JP2008106025A - 化粧料 - Google Patents

Abstract

【課題】マンゴスチンは、一般的な利用法としては、主にして果実を食用として用いられている。
【解決手段】本発明は、マンゴスチンの果実の水溶性抽出物を有効成分として含有する化粧料である。

Description

本発明は、化粧料に関する。

従来、皮膚のしみ、そばかすなどの発生機構については不明な点もあるが、一般には、ホルモンの異常や日光から紫外線の刺激が原因であると言われている。この様なしみやそばかすの治療には、皮膚内に存在するチロジナーゼ活性を阻害してメラミンの生成を抑制する物質、例えば、ビタミンＣを大量に投与する方法、グルタチオンを軟骨、クリーム、ローションなどの形態にして局所に湿布する方法などがとられている。

紫外線の作用により皮膚は炎症を起こすが、これらの炎症を抑制するものが、抗炎剤であり、化粧料用成分としては、アロエ、ヘチマ等の植物、グリチルリン、亜鉛華等が用いられている。

マンゴスチンの一般的な利用法としては、主に果実を食用とするが、化粧料として用いられている実績はない。

本発明は、マンゴスチンの果実の水溶性抽出物を有効成分として含有する化粧料である。

前記化粧料を得るにあたって、前記水溶性抽出物を、前記マンゴスチンの果実を、水、アルコール類、アセトンからなる群から選択される少なくとも１種又は２種以上を含む水溶性溶媒を用いて抽出することができる。

また、前記化粧料を得るにあたって、前記水溶性抽出物の抽出を、加熱しながら又は常温で行うことができる。

本発明で使用するマンゴスチンとは、オトギリソウ科、マンゴスチンで、学名をＧａｒｃｉｎｉａ ｍａｎｇｏｓｔａｎａ Ｌ．といい、（いずれも参考文献；朝日百科、世界の植物、朝日新聞社、１９８０）、例えば、いずれも熱帯アジア各地の栽培品を用いることができる。

本発明で使用するマンゴスチンの果実の水溶性抽出物とは、植物体の果実を水溶性溶媒で抽出したものであって、例えば、水、アルコール類（メタノール、エタノール、１，３−ブチレングリコール、プロピレングリコール等）、アセトンなど溶媒が挙げられる。これらの水溶性溶媒の１種又は２種以上の混合溶媒を用いて抽出したものであっても良いし、加熱抽出したものであっても良いし、常温抽出したものであっても良い。必要に応じて、濃縮あるいは希釈して化粧品原料として用いることができる。

これらの基材を原料として製造される化粧品としては、例えば、化粧水、クリーム、乳液、シャンプー、ファンデーション、リップクリーム、口紅などが挙げられる。

本発明のマンゴスチンの果実の水溶性抽出物を有効成分として含有せしめた化粧料は、安全性の高い、抗炎作用をあわせ持ち、かつ安全性においても好ましいものである。

以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。

マンゴスチンの果実５０ｇを５分間ホモジナイザーし、精製水５００ｍｌを加え、５０℃にて２時間加熱抽出し、ろ紙でろ過した。さらに真空凍結乾燥により濃縮することにより抽出物１３．９ｇを得た。

マンゴスチンの果実３７ｇを凍結乾燥により濃縮することにより抽出物７．１ｇを得た。

マンゴスチンの果実３０ｇを攪拌し、エタノール３００ｍｌを加えて、常温で１ヵ月放置し、ろ紙でろ過した。

マンゴスチンの果実６０ｇを攪拌し、エタノール３００ｍｌを加えて、ロータリーエバポレータにかけ、アルコールをとばした。

（１）マンゴスチンの果実の抽出物 ２０ｃｃ
（２）精製水 １００ｃｃ
によって化粧水を得た。

（１）マンゴスチンの果実の抽出物 ２０ｃｃ
（２）精製水 ３００ｃｃ
（３）グリセリン １００ｃｃ
によって化粧水を得た。

（１）マンゴスチンの果実の抽出物 ２０ｃｃ
（２）精製水 ３００ｃｃ
によって化粧水を得た。

（１）マンゴスチンの果実の抽出物 適量
によって化粧水を得た。

次に、実験例について説明する。
有効性試験例１ アレルギー使用試験
健康な被験者１０名を用いて使用試験を実施した。試料には、アレルギー使用試験と同じ化粧水を用いた。マンゴスチンの果実の水溶性抽出物の安全性を明らかにするため、ヒトに対する一次刺激性試験をアレルギーテストにより行った。被験者の上腕内側部の２ｃｍ平方のサイトに、コットンにマンゴスチンの果実の水溶性抽出物を染みこませ、５分間湿布した。その結果、９人は、全く紅班及びかゆみを認めず、１名が紅班認められなかったが、わずかなかゆみを認めた。これらの結果からマンゴスチンの水溶性抽出物は、一次刺激性が極めて低く、皮膚に対して安全性が高いことが確認された。アンケートの判断に基づいて評価を行った。
（判定基準）
有効 ◎
やや有効 ○
ほとんど無効 △
無効 ×

（試験結果） ◎ ○ △ ×
７ ２ １ ０
注）数値は人数

有効性試験例２ 使用試験
健康な被験者１０名を用いて、２０日間使用試験を実施した。試料には、実施例３に示したように、マンゴスチンの果実３０ｇを攪拌し、エタノール３００ｍｌを加えて、常温で１ヵ月放置し、ろ紙でろ過したものを用い、実施例５に示したように、（１）マンゴスチンの果実の抽出物 ２０ｃｃと、（２）精製水 １００ｃｃによって得た化粧水を用いた。被験者の上腕内側部の２ｃｍ平方のサイトに、コットンにマンゴスチンの果実の水溶性抽出物を染みこませ、５分間湿布し、肌の保湿力（水分）、弾力、油分、皮質を調査し評価を行った。判定結果は、肌診断測定器（Ｔｒｉｐｌｅｓｅｎｓｅ）で測定し、１０人の肌の水分、弾力、油分を調べた。２０問のアンケートの判定基準に基づいた評価を行った。本発明で用いる化粧料は、アンケートの結果、使用前と使用後の差は、保湿、弾力、油分を測定すると数値が高かった。特に数値が高いのが、保湿力、弾力性であるのがわかった。油分に関しては、数値が変化しなかった。これらの結果、一次刺激性が低く、皮膚に対して保湿効果、弾力性、安全性が高いことが確認された。
（判定基準）
有効 ◎
やや有効 ○
ほとんど無効 △
無効 ×

（試験結果）
◎ ○ △ ×
５ ３ １ １
注）数値は人数

Claims (1)

1. マンゴスチンの果実の水溶性抽出物を含有することを特徴とする化粧料。