JP2008100512A - 可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子を含有する多色可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子を含有する多色可逆性感熱記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】可逆性感熱記録媒体の地肌着色の低減に有効であるとともに、可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子を少なくとも2種類以上用いた実用性の高い多色可逆性記録媒体を提供すること。
【解決手段】加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる電子供与性化合物を、樹脂で内包した可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子であって、色調の異なる少なくとも2種類以上の該可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセルが、単一記録層中に含有していることを特徴とする多色可逆性感熱記録媒体。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御することにより発色と消去が可能な可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子を用いた多色可逆性感熱記録媒体に関する。
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などの出力用紙として、また最近ではプリペイドカードやポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。しかし、これら実用化されている従来の記録媒体は環境問題上、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することはできないし、新しい情報は画像が記録されていない部分に追記されるぐらいで記録可能な部分の面積は限られている。そのため、記録する情報量を減らしたり、記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。そこで、近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景に、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれていた。
ところで、これらの要求から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。例えば、透明・白濁という物理的変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録媒体が開示されている(特許文献1、2参照)。また、新たに化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されている。具体的には、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組合せを用いるもの(例えば、特許文献3参照)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いるもの(例えば、特許文献4参照)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有するもの(例えば、特許文献5、6、7参照)、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いたもの(例えば、特許文献8参照)、などが開示されている。
これらの可逆性感熱記録媒体に用いられるロイコ染料は、特に紫外線に対する安定性が悪いために、紫外光の照射によって分解がおきてしまい、褐色に着色するなどの問題がある。
そこで、本発明者らは、先に記録層上に紫外線吸収性の無機フィラーを含有する保護層を設けることを提案し、これによって、記録層への紫外光をカットすることで、耐光性を向上させることができた(特許文献9)。しかしながら、特許文献9に記載の可逆性感熱記録媒体の作製方法はロイコ染料と顕色剤、樹脂等を溶媒に分散または溶解して塗布・乾燥して記録層にした後、保護層など積層した際に、ロイコ染料の一部が保護層塗工に用いる溶剤に溶けて記録媒体の表面層に滲み出してしまい、光照射によって着色してしまう問題があった。
本発明者らは、次に記録層中に架橋状態にある樹脂を用いることで、記録層から保護層への染料の溶解による拡散を防止することを提案した(特許文献10)。しかしながら、この方法によってロイコ染料の保護層への拡散は防止できるものの、記録層と保護層の接着性が低下し、記録媒体を曲げた場合などに記録層と保護層の界面から剥離が生じる問題を有していた。
また、特許文献11には可逆性感熱記録媒体の構成の例として、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物をマイクロカプセル化する構成が例示されているが、この例示はモノマーなどを界面で重合させてカプセル壁を作製するものであり、さらに、具体的な実施例も提示されていない。
ところで、発色温度、消色温度、冷却速度などが異なるロイコ染料を用いた記録層を分離、独立した状態で有する構造の可逆性感熱多色記録媒体に関する開示がなされている。
(特許文献12、13、14、15、16、17、18、19、20参照)
これらの特許文献にはマイクロカプセルを用いて多色の可能を記述してある場合があるが(特許文献12、13、14、16、19、20)、マイクロカプセルを作製する樹脂が例示されているだけであって、具体的な作製方法などの例示はなく、マイクロカプセルを用いた場合の有効性などの具体的な記述はなく、実用性に欠けるのが現状である。
一方で、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物と光熱変換材料をマイクロカプセルに内包し記録層中に分散し、レーザー光を吸収して発熱するものが開示されている。(例えば、特許文献21、22参照)
しかしながら、これらの記録媒体は光熱変換材料が着色しているため、地肌部の白色度が低いという問題があった。また、レーザー光を繰返し当てることで、ロイコ染料が構造変化をおこし変色してしまう問題がある。またさらに、異なる波長を用いる必要があるために、レーザー照射部位を複数個有する必要があり、サーマルヘッドによる記録装置に比べ、小型化が困難であったり、高価であるなどの問題がある。加えて、レーザー照射により光−熱変換されたエネルギーが記録層に効率よく伝わらず、充分な発色が得られず、その結果、記録に要する時間が長くなる等の問題がある。
特開昭63−107584号公報 特開平4−78573号公報 特開昭60−193691号公報 特開昭61−237684号公報 特開昭62−138556号公報 特開昭62−138568号公報 特開昭62−140881号公報 特開昭63−173684号公報 特開平10−100541号公報 特開平10−230680号公報 特開平5−124360号公報 特開平6−305247号公報 特開平6−328844号公報 特開平6−79970号公報 特開平8−164669号公報 特開平8−300825号公報 特開平9−52445号公報 特開平11−138997号公報 特開2001−162941号公報 特開2002−59654号公報 特開2005−205882公報 特開2004−74583号公報
本発明は、可逆性感熱記録媒体の地肌着色の低減に有効であるとともに、可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセルを少なくとも2種類以上用いた実用性の高い多色可逆性記録媒体を提供することを目的とする。
多色感熱記録への要望は大きく、研究が盛んに行なわれているが、実用的に満足できる記録媒体がいまだ見出されていない。
本発明者らは、鋭意研究の結果、多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子を用いることで、実用性の高い可逆性多色感熱記録体が供給できることを見出した。加えて、地肌の着色の原因を解析したところ、ロイコ染料の保護層への拡散を防止することにより地肌部の着色が低減でき、特にロイコ染料と顕色剤をマイクロカプセル化することによってロイコ染料の拡散を防ぐことができることがわかった。さらに、種々のカプセル化について検討した結果、多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子を用いることで繰り返し時の耐久性に優れることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題は本発明の下記(1)〜(5)によって解決される。
(1)「加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる電子供与性化合物と電子受容性化合物を、樹脂で内包した可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子であって、色調の異なる少なくとも2種類以上の該可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセルが、単一記録層中に含有していることを特徴とする多色可逆性感熱記録媒体」;
(2)「前記多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子が、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物をカプセル化樹脂と共に有機溶剤を用いて分散あるいは溶解して得たカプセル粒子形成液を、水中で乳化した後に溶剤を留去することにより作製された多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子であることを特徴とする前記(1)に記載の多色可逆性感熱記録媒体」;
(3)「前記可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子内の樹脂が架橋状態にあることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の多色可逆性感熱記録媒体」;
(4)「前記可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子の周囲にあるマトリックス樹脂が架橋状態にあることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の多色可逆性感熱記録媒体」;
(5)「前記マイクロカプセル微粒子内の樹脂とマトリックス樹脂のうちの少なくとも1種類が異なる組成の樹脂であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の多色可逆性感熱記録媒体」。
本発明の可逆性感熱記録媒体の記録層に含有させる可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子は、可逆的な発色/消色が可能なものであり、さらに、熱の制御により多色化が容易に可能である。そのため、この可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子を記録層に含有させた本発明の多色可逆性感熱記録媒体は、発色性、耐光性に優れ、発色と消去を多数回繰返し行なった場合においても、記録媒体表面にワレ、はがれのない良好な状態であり実用性の高い記録媒体である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の可逆発色性多芯単皮膜カプセル微粒子を用いた多色可逆性感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。
図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度Tでロイコ染料と顕色剤が溶融混合し、発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固定された発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度Tで消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
本発明では、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤(ロイコ染料)が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。
本発明で用いられる多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子は、微細粒子を樹脂中に分散状態でカプセル化したものであって、上記の特許文献11、12、21にある公知のマイクロカプセル化の例として記載されている、粒子の表面にカプセル壁を有したものとは異なった構成のものである。
上記の特許文献に記載のマイクロカプセルが有するカプセル壁は、カプセル粒子表面に薄い架橋膜あるいは重合膜を設けたものであり、堅く薄いカプセル壁となっている。このような薄くて堅いカプセル壁を持ったマイクロカプセルを可逆性感熱記録媒体に用いた場合には、記録/消去時のサーマルヘッドによる加熱と圧力によって壁が壊れてしまい、記録時の発色濃度の低下や、消去時の消し残りなどの問題を生じている。
一方、本発明のマイクロカプセル粒子はこのようなカプセル壁を持たないため、上記のような問題を生じず、良好な記録媒体が得られる。
さらに、特許文献17のような異なる色調を有する記録層を積層した場合、積層では上層と下層の温度の不均一性が現れ、それは発色性、消色性に大きく影響を及ぼす。多色記録媒体の場合、精密な温度の制御が要求されることから、このような温度の不均一性は色調、色彩、濃度、消去性に大きな問題となる。
しかし、本発明で用いられている単一記録層中に複数種類のマイクロカプセル微粒子を含有する可逆性感熱記録媒体の場合、サーマルヘッドやヒートローラーからの加熱が均一に与えられるために、良好な画像が得られることが分かった。
本発明の多芯単皮膜型マイクロカプセルを用いた記録媒体は、従来公知のメラミン−ホルマリン樹脂などの壁材からなるカプセル壁を有した多重皮膜カプセル(例えば、特許文献21に記載)を用いた場合に比べ、繰り返し使用した際の耐久性に優れるものである。この理由は定かではないが、繰り返しかけられる熱履歴に対して、多重皮膜カプセルでは内部の樹脂とカプセル壁面との間などに微小なクラックが発生してしまい、結果として記録媒体表面へのクラックが発生している可能性がある。
本発明で用いる可逆発色性多芯単皮膜カプセルはポリマー溶解懸濁法などによって作製することができ、例えば、ロイコ染料と顕色剤をカプセル化樹脂と共に有機溶剤を用いて分散あるいは溶解して得たカプセル粒子形成液を、水中で乳化した後に溶剤を留去することで作製される。
図2に本発明で用いられる可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子の概略図を示す。図2に示すように電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物は、いずれも芯物質としてカプセル化樹脂内で分散されている。
なお、電子供与性呈色性化合物はカプセル化樹脂中に溶解していてもよい。
本発明で用いられるマイクロカプセル微粒子は0.5〜10μmが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5μmが好ましい。0.5μm未満の場合では、発色濃度が低くなるなどの問題があり、また10μmよりも大きい場合には記録媒体作製時に均一な塗工が困難となり、発色濃度むらの原因となる。
また、さらに本発明では、支持体上に該可逆発色性多芯単皮膜カプセル微粒子をマトリックス樹脂と共に塗布乾燥して、可逆性感熱記録層を設けて可逆性感熱記録媒体を提供することができる。
図3及び図4に本発明の可逆性感熱記録媒体の概略図を示す。図3に示すように、複数種類のマイクロカプセル微粒子(2)をマトリックス樹脂(3)中に分散した記録層(4)が支持基板(1)上に積層された可逆性感熱記録媒体である。
本発明の多色可逆性記録媒体を用いた画像形成方法について説明する。
尚、これらの画像形成方法は、本発明の多色可逆性感熱記録媒体を用いた一例であって、何ら限定されるものではない。
図3、図4は、前記したように複数種類のマイクロカプセルが含有された多色可逆性感熱記録媒体の例である。これらは単一記録層中に均一に含有されているため、熱の拡散、蓄熱を防ぐことができる。
図5で示す複数種類のマイクロカプセルが含有された多色可逆性記録媒体おいて、横軸は温度、縦軸は発色濃度を示している。図中の実線のカーブは消色状態から温度を上げていったときの濃度変化を示しており、例えばマイクロカプセルAでは濃度がT4付近になると発色状態となる。図5で示すマイクロカプセルを用いた場合、マイクロカプセルA、B、Cでは発色温度はほぼ等しく、T4付近である。図中の鎖線にカーブは発色状態の記録層温度を室温から上げていったときの濃度変化を示しており、例えばマイクロカプセルAでは濃度がT3付近になると消色する。このT3をマイクロカプセルAの消去温度とする。マイクロカプセルBはT2、T3、マイクロカプセルCではT1、T2、T3が消去温度である。
次に、図5で示す同じ発色温度と消去温度を持つ多色可逆性記録媒体を用いた記録方法の一例を示す。
マイクロカプセルAの色を例えばA色とすると、マイクロカプセルに依存した色を与える。消色している状態からT4にまで温度を上げると、記録媒体においてA色、B色、C色が混合された混色が得られる(初期状態)。この初期状態の記録媒体を、すべてのマイクロカプセルの消去温度に相当するT3に加熱すると白色の消去状態となる。加えて初期状態から、T2に加熱すると、マイクロカプセルB、Cの消去温度であるので、記録媒体はA色を与える。さらに初期状態からT1に加熱すると、マイクロカプセルCの消去温度であるので、記録媒体はA色とB色の混合色を与える。
図6で示す複数種類のマイクロカプセルが含有された多色可逆性記録媒体おいて、横軸は温度、縦軸は発色濃度を示している。図中の実線のカーブは消色状態から温度を上げていったときの濃度変化を示しており、例えばマイクロカプセルDでは濃度がT10付近になると発色状態となる。図6で示すマイクロカプセルを用いた場合、マイクロカプセルD、E、Fでは発色温度範囲はそれぞれ、T10、T9〜T10、T8〜T10である。図中の鎖線にカーブは発色状態の記録層温度を室温から上げていったときの濃度変化を示しており、例えばマイクロカプセルDでは温度がT7〜T9の範囲になると消色が可能である。このT7〜T9をマイクロカプセルDの消去温度範囲とする。マイクロカプセルEの消去温度範囲はT6〜T8で、マイクロカプセルFの消去温度範囲はT5〜T7である。
次に、図6で示す同じ発色温度と消去温度を持つ多色可逆性記録媒体を用いた記録方法の一例を示す。
消色している状態からT10にまで温度を上げると、すべてのマイクロカプセルの発色温度範囲であるから記録媒体においてD色、E色、F色が混合された混色が得られる(初期状態)。また、T9まで加熱するとE色とF色の混色が得られ、T8まで加熱するとF色が得られる。E色のみを表示したい場合はT9まで一旦加熱した後、T8で再加熱をすることでE色が得られる。初期状態からマイクロカプセルE及びFの消去範囲であるT6で加熱するとD色が表示される。マイクロカプセルFのみの消去範囲であるT5で加熱するとD色とE色の混色が表示される。加えて、初期状態の記録媒体を、すべてのマイクロカプセルの消去温度範囲であるT7に加熱すると白色の消去状態となる。このように、図6のような多色記録媒体を用いることで、熱の制御によるフルカラー化が可能となる。
本発明で用いられるロイコ染料としては、この種の可逆性感熱記録媒体に一般的に用いられる化合物をマイクロカプセル内に1種または2種以上用いることができ、たとえば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物など公知の染料前駆体である。これらの化合物の例としては、特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−230680号公報などに記載のロイコ染料である。
なかでも特に好ましい例としては、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(3−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、などが挙げられる。
また、本発明において顕色剤としては、下記式で示される炭素数8以上の脂肪族基を有するフェノール化合物が特に好ましく用いられる。
Figure 2008100512

(式中、X及びXは直接結合手または−NH−、−CO−、−O−、−SO−、−S−から選ばれる2価の基、或いはこれら2価の基を2個以上組み合わせた2価の基を示す。ただし、X及びXは同時に直接結合手であることはない。Rは炭素数1〜22の2価の炭化水素基を表わし、Rは炭素数8〜30の炭化水素基を表わす。また、pは0〜4の整数を表わし、pが2〜4のとき繰り返されるRおよびXは同一でも、異なっていてもよい。また、pが0のとき、Xは直接結合手ではない。さらに、qは1〜3の整数を表わす。)
具体的には、RおよびRは置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、これらは脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、また、これらの両方から構成される炭化水素基でもよい。また脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。炭化水素基につく置換基としては、水酸基、ハロゲン、アルコキシ基等がある。
の炭素数は1〜22であり、炭素数が22を超えると原料入手が困難になり、また、合成も行ないにくくなるため好ましくない。
また、Rの炭素数は8〜30であり、炭素数が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好ましい。炭素数が30を超えると原料入手が困難になり、また、合成も行ないにくくなるため好ましくない。
及びXは直接結合手または下記表1に示すヘテロ原子を含む2価の基を示し、
Figure 2008100512

好ましくは、表1で表わされる基を少なくとも1個以上有する2価の基を表わす。
その具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2008100512
本発明におけるフェノール化合物の具体的な例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、フェノール化合物を単独または混合して用いることもできる。
Figure 2008100512
(式中のr、sは前記のRおよびRの炭素数を満足する整数を表わす)等が挙げられる。
また、これらの他にも、たとえば特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−95175号公報、特開平9−290563号公報、特開平11−188969号公報、特開平11−99749号などに記載の顕色剤を用いることができる。
本発明において用いられるカプセル化樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、等が挙げられる。
中でも、特に架橋状態にある樹脂が好ましく用いられ、具体的にはアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
更に、本発明において好ましくは、水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂が含有される(当初用いられる)が、水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂としては、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂などが用いられるが、特に発色の安定性が良好で、消色性が良好であることから、アクリルポリオール樹脂が好ましく用いられる。水酸基価としては70(KOHmg/g)以上であり、特に好ましくは90(KOHmg/g)以上である。水酸基価の大小は架橋密度に影響するため塗膜の耐化学薬品性、物性などを左右する。本発明者らは、水酸基価が70(KOHmg/g)以上で耐久性が向上することから特に好ましく用いられる。
また、アクリルポリオール樹脂においては構成の違いによってその特性に違いがあり、水酸基モノマーとしてヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、2−ヒドロキシブチルモノアクリレート(2−HBA)、1,4―ヒドロキシブチルモノアクリレート(1−HBA)などが用いられるが、特に第1級水酸基をもつモノマーを使用した方が塗膜のワレ抵抗性や耐久性がよいことから、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく用いられる。
本発明に用いられる架橋剤としては、従来公知のイソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物等が挙げられる。その中でもイソシアネート系架橋剤が好ましく用いられる。ここで用いられるイソシアネート系化合物は、公知のイソシアネート単量体のウレタン変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ブロックドイソシアネートなどの変性体から選択される。また、変性体を形成するイソシアネート単量体としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネートNDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。
また、本発明においては、さらに、上記の顕色剤、ロイコ染料とともに、直鎖の炭化水素基やアミド基や尿素基などの水素結合基などをもった発色消色制御剤を用いることにより、発色画像の保存安定性が良好であるとともに、消色時の消色性も向上して良好な消去性を得ることができる。
これらの顕色剤、ロイコ染料、樹脂を分散または溶解させる溶剤としては、非水溶性の有機溶剤が好ましく用いられ、例えば、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル類、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、その他にエーテル類などを単独または混合して用いることができる。
本発明では、以上に示されたロイコ染料、顕色剤などをカプセル化樹脂と共に溶剤中に分散あるいは溶解させることでカプセル形成液を調整するが、分散の方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、ペイントシェイカー、サンドミルなどで分散することができる。分散粒子径、即ちカプセル中に含まれる芯材の粒子径としては5μm以下、0.5μm以上が好ましく、さらに1μm以下が特に好ましく用いられる。
尚、架橋剤を用いる場合には分散終了後にカプセル形成液に投入することが好ましい。
さらに、本発明においては、以上のように作製したカプセル形成液を、水中でホモジナイザーなどを使用して乳化した後に溶剤を留去して、可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子を作製するが、乳化の際には界面活性剤を用いることが好ましい。
本発明において用いられる界面活性剤はノニオン系、カチオン系、アニオン系の界面活性剤が用いられ、好ましくは、ノニオン系、カチオン系の界面活性剤が用いられる。具体例としては以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、界面活性剤を単独または混合して用いることもできる。
ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル、ポリオキシアルキレンイソトリデシルエーテル、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム液、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、第四級アンモニウム塩、等が挙げられる。
また、さらに本発明においては、可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子を支持体上にマトリックス樹脂とともに塗布乾燥して記録層を形成し、可逆性感熱記録媒体を作製することができる。
用いられる支持体としては、紙、樹脂フィルム、PETフィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、感熱記録層を保持できるものであればよい。また、必要に応じた厚みのものが単独あるいは貼り合わす等して用いることができる。すなわち、好ましくは60〜150μmで、数μm程度から数mm程度まで任意の厚みの支持体が用いられる。
また、本発明で用いられるマトリックス樹脂としては、前記のマイクロカプセル化樹脂と同様な樹脂が使用でき、さらにヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ゼラチンなど水溶性樹脂を用いることができる。さらに、これらのマトリックス樹脂も架橋剤によって架橋することができる。
本発明においては、マイクロカプセル微粒子内の樹脂とマトリックス樹脂のうちの少なくとも1種類が異なる組成の樹脂である場合が特に優れており好ましい。
本発明においては、マイクロカプセル微粒子内の樹脂とマトリックス樹脂のうち少なくとも1種類が異なる組成の樹脂である場合には、例えば、比熱の異なる樹脂を用いることで温度の制御を行なうことや、硬度や粘度の異なる樹脂を用いることで記録媒体の物理的、機械的強度を保ちながら組成物の発色消色特性を向上させることが期待でき、記録媒体設計の簡便さの点で優れており好ましい。
また、本発明によれば、接着性改良などのために記録層と保護層の間に中間層を設けることができる。
該中間層に用いられる樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが広く用いられ、その例としてはポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
さらに、本発明によれば、可逆性感熱記録層上に架橋状態にある樹脂を含有する保護層を設けることができる。該保護層に用いられる樹脂としては、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂が用いられる。
該保護層中に用いる樹脂として、紫外線吸収基を分子構造中に有した紫外線吸収性ポリマーが好ましく用いられる。
紫外線吸収性ポリマーとしては紫外線吸収基を有した単量体と、架橋可能な官能基を有した単量体をもつポリマーが好ましく用いられ、紫外線吸収基を有した単量体としては、(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ω−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール骨格を有した単量体が特に好ましく用いられる。
また、官能基を含む単量体としては、例えば2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、なかでもヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレートなどが特に好ましく用いられる。
更に、塗膜強度アップや耐熱性向上のために、紫外線吸収性基を含む単量体と官能基を含む単量体の共重合体に下記に示す単量体を共重合させてもよい。例えば、スチレン、スチレン−ブタジエン、スチレン−イソブチレン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル、メタクリロニトリル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのモノマー群;アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ラウリルトリデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチルステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの官能基を含まない(メタ)アクリル酸エステル群;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブチレンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど1分子中に2個以上の重合性2重結合を有するモノマー群などから挙げられ、特に限定されるものではないが、なかでもスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどが特に好ましく用いられる。また、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
以上より、本発明で用いられる紫外線吸収構造を有するポリマーの具体的な好ましい例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとスチレンからなる共重合体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールとメタクリル酸−2−ヒドロキシプロピルとメタクリル酸メチルからなる共重合体などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
さらに、本発明によれば、該保護層中に紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することができる。
本発明に用いられる無機顔料は0.1μm以下の平均粒径を有する顔料ならば任意である。このような無機顔料としては酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物及びこれらの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
この中でも特に好ましいのは400nm以下の波長領域に吸収端を有する顔料である。
このような顔料は、紫外線UV−A領域、即ち波長320〜400nmの紫外線UV−A領域に吸収端を有する顔料(A)および紫外線UV−A領域より短波長側に吸収端を有する無機顔料(B)の2群に分類できる。本発明では無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いることもできるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用することにより本発明の効果がより顕著になる。無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いる場合にはこれらの顔料を中間層あるいは保護層のいずれかに含有させることができる。また無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用する場合にはこれらの顔料を同時に中間層あるいは保護層に含有させることができるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を中間層と保護層に別々に含有させることもできる。この場合無機顔料(A)を中間層に含有させ、無機顔料(B)を保護層に含有させることにより、本発明の効果が一層顕著に発揮される。
無機顔料(A)の具体例としては硫化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化亜鉛、窒化ガリウム等が挙げられる。
また無機顔料(B)の具体例としてはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。
さらに、本発明においては保護層中にこの種の記録媒体に使用される無機/有機のフィラー、滑剤などを用いてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(マイクロカプセル微粒子1の作成)
[可逆性感熱記録材料液の作製]
融点125度の顕色剤:下記化学式(1) 1.00重量部
Figure 2008100512

メチルエチルケトン 5.2重量部
トルエン 15.3重量部
アクリルポリオール樹脂
(三菱レイヨン社製LR503 固形分濃度50%溶液) 8.5重量部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に、
ロイコ染料 PSD−V (日本曹達株式会社製) 0.2重量部
日本ポリウレタン社製 コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2.9重量部を加え、よく攪拌し可逆性感熱記録材料液を調製した。
[界面活性剤水溶液の作製]
第一工業製薬株式会社製 ノイゲンTDS−500F 3.3重量部
第一工業製薬株式会社製 ノイゲンEA207D 6.0重量部
イオン交換水 77.1重量部
上記のものを混合し、マグネチックスターラーにて界面活性剤が溶解するまで撹拌した。
得られた界面活性剤水溶液をホモジナイザー回転数5000rpm中に可逆性感熱記録材料液を投入し平均粒径が5μmとなるように乳化させた。マイクロカプセル化した可逆性感熱記録材料をエバポレーターで減圧しメチルエチルケトン、トルエンを揮発させた。その後、ウォーターバスを60℃に加温し、12時間樹脂の架橋を行なった。さらに、界面活性剤残留濃度が0.1%以下になるまで水洗浄を繰り返した。このとき界面活性剤残留濃度が0.1%以上あると、発色特性を阻害してしまい、発色濃度の低下原因となる。水洗浄後、得られたマイクロカプセルを濾過、乾燥し、図2に示す可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子1を得た。該マイクロカプセル微粒子の平均粒子径は3μmであった。
以上のように作製したマイクロカプセル微粒子1を、2枚のスライドグラスに挟み、130℃のホットプレート上で加熱した後に氷水中に投入したところ、濃い赤色に発色した。次いで、この粒子をホットプレート上で再加熱したところ、80〜110度で白色になり消色した。
[マイクロカプセル微粒子2の作製]
[可逆性感熱記録材料液の作製]
融点145度の顕色剤:下記化学式(2) 1.00重量部
Figure 2008100512

メチルエチルケトン 5.2重量部
トルエン 15.3重量部
アクリルポリオール樹脂
(三菱レイヨン社製LR503 固形分濃度50%溶液) 8.5重量部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に、
ロイコ染料 ODB−2 (山本化成株式会社製) 0.2重量部
日本ポリウレタン社製 コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2.9重量部を加え、よく攪拌し可逆性感熱記録材料液を調製した。
[界面活性剤水溶液の作製]
第一工業製薬株式会社製 ノイゲンTDS−500F 3.3重量部
第一工業製薬株式会社製 ノイゲンEA207D 6.0重量部
イオン交換水 77.1重量部
上記のものを混合し、マグネチックスターラーにて界面活性剤が溶解するまで撹拌した。
回転数5000rpmのホモジナイザーで撹拌した界面活性剤水溶液中に上記の可逆性感熱記録材料を投入し、平均粒径が5μmとなるように乳化させた。得られた乳化液をエバポレーターで減圧しメチルエチルケトン、トルエンを留去し、マイクロカプセル微粒子の分散液を得た。その後、60℃12時間の条件で加温し、樹脂の架橋を行なった。次に、マイクロカプセルを水洗し、洗浄液の界面活性剤残留濃度が0.1%以下になるまで水洗浄を繰り返した。水洗浄後、得られたマイクロカプセルを濾過、乾燥し、可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子2を得た。該マイクロカプセル微粒子の平均粒子径は3μmであった。
以上のように作製したマイクロカプセル微粒子2を、2枚のスライドグラスに挟み、150℃のホットプレート上で加熱した後に氷水中に投入したところ、黒色に発色した。次いでこの粒子をホットプレート上で再加熱したところ、90〜130度の範囲で白色になり消色した。
[可逆性多色記録媒体の作製]
マイクロカプセル微粒子1 1.0重量部
マイクロカプセル微粒子2 1.0重量部
10%イタコン酸変性ポリビニルアルコール水溶液 1.5重量部
水 5重量部
25%ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂 0.2重量部
マグネチックスターラーにてよく撹拌する。
100μmPETフィルム(ポリエチレンテレフタレート)にワイヤーバーにて15μm前後に塗工した。80℃恒温槽に5分間乾燥させた。40℃恒温槽で4日間架橋させた。
[中間層の作製]
酸化亜鉛微粒子(住友大阪セメント社製
ZS−303 固形分濃度30%) 4重量部
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製
LR503 固形分濃度50%溶液) 2重量部
日本ポリウレタン社製 コロネートHL
(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート
75%酢酸エチル溶液) 0.5重量部
MEK 5重量部
上記組成物を、よく溶解攪拌し中間層を調製した。上記感熱記録層上にワイヤーバーを用いて塗工し、90℃1分で乾燥し、60℃で硬化して膜厚1.5μmの中間層を設けた。
[保護層の作成]
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂
(大日本インキ社製 C7−157 固形分濃度:75%) 15重量部
シリコーンマクロモノマー
(東亞合成社製AK−5 固形分濃度:40%) 0.5重量部
イソプロピルアルコール 85重量部
上記組成物を、よく溶解攪拌し保護層塗布液を調製した。上記組成の保護層塗布液を、上記中間層上にワイヤーバーを用いて塗工し80℃1分で乾燥した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚3μmの保護層を設けた後、60℃で2日間加温して可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例2
[マイクロカプセル3の作製]
[可逆性感熱記録材料液の作製]
融点185度の顕色剤:下記化学式(3) 1.00重量部
Figure 2008100512

メチルエチルケトン 5.2重量部
トルエン 15.3重量部
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製LR503
固形分濃度50%溶液) 8.5重量部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に、
ロイコ染料 Blue 63 (山本化成株式会社製) 0.2重量部
日本ポリウレタン社製 コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2.9重量部を加え、よく攪拌し可逆性感熱記録材料液を調製した。
[界面活性剤水溶液の作製]
第一工業製薬株式会社製 ノイゲンTDS−500F 3.3重量部
第一工業製薬株式会社製 ノイゲンEA207D 6.0重量部
イオン交換水 77.1重量部
上記のものを混合し、マグネチックスターラーにて界面活性剤が溶解するまで撹拌し、実施例1と同様の操作でマイクロカプセル微粒子3を作製した。該マイクロカプセル微粒子の平均粒子径は3μmであった。
得られたマイクロカプセル微粒子3を、2枚のスライドグラスに挟み、200℃のホットプレート上で加熱した後に氷水中に投入したところ、青色に発色した。次いでこの粒子をホットプレート上で再加熱したところ、110〜160度の範囲で白色になり消色した。
[可逆性多色記録媒体の作製]
実施例1のマイクロカプセル微粒子2の代わりに、マイクロカプセル微粒子3を用いた以外は同様にして、可逆性多色記録媒体、及び、中間層、保護層を作製し、本発明の可逆性多色記録媒体を得た。
比較例1
実施例1の記録層形成液中で用いた、本発明の可逆発色性マイクロカプセル微粒子のかわりに、以下のように作製したマイクロカプセル粒子を用いた他は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
(マイクロカプセル粒子の作製)
実施例1と同様にして得た可逆性感熱記録材料分散液と以下の界面活性剤水溶液を用いて、ホモジナイザーで乳化し平均粒径が5μmとなるように乳化分散させた。
[界面活性剤水溶液]
第一工業製薬株式会社製 ノイゲンTDS−500F 3.3重量部
第一工業製薬株式会社製 ノイゲンEA207D 6.0重量部
ポリビニルベンゼンスルホン酸(一部ソーダ塩) 5.0重量部
イオン交換水 77.1重量部
得られた乳化液をエバポレーターで減圧しメチルエチルケトン、トルエンを留去した。次いで、メラミン−ホルマリン水溶液100重量部を混合し、20%酢酸水溶液を滴下し、pH6に調整した。
その後、液温を65℃に昇温させ、30分間重合反応を行ない、その後乾燥し、メラミン−ホルマリン壁のマイクロカプセルを得た。
比較例2
[可逆性感熱記録材料の作製]
実施例1で用いた顕色剤:下記化学式(1)及び(2)をそれぞれ1.00重量部
Figure 2008100512
Figure 2008100512

メチルエチルケトン 19.8重量部
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製LR503
固形分濃度50%溶液) 2.8重量部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に、
ロイコ染料 PSD−V (日本曹達株式会社製) 0.2重量部
ODB−2 (山本化成株式会社製) 0.2重量部
日本ポリウレタン社製 コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)0.9重量部を加え、よく攪拌し可逆性感熱記録材料液を調製した。
可逆性感熱記録材料を100μmPETフィルム(ポリエチレンテレフタレート)にワイヤーバーにて15μm前後に塗工する。60℃恒温槽で2日間架橋させ、可逆性感熱記録媒体を作製した。
試験1:発色特性
ビーコム社製感熱印字シミュレーターを用いてパルス幅2msecの条件で表1に記載の電圧で印字を行なった。発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。加えて、そのときに目視による色彩を記録した。結果を表4に示す。
Figure 2008100512
試験2:消色特性
試験1と同様にビーコム社製感熱印字装置にて表中記載の電圧で印字した後、線速30mm/secのヒートローラーを用い、消去前後の濃度を測定し、目視による色彩を記録した。ヒートローラーの消去温度と濃度および色彩の結果を表5に示す。
Figure 2008100512
試験3
耐久性試験
上記の発色濃度試験と消去濃度試験を30回繰返し、記録媒体表面の状態を目視評価した。
試験4
耐光性試験
作製した記録媒体を、5000luxで100時間保存した後の地肌濃度を同様に測定した。
試験3及び試験4の結果を表6に示す。
Figure 2008100512
本発明における実施例1、2は、表4および表5によれば、比較例2では多色印字消去はできないが、比較例1の多重皮膜カプセルを用いた多色可逆性記録媒体と同様に多色印字消去が行えることがわかる。加えて、表6の結果によると、比較例1よりも地肌着色や耐光性に優れており、実用性の高い多色記録媒体であることがわかる。
本発明の可逆性感熱発色組成物の発色・消色特性を示す図である。 本発明の可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子の概略図を示す図である。 可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセルを用いた2色可逆性感熱記録媒体の概略図を示す図である。 可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセルを用いた多色可逆性記録媒体を示す図である。 多色可逆性感熱記録媒体の2種類以上のマイクロカプセルを含有した記録媒体の光学濃度と温度の関係を示す図である。 多色可逆性感熱記録媒体の2種類以上のマイクロカプセルを含有した別の記録媒体の光学濃度と温度の関係を示す図である。

Claims (5)

  1. 加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる電子供与性化合物と電子受容性化合物を、樹脂で内包した可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子であって、色調の異なる少なくとも2種類以上の該可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセルが、単一記録層中に含有していることを特徴とする多色可逆性感熱記録媒体。
  2. 前記多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子が、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物をカプセル化樹脂と共に有機溶剤を用いて分散あるいは溶解して得たカプセル粒子形成液を、水中で乳化した後に溶剤を留去することにより作製された多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の多色可逆性感熱記録媒体。
  3. 前記可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子内の樹脂が架橋状態にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の多色可逆性感熱記録媒体。
  4. 前記可逆発色性多芯単皮膜マイクロカプセル微粒子の周囲にあるマトリックス樹脂が架橋状態にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多色可逆性感熱記録媒体。
  5. 前記マイクロカプセル微粒子内の樹脂とマトリックス樹脂のうちの少なくとも1種類が異なる組成の樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多色可逆性感熱記録媒体。
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