JP2008101145A - 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(1)で示される化合物(A)を必須成分とすることを特徴とする樹脂組成物であり、該樹脂組成物をダイアタッチ材料又は放熱部材接着用材料として用いて製作されることを特徴とする半導体装置である。
(式中、R1、R2、R3、R4は、水素、メチル基、エチル基のいずれかであり、Gはグリシジル基である。)
【選択図】なし
Description
一方環境対応の一環として半導体製品からの鉛撤廃が進められている中、基板実装時に使用する半田も鉛フリー半田が使用されるため、錫−鉛半田の場合よりリフロー温度を高くする必要がある。高温でのリフロー処理はパッケージ内部のストレスを増加させるため、リフロー中に半導体製品中に剥離ひいてはクラックが発生しやすくなる。
また半導体製品の外装めっきも脱鉛化の目的でリードフレームのめっきをNi−Pdに変更する場合が増えてきている。ここでNi−Pdめっきは表面のPd層の安定性を向上する目的で薄く金めっき(金フラッシュ)が行われるが、Ni−Pdめっきそのものの平滑性及び表面に存在する金のため通常の銀めっき銅フレーム等と比較すると接着力が低下する。接着力の低下はリフロー処理時の半導体製品中の剥離、クラックの原因となる。
このように従来から使用されているダイアタッチペースト(例えば、特許文献1参照。)よりも各種界面に対する接着性に優れ、同時に弾性率が低い低応力性に優れる材料が望まれているが満足なものはなかった。
[1]一般式(1)で示される化合物(A)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
[4] 前記化合物(B)がジグリシジルビスフェノールA、ジグリシジルビスフェノールFから選ばれる少なくとも1種である[2]又は[3]に記載の樹脂組成物。
[5] さらに1分子内にフェノール性水酸基を少なくとも2つ有する化合物(C)を含む[1]〜[4]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[6] さらに融点が180℃以上のイミダゾール化合物(D)を含む[1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[7] さらに充填材(E)を含む[1]〜[6]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。[8] [1]〜[7]のいずれか1項に記載の樹脂組成物をダイアタッチ材料又は放熱部材接着用材料として用いて作製されることを特徴とする半導体装置。
以下、本発明について詳細に説明する。
ることが多い。カチオン重合系の硬化の場合には硬化物中に残存するカチオン重合触媒の残基が半導体としての耐湿性を悪化させるので好ましくなく、酸無水物による硬化の場合には加水分解を受けやすいので硬化物の耐湿性がよくないため好ましくない。このため硬化剤としてはフェノール性水酸基を有する化合物を使用することが好ましく、脂肪族のグリシジル基とフェノール性水酸基の反応は遅いため、一般式(2)で示される化合物(B)との併用がさらに好ましい。化合物(A)と化合物(B)とを同時に用いることで低弾性率でありながら反応性に優れる樹脂組成物を得ることができる。好ましい化合物(A)と化合物(B)の配合割合(A):(B)は重量比で1:3〜3:1である。この範囲の場合には、低弾性率となり、十分な硬化物特性(接着性、耐リフロー性)を得ることができる。化合物(A)、化合物(B)ともナトリウム、塩素等のイオン性不純物が少ないことが好ましい。好ましい化合物(A)としては、デカリンのジグリシジルエーテルが挙げられ、好ましい化合物(B)としては、電子材料用に市販されているジグリシジルビスフェノールA、ジグリシジルビスフェノールFおよびこれらの置換体などが挙げられる。
さらに好ましい1分子内に含まれるフェノール性水酸基の数は2である。これは2官能の硬化剤を使用した場合には、硬化物の架橋密度が上がらないため低弾性率となるからである。
チレン粉末、ポリアミド粉末、ポリウレタン粉末、ポリシロキサン粉末等の高分子粉末が使用可能である。樹脂組成物を使用する際にノズルを使用して吐出する場合があるので、ノズル詰まりを防ぐために平均粒径は30μm以下が好ましく、ナトリウム、塩素といったイオン性の不純物が少ないことが好ましい。特に導電性、熱伝導性が要求される場合には銀粉を使用することが好ましい。通常電子材料用として市販されている銀粉であれば、還元粉、アトマイズ粉等が入手可能で、好ましい粒径としては平均粒径が1μm以上、30μm以下である。この範囲の場合には、樹脂組成物の粘度も高くなり過ぎず、ディスペンス時にノズル詰まりが発生しない。電子材料用以外の銀粉ではイオン性不純物の量が多い場合があるので注意が必要である。形状はフレーク状、球状等特に限定されないが、好ましくはフレーク状のものを使用し、通常樹脂組成物中70重量%以上、90重量%以下含まれる。この範囲の場合には、導電性が良好であり、樹脂組成物の粘度も高くなり過ぎない。
本発明の樹脂組成物は、例えば各成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練した後真空下脱泡することにより製造することができる。
化合物(A)としてはデカリンのジグリシジルエーテル(スガイ化学工業(株)製、2,7−DGDHN、一般式(1)のR1、R2、R3、R4が−H、以下化合物A)を、化合物(B)としてはビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られるジグリシジルビスフェノールA(エポキシ当量180、室温で液体、一般式(2)のR5、R6、R7、R8が−H、R9が−C(CH3)2−、以下化合物B)を、化合物(C)としてはビスフェノールF(大日本インキ工業(株)製、DIC−BPF、水酸基当量100、以下化合物C)を、化合物(D)としては2−メチルイミダゾールと2,4−ジアミノ−6−ビニルトリアジンの付加物(四国化成工業(株)製、キュアゾール2MZ−A、融点248〜258℃、以下化合物D1)および2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業(株)製、キュアゾール2P4MHZ、融点191〜195℃、以下化合物D2)を、充填材(E)としては平均粒径8μm、最大粒径30μmのフレーク状銀粉(以下銀粉)を使用した。クレジルグリシジルエーテル(エポキシ当量185、以下CGE)、ジシアンジアミド(以下DDA)、グリシジル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−403E、以下エポキシシラン)、スルフィド結合を有するシランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBE−846、以下スルフィドシラン)を表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。配合割合は重量部である。得られた樹脂組成物を用いて以下の評価を行い、表1に示した。
表1に示す割合で配合し実施例1と同様に樹脂組成物を得た。なお比較例2では2−メチルイミダゾール(キュアゾール2MZ:四国化成工業(株)製、融点137〜145℃
、以下化合物X)を使用した。
・保存性(粘度変化率):表1に示す樹脂組成物について、E型粘度計(3°コーン)を用い25℃、2.5rpmでの値を樹脂組成物作製直後と25℃、48時間放置後に測定した。48時間後の粘度変化率をもって保存性とし、粘度変化率が20%未満の場合を合格とした。粘度変化率の単位は%である。
・接着強度:表1に示す樹脂組成物を用いて、6×6mmのシリコンチップを金フラッシュしたNi−Pdフレームにマウントし、175℃オーブン中30分硬化した。硬化後および吸湿(85℃、85%、72時間)処理後に自動接着力測定装置を用い260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。260℃熱時ダイシェア強度が30N/チップ以上の場合を合格とした。接着強度の単位はN/チップである。
・弾性率:表1に示す樹脂組成物を用いて4×20×0.1mmのフィルム状の試験片を作製し(硬化条件175℃30分)、動的粘弾性測定機(DMA)にて引っ張りモードでの測定を行った。測定条件は以下の通りである。
測定温度:室温〜300℃
昇温速度:5℃/分
周波数:10Hz
荷重:100mN
25℃における貯蔵弾性率を弾性率とし5000MPa以下の場合を合格とした。弾性率の単位はMPaである。
パッケージ:QFP(14×20×2.0mm)
リードフレーム:金フラッシュしたNi−Pdフレーム
チップサイズ:6×6mm
樹脂組成物硬化条件:オーブン中150℃、15分
Claims (8)
- 一般式(1)で示される化合物(A)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
- さらに一般式(2)で示される化合物(B)を含む請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記化合物(A)と前記化合物(B)との配合比は重量比((A):(B))で1:3〜3:1である請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記化合物(B)がジグリシジルビスフェノールA、ジグリシジルビスフェノールFから選ばれる少なくとも1種である請求項2又は3に記載の樹脂組成物。
- さらに1分子内にフェノール性水酸基を少なくとも2つ有する化合物(C)を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- さらに融点が180℃以上のイミダゾール化合物(D)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- さらに充填材(E)を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物をダイアタッチ材料又は放熱部材接着用材料として用いて作製されることを特徴とする半導体装置。
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