JP2008101529A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグで点火する内燃機関の気筒内で気流の乱れを生じさせ、燃焼反応に寄与する物質を利用し、着火性能を向上し燃焼を改善する。
【解決手段】制御装置が、点火プラグ36に対して気流の上流側に配置した活性物質を発生させる活性物質発生手段80を駆動して発生させた適量の活性物質の分布Kを気流に乗せて点火プラグ36にかかる位置まで移動させた状態で、点火プラグ36で点火させることにより、気流の上流側と下流側とへ伝播する火炎のバランスを改善して燃焼を平均化して改善する。
【選択図】図4

Description

この発明は、燃焼を改善するための活性物質発生手段を、気筒に装着した内燃機関に関する。
一般に、内燃機関では、性能の向上を図るため、気筒内部での燃焼を改善する種々の手段が提案されている。
従来の内燃機関では、火花点火式エンジンにおいて、燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を設け、エンジンの低負荷低回転側の運転領域で空燃比をリーンとするとともに、燃料噴射弁から圧縮行程で燃料を噴射することにより、点火プラグの周りに混合気を偏在させて成層燃焼を行わせることにより、燃費を改善することが行われている。
このような火花点火式エンジンでは、エンジンの成層燃焼運転時に、燃焼室内で生成されたタンブル流に対向させるように燃料噴射弁から燃料を噴射することにより、点火プラグ周りに混合気を成層化させた状態で点火するように構成する。
さらに、この火花点火式エンジンでは、排気の一部を吸気系に還流する排気還流手段と、燃圧制御手段等からなる貫徹力制御手段とを設け、エンジンの成層燃焼運転時に、燃料の噴霧貫徹力をエンジン回転数に応じて制御する。
これと共に、この火花点火式エンジンでは、排気の還流割合が多い場合に、エンジンの同一回転数で排気の還流割合が少ない場合に比べて、燃料の噴霧貫徹力を大きな値に設定する。
すなわち、この火花点火式エンジンでは、排気還流手段により吸気系に還流される排気の還流割合が多く、吸気の流動速度が増大して強いタンブル流が生成されると共に、吸気の温度が上昇して燃料噴霧の気化が促進される運転状態にある場合に、燃料の噴霧貫徹力を大きな値に設定することにより、燃料の噴霧貫徹力とタンブル流の強度とを適正にバランスさせ、気筒内部での燃焼を改善する(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の内燃機関では、吸入空気に含まれる酸素をオゾン(活性物質)に変換して酸素を過給する状態とすることにより気筒内部での燃焼を向上するため、内燃機関の吸気系に、誘電体材料と電極を含むオゾン発生装置と、吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段とを設ける。
さらに、吸入空気量に基づきオゾン発生装置の電力を制御するオゾン発生制御手段と、吸入空気量に基づき燃料噴射手段の燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段とを設ける。
このように構成した内燃機関では、高出力要求のとき、アクセル開度等にしたがってオゾン発生装置にオゾンを発生させると共に、オゾンの生成率を高くする。これにより、この内燃機関では、トルクが要求される負荷領域ではオゾン生成による過給の効果でトルクを増大してエンジンの高出力化を図る(例えば、特許文献2参照)。
さらに従来の内燃機関では、気筒内部で燃料混合気に対する着火性能を向上して燃焼を改善するため、燃焼室内にシーズド型のグロー・プラグの保護金属管を第1の放電電極(接地)として設け、この電極と絶縁させた状態で対向して外側電極の無い点火プラグの中心電極を第2の放電電極として設け、グロー・プラグ内蔵のヒート・コイルにバッテリーから給電する。
これによりこの内燃機関では、保護金属管が加熱されると、金属表面から熱電子が放出され易くなり、又は金属材料が蒸発し易くなり、しかも、その放出又は蒸発がその熱電極表面全体で行われる。
よって、この内燃機関では、放電プラズマ・ビームの電極表面での発生場所を分散させ、そのビームを太くして、着火性能を向上し燃焼を改善する(例えば、特許文献3参照)。
前述したような火花点火式エンジンでは、例えば気筒の燃焼室中央部に点火プラグを配置した場合、点火プラグで燃料混合気に点火した際に生じる火炎の伝播が点火プラグを中心とした同心円状に広がることが望ましい。
しかし、気筒内において、ベース気体(燃料混合気)に対する火炎の相対速度は、ベース気体の温度、気流の乱れ、燃焼反応に寄与する物質の状態により決まる。
さらに、火炎伝播の様子は、ベース気体の温度分布の状態と気流の乱れの状態とがタンブル流等の気体の流れとの関係で変化することと、燃焼反応に寄与する物質がタンブル流等の気体の流れに乗って運ばれることで変化する。
このため、火花点火式エンジンでは、気筒内部を廻る燃料混合気のタンブル流等が燃焼時期まで残ると火炎の伝播がタンブル流等の気流の影響を受け、点火プラグで点火されてからタンブル流が流れる方向の上流側に当たる特定部分へ向かう火炎の伝播に遅れを生じる。
よって、燃焼時の気筒内部では、特定部分側に未燃ガスが遅くまで残り、自着火(ノッキング)を発生しやすくなる。
また、前述したような火花点火式エンジンでは、気筒内部にオゾン等の(活性物質)が存在すると火炎の伝播速度が向上するが、自着火を誘発し易くなる。
このため、火花点火式エンジンには、気筒内部に気流の乱れを生じさせ、燃焼反応に寄与する物質を利用し、着火性能を向上し燃焼を改善できるものが無かった。
特開2003−106187号公報 特開2005−171810号公報 特開平8−232824号公報
本発明は上述した点に鑑み、気筒内部に気流の乱れを生じさせ、燃焼反応に寄与する物質を利用し、着火性能を向上し燃焼を改善可能とした内燃機関を新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の内燃機関は、気筒内で燃料混合気に気流を生じさせた状態として、点火プラグで点火する内燃機関において、
点火プラグに対して気流の上流側となる位置に配置した、燃焼反応の反応性が高い活性物質を発生させる活性物質発生手段と、少なくとも、活性物質発生手段と、点火プラグとを駆動制御する制御装置と、を有し、
制御装置が、活性物質発生手段を駆動して発生させた適量の活性物質の分布を気流に乗せて点火プラグにかかる位置まで移動させた状態で、点火プラグで点火させることにより、
点火プラグに対して気流の上流側へ伝播する火炎と下流側へ伝播する火炎とのバランスを改善して燃料混合気の燃焼が気筒内で平均化するように制御することを特徴とする。
上述のように構成することにより、気筒内で強い気流を保つようにして乱流を強化し火炎伝播速度を速くすることによって燃焼期間を短くし、さらに、強い気流の上流側への火炎伝播速度を付加された活性物質によって速めることにより、気筒内での燃焼が全体として点火プラグを中心とした気流の上流側と下流側とでバランスをとって平均化し、気筒内の気流の上流側に当たる気筒内の内周辺部での自着火(ノック)発生を抑制できる。
よって、内燃機関において、ECU7が活性物質を発生させるための制御を実行する場合には、燃焼を改善し、内燃機関の燃費を向上し、出力を向上できる。
本発明の請求項2に記載の内燃機関は、気筒内で燃料混合気に気流を生じさせた状態として、点火プラグで点火する内燃機関において、
点火プラグに対して気流の上流側となる位置に配置した、燃焼反応の反応性が高い活性物質を発生させる活性物質発生手段と、点火プラグによる点火動作を制御すると共に、活性物質発生手段による活性物質の発生動作を制御する制御装置と、を有し、
制御装置が、
活性物質発生手段を駆動制御して発生させた活性物質が気筒内で気流に乗って点火プラグへ移動する期間から、気流の強さを求め、
気流の強さが火炎の伝播に影響があるか否かを判定し、
影響があると判定したときにだけ、活性物質発生手段を駆動制御して発生させた活性物質の分布が気流に乗って点火プラグから気流の上流側にかけての位置まで移動した状態で、点火プラグを点火させるように制御することを特徴とする。
上述のように構成することにより、制御装置が、気流の強さが火炎の伝播に影響があると判定して活性物質発生手段により活性物質を発生させるための制御を実行する場合には、気筒内で強い気流を保つようにして乱流を強化し火炎伝播速度を速くすることによって燃焼期間を短くし、さらに、強い気流の上流側への火炎伝播速度を付加された活性物質によって速めることにより、気筒内での燃焼が全体として点火プラグを中心とした気流の上流側と下流側とでバランスをとって平均化し、気筒内の気流の上流側に当たる気筒内の内周辺部での自着火(ノック)発生を抑制できる。
よって、内燃機関において、ECU7が活性物質を発生させるための制御を実行する場合には、燃焼を改善し、内燃機関の燃費を向上し、出力を向上できる。
また、制御装置が、気流が弱く火炎の伝播に影響がないと判定して活性物質発生手段により活性物質を発生させない場合には、気筒内の周辺部に活性物質が存在して自着火(ノック)が発生してしまうことを抑制できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関において、制御装置が、気流の強さの度合いに対応するように活性物質発生手段を駆動制御して、点火プラグに対して気流の上流側へ伝播する火炎と下流側へ伝播する火炎とのバランスを改善して燃料混合気の燃焼が気筒内で平均化するように制御することを特徴とする。
上述のように構成することにより、請求項2に記載の発明の作用、効果に加えて、活性物質発生手段に、気流の強さの度合いに対応した適量の活性物質を発生させるので、気筒内での燃料混合気の燃焼をより安定して平均化し、良好に燃焼させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関において、制御装置が、活性物質発生手段を駆動制御して発生させた活性物質の分布が気流に乗って気筒内の周辺部から離間した状態で、点火プラグを点火させるように制御することを特徴とする。
上述のように構成することにより、請求項2に記載の発明の作用、効果に加えて、制御装置が点火の前又は点火から一定時間後に活性物質発生手段で活性物質を発生させる動作を停止することにより、気流により活性物質の分布が気筒内の周辺部から離れた状態とさせ、気筒内の周辺部に活性物質が存在しないようにして自着火することを抑制できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関において、制御装置が、タンブル比(タンブル強さ)TRに関する下記の式から、活性物質発生手段で発生した活性物質が点火プラグへ到達する到達時間tを算出し、この算出した到達時間tに基づいて、活性物質発生手段と、点火プラグとを駆動制御することを特徴とする。
式1 L=π×(B+S)÷2、
式2 Nta=(60×l)÷(L×t)、
式3 TR=Nta÷Neng
ここで、lは、気筒内燃焼部A内での点火プラグ36と活性物質発生手段80との間のプラグ間距離、
tは、活性物質発生手段で発生した活性物質が点火プラグへ到達する到達時間、
Bは、シリンダのボア径、
Sは、ピストン33のストローク、
Nta(rpm)は、タンブル回転数、
Neng(rpm)は、エンジン回転数、
TRは、タンブル比(タンブル強さ)、
Lは、タンブル流の周長さ、とする。
上述のように構成することにより、請求項1に記載の発明の作用、効果に加えて、TRに関する式から求めたタンブル比(タンブ強さ)TRの推定された値から、到達時間tを算出し、点火プラグの点火時期より到達時間t以上前の所定タイミングで所定期間だけ活性物質発生手段を駆動制御して活性物質を発生させるようにして制御動作を簡便にできる。
本発明の内燃機関によれば、気筒内部に気流の乱れを生じさせ、燃焼反応に寄与する物質を利用し、着火性能を向上し燃焼を改善できるという効果がある。
本発明の内燃機関に関する実施の形態について、図1乃至図7により説明する。
図1は、ガソリンエンジンとして構成した内燃機関の概略構成図で、1は内燃機関である。
この内燃機関1は、燃料供給装置2と、複数の気筒30a〜30d(本実施の形態では、直列4気筒)を備えた内燃機関本体3と、内燃機関本体3に接続される吸気経路5と、この内燃機関本体3に接続される排気経路6と、内燃機関1の運転を制御する制御装置であるECU(Electronic Control Unit)7とを有する。
この内燃機関1では、燃料供給装置2により燃料タンク22内に貯留されている燃料(例えばガソリン)を各気筒30a〜30dに供給する。この燃料供給装置2は、燃料噴射弁21と、燃料タンク22と、低圧燃料ポンプ23と、燃料供給配管とを有する。
この燃料供給装置2では、内燃機関本体3の気筒30a〜30dごとに設けた吸気ポート37に燃料噴射弁21を配置する。そして、この燃料供給装置2では、燃料ポンプ23により加圧された燃料を燃料噴射弁21から吸気ポート37内へ噴射する。この燃料噴射弁21の燃料噴射量(内燃機関1に供給する燃料の燃料供給量)や噴射タイミング等に関する燃料噴射制御は、制御装置であるECU7で制御する。
この内燃機関1の内燃機関本体3は、シリンダブロック31と、このシリンダブロック31に締結して一体化したシリンダヘッド32と、気筒30a〜30dごとに設けられるピストン33及びコンロッド34と、クランクシャフト35と、気筒30a〜30dごとに設けられる点火プラグ36と、活性物質発生手段80と、バルブ装置4とを有する。
この内燃機関本体3の各気筒30a〜30dには、それぞれピストン33と、シリンダブロック31と、シリンダヘッド32とにより囲まれた気筒内燃焼部Aが形成される。
シリンダヘッド32には、各気筒30a〜30dの気筒内燃焼部Aに対応して、吸気経路5に接続する吸気ポート37と、排気経路6に接続する排気ポート38とを形成する。
各気筒30a〜30dに装着されるピストン33は、コンロッド34に回転自在に支受されている。コンロッド34は、クランクシャフト35に回転自在に支受されている。
すなわち、内燃機関本体3は、各気筒30a〜30dの気筒内燃焼部A内で吸入空気と燃料の混合ガスを燃焼させることによりピストン33をシリンダブロック31内で往復運動させ、この往復運動をクランクシャフト35の回転運動に変換して出力するよう構成する。
また、内燃機関本体3には、クランクシャフト35の角度であるクランク角度(CA)を検出してECU7に出力する、機関回転数検出手段として機能するクランク角度センサ39を配置する。なお、ECU7は、このクランク角度センサ39により検出されたクランク角度から内燃機関1の機関回転数の算出や各気筒30a〜30dにおける気筒の判別を行う。
内燃機関本体3の各気筒30a〜30dには、点火プラグ36を配置する。この点火プラグ36は、点火時期調整手段として機能するECU7からの点火信号を受けて点火し、各気筒30a〜30dの気筒内燃焼部A内の混合ガスを着火させる。点火プラグ36の点火タイミング等に関わる点火動作の制御は、制御装置であるECU7で行う。
この内燃機関本体3には、吸気バルブ41と排気バルブ42とに開閉動作を行わせるためのバルブ装置4を設ける。このバルブ装置4は、気筒30a〜30dごとに設けられる吸気バルブ41および排気バルブ42と、インテークカムシャフト43と、エキゾーストカムシャフト44と、吸気バルブタイミング機構45とを有する。
バルブ装置4の吸気バルブ41は、吸気ポート37と気筒内燃焼部Aとの間の開口部分に配置され、インテークカムシャフト43が回転することにより開閉動作が行われるように構成する。
また、バルブ装置4の排気バルブ42は、排気ポート38と気筒内燃焼部Aとの間の開口部分に配置され、エキゾーストカムシャフト44が回転することにより開閉動作が行われるように構成する。
バルブ装置4のインテークカムシャフト43およびエキゾーストカムシャフト44は、タイミングチェーンを介してクランクシャフト35に連結し、このクランクシャフト35の回転に連動して回転するよう構成する。
バルブ装置4の吸気バルブタイミング機構45は、インテークカムシャフト43とクランクシャフト35との間に配置されている。吸気バルブタイミング機構45は、連続可変バルブタイミング機構であり、インテークカムシャフト43の位相を連続的に変化させるものである。
なお、このバルブ装置4は、吸気バルブタイミング機構45により、吸気バルブ41の開閉時期を調整するが、これに限定されるものではなく、例えば排気バルブ42の開閉時期を調整する排気バルブタイミング機構を備えても良い。
また、内燃機関本体3には、動弁機構として、運転状態に応じて吸気バルブ41と排気バルブ42とを最適な開閉タイミングに制御する吸気・排気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing−intelligent)を設けても良い。
この吸気・排気可変動弁機構は、図示しないが、インテークカムシャフト43とエキゾーストカムシャフト44との軸端部にVVTコントローラを装着し、オイルコントロールバルブからの油圧をVVTコントローラの進角室及び遅角室に作用させることによりカムスプロケットに対するカムシャフトの位相を変更し、吸気バルブ41と排気バルブ42の開閉時期を進角または遅角に設定する。
また、バルブ装置4には、インテークカムシャフト43の回転位置を検出してECU7に出力するためのインテークカムポジションセンサ46を設ける。
内燃機関本体3の各気筒30a〜30dには、それぞれ気筒内部での燃焼を改善するための活性物質発生手段80を配置する。この活性物質発生手段80は、シリンダヘッド32における気筒内燃焼部Aの一部を構成する燃焼室の所定位置に配置する。
この活性物質発生手段80は、放電(グロー放電、コロナ放電等)でイオンやオゾン等の燃焼反応の反応性が高い活性物質を発生させる機能を持つ放電(グロー放電、コロナ放電等)用のプラグ装置として構成する。
例えば、活性物質発生手段80は、シリンダヘッド32に設けた貫通穴である取付用穴(点火プラグの取付穴と同様の構造の穴として構成できる)内に対して、ねじ等の締結構造(点火プラグと同様な締結構造に構成できる)により取り外し可能で、かつ気密を保って締結するためのプラグ本体と、その先端部に設けた放電(グロー放電、コロナ放電等)用の電極とを有する。
この内燃機関本体3の各気筒30a〜30dでは、図2、図4及び図6に示すように、吸気バルブ41から気筒内燃焼部A内へ吸気された燃料混合気が作るタンブル流(又はスワール流でも良い)等の気流が点火プラグ36を通過する状態において、燃料混合気の気流における点火プラグ36より流れ方向上流側に当たる燃焼時の気筒内燃焼部Aで火炎の伝播に遅れを生じる特定部分近くの所定位置(ここではシリンダヘッド32の燃焼室の外周近くの所定位置)に、活性物質発生手段80を配置する。
なお、活性物質発生手段80の配置位置は、点火プラグ36と、火炎の伝播に遅れを生じる特定部分との間における、燃料混合気の気流に載せて活性物質が点火プラグ36へかかる状態(活性物質の分布範囲の一部が点火プラグ36の電極部分を覆う状態)を作れる所要範囲内の任意の位置に設定できる。
また、この活性物質発生手段80は、その放電(グロー放電、コロナ放電等)用の電極の先端部がシリンダヘッド32の燃焼室内に臨む状態(若干突出して露呈する状態)で設置する。
この活性物質発生手段80は、一般に用いられている、いわゆるグロー・プラグ又はグロー放電又はコロナ放電用の放電プラグを用いることができる。また、活性物質発生手段80の放電(グロー放電、コロナ放電等)用の電極の先端部は、図示しないが−電極(放電極)と+電極(必要に応じてと誘電体)等を用いて放電(グロー放電、コロナ放電等)をしやすい構造に構成する。
この活性物質発生手段80は、ECU7側から活性物質の発生動作を制御するための駆動用電力が供給されて、電極の先端部から放電(グロー放電、コロナ放電等)を行い、周囲の雰囲気(燃料混合気)をイオン化したり、周囲の雰囲気中にある酸素をオゾンに変える。
内燃機関本体3の吸気経路5は、外部から空気を吸気し、この吸入された空気を内燃機関本体3の各気筒30a〜30dの気筒内燃焼部Aに導入する。この吸気経路5は、エアクリーナ51と、エアフロメータ52と、スロットルバルブ53と、エアクリーナ51から各気筒30a〜30dの吸気ポート37までを連通する吸気通路54とを有する。
この吸気経路5では、エアクリーナ51により粉塵が除去された空気を吸気通路54および吸気ポート37を介して、各気筒30a〜30dの各気筒内燃焼部Aに導入する。この吸気経路5に設けるエアフロメータ52は、吸入空気量検出手段であり吸気経路5から吸入され各気筒30a〜30dに導入される吸入空気量を検出し、ECU7に出力する。
この吸気経路5に設ける、気筒内燃焼部Aに供給する吸入空気量を調整制御する空気量調整手段として機能するスロットルバルブ53は、各気筒30a〜30dの気筒内燃焼部Aに導入する吸入空気量を調整する。この空気量調整手段として機能するスロットルバルブ53は、ステッピングモータなどのアクチュエータ53aにより駆動されるよう構成する。この空気量調整手段として機能するスロットルバルブ53のバルブ開度の制御、すなわちバルブ開度制御は、ECU7がアクチュエータ53aによってスロットルバルブ53のバルブ開度を調整することにより行われる。
また、内燃機関本体3に接続される排気経路6は、排気ガス浄化触媒61と、図示しない消音装置と、各気筒30a〜30dの排気ポート38から排気ガス浄化触媒61を介して消音装置までを連通する排気通路62と、A/Fセンサ63と、O2センサ64とを有する。
排気経路6に設けられる排気ガス浄化触媒61は、排気通路62を介して吸入された排気ガスに含まれる有害物質、例えば窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)を浄化するものである。排気ガス浄化触媒61で有害物質が浄化された排気ガスは、排気通路および図示しない消音装置を通って外部に排気される。
排気経路6に設けられるA/Fセンサ63は、排気ガスの空燃比にほぼ比例する出力特性を有する空燃比センサ(空燃比検出手段)で構成する。このA/Fセンサ63は、排気通路62のうち排気ガス浄化触媒61の上流側に配置する。
このA/Fセンサ63は、各気筒内燃焼部Aから排気経路6に排気された排気ガスのうち、排気ガス浄化触媒61に吸入される前の排気ガスの排気ガス空燃比を検出し、ECU7に出力する。なお、A/Fセンサ63は、O2センサで構成してもよい。
また、ECU7は、このA/Fセンサ63により検出された排気ガス空燃比に基づいて、吸入された空気と燃料とからなる混合ガスの空燃比、すなわち内燃機関1の空燃比を算出する。
排気経路6に設けられるO2センサ64は、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ(酸素濃度検出手段)で構成する。このO2センサ64は、排気通路62のうち排気ガス浄化触媒61の下流側に配置する。このO2センサ64は、各気筒内燃焼部Aから排気経路6に排気された排気ガスのうち、排気ガス浄化触媒61を通過した後の排気ガスの酸素濃度を検出し、ECU7に出力する。
以上述べたように、ECU7には、内燃機関1を制御して運転するために車両の各所に取り付けられたセンサから、各種入力信号が入力される。
このECU7に入力される入力信号には、例えば、クランクシャフト35に取り付けられたクランク角度センサ39により検出されたクランク角度、エアフロメータ52により検出された吸入空気量、レーシング検出用手段として機能するアクセル開度センサ8により検出されたアクセル開度、A/Fセンサ63により検出された排気ガス空燃比、O2センサ64により検出された酸素濃度、車両の走行速度を検出するため車輪の回転軸に設けられた車速センサ(図示せず)から出力された車速を示す信号(車速信号)、ノッキング(ノック振動)を検知するノックセンサから出力された信号などがある。
このECU7は、内燃機関1の運転制御のため、上述した入力信号および記憶部73に格納されている吸入空気量およびアクセル開度に基づいた燃料噴射量マップなどの各種マップに基づいて各種出力信号を出力する。
このECU7が内燃機関1の運転制御のため出力する出力信号には、例えば、燃料噴射弁21の燃料噴射制御を行う噴射信号、点火プラグ36の点火制御を行う点火信号、スロットルバルブ53のバルブ開度制御を行うバルブ開度信号などがある。
また、ECU7は、上述した入力信号や出力信号の入出力を行う入出力部(I/O)71と、処理部72と、燃料噴射量マップなどの各種マップなどを格納する記憶部73とを有する。処理部72は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成されている。
なお、記憶部73は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能なメモリ、あるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能なメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
次に、この内燃機関のECU7によって、活性物質発生手段80を利用して気筒内部での燃焼を改善するために行う、気流の強さを推定(測定)するための制御動作と、活性物質を発生させるための制御動作について図2乃至図7を参照しながら説明する。
この内燃機関では、気筒内燃焼部Aで廻る気流(タンブル流等)が強くて火炎の伝播に影響があるか否かを判定し、影響があると判定したときに火炎の伝播を平均化させるように活性物質を発生させる。
まず、この内燃機関において、ECU7が活性物質発生手段80を用いて行う、気流の強さを推定するための制御動作について図2及び図3により説明する。
このECU7による気流の強さを推定するための制御動作では、内燃機関の運転時における圧縮行程の所定タイミングで、図2に示すようにECU7が活性物質発生手段80を所定短時間だけ駆動する推定用の制御をして、気筒内燃焼部A内の燃料混合気中に所定少量の活性物質TK(例えば、イオン)を発生させる。
すると気筒内燃焼部A内では、タンブル流等の気流に乗って推定用の制御で発生した活性物質TKが、活性物質発生手段80から点火プラグ36へ移動する。
このときECU7は、活性物質TKを含む雰囲気が点火プラグ36の電極を覆う状態となり点火プラグ36の電極間電圧変化が一定値以上となったことを検知することにより、活性物質発生手段80で発生させた活性物質TKが点火プラグ36へ到達するまでの時間又はクランク角度として求められる期間(タイミング)を推定する。
そして、ECU7は、活性物質TKが活性物質発生手段80から点火プラグ36まで移動する時間又はクランク角度である期間に基づいて、タンブル流等の気流の強さ(速さ)を算出する。
また、活性物質発生手段80で発生した活性物質TKが点火プラグ36へ至った状態で点火するタイミングを図るための別手段には、例えば、タンブル比(タンブル強さ)TRを、下記の数式を利用して求めるものがある。
この手段では、図6に示すように、気筒内燃焼部A内での点火プラグ36と活性物質発生手段80との間のプラグ間距離をlとし、活性物質発生手段80で発生した活性物質が点火プラグ36へ到達する到達時間をtとし、シリンダのボア径をBとし、ピストン33のストロークをSとし、タンブル回転数(rpm)をNtaとし、エンジン回転数をNengとし、タンブル流の周長さをLとしたとき、下記の3つの式が成立するので、これらの式からタンブル比(タンブル強さ)TRを求める。
式1 L=π×(B+S)÷2、 式2 Nta=(60×l)÷(L×t)、 式3 TR=Nta÷Neng
さらに、ECU7は、タンブル流等の速い気流が火炎の伝播に影響を及ぼすのを抑制するよう火炎の伝播を気流の上流側と下流側とでバランスをとって平均化させるように活性物質を発生させる制御を行うか否かを判断する。
このため、ECU7は、前述の活性物質発生手段80を所定短時間だけ駆動して行う推定用の制御をして得たタンブル比(タンブル強さ)TR(前述した別手段の数式を利用して求めたものでも良い)を、予め実験等で求めておいた所定の閾値と比較して活性物質を発生させる制御を行うか否かを決定する。
そしてECU7が活性物質を発生させる制御を行う場合には、タンブル流等の気流の強さの度合いと内燃機関の回転数等から活性物質発生手段80の放電量(活性物質の発生量)を算出する。
さらに、ECU7は、活性物質を発生させるための制御において、算出した放電量に基づいて活性物質発生手段80に駆動電力を所要時間だけ供給して適量の活性物質を発生させ、図7に示すように、発生した適量の活性物質の分布Kがタンブル流等の気流に乗って、先端側が点火プラグ36にかかる位置まで移動した、気筒内燃焼部A内での燃焼を平均化可能とする状態を作るように制御する。
すなわち、ECU7は、この制御の際に、点火プラグ36の点火時期より到達時間t以上前の所定タイミングで所定期間だけ活性物質発生手段80を駆動制御して活性物質を発生させるように制御する。
この気筒内燃焼部A内では、点火プラグ36で点火したときに、点火プラグ36からタンブル流等の気流の上流側へ向けて広がる火炎がタンブル流等の気流に流されて伝播速度が遅くなり図7に想像線Fで示すようないびつな火炎の伝播状態となろうとする。
しかし、この気筒内燃焼部A内での燃焼を平均化可能とする状態では、気筒内燃焼部A内に活性物質の分布Kがあるので、点火プラグ36から燃え広がる火炎の伝播速度が活性物質の分布Kの部分で早くなり、全体として点火プラグ36を中心とした同心円状に火炎が伝播し、気筒内燃焼部A内での燃焼をタンブル流等の気流の上流側と下流側とでバランスをとって平均化し、気筒内燃焼部A内の気流の上流側に当たる外周部で自着火を生じることを抑制できる。
さらに、気筒内燃焼部A内での燃焼を平均化可能とする状態では、ECU7が活性物質発生手段80に駆動電力を所要時間だけ供給し、点火の前又は点火から一定時間後に駆動電力の供給を停止することによって、燃焼圧がある程度以上に上昇した時点で、気筒内燃焼部Aの周辺部に燃焼遅れにより残っている未燃焼ガスと活性物質とが自着火することを抑制する。
すなわち、この気筒内燃焼部A内での燃焼を平均化可能とする状態では、ECU7が点火の前又は点火から一定時間後に活性物質発生手段80で活性物質を発生させる動作を停止することにより、タンブル流等の気流により活性物質の分布Kが気筒内燃焼部Aの周辺部から離れた状態とし、気筒内燃焼部Aの周辺部に活性物質が存在しないようにして自着火することを抑制する。
上述のように、内燃機関において、ECU7が活性物質を発生させるための制御を実行する場合には、強いタンブル流等の気流を保つようにし気筒内燃焼部A内で乱流を強化し火炎伝播速度を速くすることによって燃焼期間を短くし、さらに、強いタンブル流等の気流の上流側への火炎伝播速度を付加された活性物質によって速めることにより、気筒内燃焼部A内全体で燃料混合気の燃焼バランスを平均化するよう改善し、燃焼速度を向上し、気筒内燃焼部A内周辺部での自着火(ノック)発生を抑制できる。
よって、内燃機関において、ECU7が活性物質を発生させるための制御を実行する場合には、燃焼を改善し、内燃機関の燃費を向上し、出力を向上できる。
また、この内燃機関のECU7は、気流の強さを推定するための制御動作で算出した気流の速さでは火炎の伝播に影響を及ぼす程でないので活性物質を発生させる制御を行わないと決定した場合に、気流の強さを推定するための活性物質発生手段80による少量の活性物質を発生させる以外に活性物質発生手段80を駆動しない。
ECU7が、このように制御することによって、タンブル流等の気流が弱い場合には、気筒内燃焼部A内の周辺部に活性物質が存在して自着火(ノック)を発生させることを抑制できる。
また、この内燃機関のECU7が行う気流の強さを推定するための制御動作により活性物質発生手段80で発生した活性物質が点火プラグ36へ到達する到達時間tを検知する以外の手段で、タンブル比(タンブル強さ)TRを推定できる場合には、気流の強さを推定するための制御動作を省略することができる。
この場合には、他の手段で推定されたタンブル比(タンブル強さ)TRの値から、到達時間tを算出し、点火プラグ36の点火時期より到達時間t以上前の所定タイミングで所定期間だけ活性物質発生手段80を駆動制御して活性物質を発生させるように制御する。なお、到達時間tは、他の式で求め、又は実験に基づいて予め求めておいて、これを利用するようにしても良い。
次に、この内燃機関でECU7が行う、気流の強さを推定するための制御動作の具体的手順の一例について、図3のフローチャートにより説明する。
この図3のフローチャートに示す制御では、気流の強さの推定制御が開始されると、ステップS1で、ECU7が、内燃機関の吸気行程での下死点(BDC)付近(吸気行程の終わりから圧縮行程の初めにかけての所定タイミングでも良い)で、所定短時間だけ活性物質発生手段80に駆動電力を供給してグロー放電させることにより所定少量の活性物質を発生させ、次のステップS2へ進む。
ステップS2で、ECU7は、活性物質発生手段80のグロー放電開始タイミングのクランク角度CA0を記憶して、次のステップS3へ進む。
ステップS3で、ECU7は、活性物質がタンブル流等の気流に乗って点火プラグ36の位置まで移動したか否かを検出するため、検知した点火プラグ36の電極間電圧変化が一定値以上であるか否かを判断する。
ECU7が、ステップS3で点火プラグ36の電極間電圧変化が一定値以下であると判断した場合には、ステップS4へ進む。ステップS4では、ECU7が、点火プラグ36を点火開始させるタイミングが到来したか否かを判断し、点火プラグ36を点火させるタイミングが到来していないときに、ステップS3へ戻り、活性物質がタンブル流等の気流に乗って点火プラグ36の位置へ移動するまで又は点火プラグ36を点火させるタイミングが到来するまで、このルーチン動作を繰り返す。
そして、ステップS4で点火プラグ36を点火開始させるタイミングが到来したとECU7が判断した場合には、この気流の強さを推定するための制御を終了する。
また、ステップS3で、ECU7が検知した点火プラグ36の電極間電圧変化が一定値以上であると判断した場合には、次のステップS5へ進み、点火プラグ36の電極間電圧変化が一定値以上となったタイミングのクランク角度CA1を検知し、クランク角度差(CA1−CA0)の値と、プラグ間距離lとに基づいて演算を行うことにより、タンブル比(タンブル強さ)TRを推定し、この気流の強さを推定するための制御を終了する。
次に、この内燃機関でECU7が行う、活性物質を発生させるための制御動作の具体的手順の一例について、図5のフローチャートにより説明する。
この図5のフローチャートに示す制御では、活性物質を発生させるための制御が開始されると、ステップS11でタンブル比(タンブル強さ)TRが一定の閾値以上か否かを判断し、タンブル比(タンブル強さ)TRが一定の閾値以下の場合には、この活性物質を発生させるための制御を取り止めるため、この制御を終了する。
ステップS11で、ECU7が、タンブル比(タンブル強さ)TRが一定の閾値以上であると判断した場合には、ステップS12へ進み、活性物質発生手段80に駆動電力を供給してグロー放電を開始し、次のステップS13へ進む。
このステップS13では、点火プラグ36の点火開始のタイミングが到来するまで待機し、点火開始のタイミングが到来した時点でステップS14へ進みグロー放電を停止して、この制御を終了する。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他種々の構成を採りうることは勿論である。また、本実施の形態では、気筒内燃焼部でタンブル流を生じる内燃機関の構成について説明したが、気筒内燃焼部でスワール流を生じる内燃機関にも、本発明を適用できることは勿論である。
本発明の実施の形態に係る内燃機関を模式的に示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関で実行する、気流の強さを推定するための制御を実行したときの状態を示す気筒内要部の概略説明図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関で実行する、気流の強さを推定するための制御の具体的手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る内燃機関で実行する、活性物質を発生させるための制御を実行したときの状態を示す気筒内要部の概略説明図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関で実行する、活性物質を発生させるための制御の具体的手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る内燃機関において、タンブル流の強さを求める式を説明するための概略説明図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関において、活性物質発生手段から適量の活性物質を発生させて気筒内燃焼部内での燃焼を平均化可能とした状態を説明するための概略説明図である。
符号の説明
1 内燃機関
4 バルブ装置
7 ECU(制御装置)
33 ピストン
36 点火プラグ
37 吸気ポート
39 クランク角度センサ(機関回転数検出手段)
41 吸気バルブ
42 排気バルブ
80 活性物質発生手段

Claims (5)

  1. 気筒内で燃料混合気に気流を生じさせた状態として、点火プラグで点火する内燃機関において、
    前記点火プラグに対して気流の上流側となる位置に配置した、燃焼反応の反応性が高い活性物質を発生させる活性物質発生手段と、
    少なくとも、前記活性物質発生手段と、前記点火プラグとを駆動制御する制御装置と、を有し、
    前記制御装置が、前記活性物質発生手段を駆動して発生させた適量の活性物質の分布を気流に乗せて前記点火プラグにかかる位置まで移動させた状態で、前記点火プラグで点火させることにより、
    前記点火プラグに対して前記気流の上流側へ伝播する火炎と下流側へ伝播する火炎とのバランスを改善して前記燃料混合気の燃焼が前記気筒内で平均化するように制御することを特徴とする内燃機関。
  2. 気筒内で燃料混合気に気流を生じさせた状態として、点火プラグで点火する内燃機関において、
    前記点火プラグに対して気流の上流側となる位置に配置した、燃焼反応の反応性が高い活性物質を発生させる活性物質発生手段と、
    前記点火プラグによる点火動作を制御すると共に、前記活性物質発生手段による活性物質の発生動作を制御する制御装置と、を有し、
    前記制御装置が、
    前記活性物質発生手段を駆動制御して発生させた活性物質が前記気筒内で前記気流に乗って前記点火プラグへ移動する期間から、前記気流の強さを求め、
    前記気流の強さが火炎の伝播に影響があるか否かを判定し、
    影響があると判定したときにだけ、前記活性物質発生手段を駆動制御して発生させた活性物質の分布が前記気流に乗って前記点火プラグから前記気流の上流側にかけての位置まで移動した状態で、前記点火プラグを点火させるように制御することを特徴とする内燃機関。
  3. 前記制御装置が、
    前記気流の強さの度合いに対応するように前記活性物質発生手段を駆動制御して、
    前記点火プラグに対して前記気流の上流側へ伝播する火炎と下流側へ伝播する火炎とのバランスを改善して前記燃料混合気の燃焼が前記気筒内で平均化するように制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記制御装置が、
    前記活性物質発生手段を駆動制御して発生させた活性物質の分布が前記気流に乗って前記気筒内の周辺部から離間した状態で、前記点火プラグを点火させるように制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  5. 前記制御装置が、
    タンブル比(タンブル強さ)TRに関する下記の式から、活性物質発生手段で発生した活性物質が点火プラグへ到達する到達時間tを算出し、この算出した到達時間tに基づいて、前記活性物質発生手段と、前記点火プラグとを駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
    式1 L=π×(B+S)÷2、
    式2 Nta=(60×l)÷(L×t)、
    式3 TR=Nta÷Neng
    ここで、lは、気筒内燃焼部A内での点火プラグと活性物質発生手段との間のプラグ間距離、
    tは、活性物質発生手段で発生した活性物質が点火プラグへ到達する到達時間、
    Bは、シリンダのボア径、
    Sは、ピストンのストローク、
    Nta(rpm)は、タンブル回転数、
    Neng(rpm)は、エンジン回転数、
    TRは、タンブル比(タンブル強さ)、
    Lは、タンブル流の周長さ、
    とする。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012154194A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Nissan Motor Co Ltd 内燃エンジンの制御装置
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WO2018203511A1 (ja) * 2017-05-02 2018-11-08 国立研究開発法人産業技術総合研究所 エンジンの着火および燃焼促進技術
US20190323476A1 (en) * 2015-11-09 2019-10-24 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Spark discharge ignition promoting method, spark discharge ignition promoting apparatus, and engine with spark discharge ignition promoting apparatus

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