JP2008106154A - 押出成形用樹脂組成物、成形品及び積層品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の押出成形用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、メタリック顔料と、不飽和二重結合を有する含リン化合物と、を含有し、上記含リン化合物が、リン酸モノエステル等の化合物であり、上記メタリック顔料及び上記含リン化合物の含有割合が、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、95〜99.95質量%及び0.05〜5質量%であり、且つ、上記メタリック顔料及び上記含リン化合物の含有量の合計が、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、0.1〜10質量部である。
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、光輝性模様を形成するために配合されたメタリック顔料を含む樹脂組成物を用いた押出成形により、優れた生産性をもって、表面にスジ等の不良現象を発生させることなく、表面からのメタリック顔料〔B〕の脱離が抑制されて耐摩耗性に優れ、鮮明な光輝性模様を有し外観性に優れる成形品及び積層品を製造することができる押出成形用樹脂組成物及びそれを含む成形品並びに積層品を提供することにある。
1.〔A〕熱可塑性樹脂と、〔B〕メタリック顔料と、〔C〕不飽和二重結合を有する含リン化合物と、を含有する押出成形用樹脂組成物であって、上記含リン化合物〔C〕が、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、ホスホン酸モノエステル及びホスホン酸ジエステルから選ばれた少なくとも1種の化合物であり、上記メタリック顔料〔B〕及び上記含リン化合物〔C〕の含有割合が、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、95〜99.95質量%及び0.05〜5質量%であり、且つ、上記メタリック顔料〔B〕及び上記含リン化合物〔C〕の含有量の合計が、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、0.1〜10質量部であることを特徴とする押出成形用樹脂組成物。
2.上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル系単量体を重合して得られたゴム強化ビニル系樹脂(A1)、又は、該ゴム強化ビニル系樹脂(A1)とビニル系単量体の(共)重合体(A2)との混合物、からなるゴム強化樹脂を含む上記1に記載の押出成形用樹脂組成物。
3.上記1又は2に記載の押出成形用樹脂組成物を押出成形してなることを特徴とする成形品。
4.上記1又は2に記載の押出成形用樹脂組成物を押出成形してなる層と、他の材料からなる層とが積層されていることを特徴とする積層品。
5.上記他の材料が、上記1又は2に記載の押出成形用樹脂組成物と異なる熱可塑性樹脂組成物である上記4に記載の積層品。
本発明の成形品によれば、表面において、スジ等の不良現象が抑制されており、成形品表面からのメタリック顔料〔B〕の脱離が抑制されて耐摩耗性に優れ、光輝性模様が鮮明であり、外観性に優れる。
本発明の積層品によれば、押出成形用樹脂組成物を押出成形してなる層の表面において、スジ等の不良現象が抑制されており、耐摩耗性に優れ、光輝性模様が鮮明であり、外観性に優れる。
本発明において、「(共)重合」とは、単独重合及び共重合を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味する。
本発明の押出成形用樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、〔A〕熱可塑性樹脂と、〔B〕メタリック顔料と、〔C〕不飽和二重結合を有する含リン化合物と、を含有し、上記含リン化合物〔C〕が、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、ホスホン酸モノエステル及びホスホン酸ジエステルから選ばれた少なくとも1種の化合物であり、上記メタリック顔料〔B〕及び上記含リン化合物〔C〕の含有割合が、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、95〜99.95質量%及び0.05〜5質量%であり、且つ、上記メタリック顔料〔B〕及び上記含リン化合物〔C〕の含有量の合計が、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、0.1〜10質量部であることを特徴とする。
この熱可塑性樹脂〔A〕としては、熱可塑性を有する重合体を含むものであれば、特に限定されず、ABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂等のゴム強化樹脂;ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン・無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体等のスチレン系(共)重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリ塩化ビニル、エチレン・塩化ビニル重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル酸エステルの1種以上を用いた(共)重合体等のアクリル系樹脂;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンサルファイド;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;液晶ポリマー;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン系樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル;ポリビニルブチラール;フェノキシ樹脂;感光性樹脂;生分解性プラスチック等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、ゴム強化樹脂、スチレン系(共)重合体、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン並びにゴム強化樹脂及びポリカーボネート樹脂のアロイが好ましく、特に、ゴム強化樹脂、スチレン系(共)重合体、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂及びアロイが好ましい。
以下、これらの好ましい樹脂について説明する。
このゴム強化樹脂は、ゴム質重合体(以下、「ゴム質重合体(a)」という。)の存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル系単量体(以下、「ビニル系単量体(b)」という。)を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂(以下、「ゴム強化ビニル系樹脂(A1)」という。)、又は、このゴム強化ビニル系樹脂(A1)とビニル系単量体の(共)重合体(以下、「(共)重合体(A2)」という。)との混合物、からなるものである。
また、上記非ジエン系重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体;エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・ブテン−1・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体;ウレタン系ゴム;アクリル系ゴム;シリコーンゴム;シリコーン・アクリル系IPNゴム等が挙げられる。
尚、上記各共重合体は、ブロック共重合体でもよいし、ランダム共重合体でもよい。
また、溶液重合等によりゴム質重合体(a)を製造した場合には、再乳化等の方法により、所定の平均粒子径を有する重合体とさせることができる。再乳化により得られたゴム質重合体(a)の分散液も、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を乳化重合により製造するのに好適である。
従って、上記ビニル系単量体(b)としては、芳香族ビニル化合物(b1)の1種以上、あるいは、芳香族ビニル化合物の1種以上と、該芳香族ビニル化合物と共重合可能な化合物の1種以上とを組み合わせた単量体を用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(1)芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物。
(2)芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び他の化合物。
(3)芳香族ビニル化合物のみを重合して得られた(共)重合体の1種以上。
(4)(メタ)アクリル酸エステル化合物のみを重合して得られた(共)重合体の1種以上。
(5)芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を重合して得られた共重合体の1種以上。
(6)芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エステル化合物を重合して得られた共重合体の1種以上。
(7)芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び他の化合物を重合して得られた共重合体の1種以上。
(8)芳香族ビニル化合物と、シアン化ビニル化合物を除く他の化合物とを重合して得られた共重合体の1種以上。
これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)は、ゴム質重合体(a)の存在下に、ビニル系単量体(b)を、好ましくは乳化重合、溶液重合、塊状重合することにより、製造することができる。
尚、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)の製造の際には、ゴム質重合体(a)及びビニル系単量体(b)は、反応系において、ゴム質重合体(a)全量の存在下に、ビニル系単量体(b)を一括添加してもよいし、分割又は連続添加してもよい。また、これらを組み合わせた方法でもよい。更に、ゴム質重合体(a)の全量又は一部を、重合途中で添加して重合してもよい。
ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を100質量部製造する場合、ゴム質重合体(a)の使用量は、好ましくは5〜80質量部、より好ましくは10〜70質量部、更に好ましくは15〜60質量部である。
上記重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物と、含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方等の還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤;過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレイト、tert−ブチルパーオキシモノカーボネート等の過酸化物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、上記重合開始剤は、反応系に一括して又は連続的に添加することができる。また、上記重合開始剤の使用量は、上記ビニル系単量体(b)全量に対し、通常、0.1〜1.5質量%である。
尚、複数のゴム強化ビニル系樹脂(A1)を併用する場合には、単離した後、混合してもよいが、他の方法として、各樹脂を各々含むラテックスを製造してから混合し、その後、凝固する等により、混合されたゴム強化ビニル系樹脂(A1)とすることができる。
ここで、グラフト率とは、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)1グラム中のゴム成分をxグラム、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)1グラムをアセトン(但し、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムである場合には、アセトニトリルを使用。)に溶解させた際の不溶分をyグラムとしたときに、次式により求められる値である。
グラフト率(質量%)={(y−x)/x}×100
尚、上記グラフト率及び極限粘度[η]は、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を製造するときの、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、溶剤等の種類や量、更には重合時間、重合温度等を変えることにより、容易に制御することができる。
このスチレン系(共)重合体は、上記ゴム強化樹脂を構成する(共)重合体(A2)をそのまま用いることができる。上記スチレン系(共)重合体の極限粘度[η]も、上記(共)重合体(A2)と同様とすることができる。
このポリエステル系樹脂は、分子の主鎖中にエステル結合を有する樹脂であれば、特に限定されず、飽和ポリエステル樹脂であってよいし、不飽和ポリエステル樹脂であってもよい。これらのうち、飽和ポリエステル樹脂が好ましい。また、単独重合ポリエステルであってよいし、共重合ポリエステルであってもよい。更に、結晶性樹脂であってよいし、非晶性樹脂であってもよい。
上記ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸等)、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸等の炭素数8〜16程度の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体等、シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸等の炭素数8〜12程度の脂環式ジカルボン酸又はその誘導体等、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸等の炭素数2〜40程度の脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体等が挙げられる。
これらジカルボン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらジヒドロキシ成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらオキシカルボン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらラクトン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、上記化合物以外に、必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等の多官能性単量体を併用してもよい。
このポリカーボネート樹脂は、主鎖にカーボネート結合を有するものであれば、特に限定されず、芳香族ポリカーボネートでよいし、脂肪族ポリカーボネートでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。本発明においては、耐衝撃性、耐熱性等の観点から、芳香族ポリカーボネートが好ましい。尚、このポリカーボネート樹脂は、末端が、R−CO−基、R’−O−CO−基(R及びR’は、いずれも有機基を示す。)に変性されたものであってもよい。このポリカーボネート樹脂は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリカーボネート樹脂は、全体としての粘度平均分子量が上記範囲に入るものであれば、異なる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂の2種以上を混合して用いてもよい。
このメタリック顔料〔B〕は、成形品表面に光輝性模様を形成することができるものであれば、特に限定されず、金属、合金、酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、ガラス等からなるもの;金属粒子、金属箔又はガラスフレークの表面を、金属、合金等により被覆したもの;無機化合物粒子又は高分子粒子をコア部とし、金属、合金等からなるシェル部とした複合物であってもよい。
上記メタリック顔料〔B〕の具体例としては、アルミニウム箔、ガラスフレーク等の表面に金属被覆を施してなるメタリック顔料;ウェルド外観を改良するために使用されている球状のアルミニウム顔料;パール調メタリック顔料用のマイカ粉;ブロンズ色調を得るための銅粉及び真鍮粉;ガラス等からなる多面体粒子に、メッキ、スパッタリング等により金属被覆したもの等が挙げられる。
上記着色剤としては、無機顔料、有機顔料、染料等が挙げられる。カラーインデックスに記載された顔料では、無機顔料として酸化チタン、チタンイエロー、酸化鉄系顔料、群青、コバルトブルー、酸化クロム、スピネルグリーン、コロム酸鉛系顔料、カドミウム系顔料が含まれる。また、有機顔料としては、アゾレーキ顔料、ベンゾイミダゾロン顔料、ジアリリド顔料、縮合アゾ系顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料が含まれる。
染料としては、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン/ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン/インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン/オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料等が挙げられる。
上記メタリック顔料〔B〕の含有量が少なすぎると、本発明の組成物を用いて押出成形により成形品を製造した場合に、鮮明な光輝性模様を発現せず、一方、多すぎると、スジ等が発生し、成形品表面からメタリック顔料〔B〕が脱離し易く、また、優れた生産性をもって成形品及び積層品を製造することができない。
この含リン化合物〔C〕は、少なくとも1つの不飽和二重結合を有する含リン化合物であって、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、ホスホン酸モノエステル及びホスホン酸ジエステルから選ばれた少なくとも1種の化合物である。
また、上記ホスホン酸モノエステルは、上記一般式[3]で表される化合物、及び、上記一般式[4]において、R4が水素原子であるときの化合物である。上記ホスホン酸ジエステルは、上記一般式[4]において、R4が炭素原子数1〜8の1価の有機基であるときの化合物、上記一般式[5]で表される化合物、及び、上記一般式[6]で表される化合物である。
上記一般式[1]〜[5]におけるR2は、炭素原子数2〜20の2価の有機基(直鎖状及び分岐状のいずれでもよく、環構造を含んでもよい)であり、アルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基及びこれらの誘導体(水素原子が、ハロゲン原子、ヒドロキシル基等に置換されたもの等)の少なくとも1つを含むことが好ましい。
上記アルキレン基としては、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基等が挙げられる。
上記シクロアルキレン基としては、1,4−シクロへキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基等が挙げられる。
上記一般式[4]及び[6]におけるR4は、水素原子又は炭素原子数1〜8の1価の有機基であり、有機基である場合には、通常、炭化水素基(直鎖状及び分岐状のいずれでもよく、環構造を含んでもよい)であり、水素原子が、ハロゲン原子、ヒドロキシル基等に置換されたものでもよい。尚、上記一般式[6]における2つのR4は、同一であってよいし、異なってもよい。
また、上記一般式[6]で表されるホスホン酸ジエステルとしては、ビス(2−クロロエチル)ビニルホスホネート等が挙げられる。
上記含リン化合物〔C〕の含有量が少なすぎると、本発明の組成物を用いて押出成形により成形品を製造した場合に、表面にスジ等が発生し、表面からメタリック顔料〔B〕が脱離し易く、また、優れた生産性をもって成形品及び積層品を製造することができない。他方、上記含リン化合物〔C〕を、5質量%を超えて含有させても、配合の効果が更に改良されることはなく、また、光輝性外観が低下する。
上記合計量が少なすぎると、本発明の組成物を用いて押出成形により成形品を製造した場合に、成形品表面の金属光沢を損ない、スジ等が発生し、優れた生産性をもって成形品及び積層品を製造することができない。尚、上記合計量が10質量部を超えても、配合の効果が更に改良されることはない。
本発明の組成物は、目的、用途等に応じて、添加剤を含有したものとすることができる。この添加剤としては、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、老化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、光拡散剤、結晶核剤、流動改質剤、衝撃改質剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤、光触媒系防汚剤、重合開始剤等が挙げられる。
上記充填剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記熱安定剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.01〜2質量部である。
上記酸化防止剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.01〜2質量部である。
上記紫外線吸収剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.05〜2質量部である。
上記老化防止剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.01〜2質量部である。
低分子型帯電防止剤としては、アニオン系帯電防止剤;カチオン系帯電防止剤;非イオン系帯電防止剤;両性系帯電防止剤;錯化合物;アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウム等の金属アルコキシド及びその誘導体;コーテッドシリカ、リン酸塩、リン酸エステル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、高分子型帯電防止剤としては、分子内にスルホン酸金属塩を有するビニル共重合体、アルキルスルホン酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ベタイン等が挙げられる。更に、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等を用いることもできる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記帯電防止剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記可塑剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.5〜5質量部である。
上記滑剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.5〜5質量部である。
有機系難燃剤としては、臭素化エポキシ系化合物、臭素化アルキルトリアジン化合物、臭素化ビスフェノール系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、臭素化ビスフェノール系ポリカーボネート樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化架橋ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールシアヌレート樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールA及びそのオリゴマー等のハロゲン系難燃剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トキヘキシルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート等のリン酸エステルやこれらを各種置換基で変性した化合物、各種の縮合型のリン酸エステル化合物、リン元素及び窒素元素を含むホスファゼン誘導体等のリン系難燃剤;ポリテトラフルオロエチレン、グアニジン塩、シリコーン系化合物、ホスファゼン系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、ジブロモフェノールグリシジルエーテル、臭素化芳香族トリアジン、トリブロモフェノール、テトラブロモフタレート、テトラクロロ無水フタル酸、ジブロモネオペンチルグリコール、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、クロレンド酸(ヘット酸)、無水クロレンド酸(無水ヘット酸)、臭素化フェノールグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、本発明の組成物に難燃剤を含有させる場合には、難燃助剤を用いることが好ましい。この難燃助剤としては、三酸化二アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、酒石酸アンチモン等のアンチモン化合物や、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水和アルミナ、酸化ジルコニウム、ポリリン酸アンモニウム、酸化スズ、酸化鉄等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記抗菌剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
無機顔料としては、亜鉛華、二酸化チタン、べんがら、酸化クロム、鉄黒等の酸化物、カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムレッド等の硫化物、黄鉛、亜鉛黄、クロムバーミリオン等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、群青等の珪酸塩、カーボンブラック、金属粉等の無機系色剤が挙げられる。
有機顔料としては、フタロシアニン系顔料、縮合アゾ系顔料、アゾレーキ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、縮合多環系顔料等が挙げられる。
染料としては、アントラキノン系染料、ペリレン系染料、ペリノン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、アゾ系染料、トリフェニル系染料、チアゾール系染料、メチン系染料、オキサジン系染料、インドフェノール系染料、ケトン系染料、チアジン系染料、インジゴ系染料等が挙げられる。
これらの着色剤を用いると、光学的な変化をより強調することが可能となると共に、より高度な意匠性を達成することができる。特に、色調の変化を容易に向上させることができる、染料、有機顔料、粒子径の小さい顔料(カーボンブラック等)等が好ましい。
上記着色剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、通常、10質量部以下、好ましくは0.0005〜5質量部、より好ましくは0.001〜2質量部である。10質量部を超えると、成形品表面に光輝性模様が十分に形成されず、また、熱可塑性樹脂〔A〕本来の特性を損ねることがある。
上記光触媒系防汚剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。
上記衝撃改質剤としては、グラフトゴム等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、上記熱可塑性樹脂〔A〕に含まれるゴム強化ビニル系樹脂(A1)の製造に用いられる重合開始剤が挙げられる。この重合開始剤の含有量は、上記含リン化合物〔C〕の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜50質量部である。
本発明の組成物は、原料成分を、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダールーダー等に供給し、混練することにより製造することができるが、好ましい製造方法は、まず、上記メタリック顔料〔B〕と、上記含リン化合物〔C〕とを、タンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等を用いて混合し、その後、この混合物と、上記熱可塑性樹脂〔A〕とを、混練する方法である。
尚、混練温度は、上記熱可塑性樹脂〔A〕の種類により選択されるが、例えば、ABS樹脂を用いる場合、通常、180〜280℃であり、AES樹脂を用いる場合、通常、180〜280℃であり、ASA樹脂を用いる場合、通常、180〜280℃である。また、スチレン系(共)重合体を用いる場合、通常、180〜280℃である。
更に、ポリカーボネート樹脂を用いる場合、通常、210〜310℃であり、ABS樹脂及びポリカーボネート樹脂からなるアロイを用いる場合、通常、210〜280℃であり、ポリエステル系樹脂を用いる場合、通常、240〜300℃である。
本発明の組成物は、上記熱可塑性樹脂〔A〕をマトリックスとして、上記のメタリック顔料〔B〕及び含リン化合物〔C〕が均一に分散している。上記のように、予め、上記メタリック顔料〔B〕と、上記含リン化合物〔C〕とを混合して、その後、上記熱可塑性樹脂〔A〕と混練することにより得られた組成物は、上記のメタリック顔料〔B〕及び含リン化合物〔C〕の親和性が高く、メタリック顔料〔B〕粒子の表面の少なくとも一部に上記含リン化合物〔C〕が被覆していると考えられ、結果として、上記熱可塑性樹脂〔A〕中におけるこのメタリック顔料〔B〕の分散性も向上するものと考えられる。従って、本発明の組成物を押出加工する場合には、サイジングダイに減圧用の溝等があっても、そこにメタリック顔料〔B〕が沈降して堆積することがないため、得られる成形品の表面にスジ、ムラ等の不良現象が発現することなく、また、上記メタリック顔料〔B〕が表面から脱離することもなく、鮮明な光輝性模様を有する成形品を得ることができる。
本発明の成形品は、上記本発明の組成物を押出成形してなることを特徴とする。即ち、本発明の成形品は、上記本発明の組成物を含む。
従って、本発明の成形品の形状は、目的、用途に応じて選択され、平板状体(フィルム、シート等)、筒状体、半筒状体等の長尺物;異形物等とすることができる。この長尺物の概略断面を図4〜図9に例示する。
また、本発明の成形品が、平板状体である場合、その形状、厚さ等によらず、また、他の部材へ接合、巻き付け等を行った場合であっても、上記メタリック顔料〔B〕の脱離がなく、鮮明な光輝性模様を保持する。
また、本発明の成形品が筒状体又は半筒状体である場合、その肉厚は、通常、0.5〜30mmである。
本発明の成形品は、必要に応じて、コロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、プラズマ処理、UV処理、イオンボンバード処理、電子線処理、溶剤処理、アンカーコート処理等の処理がなされていてもよい。上記処理をした場合には、印刷適性;粘着層又は接着層を形成する場合の粘着剤又は接着剤との密着性;プライマー層等を配設する場合の接着性等を向上させることができる。
更に、本発明の成形品は、用途によっては、本発明の成形品を、他の成形品、部材等と一体化させ、複合化させてなる物品として、これを用いることもできる。
本発明の積層品は、上記本発明の組成物を押出成形してなる層(以下、「層[X]」という。)と、他の材料からなる層(以下、「層[Y]」という。)とが積層してなることを特徴とする。
本発明の積層品は、上記本発明の成形品と同じ用途に好適である。その形状も上記本発明の成形品と同じとすることができ、長尺物である場合には、図4〜図9に例示した概略断面を有するものとすることができる。
樹脂(組成物)は、熱可塑性樹脂(組成物)であってよいし、硬化樹脂(組成物)であってもよい。熱可塑性樹脂(組成物)である場合には、上記本発明の押出成形用樹脂組成物と異なる熱可塑性樹脂組成物(以下、「熱可塑性樹脂組成物(N)」という。)である。この熱可塑性樹脂組成物(N)に含まれる熱可塑性樹脂としては、本発明の積層品の用途等により選択されるが、上記本発明の押出成形用樹脂組成物と同じ樹脂であってよいし、異なる樹脂であってもよい。
無機材料は、金属、合金、酸化物、炭化物、窒化物、金属塩等が挙げられる。
尚、本発明の積層品において、上記層[Y]の層数は、1層でも、2層でも、3層以上でもよいし、上記層[X]の両面に備えてもよい(図1〜図3参照)。
上記熱可塑性樹脂組成物(N)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ASA樹脂;ポリスチレン、ポリスルホン等を含む組成物が挙げられる。各種添加剤が配合されたものであってもよい。尚、上記の場合、上記層[Y]12は、透明性を損なわない程度に着色されていてもよく、2層以上であってもよい。また、この態様における上記の層[X]11及び層[Y]12の好ましい厚さは、それぞれ、0.1〜15mm、及び、0.1〜1mmである。
上記態様の積層品の製造方法としては、上記本発明の組成物を用いて層[X]11を形成した後、別途、作製した層[Y]12を配設する方法;上記本発明の組成物と、上記層[Y]12を形成することとなる熱可塑性樹脂組成物(N)とを用いて、共押出する方法;予め形成した層[Y]12の表面に、上記本発明の組成物を用いて得られた層[X]11を配設する方法等が挙げられる。
上記層[Y]12が粘着層である場合、層[X]11及び層[Y]12(粘着層)の好ましい厚さは、それぞれ、0.1〜15mm、及び、0.02〜0.1mmである。また、上記層[Y]12(粘着層)を形成する粘着剤組成物としては、スクリーン法、グラビア法、メッシュ法、バー塗工法等で塗工するエマルジョン型組成物;有機溶剤型組成物;押出ラミネート法、ドライラミネート法、共押出法等で形成する熱溶融型組成物等があり、いずれも用いることができる。例えば、公知のアクリル系重合体、ジエン系重合体、水素添加ジエン系重合体等を含む組成物を用いることができる。尚、上記層[X]11と、上記粘着剤組成物との接着性を向上させるために、上記層[Y]12の形成前に、上記層[X]11に直接、又は、上記層[X]11の表面に、コロナ処理等を行ってよいし、アンカーコート層を形成してもよい。アンカーコート層とする場合には、ポリエチレンイミン、ポリウレタン、ポリエステル又はアクリル樹脂が用いられ、厚さが0.1〜5μm程度の層である。尚、上記アンカーコート層は、水性溶液又は溶剤溶液として塗布し、乾燥することにより形成することができる。上記層[Y]12(粘着層)の形成後、この層を保護するために、保護層として、通常、剥離紙等を配設してもよい。
更に、上記層[Y]12が粘着層又は接着層である場合、通常、その表面に、更に剥離紙等が配設される。
図3の態様の場合、例えば、層[Y]12aが、透明性を有し、層[Y]12bを支持層とした積層品とすることができる。また、層[Y]12aが、透明性を有し、層[Y]12bを粘着層又は接着層とした積層品とすることもできる。
尚、上記層[Y]12bが粘着層又は接着層である場合、通常、その表面に、更に剥離紙等が配設される。
1−1.成形性
押出成形用樹脂組成物からなるペレットを、80℃で24時間乾燥した後、Tダイ(スリットのサイズ;45mm×2mm)及び真空サイジングダイを取り付けたφ50mmの単軸押出機(「GT−50−A」、プラスチック光学研究所製)に導入し、下記条件で、幅40mm、厚さ1.5mmのシートを成形した。Tダイから出てきたシート表面にスジが5本出始めるまでの時間を目視観察し、下記判定基準で評価した。
<成形条件>
(1)シリンダー温度
押出成形用樹脂組成物に含有される熱可塑性樹脂の種類によって選択した。
ASA樹脂;200℃
ABS樹脂;200℃
AES樹脂;200℃
AS樹脂;180℃
PC樹脂;240℃
PBT樹脂;270℃
PC/ABS樹脂;240℃
(2)Tダイ温度;220℃
<判定基準>
◎:成形開始から5時間以上たってもスジが出なかった
○:成形開始から2時間以上5時間未満の間にスジが出た
×:成形開始から2時間までにスジが出た
東洋精機社製クロスカット試験機を用い、荷重400gでガーゼを100回往復した後、ガーゼ表面を目視観察し、下記判定基準で評価した。
◎:ガーゼにメタリック顔料が付着していなかった
○:ガーゼにメタリック顔料がわずかに付着していた
×:ガーゼにメタリック顔料が多量に付着していた
上記1−1により得られたシートの表面を目視観察し、下記判定基準で評価した。
○:光輝性模様が鮮明であった
×:光輝性模様がくすんでいた、又は、不鮮明であった
2−1.熱可塑性樹脂〔A〕
(1)A−1
テクノポリマー社製ASA樹脂「テクノASA AR74」(商品名)を用いた。
(2)A−2
テクノポリマー社製ABS樹脂「テクノABS 600」(商品名)を用いた。
(3)A−3
テクノポリマー社製AES樹脂「テクノAES W270」(商品名)を用いた。
(4)A−4
三菱エンジニアリングプラスチックス社製PC樹脂「ノバレックス7022A」(商品名)を用いた。
(5)A−5
三菱エンジニアリングプラスチックス社製PBT樹脂「ノバデュラン5020」(商品名)を用いた。
(6)A−6
テクノポリマー社製AS樹脂「サンレックスSAN−C」(商品名)を用いた。
(7)A−7
テクノポリマー社製PC/ABSアロイ「エクセロイCK20」(商品名)を用いた。
大和金属粉社製アルミニウム粉(平均粒径35〜50μm)を用いた。
3−1.複合体の作製
製造例1
上記メタリック顔料〔B〕99.93部をヘンシェルミキサーに仕込み、100rpmで撹拌した。その5分後、上記含リン化合物〔C〕0.07部を1分かけて添加し、更に5分間撹拌混合し、複合体P−1を得た(表1参照)。
上記のメタリック顔料〔B〕及び含リン化合物〔C〕を表1に示す割合で用いた以外は、製造例1と同様にして複合体P−2〜P−6を得た(表1参照)。
実施例1〜10及び比較例1〜4
熱可塑性樹脂A−1等と、表1に示す複合体P−1等とを、表2に示す割合でタンブラーに投入して予備混合した。その後、2軸同方向スクリュー回転型2軸押出機(「TEM35」、東芝機械社製、L/D=47.6(D=37mmφ))に供給し、下記条件で、溶融混練を行った。次いで、先端ノズルからストランド状にポリマーを排出(押出速度;60kg/hr)し、水冷、カッティングを行い、ペレットを作製した。
その後、得られたペレットを用い、上記評価項目に関する試験を行った。その結果を表2に示した。
<混練条件>
シリンダー温度は、押出成形用樹脂組成物に含有される熱可塑性樹脂の種類によって選択した。
ASA樹脂;220℃
ABS樹脂;220℃
AES樹脂;220℃
AS樹脂;220℃
PC樹脂;260℃
PBT樹脂;270℃
PC/ABS樹脂;240℃
一方、実施例1〜10は、いずれも、成形性及び耐摩耗性に優れ、表面の光輝性模様も鮮明であった。
実施例11
上記実施例2で得られた樹脂組成物と、下記塩化ビニル樹脂組成物(支持層形成用組成物)とを、それぞれ、20mmφ押出機(シリンダー設定温度200℃)及び40mmφ押出機(シリンダー設定温度170℃)に供給し、各押出機のスクリュー回転数及び引取速度を適宜、調節することで共押出し、各層の厚さが、それぞれ、0.2mm及び2.3mmである2層型積層シートを製造した。
この2層型積層シートについて、成形性、耐摩耗性及び外観性の評価を、上記と同様にして行ったところ、成形性「◎」、耐摩耗性「◎」及び外観性「○」の結果を得た。
<塩化ビニル樹脂組成物の組成>(単位;部)
ポリ塩化ビニル(分子量1000) 100
ポリメタクリル酸メチル(分子量200万) 2
強化剤(アクリル系ゴム) 4
炭酸カルシウム 10
安定剤(Ca/Zn、ワンパック品) 4.2
支持層形成用組成物として、塩化ビニル樹脂組成物に代えて、上記熱可塑性樹脂A−2を用いた以外は、実施例11と同様にして、2層型積層シートを製造し、評価したところ、成形性「◎」、耐摩耗性「◎」及び外観性「○」の結果を得た。
11;層[X](本発明の組成物を押出成形してなる層)
12,12a及び12b;層[Y](他の材料からなる層)
Claims (5)
- 〔A〕熱可塑性樹脂と、〔B〕メタリック顔料と、〔C〕不飽和二重結合を有する含リン化合物と、を含有する押出成形用樹脂組成物であって、
上記含リン化合物〔C〕が、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、ホスホン酸モノエステル及びホスホン酸ジエステルから選ばれた少なくとも1種の化合物であり、
上記メタリック顔料〔B〕及び上記含リン化合物〔C〕の含有割合が、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、95〜99.95質量%及び0.05〜5質量%であり、且つ、
上記メタリック顔料〔B〕及び上記含リン化合物〔C〕の含有量の合計が、上記熱可塑性樹脂〔A〕の量を100質量部とした場合に、0.1〜10質量部であることを特徴とする押出成形用樹脂組成物。 - 上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル系単量体を重合して得られたゴム強化ビニル系樹脂(A1)、又は、該ゴム強化ビニル系樹脂(A1)とビニル系単量体の(共)重合体(A2)との混合物、からなるゴム強化樹脂を含む請求項1に記載の押出成形用樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の押出成形用樹脂組成物を押出成形してなることを特徴とする成形品。
- 請求項1又は2に記載の押出成形用樹脂組成物を押出成形してなる層と、他の材料からなる層とが積層されていることを特徴とする積層品。
- 上記他の材料が、請求項1又は2に記載の押出成形用樹脂組成物と異なる熱可塑性樹脂組成物である請求項4に記載の積層品。
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