JP2008102410A - 用紙蛇行矯正制御方式 - Google Patents

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剛史 長洲
Shinji Nagayama
信治 永山
Sadanori Kobashi
定典 小橋
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Abstract

【課題】用紙幅や厚さ、蛇行しやすい等の雑多な印刷用紙に対して、用紙蛇行矯正のためのモータ駆動量不足や過大を防ぐように制御することにより、印刷用紙を蛇行させることなく用紙搬送機構へ適切な用紙蛇行矯正制御を提供することにある。
【解決手段】印刷用紙の用紙幅と用紙厚さ等の用紙の種類によって、用紙蛇行に対応する用紙蛇行矯正量を複数段階に自動で切り替え、蛇行矯正量の不足や過大を防ぐように用紙蛇行を矯正する。また、用紙蛇行矯正量を手動で切り替える手段を設け、特殊用紙については手動で用紙蛇行矯正量を切り替える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザビームプリンタや複写機などの電子写真方式印刷装置の用紙搬送機構における用紙蛇行矯正制御に関するものである。
レーザビームプリンタ等の電子写真装置は、図4に示すように印刷用紙201をトラクタ203により感光ドラム202の周期と同速度で移動させ、転写器208により印刷用紙201に図示していないトナーを転写させた後、印刷用紙201に一定の張力を与える為のバッファ204を通り、用紙搬送ガイド205を通過後、熱ロール206及び加圧ロール207により図示していないトナー像を加圧・加熱し、印刷用紙201に溶融定着させ、プラー211とプラーロール210で印刷用紙201を一定張力で引張り、印刷用紙201を折り畳むためのスゥィングフィン212で印刷用紙を折り畳んだ後、印刷用紙201を積載するスタッカ213へ印刷用紙201を搬送する。用紙幅検出手段214は印刷用紙の用紙幅を検出手段であり、用紙厚さ設定手段215は、用紙の厚さを設定出来る手段である。これらは、主に熱ロール201の温度を制御するために使用している。
前記構成の方式において、印刷用紙201の駆動はトラクタ203によるピン駆動と、熱ロール206と加圧ロール207の摩擦駆動との2つの駆動によりなされるが、熱ロール206−加圧ロール207間の摩擦力で印刷用紙201を搬送する部分においては、印刷用紙201が左右に蛇行することにより印刷用紙201にストレスがかかり、送り穴にシワなどが発生する。その為、センサ209で印刷用紙201の蛇行を検出し、熱ロール206と加圧ロール207の接触圧力を熱ロール206の支持軸に対し左右に変化させることにより、印刷用紙201の蛇行を矯正する装置(以下、蛇行矯正装置とする)が付加されている。
図5に蛇行矯正装置を示す。熱ロール206は、図示しない支持部と駆動部とで一定位置で回転可能に構成される。加圧ロール207は、印刷用紙201を挟んで熱ロール206に対向して位置する。
加圧ロール207は図示しない案内溝にそって半径方向に可動な構造となっている。加圧ロール207押しつけ機構はアーム304と、カム302と、スプリング307とから構成され、加圧ロール207両端に各々1組ずつ設けられている。アーム304は、一端に軸受け305を有し、図示しないフレームに回転可能に支持される。アーム304の他端は、スプリング307の一端が連結され、熱ロール206の方向へ引っ張られている。カム302は、アーム304に設けられたカムフォロア303に当接する位置に設置される。1対のカム302a,302bはカムシャフト306で連結され、カムシャフト306は図示しないフレームに回転可能に支持され、モータ301により回転させることができる。加圧ロール207の両端からは、回転可能なシャフトが突き出しており、シャフトは常にアームの一部に当接している。
非印刷時において、カムシャフト306は加圧ロール207が熱ロール206から離れた位置にくるよう回転し、停止する。印刷時は、カムシャフト306が回転し、カム302がカムフォロア303から離れ、加圧ロール207が熱ロール206に完全に接する位置で停止する。この時、スプリング307が加圧ロール207を押しつけ印刷用紙201は加圧ロール207と熱ロール206とに挟まれ、熱ロール206の回転により、加圧ロール207は従動し印刷用紙201は定着されながら搬送される。印刷用紙送行位置は、センサ209により検出される。
前記の1対のカム302a、302bは図6に示すように、位相をずらしてカムシャフト306に固定されている。印刷用紙の搬送方向に向かって左側のカム302aは、カムシャフト306左側からみて反時計方向をプラスとすると、右側のカム302bよりプラス10度ずれている。
前記印刷用紙送行位置を検出するセンサ209が、用紙送行位置の送行方向に向かって左にずれていることを検出した場合、モータ301はカムシャフト306を左側からみて反時計方向に回転させる。この動きによって左側のカム302aがカムフォロア303に当接し、左側のスプリング力に対して、アーム304aをわずかに押し戻す。この結果、加圧ロール207左側の押しつけ力が右側と比べて小さくなり、用紙左側の搬送力が右側より小さくなるため、用紙送行位置は右側にずれることになる。このようにして、用紙送行位置ずれ(蛇行)を矯正することができる。右側に蛇行した場合、前記の反対の動作をおこなう。
すなわち、図7に示すように、印刷用紙201をA側に曲げたい時は、熱ロール206と加圧ロール207の接触圧をA側を高く、B側を低くすることにより、熱ロール206及び加圧ロール207はA側の径rが圧縮されてB側の径rよりも小さくなり、熱ロール206及び加圧ロール207の周速はB側の方が速くなる(Vra<Vrb)。従って、搬送される印刷用紙201の移動量はA側よりもB側の方が多くなり、印刷用紙201はA側に寄っていくことになる。逆に、印刷用紙201をB側に曲げたい時は、同様に熱ロール206と加圧ロール207の接触圧をB側を高く、A側を低くすることにより印刷用紙201はB側に寄ってくる。
前記に示す蛇行矯正装置は、熱ロール206と加圧ロール207の接触圧は端部が高く、中央部が低くなる傾向があり、また、用紙に与える接触圧は厚紙と薄紙で比較した場合に厚紙の方が高くなる傾向があるため、一般的に幅の広い用紙や厚紙の蛇行を矯正する場合には、蛇行矯正が効きやすく、幅の狭い用紙や薄紙の蛇行を矯正する場合には蛇行矯正が効きにくい傾向がある。
次に用紙蛇行矯正制御について図2、図3、図9を用いて説明する。用紙蛇行矯正制御は、図3に示すように蛇行量記憶処理501、蛇行量算出処理502、蛇行量変化率算出処理503、オフセット量算出処理504、モータ駆動量算出処理511の順で実行される。図2に示すように印刷用紙201が送行を開始すると用紙送行位置を検出するセンサ209からの信号を一定周期でマイクロプロセッサ101に入力しマイクロプロセッサ101のプログラム処理である蛇行量記憶処理102にて理想送行位置からの離れている蛇行量を記憶する。蛇行量算出処理103では、蛇行量記憶処理102で記憶している蛇行量平均値を算出して記憶する。蛇行量変化率算出処理104では、蛇行量記憶処理102で記憶した蛇行量平均値を使用して、前回蛇行量と今回蛇行量から蛇行量変化率を算出する。オフセット量算出処理105では、蛇行量記憶処理102で記憶した蛇行量平均値を使用して理想送行位置から離れているか否かを判別して一定の値を駆動量に加算するように処理する。
モータ駆動量算出処理106では、一定時間毎に蛇行量算出処理103で求めた蛇行量平均値から図9に示す蛇行量とモータ301の駆動量データテーブルからの駆動量と蛇行量変化率算出処理104で求めた蛇行量変化率からのドライブ量、及びオフセット量算出処理105からの駆動量を加算したモータの駆動量をモータ駆動回路107へ出力する。モータ駆動回路107からの駆動信号によりモータ301を駆動し前述したカムシャフト306を回転し印刷用紙201を送行すべき理想送行位置に蛇行補正する。
特許第3738983号公報
背景技術に示す蛇行矯正装置は、用紙幅の広い用紙や厚紙の蛇行を矯正する場合には蛇行矯正が効きやすく、幅の狭い用紙や薄紙の蛇行を矯正する場合には蛇行矯正が効きにくい傾向がある。これより、従来の制御方式は用紙の種類に関係無く、蛇行量に応じて一律の蛇行補正を行っているため、用紙幅の広い用紙や厚紙に対しては過大な蛇行矯正を行い、用紙幅の狭い用紙や薄紙に対しては蛇行矯正不足等が発生する場合があり、安定した用紙搬送が出来ないという問題があった。
本発明の目的は、前記の問題を解消して、用紙幅や厚さ、蛇行しやすい等の雑多な印刷用紙に対して適切な用紙蛇行矯正制御方式を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の第1の手段は、印刷用紙上に転写されたトナー像を加熱・加圧することにより定着するための熱ロール及び加圧ロールと、加圧ロールを駆動するための駆動部と、印刷用紙の蛇行量を検出する用紙位置検出手段と、用紙位置検出手段によって検出された用紙の蛇行量から蛇行矯正量を算出・記憶する手段とを設け、加圧ロールの駆動部によって熱ロールと加圧ロールの左右の圧力差を可変することにより用紙の蛇行を矯正する蛇行矯正装置と、印刷用紙のサイズを検出手段または設定する手段、用紙厚さを検出する手段または設定する手段を有した電子写真方式印刷装置において、前記印刷用紙によって、用紙蛇行量に対する用紙蛇行矯正量を切り替えることを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記印刷用紙の用紙幅に応じて、用紙蛇行量に対する用紙蛇行矯正量を複数段階に自動で切り替えることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1の手段において、前記印刷用紙の用紙厚さに応じて、用紙蛇行量に対する用紙蛇行矯正量を複数段階に自動で切り替えることを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1ないし第3の手段において、前記印刷用紙の用紙幅と用紙厚さの組み合わせにて、用紙蛇行量に対する用紙蛇行矯正量を複数段階に自動で切り替えることを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第1の手段において、前記用紙蛇行矯正量の切り替えを、用紙幅や用紙厚さにより自動で切り替えるモードと、手動で切り替えるモードを有することを特徴とするものである。
本発明の用紙蛇行矯正制御方法は、印刷用紙の種類によって用紙蛇行量に対応する用紙蛇行矯正量を自動で切り替えることにより、印刷用紙の安定した用紙搬送を実現できるという利点がある。
印刷用紙の用紙幅や厚さ、蛇行しやすい等の雑多な印刷用紙に対して適切な用紙蛇行矯正を行い、安定した用紙搬送を実現する目的を、印刷用紙の用紙幅と用紙厚さによって用紙蛇行量に対応した用紙蛇行矯正量を自動で切り替えることで、従来と同じ構成で実現した。
本発明における実施形態を図1、図2、図8を用いて説明する。図1は、本発明における用紙蛇行矯正制御の概略フローチャート、図2は用紙蛇行矯正制御のブロック図、図8は用紙蛇行量に対応した用紙蛇行矯正量(加圧ロール207のモータ駆動量)の関係を示す図である。なお、図4はレーザビームプリンタの用紙搬送機構の概略図、図5は用紙蛇行矯正装置の概略図、図6は用紙蛇行矯正装置のカムシャフトを示す側面図、図7は用紙蛇行矯正装置における蛇行補正時の熱ロールと加圧ロールの状態図である。
本実施形態では、図4に示す用紙幅検出手段214により検出した用紙幅と、用紙厚さ設定手段215により設定された用紙厚さの組み合わせによって、用紙蛇行矯正量を自動で3段階に切り替える場合について説明する。
背景技術で説明したように、用紙蛇行矯正制御は、印刷用紙201が送行を開始すると用紙送行位置を検出するセンサ209により用紙の蛇行量を検出し、蛇行量記憶処理501、蛇行量算出処理502、蛇行量変化率算出処理503、オフセット量算出処理504の順で制御を実行する。
本実施形態では、用紙幅を3段階、用紙厚を2段階の組み合わせで用紙蛇行量に応じたモータ駆動量を切り替えた場合として、以下の条件とする。判定処理505にて用紙幅が9インチ以下の場合は、モータ駆動量テーブルC506、判定処理507にて用紙幅が9インチより広く15インチ以下で且つ判定処理508にて用紙厚さが規定値以下の薄紙用紙の場合は、モータ駆動量テーブルB509、用紙幅が15インチを超えている場合または用紙幅が9インチを超えていて用紙厚さが規定値より大きい厚紙の場合はモータ駆動量テーブルA510にてモータ駆動量算出処理511により用紙蛇行矯正量を算出するようにモータ駆動量テーブルを切り替える。
モータ駆動量テーブルA、B、Cの関係は、図8に示すようにA<B<Cとなっている。例えば、印刷用紙の蛇行量が左方向に0.2mmのとき、図8に示すようにモータ駆動量テーブルAに切り替えられた場合のモータドライブ量は10ステップ、モータ駆動量テーブルBに切り替えられた場合のモータドライブ量は20ステップ、モータ駆動量テーブルCに切り替えられた場合のモータドライブ量は30ステップとなる。
本発明では、用紙幅が狭い用紙の場合は、モータドライブ量を大きくし、用紙蛇行矯正量を大きくする。用紙幅が広い用紙や厚紙の場合は、モータドライブ量を小さくし、用紙蛇行矯正量を小さくする。これにより、異なる用紙の種類における熱ロール206と加圧ロール207の接触圧に適した用紙蛇行矯正を行うことにより、安定した用紙搬送を実現させる。
一方、用紙の種類はカード紙、ラベル紙など様々であるため、前記に示す用紙幅と用紙厚さによる蛇行矯正量の自動切り替えでは、全ての用紙に対応することは困難である。このため、蛇行矯正量を自動で切り替えるモード以外に手動で切り替えられるモードを設け、各種用紙に適した蛇行矯正量をユーザが設定することで、安定した用紙搬送を実現させる。
レーザビームプリンタや複写機などの電子写真方式印刷装置の用紙搬送機構における用紙蛇行矯正装置に対応することが出来る。
本発明における用紙蛇行矯正制御を示すフローチャートである。 用紙蛇行矯正制御のブロック図である。 従来の用紙蛇行矯正制御を示すフローチャートである。 レーザビームプリンタの用紙搬送機構の概略図である。 用紙蛇行矯正装置の概略図である。 用紙蛇行矯正装置のカムシャフトを示す側面図である。 用紙蛇行矯正装置における蛇行補正時の熱ロールと加圧ロールの状態図である。 本発明における用紙蛇行量とモータ駆動量の関係を示すグラフである。 従来の用紙蛇行量とモータ駆動量の関係を示すグラフである。
符号の説明
101…マイクロプロセッサ、102…蛇行量記憶処理、103…蛇行量算出処理、104…蛇行量変化率算出処理、105…オフセット量算出処理、106…モータ駆動量算出処理、107…モータ駆動回路、201…印刷用紙、202…感光ドラム、203…トラクタ、204…バッファ、205…用紙搬送ガイド、206…熱ロール、207…加圧ロール、208…転写器、209…センサ、210…プラーロール、211…プラー、212…スウィングフィン、213…スタッカ、214…用紙幅検出手段、215…用紙厚さ設定手段、301…モータ、302…カム、303…カムフォロア、304…アーム、305…軸受け、306…カムシャフト、307…スプリング、501…蛇行量記憶処理、502…蛇行量算出処理、503…蛇行量変化率算出処理、504…蛇行量変化率算出処理、505…判定処理、506…モータ駆動量テーブルC、507…判定処理、508…判定処理、509…モータ駆動量テーブルB、510…モータ駆動量テーブルA、511…モータ駆動量算出処理。

Claims (5)

  1. 印刷用紙上に転写されたトナー像を加熱・加圧することにより定着するための熱ロール及び加圧ロールと、加圧ロールを駆動するための駆動部と、印刷用紙の蛇行量を検出する用紙位置検出手段と、用紙位置検出手段によって検出された用紙の蛇行量から蛇行矯正量を算出・記憶する手段とを設け、加圧ロールの駆動部によって熱ロールと加圧ロールの左右の圧力差を可変することにより用紙の蛇行を矯正する蛇行矯正装置と、印刷用紙のサイズを検出手段または設定する手段、用紙厚さを検出する手段または設定する手段を有した電子写真方式印刷装置において、
    前記印刷用紙によって、用紙蛇行量に対する用紙蛇行矯正量を切り替えることを特徴とする用紙蛇行矯正制御方式。
  2. 請求項1記載の用紙蛇行矯正制御方式において、前記印刷用紙の用紙幅に応じて、用紙蛇行量に対する用紙蛇行矯正量を複数段階に自動で切り替えることを特徴とする用紙蛇行矯正制御方式。
  3. 請求項1記載の用紙蛇行矯正制御方式において、前記印刷用紙の用紙厚さに応じて、用紙蛇行量に対する用紙蛇行矯正量を複数段階に自動で切り替えることを特徴とする用紙蛇行矯正制御方式。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の用紙蛇行矯正制御方式において、前記印刷用紙の用紙幅と用紙厚さの組み合わせにて、用紙蛇行量に対する用紙蛇行矯正量を複数段階に自動で切り替えることを特徴とする用紙蛇行矯正制御方式。
  5. 請求項1記載の用紙蛇行矯正制御方式において、前記用紙蛇行矯正量の切り替えを、用紙幅や用紙厚さにより自動で切り替えるモードと、手動で切り替えるモードを有することを特徴とする用紙蛇行矯正制御方式。
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