JP2008100933A - 皮膚外用剤 - Google Patents
皮膚外用剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008100933A JP2008100933A JP2006283782A JP2006283782A JP2008100933A JP 2008100933 A JP2008100933 A JP 2008100933A JP 2006283782 A JP2006283782 A JP 2006283782A JP 2006283782 A JP2006283782 A JP 2006283782A JP 2008100933 A JP2008100933 A JP 2008100933A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- external preparation
- skin
- tranexamic
- salts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Abstract
【解決手段】1)トラネキサム酸、トラネキサム酸誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上と、2)パンテティン−S−スルホン酸、その塩及びクワ科植物のエキスから選択される1種乃至は2種以上とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
【選択図】なし
Description
(1) 1)トラネキサム酸、トラネキサム酸誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上と、2)パンテティン−S−スルホン酸、その塩及びクワ科植物のエキスから選択される1種乃至は2種以上とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(2) 1)トラネキサム酸、トラネキサム酸誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上と、2)パンテティン−S−スルホン酸及び/又はその塩と、3)クワ科植物のエキスとを含有することを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3) 前記トラネキサム酸誘導体は、トラネキサム酸アルキルアミドであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4) 前記クワ科植物のエキスは、クワ科クワの樹皮の抽出物であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(5) 水中油乳化剤形であることを特徴とする、(1)〜(4)の何れか一に記載の皮膚外用剤。
(6) 美白用化粧料である、(1)〜(5)の何れか一に記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤はトラネキサム酸類を必須成分として含有する。該トラネキサム酸類は、トラネキサム酸、トラネキサム酸の塩、トラネキサム酸誘導体及びトラネキサム酸誘導体の塩である。
上記トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸のアルキルアミド、エステル、多量体などが挙げられる。
上記トラネキサム酸のアルキルアミドとしては、炭素原子数1〜4のアルキルアミドが
例示できる。中でも、トラネキサム酸メチルアミド(トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミド)、トラネキサム酸エチルアミド(トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミド)が好適に例示できる。
上記トラネキサム酸のエステルとしては、炭素原子数1〜30のアルキルエステル、炭素原子数1〜30のアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基などが置換していてもよいフェニルエステルが例示できる。中でも、4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸が好適に例示できる。
上記トラネキサム酸の多量体としては、トラネキサム酸2量体(トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸)が例示できる。
上記誘導体についてはその製造方法は既に知られている。トラネキサム酸自身は既に有効成分として、医薬、化粧料で実績のあるものであり、試薬としてもアルドリッチ・ジャパン社などから購入することが出来る。上記トラネキサム酸の多量体は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等のペプチド合成試薬を利用して、重合させて合成することが出来る。
上記トラネキサム酸の塩及びトラネキサム酸誘導体の塩としては、通常、化粧料や医薬で使用される塩であれば特段の限定なく使用でき、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。
本発明の皮膚外用剤においては、上記トラネキサム酸類を単独でも、2種以上組み合わせても含有できる。上記トラネキサム酸類の含有量は、皮膚外用剤全量に対して上記トラネキサム酸類の総量で、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは、1〜5質量%である。0.1質量%未満の含有量では、メラニン産生抑制作用を発現しない場合が存し、10質量%を超える含有量では、メラニン産生抑制作用が頭打ちになり、徒に処方の安定性を損なう場合が存するからである。
本発明の皮膚外用剤は、パンテティン−S−スルホン酸、その塩及びクワ科植物のエキスから選択される1種乃至は2種以上を含有することを特徴とする。
上記パンテティン−S−スルホン酸は遊離酸のみではなく、塩の形で使用することも出来る。また、パンテティン−S−スルホン酸は光学的異性体が存在する。D−体、DL−体、いずれも本発明に使用できるが、好ましくはD−体である。
上記パンテティン−S−スルホン酸の塩としては、皮膚外用剤で使用されるものであれば、特段の限定無く使用でき、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。中でもアルカリ土類金属塩が好ましく、カルシウム塩が特に好ましい。これは皮膚外用剤の形態で生体利用性が高いためである。
上記パンテティン−S−スルホン酸及びその塩は既知の化合物であり、既に化粧料原料として市販されているものが存し、かかる市販品を購入して使用することが出来る。この様な市販品としては、パンテティン−S−スルホン酸のカルシウム塩である「パンテティンSスルホン酸CA−70」(相互薬工株式会社)が好適に例示できる。
上記エキスの作製に使用する植物体の部位としては、特段の限定はないが、葉、果実、樹皮などが好適に例示でき、樹皮を用いることが特に好ましい。
上記エキスとしては、圧搾液、溶媒抽出物或いはそれらの揮散成分除去物等が好ましく例示でき、溶媒抽出物が特に好ましい。該溶媒抽出物の作製に用いる抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく、水、或いは、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン等のアルコールが特に好ましく例示できる。中でも、1,3−ブタンジオールと水の混液(混合質量比1:9〜9:1)やエタノールと水の混液(混合質量比1:9〜9:1)が好ましく例示できる。この様な溶媒を用いた抽出は、クワ科植物の植物体1質量部に、溶媒1〜10質量部を加え、所望により攪拌を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬し、室温まで冷却した後、必要に応じて、濾過などで不溶物を取り除いて用いることが出来る。製造例については後述する。
また、上記エキスが本願発明の皮膚外用剤の製造に好適か、否かについては、下記に示すヒトメラノサイト単独培養系で上記エキスを1質量%の濃度で共存させた場合において、共存しなかった場合に比してメラノサイトの産生量が50%以下であるか否かで判断することが可能である。この様なスクリーニングは次に示す方法によって行われる。
(1)使用細胞
正常ヒト表皮メラノサイト(Darkly、クラボウ社製)
(2)培地
細胞増殖添加剤(HMGS)含有Medium 254(クラボウ社製)
(3)細胞培養方法、並びに細胞毒性及びメラニン産生抑制作用の評価方法
上記培地に上記細胞濃度が6×104 cells/mLとなるように細胞懸濁液を調製する。該細胞懸濁液を24穴プレート(MULTIWELLTM 24well、ベクトンディッキンソン社製)に、各ウェルの液量が0.5mLとなるように播種し、CO2インキュベーターにて37℃で、一晩(O/N)培養する。各ウェルの前記細胞培養液に被験物質を終濃度が目的濃度になるように添加後、各ウェルに[14C]−2−Thiouracil(0.25μCi)を添加し、CO2インキュベーターにて37℃で、72hr培養する。該培養後、各ウェルの培地を除去し、新しい上記培地を添加した後、WST−8(同仁化学研究所社製)(0.02mL))を添加し、CO2インキュベーターにて37℃で2〜3hr培養する。該培養後、各ウェルの培養液の吸光度を、プレートリーダー(MODEL680、バイオラッド社製)を用い450nm及び650nmの波長で測定し、450nmの吸光度から650nmの吸光度を差し引いた値を用いて細胞毒性を評価する。尚、評価は、被験物質を添加した培養液の吸光度に対する被験物質を添加しないコントロールの吸光度の比を用い、百分率で表す(以下、該百分率で表された値は細胞増殖率ともいう)。
該細胞毒性評価後、各ウェルの細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS(−))にて洗浄し、100%トリクロロ酢酸(TCA)溶液を添加後、さらに氷冷水を加え、TCAが10〜15%となるように調整し、チューブ(全容1.5mL)に回収する。該チューブに回収された細胞を含む調製液は氷中にて15min静置後、15,000rpm、4℃、5minで遠心して、上清を除去後、さらに氷冷10%TCAを添加し、5,000rpm、4℃、5minで遠心し、上清を除去する。これに、0.05mLのSoluene−350(パーキンエルマー社製)を添加し沈殿物を溶解後、1mLのAQUASOL−2(パーキンエルマー社製)を添加、攪拌し、14C活性(dpm)を液体シンチレーションカウンター(LSC−6100、アロカ社製)を用いて測定し、メラニン産生抑制作用を評価する。尚、評価は、被験物質を添加した培養系の14C活性に対する被験物質を添加しないコントロールの14C活性の比を用い、百分率で表す(以下、該百分率で表された値はメラニン産生率ともいう)。
クワ科クワ属クワの樹皮1Kgに50%エタノール水溶液10Kgを加え、攪拌下3時間加熱還流を行い、室温まで冷却した後、濾過で不溶物を取り除き、エキス1(ソウハクヒエキス)を得た。上記メラニン産生抑制作用の評価方法における被験物質として、このエキス1を、1質量%濃度(終濃度)となるように添加し評価した結果、メラニン産生率は43%であった。
製造例1の50%エタノール水溶液を50% 1,3−ブタンジオール水溶液に代えて、同様に操作し、エキス2を得た。上記メラニン産生抑制作用の評価方法における被験物質として、このエキス2を、1質量%濃度(終濃度)となるように添加し評価した結果、メラニン産生率は50%以下であった。
この様な作用を発揮するためには、パンテティン−S−スルホン酸及び/又はその塩(以下、パンテティン−S−スルホン酸等ともいう)であれば、皮膚外用剤全量に対して上記パンテティン−S−スルホン酸等の総量として、0.001〜0.1質量%含有させることが好ましく、より好ましくは、0.005〜0.05質量%である。
一方、クワ科植物のエキスであれば、皮膚外用剤全量に対して上記クワ科植物のエキスを0.1〜10質量%含有させることが好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。或いは、上記クワ科植物のエキスは、上記メラニン産生抑制作用の評価方法において、メラニン産生率が50%以下となる濃度を少なくとも含有させることが好ましい。
パンテティン−S−スルホン酸等と、クワ科植物のエキスとは、それぞれを単独で含有させることも出来るし、両者をともに含有させることも出来る。特に好ましいのは、効果が増大する、パンテティン−S−スルホン酸等と、クワ科植物のエキスとをともに含有する形態である。パンテティン−S−スルホン酸等及びクワ科植物のエキスの含有量が上記下限値を下回った場合には、トラネキサム酸のメラニン産生抑制作用を増強出来ない場合が存し、上記上限値を超えてもトラネキサム酸のメラニン産生抑制作用を増強作用は頭打ちになり、処方自由度を阻害する場合が存する。
また、パンテティン−S−スルホン酸等とトラネキサム酸類の組合せによるメラニン産生抑制作用の相乗効果の発揮には、パンテティン−S−スルホン酸等とトラネキサム酸類の質量比が1:100000〜1:10が好ましく、1:10000〜1:100がより好ましく、1:1000〜1:200が特に好ましい。
一方、クワ科植物のエキスとトラネキサム酸類の組合せによるメラニン産生抑制作用の相乗効果の発揮には、クワ科植物のエキスとトラネキサム酸類の質量比が100:1〜1:100が好ましく、10:1〜1:10がより好ましく、2:1〜1:2が特に好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分を含有することを特徴とする。ここで、本発明における皮膚外用剤とは、皮膚に外用で投与されるものであれば特段の限定はなく、例えば、医薬部外品を包含する化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が好適に例示できる。特に好ましいものは、化粧料であり、特にメラニン産生抑制作用に基づく美白のための医薬部外品が好適に例示できる。これはトラネキサム酸類がメラニン産生抑制作用に基づく美白作用の有効成分であることを厚生労働省によって認められているためである。その一方、トラネキサム酸類には、抗炎症作用も存することが知られており、抗炎症作用を目的作用とする医薬部外品も存する。この様な抗炎症作用を目的作用とする医薬部外品であっても、「1)トラネキサム酸、その塩及びその誘導体から選択される1種乃至は2種以上と
、2)パンテティン−S−スルホン酸、その塩及びクワ科植物のエキスから選択される1種乃至は2種以上とを含有する」と言う構成を充足する限りにおいて、本発明の皮膚外用剤の技術的範囲に属する。
脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;脂肪酸ナトリウム石鹸、脂肪酸カリウム石鹸などの脂肪酸石鹸;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・アルキルメタクリレートコポリマーなどの保水性ポリマー及び/又はその塩、トレハロース、硫酸化トレハロース及び/又はその塩等の保水性糖誘導体などが例示できる。
エステル油類としては、1気圧、25℃の条件で液状の性状を示す分岐鎖脂肪酸のエステルと、1気圧、25℃の条件で固体の性状を示す直鎖脂肪酸のトリグリセライド或いは直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールのエステルとを1:4〜2:1の割合に組み合わせて、含有させることが好ましい。前記分岐鎖脂肪酸のエステルとしては、イソオクタン酸セチル、ネオペンチルグリコールジイソオクタネート、イソオクタン酸トリグリセリド、イソステアリン酸トリグリセリド、イソステアリン酸イソステアリルなどが好ましく例示でき、前記直鎖脂肪酸のトリグリセライドとしては、水添ヤシ油、水添牛脂、水添オリーブ油などの水添油脂や「ウィテプゾルE75」(ヒュルスA.G.製)、カプリン酸トリグリセリドなどの合成飽和脂肪酸トリグリセリドが例示でき、直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールのエステルとしては、ミツロウ、「合成ゲイロウ」(油化産業株式会社製)、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチルなどが好適に例示できる。これらの油脂の総量は、皮膚外用剤全量に対して、1〜10質量%が好ましく例示できる。
高級アルコールとしては、飽和の高級アルコールを含有することが好ましく、該飽和の高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールの混合物)、ベヘニルアルコールなどが好ましく例示できる。かかる成分は皮
膚外用剤全量に対して、1〜10質量%含有されることが好ましい。
乳化剤としては、非イオン界面活性剤と脂肪酸石鹸の組み合わせ、或いは、非イオン界面活性剤のみを用いることが好ましく、前記非イオン界面活性剤としてはポリオキシエチレンが付加していても良いソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加していても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが好適に例示でき、脂肪酸石鹸としては脂肪酸ナトリウム石鹸乃至は脂肪酸カリウム石鹸が好適に例示できる。非イオン界面活性剤の好ましい含有量は皮膚外用剤全量に対して、1〜5質量%であり、4.5質量%以下であることが特に好ましい。脂肪酸石鹸の好ましい含有量は皮膚外用剤全量に対して、1〜3質量%である。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン(フェニルメチコン)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(シクロメチコン)などの1気圧、25℃で液状のものを含有することが好ましく、皮膚外用剤全量に対して、0.5〜5質量%含有することが好ましい。
また、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・アルキルメタクリレートコポリマーなどの保水性ポリマー及び/又はその塩、トレハロース、硫酸化トレハロース及び/又はその塩等の保水性糖誘導体を含有することが好ましく、これらの含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.005〜1質量%が好ましい。かかる保水性ポリマー、保水性糖誘導体を含有することにより、色素沈着に引き続いて起こりやすい、皮膚バリア機能の低下を抑制することが出来る。この為に、これらの成分を含有することは本発明の皮膚外用剤において特に好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、これまで述べた必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより製造することができる。本発明の皮膚外用剤は、皮膚に塗布することができるものであれば特に限定されず、ローション、乳液、エッセンス、クリーム、オイルゲル、水性ゲルなどの剤形を挙げることができる。本発明の皮膚外用剤としては、乳液乃至はクリームなどの乳化剤形、より好ましくは、水中油乳化剤形であることが好ましい。
[メラノサイト・ケラチノサイト共培養系での検討]
(1) 使用細胞
正常ヒト表皮メラノサイト(Darkly、クラボウ社製)及び正常ヒト成人乳房表皮ケラチノサイト (クラボウ社製)
(2) 培地
細胞増殖添加剤(HMGS)含有Medium 254(クラボウ社製)及び細胞増殖添加剤(HKGS)含有Humedia−KB2(クラボウ社製)
(3) 細胞培養方法、並びに細胞毒性及びメラニン産生抑制作用の評価方法
上記培地に上記正常ヒト表皮メラノサイト(Darkly、クラボウ社製)及び正常ヒト成人乳房表皮ケラチノサイトの濃度がそれぞれ6×104 cells/mLとなるように細胞懸濁液を調製する。該二種の細胞を有する細胞懸濁液を24穴プレート(MULTIWELLTM 24well、ベクトンディッキンソン社製)に、各ウェルの液量が0.5mLとなるように播種し、CO2インキュベーターにて37℃で、一晩(O/N)培養する。各ウェルの前記細胞培養液に表1に示す被験物質を表1に示す終濃度となるように添加後、各ウェルに[14C]−2−Thiouracil(0.25μCi)を添加し、CO2インキュベーターにて37℃で、72hr培養する。該培養後、各ウェルの培地を除去し、新しい上記培地を添加した後、WST−8(同仁化学研究所社製)(0.02mL)を添加し、CO2インキュベーターにて37℃で2〜3hr培養する。該培養後、各ウェルの培養液の吸光度を、プレートリーダー(MODEL680、バイオラッド社製)
を用い450nm及び650nmの波長で測定し、450nmの吸光度から650nmの吸光度を差し引いた値を用いて細胞毒性を評価する。尚、評価は、被験物質を添加した培養液の吸光度に対する被験物質を添加しないコントロールの吸光度の比を用いる(百分率で表す)。
該細胞毒性評価後、各ウェルの細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS(−))にて洗浄し、100%トリクロロ酢酸(TCA)溶液を添加後、さらに氷冷水を加え、TCAが10〜15%となるように調整し、チューブ(1.5mL)に回収する。該チューブに回収された細胞を含む調製液は氷中にて15min静置後、15,000rpm、4℃、5minで遠心して、上清を除去後、さらに氷冷10%TCAを添加し、5,000rpm、4℃、5minで遠心し、上清を除去する。これに、0.05mLのSoluene−350(パーキンエルマー社製)を添加し沈殿物を溶解後、1mLのAQUASOL−2(パーキンエルマー社製)を添加、攪拌し、14C活性(dpm)を液体シンチレーションカウンター(LSC−6100、アロカ社製)を用いて測定し、メラニン産生抑制作用を評価する。尚、評価は、被験物質を添加した培養系の14C活性に対する被験物質を添加しないコントロールの14C活性の比を用い、百分率で表す(非特許文献2を参照)。
表2に示す処方に従い、本発明の皮膚外用剤である、クリーム1を製造した。即ち、イ、ロの成分をそれぞれ80℃に加温して、攪拌下、イにロを徐々に加え乳化し、攪拌冷却してクリーム1を得た。該クリーム1は優れた美白作用を有していた。
表3に示す処方に従い、実施例2と同様の方法で、クリーム2を製造した。該クリーム2は優れた美白作用を有していた。
表4に示す処方に従い、実施例2と同様の方法で、クリーム3を製造した。
Claims (6)
- 1)トラネキサム酸、トラネキサム酸誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上と、2)パンテティン−S−スルホン酸、その塩及びクワ科植物のエキスから選択される1種乃至は2種以上とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
- 1)トラネキサム酸、トラネキサム酸誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上と、2)パンテティン−S−スルホン酸及び/又はその塩と、3)クワ科植物のエキスとを含有することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 前記トラネキサム酸誘導体は、トラネキサム酸アルキルアミドであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- 前記クワ科植物のエキスは、クワ科クワの樹皮の抽出物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- 水中油乳化剤形であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 美白用化粧料である、請求項1〜5の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006283782A JP5627830B2 (ja) | 2006-10-18 | 2006-10-18 | 皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006283782A JP5627830B2 (ja) | 2006-10-18 | 2006-10-18 | 皮膚外用剤 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012234694A Division JP5694271B2 (ja) | 2012-10-24 | 2012-10-24 | 皮膚外用剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008100933A true JP2008100933A (ja) | 2008-05-01 |
JP5627830B2 JP5627830B2 (ja) | 2014-11-19 |
Family
ID=39435548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006283782A Active JP5627830B2 (ja) | 2006-10-18 | 2006-10-18 | 皮膚外用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5627830B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010168337A (ja) * | 2008-12-22 | 2010-08-05 | Pola Chem Ind Inc | ヒドロキシカルボン酸誘導体を含有する皮膚外用剤 |
KR101056656B1 (ko) | 2008-11-26 | 2011-08-16 | (주)아모레퍼시픽 | 신경 전달 물질 분비 억제를 통한 피부 미백 화장료 조성물 |
JP2018115181A (ja) * | 2013-04-04 | 2018-07-26 | ヒュンダイ ファーム カンパニー リミテッド | 皮膚透過が改善された外用剤組成物 |
CN112076114A (zh) * | 2020-10-12 | 2020-12-15 | 广州市科能化妆品科研有限公司 | 美白粉剂及其制备方法与应用 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0193519A (ja) * | 1987-10-02 | 1989-04-12 | Shiseido Co Ltd | 抗色素沈着外用剤 |
JPH03112915A (ja) * | 1989-09-28 | 1991-05-14 | Sogo Yatsukou Kk | 美白剤 |
JPH10265321A (ja) * | 1997-03-19 | 1998-10-06 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用剤 |
JP2003113071A (ja) * | 2001-09-17 | 2003-04-18 | L'oreal Sa | パンテチンスルホン酸及び/またはその塩の、フリーラジカル捕捉剤としての使用 |
JP2005314403A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Dai Ichi Seiyaku Co Ltd | 新規美白用組成物 |
-
2006
- 2006-10-18 JP JP2006283782A patent/JP5627830B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0193519A (ja) * | 1987-10-02 | 1989-04-12 | Shiseido Co Ltd | 抗色素沈着外用剤 |
JPH03112915A (ja) * | 1989-09-28 | 1991-05-14 | Sogo Yatsukou Kk | 美白剤 |
JPH10265321A (ja) * | 1997-03-19 | 1998-10-06 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用剤 |
JP2003113071A (ja) * | 2001-09-17 | 2003-04-18 | L'oreal Sa | パンテチンスルホン酸及び/またはその塩の、フリーラジカル捕捉剤としての使用 |
JP2005314403A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Dai Ichi Seiyaku Co Ltd | 新規美白用組成物 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
JPN6009008844; 機能性化粧品III , 20000101, pp.27-35, 株式会社シーエムシー * |
JPN6011043808; 新しい化粧品素材の効能・効果・作用(下) , 19980831, pp.402-407,444-447, 株式会社シーエムシー * |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101056656B1 (ko) | 2008-11-26 | 2011-08-16 | (주)아모레퍼시픽 | 신경 전달 물질 분비 억제를 통한 피부 미백 화장료 조성물 |
JP2010168337A (ja) * | 2008-12-22 | 2010-08-05 | Pola Chem Ind Inc | ヒドロキシカルボン酸誘導体を含有する皮膚外用剤 |
JP2018115181A (ja) * | 2013-04-04 | 2018-07-26 | ヒュンダイ ファーム カンパニー リミテッド | 皮膚透過が改善された外用剤組成物 |
US10292955B2 (en) | 2013-04-04 | 2019-05-21 | Hyundai Pharm Co., Ltd. | Composition for external use preparation with improved transdermal permeability |
CN112076114A (zh) * | 2020-10-12 | 2020-12-15 | 广州市科能化妆品科研有限公司 | 美白粉剂及其制备方法与应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5627830B2 (ja) | 2014-11-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4605774B2 (ja) | 美白剤、美白用皮膚外用剤および美白方法 | |
JP4688683B2 (ja) | I型コラーゲン産生促進剤および抗しわ剤 | |
JP4091824B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP3863675B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
EP2127636A1 (en) | Anti-wrinkle agent and adam inhibitor | |
JP2010138154A (ja) | エージング対応用の皮膚外用剤 | |
JP5694271B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2003277223A (ja) | マトリックスメタロプロテアーゼ活性阻害剤および皮膚弾力性維持化粧料。 | |
JP5627830B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2003048812A (ja) | エラスターゼ阻害剤及び抗老化用化粧料 | |
JP2003252748A (ja) | 美白用化粧料 | |
JP2003034631A (ja) | 線維芽細胞増殖促進剤及び抗老化用化粧料 | |
JP2001002558A (ja) | 美白化粧料 | |
JP4828077B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2006151831A (ja) | 抗酸化剤、dna損傷抑制剤、又は皮膚外用剤 | |
JP6086706B2 (ja) | 高い紫外線吸収効果を有する皮膚外用組成物 | |
JP2002275081A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2009269851A (ja) | プロスタグランジンe2産生抑制剤及びその利用 | |
JP4842550B2 (ja) | チロシナーゼ活性阻害剤、メラニン産生抑制剤及び美白用皮膚外用剤 | |
JP2007099654A (ja) | 保湿用の化粧料セット | |
JP2007308381A5 (ja) | ||
JPH11222412A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2007161645A (ja) | リパーゼ阻害剤またはニキビ用皮膚外用剤 | |
JP2005089427A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2009221153A (ja) | 顔色改善剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090825 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110811 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110823 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111018 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120724 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121024 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20121206 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20130208 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141001 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5627830 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |