの製造方法および補強用繊維コード - Google Patents

補強用繊維コードの製造方法および補強用繊維コード Download PDF

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Abstract

【課題】接着性に優れた繊維コードを容易かつ低コストに製造することができる補強用繊維コードの製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、接着性に優れた補強用繊維コードを提供することにある。
【解決手段】補強用繊維コードの製造方法において、繊維コードからなる経糸と、強度が1〜2.5cN/dtex及び伸度が8〜20%である緯糸からなる織物に、接着剤を付与した後、熱処理し、物理的柔軟化加工を施し、該緯糸を切断して、補強用繊維コードを製造する。強度が1〜2.5cN/dtex及び伸度が8〜20%である切断された糸が、該繊維コードに接着剤により付着されている補強用繊維コードとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、多本数の接着処理された接着処理された繊維コードを容易に、しかも安価に製造する補強用繊維コードの製造方法に関するものである。また、その製造方法により得られる接着性に優れた補強用繊維コードに関するものである。
近年、タイヤにおける補強層等の繊維コードを補強材とする構成部分を、シングルのコードを用いて周方向でジョイント部を生じさせない構造(ジョイントレスタイヤ)にすることが提案されている。
上記の補強用繊維コードを製造する方法としては、ボビンに巻かれた繊維コードを1本づつ引き出して接着剤処理し、ヒートセットを行うといった方法が取られているが、作業効率やエネルギ効率が極めて悪いものである。
また、シングルのコードを複数本並べて、接着剤処理し、ヒートセットすることも可能であるが、コードの本数が多くなればなるほど接着剤処理工程等でコード同士が絡み合ってコード切れのトラブルが発生し易くなり、また、コード切れが発生すると切れたコードが全体に絡みつき、それらの糸の除去や再度糸を通し直しが必要となり、コードや時間、労力のロスが大きくなる。
これに対して、特許文献1には、多本数の経糸に対し長手方向所要間隔に緯糸を打ち込んで製織した長尺のすだれ織物からタイヤコードを得るために、織物を巻き戻しながら2〜30cm巾に分離されるように分割部を緯糸方向に押し広げながら緯糸を切断することによって粗分割した後、さらに同様にして経糸群が0.5〜5cm巾になるように緯糸を切断することによって細分割した後、それぞれの単糸をほぐしながら巻き取るタイヤコード織物より経糸を回収する方法が開示されている。
一方、特許文献2には、コードになる多数本の経糸に対し、長手方向所要間隔毎に緯糸を打ち込んで製織した長尺の織物を。接着剤処理を施した後にロール状に巻き取っておき、この巻取り体からすだれ織物を一方向に引き出しながら、その引き出し走行部分において、すだれ織物の経糸を側端面から順に1本づつ走行方向に位置をずらして側方に引き離し、タイヤコードを得る方法が開示されている。
しかしながら、上記の方法においては、すだれ織物から経糸を回収するためには緯糸を除去するための装置が必要でそのための設備投資が必要であり、また、作業工程が複雑となるといった問題がある。
一方、補強用の繊維コードにおいては、従来からゴムとの接着性を向上させたいという市場からの要求がある。
特開昭52−121538号公報 特開2000−198148号公報
本発明は上記背景技術を鑑みなされたものであり、本発明の目的は、接着性に優れた繊維コードを容易かつ低コストに製造することができる補強用繊維コードの製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、接着性に優れた補強用繊維コードを提供することにある。
本発明者らが検討を行った結果、上記の目的は、繊維コードからなる経糸と、強度が1〜2.5cN/dtex及び伸度が8〜20%である緯糸からなる織物に、接着剤を付与した後、熱処理および柔軟化加工することを特徴とする補強用繊維コードの製造方法により達成できることを見出した。また、もう一つの目的は、補強用の繊維コードにおいて、強度が1〜2.5cN/dtex及び伸度が8〜20%である切断された糸が、該繊維コードに接着剤により付着されていることを特徴とする補強用繊維コード。補強用の繊維コードにおいて、強度が1〜2.5cN/dtex及び伸度が8〜20%である切断された糸が、該繊維コードに接着剤により付着されていることを特徴とする補強用繊維コードにより達成できることがわかった。
本発明の製造方法によれば、繊維コードを経糸とする織物を接着剤処理し、熱処理した後で、緯糸を切断して、該繊維コードを回収するため、一度に多本数の接着処理された繊維コードを、容易かつ低コストで製造することができる。また、接着剤処理は織物の状態で行うため、繊維コード同士の密着や絡み合い、それに伴う断糸を発生することがない。さらに、本発明の補強用繊維コードは、その表面に糸が部分的に付着しているため、それらのアンカー効果によりゴムや樹脂との接着性が向上している。
本発明の補強用繊維コードの製造方法は、繊維コードからなる経糸と、強度が1〜2.5cN/dtex及び伸度が8〜20%である緯糸からなる織物に、接着剤を付与した後、熱処理し、物理的柔軟化加工を施し経糸を切断する方法である。
前述したように、一般的に、複数本の繊維コードに対してゴム等との接着性を向上させるための接着剤を付与する処理、いわゆる接着処理を同時にしようとすれば、シングルのコードを複数本並べて、接着剤処理し、ヒートセットすることが必要であった。しかし、コードの本数が多くなればなるほど接着剤処理工程等でコード同士が絡み合ってコード切れのトラブルが発生し易くなり、また、コード切れが発生すると切れたコードが全体に絡みつき、それらの糸の除去や再度糸を通し直しが必要となり、コードや、時間、労力のロスが大きかった。
しかしながら本発明においては、繊維コードはそれを経糸に用いた織物として、接着剤処理を行うため、繊維コードを複数本同時に並列して処理する場合のように繊維コード同士が絡んだり部分的に接合したりして、繊維コードが断糸するといったことがない。
さらに、本発明においては、緯糸として前述した特定の低強度、低伸度の糸を用いていること、また、接着剤処理した織物を熱処理し、物理的柔軟化加工を施し、緯糸を切断することが肝要である。これにより、一般に行う熱処理を利用し緯糸の熱劣化させさらに強伸度の低い糸とし、さらに物理的柔軟化加工により緯糸を切断することで、経糸を繊維コードとして回収することができる。
このため、本発明においては、緯糸の強度が、1〜2.5cN/dtexであることが必要である。強度が2.5cN/dtexを越える場合は、柔軟化加工において糸を切断することが難しい。一方、破断強度が1cN/dtex未満の場合は、製織工程や工程間における取り扱い性が低下する。なお、強度は1.5〜2.0cN/dtexであることがより好ましい。
また、緯糸の伸度は、8〜20%であることが必要である。伸度が20%を越える場合は、柔軟化加工において糸を切断することが難しい。一方、伸度が8%以下の場合は、製織工程や工程間における取り扱い性が低下する。なお、伸度は10〜15%であることがより好ましい。
本発明で使用する織物の経糸としては、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維に代表されるポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維に代表されるポリエステル繊維およびポリビニールアルコール繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維、炭素繊維などを撚糸した繊維コード、または、これらの繊維を2種類以上混繊または複合したハイブリッドコードなども挙げることができる。
経糸を構成する糸の総繊度は、好ましくは560〜2200dtex、より好ましくは1100〜1670dtexである。また、経糸、すなわち繊維コードは上記糸を1〜4本撚糸して用い、該繊維コードの繊度は、好ましくは1100〜5000dtex、より好ましくは2200〜3340dtexである。
一方、緯糸は、前述した条件を満足することが必要であり、該糸を構成する繊維としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、あるいは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの重合体からなる繊維であっても、それらの繊維を組み合わせたものであっても良い。
また、緯糸の形態は、フラットヤーンであっても、クリンプを有する加工糸であっても良いが、繊維コードからなる経糸を把持するためにはクリンプを有する加工糸であることが好ましい。また、クリンプを有する加工糸としては、例えば、空気交絡法、擦過法、押込法、賦型法などの非旋回性加工糸や仮撚法などの旋回性加工糸であっても良いが、生産性や経糸把持の観点から、仮撚加工糸が好ましい。
前述した強伸度を有するフラットヤーンを製造する方法としては、公知の方法により得られた未延伸糸あるいは部分配向糸を延伸する際、通常の延伸倍率より低く、また延伸温度を通常の温度よりも高く設定して延伸することにより製造することができる。具体的には、ポリエステルの場合、紡糸速度1000〜1500m/分で引取った未延伸糸を、延伸倍率2.0〜3.0倍、延伸温度180〜220℃で延伸することによって製造することができる。
一方、前述した強伸度を有する仮撚加工糸を製造する方法としては、ポリエステルの場合、公知の延伸仮撚装置を用い、紡糸速度2500〜3500m/分の部分配向糸(POY)を、延伸仮撚ゾーンのヒータへ供給した後、摩擦仮撚ディスクユニットなどの仮撚ユニットで仮撚し、その際、延伸温度を230〜245℃、延伸倍率を1.0〜1.6倍、全捲縮率を2.0〜17%とすることによって製造することができる。
さらに、本発明においては、上記の仮撚加工糸が、紡糸速度1000〜1500m/分の未延伸糸(UDY)と、紡糸速度2500〜3500m/分の部分配向糸(POY)とを、糸供給前で交絡処理し、延伸仮撚ゾーンのヒータへ供給して延伸し、仮撚ユニットで仮撚した複合仮撚加工糸であってもよい。なお、上記複合仮撚加工糸の好ましい全捲縮率は2.0〜10%である。
上記緯糸の総繊度としては、緯糸を切断、あるいはさらにこれを除去する観点から、50〜330dtexが好ましく、50〜220dtexがより好ましい。また、単繊維繊度は1.0〜3.0dtexが好ましく、1.0〜2.0dtexがより好ましい。
本発明に用いる織物としては、経糸を1000〜1500本並べ、これらに緯糸で打ち込み製織したものを好ましく用いることができる。織物の幅は140〜160cm、長さは800〜2500mであり、緯糸は1.0〜5.0cm間隔で打ち込まれていることが好ましい。
また、熱処理条件としては、例えば経糸がナイロン6繊維の場合は170〜215℃で30〜90秒、好ましくは190〜210℃で50〜70秒、またナイロン66繊維の場合は200〜240℃、30〜90秒、好ましくは210〜230℃で50〜70秒がよい。また、ポリエチレンテレフタレート繊維やポリエチレンナフタレート繊維の場合は200〜250℃で30〜150秒、好ましくは210〜230℃の処理が好ましい。
本発明においては、熱処理前に接着剤を付与する。ゴム補強用繊維コードとして使用する場合には、上記接着剤として、エポキシ化合物、イソシアネ−ト化合物およびハロゲン化フェノ−ル化合物およびレゾシンポリサルファイド化合物などを用いる接着剤処方を適用することができ、具体的には第1処理液でエポキシ化合物、ブロックイソシアネ−ト、ラテックスの混合液を付与し、熱処理後に第2処理液としてレゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物およびゴムラテックスからなる液(RFL液)が付与される。
本発明においては、熱処理後に物理的柔軟化加工を施す。本発明においては、かかる物理的柔軟化を施すことによって、熱処理中に接着剤が硬化した繊維コードからなる経糸の強度低下を防止することができるだけでなく、同時に緯糸を切断し効率よく繊維コードを製造することができる。
上記の物理的柔軟化加工としては、エッジ刃に織物を特定の角度で接触させる加工方法が特に好ましい。この際、織物の経糸、すなわち繊維コードがエッジ刃により大きく屈曲し、さらに繊維コードの張力を強くすることによって、緯糸をより切断しやすくすることができるが、その反面、得られる繊維コードにカーリングなどの不具合が発生して品位が低下し、例えばタイヤメーク工程などの後工程において、工程通過性不良などのトラブル発生を招くことになる。したがって、柔軟化角度(エッジ刃によって繊維コードが屈曲する角度)を90〜150°とするのが好ましく、100〜130°とするのがより好ましい。また、柔軟化加工時のコード張力を0.05〜0.20cN/dtexとするのが好ましく、0.10〜0.15cN/dtexとするのがより好ましい。
上記柔軟化加工の条件を調整することにより、切断した緯糸を完全に除去することも可能であるが補強用繊維コードとしての要求特性を著しく低下させるようなことが無ければ、得られる繊維コードには部分的に経糸に付着していても構わない。
本発明においては、むしろ前述した強度及び伸度有する緯糸が切断され、経糸である繊維コードに上記接着剤によって付着されて少なくとも一部残っていることが、繊維コード表面に部分的に凹凸を形成し、アンカー効果によって該繊維コードとゴムや樹脂などの接着性を高める上で好ましいことがわかった。
繊維コードに付着している緯糸の量は、経糸の繊維コード量を基準として0.01〜3.0重量%であることが好ましく。0.05〜1.0重量%であることがより好ましい。
以下に、実施例をあげて、本発明の構成および効果についてさらに詳細に説明する。なお、実施例中の各物性は次の方法により測定した。
(1)緯糸の強度および伸度
JIS L 1013 8.5に準じて測定した。
(2)接着強度
JIS L 1017 3.1 Tテスト(A法)にて測定した。
(3)全捲縮率
総デニールが3300デシテックスとなるように巻き数を調節しかせを作る。このかせに5.8cNの荷重をかけ、更に290cNの荷重をかける。この時の長さをL0とする。その後290cNの荷重を取り去り、5.8cN荷重状態のまま、このかせを沸騰水中で20分間煮沸する。かせを取り出した後十分に乾かし、290cNの荷重をかけ長さL1を測定する。その後290cNの荷重を取り去り、5.8cN荷重状態で長さL2を測定する。全捲縮率は以下の式にて求められる。
全捲縮率(TC)=(L1−L2)/L0×100(%)
[実施例1]
経糸として帝人ファイバー株式会社製ポリエチレンナフタレート繊維「テオネックス」1670デシテックス250フィラメントのマルチフィラメント2本を、下撚数40回/10cm、上撚数40回/10cmの撚数で撚糸したコードを総本数1500本引き揃えて経糸とし、これにポリエステルUDYとポリエステルDOYから製造した(UDY:DOY=60:40)、170デシテックス60フィラメントの帝人ファイバー株式会社製ポリエステル複合仮撚加工糸FH193 SD(強度2.0cN/dtex、伸度14%、全捲縮率5.0%)を1.0cm間隔で緯糸として打込み、幅160cm、長さ1500mの織物を得た。
上記の織物を、エポキシ化合物、ブロックイソシアネ−ト化合物およびゴムラテックスからなる混合液(第1浴処理液)に浸漬した後、130℃で100秒間乾燥し、続いて240℃で45秒間延伸熱処理した。
また、上記第1処理浴で処理した織物を、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)からなる第2処理液に浸漬した後、100℃で100秒間乾燥し、続いて240℃で60秒間延伸熱処理、リラックス熱処理を施した。
その後、柔軟化角度110°、コード張力0.10cN/dtexの条件下で柔軟化加工を施した。
仕上がった織物を顕微鏡観察したところ、緯糸の複合仮撚加工糸が切断されており、経糸に該複合仮撚加工糸が、コード繊維重量を基準として0.6重量%付着していた。また、接着剤による経糸同士の密着も発生しなかった。
また、得られた繊維コードは、接着強度は201N/cmと補強用繊維コードとして十分実用的なものであり、後述する繊維コードのみを接着処理した比較例2よりも接着性は良好であった。
[実施例2]
緯糸として、167デシテックス48フィラメントの帝人ファイバー株式会社製ポリエステル仮撚加工糸KS41 SDD(強度1.9cN/dtex、伸度17%、全捲縮率13%)を用いた以外は実施例1と同様にした。
仕上がった織物を顕微鏡観察したところ、緯糸の仮撚加工糸が切断されており、経糸に該仮撚加工糸が、コード繊維重量を基準として0.5重量%付着していた。また、接着剤による経糸同士の密着も発生しなかった。また、得られた繊維コードは、接着強度は198N/cmと補強用繊維コードとして十分実用的なものであった。
[実施例3]
緯糸として、紡糸速度1000m/分で引取った未延伸糸を、延伸倍率2.5倍、延伸温度220℃で延伸した167デシテックス48フィラメントの帝人ファイバー株式会社製ポリエステルフラットヤーン(強度2.5cN/dtex、伸度11%)を用いた以外は実施例1と同様にした。
仕上がった織物を顕微鏡観察したところ、緯糸のフラットヤーンが切断されており、経糸に該仮撚加工糸が、コード繊維重量を基準として0.5重量%付着していた。また、接着剤による経糸同士の密着も発生しなかった。また、得られた繊維コードは、接着強度は197N/cmと補強用繊維コードとして十分実用的なものであった。
[実施例4]
緯糸として、紡糸速度3350m/分の部分配向糸(POY)を、延伸倍率を1.0倍、延伸仮撚ゾーン245℃のヒータへ供給した後、スピンドル仮撚ユニットで仮撚した167デシテックス48フィラメントの帝人ファイバー株式会社製ポリエステル仮撚加工糸(強度1.0cN/dtex、伸度18%、全捲縮率15%)を用いた以外は実施例1と同様にした。
仕上がった織物を顕微鏡観察したところ、緯糸の仮撚加工糸が切断されており、経糸に該仮撚加工糸が、コード繊維重量を基準として0.4重量%付着していた。また、接着剤による経糸同士の密着も発生しなかった。また、得られた繊維コードは、接着強度は196N/cmと補強用繊維コードとして十分実用的なものであった。
[比較例1]
実施例1のポリエチレンナフタレート繊維を撚糸した繊維コ−ドを用い、これを総本数1500本0.1cm間隔で引揃え、これを実施例1と同様にして、エポキシ化合物、ブロックイソシアネ−ト化合物およびゴムラテックスからなる混合液(第1浴処理液)に浸漬した後、130℃で100秒間乾燥し、続いて240℃で45秒間延伸熱処理した。
また、上記第1処理浴で処理した繊維コードを、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)からなる第2処理液に浸漬した後、100℃で100秒間乾燥し、続いて240℃で60秒間延伸熱処理、リラックス熱処理、柔軟化処理を施した。コード繊維同士は融接が発生し易く、繊維コード切れが発生した。また、得られた繊維コードの接着強度は、192N/cmあった。
[比較例2]
緯糸として、167デシテックス48フィラメントの帝人ファイバー株式会社製ポリエステルフラットヤーンN300SB SD(強度5cN/dtex、伸度35%)を用いた以外は実施例1と同様にした。
仕上がった織物を顕微鏡観察したところ、緯糸のポリエステルフラットヤーンが切断されていなかった。また、接着剤を付与後、熱処理、柔軟化処理を行った織物から経糸である繊維コードを引抜き回収したが作業効率が極めて悪かった。得られた繊維コードは、接着強度は193N/cmであった。
本発明の製造方法によれば、接着処理された多本数の繊維コードを、容易かつ低コストで製造することができ、作業効率を向上させ、コードや労力、エネルギーのロスを少なくすることができるため産業上の価値が極めて高いものである。また、本発明の補強用繊維コードは、その表面に切断された糸が部分的に付着しているため、これらのアンカー効果により接着強力が向上しており、FRP、タイヤコード、ホース、ベルトなどの、ゴムや樹脂などの補強用繊維コードとして極めて有用である。

Claims (3)

  1. 繊維コードからなる経糸と、強度が1〜2.5cN/dtex及び伸度が8〜20%である緯糸からなる織物に、接着剤を付与した後、熱処理し、物理的柔軟化加工を施し、該緯糸を切断することを特徴とする補強用繊維コードの製造方法。
  2. 緯糸が仮撚加工糸であることを特徴とする請求項1記載の補強用繊維コードの製造方法。
  3. 補強用の繊維コードにおいて、強度が1〜2.5cN/dtex及び伸度が8〜20%である切断された糸が、該繊維コードに接着剤により付着されていることを特徴とする補強用繊維コード。
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