JP2008101997A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】符号変調を加えた高パルス繰り返し周波数信号の送信に先立って、符号変調を行なわない高パルス繰り返し周波数信号を送信し、この受信パルスと送信パルスとから対象物の反射波のドップラーシフト量を含む周波数を求めておき、次に送信した符号変調を加えた高パルス繰り返し周波数信号に対する受信パルスにについて相関処理を行い、その際、先に求めた周波数を中心とする限られた帯域についてのみ、反射波に対する時間軸方向の相関係数を算出するようにしたものである。
【選択図】図1
Description
符号変調データ生成部10は所定の符号変調データを送信波発生器30に与える。送信波発生器30では、図14に示すように、HI−PRF(High Pulse Repetition Frequency;高パルス繰り返し周波数で、約100〜300KHz内の値を持つ)のパルスを符号変調データで変調した送信パルス(送信波)を出力する。D/A変換器41では、この送信パルスをアナログ信号に変換する。ミキサ43では、この変換されたアナログ信号を局部発振器42の局部信号と混合し、任意のRF信号に変換する。RF信号は、電力増幅器44で電力増幅された後、サーキュレータ50を通って送受信アンテナ60に給電され、送受信アンテナ60により空間に電波として放射される。
以上のように、図12の構成を用いて説明した従来の方式のレーダ装置では、相関処理の負荷が高く、リアルタイムでの処理が困難であることに加えて、距離や速度の測定において、アンビギュイティが現れるという問題がある。
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置の基本機能構成を示すブロック図である。
図1に示されるレーダ装置は、符号変調データ生成部10、スイッチ20,80,100、送信波発生器30、送信部40、サーキュレータ50、送受信アンテナ60、受信部70、ドップラーシフト算出部90、信号遅延部110、周波数シフタ120、相関処理部131を備えている。このうち送信部40は、D/A変換器41、局部発振器42、ミキサ43、電力増幅器44を有している。また、受信部70は、増幅器71、バンドパスフィルタ(BPF)72、ミキサ73、A/D変換器74を有している。
図2はこの実施の形態1のレーダ装置の処理シーケンスを示すフローチャートである。このレーダ装置は、2段階に分けて異なる送信波を送り、受信した両反射波を用いて距離と速度の測定を行う測定サイクルを持つ。
最初の段階(周波数確定段階)において、スイッチ20,80,100は接点a側に置かれる。この場合、符号変調データ生成部10から符号変調データが加えられないので、送信波発生器30は、図3に示すような符号変調されていないHI−PRFの送信パルス(送信波)を出力する。この送信パルスは、D/A変換器41でアナログ信号に変換された後、ミキサ43により局部発振器42の局部信号と混合されてRF信号に変換される。このRF信号は、電力増幅器44で電力増幅された後、サーキュレータ50を通って送受信アンテナ60に給電され、送受信アンテナ60により空間に電波として放射される。
次に、相関係数が最も高くなる位置の遅延パルスの遅延時間(送信から受信までの時間差に相当)に基づいて、対象物までの距離を算出する(ステップST18)。したがって、この方法により、相関処理部131における処理負荷を大幅に削減(約1000分の1に低減)することが可能となる。また、図7に示すように、速度の測定に関してはアンビギュイティを大幅に改善することができる。
上記実施の形態1の場合、相関処理において速度の測定におけるアンビギュイティを解消できるが、図7の相関係数の分布に示すように、相関係数のピークが距離方向に複数存在すことになる。すなわち、距離の測定におけるアンビギュイティは解消されていない。そのため、この実施の形態2では、距離の測定のアンビギュイティについても解消することを提案する。
図8はこの発明の実施の形態2によるレーダ装置の基本機能構成を示すブロック図である。図において、図1に相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態2では、実施の形態1の構成に対し、新たに粗距離算出部140が設けられている。
この場合も実施の形態1と同様に2段階分けて異なる送信波を送る。最初の段階では、送信波発生器30は符号変調されていない送信パルス(送信波)を出力するが、この実施の形態2場合には送信パルスにFMレンジングを行うための信号が重畳される。なお、FMレンジングは、送信パルスにFM変調を施して送信し、送信信号と反射信号のビート周波数から目標の距離を算出する方法で、詳しくは、吉田孝監修「改訂 レーダ技術 」社団法人電子情報通信学会編、p274〜275“11.1.2 FM−CWレーダ”に記載されている。
受信して復調された反射波の受信パルスはドップラーシフト算出部90および粗距離算出部140に与えられる(ステップST21)。ドップラーシフト算出部90では、実施の形態1と同様にして、反射波の受信パルスの周波数を算出し、送信パルスとの周波数差(ドップラシフト量)を算出する(ステップST22、ST23)。ドップラーシフト算出部90で算出された周波数と速度のデータは相関処理部131に与えられ一時保持される。一方、粗距離算出部140では、送信パルスと反射波の受信パルスのFMレンジングの信号に基づいて対象物までの粗距離を算出する。粗距離算出部140で算出された粗距離のデータは相関処理部131に与えられて一時保持される(ステップST24)。
相関処理部131には、先の周波数確定段階でドップラーシフト算出部90により算出された周波数と、粗距離算出部140により算出された粗距離が保持されている。また、相関処理部131には、現段階の参照信号を遅延させたパルス群と周波数シフトさせたパルス群が与えられる。相関処理部131は、遅延したパルス群と反射波の受信パルス群との相関処理を、先にステップST22で確定した周波数を中心とする限られた範囲(帯域)で、かつ距離方向についてはステップST24で算出した粗距離近傍に対してのみ行って相関係数を算出し(ステップST26、ST27)、算出した相関係数のピークを求める(ステップST28)。この場合の相関処理の実施対象となる領域は、図10に示す周波数および時間(距離)軸に展開した反射波のパルス列において斜線で表した部分のみのようになる。また、相関処理で得られた相関係数分布は図11に示すようになる。次に、相関係数が最も高くなる位置の遅延パルスの遅延時間(送信から受信までの時間差に相当)に基づいて対象物までの距離を算出する(ステップST29)。
Claims (2)
- 符号変調を加えた高パルス繰り返し周波数信号を送信し、対象物の反射波の受信パルスと送信パルス信号との相関処理を行って相関係数を算出し、相関係数が最も高くなる対象物までの距離および対象物の速度を求めるレーダ装置において、
前記符号変調を加えた高パルス繰り返し周波数信号の送信に先立って、符号変調を行なわない高パルス繰り返し周波数信号を送信し、この受信パルスと送信パルスとから対象物の反射波のドップラーシフト量を含む周波数を求めておき、
次に送信した前記符号変調を加えた高パルス繰り返し周波数信号に対する受信パルスにについて相関処理を行い、その際、先に求めた周波数を中心とする限られた帯域についてのみ、反射波に対する時間軸方向の相関係数を算出するようにしたことを特徴とするレーダ装置。 - 符号変調を加えた高パルス繰り返し周波数信号を送信し、対象物の反射波の受信パルスと送信パルス信号との相関処理を行って相関係数を算出し、相関係数が最も高くなる対象物までの距離および対象物の速度を求めるレーダ装置において、
前記符号変調を加えた高パルス繰り返し周波数信号の送信に先立って、符号変調を行なわないがFMレンジングを行なう高パルス繰り返し周波数信号を送信し、この受信パルスと送信パルスとから対象物の反射波のドップラーシフト量を含む周波数を求めると共に、FMレンジングを行って対象物までの粗距離を求めておき、
次に送信した前記符号変調を加えた高パルス繰り返し周波数信号に対する受信パルスにについて相関処理を行い、その際、先に求めた周波数を中心とする限られた帯域と粗距離の近傍領域についてのみ、反射波に対する時間軸方向の相関係数を算出するようにしたことを特徴とするレーダ装置。
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