JP2008103914A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮光照射の光量や受光センサの受光感度が変動した場合でも、精度良く記録媒体の種類を判別することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】CMOSエリアセンサ11により記録媒体の表面映像が読み取られ、制御回路130に画像データとして出力される。また、センサの校正データであるシェーディングデータが取得される。そして、制御回路130において、シェーディングデータを用いて画像データが補正されて画像凹凸データが生成される。ついで、画像凹凸データの凹凸量に対して画像凹凸データの全画素平均光量を用いた演算が施され、記録媒体を特徴付ける量である記録媒体表面性データが算出される。最後に、記録媒体表面性データの値を閾値情報と比較して、CPU140が、記録媒体の種類を判別する。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置に関し、より詳細には、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置に関する。
複写機、レーザープリンタなどの画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、潜像担持体に現像剤を付与することにより潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、所定方向に搬送される記録媒体に現像装置による現像剤像を転写する転写装置と、転写装置によって現像剤像の転写を受けた記録媒体を所定の定着処理条件で加熱及び加圧することにより現像剤像を記録媒体に定着させる定着装置とを備える。
従来、係る画像形成装置においては、画像形成装置本体に設けられた操作パネルなどを用いて記録媒体のサイズや種類(以下、「紙種」ともいう。)がユーザによって設定され、その設定に応じて現像条件、転写条件、定着処理条件(例えば、定着温度や定着装置を通過する記録媒体の搬送速度)または画像処理などの画像形成条件を変える制御が行われてきている。また、印字時にユーザがホストコンピュータから紙種を設定することにより、画像形成装置が、指定された紙種に応じて画像形成条件を変える制御が行われてきている。
そのような例として、記録媒体の表面映像をCMOSセンサによって撮影し、記録媒体の表面平滑度を検出する方法により記録媒体の種類を判別し、現像条件、転写条件または定着処理条件を可変制御する装置が提案されている(特許文献1参照)。さらに、記録媒体を判別するセンサに対向する位置に発光源を設け、透過光を検出することにより、透過光による記録媒体の判別を行う装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開2002-182518号公報 特開2005-114866号公報
しかしながら、上述した従来の画像形成装置では、次のような課題があった。記録媒体の表面映像を撮影して記録媒体の種類を判別しようとする場合、光照射に用いるLEDの光量や、記録媒体からの反射光の受光センサの受光感度は、周囲の温度変動や素子自体の経時変化によって変化する可能性がある。このような変化が生じると、記録媒体を撮影して得られる出力結果が変化し、それにより記録媒体の検出精度が低下する。したがって、ユーザが画像形成装置を特殊な周囲温度環境で使用した場合や、素子の経時変化が生じうる画像形成装置の寿命末期に、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を変える制御が適正に行えなくなるという問題が発生する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光照射の光量や受光センサの受光感度が変動した場合でも、精度良く記録媒体の種類を判別することができる画像形成装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、前記記録媒体に光を照射する光照射手段と、前記記録媒体に照射された光の反射光を受光して前記記録媒体の表面映像を撮影し、前記表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段のシェーディングデータを取得するシェーディングデータ取得手段と、前記画像データから前記シェーディングデータのシェーディングデータ成分を除去する補正を行い、画像凹凸データを生成するシェーディング補正手段と、前記画像凹凸データの凹凸量を、基準とする補正係数を乗じて補正する画像凹凸データ補正手段と、前記画像凹凸データ補正手段によって補正された前記凹凸量を閾値情報と比較して、前記記録媒体の種類を判別する判別手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、前記記録媒体に光を照射する光照射手段と、前記記録媒体に照射された光の反射光を受光して前記記録媒体の表面映像を撮影し、前記表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データの全画素平均光量が、基準とする全画素平均光量となるように前記画像データを補正する画像データ補正手段と、前記画像データから前記画像データ生成手段のシェーディングデータのシェーディングデータ成分を除去する補正を行うシェーディング補正手段と、前記画像データ補正手段およびシェーディング補正手段によって補正された前記画像データの凹凸量を算出する凹凸量算出手段と、前記凹凸量を閾値情報と比較して、前記記録媒体の種類を判別する判別手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、前記記録媒体に光を照射する光照射手段と、前記記録媒体に照射された光の反射光を受光して前記記録媒体の表面映像を撮影し、前記表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データの全画素平均光量が、基準とする全画素平均光量となるように前記画像データ生成手段による撮影条件を変更する撮影条件変更手段と、前記基準とする全画素平均光量を有する画像データから画像データ生成手段のシェーディングデータのシェーディングデータ成分を除去する補正を行うシェーディング補正手段と、前記シェーディング補正手段によって補正された、前記基準とする全画素平均光量を有する画像データの凹凸量を算出する凹凸量算出手段と、前記凹凸量を閾値情報と比較して、前記記録媒体の種類を判別する判別手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、画像凹凸データの凹凸量を、該凹凸量に基準とする補正係数を乗じることによって補正する。このように補正された凹凸量は、画像凹凸データの補正前の全画素平均光量に依存せずに記録媒体を特徴付ける量であり、したがって、光照射の光量や受光センサの受光感度が変化した場合でも、精度良く記録媒体の種類を判別することができる。
また、本発明によれば、基準とする全画素平均光量を有するように画像データを補正する、もしくは画像データ生成の際の撮影条件を変更する。したがって、光照射の光量や画像データ生成の際の受光感度が変化した場合でも、一定の全画素平均光量を有する画像データの安定した生成を可能とし、精度良く記録媒体の種類を判別することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
実施形態1
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の概略形状を示している。ここではタンデム型のカラー画像形成装置を例に挙げている。符号14は記録媒体であり、符号102は記録媒体を収容する給紙カセットである。符号103はピックアップローラ、符号105は記録媒体を搬送するための搬送ベルト、符号104は搬送ベルトを駆動するためのローラ、符号106〜109は画像を形成するための像担持体としての感光体ドラム、符号110から113は感光体ドラム上の画像を記録媒体に転写するための転写ローラである。符号114〜117は画像形成のためのカートリッジであって画像形成装置に着脱可能な構成になっている。符号118〜121は感光ドラム上の潜像を形成するためのスキャナユニットであり感光ドラム上にレーザ光を照射する。符号122は定着装置であって記録媒体上に転写された画像を定着する。符号123は記録媒体の位置を検知するセンサである。
本実施形態に係る画像形成装置100は、撮像センサ10と、撮像センサ10と通信を行う制御回路130と、制御回路130と通信を行うCPU140とを備えており、これらを用いて記録媒体の種類の判別が行われる。
図2は、撮像センサ10の構成を示している。撮像センサ10は、図2に示すように、記録媒体14に光を照射する照射用LED12と、記録媒体14からの反射光を集光する結像レンズ13と、反射光を読み取るCMOSエリアセンサ11とを備えている。照射用光源はLEDに限られず、エリアセンサもCMOSセンサを有するものに限られない。例えば、エリアセンサは、CMOSセンサの代わりにCCDセンサを有するエリアセンサとすることができる。本実施形態では、照射用LED12は、LED光が記録媒体14の表面に対して図示のように所定の角度をもって斜めより光が照射するよう配置されているが、可能な配置はこのような配置に限られない。
CMOSエリアセンサ11の内部構成については図7を参照して後述するが、A/Dコンバータ708を備え、読み取った表面映像を画像データにデジタル処理することができる点についてここで言及しておく。
CMOSエリアセンサ11は、制御回路130と通信を行い、制御回路130から信号を受信し、また、制御回路130における処理のために画像データを制御回路130に送信する。この通信の詳細およびCPU140の役割については、図8を参照して後述する。
このような物理的構成において、本実施形態に係る画像形成装置100は以下のように記録媒体の種類の判別を行う。照射用LED12を光源とする光が、記録媒体14の表面に対して照射される。記録媒体14からの反射光が、レンズ13を介して集光され、CMOSエリアセンサ11に結像される。これによって、記録媒体14の表面映像が読み取られる。ついで、読み取られた表面映像が、CMOSエリアセンサ11内でAD変換され、制御回路130に画像データとして出力される。また、光学系や照明系等に起因する光量むらなどの、センサの校正データであるシェーディングデータが取得される。具体的には、記録媒体搬送中に撮像センサ10により記録媒体14の表面を複数回撮影し、それらの表面映像の画像データを平均化処理することで取得することができる。そして、制御回路130において、シェーディングデータを用いて画像データが補正されて画像凹凸データが生成され、画像凹凸データに対して後述の演算が施され、記録媒体を特徴付ける量である記録媒体表面性データが算出される。最後に、記録媒体表面性データの値に基づいて、CPU140が、記録媒体の種類を判別する。
上述の表面映像のデジタル処理、シェーディング補正、および記録媒体表面性データの算出について、以下にそれぞれ説明する。
(表面映像のデジタル処理)
図3は、撮像センサ10のCMOSエリアセンサ11によって読み取られた記録媒体14の表面映像と、これらの表面映像を8×8ピクセルにデジタル処理した画像データとを示している。デジタル処理は、CMOSエリアセンサ11からのアナログ出力を、A/Dコンバータ708によって8ビットのピクセルデータに変換することによって行われる。ここで、画像データのピクセル数および各ピクセルのビット数は、それぞれ8×8ピクセルおよび8ビット以外とすることもできる。
表面映像301は、紙の表面性が比較的粗く紙の繊維による凹凸が判別しやすい、いわゆるラフ紙の表面映像である。表面映像302は、一般のオフィスで多く使用されるいわゆる普通紙の表面映像である。表面映像303は、紙の繊維の圧縮が十分になされている光沢紙(グロス紙)の表面映像である。
CMOSセンサ11に読み込まれたこれらの表面映像301、302および303はデジタル処理され、それぞれ画像データ304、305および306となる。画像データ304、305および306に示すように、記録媒体の種類によって表面の見え方が異なる。これは、主に記録媒体表面における繊維の状態が異なるために起こる現象である。
(シェーディング補正)
図4を参照して、シェーディング補正処理について説明する。8×8ピクセルの画像データ401は、CMOSエリアセンサ11で撮影した画像をデジタル処理したイメージであるが、この画像データには、目的の撮影対象「A」という文字と、シェーディングデータ成分とが共に含まれている。符号404は、画像データ401を三次元イメージで表したものを示している。画像データ402は、画像データ401に含まれているシェーディングデータの二次元イメージ、符号405は、シェーディングデータの三次元イメージを示している。画像データ401からシェーディングデータ402のシェーディングデータ成分を除去すると、撮影対象であった「A」という文字が鮮明に得られる。ここで、シェーディングデータ成分とは、シェーディングデータの各ピクセルのデータから、シェーディングデータ全体の平均値(全画素平均光量)を引いたデータをいう。シェーディングデータ自体ではなくシェーディングデータ成分を画像データ401から除去することにより、画像データ401の全画素平均光量を変えることなくシェーディングデータの影響を取り除くことができる。なぜならば、シェーディングデータの各ピクセルのデータからこのシェーディングデータの全画素平均光量を引いたデータ、すなわちシェーディング成分の全画素平均光量は0だからである。本明細書において、画像データからシェーディングデータ成分を除去し補正した後の画像データを、画像凹凸データと呼ぶ。符号406は、画像凹凸データ403の三次元イメージを示している。
実際のシェーディング補正処理は1ラインごとに行われる。符号407、408、および409は、画像データ401、402および403から、それぞれ対応する1ラインのみを抽出したグラフである。グラフ407とグラフ408との間の差分を計算してこの差分に画像データ402(シェーディングデータ)の全画素平均光量を加えると、シェーディングデータ成分が除去されたグラフ409が得られる。グラフ409では、画像データ402の全画素平均光量を100と仮定している。これを8ライン全てについて行うことで画像全体のシェ−ディング補正が行われる。
(記録媒体表面性データの算出)
シェーディング補正処理を実施し画像凹凸データを算出した後は、画像凹凸データを複数のブロックに分割し、分割したデータ毎に、最大濃度のピクセル値Dmaxと、最低濃度のピクセル値Dminを導く。これを分割ブロック毎に実行してDmax−Dminを算出し、各ブロック毎のDmax−Dminの平均をとることにより画像凹凸データ全体の凹凸量Dmax−Dminを得る。
次に、画像凹凸データの全画素平均光量を導き、数式(1)により定義される記録媒体表面性データを算出する。
Figure 2008103914
つまり、画像凹凸データ全体の凹凸量を、補正係数である1/(前記画像凹凸データの全画素平均光量)を乗じて補正することで、記録媒体表面性データを得る。
ラフ紙のように記録媒体の表面繊維がガサついている場合には、繊維の影が多く発生する。その結果、明るい箇所と暗い箇所の差が大きく出るため、Dmax−Dminは大きくなる。一方、光沢紙のような表面では、繊維の影が少なく、Dmax−Dminが小さくなる。
このような意味で、Dmax−Dminは記録媒体を特徴付ける量であるが、CMOSエリアセンサ11により読み込まれた光量の絶対値にも依存することに注意が必要である。すなわち、照射用LED12の光量およびCMOSエリアセンサ11の受光感度が周囲温度の変動もしくは素子自体の経時変化により変化した場合には、Dmax−Dminが変化する可能性があるのである。この点について、図5を参照して説明する。
図5は、CMOSエリアセンサ11が検出する光量の合計と、得られる画像データとの関係を示している。グラフ501および502は、同じ記録媒体表面を測定して得られた画像データの1ライン分を抜き出したグラフであり、これらの測定は、グラフ501の方がグラフ502よりもCMOSエリアセンサ11により読み込まれる光量の合計が大きい条件で行った。グラフ503および504は、グラフ501および502のデータをそれぞれシェーディング補正した画像データの1ライン分を示している。
グラフ503とグラフ504を比較すると分かるように、CMOSエリアセンサ11により生成された画像データの光量の合計が大きいと、画像データの凹凸、およびそれにより生じる凹凸量Dmax−Dminが、光量の合計が小さい場合と比べて大きい。これは、明るい場所と暗い場所のコントラストの違いが、光量が多い場合に強調されるために起こる現象である。つまり、同じ凹凸の記録媒体を測定した場合でも、センサが検出する光量の大きさが異なるとCMOSセンサが検出する凹凸の見え方は異なるのである。
諸条件の下で測定を行う中で、凹凸量が全画素平均光量に正比例することが経験的に見出された。したがって、数式(1)より計算される記録媒体表面性データは、CMOSエリアセンサ11により読み込まれた光量の合計が異なる場合でも変化せず、記録媒体表面の繊維状態が異なる場合にのみ変化するパラメータである。
上記の計算を行う制御回路130内のプロセッサは、CMOSエリアセンサ11からの映像サンプリング処理、ゲイン及びフィルタ演算処理をリアルタイムで処理する必要がある。演算処理には、例えば、デジタルシグナルプロセッサまたはゲートアレイまたは高速なCPUを用いることが望ましい。
ここで図6を参照して、記録媒体の種類の判別を含む、画像形成処理の全体的流れを説明する。画像形成装置は、図6に示すフローチャートに従って以下の処理を実行する。まず、給紙カセット102からピックアップローラ103により記録媒体が給紙され、記録媒体搬送動作が開始する(S601)。記録媒体が撮像センサ10の正面位置に来たら(S602)、記録媒体搬送中に所定の光蓄積時間で記録媒体14の表面を撮影してシェーディングデータを取得する(S603)。シェーディングデータ取得後は、記録媒体の搬送を停止し(S604)、所定の光蓄積時間で記録媒体表面の撮影を行い、画像データを生成する(S605)。次に、画像データとシェーディングデータから記録媒体表面性データを算出し、記録媒体の種類を判別する(S606)。判別した記録媒体の種類に応じた最適な条件で記録媒体の搬送を再開し(S607)、画像形成動作を行う(S608)。
CMOSエリアセンサ11の回路構成について、図7のブロック図を参照して説明する。符号701はCMOSセンサ部であり、例えば8×8画素分のセンサがエリア状に配置されている。符号702および703は、垂直方向シフトレジスタ、符号704は出力バッファ、符号705は水平方向シフトレジスタ、符号707はタイミングジェネレータである。符号708はA/Dコンバータ、符号709は出力インターフェース、符号711はCMOSエリアセンサ11の制御回路である。この回路構成は、CMOSエリアセンサ11の一例として開示するものであり、使用することのできるエリアセンサを限定することは意図されていない。
Sl_select信号713をアクティブにすると、CMOSセンサ部701は受光した光に基づく電荷の蓄積を開始する。次に、システムクロック706を与えると、タイミングジェネレータ707によって、垂直方向シフトレジスタ702および703は、読みだす画素の列を順次選択し、出力バッファ704にデータを順次セットする。
出力バッファ704にセットされたデータは、水平方向シフトレジスタ705によって、A/Dコンバータ708ヘと転送される。A/Dコンバータ708でデジタル変換された画像データは、出力インターフェース回路709により所定のタイミングで制御されて、Sl_select信号713がアクティブである期間、符号710のSl_out信号に出力される。
また、CMOSエリアセンサ11の制御回路711を通じて、Sl_in信号712によりA/D変換ゲインを可変制御できる。例えば、撮影した画像データのコントラストが明瞭でない場合は、ゲインを変更して、好適なコントラストを得ることができる。
図8は、制御回路130のブロック図を示している。符号804はインターフェース回路、符号805は演算回路、符号806は記録媒体表面性データがセットされるレジスタ、符号808は制御レジスタである。
CPU140が制御レジスタ808に対して、CMOSエリアセンサ11の動作指示を与えると、CMOSエリアセンサ11によって記録媒体表面画像の撮影が開始される。つまり、CMOSエリアセンサ11に電荷の蓄積が開始される。インターフェース回路804から、Sl_selectによってCMOSエリアセンサ11を選択し、所定のタイミングにてSYSCLKを生成すると、CMOSエリアセンサ11からSl_out信号を経由して、撮影された画像データが送信される。
インターフェース回路804を経由して受信した画像データは、演算回路805に送信される。演算回路805では、インターフェース回路804を経由して受信した画像データから、上述の演算に基づき記録媒体表面性データが算出され、その結果がレジスタ806にセットされる。レジスタ806にセットされた記録媒体表面性データの値に基づいて、CPU140が、記録媒体の種類を判別する。この際、使用可能な記録媒体の各種類の閾値情報、すなわち、ある記録媒体は記録媒体表面性データがいくつからいくつまでであり、別のある記録媒体はいくつからいくつまでであるという情報が参照される。そのような閾値情報と記録媒体表面性データを比較することで記録媒体の種類が判別されるが、閾値情報は制御回路130内などの不揮発メモリ(図示せず)にあらかじめ保存しておいてもよいし、比較時に閾値情報を保持している記録媒体にアクセスしてもよい。
図8に示した回路は、CMOSエリアセンサ11を制御し、また諸処理を行うための例示的構成として提示されているのみで、本発明に係る画像形成装置の物理的構成を制限するものではない。
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置は、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、以下の手段を備えることを特徴とする。括弧内に示す各要素は、本実施形態において各手段として機能するものであるが、各手段としての機能を果たすことができるものは本発明に包含されることが意図されていることに留意されたい。それらの手段は、記録媒体に光を照射する光照射手段(照射用LED12)と、記録媒体に照射された光の反射光を受光して記録媒体の表面映像を撮影し、表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段(結像レンズ13およびCMOSエリアセンサ11)と、シェーディングデータを取得するシェーディングデータ取得手段(結像レンズ13およびCMOSエリアセンサ11)と、画像データからシェーディングデータ成分を除去する補正を行い、画像凹凸データを生成するシェーディング補正手段(演算回路805)と、画像凹凸データの凹凸量を、補正係数である1/(画像凹凸データの全画素平均光量)を乗じて補正して記録媒体表面性データを生成する画像凹凸データ補正手段(演算回路805)と、記録媒体表面性データを閾値情報と比較して、記録媒体の種類を判別する判別手段(CPU140)である。
記録媒体表面性データは、次のような演算により求めることもできる。すなわち、画像凹凸データを、全画素平均光量が1単位量となるように補正し、この補正した画像凹凸データの凹凸量を算出することで記録媒体表面性データを得ることができる。
画像凹凸データ補正手段による補正で得られた記録媒体表面性データは、画像データ生成手段により読み込まれた光量の合計の影響を受けないため、ユーザビリティの高い画像形成装置を提供することができる。すなわち、周囲温度変化や経時変化により、光照射手段の光量や画像データ生成手段の受光感度特性が変化した場合においても、精度よく記録媒体判別を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
実施形態2
本実施形態に係る画像形成装置の物理的構成は、実施形態1のそれと制御回路130を除いて同一である。本実施形態では、図9に示すように制御回路130が不揮発メモリ909ならびに2つの演算回路A905およびB910を備えている。不揮発メモリ909には、撮影した画像のシェーディング補正の際に使用するシェーディングデータがあらかじめ記憶してある。シェーディングデータは、工場出荷時に測定して記憶しておいてもよいし、工場出荷後にシェーディングデータを定期的に書き換えてもよい。この書き換えは、新しいシェーディングデータとして、搬送中の記録媒体表面を撮像センサ10により複数回撮影し、それらの表面映像を平均化処理することで取得したデータを記憶することで行うことができる。このようなあらかじめ記憶しておいたシェーディングデータを記録媒体の種類の判別に用いることで、シェーディングデータを取得する動作が不要となり、記録媒体の種類の判別に要する時間を短縮することができる。本実施形態に係る制御回路130の詳細については、図9を参照して後述する。
このような物理的構成において、本実施形態に係る画像形成装置における記録媒体の種類の判別は、以下のように行われる。照射用LED12を光源とする光が、記録媒体14の表面に対して照射される。記録媒体14からの反射光が、レンズ13を介して集光され、CMOSエリアセンサ11に結像される。これによって、記録媒体14の表面映像が読み取られる。ついで、読み取られた表面映像が、CMOSエリアセンサ11内でAD変換され、制御回路130に画像データとして出力される。そして、制御回路130において、画像データの各画素が、後述する処理により、画像データの全画素平均光量がシェーディングデータの全画素平均光量と等しくなるように補正される。以下、本明細書においては、こうして得られた画像データを平均値補正画像データと呼ぶ。次いで、平均値補正画像凹凸データが、平均値補正画像データからシェーディングデータ成分を除去することで算出され、この平均値補正画像凹凸データの凹凸量であるDmax−Dminを閾値情報と比較して、CPU140が、記録媒体の種類を判別する。画像データの生成処理およびシェーディングデータ成分の除去処理に関しては、実施形態1で説明したのと同じであるので、以下、平均値補正画像凹凸データの算出に関して図10を参照して説明する。
(平均値補正画像凹凸データの算出)
グラフ1001は、不揮発メモリに記憶しているシェーディングデータの1ライン分のデータを示している。以下では、不揮発メモリ909に記憶しているシェーディングデータの全画素平均光量を1Saveと表現することにする。グラフ1002は、同じ記録媒体表面を撮影した画像データ1、2および3の中から対応するラインのデータを抜き出したグラフを示している。撮影した画像データの全画素平均光量はそれぞれ異なり、画像データ1が1.5Save、画像データ2が0.8Save、画像データ3が0.5Saveである。グラフ1003に示すように、画像データ1、2、3の各画素の値をそれぞれ1/1.5倍、1/0.8倍、1/0.5倍して全画素平均光量が1Saveとなるよう補正すると、補正前の全画素平均光量に依存しない画像データを得ることができることを見出した。各画素の受光光量は、その画像データの全画素平均光量に正比例するのである。このような平均値補正画像データは、数式(2)により算出することができる。
Figure 2008103914
平均値補正画像データから、不揮発メモリ909に記憶されているシェーディングデータ成分を除去し、グラフ1004に示されているような平均値補正画像凹凸データを算出する。
ここで、図11を参照して、記録媒体の種類の判別を含む、画像形成処理の全体的流れを説明する。画像形成装置は、図11に示すフローチャートに従って以下の処理を実行する。まず、給紙カセット102からピックアップローラ103により記録媒体が給紙され、記録媒体搬送動作が開始する(S1101)。記録媒体が撮像センサ10の正面位置に来たら記録媒体搬送動作を停止し(S1103)、所定の光蓄積時間で記録媒体表面の撮影を行い、画像データを生成する(S1104)。画像データと不揮発メモリ909に記憶しているシェーディングデータより算出した平均値補正画像データのDmax−Dminを算出し、この値から記録媒体の種類を判別する(S1105)。判別した記録媒体の種類に応じた最適な条件にて記録媒体の搬送を再開し(S1106)、画像形成動作を行う(S1107)。
図9を参照して、本実施形態に係る制御回路130の詳細を説明する。インターフェース回路904を経由して受信した画像データは、演算回路A905に送信される。演算回路A905では、インターフェース回路804を経由して受信した画像データから、数式(2)に基づき平均値補正画像データを算出し、演算回路B910に送信する。演算回路Bでは、不揮発メモリ909に記憶されているシェーディングデータと、演算回路A905から受信した平均値補正画像データより、平均値補正画像凹凸データの凹凸量Dmax−Dminが演算され、その結果がレジスタ906にセットされる。レジスタ906にセットされた凹凸量の値を閾値情報と比較して、CPU140が、記録媒体の種類を判別する。なお、演算回路Aと演算回路Bは、別個の構成要素として示してあるが、単一の演算回路を用いて上述の処理を行うこともできる。さらに、図9に示した回路は、CMOSエリアセンサ11を制御し、また諸処理を行うための例示的構成として提示されているのみで、本発明に係る画像形成装置の物理的構成を制限するものではない。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、以下の手段を備えることを特徴とする。括弧内に示す各要素は、本実施形態において各手段として機能するものであるが、各手段としての機能を果たすことができるものは本発明に包含されることが意図されていることに留意されたい。それらの手段は、記録媒体に光を照射する光照射手段(照射用LED12)と、記録媒体に照射された光の反射光を受光して記録媒体の表面映像を撮影し、表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段(結像レンズ13およびCMOSエリアセンサ11)と、画像データの全画素平均光量がシェーディングデータの全画素平均光量と等しくなるように画像データを補正して平均値補正画像データを算出する画像データ補正手段(演算回路A905)と、シェーディングデータを記憶しておくシェーディングデータ記憶手段(不揮発メモリ909)、平均値補正画像データからシェーディングデータ成分を除去する補正を行い、平均値補正画像凹凸データを算出するシェーディング補正手段(演算回路B910)と、平均値補正画像凹凸データの凹凸量を算出する凹凸量算出手段(演算回路B910)と、凹凸量を閾値情報と比較して、記録媒体の種類を判別する判別手段(CPU140)である。
平均値補正画像凹凸データは、画像データ生成手段により読み込まれた光量の合計の影響を受けないため、光照射手段の光量や画像データ生成手段の受光感度が変化した場合でも、精度よく記録媒体の判別を行うことのできる画像形成装置を提供することができる。さらに、あらかじめ保持しているシェーディングデータを用いて判別動作を行うため、シェーディングデータ取得にかかる時間を短縮することができ、より短時間で記録媒体の種類を判別することが可能となる。
実施形態3
本実施形態に係る画像形成装置の物理的構成は、実施形態2のそれと同一である。実施形態2では、不揮発メモリ909に工場出荷時に測定したシェーディングデータを記憶していたが、本実施形態では、異なるデータを記憶しておく。そのデータは、白チャート紙等の基準となる記録媒体を撮影し測定した全画素平均光量、および記録媒体を判別する際に用いる、基準記録媒体の全画素平均光量に対応する閾値情報である。ここで、本実施形態に係る閾値情報とは、使用可能な記録媒体の各種類に関して、基準記録媒体の全画素平均光量が特定の値であるときに、ある記録媒体は凹凸量がいくつからいくつまでであり、別のある記録媒体はいくつからいくつまでであるという情報である。
本実施形態に係る画像形成装置は以下のように記録媒体の判別動作を行う。照射用LED12を光源とする光が、記録媒体14の表面に対して照射される。記録媒体14からの反射光が、レンズ13を介して集光され、CMOSエリアセンサ11に結像される。これによって、記録媒体14の表面映像が読み取られる。ついで、読み取られた表面映像が、CMOSエリアセンサ11内でAD変換され、制御回路130に画像データとして出力される。そして、制御回路130において、シェーディングデータを用いて画像データが補正されて画像凹凸データが生成され、画像凹凸データの凹凸量に対して後述の演算が施され、記録媒体を特徴付ける量である補正後Dmax−Dminが算出される。最後に、補正後Dmax−Dminの値を閾値情報と比較して、CPU140が、記録媒体の種類を判別する。
補正後Dmax−Dminの算出は、画像データの全画素平均光量と不揮発メモリ909に記憶している全画素平均光量の値とを比較し、数式(3)で表される補正により行う。
Figure 2008103914
本実施形態では、画像データの全画素平均光量と、工場出荷時に測定したセンサの全画素平均光量とを比較し、比に応じてDmax−Dminを補正する手段を例に挙げている。しかし、不揮発メモリ909に記憶している閾値を補正してもよい。後者においては、不揮発メモリ909に閾値情報を記憶しておくことが必要であるが、前者においては、記憶しておくことは必ずしも必要ではなく、比較時に閾値情報を保持している記録媒体にアクセスしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、以下の手段を備えることを特徴とする。括弧内に示す各要素は、本実施形態において各手段として機能するものであるが、各手段としての機能を果たすことができるものは本発明に包含されることが意図されていることに留意されたい。それらの手段は、記録媒体に光を照射する光照射手段(照射用LED12)と、記録媒体に照射された光の反射光を受光して記録媒体の表面映像を撮影し、表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段(結像レンズ13およびCMOSエリアセンサ11)と、基準記録媒体を撮影して生成した画像データの全画素平均光量、および基準記録媒体の判別に用いる閾値情報を記憶しておく記憶手段(不揮発メモリ909)と、シェーディングデータを取得するシェーディングデータ取得手段(結像レンズ13およびCMOSエリアセンサ11)と、画像データからシェーディングデータ成分を除去する補正を行い、画像凹凸データを生成するシェーディング補正手段(演算回路A905またはB910)と、画像凹凸データの凹凸量を、補正係数である(基準記録媒体の全画素平均光量)/(画像凹凸データの全画素平均光量)を乗じて補正する画像凹凸データ補正手段(演算回路A905またはB910)と、画像凹凸データ補正手段によって補正された凹凸量と閾値情報とを比較することにより、記録媒体の種類を判別する判別手段(CPU140)である。
補正された画像凹凸データの凹凸量Dmax−Dminは、次のような演算により求めることもできる。すなわち、画像凹凸データを、全画素平均光量が基準記録媒体の全画素平均光量と等しくなるように補正し、この補正した画像凹凸データの凹凸量を算出すればよい。
補正後Dmax−Dminは、画像データ生成手段により読み込まれた光量の合計の影響を受けないため、光照射手段の光量や画像データ生成手段の受光感度が変化した場合でも、精度よく記録媒体判別を行うことのできる画像形成装置を提供することができる。
実施形態4
本実施形態に係る画像形成装置の物理的構成は、実施形態1のそれと同一である。本実施形態では、撮像センサ10により撮影する画像の全画素平均光量が所定範囲内の値となるよう測定条件を最適化し、安定したデータ出力を得ることができるようにする点に特徴がある。すなわち、撮影手段の検出時間である光蓄積時間を変更することで測定条件の最適化を実現している。なお、測定条件の最適化手段はこれに限定されるものではなく、反射LED12の発光光量制御または撮像センサ10の受光感度を制御によって実現することもできることに留意されたい。
図12を参照して画像形成処理の全体的流れを説明する。画像形成装置は、図12に示すフローチャートに従って以下の処理を実行する。まず、給紙カセット102からピックアップローラ103により記録媒体が給紙され記録媒体搬送動作が開始する(S1201)。記録媒体が撮像センサ10の正面位置にきたら記録媒体搬送動作を停止する(S1203)。次に、照射用LED12より記録媒体表面に光を照射し、反射してくる光量の全画素平均光量を第1の光蓄積時間T1でCMOSエリアセンサ11により測定する(S1204)。全画素平均光量が閾値A以上かつ閾値B以下になっているかを演算回路702において確認する(S1205)。ここで閾値Aおよび閾値Bは、生成される画像データの全画素平均光量が一定の値付近となるように定められた下限および上限であり、この全画素平均光量は、使用可能な記録媒体の画像データの凹凸が、どの種類の記録媒体を撮影しても明瞭である任意の値とする。
全画素平均光量が閾値A以上かつ閾値B以下の場合は記録媒体搬送動作を再開し、記録媒体搬送中に第2の光蓄積時間T2で記録媒体表面を撮影し、シェーディングデータを取得する(S1207)。シェーディングデータ取得後は、再び記録媒体の搬送を停止し(S1208)、第3の光蓄積時間T3で記録媒体表面の撮影を行い、画像データを生成する(S1209)。次に、画像データをS1207で取得したシェーディングデータによりシェーディング補正した画像データからDmax−Dminを算出し、この値に基づいて記録媒体の種類を判別する(S1210)。判別した記録媒体の種類に応じた最適な条件で記録媒体の搬送を再開し(S1211)、画像形成動作を行う(S1212)。ここで、光蓄積時間T1、T2およびT3の長さは等しい。
S1205において、全画素平均光量が閾値A未満または閾値Bより大きい値の場合、数式(4)の計算を行い、T1’を算出し(S1213)、光蓄積時間T1’で再び記録媒体表面を撮影する(S1214)。
Figure 2008103914
S1214で測定した画像の全画素平均光量が閾値A以上かつ閾値B以下になっているか確認し(S1215)、全画素平均光量が閾値A未満または閾値Bより大きい値の場合は、S1213に戻り再び測定を行う。S1214で全画素平均光量がA以上かつ閾値B以下の場合は記録媒体搬送動作を再開し(S1216)、記録媒体搬送中に数式(5)で計算された光蓄積時間T2’でシェーディング測定を行う(S1217)。
Figure 2008103914
シェーディング測定終了後は、再び記録媒体搬送を停止し(S1218)、数式(6)で計算された光蓄積時間T3’で記録媒体表面撮影を行い、画像データを生成する(S1219)。
Figure 2008103914
次に、画像データをS1208で取得したシェーディングデータによりシェーディング補正した画像データからDmax−Dminを算出し、Dmax−Dminの値に基づいて記録媒体の種類を判別する(S1220)。判別した記録媒体の種類に応じた最適な条件で記録媒体の搬送を再開し(S1221)、画像形成動作を行う(S1222)。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置では、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、以下の手段を備えることを特徴とする。括弧内に示す各要素は、本実施形態において各手段として機能するものであるが、各手段としての機能を果たすことができるものは本発明に包含されることが意図されていることに留意されたい。それらの手段は、記録媒体に光を照射する光照射手段(照射用LED12)と、記録媒体に照射された光の反射光を受光して記録媒体の表面映像を撮影し、表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段(結像レンズ13およびCMOSエリアセンサ11)と、基準とする全画素平均光量を有するように画像データ生成手段の光蓄積時間を変更する撮影条件変更手段(演算回路805)と、シェーディングデータを取得するシェーディングデータ取得手段(結像レンズ13およびCMOSエリアセンサ11)と、基準とする全画素平均光量を有する画像データからシェーディングデータ成分を除去する補正を行うシェーディング補正手段(演算回路805)と、シェーディング補正手段によって補正された基準とする全画素平均光量を有する画像データの凹凸量を算出する凹凸量算出手段(演算回路805)と、凹凸量を閾値情報と比較して、記録媒体の種類を判別する判別手段(CPU140)である。
先に述べたように、変更する撮影条件は、光蓄積時間に限られず、光照射手段の光量や画像データ生成手段の受光感度とすることもできる。
記録媒体を撮影する際、画像データ生成手段の受光光量が所定の光量になるように調整してから撮影を行うため、ユーザビリティの高い画像形成装置を提供することができる。すなわち、周囲温度変化や経時変化により、光照射手段の光量特性や画像データ生成手段の受光感度特性が変化した場合においても、精度よく記録媒体判別を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
実施形態5
本実施形態に係る画像形成装置の物理的構成は、実施形態2のそれと同一である。本実施形態では、撮像センサ10により撮影する画像の全画素平均光量が、不揮発メモリ909に記憶しているシェーディングデータの全画素平均光量と一致するように、測定条件を最適化し安定した出力を得ることができるようにする点に特徴がある。すなわち、撮影手段の検出時間である光蓄積時間を変更することで測定条件の最適化を実現している。なお、測定条件の最適化手段はこれに限定されるものではなく、反射LED12の発光光量制御もしくは、撮像センサ10の受光感度を制御によって実現することもできることに留意されたい。
図13を参照して画像形成処理の全体的流れを説明する。画像形成装置は、図13に示すフローチャートに従って以下の処理を実行する。まず、給紙カセット102からピックアップローラ103により記録媒体が給紙され記録媒体搬送動作が開始する(S1301)。記録媒体が撮像センサ10の正面位置にきたら記録媒体搬送動作を停止する(S1303)。次に、照射用LED12より記録媒体表面に照射し反射してくる光量の全画素平均光量を第1の光蓄積時間T1でCMOSエリアセンサ11により測定する(S1304)。ついで、全画素平均光量が閾値A以上かつ閾値B以下になっているかを演算回路902において確認する(S1305)。ここで、閾値A以上かつ閾値B以下の範囲は、不揮発メモリ909に記憶しているシェーディングデータの全画素平均光量付近の、画像データに対して適切にシェーディング補正を行うために許容できる範囲である。この範囲は、例えばシェーディングデータの全画素平均光量±10%とすることができる。
全画素平均光量が閾値A以上かつ閾値B以下の場合は、第3の光蓄積時間T3で記録媒体表面撮影を行い、画像データを生成する(S1306)。次に、画像データを不揮発メモリ909に記憶しているシェーディングデータによりシェーディング補正した画像データからDmax−Dminを算出し、この値に基づいて記録媒体の種類を判別する(S1307)。判別した記録媒体の種類に応じた最適な条件にて記録媒体の搬送を再開し(S1308)、画像形成動作を行う(S1309)。ここで、光蓄積時間T1およびT3の長さは等しい。
S1305において、全画素平均光量が閾値A未満または閾値Bより大きい値の場合、数式(4)の計算を行い、T1’を算出し(S1310)、光蓄積時間T1’で再び記録媒体表面を撮影する(S1311)。S1311で測定した画像の全画素平均光量が閾値A以上かつ閾値B以下になっているか確認し(S1312)、全画素平均光量が閾値A未満または閾値Bより大きい値の場合は再び、S1310に戻り再び測定を行う。S1312で全画素平均光量がA以上かつ閾値B以下の場合は記録媒体搬送動作を再開し、数式(6)で計算される光蓄積時間T3’で記録媒体表面の撮影を行い、画像データを生成する(S1313)。次に、画像データを不揮発メモリ909に記憶しているシェーディングデータによりシェーディング補正した画像データからDmax−Dminを算出し、Dmax−Dminの値に基づいて記録媒体の種類を判別する(S1314)。判別した記録媒体の種類に応じた最適な条件で記録媒体の搬送を再開し(S1315)、画像形成動作を行う(S1316)。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置では、記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、以下の手段を備えることを特徴とする。括弧内に示す各要素は、本実施形態において各手段として機能するものであるが、各手段としての機能を果たすことができるものは本発明に包含されることが意図されていることに留意されたい。それらの手段は、記録媒体に光を照射する光照射手段(照射用LED12)と、記録媒体に照射された光の反射光を受光して記録媒体の表面映像を撮影し、表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段(結像レンズ13およびCMOSエリアセンサ11)と、シェーディングデータを記憶しておくシェーディングデータ記憶手段(不揮発メモリ909)と、画像データの全画素平均光量が、基準とする全画素平均光量となるように画像データ生成手段の光蓄積時間を変更する撮影条件変更手段(演算回路A905またはB910)と、基準とする全画素平均光量を有する画像データからシェーディングデータ成分を除去する補正を行うシェーディング補正手段(演算回路A905またはB910)と、シェーディング補正手段によって補正された、基準とする全画素平均光量を有する画像データの凹凸量を算出する凹凸量算出手段(演算回路A905またはB910)と、凹凸量を閾値情報と比較して、記録媒体の種類を判別する判別手段(CPU140)である。
先に述べたように、変更する撮影条件は、光蓄積時間に限られず、光照射手段の光量や画像データ生成手段の受光感度とすることもできる。
記録媒体を撮影する際、画像データの光量がシェーディングデータの光量と等しくなるように調整するため、光照射手段の光量や画像データ生成手段の受光感度が変化した場合でも、精度よく記録媒体判別を行うことのできる画像形成装置を提供することができる。さらに、あらかじめ保持しているシェーディングデータを用いて判別動作を行うため、シェーディングデータ取得にかかる時間を短縮することができ、より短時間で記録媒体の種類を判別することが可能となる。
本発明の実施形態1に係る、画像形成装置の概略形状をを示す図である。 本発明の実施形態1に係る、撮像センサの構成を示す図である。 CMOSエリアセンサにより読み取られた記録媒体の表面映像と、これらの表面映像の画像データとを示すイメージ図である。 シェーディングデータ補正処理に係る画像データを示す図である。 CMOSエリアセンサが検出する光量の合計と、得られる画像データとの関係を示すグラフである。 本発明の実施形態1に係る、画像形成処理の全体的流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る、CMOSエリアセンサの回路構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係る、CMOSエリアセンサの制御回路のブロック図である。 本発明の実施形態2に係る、CMOSエリアセンサの制御回路のブロック図である。 平均値補正画像凹凸データの算出処理の流れを示す図である。 本発明の実施形態3に係る、画像形成処理の全体的流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態4に係る、画像形成処理の全体的流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態5に係る、画像形成処理の全体的流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 撮像センサ
11 CMOSエリアセンサ
12 照射用LED
13 結像レンズ
130 制御回路
140 CPU
708 A/Dコンバータ
805 演算回路
905 演算回路A
909 不揮発性メモリ
910 演算回路B

Claims (14)

  1. 記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、
    前記記録媒体に光を照射する光照射手段と、
    前記記録媒体に照射された光の反射光を受光して前記記録媒体の表面映像を撮影し、前記表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データ生成手段のシェーディングデータを取得するシェーディングデータ取得手段と、
    前記画像データから前記シェーディングデータのシェーディングデータ成分を除去する補正を行い、画像凹凸データを生成するシェーディング補正手段と、
    前記画像凹凸データの凹凸量を、基準とする補正係数を乗じて補正する画像凹凸データ補正手段と、
    前記画像凹凸データ補正手段によって補正された前記凹凸量を閾値情報と比較して、前記記録媒体の種類を判別する判別手段と
    を備える画像形成装置。
  2. 前記基準とする補正係数は、1/(前記画像凹凸データの全画素平均光量)であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 基準記録媒体を撮影して生成した画像データの全画素平均光量を記憶しておく記憶手段
    を備え、
    前記基準とする補正係数は、(前記基準記録媒体の全画素平均光量)/(前記画像凹凸データの全画素平均光量)であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 基準記録媒体を撮影して生成した画像データの全画素平均光量、および前記基準記録媒体の全画素平均光量に対応する閾値情報を記憶しておく記憶手段と、
    前記記録手段に記録された閾値情報を、(前記画像凹凸データの全画素平均光量)/(前記基準記録媒体の全画素平均光量)という補正係数を乗じて補正する閾値情報補正手段と
    を備え、
    前記基準とする補正係数は、1であり、
    前記判別手段は、前記凹凸量と前記補正された閾値情報とを比較することにより前記記録媒体の種類を判別する手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、
    前記記録媒体に光を照射する光照射手段と、
    前記記録媒体に照射された光の反射光を受光して前記記録媒体の表面映像を撮影し、前記表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データの全画素平均光量が、基準とする全画素平均光量となるように前記画像データを補正する画像データ補正手段と、
    前記画像データから前記画像データ生成手段のシェーディングデータのシェーディングデータ成分を除去する補正を行うシェーディング補正手段と、
    前記画像データ補正手段およびシェーディング補正手段によって補正された前記画像データの凹凸量を算出する凹凸量算出手段と、
    前記凹凸量を閾値情報と比較して、前記記録媒体の種類を判別する判別手段と
    を備える画像形成装置。
  6. 前記シェーディングデータを取得するシェーディングデータ取得手段
    を備え、
    前記シェーディング補正手段は、前記画像データ補正手段の前に前記画像データを補正し、
    前記基準とする全画素平均光量は、1単位量であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記シェーディングデータを記憶しておくシェーディングデータ記憶手段
    を備え、
    前記シェーディング補正手段は、前記画像データ補正手段の後に前記画像データを補正し、
    前記基準とする全画素平均光量は、前記シェーディングデータの全画素平均光量であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記シェーディングデータを取得するシェーディングデータ取得手段と、
    基準記録媒体を撮影して生成した画像データの全画素平均光量を記憶しておく記憶手段と
    を備え、
    前記シェーディング補正手段は、前記画像データ補正手段の前に前記画像データを補正し、
    前記基準とする全画素平均光量は、前記基準記録媒体の全画素平均光量であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  9. 前記シェーディングデータを取得するシェーディングデータ取得手段と、
    基準記録媒体を撮影して生成した画像データの全画素平均光量、および前記基準記録媒体の全画素平均光量に対応する閾値情報を記憶しておく記憶手段と、
    前記記録手段に記録された閾値情報を、(前記画像凹凸データの全画素平均光量)/(前記基準記録媒体の全画素平均光量)という補正係数を乗じて補正する閾値情報補正手段と
    を備え、
    前記シェーディング補正手段は、前記画像データ補正手段の前に前記画像データを補正し、
    前記基準とする全画素平均光量は、前記画像データの全画素平均光量であり、
    前記判別手段は、前記凹凸量と、前記補正された閾値情報とを比較することにより前記記録媒体の種類を判別する手段であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  10. 記録媒体の種類に応じて画像形成条件を選択する方式の画像形成装置であって、
    前記記録媒体に光を照射する光照射手段と、
    前記記録媒体に照射された光の反射光を受光して前記記録媒体の表面映像を撮影し、前記表面映像の画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データの全画素平均光量が、基準とする全画素平均光量となるように前記画像データ生成手段による撮影条件を変更する撮影条件変更手段と、
    前記基準とする全画素平均光量を有する画像データから画像データ生成手段のシェーディングデータのシェーディングデータ成分を除去する補正を行うシェーディング補正手段と、
    前記シェーディング補正手段によって補正された、前記基準とする全画素平均光量を有する画像データの凹凸量を算出する凹凸量算出手段と、
    前記凹凸量を閾値情報と比較して、前記記録媒体の種類を判別する判別手段と
    を備える画像形成装置。
  11. 前記シェーディングデータを取得するシェーディングデータ取得手段
    を備え、
    前記基準とする全画素平均光量は、第1の閾値以上かつ第2の閾値以下であり、
    前記第1および第2の閾値は、生成される画像データの全画素平均光量が一定の値付近となるように定められた下限および上限であり、前記一定の値は、使用可能な記録媒体の画像データの凹凸が、どの種類の記録媒体を撮影しても明瞭である任意の値であり、
    前記撮影条件は、前記光照射手段の光量、前記画像生成手段の光蓄積時間、および前記画像生成手段の受光感度のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記シェーディングデータを記憶しておくシェーディングデータ記憶手段
    を備え、
    前記基準とする全画素平均光量は、前記シェーディングデータの全画素平均光量であり、
    前記撮影条件は、前記光照射手段の光量、前記画像生成手段の光蓄積時間、および前記画像生成手段の受光感度のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  13. 前記シェーディングデータ取得手段は、前記記録媒体の搬送中に、前記画像データ生成手段により前記記録媒体の表面映像を複数回撮影して複数のデータを取得し、前記複数のデータを平均化処理することでシェーディングデータを取得する手段であることを特徴とする請求項1、2、3、4、6、8、9または11に記載の画像形成装置。
  14. 前記シェーディングデータ記憶手段に記憶してあるシェーディングデータは、書き換え可能であることを特徴とする請求項7または12に記載の画像形成装置。
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