JP2008101210A - 発泡剤改質方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属シロキサン系化合物またはシラン化合物をウェットケーキ状の発泡剤表面にコーティングする段階を含む発泡剤改質方法を提供する。
【解決手段】当該発泡剤改質方法は、既存工程に比べ、発泡剤乾燥段階を省略することによって、工程を短縮させ、これによりコスト節減、生産性向上の効果をもたらす。また、当該製造された発泡剤は、樹脂に混合された優秀な分散性を表すことによって、発泡体のセルを非常に均一に形成し、かつ加工工程で樹脂のフローを向上させることによって、同時間当たりの生産性を高めることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、発泡剤改質方法に係り、さらに詳細には、工程を短縮させてコスト節減、生産性向上の効果をもたらす発泡剤改質方法に関する。
発泡剤は、一般的に微細粉末状の化合物であり、熱可塑性樹脂のような発泡体を製造するために使われる。すなわち発泡剤は、熱によって分解されてガスを発生させ、発生したガスにより樹脂内に気孔を形成することによって、発泡体を製造するのに使われる。
発泡剤の性質によって、発泡体内のセル(以下、発泡セルという)の大きさ、分布、密度などが決定され、これにより発泡体の耐久性、引裂き強度のような物性が大きく影響を受ける。最終結果物としての発泡体が優秀な耐久性、引裂き強度のような物性を得るためには、発泡セルそれぞれのサイズは小さく、単位表面積当たりの発泡セルの数が多くなければならず、それぞれのセル間の大きさの偏差が小さく、かつ分布が均一でなければならない。従って、かような優秀な物性を有する発泡体を製造するために、発泡剤は、非常に重要な役割を果たす。
従来発泡剤からさらに改善された効果を得るために、カップリング剤のような表面処理剤で発泡剤を処理して使用する技術が開示されている。カップリング剤として代表的な例は、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤及びチタン系カップリング剤を含む。例えば、特許文献1及び特許文献2には、溶媒に溶解させたシランカップリング剤をアゾジカルボンアミドに添加することによって、流動性及び樹脂内での分散性を向上させる方法が開示されている。また、特許文献3には、溶媒に溶解させたアルミニウムカップリング剤を化学的発泡剤に加えることによって、流動性及び樹脂内での分散性を向上させる方法が開示されている。さらに、特許文献4には、高分子樹脂の成形時に高分子樹脂に発泡剤とは別途にシラン化合物などを添加剤として使用し、発泡体物性をさらに向上させようという試みが開示されている。
前記の通りに、発泡剤を改質するために、特定化合物を添加する場合、一般的に乾燥粉末状態の発泡剤を処理して使用し、従って発泡剤の乾燥段階を必ず伴うこととなり、工程時間が長くなり、かつ生産コストが高まるという問題点があった。
特開平04−320432号公報 特開平06−179862号公報 特開平08−295872号公報 大韓民国特許第2005−0119375号公報
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためのものであり、既存の発泡剤工程段階を一部省略して工程短縮及び生産性向上を図ると同時に、改質発泡剤を樹脂組成物に添加する場合、改質発泡剤が樹脂組成物内で優秀な樹脂分散性、向上した樹脂フロー性を有し、前記樹脂組成物から成形された発泡体で均一な発泡セルが形成されるようにする発泡剤改質方法を提供するものである。
前記目的を達成するために、本発明は、金属シロキサン系化合物またはシラン化合物をウェットケーキ状の発泡剤表面にコーティングする段階を含む発泡剤改質方法を提供する。
本発明の一具現例によれば、前記ウェットケーキは、総質量対比で15ないし25%の水分を含有する。
本発明の他の具現例によれば、前記金属シロキサン系化合物または前記シラン化合物を溶剤に希釈させずに、前記発泡剤表面に噴霧する。
本発明のさらに他の具現例によれば、前記金属シロキサン系化合物または前記シラン化合物の粘度は、50ないし1,000cPである。
本発明のさらに他の具現例によれば、前記金属シロキサン系化合物は、下記化学式1ないし化学式3で表示される化合物のうちいずれか一つである。前記金属シロキサン系化合物が化学式2または化学式3である場合、望ましくは低粘度である。
Figure 2008101210
前記式で、mとnは互いに独立して、4ないし100の整数(4、100を含む)であり、Mは、アルミニウム、ヒ素、金、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、ニオビウム、カドミウム、セレン、コバルト、クロム、セシウム、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、イリジウム、ナトリウム、ニッケル、オスミウム、鉛、パラジウム、白金、ルビジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、シリコン、スズ、ストロンチウム、タンタル、テルル、トリウム、チタン、タリウム、ウラン、バナジウム、タングステン、亜鉛及びジルコニウムから構成される群から選択された金属であり、R、R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲンまたは−Si(R’)(R”)(R”’)を表すか、ハロゲン及び−Si(R’)(R”)(R”’)から構成された群から選択された1種以上の置換体により置換されるか、または非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニルまたはフェニルを表す(前記式でR’、R”及びR”’は、互いに独立してC〜Cアルキルである)。
Figure 2008101210
前記式で、mとnは互いに独立して、4ないし100の整数(4、100を含む)であり、Mは、アルミニウム、ヒ素、金、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、ニオビウム、カドミウム、セレン、コバルト、クロム、セシウム、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、イリジウム、ナトリウム、ニッケル、オスミウム、鉛、パラジウム、白金、ルビジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、シリコン、スズ、ストロンチウム、タンタル、テルル、トリウム、チタン、タリウム、ウラン、バナジウム、タングステン、亜鉛及びジルコニウムから構成される群から選択された金属であり、R、R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲンまたは−Si(R’)(R”)(R”’)を表すか、ハロゲン及び−Si(R’)(R”)(R”’)から構成された群から選択された1種以上の置換体により置換されるか、または非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニルまたはフェニルを表す(前記式でR’、R”及びR”’は、互いに独立してC〜Cアルキルである)。
(化学式3)
Figure 2008101210
前記式で、Aは
Figure 2008101210
であり、Bは
Figure 2008101210
であり、Xは、CH(SiO−2CH−M)−(mは4ないし100の整数(4、100を含む))であり、Mは、アルミニウム、ヒ素、金、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、ニオビウム、カドミウム、セレン、コバルト、クロム、セシウム、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、イリジウム、ナトリウム、ニッケル、オスミウム、鉛、パラジウム、白金、ルビジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、シリコン、スズ、ストロンチウム、タンタル、テルル、トリウム、チタン、タリウム、ウラン、バナジウム、タングステン、亜鉛及びジルコニウムから構成される群から選択された金属であり、A及びBの繰り返し単位はランダムに結合されており、a及びbは、それぞれ10ないし90モル%であり、1<n<1,000である。
本発明のさらに他の具現例によれば、前記金属シロキサン系化合物の含有量は、前記発泡剤100質量部を基準に、0.1ないし10質量部である。
本発明のさらに他の具現例によれば、前記シラン化合物は、シランエステル系、ビニル系シラン、メタクリロキシシラン、エポキシシラン、硫黄系シラン及びアミノ系シランからなる群から選択された1種以上であることができる。
本発明のさらに他の具現例によれば、前記シラン化合物の含有量は、前記発泡剤100質量部を基準として、0.1ないし10質量部である。
本発明のさらに他の具現例によれば、前記発泡剤は、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、5−フェニルテトラゾール、重炭酸ナトリウム、亜鉛ジベンゼンスルフィネート及び亜鉛ジトルエンスルフィネートからなる群から選択された1種以上である。
本発明のさらに他の具現例によれば、前記金属シロキサン系化合物または前記シラン化合物がコーティングされた発泡剤にフュームドシリカを混合する段階をさらに含む。
本発明による発泡剤改質方法は、既存工程に比べて、発泡剤乾燥段階を省略することによって、工程を短縮させ、これによりコスト節減、生産性向上の効果をもたらす。また、本発明によって製造された発泡剤は、樹脂に混合された優秀な分散性を表すことによって発泡体のセルを非常に均一に形成し、加工工程で樹脂のフローを向上させることによって同時間当たりの生産性を高めることができる。
以下、本発明による発泡剤改質方法についてさらに詳細に説明する。
本発明の発泡剤改質方法は、金属シロキサン系化合物またはシラン化合物をウェットケーキ状の発泡剤表面にコーティングする段階を含むことを特徴とする。
望ましくは、前記ウェットケーキは、総質量対比で15ないし25%の水分を含有する。ウェットケーキ状の発泡剤の水分含有量が15%未満である場合、脱水時間が長くかかり過ぎるという問題があり、25%を超える場合に乾燥工程が円滑ではないという問題がある。
一般的に、特定化合物を添加して発泡剤改質するとき、発泡剤粉末を乾燥した後、乾燥粉末状態で特定化合物を添加する。このように、乾燥状態の発泡剤を維持するために、特開平11−246844号(日本登録特許3567304号)公報では、水分を除去する性質を有する表面処理剤で処理も行っている。一方、本発明では、ウェットケーキ状の発泡剤を使用するが、水分が蒸発しつつ、相対的に水分より親和性のある金属シロキサン系化合物またはシラン系化合物が発泡剤表面に付着する。しかし、このとき、金属シロキサン系化合物またはシラン系化合物を溶剤でもって使用して添加すれば、水との激しい反発力で等しく塗布され難い。
このように、本発明による発泡剤改質方法は、ウェットケーキ状の発泡剤をそのまま使用できるために、発泡剤を乾燥する段階に該当する工程段階を省略できる。従って、既存の発泡剤改質方法に比べ、工程が短縮され、それによりコスト節減、生産性向上の効果を得ることができる。
本発明による発泡剤改質方法で、金属シロキサン系化合物またはシラン化合物は、溶剤に希釈させずに発泡剤表面に噴霧することが望ましい。
また、前記金属シロキサン系化合物または前記シラン化合物は、低分子量を有する。低分子量を有する金属シロキサン系化合物またはシラン化合物を使用するために、低粘度状態として発泡剤表面に直接噴霧するのに適し、従って前記金属シロキサン系化合物または前記シラン化合物の粘度は、50ないし1,000cPの値を有することが望ましい。
前記金属シロキサン系化合物は、下記化学式1ないし化学式3で表示される化合物のうちいずれか一つである。
Figure 2008101210
前記式で、mとnは互いに独立して、4ないし100の整数(4、100を含む)であり、Mは、アルミニウム、ヒ素、金、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、ニオビウム、カドミウム、セレン、コバルト、クロム、セシウム、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、イリジウム、ナトリウム、ニッケル、オスミウム、鉛、パラジウム、白金、ルビジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、シリコン、スズ、ストロンチウム、タンタル、テルル、トリウム、チタン、タリウム、ウラン、バナジウム、タングステン、亜鉛及びジルコニウムから構成される群から選択された金属であり、R、R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲンまたは−Si(R’)(R”)(R”’)を表すか、ハロゲン及び−Si(R’)(R”)(R”’)から構成された群から選択された1種以上の置換体により置換されるか、または非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニルまたはフェニルを表す(前記式でR’、R”及びR”’は、互いに独立してC〜Cアルキルである)。
Figure 2008101210
前記式で、mとnは互いに独立して、4ないし100の整数(4、100を含む)であり、Mは、アルミニウム、ヒ素、金、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、ニオビウム、カドミウム、セレン、コバルト、クロム、セシウム、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、イリジウム、ナトリウム、ニッケル、オスミウム、鉛、パラジウム、白金、ルビジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、シリコン、スズ、ストロンチウム、タンタル、テルル、トリウム、チタン、タリウム、ウラン、バナジウム、タングステン、亜鉛及びジルコニウムから構成される群から選択された金属であり、R、R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲンまたは−Si(R’)(R”)(R”’)を表すか、ハロゲン及び−Si(R’)(R”)(R”’)から構成された群から選択された1種以上の置換体により置換されるか、または非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニルまたはフェニルを表す(前記式でR’、R”及びR”’は、互いに独立してC〜Cアルキルである)。
Figure 2008101210
前記式で、Aは
Figure 2008101210
であり、Bは
Figure 2008101210
であり、Xは、CH(SiO−2CH−M)−(mは4ないし100の整数(4、100を含む))であり、Mは、アルミニウム、ヒ素、金、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、ニオビウム、カドミウム、セレン、コバルト、クロム、セシウム、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、イリジウム、ナトリウム、ニッケル、オスミウム、鉛、パラジウム、白金、ルビジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、シリコン、スズ、ストロンチウム、タンタル、テルル、トリウム、チタン、タリウム、ウラン、バナジウム、タングステン、亜鉛及びジルコニウムから構成される群から選択された金属であり、A及びBの繰り返し単位はランダムに結合されており、a及びbは、それぞれ10ないし90モル%であり、1<n<1,000である。
望ましくは、前記金属シロキサン系化合物は、前記発泡剤100質量部を基準として、0.1ないし10質量部の割合でコーティングされる。金属シロキサン系化合物を発泡剤100質量部基準に、0.1質量部未満の含有量でコーティングする場合、前記物性改善効果が微小になるという問題点があり、10質量部超過する含有量でコーティングする場合、樹脂固有のMI(Melting
Index)を過度に変化させ、粘性が増大して改質発泡剤のフロー性が顕著に低下するという問題点がある。
望ましくは、本発明による発泡剤改質方法で、前記シラン化合物として、シランエステル系、ビニル系シラン、メタクリロキシシラン、エポキシシラン、硫黄系シラン及びアミノ系シランからなる群から選択された1種以上を使用できる。
望ましくは、前記シラン化合物は、前記発泡剤100質量部を基準に、0.1ないし10質量部の割合でコーティングされる。シラン化合物を発泡剤100質量部基準に、0.1質量部未満の含有量でコーティングする場合、前記物性改善効果が微小になるという問題点があり、10質量部超過する含有量でコーティングする場合、効果に比べて製造コストを高め、樹脂の架橋度に影響を及ぼして物性を低下させることがある。
望ましくは、前記発泡剤は特別に限定されず、当業界で公知の発泡剤が制限なく使われうる。特に、有機・無機化学発泡剤を使用でき、その具体的な例は、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、5−フェニルテトラゾール、重炭酸ナトリウム、亜鉛ジベンゼンスルフィネート及び亜鉛ジトルエンスルフィネートなどを含むことができる。また、発泡剤は1種以上が共に使われうる。
望ましくは、金属シロキサン系化合物またはシラン化合物と混合された発泡剤にフュームドシリカを混合する段階をさらに含むことができる。フュームドシリカは、表面積を拡大させるために、多孔の粒子状を有する無機物である。金属シロキサン系化合物またはシラン化合物でコーティングされた発泡剤に、フュームドシリカをさらに添加して製造された改質された発泡剤は、フロー性がさらに向上し、かつケーキング(caking)防止効果を向上させられる。
以下、図面を参考しつつ、本発明による発泡剤改質方法についてさらに詳細に説明する。図1は、既存の発泡剤の乾燥段階を含む発泡剤工程の一例の工程図である。図1を参考にして既存の発泡剤工程について説明する。
反応槽1で製造された発泡剤は、遠心脱水器2を経て約15〜25%の水分含有量を有するウェットケーキ状にされた後、フィーディングホッパ3を介して乾燥器4に投入される。乾燥器4で、フィルタ5を介して残余水分を1%未満に下げ、乾燥された粉末状の発泡剤は、ホッパ7に送られる。ホッパから乾燥粉末状の発泡剤がミキサ8に投入され、発泡剤を改質するために、混合しようとする化合物をミキサ内に備わっているスプレー(spray)を介して投入し、乾燥粉末状の発泡剤と混合させる。結果物である混合物をさらに乾燥器9を経て乾燥粉末にした後、スクリーン13を介して改質された発泡剤を得る。
一方、本発明によるウェットケーキ状の発泡剤を使用する発泡剤改質方法は、図2に示されている。以下、図2を参考にして工程が短縮された本発明による発泡剤改質方法について説明する。
反応槽110で製造された発泡剤は、遠心脱水器120を経て約15〜25%の水分を含有したウェットケーキ状でもって、すぐにミキサ130に投入される。金属シロキサン系化合物またはシラン化合物をミキサ内に備わっているスプレーを介して投入し、ウェットケーキ状の発泡剤表面にコーティングする。結果物である混合物を乾燥器140を経て乾燥した後、スクリーン180を通過させ、最終的に改質された発泡剤を得る。
このように、図2では、発泡剤を製造した後でこれを乾燥させるための工程段階、すなわち図1で、フィーディングホッパ3からホッパ7までに該当する工程段階が省略されている。
以下、下記の実施例を介して本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明の範囲が実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
平均粒径15μmサイズの未処理の純粋なアゾジカルボンアミド粉末サンプルを準備した。
(比較例2)
前記比較例1で使用したものと同じアゾジカルボンアミド粉末100gに、シラン系カップリング剤であるトリメトキシシラン(GE社製)0.4gを噴霧状で混合した。このとき、前記アゾジカルボンアミドは、既存工程と同じように、乾燥段階を経て乾燥粉末状で混合した。結果物である混合物を図1でのように、さらに乾燥段階を経て、シーブでふるって粉末サンプルを得た。
(比較例3)
前記比較例1で使用したものと同じアゾジカルボンアミド粉末100gに、100MS28(Silochem CO. LTD製)0.4gを比較例2でのように既存の工程方法を使用して混合した後、最終結果物として粉末サンプルを得た。
(実施例1)
発泡剤としてアゾジカルボンアミド100gに、図2でのように、ウェットケーキ状でシラン系カップリング剤であるトリメトキシシラン(GE社製)0.4gを噴霧して表面をコーティングした後、乾燥し、かつシーブでふるって改質されたアゾジカルボンアミド粉末サンプルを得た。
(実施例2)
発泡剤としてアゾジカルボンアミド100gに、図2でのように、ウェットケーキ状で金属シロキサン系化合物として約15,000の分子量、約350cPの粘度及び化学式1の構造(R、R、R及びRはいずれも水素であり、Mはホウ素である)を有する100MSM28(Silochem CO. LTD製)0.4gを噴霧して表面をコーティングした後、乾燥し、かつシーブでふるって改質されたアゾジカルボンアミド粉末サンプルを得た。
(物性測定)
実施例1及び2並びに比較例1ないし3で得たサンプルに対し、次のような方法でさまざまな物性を測定した。
1) 分解特性
分解温度測定機(製造社:(株)セルテクノ、装備番号:Fl−99□S□Q1−37)を使用し、発泡剤粉末の分解温度(DT)、分解ガス量(GV)及び分解速度(DS、195℃で測定)を測定した。
分解温度を測定するために、発泡剤製品検査標準書(DJO−SPR−Q1−01、−02)に定めた品種別検査開始温度を参照し、各測定対象試料に適した検査開始温度に調停した後、均一な昇温比で熱浴槽を加熱し、発泡剤試料を試験管に計量、採取して熱浴槽に入れて加熱分解した。試験管を熱浴槽に入れ、30秒後に温度と発生ガスとを記録し、ガス発生量が100ml/grになる温度を分解温度とした。
分解ガス量は、発泡剤製品検査標準書(DJO−SPR−Q1−01、−02)に定めた温度まで昇温した後、測定した。
分解速度は、分解温度測定と同じ方法で試験管を熱浴槽に入れ、30秒後に試験管を塞いで大気と隔離した後、ガス量の変化を30秒ごとに測定して表1に記録した。
2) 息角
息角(angle
of repose)は、分粒体を自然に積み上げたとき、粉末山の傾斜面と水平面間との角度をいい、粒子の表面が粗くて不規則であるほど大きくなる。従って、息角が小さいほど、粉末自体のフロー性が優秀であるということを意味する。
前記実施例1及び2並びに比較例1ないし3で得たそれぞれの発泡剤粉末に対し、Powder tester(HOSOKAWA社製、装備番号:Fl−93□S□Q1−25、モデル名:PT−N)を使用して測定した。
3) メルトフロー
実施例1及び2並びに比較例1ないし3で得たそれぞれの発泡剤サンプル21gと、低密度ポリエチレン(製造社:韓化総合化学、製品番号:PE5316)100gとを120℃に調節されたヒーティングローラ(heating-roller)を使用して混練した後、130℃に調節されたプレスモールドでシートを成形した。このように製作されたそれぞれのシートに対し、メルトフロー(melt flow)を測定した。
すなわち、実施例1及び2並びに比較例1ないし3それぞれの発泡剤を利用して製造されたシートに対し、Plastometer(TINIUSOLSEN社製、モデル名:MT600)を使用して10.76Kgの荷重で125℃でメルトフローを測定した。
4) 発泡試験
前記メルトフローを測定するために製作したのと同じシートを製作したが、このとき、発泡試験用シートは、発泡剤サンプル21gと低密度ポリエチレン(製造社:韓化総合化学、製品番号:PE5316)100gとに、化学架橋剤である過酸化ジクミル(DCP)0.9gをさらに添加して製作した。製作されたそれぞれのシートを210℃オーブンで発泡させて発泡体を製作し、発泡試験(foam test)を行った。
実施例1及び2並びに比較例1ないし3それぞれに対し、製作された発泡体の発泡セルサイズ、セル粒子の偏差及び単位表面積当たりのセル数を測定した。
前記測定値の結果を表1に表した。
Figure 2008101210
前記表1の結果から、本発明による改質方法により製造された改質された発泡剤である実施例1ないし2のサンプルは、既存工程による方法により製造された発泡剤である比較例1ないし3のサンプルに比べ、同等レベルの分解特性を表している。息角はさらに小さい値を有し、これは実施例1及び2のサンプルが向上しているか、または少なくとも同等レベルのフロー性を維持するということを意味する。実施例1及び2のサンプルを含む高分子樹脂組成物の溶融フロー性について見れば、比較例1ないし3のサンプルを含む高分子樹脂組成物に比べてやはり同等レベルを維持しているということが分かる。最後に、発泡試験結果でも、実施例1及び2のサンプルを使用した場合の発泡体が比較例1ないし3を使用した場合に比べ、同等レベルを維持しているということが分かる。結論として、本発明の改質方法で、発泡剤をウェットケーキ状で使用して工程を短縮しても、物性が落ちない発泡剤を製造できるということを確認することができた。
本発明の発泡剤改質方法は、例えば、高分子樹脂関連の技術分野に効果的に適用可能である。
既存の発泡剤改質方法による工程を概略的に図示した工程図である。 本発明による発泡剤改質方法による工程を概略的に図示した工程図である。
符号の説明
1,110 反応器
2,120 遠心脱水器
3 フィーディングホッパ
4,9,140 乾燥器
5,10,150 フィルタ
6,11,160 ブロー
7,12,170 ホッパ
8,130 ミキサ
13,180 スクリーン

Claims (10)

  1. 金属シロキサン系化合物またはシラン化合物をウェットケーキ状態の発泡剤表面にコーティングする段階を含む発泡剤改質方法。
  2. 前記ウェットケーキは、総質量対比で15ないし25%の水分を含有することを特徴とする請求項1に記載の発泡剤改質方法。
  3. 前記金属シロキサン系化合物または前記シラン化合物を溶剤に希釈させずに、前記発泡剤表面に噴霧することを特徴とする請求項1に記載の発泡剤改質方法。
  4. 前記金属シロキサン系化合物または前記シラン化合物の粘度は、50ないし1,000cPであることを特徴とする請求項1に記載の発泡剤改質方法。
  5. 前記金属シロキサン系化合物が下記化学式1
    Figure 2008101210
    (式中、
    mとnは互いに独立して、4ないし100の整数(4、100を含む)であり、
    Mは、アルミニウム、ヒ素、金、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、ニオビウム、カドミウム、セレン、コバルト、クロム、セシウム、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、イリジウム、ナトリウム、ニッケル、オスミウム、鉛、パラジウム、白金、ルビジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、シリコン、スズ、ストロンチウム、タンタル、テルル、トリウム、チタン、タリウム、ウラン、バナジウム、タングステン、亜鉛及びジルコニウムから構成される群から選択された金属であり、
    、R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲンまたは−Si(R’)(R”)(R”’)を表すか、ハロゲン及び−Si(R’)(R”)(R”’)から構成された群から選択された1種以上の置換体により置換されるか、または非置換のC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニルまたはフェニルを表す(前記式でR’、R”及びR”’は、互いに独立してC〜Cアルキルである)、
    Figure 2008101210
    (式中、
    mとnは互いに独立して、4ないし100の整数(4、100を含む)であり、
    Mは、アルミニウム、ヒ素、金、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、ニオビウム、カドミウム、セレン、コバルト、クロム、セシウム、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、イリジウム、ナトリウム、ニッケル、オスミウム、鉛、パラジウム、白金、ルビジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、シリコン、スズ、ストロンチウム、タンタル、テルル、トリウム、チタン、タリウム、ウラン、バナジウム、タングステン、亜鉛及びジルコニウムから構成される群から選択された金属であり、
    、R、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲンまたは−Si(R’)(R”)(R”’)を表すか、ハロゲン及び−Si(R’)(R”)(R”’)から構成された群から選択された1種以上の置換体により置換されるか、または非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニルまたはフェニルを表す(前記式でR’、R”及びR”’は、互いに独立してC1〜C6アルキルである)、および
    Figure 2008101210
    (式中、
    Aは
    Figure 2008101210
    であり、
    Bは
    Figure 2008101210
    であり、
    Xは、CH(SiO−2CH−M)−(mは4ないし100の整数(4、100を含む))であり、
    Mは、アルミニウム、ヒ素、金、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、ニオビウム、カドミウム、セレン、コバルト、クロム、セシウム、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、イリジウム、ナトリウム、ニッケル、オスミウム、鉛、パラジウム、白金、ルビジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、シリコン、スズ、ストロンチウム、タンタル、テルル、トリウム、チタン、タリウム、ウラン、バナジウム、タングステン、亜鉛及びジルコニウムから構成される群から選択された金属であり、
    A及びBの繰り返し単位はランダムに結合されており、
    a及びbは、それぞれ10ないし90モル%であり、
    1 <n<1,000である。)
    で表される化合物のうちいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の発泡剤改質方法。
  6. 前記金属シロキサン系化合物の含有量が前記発泡剤100質量部を基準として、0.1ないし10質量部であることを特徴とする請求項1に記載の発泡剤改質方法。
  7. 前記シラン化合物は、シランエステル系、ビニル系シラン、メタクリロキシシラン、エポキシシラン、硫黄系シラン及びアミノ系シランからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の発泡剤改質方法。
  8. 前記シラン化合物の含有量が前記発泡剤100質量部を基準として、0.1ないし10質量部であることを特徴とする請求項1に記載の発泡剤改質方法。
  9. 前記発泡剤がアゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、5−フェニルテトラゾール、重炭酸ナトリウム、亜鉛ジベンゼンスルフィネート及び亜鉛ジトルエンスルフィネートからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の発泡剤改質方法。
  10. 前記コーティングされた発泡剤にフュームドシリカを混合する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発泡剤改質方法。
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