JP2008103626A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光取り出し層の層厚が薄くならないように粗面化された半導体発光素子を提供する。
【解決手段】活性層6と光取り出し層4とを含む複数の半導体層を有し、反射金属膜層11を有する半導体発光素子において、上記光取り出し層4が組成比の異なる複数の層23,24からなり、これら複数の層の最も外側の層23のみに主面Sを粗面とするための凹凸22が形成された。
【選択図】図1

Description

本発明は、光取り出し層の層厚が薄くならないように粗面化された半導体発光素子に関する。
半導体発光素子である発光ダイオード(LED)は、近年、GaN系やAlGaInP系の高品質結晶をMOVPE法で成長させることができるようになったことから、青色、緑色、橙色、黄色、赤色等の高輝度LEDが製造できるようになった。LEDの高輝度化に伴い、自動車のブレーキランプや液晶ディスプレイのバックライト等に用途が広がり、需要が年々増加している。
MOVPE法によって高品質結晶が成長可能となって以来、発光素子の内部における発光効率は理論値の限界値に近付きつつある。しかし、発光素子から外部への光取り出し効率は未だ低く、光取り出し効率の向上が望まれている。
例えば、高輝度赤色LEDは、AlGaInP系の材料で形成され、導電性のGaAs基板上に格子整合する組成のAlGaInP系の材料からなるn型AlGaInP層と、p型AlGaInP層と、これらに挟まれたAlGaInP又はGaInPからなる発光部の一部である活性層を有するダブルへテロ構造となっている。ここで、AlGaInP系の材料とは、AlGaInPを主成分とし組成比又は添加物が異なる種々の材料の総称である。AlGaInP系の材料を用いた半導体発光素子には、GaInP、GaPなどの材料も併用される。
この種の半導体発光素子は、GaAs基板のバンドギャップが活性層のバンドギャップよりも狭いために、活性層からの光の多くがGaAs基板に吸収され、光取り出し効率が低下する。
この対策として、活性層とGaAs基板との間に屈折率の異なる半導体からなる多層反射膜構造の層を形成することによってGaAs基板に向かう光を反射させることでGaAs基板での光の吸収を減少させ、光取り出し効率を向上させる方法がある。しかし、この方法では、多層反射膜構造層に対して限定された入射角を持つ光しか反射しない。つまり、GaAs基板に向かった光の一部しか反射させることができず、取り出し効率を十分に向上させることが難しい。
そこで、AlGaInP系の材料からなるダブルへテロ構造の部分が成長により形成された半導体発光素子を作製後に、反射率の高い金属の層を介して、上記ダブルへテロ構造の部分をSiやGaAs等の支持基板に貼り付け、その後、成長に用いたGaAs基板を除去する方法が特許文献2に開示されている。この方法を用いれば、反射層として金属を用いているので、反射層に対する入射角を選ばずに高い反射率の反射が可能となる。このために、前述した多層反射膜構造の層を形成するよりも高輝度化ができる。つまり、活性層で発生した光をより有効に取り出すことで高輝度化ができる。
図9に従来の半導体発光素子の構造を示す。図示のように、従来の半導体発光素子101は、図示上から順に、光取り出し層を部分的に覆う第一電極102、第一電極102の直下のみに形成されて第一電極102と同じ部分を覆い、活性層よりもバンドギャップエネルギが小さく、かつ、活性層からの光に対して不透明な第一電極側コンタクト層103、第一クラッド層側の主面を形成し、活性層から第一クラッド層側に進む光を外部に出射する光取り出し層104、活性層を挟む2つのクラッド層の一方である第一クラッド層105、第一、第二のクラッド層に挟まれ光を発生する活性層106、もう一方のクラッド層である第二クラッド層107、第二クラッド層と反射金属膜層側コンタクト層との間に介在する介在層108、反射金属膜層側コンタクト層109、酸化物層110、第二クラッド層107と第二電極との間で活性層106から第二電極側に向かう光を反射する反射金属膜層111、金属密着層112、ダブルへテロ構造部分を貼り付けるための支持基板113、主面の反対面を覆う第二電極114からなる。
光取り出し層104は、ウインドウ層とも呼ばれる。
酸化物層110は、反射金属膜層111に接する面内に適宜に分散して形成されたオーミックコンタクト接合部115を有し、オーミックコンタクト接合部115でない部分を非オーミックコンタクト接合部116と呼ぶことにする。
反射金属膜層側コンタクト層109は、材料に対する添加物の異なる3つの層117,118,119を有し、これら3つの層のうち介在層108に接する介在層側コンタクト層117の材料は添加物がMgであり、酸化物層110に接する酸化物層側コンタクト層119の材料は添加物がZnであり、これら2つの層の中間の中間コンタクト層118の材料は積極的な添加物がない。
第一電極側コンタクト層103から反射金属膜層側コンタクト層109までをダブルへテロ構造部分120と呼ぶことにする。また、第一クラッド層105、活性層106、第二クラッド層107を合わせて発光層121と呼ぶこともある。
図9の半導体発光素子101は、反射金属膜層111を設けたことにより、支持基板112がある方の主面(反対面)からは光を取り出さず、光取り出し層104に形成される一方の主面のみから光を取り出すものである。
ダブルへテロ構造部分120と支持基板112との間に配置される反射金属膜層111は、活性層106からの光に対して高い反射率を有することは当然ながら、主としてAlGaInP系の材料からなるダブルへテロ構造部分120とオーミックコンタクトが取れなければならない。しかし、AlGaInP系の材料からなる活性層106からの光の発光波長において高い反射率を有するAg,Al,Au等の金属ではAlGaInP系の材料と直接オーミックコンタクトを取ることが困難である。そのため、反射金属膜層111とダブルへテロ構造部分120との間に、部分的にオーミックコンタクト接合部115を配置する必要がある。部分的に配置するとは、反射金属膜層111を全面的に覆うのではなく、その面内に適宜に分散して配置することである。
オーミックコンタクト接合部115は、オーミックコンタクトを取るために反射金属膜層111とダブルへテロ構造部分120との間に配置されており、反射金属膜層111と比べると反射率が低い。また、ダブルへテロ構造部分120に接してオーミックコンタクト接合部115の材料を設けた後に、オーミックコンタクトを取るために、熱処理を行う必要がある。その熱処理の際にダブルへテロ構造部分120とオーミックコンタクト接合部115の材料との間に合金化反応が生じ、オーミックコンタクト接合部115に接するダブルへテロ構造部分120において光吸収率が増加する。このために、活性層106からの光が酸化物層110を通ると、非オーミックコンタクト接合部116に比べてオーミックコンタクト接合部115で光吸収が大きくなる。その結果として、発光素子全体の光取り出し効率が低下する。
特開2004−356279号公報 特開2002−217450号公報
ところで、反射金属膜層111が活性層106からの光に対して高い反射率を有しても、主面である光取り出し層104の表面から多くの光を取り出すことができなければ、光取り出し効率が低下し、発光出力の向上は少ない。そこで、光を効率よく取り出す方法として、特許文献1のように主面を粗面化することが知られている。粗面化とは凹凸122を形成することである。
すなわち、物質中から光が外へ出るためには、臨界角という制約がある。光の角度が表面に対して垂直であれば光は取り出せるが、傾斜があると取り出せない。その臨界角は、光の波長と物質の屈折率で決まる。例えば、発光層121より出た光のうち、光取り出し層104に対して垂直な方向の光は半導体発光素子101より外に出るが、光取り出し層104に対してある一定の角度を持った光は主面に対する角度のため半導体発光素子101より外に出られない。しかし、主面を粗面化すると、光取り出し層104に対してある一定の角度を持った光の主面に対する角度が変わるため、半導体発光素子101より外に出る。よって、主面を粗面化することで光取り出し効率が向上する。
粗面化の効果をより高めるために、周知の技術であるフォトリソグラフィーを用いて凹凸のパターンを形成する方法があるが、この方法は微細なパターン形成が必要になるため、高価な装置が必要になり、結果として半導体発光素子の製造コストが高くなる。また、フォトリソグラフィーの工程があることによっても、製造コストが高くなる。これに対して製造コストを下げる方法として、パターンを形成しないで粗面化を行う方法がある。しかし、この方法には、以下の問題がある。
パターンを形成しないで主面である光取り出し層の表面をエッチングにより粗面化すると、凹凸の形成と同時に全面的にエッチングが進行し、光取り出し層の層厚が全面的に薄くなる。層厚が全面的に薄くなると、電流の広がりが悪くなり、順方向電圧が高くなると同時に発光出力も低下する。その結果、発光効率が低下する。
発光効率が低下するのは、順方向電圧が上昇することによって半導体発光素子中の発熱量が大きくなり、その熱の影響により発光出力が低下するためである。要するに、光取り出し層の層厚が薄くなると、直列抵抗が大きくなると共に、電流の広がりが悪くなることで順方向電圧が高くなり、発光出力が低下する。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光取り出し層の層厚が薄くならないように粗面化された半導体発光素子を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、第一、第二のクラッド層に挟まれ光を発生する活性層と、第一クラッド層側の主面を形成する光取り出し層とを含む複数の半導体層を有し、上記光取り出し層を部分的に覆う第一電極と、上記主面の反対面を覆う第二電極と、第二クラッド層と第二電極との間で光を反射する反射金属膜層と、該反射金属膜層の活性層側に接する酸化物層と、該酸化物層中に部分的に形成されたオーミックコンタクト接合部とを有する半導体発光素子において、上記光取り出し層が組成比の異なる複数の層からなり、これら複数の層の最も外側の層のみに上記主面を粗面とするための凹凸が形成されたものである。
上記光取り出し層をなす複数の層のうち最も外側の層の材料がその次に外側の層の材料よりAl組成比が大きくてもよい。
上記光取り出し層をなす複数の層のうち最も外側の層がその次に外側の層よりバンドギャップエネルギが大きくてもよい。
上記光取り出し層をなす複数の層の材料がそれぞれ(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし、0.3≦X≦1,0.4≦Y≦0.6で表されてもよい。
上記光取り出し層と第一クラッド層の層厚の和が1000〜3000nmであってもよい。
上記光取り出し層をなす複数の層のうち最も外側の層は、その次に外側の層よりも屈折率が小さくてもよい。
上記光取り出し層と第一電極との間に、第一電極と同じ部分を覆い、上記活性層よりもバンドギャップエネルギが小さく、かつ、上記活性層からの光に対して不透明な第一電極側コンタクト層を有してもよい。
上記第一電極側コンタクト層の層厚が5〜200nmであってもよい。
上記光取り出し層をなす複数の層の材料は上記活性層の材料よりAl組成比が大きくてもよい。
上記活性層の材料が(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし、0≦X<1,0.4≦Y≦0.6で表されてもよい。
上記活性層が10〜160層の井戸層からなる多重量子井戸構造を有してもよい。
上記活性層と第二クラッド層の間に第二クラッド層側アンドープ層を有してもよい。
上記第二クラッド層側アンドープ層の材料が上記活性層の材料よりAl組成比が大きくてもよい。
上記第二クラッド層側アンドープ層の材料が上記活性層の材料よりバンドギャップエネルギが大きくてもよい。
上記第二クラッド層側アンドープ層の材料が(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし、0.3≦X≦1,0.4≦Y≦0.6で表されてもよい。
上記光取り出し層をなす複数の層のうち最も外側の層の層厚が1000nm以下であってもよい。
上記複数の半導体層と第二電極との間に支持基板を有し、該支持基板の材料がSi、GaAs、Ge、Cu、Mo、W、CuWのいずれかであってもよい。
上記酸化物層の全面積に対するオーミックコンタクト接合部の面積の割合が20%以下であってもよい。
上記酸化物層と第二クラッド層との間に反射金属膜層側コンタクト層を有し、該反射金属膜層側コンタクト層の材料がGaPを主としてもよい。
上記反射金属膜層側コンタクト層と第二クラッド層との間に介在層を有し、該介在層の材料がGaXIn1-XP、ただし、0.6≦X<1で表されてもよい。
上記反射金属膜層側コンタクト層が材料の添加物が異なる3つの層を有し、これら3つの層のうち上記介在層に接する層の材料は添加物がMgであり、上記酸化物層に接する層の材料は添加物がZnであり、これら2つの層の中間の層の材料は積極的な添加物がなくてもよい。
上記酸化物層の非オーミックコンタクト接合部における層厚dは、
基準層厚dst=奇数の定数α×上記活性層からの光の波長λp
/(4×非オーミックコンタクト接合部における上記光の屈折率n)
の関係式で表される基準層厚dstに対し±30%の範囲内であり、かつ、上記酸化物層のオーミックコンタクト接合部における層厚が非オーミックコンタクト接合部における層厚と等しくてもよい。
上記第一クラッド層の層厚が300nm以上であって、該第一クラッド層が上記光取り出し層に兼用されると共に、この第一クラッド層中に該第一クラッド層の材料よりAl組成比が小さく、かつ、屈折率が大きい材料からなる第一クラッド層挿入層が挿入されていてもよい。
上記第一クラッド層挿入層の材料が(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし0<X≦0.3,0.4≦Y≦0.6で表されてもよい。
上記第一クラッド層挿入層の層厚が5〜500nmであってもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)光取り出し層の層厚が薄くならない。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る半導体発光素子1は、光取り出し層を部分的に覆う第一電極2、第一電極2の直下のみに形成されて第一電極2と同じ部分を覆い、活性層よりもバンドギャップエネルギが小さく、かつ、活性層からの光に対して不透明な第一電極側コンタクト層3、第一クラッド層側の主面を形成し、活性層から第一クラッド層側に進む光を外部に出射する光取り出し層4、活性層を挟む2つのクラッド層の一方である第一クラッド層5、第一、第二のクラッド層に挟まれ光を発生する活性層6、もう一方のクラッド層である第二クラッド層7、第二クラッド層7と反射金属膜層側コンタクト層との間に介在する介在層8、反射金属膜層側コンタクト層9、酸化物層10、第二クラッド層7と第二電極との間で活性層6から第二電極側に向かう光を反射する反射金属膜層11、ダブルへテロ構造部分を貼り付けるための支持基板13、金属密着層12、主面の反対面を覆う第二電極14からなる。
光取り出し層4は、ウインドウ層とも呼ばれる。
酸化物層10は、反射金属膜層11に接する面内に適宜に分散して形成されたオーミックコンタクト接合部15を有し、オーミックコンタクト接合部15でない部分を非オーミックコンタクト接合部16と呼ぶことにする。
反射金属膜層側コンタクト層9は、材料に対する添加物の異なる3つの層17,18,19を有し、これら3つの層のうち介在層8に接する介在層側コンタクト層17の材料は添加物がMgであり、酸化物層10に接する酸化物層側コンタクト層19の材料は添加物がZnであり、これら2つの層の中間の中間コンタクト層18の材料は積極的な添加物がない。
第一電極側コンタクト層3から反射金属膜層側コンタクト層9までをダブルへテロ構造部分20と呼ぶことにする。また、第一クラッド層5、活性層6、第二クラッド層7を合わせて発光層21と呼ぶこともある。
本発明に係る半導体発光素子1の特徴は光取り出し層4にある。すなわち、光取り出し層4が組成比の異なる複数の層からなり、これら複数の層の最も外側の層のみに主面Sを粗面とするための凹凸22が形成されたものである。この実施形態では、光取り出し層4は2層からなり、最も外側の層が第一光取り出し層23、その次に外側の層が第二光取り出し層24である。
図示のように、凹凸22は、第一光取り出し層23のみに形成され、第二光取り出し層24には形成されていない。従来技術では、光取り出し層104が1種類であるため、エッチングをすると全体的に層厚が薄くなってしまう。本発明では、Al組成が大きい第一光取り出し層23の下にAl組成が小さい第二光取り出し層24があるので、第一光取り出し層23と第二光取り出し層24のエッチング速度に差が生じる。よって、光取り出し層4が全体的にエッチングされることを妨げることができる。結晶性によってエッチング速度が部分的に異なるので、エッチング速度が速くて最表面層の下にある第二光取り出し層24に到達してしまった部分は、第二光取り出し層24がAl組成が小さいためエッチング速度が遅くなる。よって、均一にエッチングでき全体的に層厚が薄くなることを妨げる。
さらに、図には現れないが、第一光取り出し層23の材料が第二光取り出し層24の材料よりAl組成比が大きく、かつ、第一光取り出し層23が第二光取り出し層24よりバンドギャップエネルギが大きい。
本発明にあっては、パターンを形成せずにエッチングによって光取り出し層4を粗面化するが、その際、光取り出し層4の構造を組成比の異なる複数層構造とすることで、光取り出し層4の層厚が全体的に薄くなることを抑制できた。
すなわち、エッチングは結晶性が悪い部分において速度が速いため、結晶性が悪い部分は結晶性がよい部分よりエッチングが進む。本発明では、第一光取り出し層23の結晶性が悪くても、第一光取り出し層23の下に位置する第二光取り出し層24のエッチング速度が遅いため、エッチングが止まる(遅くなる)。この結果、光取り出し層4の層厚が全体的に薄くなることを抑制できる。
本発明に係る半導体発光素子1は、光取り出し層4が薄くならないことにより、順方向電圧の上昇が抑制される。また、順方向電圧の上昇が抑制されることにより、半導体発光素子1の発熱を抑制でき、結果的に発光出力が向上する。また、光取り出し層4が薄くならないことにより、活性層6に流れる電流を均一化できる。この電流を均一化によっても半導体発光素子1の発熱を抑制できる。さらにまた、電流分散特性が良好になることで、第一電極2の影による光取り出し損失を抑制でき、発光出力が向上する。また、電流集中を抑制できることにより、キャリアのオーバーフローがなくなり、内部量子効率も向上する。これらのように、いくつかの要因が重なり合って、半導体発光素子1の発光出力が向上する。
本発明に係る半導体発光素子1は、第一光取り出し層23が第二光取り出し層24よりAl組成比が大きい。Al組成比が大きいほうがエッチング速度が速いので、第一光取り出し層23の下に第二光取り出し層24があることで、エッチングの一部が第二光取り出し層24に達したときに、エッチング速度が遅くなる。
本発明に係る半導体発光素子1は、第一光取り出し層23が第二光取り出し層24よりバンドギャップエネルギが大きい。これは、前述のように、第一光取り出し層23が第二光取り出し層24よりAl組成比が大きいからである。
次に、他の実施形態を説明する。
図2に示した半導体発光素子1aは、発光層21の構造が異なる他は図1の半導体発光素子1と同じである。すなわち、この半導体発光素子1aは、活性層6と第二クラッド層7との間に、第二クラッド層側アンドープ層25を設けたものである。この場合でも、光取り出し層4の構造は半導体発光素子1と同じであるから、光取り出し層4の層厚が薄くならない効果が得られる。
図3に示した半導体発光素子1bは、発光層21の構造が異なる他は図1の半導体発光素子1と同じである。すなわち、この半導体発光素子1bは、活性層6と第一クラッド層5との間に、第一クラッド層側アンドープ層26を設けたものである。この場合でも、光取り出し層4の層厚が薄くならない効果が得られる。
図4に示した半導体発光素子1cは、発光層21の構造が異なる他は図1の半導体発光素子1と同じである。すなわち、この半導体発光素子1cは、活性層6と第二クラッド層7との間に、第二クラッド層側アンドープ層25を設け、さらに活性層6と第一クラッド層5との間に、第一クラッド層側アンドープ層26を設けたものである。この場合でも、光取り出し層4の層厚が薄くならない効果が得られる。
図5に示した半導体発光素子1dは、ダブルへテロ構造部分20と反射金属膜層11との電気的接合構造が異なる他は図1の半導体発光素子1と同じである。すなわち、この半導体発光素子1dは、酸化物層10を有せず、オーミックコンタクト接合部15が酸化物層側コンタクト層19内に形成される。この場合でも、光取り出し層4の層厚が薄くならない効果が得られる。
図6に示した半導体発光素子1eは、光取り出し層4の構造が異なる他は図1の半導体発光素子1と同じである。すなわち、この半導体発光素子1eは、光取り出し層4を第一光取り出し層27、第二光取り出し層28、第三光取り出し層29の3層とし、第一光取り出し層27と第三光取り出し層29の材料は組成を同じにしたものである。単一層にした光取り出し層4の中に第二光取り出し層28を挿入したとも言える。この場合でも、光取り出し層4の層厚が薄くならない効果が得られる。
図7に示した半導体発光素子1fは、光取り出し層4及び発光層21の構造が異なる他は図1の半導体発光素子1と同じである。すなわち、この半導体発光素子1fは、光取り出し層4を特別に設けず、発光層21の第一クラッド層5を層厚が1000nm以上となるよう厚くして、第一クラッド層5に光取り出し層を兼用させ、その第一クラッド層5中に第一クラッド層挿入層31を挿入したたものである。第一クラッド層挿入層31よりも外側の第一クラッド層5が第一光取り出し層30に相当し、粗面化される。第一クラッド層挿入層31は第二光取り出し層31に相当し、第一クラッド層挿入層31よりも内側の第一クラッド層5は第三光取り出し層32を兼ねる。
第一クラッド層挿入層31の材料は、(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし0<X≦0.3,0.4≦Y≦0.6であるのが好ましい。第一クラッド層挿入層の層厚は5〜500nmであるのが好ましい。
以上の実施形態に関する好適な数値範囲及びその他の実施形態について説明する。
半導体発光素子1の第一光取り出し層23の層厚は、1000nm以下とする。これは、第一光取り出し層23の層厚が厚くなるとコストが高くなるからである。また、層厚をあまり薄くし過ぎると、粗面化した効果があまり出ずに、発光出力が高くならない。よって、第一光取り出し層23の層厚は30〜1000nmが好ましく、より好ましくは50〜800nmである。層厚に好ましい厚さがあるのは、半導体の屈折率や樹脂の屈折率、さらに空気の屈折率の関係で、光を有効に取り出すことのできる膜厚があるからである。
光取り出し層4,4aと第一クラッド層5の層厚の和は、1000〜3000mmが好ましい。その理由は、第一クラッド層5がキャリア供給層であって、ホールを止める障壁層でもあることの他に、光取り出し層(ウインドウ層)の機能も有するからである。これらの層厚の和を厚くすることでLEDの特性は向上するが、層厚の和が3000mmを超えるとコストが高くなる。
第一電極側コンタクト層3の層厚は5〜200nmが好ましい。なぜならば、この層厚が薄すぎると、コンタクト層としての機能が不十分になり、逆に厚すぎると、電流が流れにくくなって直流抵抗が高くなり、順方向電圧が高くなるからである。よって、好ましい層厚は5〜200nmであり、より好ましくは10〜100nmである。
介在層8の材料の組成はGaXIn1-XP、ただし、0.6≦X<1がよい。これは、Xが0.6よりも小さくなると、発光した光を吸収してしまうからである。
反射金属膜層側コンタクト層9のうち酸化物層10に接する酸化物層側コンタクト層19の材料に添加する添加物はZnが好ましい。これはMgよりもZnが添加しやすいために、高キャリア濃度化(低抵抗化)できるからである。高キャリア濃度にすることで接触抵抗を低くでき、ひいては順方向電圧を低くできるからである。
反射金属膜層側コンタクト層9のうち介在層8に接する介在層側コンタクト層17の材料に添加する添加物はMgが好ましい。これはZnよりもMgが拡散しにくいため、拡散による初期発光出力の低下を抑止できると共に、拡散しにくいことで信頼性(相対出力)が向上するからである。信頼性(相対出力)とは、通電後の光出力/初期光出力のことである。
反射金属膜層側コンタクト層9の介在層側コンタクト層17と酸化物層側コンタクト層19との中間に設ける中間コンタクト層18は、材料に積極的な添加物がないアンドープ層とするのが良い。これは、Mgをドープした層とZnをドープした層とが隣り合わせに存在すると相互拡散を起こすからである。中間コンタクト層18を挟むことで、相互拡散が防止できる。
活性層6は多重量子井戸構造を10〜160層、つまり5〜80ペアで構成するのが好ましい。これは、ペア数が少なすぎると電子及び正孔のオーバーフローが起こってしまい、内部量子効率が低下し、ペア数が多すぎると活性層6での光吸収による発光出力の低下が起きるからである。好ましいペア数は5〜80ペアであり、より好ましくは20〜60ペアである。また、活性層6が単一層である場合にも、同様の理由により層厚を20〜200nmとするのが好ましい。
半導体発光素子1の発光波長は630nm(赤色)に限らず、AlGaInP系の材料を用い発光波長を560〜660nmとした半導体発光素子においても、各層の材料、キャリア濃度等の変更はなく、光取り出し層4に関しても変更はなく、本発明は効果がある。
第一電極2の表面視形状は、円形、四角形、菱形、多角形、その他の異形状とすることができる。
支持基板13の材料は、Si、GaAs、Ge、Cu、Mo、W、CuWなどがある。
活性層6は、多重量子井戸構造に限らず、歪み多重量子井戸構造を有してもよく、あるいはアンドープのバルク層(単一層)であってもよい。
実施例)
図1に示した構造を有し、発光波長が630nm付近となる赤色LEDのためのLED用エピタキシャルウェハを作製し、LED素子を作製した。エピタキシャル成長方法、各エピタキシャル層の層厚、各エピタキシャル層の構造及び材料、反射金属膜層の構成、オーミックコンタクト接合部の構成及びサイズ、支持基板への貼り替え方法、電極形成方法、エッチング方法など作製の詳細は、以下の通りである。
図8に示されるように、n型GaAs基板(成長用基板)41上に、MOVPE法で、n型(Seドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pエッチングストップ層(層厚200nm、キャリア濃度1×1018/cm3)(エッチングストップ層)42、n型(Seドープ)GaAsコンタクト層(層厚50nm、キャリア濃度1×1018/cm3)(第一電極側コンタクト層)3、n型(Seドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pウインドウ層(層厚500nm、キャリア濃度1×1018/cm3)(第一光取り出し層)23、n型(Seドープ)(Al0.4Ga0.60.5In0.5Pウインドウ層(層厚1000nm、キャリア濃度1×1018/cm3)(第二光取り出し層)24、n型(Seドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(層厚500nm、キャリア濃度5×1017/cm3)(第一クラッド層)5、アンドープ多重量子井戸活性層(井戸層アンドープGa0.5In0.5P(層厚5nm)/障壁層アンドープ(Al0.5Ga0.50.5InP(層厚10nm)の20ペア)6、p型(Mgドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(層厚400nm、キャリア濃度1.2×1018/cm3)(第二クラッド層)7、p型(Mgドープ)GaXIn1-XP(0.6≦X<1)介在層(層厚10nm、キャリア濃度5×1018/cm3)8、p型(Mgドープ)GaP層(層厚200nm、キャリア濃度1×1018/cm3)(介在層側コンタクト層)17、アンドープGaP層(層厚100nm)(中間コンタクト層)18、p型(Znドープ)GaP層(層厚50nm、キャリア濃度1×1019/cm3)(酸化物層側コンタクト層)19を順次積層させ、LED用エピタキシャルウェハを得た。活性層3は、GaInP層とAlGaInP層を1ペアとしている。
このLED用エピタキシャルウェハの特徴は、光取り出し層4として、第一光取り出し層23と第二光取り出し層24の2層が設けられていることであり、半導体発光素子を形成したとき最も外側の層となる第一光取り出し層23がその次の層となる第二光取り出し層24よりもAl組成比が大きいことである。すなわち、光取り出し層4をなす第一第二光取り出し層23,24の材料がそれぞれ(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし、0.3≦X≦1,0.4≦Y≦0.6で表され、第一光取り出し層23の材料におけるXの値が0.7、第二光取り出し層24の材料におけるXの値が0.4である。
なお、第一光取り出し層23の層厚を500nmとし、第二光取り出し層24の層厚を1000nmとすることで、光取り出し層4の層厚1500nmは後述する従来例の光取り出し層104の層厚と同じである。
MOVPE法での成長温度は650℃とし、成長圧力は6666Pa(50Torr)とし、各層の成長速度は0.3〜1.0nm/secとし、V/III比は約200とした。V/III比は、分母をTMGaやTMAlなどのIII族原料のモル数とし、分子をAsH3、PH3などのV族原料のモル数とした比率(商)である。
MOVPE法の原料として、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)等の有機金属や、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)等の水素化物ガスを用いた。n型半導体層の導電型決定不純物のための添加物原料として、セレン化水素(H2Se)を用い、p型半導体層の導電型決定不純物のための添加物原料として、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)、ジメチルジンク(DMZn)を用いた。
この他に、n型半導体層の導電型決定不純物のための添加物原料として、セレン化水素(H2Se)、モノシラン(SiH4)、ジエチルテルル(DETe)、ジメチルテルル(DMTe)を用いることができ、p型半導体層の導電型決定不純物のための添加物原料として、ジエチルジンク(DEZn)を用いることができる。
このLED用エピタキシャルウェハをMOVPE装置から取り出した後、酸化物層側コンタクト層19の表面にSiO2層(酸化物層)10を層厚約100nm形成し、レジストとマスクアライナを組み合わせて使用し、一般的なフォトリソグラフィー技術を駆使し、さらにエッチングをすることによって、酸化物層10に表面視約12μm径の酸化物除去穴を30μmピッチで形成し、その酸化物除去穴に真空蒸着法によってオーミックコンタクト接合部15を層厚が酸化物層10とほぼ等しくなるように形成した。オーミックコンタクト接合部15の原料として金・亜鉛(AuZn)合金を用いた。オーミックコンタクト接合部15は、表面視約12μm径とした。これをドット状電極と言う。このオーミックコンタクト接合部15を表面視30μmピッチで、厚さ100nmに形成した。つまり、酸化物除去穴に真空蒸着法によってオーミックコンタクト接合部15を層厚が酸化物層10とほぼ等しくなるように形成した。
その後、このLED用エピタキシャルウェハを窒素ガス雰囲気中ににて350℃に加熱し、5分間熱処理するアロイ工程により、反射金属膜層側コンタクト層9とオーミックコンタクト接合部15の合金化を行った。
オーミックコンタクト接合部15が設けられたLED用エピタキシャルウェハの酸化物層10上(オーミックコンタクト接合部15上も含む)に反射金属膜層11として、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、金(Au)をこの順でそれぞれ200nm、200nm、500nm、合計900nmの層厚となるよう蒸着した。
支持基板13として用意したSi基板に、金属密着層12として、金・ゲルマニウム(AuGe)合金、チタン(Ti)、金(Au)をこの順でそれぞれ100nm、200nm、500nm、合計800nmの層厚となるよう蒸着した。
反射金属膜層11が設けられたLED用エピタキシャルウェハと金属密着層12が設けられた支持基板13とを、反射金属膜層11と金属密着層12とが合わさるように貼り合わせた。貼り合わせは、圧力1.3Pa(0.01Torr)雰囲気で3MPa(30kgf/cm2)の荷重を負荷させた状態で、温度350℃で、30分間保持することによって行った。
支持基板13に貼り合わせたLED用エピタキシャルウェハをアンモニア水と過酸化水素水系混合液に浸すことにより、成長用基板41をエッチングで除去し、エッチングストップ層42を露出させた。続いて、塩酸系のエッチング液を用いてエッチングストップ層42を除去し、第一電極側コンタクト層3を露出させた。
この第一電極側コンタクト層3の表面に一般的なフォトリソグラフィー技術を駆使してパターンを形成し、真空蒸着法によって、表面視直径100μmの円形部分と、その円形部分から放射状に幅10μmの枝状に伸びることによって分配された分配電極とを有する第一電極2を形成した。第一電極2は、金・ゲルマニウム(AuGe)合金、ニッケル(Ni)、金(Au)をこの順でそれぞれ100nm、100nm、500nm、合計700nmの層厚となるよう蒸着した。
この第一電極2をマスクに利用し、硫酸と過酸化水素水と水の混合液からなるエッチング液を用いて第一電極2の直下以外の第一電極側コンタクト層3を選択性エッチングにより除去し、光取り出し層4の第一光取り出し層23を露出させた。
この光取り出し層4の表面を塩酸系エッチングにより粗面化した。本実施例では、エッチングの組成と、エッチング時間を駆使することで、第一光取り出し層23のみが粗面化され第二光取り出し層24が粗面化されないようにした。
次いで、支持基板13の外側面全面に第二電極14を真空蒸着法によって形成した。具体的には、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、金(Au)をこの順で蒸着し、その後、窒素ガス雰囲気中で400℃に加熱して5分間熱処理するアロイ工程により、第二電極14を合金化した。
この電極形成済みのLED用エピタキシャルウェハを第一電極2の円形部分が中心になるようにダイシング装置を用いて切断し、チップサイズ300μm角のLEDベアチップを作製した。このLEDベアチップをTO−18ステム上にマウント(ダイボンディング)し、このマウントされたLEDベアチップにワイヤボンディングを行い、LED素子を作製した。
この実施例によるLED素子の初期特性を評価した。初期特性は、20mA通電時(評価時)の発光出力が6.68mW、順方向電圧が1.99Vであった。
実施例では、後述する従来例と同じ方法で主面Sを粗面化したが、光取り出し層4が2層構造であることにより、光取り出し層4の層厚が全面的に薄くなることを抑制できた。なぜならば、光取り出し層4中の第二光取り出し層24のほうが第一光取り出し層23よりもエッチング速度が遅く、その第二光取り出し層24でエッチングが止まる(非常に遅くなる)。この結果、光取り出し層4の層厚が薄くなるのを抑制できた。
このように光取り出し層4の層厚が薄くなるのを防止したことで、順方向電圧の上昇を抑制でき、順方向電圧1.99Vを達成できた。また、順方向電圧の上昇を抑制したことで、LEDの発熱を抑制でき、結果的に発光出力が向上した。さらに、光取り出し層4の層厚が薄くならなかったことにより、電流の広がりが得られ、活性層6に流れる電流を均一化できた。これによってもLEDの発熱を抑制できた。さらにまた、電流分散特性が良好になったことで、第一電極15が影になることによる光取り出し効率の低下を抑制でき、これによっても発光出力を高くできた。また、電流集中を抑制できたことでキャリアのオーバーフローが無くなり、内部量子効率も向上したと考えられる。これら実施例によって改善された複数の要因が重なり合って、発光出力が向上した。
従来例)
図9に示した構造を有し、発光波長が630nm付近となる赤色LEDのためのLED用エピタキシャルウェハを粗面化しないものと粗面化したものの2通り作製し、LED素子を作製した。エピタキシャル成長方法、各エピタキシャル層の層厚、各エピタキシャル層の構造及び材料、反射金属膜層の構成、オーミックコンタクト接合部の構成及びサイズ、支持基板への貼り替え方法、電極形成方法、エッチング方法など作製の詳細は、基本的に実施例と同じである。以下、実施例と異なる点のみ詳細に説明する。
光取り出し層104は、n型(Seドープ)(Al0.4Ga0.60.5In0.5Pウインドウ層(層厚1500nm、キャリア濃度1×1018/cm3)の1層のみである。
粗面化を行った従来例によるLED素子の初期特性は、20mA通電時(評価時)の発光出力が5.1mW、順方向電圧が2.3Vであった。粗面化を行わなかった従来例によるLED素子の初期特性は、20mA通電時(評価時)の発光出力が4.4mW、順方向電圧が1.96Vであった。
以上のように、実施例、従来例による各LED素子を初期特性で比較すると、本発明を適用することで発光出力の向上と順方向電圧の低下が達成されることが確認された。
本発明の一実施形態を示す半導体発光素子の断面構造図である。 本発明の一実施形態を示す半導体発光素子の断面構造図である。 本発明の一実施形態を示す半導体発光素子の断面構造図である。 本発明の一実施形態を示す半導体発光素子の断面構造図である。 本発明の一実施形態を示す半導体発光素子の断面構造図である。 本発明の一実施形態を示す半導体発光素子の断面構造図である。 本発明の一実施形態を示す半導体発光素子の断面構造図である。 半導体発光素子の製造途中に作製されるエピタキシャルウェハの断面構造図である。 従来の半導体発光素子の断面構造図である。
符号の説明
1 半導体発光素子
2 第一電極
3 第一電極側コンタクト層
4 光取り出し層
5 第一クラッド層
6 活性層
7 第二クラッド層
8 介在層
9 反射金属膜層側コンタクト層
10 酸化物層
11 反射金属膜層
12 金属密着層
13 支持基板
14 第二電極
15 オーミックコンタクト接合部
23 第一光取り出し層
24 第二光取り出し層

Claims (25)

  1. 第一、第二のクラッド層に挟まれ光を発生する活性層と、第一クラッド層側の主面を形成する光取り出し層とを含む複数の半導体層を有し、上記光取り出し層を部分的に覆う第一電極と、上記主面の反対面を覆う第二電極と、第二クラッド層と第二電極との間で光を反射する反射金属膜層と、該反射金属膜層の活性層側に接する酸化物層と、該酸化物層中に部分的に形成されたオーミックコンタクト接合部とを有する半導体発光素子において、上記光取り出し層が組成比の異なる複数の層からなり、これら複数の層の最も外側の層のみに上記主面を粗面とするための凹凸が形成されたことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 上記光取り出し層をなす複数の層のうち最も外側の層の材料がその次に外側の層の材料よりAl組成比が大きいことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 上記光取り出し層をなす複数の層のうち最も外側の層がその次に外側の層よりバンドギャップエネルギが大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体発光素子。
  4. 上記光取り出し層をなす複数の層の材料がそれぞれ(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし、0.3≦X≦1,0.4≦Y≦0.6で表されることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の半導体発光素子。
  5. 上記光取り出し層と第一クラッド層の層厚の和が1000〜3000nmであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の半導体発光素子。
  6. 上記光取り出し層をなす複数の層のうち最も外側の層は、その次に外側の層よりも屈折率が小さいことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の半導体発光素子。
  7. 上記光取り出し層と第一電極との間に、第一電極と同じ部分を覆い、上記活性層よりもバンドギャップエネルギが小さく、かつ、上記活性層からの光に対して不透明な第一電極側コンタクト層を有することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の半導体発光素子。
  8. 上記第一電極側コンタクト層の層厚が5〜200nmであることを特徴とする請求項7記載の半導体発光素子。
  9. 上記光取り出し層をなす複数の層の材料は上記活性層の材料よりAl組成比が大きいことを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の半導体発光素子。
  10. 上記活性層の材料が(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし、0≦X<1,0.4≦Y≦0.6で表されることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の半導体発光素子。
  11. 上記活性層が10〜160層の井戸層からなる多重量子井戸構造を有することを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の半導体発光素子。
  12. 上記活性層と第二クラッド層の間に第二クラッド層側アンドープ層を有することを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の半導体発光素子。
  13. 上記第二クラッド層側アンドープ層の材料が上記活性層の材料よりAl組成比が大きいことを特徴とする請求項12記載の半導体発光素子。
  14. 上記第二クラッド層側アンドープ層の材料が上記活性層の材料よりバンドギャップエネルギが大きいことを特徴とする請求項12又は13記載の半導体発光素子。
  15. 上記第二クラッド層側アンドープ層の材料が(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし、0.3≦X≦1,0.4≦Y≦0.6で表されることを特徴とする請求項12〜14いずれか記載の半導体発光素子。
  16. 上記光取り出し層をなす複数の層のうち最も外側の層の層厚が1000nm以下であることを特徴とする請求項1〜15いずれか記載の半導体発光素子。
  17. 上記複数の半導体層と第二電極との間に支持基板を有し、該支持基板の材料がSi、GaAs、Ge、Cu、Mo、W、CuWのいずれかであることを特徴とする請求項1〜16いずれか記載の半導体発光素子。
  18. 上記酸化物層の全面積に対するオーミックコンタクト接合部の面積の割合が20%以下であることを特徴とする請求項1〜17いずれか記載の半導体発光素子。
  19. 上記酸化物層と第二クラッド層との間に反射金属膜層側コンタクト層を有し、該反射金属膜層側コンタクト層の材料がGaPを主とすることを特徴とする請求項1〜18いずれか記載の半導体発光素子。
  20. 上記反射金属膜層側コンタクト層と第二クラッド層との間に介在層を有し、該介在層の材料がGaXIn1-XP、ただし、0.6≦X<1で表されることを特徴とする請求項19記載の半導体発光素子。
  21. 上記反射金属膜層側コンタクト層が材料の添加物が異なる3つの層を有し、これら3つの層のうち上記介在層に接する層の材料は添加物がMgであり、上記酸化物層に接する層の材料は添加物がZnであり、これら2つの層の中間の層の材料は積極的な添加物がないことを特徴とする請求項19又は20記載の半導体発光素子。
  22. 上記酸化物層の非オーミックコンタクト接合部における層厚dは、
    基準層厚dst=奇数の定数α×上記活性層からの光の波長λp
    /(4×非オーミックコンタクト接合部における上記光の屈折率n)
    の関係式で表される基準層厚dstに対し±30%の範囲内であり、かつ、上記酸化物層のオーミックコンタクト接合部における層厚が非オーミックコンタクト接合部における層厚と等しいことを特徴とする請求項1〜21いずれか記載の半導体発光素子。
  23. 上記第一クラッド層の層厚が300nm以上であって、該第一クラッド層が上記光取り出し層に兼用されると共に、この第一クラッド層中に該第一クラッド層の材料よりAl組成比が小さく、かつ、屈折率が大きい材料からなる第一クラッド層挿入層が挿入されていることを特徴とする請求項1〜22いずれか記載の半導体発光素子。
  24. 上記第一クラッド層挿入層の材料が(AlXGa1-XYIn1-YP、ただし0<X≦0.3,0.4≦Y≦0.6で表されることを特徴とする請求項23記載の半導体発光素子。
  25. 上記第一クラッド層挿入層の層厚が5〜500nmであることを特徴とする請求項23又は24いずれか記載の半導体発光素子。
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