JP2008100053A - 支持装置およびそれを用いた介護ロボット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被介護者を持ち上げるときの介護者の負担を軽減できるようにする。
【解決手段】持ち上げ部16は、固定部20と、この固定部20に対してスライド可能なスライド部とを備える。スライド部16は、被介護者の載置が可能な載置面19を有し、固定部20は、操作指示を入力するための入力部14を備える。入力部14は、第1位置と、載置面19を基準として被介護者から離れる方向に前記第1位置よりも後退した第2位置とを取り得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、病院や家庭などの介護の現場において、ベッドなどの寝具に寝ている被介護者を、寝たままの状態で支持しながら他の場所に移動させるための支持装置に関し、特に、被介護者と寝具との間に、被介護者を持ち上げるための持ち上げ部を差し入れて、被介護者を持ち上げることのできる支持装置およびそれを用いた介護ロボット装置に関するものである。
従来から、老人や病人などの被介護者であって、ベッドから起き上がれない、いわゆる寝たきりの者などについて、診察ならびにリハビリテーション、さらには、人浴、洗面、食事などを行うときに、寝たままの状態で支持しながら、ストレッチャーまたは車椅子などの移動手段へ移載し、別の場所に移動させるための様々な介護ロボット装置が提案されている。
例えば、介護ロボット装置は、昇降装置のそれぞれのアーム先端に、被介護者を持ち上げるための支え具を取り付け、装置の使用者である介護者が支え具の後端にある操縦レバーを操作し、支え具を昇降させることにより、介護者が被介護者を下から持ち上げる作業を代替し、介護者を支援するものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、介護ロボット装置は、支え具に、駆動ローラに巻き掛けられたエンドレスベルトを備え、支え具の後端にある操縦レバーを操作して、駆動ローラでエンドレスベルトを回転させながら、ベッドに横たわっている被介護者の下面とベッドの上面との間に支え具を挿入し、支え具に掬い取るようにしていた(例えば、特許文献2を参照)。これにより、介護ロボット装置は、無意識下にある手術後の患者あるいは痴呆傾向が見られる患者など、寝返りができない、または、体位変化を与えることが許されない被介護者であっても、被介護者を支え具に掬い取り、持ち上げていた。
特開平10−295744号公報 特開2001−104378号公報
しかしながら、被介護者に安心感を与えるために、被介護者と介護者との距離をより近くし、被介護者に対面しながら作業を行う、いわゆる直接対面型の介護ロボット装置において、操縦レバーが被介護者を持ち上げるための支え具の後端に設置された場合には、介護者は、支え具を被介護者とベッドとの間に差し入れ、被介護者を持ち上げ、抱えた状態で胸元に引き寄せるためには、腕を後ろまで引く必要があった。そのために、介護者は、肘などの肉体的負担となる姿勢を取らざるを得ないという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、介護者が被介護者を支持して持ち上げるとき、介護者にとって肉体的な負担となる姿勢を取ることなく、また、被介護者に不安感を与えることなく、安全に持ち上げることが可能な支持装置およびそれを用いた介護ロボット装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、被介護者を抱き上げる動作を支援するための支持装置であって、前記被介護者の載置が可能な載置面と、操作指示を入力するための入力部と、を備え、前記入力部は、第1位置と、前記載置面を基準として被介護者から離れる方向に前記第1位置よりも後退した第2位置とを取り得る支持装置である。
本発明では、載置面に対する入力部の相対的な位置が前後方向に変化可能となっているので、介護者にとって操作がしやすい場所に入力部の位置を変更でき、被介護者を抱き上げるための一連の動作の負担を軽減することができる。例えば、載置面を被介護者の下に挿入する前に入力部を第1位置にしておけば、入力部は第2位置の場合に比べて被介護者の近くに位置するため、介護者は載置面のベッドへの位置決め操作がし易くなり、また介護者は入力部を把持した状態でベッドへの着床検知を容易に行うことができる。したがって、支持装置の操作性が向上し、載置面を被介護者の下に挿入する作業を楽に行うことができる。一方、載置面が被介護者の下に挿入されたときに入力部が第2位置にあれば、入力部が介護者に近い位置となるため、介護者は前のめり姿勢にならずに被介護者を抱きかかえることが可能となるため、被介護者の抱きかかえ作業の負担を軽減することができる。また、介護者を掬い上げた後で載置面を胸元まで引き寄せる際に入力部が第1位置にあれば、入力部が介護者に近づき過ぎないので、肘を極端に後まで引く必要がない。このため、抱き寄せ時の負担を軽減することができる。また引き寄せ時に入力部が邪魔になることもない。また、通常時に人を抱きかかえる姿勢と同じような姿勢で被介護者を抱きかかえることができる。このように、載置面に対して入力部が相対的に変位することにより、介護者にとって負担となる姿勢を強いられずに被介護者を抱き上げることができるので、その一連の作業の負担を軽減することができる。
ここで、前記第1位置は、前記入力部を掴んでいる介護者の手の指が被介護者に届く範囲に位置するのが好ましい。この態様では、載置面を被介護者の下に挿入する際に入力部が第1位置にあれば、載置面が被介護者に触れる前に、介護者は入力部を掴みながら手で被介護者に触れることができるようになる。つまり被介護者へのファーストコンタクトを介護者が行うことが可能となる。このため、介護者に安心感を与えることができるようになる。
また、前記入力部は、前記載置面に対して相対的に上下方向に変位可能であるのが好ましい。この態様では、介護者を掬い上げた後で載置面を引き寄せる際に入力部が下位置にあれば、被介護者が入力部と接触することを防止することができる。
前記支持装置は、前記入力部を回動可能に支持する入力部支持部を備えているのが好ましい。この態様では、入力部支持部を回動させることにより、載置面に対する入力部の相対的な位置を変えることができる。このため、1つの操作で入力部の相対的位置を変えることができる。
前記入力部支持部は、U字状のレバーであってもよく、このレバーの端部に前記入力部が設けられていてもよい。この態様では、入力部を手の平を上に向けて握った場合には、親指での入力操作がしやすい。また、入力部による操作を行いながら、手の甲で着床を確認することも可能となる。
前記支持装置は、前記入力部を支持する入力部支持部を有する固定部と、前記載置面を有し、前記固定部に対してスライド可能なスライド部と、を備えていてもよい。この態様では、固定部に対してスライド部をスライドさせることにより、載置面を基準とする入力部の相対的な位置が変わり、これによって入力部が第1位置及び第2位置を取り得る。
前記固定部は複数設けられるとともに、各固定部に対してそれぞれスライド可能に前記スライド部が設けられる場合には、前記スライド部はそれぞれ独立してスライド可能に構成されていてもよい。この態様では、被介護者が斜めの姿勢で寝具に横になっている場合でも、固定部の位置を調節した後で、さらに、スライド部のスライド量で載置面の位置を独立して調節することができる。これにより、ベッドなどの寝具に寝ている被介護者が寝具に対して斜めになっているなどの姿勢に対応して、被介護者を載置面に容易に乗せることができる。また、別の寝具に移動したときに、寝具に対してできるだけ斜めに向かないように、姿勢あるいは位置を最適にするように被介護者を寝かせることが可能となる。
前記支持装置は、前記スライド部をスライドさせるためのスライド駆動部と、前記スライド部の位置情報を検知する移動位置検知部と、前記スライド駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記スライド部の前記位置情報に基づいて前記スライド部を所定の範囲で移動可能に制御するのが好ましい。この態様では、介護者が被介護者を掬い上げやすい位置でスライド部を停止して、被介護者を持ち上げることができるため、介護者に肉体的な負担をかけることがなく、また、被介護者に安心感を与えることができる。また、安全な範囲でスライド部を出し入れして移動できる。
前記入力部の操作位置情報を検知する入力位置検知部をさらに備え、前記制御部は、前記スライド部の前記位置情報と前記入力部の前記操作位置情報とに基づいて前記スライド部を停止または移動するように制御してもよい。この態様では、スライド部が移動することによって、入力部が被介護者に接触するのを防止できる。
前記スライド部は、無端ベルトを有し、この無端ベルトの上面によって前記載置面が構成されていてもよい。この態様では、スライド部のスライドに加え、無端ベルトの駆動によって被介護者をスライド部の上面に移動させることができ、被介護者を容易に持ち上げ部に乗せたり、降ろしたりすることができる。
前記無端ベルトの上面が、前記スライド部の移動方向と反対方向で、かつ前記スライド部のスライド速度と略等しい速度で走行するのが好ましい。この態様では、前記無端状ベルトの上面と被介護者との接触部分での相対速度を略零にできるので、スライド部を被介護者と寝具との間から抜き差しするときに、上面の無端ベルトが被介護者と擦れるおそれがなくなる。これにより、被介護者に無理な力がかからず、被介護者に安心感を与えることができる。
前記スライド部の下面部に、回転可能なローラ列をさらに備えていてもよい。この態様では、スライド部を被介護者と寝具との間に抜き差しするとき、スライド部と寝具との間で擦れるようなことがないため、スライド部の移動に伴って、寝具が乱れるようなことがなく、スライド部を滑らかに抜き差しすることができる。
前記スライド部の下面部に、回動可能な無端ベルトを有する下部コンベア部をさらに備えていてもよい。この態様では、下部コンベア部を回動させることにより、スライド部と寝具との間で摺動するようなことがなく、滑らかにスライド部を移動させることができる。
前記下部コンベア部は、前記無端ベルトの下面が前記スライド部の移動方向と反対方向で、かつ前記スライド部のスライド速度と略等しい速度で移動するように前記無端ベルトを走行させるのが好ましい。この態様では、無端ベルトの下面と寝具との接触部分での相対速度を略零にできるので、スライド部を被介護者および寝具との間に抜き差しするとき、無端ベルトが寝具と擦れるようなことがないため、スライド部の移動に伴って、寝具が乱れるようなことがなく、スライド部を滑らかに抜き差しすることができる。
前記載置面は、介護者の少なくとも一方の腕の両側に位置するように一対に設けられ、前記載置面の上面側から前記腕を前記被介護者に接触可能であってもよい。この態様では、腕の両側で被介護者が載置面によって支持されるため、被介護者を支える面積をより大きくすることができる。これにより、安定して被介護者を抱えることができる。また、介護者の腕が載置面の上面側から被介護者に接触可能となるため、被介護者が落下するなどの緊急を要する場合には直接に被介護者を腕で支持でき、安全性を高めることができる。また、被介護者に安心感を与えることができる。
前記支持装置は、前記載置面と一体の持ち上げ部本体と、前記入力部を支持する入力部支持部と、を備え、前記入力部支持部は、前記入力部が前記第1位置及び前記第2位置を取り得るように、前記持ち上げ部本体に変位可能に支持されていてもよい。この態様では、入力部支持部自体を前進又は後退させることにより、入力部を第1位置と第2位置との間で変位させることができる。また、持ち上げ部自体を後退又は前進させることにより、入力部を第1位置と第2位置との間で変位させることができる。
前記支持装置は、寝具を検出可能なセンサを有し、前記センサと寝具との距離が所定値内であることが検知されることにより、前記入力部は相対的に前方へ移動してもよい。この態様では、載置面を被介護者の下に挿入する前に入力部が自動的に前方へ移動する。このため、支持装置の先端部を寝具にセットする作業において、作業負担を軽減することができる。
前記支持装置は、前記載置面の先端にセンサが設けられ、前記センサが被介護者に接触したことが検知されることにより、前記入力部は前記載置面に対して相対的に後方に移動してもよい。この態様では、被介護者の下への載置面の挿入時にセンサが被介護者に接触すると、入力部が自動的に後方に移動する。このため、載置面が介護者の下側に挿入されたときでも、介護者が前のめりの姿勢にならなくて済む。この結果、作業負担を軽減することができる。
前記支持装置は、前記入力部を支持する入力部支持部と、前記入力部支持部の下方における寝具の有無を検出可能なセンサと、を備え、前記センサによって前記入力部支持部の下方に寝具が検出される間は前記入力部が前記第2位置に保持され、寝具が検出されなくなると前記入力部は前記第2位置から下方へ移動してもよい。この態様では、寝具が存在するにもかかわらず入力部が降下するのを防止できる。一方、入力部支持部の下方に寝具がない場合には入力部が自動的に下方に移動する(退避する)ことにより、介護者が入力部を操作する余裕がない場合でも、入力部が被介護者と接触することを確実に防止することができる。
前記載置面に被介護者が載置された状態で前記入力部が前記第2位置から前記第1位置に移動する際に、被介護者と前記入力部とが接触すると判断されると、前記載置面に対する前記入力部の相対的な移動が停止してもよい。この態様では、介護者が入力部を操作する余裕がない場合でも、入力部が被介護者と接触することを確実に防止することができる。
前記支持装置は、前記入力部を支持する入力部支持部と、前記入力部支持部の下方における寝具の有無を検出可能なセンサと、を備え、前記載置面に被介護者が載置された状態で前記入力部が前記第2位置から前記第1位置に移動する際に、被介護者と前記入力部とが接触すると判断されると、前記載置面に対する前記入力部の相対的な移動が停止し、前記センサによって前記入力部支持部の下方に寝具が検出される間はこの相対的な位置関係を維持したまま前記載置面が移動し、寝具が検出されなくなると前記入力部は下方へ移動してもよい。この態様では、寝具が存在するにもかかわらず入力部が降下するのを防止できる。そして、入力部支持部の下方に寝具がある場合には、前記載置面が移動した後で、入力部が自動的に下方に移動する(退避する)ことにより、介護者が入力部を操作する余裕がない場合でも、入力部が被介護者と接触することを確実に防止することができる。
本発明は、前記支持装置と、前記載置面を有する持ち上げ部の位置および姿勢を変化させるための関節部と、前記関節部を変化させる関節駆動部と、前記入力部に入力された前記操作指示に基づいて、前記支持装置及び前記関節駆動部を制御する制御部と、を備えている介護ロボット装置である。
本発明では、介護者が被介護者を抱え上げる際、介護者が腰痛などの肉体的負担となるような姿勢を取ることなく抱え上げることができると共に、被介護者に安心感を与えることができる支持装置を用いた介護ロボット装置を提供することができる。
以上説明したように、本発明によれば、介護者が被介護者を支持して持ち上げるとき、介護者にとって肉体的な負担となる姿勢を取ることなく、また、被介護者に不安感を与えることなく、安全に持ち上げることが可能な支持装置およびそれを用いた介護ロボット装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本実施の形態における支持装置2の構成について説明する。図1は支持装置2及び支持装置2を有する介護ロボット装置1を示す斜視図である。なお、図1においては、理解を容易にするために、互いに直交する三つの軸(X軸、Y軸およびZ軸)を示している。ここでは、XY平面が地面に対して平行な水平面であり、支持装置2の本体部10に対して、持ち上げ部16がX軸方向を向いて取り付けられている(すなわち、支持装置2がX軸方向を向いている)ものとして説明する。
介護ロボット装置1は、ベッドなどの寝具に寝ている被介護者を、寝たままの状態で支持しながら他の場所に移動させるためのロボットであり、このロボットは、被介護者と寝具との間に持ち上げ部16を差し入れて、この持ち上げ部16を持ち上げることにより被介護者を持ち上げることができる。
支持装置2は、被介護者の下側、例えば被介護者と寝具との間に差し込むことが可能な持ち上げ部16と、固定部20の先端部近傍に設けられ、操作指示を入力するための入力部14とを備えている。
これにより、持ち上げ部16の先端近傍で入力部14を操作できるため、持ち上げ部16で被介護者を掬い上げた後で胸元まで引き寄せるときに、介護者は肘を後ろにまで引かなくてすみ、無理な姿勢を強いられることがなくなる。
そして、介護ロボット装置1は、一対の持ち上げ部16をそれぞれ支持する一対のアーム部12と、両アーム部12を支持する本体部10と、それぞれアーム部12と持ち上げ部16とを回動可能に保持する2つの関節部13と、それぞれ本体部10とアーム部12とを回動可能に保持する2つの関節部15と、装置全体を保持する保持部6を移動させるための移動部4と、保持部6と本体部10とを接続し、本体部10を昇降させるための昇降駆動部118を有する脚部8と、移動部4を駆動する位置駆動部116と、入力部14からの操作入力に応じて位置駆動部116と昇降駆動部118とを制御する制御部110と、を備える。
介護者は、図2に示すように、本体部10と一対の持ち上げ部16との間に本体部10を背にしてX軸方向に向かって立った状態で、手の平を仰向けにし、両手で入力部14を操作し、支持装置2全体の移動、持ち上げ部16の移動、被介護者の持ち上げ動作などを行うため各種操作入力を行う。
ここで、支持装置2の各構成要素について詳細に説明する。
まず、入力部14としては、レバー、ボタン、プッシュスイッチ、タッチパネルなどの公知の入力デバイスを用いることができる。入力部14は、持ち上げ部16における固定部20の先端近傍で入力部支持部305により支持されている。入力部14は、各持ち上げ部にそれぞれ設けられているが、両入力部14は何れも介護者側、つまり内側に設けられている。
入力部支持部305は、固定部20に回動可能に支持されている。この結果、入力部14は、前位置、後位置、上位置、下位置の少なくとも四位置を取り得る。前位置は、入力部14が入力部支持部305よりも前側(先端部側)となる位置である。言い換えると、前位置では、固定部20を基準として入力部14がより先端部側に位置する。一方、後位置は、入力部14が入力部支持部305よりも後側(基端部側)となる位置である。言い換えると、後位置では、固定部20を基準として入力部14がより基端部側に位置する。上位置及び下位置では、前後方向の中間位置となる。
これにより、介護者は、各種操作指示を入力するときに、操作しやすい位置に入力部14を移動した上で、操作入力を行うことができる。介護者にとって操作がしやすい場所に入力部14の位置を変更することができるため、介護者にとって肉体的な負担となる姿勢を取ることなく、安全に被介護者を持ち上げることができる。例えば、持ち上げ部16の先端部を寝具に位置決め操作したり、着床検知する必要がある場合には、入力部14が前位置になるようにする。また、被介護者を掬い上げた後で一対の持ち上げ部16同士の間隔を狭める必要がある場合には、入力部14が後位置近傍になるようにする。これにより、介護者は、持ち上げ部16を後方から操作することができ、一対の持ち上げ部16に挟まれることなく、入力部14を操作することができる。入力部支持部305の詳細については後述する。
また、入力部14は、円柱形状の表面および側面に入力スイッチを設け、略U字形状を有する入力部支持部305の端部で支持されている。具体的には、入力部支持部305は、固定部20における介護者側の側面に設けられており、介護者側に向かって延びた後、Uターンして介護者から離れる方向に向かって延びている。そして、入力部14は、その先端部に配置されている。
このような構成により、介護者の手の平を上向けにした状態でも、親指を用いて、入力部14のスイッチを操作することができるので、介護者の操作性を向上させることができ、実用性が高い。
関節部13は、アーム部12に対して、持ち上げ部16を、図1におけるY軸を中心とした方向およびX軸方向を中心とした方向の二軸方向に回転させる構成である。この構成により、持ち上げ部16の被介護者に対する角度を調整することができる。
関節部15は、本体部10に対して、アーム部12を、図1におけるY軸方向を中心とした方向およびX軸方向を中心とした方向の二軸方向に回転させる構成である。この構成により、持ち上げ部16間の幅を調整することができると共に、持ち上げ部16と被介護者との距離を調整することができる。また持ち上げ部16が左右に傾かないように調整することもでき、あるいは被介護者に応じて左右に傾くように調整することもできる。
脚部8は、保持部6に対して、昇降駆動部118によって本体部10を昇降させる構成である。この構成により、ベッドの高さに応じて、持ち上げ部16の高さを調節することができる。
移動部4は、支持装置2の位置を移動させるための機構であって、モータによって駆動される車輪などの公知の移動手段を用いることができる。
持ち上げ部16は、支持装置2におけるY軸方向の両端にそれぞれ設けられており、持ち上げ部16のベースフレームである固定部20と、固定部20に対して前後に移動可能に設けられたスライド部18とを有する。スライド部18の上面は、被介護者が載置可能な載置面19となっている。スライド部18が後退位置にあるときにスライド部18の前端部は、固定部20の前端部よりも少し突出している。そして、この突出した前端部は前側ほど厚みが薄くなる形状となっている。
スライド部18は、固定部20に対して前後方向にスライド可能となっている。このスライド動作は、前記後退位置と、この後退位置よりも前方の前進位置との間で可能である。そのストローク量は、人の背中の幅、人を載せた状態でスライド部18を安全に支えられる突出量であるか等を考慮して設定されている。
一方、前述したように入力部14も固定部20に対して前後方向に変位可能となっている。そして、スライド部18が後退位置であり、かつ入力部14が前位置にある場合に、入力部14は、スライド部18(載置面19)に対して最も先端部側に位置することになる。つまり、載置面19を基準とした座標系で見ると、入力部14はスライド部18に対して相対的に最も前進した第1位置となっている。入力部14が第1位置にあるとき、入力部14を最も被介護者に近づけることが可能となる。本実施形態では、この状態のときに、入力部14を掴んでいる介護者の手の指が被介護者に届くように設定されている。
一方、スライド部18が前進位置にあり、かつ入力部14が後位置にある場合には、入力部14は、スライド部18に対して最も基端部側に位置することになる。この場合には、入力部14は持ち上げ部16の先端部(スライド部18の先端部)から最も離れる。スライド部18が前進位置にある状態では、入力部14が前位置にあっても後位置にあっても入力部14はスライド部18の先端部から十分に離れた位置となる。この状態のとき、入力部14は、第1位置よりも相対的に後退した第2位置となる。載置面19を基準とする座標系では、入力部14は、水平方向において第1位置と第2位置との少なくとも2つの位置を取り得る。
入力部14が第2位置にあるときには、スライド部18が被介護者の下に挿入された場合でも入力部14は介護者側に残ることになる。このため、介護者は前のめり姿勢になることなく被介護者を抱きかかえることが可能となり、負担の少ない姿勢で入力部14を操作することが可能となる。また、アーム部12の前後方向のストロークを小さくしても、スライド部18を伸ばしたり、縮めたりすることによって挿入位置、被介護者の支持位置を変更することができるため、位置合わせが容易となる。これにより、アーム部12を短く設計しても操作性を確保でき、装置を小型にすることができる。持ち上げ部16の詳細については後述する。
つぎに、入力部支持部305について、図3(a)(b)および図4(a)(b)を用いて詳細に説明する。図3(a)は本実施の形態における支持装置の入力部支持部の要部の側面図であり、図3(b)は図3(a)におけるIII−III断面の断面図である。また、図4(a)は同支持装置の入力部支持部における回動規制の部分正面図であり、図4(b)は同支持装置の入力部支持部の回動規制の他の例の部分正面図である。
図3(a)および図3(b)に示すように、入力部支持部305は、その一端に回動軸部305aが設けられ、その回動軸部305aが固定部20における固定フレーム部31の側面部31dに設けられた回動軸穴部31gに回動可能に軸支されている。さらに、入力部支持部305は、その回動軸部305aとは反対側の端部にカム板部111が固着されている。入力部支持部305の回動に伴ってカム板部111も回動する。
また、図4(a)に示すように、カム板部111には略V字形状の複数のカム溝111aが設けられ、そのカム溝111aにはめ込むための略V字形状の位置規制部112aを有する位置規制バネ112が、カム板部111のカム面に当接するように固定フレーム部31に取り付けられている。また、カム板部111の外周部分に、カム溝111aを形成されていない領域が設けられており、位置規制バネ112の略V字形状の位置規制部112aにより、回動を規制している。これにより、入力部支持部305の回動範囲が規制される。
位置規制バネ112は、一方の端部がネジなどの締結部材112bによって固着され、他端部はピン112cに嵌合する長穴部(図示せず)によってピン112cにガイドされて直線移動することができる。したがって、入力部支持部305を矢印129方向に回動させることができ、カム溝111aに応じた位置に入力部支持部305を位置決めすることができる。これにより、入力部支持部305を図3(a)に示すように、矢印129、矢印130のように回動させることができる。これにより、入力部14の高さを変更することができる。
入力部14を操作するときの操作位置を検知するための入力位置検知部113が凹部31hの中に設けられている。入力位置検知部113は、カム板部111の外周部分の反射物の有無を検知することにより、入力部14の操作位置が入力部支持部305連結位置よりも上側にあるのか、あるいは下側にあるのかの操作位置情報を検知する。入力位置検知部113としては、例えば、公知の発光素子と受光素子が一体となって反射物の有無を検知する反射型の検知素子を用いることができる。これにより、カム板部111の外周部分のうち、カム溝111aが設けられている部分は、径が小さくなるため反射面がなくなり、入力位置検知部113は反射物なしと検知される。一方、カム板部111の外周部分のうち、カム溝111aが設けられていない部分は、径が大きくなるためカム板部111が反射物となり、入力位置検知部113は反射物ありと検知する。このように、カム板部111の外周部分の反射物の有無を検知することにより、入力部支持部305の回動位置を検知できる。また、入力位置検知部113がカム溝111aの設けられていない外周部分の中央近傍に設けられることにより、入力部支持部305の回動範囲の略中心位置を検知することができる。例えば、入力部14を操作する操作位置が入力部支持部305と持ち上げ部16との連結位置より上側にあるのか、下側にあるのかの操作位置情報を検知することができる。これにより、制御部110は、入力位置検知部113から取得した操作位置情報に基づいて、スライド部18を移動または停止することができる。例えば、入力部14の操作位置が入力部支持部305と持ち上げ部16との連結位置よりも上側にあり、かつ、載置面19に載置された被介護者が入力部14と接触する可能性がある場合には停止し、一方、操作位置が連結位置よりも下側にある場合には、停止することなく移動させるように制御する。
なお、カム板部111および位置規制バネ112などの部材は、固定フレーム部31の側面部31dに設けられた凹部31hの中に配設されている。これにより、スライド部18の移動の妨げにならないようになっている。
また、カム板部111にカム溝111aを設ける代わりに、図4(b)に示すように、N角形の辺をカム面とするカム板部121に、平板バネ122を当接させるようにしてもよい。このとき、側面部31dの凹部31hに設けられた位置規制ピン123とカム板部121に設けられた凹部121aとによって、入力部支持部305の回動範囲が規制される。
入力部14の位置を検知するための入力位置検知部124が、凹部31hの中に設けられている。入力位置検知部124は、カム板部121の外周部分での反射物の有無を検知する。これにより、入力位置検知部124が所定の位置、例えばカム面を設けた外周部分(カム面がない部分より径が大きい部分)の中央近傍の位置に設けられることにより、入力部14の位置が入力部支持部305の連結位置より上側にあるのか、下側にあるのかについての操作位置情報を検知することができる。これにより、制御部110は、入力位置検知部124からの操作位置情報に基づいて、スライド部18を移動または停止する。例えば、入力部14を操作する操作位置が入力部支持部305と持ち上げ部16との連結位置よりも上側にあり、かつ、スライド部18に載置された被介護者が入力部14と接触する可能性がある場合にはスライド部18を停止し、操作位置が連結位置よりも下側にある場合には移動を継続するように制御する。
なお、略U字形状の入力部支持部305を回動させる代わりに、入力部14を回動アームにより支持し、この回動アームを回動させることにより入力部14の位置を変更するようにしてもよい。この場合の実施例について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態における支持装置2の入力部支持部305の他の例の側面図である。
この例では、図5に示すように、一方の端部に入力部14が設けられ、他端部に回動軸131が固着された回動アーム132を回動させ、回動軸131に固着されたカム板部111と位置規制バネ112とによって、回動アーム132の回動が規制され、入力部14の高さを変更することができる。
また他の例として、回動アーム132を複数の部材により伸縮自在に連結し、回動アーム132の長さを調節できるようにしてもよい。例えば、複数の部材をそれぞれ異なる径の筒状にし、内径と外径をあわせながら重なりをもって連結した公知の伸縮機構を用いることができる。この伸縮機構によっても、入力部14の位置を変更できる。
このように入力部支持部305を回動させ、入力部14の高さを変更可能な構成とすることによって、被介護者が寝ているベッドなどの寝床の高さが低い場合に、図3(a)に示すように、入力部14をスライド部18よりも高い位置に持ち上げて、被介護者と寝具との間へのスライド部18の挿入を指示することができる。このようにすれば、スライド部18の挿入時に、介護者が腰をかがめるなどの介護者に無理な姿勢を強いることなく入力部14を操作することができる。
また、持ち上げ部16をベッドなどの寝具に着床させるときに、入力部支持部305を矢印129方向に回動させて入力部14を前位置とし、持ち上げ部16の下面と同じ高さに介護者の手がくるように入力部14の位置を調整することができる。これにより、介護者は、入力部14を操作しながら、手がベッドに当接したことを認識でき、持ち上げ部16がベッドなどの寝具に着床したことを正確に知ることができる。
また、被介護者をスライド部18に乗せて固定部20側へ引き寄せる場合において、スライド部18の後退移動の直前、後退開始と同時に、または、被介護者が入力部14に当接する前に、入力部支持部305を矢印129方向に回動させて降下させることができる。これにより、入力部14が被介護者に当接しないようすることができる。なお、入力部支持部305を矢印129方向と反対に回動させ、介護者の手の先がスライド部18よりも先に被介護者に触れる位置に入力部14の位置を変更してもよい。これにより、持ち上げ部16を被介護者の下側に挿入するときに、不注意で持ち上げ部16の先端部を被介護者に接触させてしまうなどの事故を防止でき、介護者および被介護者の双方にとって安心感を高めることができる。また、別のベッドに移動したときのスライド部18の引き抜きに対しても同様であるため、説明は省略する。
つぎに、持ち上げ部16の構成について詳細に説明する。ここでは、介護者から見て左側にある持ち上げ部16について説明する。
まず、被介護者を支持しながら移動することができるスライド部18について図6を用いて説明する。図6は、本実施形態における支持装置2のスライド部18の側面図である。
図6に示すように、スライド部18は、スライドフレーム部21と、ベルトガイドローラ列22と、ベルト部23と、ベルト駆動部24と、ローラ列26とを備えている。
スライドフレーム部21は、平面板部21aと、その平面板部21aに対向する底面部21bと、それらの左右両側の側面部21c、21dと、左右両側の側面部21c、21dのそれぞれから外側に突出した摺動板部21e、21fと、摺動板部21e上に取り付けられたラックギア21gおよびカバー部21hとを有する。
ベルトガイドローラ列22は、スライドフレーム部21の一方の側面部21cから他方の側面部21dまで延伸する複数のベルトローラ軸22aの周りに回転自在に設けられた複数のベルトローラ22bと、一方の側面部21dから他方の側面部21cを突き抜けて延伸し、かつ両側の側面部21cおよび側面部21dとの嵌合穴部に枢支されて回転自在に配設された駆動ローラ軸22cに固着されたベルト駆動ローラ22dとを有する。
エンドレスベルト状のベルト部23は、ベルトガイドローラ列22に巻かれ、ベルト駆動ローラ22dの回転に伴って走行する。ベルト部23の上側半周部はスライドフレーム部21の平面板部21aの上側を通っている。これにより、被介護者をベルト部23に乗せた状態でも移動させることができる。つまり載置面19は、ベルト部23の上側半周部によって構成されている。
ベルト駆動部24は、スライドフレーム部21の側面部21dに取り付けられたベルト駆動モータ24aと、ベルト駆動機構部25とを有する。ベルト駆動機構部25は、ベルト駆動モータ24aの回転軸端に固着されたベルトホイール24bと、駆動ローラ軸22cにおいて側面部21dから突出した部分に固着したベルトホイール25aと、ベルトホイール24b、25a間に掛けられた駆動ベルト25bとを有する。
これにより、ベルト駆動モータ24aが回転するとベルト駆動機構部25を介してベルト駆動ローラ22dが回転し、ベルトガイドローラ列22に巻かれたベルト部23を走行させる。
ローラ列26は、スライドフレーム部21の一方の側面部21cから他方の側面部21dまで延伸する複数のローラ軸26aの周りに回転自在に設けられた複数のローラ26bを有しており、ローラ26bの一部は、スライドフレーム部21の両側側面部21c、21dの底面部21b側端部よりも下側に突出している。
つぎに、持ち上げ部16の構成について図7(a)(b)を用いて説明する。図7(a)は、本実施形態における支持装置2の持ち上げ部16の側面図、図7(b)は図7(a)のVII−VII線における断面図である。
固定部20は、固定フレーム部31とスライド駆動部32とを有する。固定フレーム部31は、連結部31aと底面部31bと底面部31bの両側の側面部31c、31dとを有する。それぞれの側面部31c、31dの内側にスライド溝31e、31fが設けられており、スライド部18に設けられた摺動板部21e、21fが、スライド溝31e、31fによりそれぞれ前後に摺動自在に保持されている。
スライド駆動部32は、側面部31cに取り付けられたスライド駆動モータ33と、伝達駆動部34と、ピニオンギア35とを有している。ピニオンギア35は、スライド部18に接合されているラックギア21gとかみ合うように配置されている。また、ピニオンギア35に固着された回転軸35aは側面部31cに回転自在に軸支されている。
伝達駆動部34は、ピニオンギア35の回転軸35aの一端に固着されたウオームホイール36と、スライド駆動モータ33の回転軸に固着され、ウオームホイール36にかみ合うように配置されたウオーム37とを有する。そして、伝達駆動部34は、スライド駆動モータ33による回転駆動力をピニオンギア35に伝える。これにより、ピニオンギア35にかみ合うスライド部18のラックギア21gは直進移動する。
なお、伝達駆動部34としてのウオームホイール36およびウオーム37に代えてそれぞれベルトホイールを用い、ベルトホイール間にベルトを巻いたベルト駆動伝達手段あるいはその他公知の駆動伝達手段を用いてもよい。
また、図6および図7(a)(b)に示すように、持ち上げ部16には、スライド部18のスライドフレーム部21の側面部21cに配置された発光素子27と、それに対向する固定部20における固定フレーム部31の側面部31cに配置された受光素子38a、38bおよび受光素子38cと、を備えた移動位置検知部38が設けられている。
受光素子38aはスライド部18が移動する領域の始端位置(後退位置)を規定している。つまり、スライド部18が始端位置にあるときに、スライド部18に設けられた発光素子27から発光された光が、固定部20に設けられた受光素子38aで受光できるようになっている。そして、制御部110は、受光素子38aが発光素子27からの光を受光したときにスライド部18が始端位置であることを検知し、その移動を停止する。これにより、スライド部18がその始端位置より右側(矢印b方向)に移動することを阻止する。
また、受光素子38cはスライド部18の終端位置(前進位置)を規定している。つまり、受光素子38cは、スライド部18が移動する領域の終端位置にあるときに、発光素子27からの光を受光できるように配置されている。そして、制御部110は、受光素子38cが発光素子27からの光を受光したときにスライド部18が終端位置であることを検知し、その移動を停止する。これにより、スライド部18は終端位置より左側(矢印a方向)に移動することを阻止する。
なお、制御部110は、受光素子38bが発光素子27からの光を受光したときにスライド部18が所定の場所、例えば、入力部14と被介護者が接触する可能性がある場所にあることを検知し、その移動を一時停止する。
このように、制御部110は、発光素子27と受光素子38a,38b,38cとで構成される移動位置検知部38により、スライド部18の位置情報を検知し、その動作を制御する。
また、制御部110は、入力部14の操作位置情報を入力位置検知部113で検知し、この操作位置情報と移動位置検知部38で検知したスライド部18の位置情報とに基づいて、スライド部18上の被介護者が入力部14と接触する可能性がある場合には停止させ、接触する可能性がなくなった場合には移動させるように制御する。この制御の詳細については後述する。
なお、介護者の右側に配置された持ち上げ部16については、上述の介護者の左側に配置された持ち上げ部16を左右対称の構成とすればよく、ここでの説明は省略する。
以上のように構成された持ち上げ部16について、スライド部18の動作について説明する。
まず、スライド部18が始端位置にある状態において、図7(b)においてスライド駆動モータ33が時計方向に回転すると、伝達駆動部34を介して、ピニオンギア35が回転する。これにより、ピニオンギア35とかみ合っているラックギア21gは、固定部20に対して、前方(図7(a)の矢印a側)に押し出される。これにより、持ち上げ部16のスライド部18が、固定部20に対して、前方(図7(a)の矢印a側)に移動する。つまりスライド部18は前進する。このとき、スライド駆動モータ33の回転の直前あるいは回転と同時に、スライド部18のベルト駆動モータ24aをスライド駆動モータ33と同じ方向に回転させ、ベルト駆動機構部25を介してベルト駆動ローラ22dを回転させる。このベルト駆動ローラ22dの回転によって、ベルト部23の上側半周部はスライド部18の移動方向とは逆の方向に回動する。そして、そのときのベルト部23の移動速度がスライド部18の移動速度と略等しい速度で移動するように、制御部110によってベルト駆動ローラ22dの回転速度を制御する。
これにより、スライド部18を被介護者の下側に挿入する際、被介護者と当接しているベルト部23の上側半周部は相対速度が略「0」となり、被介護者とベルト部23とが擦れることなく挿入できる。
なお、スライド駆動モータ33が反時計方向に回転すると、スライド部18は、後方(図7(a)の矢印b側)に移動する。
本実施形態では2つのスライド部18が設けられているが、これらスライド部18を独立して移動制御できるようにしてもよい。この場合には、被介護者が斜めの姿勢で寝具に横になっている場合でも、固定部20の位置を調節した後で、さらに、スライド部18のスライド量で載置面19の位置を独立して調節することができる。これにより、ベッドなどの寝具に寝ている被介護者が寝具に対して斜めになっているなどの姿勢に対応して、被介護者を載置面19に容易に乗せることができる。また、別の寝具に移動したときに、寝具に対してできるだけ斜めに向かないように、姿勢あるいは位置を最適にするように被介護者を寝かせることが可能となる。
つぎに、介護ロボット装置1の電気的な構成について説明する。図8は、本実施形態における支持装置2における電気的な構成を示すブロック図である。
図8に示すように、介護ロボット装置1は、介護者からの操作入力が行われる入力部14と、関節部13、15を回動させる関節駆動部114と、固定部20に対してスライド部18を前後に移動させるスライド駆動部32と、ベルト部23を回動させるベルト駆動部24と、保持部6に対して本体部10を昇降させる脚部8と、脚部8を駆動する昇降駆動部118と、移動部4を駆動する位置駆動部116と、入力部14への入力に基づいて関節駆動部114、スライド駆動部32、ベルト駆動部24、昇降駆動部118および位置駆動部116を制御する制御部110と、を備えている。
固定部20に対してスライド部18を前後に移動させるスライド駆動部32としては、公知の回転型のモータを用いることができる。なお、スライド駆動部32として公知の直動型のモータを使用してもよい。この場合には、例えば、電磁石、電気電動機、油圧等の液体圧シリンダ、空気圧等の気体圧シリンダなどで構成されるリニアモータによりスライド部18を駆動し、固定部20に対して前後に移動させることができる。
関節駆動部114、ベルト駆動部24、昇降駆動部118および位置駆動部116としては、それぞれ公知のモータなどの駆動手段を用いることができる。
関節部13、15としては、それぞれ二軸方向に回転可能な公知の軸受機構を用いることができる。
昇降駆動部118としては、直動可能な公知の機構を用いることができる。
つぎに、介護ロボット装置1の動作について図9および図10(a)〜(h)を用いて説明する。図9は本実施形態における介護ロボット装置1の動作を示すフローチャートであり、図10(a)〜(h)は本実施形態における支持装置2の動作を説明するための説明図である。ここでは、支持装置2が、ベッド401に寝ている被介護者400を寝たままの状態で持ち上げ、別の場所にあるベッド402に移乗させる例について説明する。
図9において、まず、介護者が、支持装置2の入力部14に、支持装置2全体を、被介護者400が寝ているベッド401の側面に近づけるための操作入力を行う(ステップS2)。この操作入力に基づいて、制御部110は、位置駆動部116に移動部4を回転させて、支持装置2全体をベッド401の側面に近づける(ステップS4)。
このとき、図10(a)に示すように、入力部14が持ち上げ部16の上側になるように入力部支持部305の位置決めを行い、持ち上げ部16の先端部が確認しやすい位置に調整される。そして、入力部14から操作指示を入力する。これにより、介護者の視線を持ち上げ部16の先端部の近くにもっていくことができ、持ち上げ部16の先端部が被介護者に対し衝突することを防止できる。
つぎに、介護者は、持ち上げ部16の先端部分をベッド401の側面近傍の位置P1に着床させ、被介護者400とベッド401との間に差し込む位置に移動させるための操作入力を行う(ステップS6)。この操作入力に基づいて、制御部110は、関節駆動部114および昇降駆動部118に、関節部13、15および脚部8をそれぞれ動作させるような指示を行う(ステップS8)。なお、必要に応じて、位置駆動部116により移動部4を駆動させ、位置を調節するようにしてもよい。
また、操作入力を行うときに、図10(a)に示すように、入力部14を持ち上げ部16の上側から下側に下げ、持ち上げ部16が着床したことを確認できる位置に入力部支持部305の位置決めを行い、操作指示を入力する。このとき入力部14を介護者の掌を上に向けて操作するため、手の甲がベッド401に接触することによって、持ち上げ部16の高さ位置と、持ち上げ部16がベッド401に着床したことを容易に確認することができる。したがって、操作ミスを防止することができる。なお、図10(a)では、入力部14を上側から下側に下げるときに、右側に回転させ倒しているが、被介護者400により近づくように、左側に回転させるように倒してもよい。これにより、入力部14をスライド部18より先端側(被介護者400側)に配置でき、介護者の手がスライド部18よりも先に被介護者400に触れるようにすることができる。また、介護者の手をスライド部18よりも先に被介護者400に触れさせることで、着床位置と挿入位置の位置決めが容易になる。また、介護者は、スライド部18より先に手を被介護者400に接触させることができ、安心感を与えることができる。
このように、入力部支持部305を回動させ、入力部14の位置を変更可能にしたことにより、介護者への肉体的な負担を少なくし、かつ、操作ミスを防止することができ、被介護者に安心感を与えることができる。
つぎに、介護者は、持ち上げ部16の先端部分を被介護者400とベッド401との間に挿入するための位置に合わせることができた段階で、スライド部18を前進させるための入力を入力部14に対して行う(ステップS10)。このとき介護者は、持ち上げ部16の先端部の位置を確認した後で、そのままの姿勢でスライド部18を被介護者400とベッド401との間に差し込むことができ、手を伸ばす必要がないため、肉体的な負担が少ない姿勢で被介護者400を持ち上げ部16で掬い上げることができる。
この操作入力に基づいて、制御部110は、スライド部18のベルト部23が、スライド部18の移動方向とは逆の方向に、かつ、スライド部18の移動速度と略同じ速度で回動するように、ベルト駆動モータ24aに指示を行う(ステップS12)。それと同時にあるいはその直後にスライド駆動部32に、スライド部18を前進させるように指示を行う(ステップS14)。このとき、スライド部18の移動方向とは逆の方向に、かつ、スライド部18の移動速度と略同じ速度で回動するように、ベルト駆動モータ24aを回転させるため、被介護者400とベルト部23との相対速度は略「0」となり、被介護者400の背中に接するスライド部18のベルト部23が被介護者400と擦れることがなく、また、スライド部18の移動に伴ってローラ列26の複数のローラ26bがベッド401上を回転することによって、スライド部18を被介護者400とベッド401との間に容易に挿入させることができる。また、このとき必要に応じて、制御部110は、関節駆動部114および昇降駆動部118、位置駆動部116に命じて、関節部13、15および脚部8、移動部4も動作させる。
また、操作入力を行うときに、図10(b)に示すように、入力部14を持ち上げ部16の上側にし、スライド部18の挿入が確認しやすい位置に入力部支持部305の位置決めを行い、操作指示を入力する。これにより、操作ミスを防止することができる。
つぎに、介護者が、スライド部18を被介護者400とベッド401との間に十分に挿入した前進位置、例えば、図10(b)に示すように、持ち上げ部16の先端部分が被介護者400を十分に掬い上げることが可能な位置P2になった場合には、スライド部18を、例えば、図10(c)に示すように、被介護者400と入力部14が接触しない所定の位置P3まで後方に移動させるための入力を入力部14に対して行う(ステップS16)。ここで、制御部110は、受光素子38bが発光素子27からの光を受光したときに、スライド部18が位置P3であると判断し、移動を一時停止する。
この操作入力に基づいて、制御部110は、スライド部18のベルト駆動モータ24aの回転を停止させ、ベルト部23の回動を停止させるように、ベルト駆動モータ24aに指示を行う(ステップS18)。それと同時にあるいはその直後にスライド駆動部32に、スライド部18を位置P3まで後方にスライド動作させるための指示を行う(ステップS20)。このとき、スライド部18の移動に伴ってローラ列26の複数のローラ26bがベッド401上を回転するため、スライド部18をベッド401上で擦れることなく引き抜くことができる。
なお、制御部110は、発光素子からの光を受光素子38a,38b,38cでスライド部18の位置を検知し、所定の位置P1、P2および所定の位置P3に自動で停止するように制御するようにしてもよい。例えば、介護者によって、位置P1から位置P2までスライド部18を移動させる「挿入モード」、位置P2から位置P3までスライド部18を移動させる「引き上げモード」、位置P3から位置P1までスライド部18を移動させる「収納モード」などの操作指示が入力されることで、制御部110は、各モードに応じて、所定の位置P1,P2,P3までスライド部18を移動または停止させるように制御するため、介護者にとって支持装置2を操作することが容易となる。
また、図10(c)に示すように、制御部110は、所定の位置P3でスライド部18が停止しているとき、入力位置検知部113により、入力部14の操作位置を検知し、入力部14と被介護者400とが接触しない位置であるか否かを判断する。もし、入力部14と被介護者400とが接触しない位置にあると判断された場合には、スライド部18を位置P1まで移動させる。これによって、入力部14と被介護者400とが接触することを防ぎ、怪我を防止できる。一方、入力部14と被介護者400とが接触する位置である場合には、公知の報知手段により、介護者に知らせるようにしてもよい。公知の報知手段としては、音声発生手段、表示装置、振動装置などがある。
つぎに、介護者は、図10(d)に示すように、スライド部18が位置P1(後退位置)まで移動して停止した場合に、被介護者400を持ち上げるための操作入力を入力部14に対して行う(ステップS22)。
この操作入力に基づいて、制御部110は、昇降駆動部118により、脚部8を上昇させ、被介護者400を支持した状態で持ち上げ部16を持ち上げる(ステップS24)。
つぎに、介護者は、図10(e)に示すように、入力部14を操作し、介護ロボット装置1全体を移動先のベッド402に移動させるための入力を行う(ステップS26)。
この入力に基づいて、制御部110は、所望の位置(例えば、ベッド402の位置)まで移動部4を移動させるための指示を位置駆動部116に対して出力する(ステップS28)。このとき、持ち上げ部16の先端部分に位置している入力部14を介護者の掌が上側に向いた状態で操作しているため、介護者の腕が被介護者400の背中をあたかも支えているようになり、被介護者400が介護者によって抱き上げられている感覚となり、被介護者400に安心感を与える。
介護者は、支持装置2がベッド402の側方に近づいたことを確認したところで、入力部14に、持ち上げ部16をベッド402の上に降ろすための入力を行う(ステップS30)。この入力に基づいて、制御部110は、関節駆動部114および昇降駆動部118に、関節部13、15および脚部8を動作させて、被介護者400を乗せた持ち上げ部16をベッド402の上に降ろすための指示を行う(ステップS32)。
また、操作入力を行うときに、図10(e)に示すように、入力部14を持ち上げ部16の下側に下げ、持ち上げ部16が着床したことを確認できる位置に入力部支持部305の位置決めを行い、操作指示を入力する。
つぎに、介護者は、被介護者400を乗せた持ち上げ部16がベッド402に着床したことを確認して、スライド部18を前方へ移動させる旨の入力を入力部14に対して行う(ステップS34)。
この入力に基づいて、制御部110は、ベルト部23の回動を停止した状態のまま、スライド駆動部32に、スライド部18を前方にスライド動作させるような指示を行う(ステップS36)。このとき、スライド部18のローラ26bがベッド402の上を転がりながら移動するため、スライド部18がベッド402上で擦れることなく押し出すことができる。ここで、制御部110は、図10(f)に示すように、被介護者400と入力部14が接触しない所定の位置P3まで前方に移動したときにスライド部18を停止させる。また、制御部110は、図10(g)に示すように、入力部14の位置が上側に変更されたときに、スライド部18を所定の位置P2に移動させる。ここで、制御部110は、発光素子27からの光を受光素子38cが受光した場合には、スライド部18の移動を停止し、それ以上左側(矢印a方向)に移動することを阻止する。これにより、制御部110は、スライド部18が適切な範囲で移動し、被介護者400を支持できるように制御している。
介護者は、被介護者400を乗せたスライド部18がベッド402上の所定の位置P2まで移動して停止したことを確認した後、スライド部18を後方へ移動させる旨の入力を入力部14に対して行う(ステップS38)。
この入力に基づいて、制御部110は、スライド部18の移動方向とは逆の方向に、かつ、スライド部18の移動速度と略同じ速度で回動するように、ベルト駆動モータ24aに指示を行う(ステップS40)。それと同時にあるいはその直後にスライド駆動部32に、スライド部18を、固定部20に対して後方へ移動させる旨の指示を行う(ステップS42)。スライド部18がスライドするとき、スライド部18の移動方向とは逆の方向にベルト部23がスライド部18の移動速度と略同じ速度で回動するため、被介護者400とベルト部23との相対速度は略「0」となり、被介護者400の背中に接するベルト部23が被介護者400と擦れることがない。また、スライド部18の移動に伴ってローラ列26の複数のローラ26bがベッド402上を回転することによって、スライド部18とベッド402との間での擦れを抑えている。
また、制御部110は、図10(h)に示すように、受光素子38aが発光素子27からの光を受光したときにスライド部18が所定の位置P1に移動したと判断し、スライド部18を停止させる。
以上のように、本実施形態における支持装置2によれば、入力部14は、持ち上げ部16の先端部近傍に設けられているため、持ち上げ部16の先端部が確認しやすい位置で操作入力することができる。これにより、介護者は、持ち上げ部16の先端部を注視しながら挿入時の作業を行うことができ、持ち上げ部16の先端部が被介護者に対し衝突することを防止できる。被介護者400は介護者の腕に抱かれているように感じ、被介護者に安心感を与えることができる。
しかも、載置面19に対する入力部14の相対的な位置が前後方向に変化可能となっているので、介護者にとって操作がしやすい場所に入力部14の位置を変更でき、被介護者を抱き上げるための一連の動作の負担を軽減することができる。例えば、載置面19を被介護者の下に挿入する前に、スライド部18が後退位置であり、かつ入力部14が前位置にある第1位置にあれば、入力部14は第2位置の場合に比べて被介護者の近くに位置するため、介護者は載置面19のベッドへの位置決め操作がし易くなり、また介護者は入力部14を把持した状態でベッドへの着床検知を容易に行うことができる。したがって、支持装置2の操作性が向上し、載置面19を被介護者の下に挿入する作業を楽に行うことができる。一方、載置面19が被介護者の下に挿入されたときに入力部14が第2位置(スライド部18が前進位置)にあれば、入力部14が介護者に近い位置となるため、介護者は前のめり姿勢にならずに被介護者を抱きかかえることが可能となるため、被介護者の抱きかかえ作業の負担を軽減することができる。また、介護者を掬い上げた後で載置面19を胸元まで引き寄せる際に入力部14が第1位置にあれば、入力部14が介護者に近づき過ぎないので、肘を極端に後まで引く必要がない。このため、抱き寄せ時の負担を軽減することができる。また引き寄せ時に入力部が邪魔になることもない。このように、載置面19に対して入力部14が相対的に変位することにより、介護者にとって負担となる姿勢を強いられずに被介護者を抱き上げることができるので、その一連の作業の負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、入力部14を操作する位置を持ち上げ部16の下面と同じ高さに変更することができるため、手の甲がベッドに接触することによって、持ち上げ部16がベッドなどの寝具に着床したことを容易に確認することができ、操作ミスを防止することができる。これにより、介護者への肉体的な負担が小さく、かつ、操作ミスを防止することができ、被介護者400に安心感を与えることができる。
また、本実施形態では、被介護者400の下側手前まで持ち上げ部16の先端部を移動させた後、スライド部18を前後に移動させて被介護者400を掬うことができるので、介護者が腰痛などの肉体的負担となるような姿勢を取ることなく、被介護者400を抱え上げられることができる。
また、本実施形態では、入力部14を持ち上げ部16の下面部側に変更できるため、被介護者を乗せたスライド部18を後退させたとき、被介護者と接触するのを防止できる。これにより、被介護者に安心感を与えることができる。
また、本実施形態では、入力部14が第1位置にあれば、載置面19が被介護者に触れる前に、介護者は入力部を掴みながら手で被介護者に触れることができる。つまり被介護者へのファーストコンタクトを介護者が行うことが可能となる。このため、介護者に安心感を与えることができる。
また、本実施形態では、入力部14が入力部支持部305に回動可能に支持されているので、載置面19に対する入力部14の相対的な位置を変えることができる。このため、1つの操作で入力部14の相対的位置を変えることができる。
また、本実施形態では、入力部支持部305がU字状のレバーによって構成されているので、入力部14を手の平を上に向けて握った場合には、親指での入力操作がしやすい。また、入力部14による操作を行いながら、手の甲で着床を確認することも可能である。
また、本実施形態では、固定部20に対してスライド部18をスライドさせることにより、載置面19を基準とする入力部14の相対的な位置が変わり、これによって入力部14が第1位置及び第2位置を取り得る。また、持ち上げ部16で被介護者を掬い上げるときに、持ち上げ部16を支持するアーム部12の長さが短く、持ち上げ部16を前後させるストロークが制限された場合であっても、持ち上げ部16の先端からスライド部18を伸ばして被介護者と寝具との間に容易に挿入できる。すなわち、アーム部12の長さを短くして装置を小型化することが可能となる。
また、本実施形態では、スライド部18の位置情報に基づいてスライド部18を所定の範囲で移動可能に制御するので、介護者が被介護者を掬い上げやすい位置でスライド部18を停止して、被介護者を持ち上げることができる。このため、介護者に肉体的な負担をかけることがなく、また、被介護者に安心感を与えることができる。また、安全な範囲でスライド部18を出し入れして移動できる。
また、本実施形態では、スライド部18にベルト部(無端ベルト)23が設けられているので、スライド部18のスライドに加え、ベルト部23の駆動によって被介護者をスライド部18の上面に移動させることができ、被介護者を容易に持ち上げ部に乗せたり、降ろしたりすることができる。
しかも、本実施形態では、ベルト部23の上面と被介護者との接触部分での相対速度を略零にできるので、スライド部18を被介護者と寝具との間から抜き差しするときに、上面のベルト部23が被介護者と擦れるおそれがなくなる。これにより、被介護者に無理な力がかからず、被介護者に安心感を与えることができる。
また、本実施形態では、スライド部18の下面にローラ列26が設けられているので、スライド部18を被介護者と寝具との間に抜き差しするとき、スライド部18と寝具との間で擦れるようなことがないため、スライド部18の移動に伴って、寝具が乱れるようなことがなく、スライド部18を滑らかに抜き差しすることができる。
一方、従来の持ち上げ部において入力部91が持ち上げ部93の後端にある場合には、図11(a)に示すように、持ち上げ部93の着床を確認することが困難であり、持ち上げ部93の位置決めも難しい。また入力部91を把持する介護者の手で被介護者へのファーストタッチを行うことは困難である。
また、従来の持ち上げ部93において、入力部91が持ち上げ部93の前端にある場合では、図11(b)に示すように、被介護者を抱きかかえる際に前のめり姿勢になってしまい、介護者の負担が大きい。
また、従来の持ち上げ部93において、入力部91が持ち上げ部93の後端にある場合には、図11(c)に示すように、介護者を掬い上げた後で載置面19を引き寄せる際に肘を極端に後まで引く必要があるので、その際の介護者の負担も大きい。
なお、本実施形態では、入力部支持部305を回動させることにより入力部14の位置を変更できる構成について説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、入力部14を固定部20に摺動可能に連結してもよい。これによっても、入力部14の位置を変更することができる。この場合の例について図12(a)(b)(c)を用いて説明する。図12(a)は入力部支持部505の要部側面図であり、図12(b)は図12(a)のXII−XII線における断面図であり、図12(c)は入力部支持部505が下に下がった状態を示す要部側面部である。
図12(b)に示すように、入力部14は、入力部支持部505によって支持されている。固定部20には、上下に長い開口501が形成されており、入力部支持部505は、この開口501に沿って上下方向に移動する。また、固定部20には、上下方向に離間して2つの穴502が設けられている。この穴502は位置決め用の穴である。入力部支持部505は、位置決めピン503により、上下方向の位置が固定される。すなわち、位置決めピン503が板バネ504により押圧されて穴502に挿入されることにより、入力部支持部505の位置が固定される。
入力部支持部505を移動させるときには、スイッチ506を固定部20から離れる方向に移動させることにより、板バネ504に固着している位置決めピン503を穴502から外す。これにより入力部支持部505を上下方向に移動させることが可能となる。そして、入力部支持部505が別の穴502の位置にきたところで、スイッチ506を戻すことで、位置決めピン503をその別の穴502に挿入する。これにより、入力部支持部505の高さが変更された状態で固定することができる。
なお、摺動方向を上下方向としたが、前後方向、斜め方向としてもよい。また、板バネ504はスプリングでもよい。また、上述した回動アーム132、U字形状のレバーを摺動させるようにしてもよい。
ここで、入力部支持部505が上下動する態様の持ち上げ部16により被介護者を抱きかかえる作業について、図13(a)〜(e)を参照しつつ説明する。スライド部18を被介護者の下に挿入する際には、入力部14を上位置に設定しておく(図13(a)(b))。このとき、入力部支持部505は上側の穴502に挿入されている。そして、スライド部18を前進位置に保持したまま、被介護者を載せた持ち上げ部16全体を後退させる(図13(c))。このとき、入力部14がベッド上にあれば、入力部14を下位置にすることはできないので、入力部14が上位置にある状態のままスライドさせ、入力部14がベッドから外れたときに、入力部14を下位置に下げる(図13(d))。このとき入力部支持部505は下側の穴502に挿入される。そして、スライド部18を後退位置まで後退させる(図13(e))。これにより、被介護者が入力部14と接触することなく、被介護者を引き寄せることができる。
なお、図12(a)(b)に示すように、円筒状に形成された入力部14の内径を円柱状の入力部支持部505の先端部分505aの外径に合わせ、入力部14を入力部支持部505に対して着脱できるようにしてもよい。これにより、介護者は、入力部14を固定部20から外して利用することができ、負担の少ない安全な位置で操作することができる。例えば、被介護者を掬い上げた後で一対の持ち上げ部16の間隔を狭めるときに、介護者は、入力部14を入力部支持部505から外し、持ち上げ部16の後方から入力部14を操作する。これにより、介護者は、一対の持ち上げ部16に挟まれるおそれがなくなる。
本実施形態においては、持ち上げ部16のスライド部18を移動させる手段として、ラックギア21gとピニオンギア35を利用する構成を示したが、この構成に限定されない。スライド駆動部32の他の例について、図14(a)(b)を用いて説明する。図14(a)は、スライド駆動部の他の例の側面図であり、図14(b)は図14(a)のXIV−XIV線における断面図である。
図14(a)(b)に示すように、スライド駆動部302は、固定部20の連結部31aに設けられたネジ駆動モータ299と、ネジ駆動モータ299の回転軸に固着されたボールネジ軸300とによって構成される。ボールネジ軸300は、スライド部18におけるスライドフレーム部21の底面部21bに固着されたナット301に螺合されている。このような構成であっても、固定部20に対し、スライド部18を前後に移動させることができ、かつ、スライド駆動部302を固定部20に配置できる。なお、この構成においては、ボールネジに限定されず、三角ネジあるいは台形ネジなどを用いてもよい。
また、本実施形態においては、図6および図7(a)(b)に示したように、スライド部18を被介護者の下側に挿入する際、スライド部18とベッドとの間で相対運動しないようにするため、フリーローラである複数のローラ26bを用いたローラ列26を有する構成を示したが、これに限定されない。スライド部18の他の例について、図15を用いて説明する。図15は、スライド部18の側面図である。
図15に示すように、スライド部18は、上面部に設けられたローラ303と、そのローラ303に巻きつけられたベルト部102aと、スライド部18の下面部に設けられたローラ304と、そのローラ304に巻きつけられた下部ベルト部102bと、ローラ303、304およびベルト部102aおよび下部ベルト部102bをそれぞれのベルト駆動機構部202aおよびベルト駆動機構部202bを介して回転自在にそれぞれ回転させるベルト駆動モータ203aおよびベルト駆動モータ203bとを備えている。スライド部18の前後動作と連動してローラおよびベルトが回転する。
このような構成の場合には、制御部110は、被介護者とベッドの間へのスライド部18の挿入動作あるいは引抜動作に合わせて、ベルト部102aの上半周部および下部ベルト部102bの下半周部におけるそれぞれの移動方向がスライド部18の移動方向と逆の方向になるように、ベルト駆動モータ203aおよびベルト駆動モータ203bを回転させ、かつ、そのときのベルト部102aおよび下部ベルト部102bの移動速度がスライド部18の移動速度と略等しい速度で移動するように、ベルト駆動モータ203aおよびベルト駆動モータ203bの回転速度を制御する。また、制御部110は、スライド部18に被介護者を乗せた状態で移動するときは、ベルト部102aを駆動する側のベルト駆動モータ203aの回転を止め、ベルト部102aの移動を停止させ、下部ベルト部102bのみを挿入あるいは引抜動作と同様にスライド部18に連動して移動させるように、ベルト駆動モータ203bの回転速度を制御する。
このような構成であっても、被介護者の下側にスライド部18を挿入する、あるいは、被介護者の下側からスライド部18を引き抜く際、スライド部18が被介護者の体やベッドと擦れることなく移動させることができる。
また、図6および図7(a)(b)にスライド部18の下面にローラ列26を用いた構成を示したが、図15に示すように、下部ベルト部102bとした構成であってもよい。さらに、ローラ304をスライド部18内部のモータにより直接に駆動するようにしてもよい。これにより、スライド部18を固定部20から切り離した場合には、自走することができる。
このような構成の場合には、収納時は固定部20に設けた凹部の溝で、スライド部18に設けたガイドレール204を案内するようにして、固定部20にスライド部18を収納する。また、スライド部18の収納が完了したときに、固定部20側より固定ピンを突出させ、スライド部18に設けた穴に挿入することで、スライド部18を固定部20側に固定するなどの、公知のロック機構を働かせ、スライド部18が固定部20側から外れないようにする。これにより、被介護者を乗せて移動しているときにスライド部18が外れたりすることがないようにする。なお、固定方法として、板バネ、スプリング、ゴムなどの弾性体で固定部20側よりスライド部18を押さえるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、図1及び図2に示すように持ち上げ部16が介護者の腕に対し外側に配置される構成を示したが、これに限定されない。例えば、持ち上げ部16が、介護者の腕の両側に配置される構成であってもよい。この構成について図16および図17を用いて説明する。図16は介護ロボット装置の斜視図であり、図17は図16のXVII−XVII線における断面図である。
図16および図17に示すように、各持ち上げ部16には、それぞれ一対のスライド部18が設けられている。各一対のスライド部18において、スライド部18は介護者の幅方向に並ぶように配設されており、両スライド部18間には、人の腕が入る程度の間隙が形成さている。この間隙に入力部14が配設されている。そして、介護者の両腕のそれぞれの両側にスライド部18を配置し、その2つのスライド部18の間に腕をそれぞれ挿入して入力部14を操作する。
このような構成により、介護者は、一対のスライド部18により腕の両側で被介護者を支えることができ、抱える面積をより大きくすることができる。これにより、安定して被介護者を抱えることができる。また、介護者の腕が被介護者に触れることができるため、被介護者が落下するなどの緊急を要する場合には直接に被介護者を腕で支持でき、安全性を高めることができる。また、被介護者に安心感を与えることができる。
本実施形態では、介護者が自分で入力部14の位置を変える態様について説明したが、入力部14が自動的に位置を変える構成としてもよい。例えば、図18(a)〜(f)に示すように、入力部14の入力部支持部が固定部20に対して回動可能な操作レバー41として構成されている場合について説明する。
持ち上げ部16の先端部にはセンサが3つ設けられている。第1のセンサ43は、所定範囲内に物体があるか否かを検出可能な距離センサであり、持ち上げ部16の先端部における下方の寝具の有無を検出するのに使用される。第2のセンサ45は、持ち上げ部16の先端部における下面部が寝具に接触しているか否かを検知可能なセンサであり、持ち上げ部16の先端部が寝具に着床したか否かを検出するために使用される。第3のセンサ47は、持ち上げ部16の先端部が被介護者に接触しているか否かを検知可能なセンサであり、寝具に着床した持ち上げ部16の先端部が被介護者に接触したかどうかを検出するために使用される。
また、スライド部18には、荷重を検知可能なセンサ(第4のセンサ)49が設けられている。この第4のセンサ49は、スライド部18に被介護者が載っているか否かを検出するために使用される。
そして、制御部110は、第1のセンサ43によって持ち上げ部16の先端部の下方に寝具が検出されると、入力部14が先端部に位置するように操作レバー41を回動する(図18(a)(b))。これにより、入力部14は前位置となるため、持ち上げ部16の先端部を寝具にセットする作業において、作業負担を軽減することができる。つまり、入力部が先端部側に移動することにより、持ち上げ部16の高さ調整等、寝具へのセット作業が楽になる。
次に、持ち上げ部16がベッドに着床し(図18(c))、第2のセンサ45によりベッドへの着床が検出されるとともに、第3のセンサ47により、持ち上げ部16の先端部が被介護者に接触したことが検知されると、制御部110は、操作レバー41を今度は逆向きに回動し、入力部14を後位置まで移動させる(図18(d))。このため、スライド部18が介護者の下側に挿入されたときでも、介護者が前のめりの姿勢にならなくて済む。そして、スライド部18が前進し(図18(e))、第4のセンサ49によって被介護者の体重を荷重として検出すると、制御部110は、スライド部18を後退させる(図18(f))。
図19(a)〜(e)は、入力部支持部が固定部20に対して上下方向に移動可能な操作レバー51として構成されている例を説明するための図である。操作レバー51の下面にはセンサ53が設けられている。このセンサ53は、操作レバー51の下面に物体が存在するか否かを検知可能なセンサであり、操作レバー51がベッド上に載っているか否かを検出するために使用される。
ベッド上に着床した持ち上げ部16の固定部20に対してスライド部18が前進した後(図19(a)(b))、スライド部18を後退させるときには、センサ53によってベッドが検出されている間は、制御部110は、操作レバー51を上位置に保持するとともに、スライド部18を前進位置に保持しておく。つまり、入力部14が第2位置に保持された状態となっている。
そして、センサ53によってベッドが検出されなくなると、制御部110は、操作レバー51を下方に移動させる(図19(d))。そして、制御部110は、操作レバー51が下位置にセットされたことを条件として、スライド部18を後退させる。この態様では、寝具が存在するにもかかわらず入力部14が降下するのを防止できる。一方、操作レバー51の下方に寝具がない場合には入力部14が自動的に下方に移動する(退避する)ことにより、介護者が入力部14を操作する余裕がない場合でも、入力部14又は操作レバー51が被介護者と接触することを確実に防止することができる。
図19(a)〜(d)では、被介護者を載せた持ち上げ部16を引き寄せるときに、当初はスライド部18を後退させないで持ち上げ部16全体を引き寄せる例を示しているが、図20(a)〜(e)は、被介護者を載せた持ち上げ部16を引き寄せる際に、最初からスライド部18を後退させる例を示している。この場合、スライド部18の後退に伴って被介護者が入力部14又は操作レバー51に接触することを防止するため、接触位置の手前でスライド部18の後退動作を停止するようにしている。
図21(a)〜(c)は、被介護者と操作レバー51との接触位置を算出するために必要な特性値を説明するための図である。スライド部18の全長をl、スライド部先端の厚みをa、スライド部基端の厚みをb、操作レバー51の高さをh、操作レバー51の厚みをd、介護者の指の厚みをf、fの安全係数をk(但し、k>0)、とする。なお、操作レバー51の高さhは、持ち上げ部下面を基準として、上方を+、下方を−としている。また、スライド部の先端部を基準とし、そこから操作レバー51までの距離をxl、被介護者の後端までの距離をxh、最大スライド時(前進位置)における操作レバー51までの距離をxeとする。被介護者の後端は、例えば図21(c)に示すように、スライド部18の上面に長手方向に間隔をおいて多数配設されたセンサ55によって検出することができる。被介護者がいないときは、距離xhをゼロとする。
制御部110は、操作レバー51及び指の高さ位置がスライド部先端厚みa以上でかつ、後端厚みb以下の場合において、スライド部18の先端部から被介護者の後端までの距離xhが、スライド部18の先端部から操作レバー51までの距離xlよりも大きいか否かによって接触を判定する。
具体的には、図22に示すように、まず制御部110は、操作レバー51及び指の高さ位置がスライド部18の先端部厚みaよりも小さいか否かを判定する(ステップS101)。その判定は、以下の関係式(1)
h+d/2+f・k<a ・・・ (1)
に基づいて行う。そして、YESと判定されると、スライド部18を後退動作し(ステップS102)、スライド部18が後退位置(xl=0)に到達するまで監視しながら動作を継続する(ステップS103、S104)。
一方、ステップS101の判定がNOのときには、ステップS105に移る。ステップS105では、操作レバー51及び指の高さ位置が所定範囲内かどうかを判定する。ここでは、以下の関係式(2)
Figure 2008100053
に基づいて判定を行う。判定がYESであれば、スライド部18を後退動作し(ステップS106)、被介護者の後端位置xh、操作レバー51の位置xlを監視する(ステップS107)。このとき図20(c)に示すように、被介護者が操作レバー51に近づく。
そして、被介護者がスライド部18に載っているか否かを確認し(ステップS108)、被介護者がスライド部18に載っている場合には、被介護者の後端位置xhと操作レバー51の位置xlとを比較する(ステップS109)。後端位置xhがレバー位置xlよりも小さい場合にはステップS106に戻り、スライド部18の後退動作を継続し、後端位置xhがレバー位置xl以上になるとステップS110に進む。
ステップS110では、以下の関係式(3)
Figure 2008100053
に基づいて、被介護者と操作レバー51又は指との接触判定を行う。この関係式(3)が満足される場合には、被介護者が操作レバー51又は介護者の指と接触するものとして、スライド部18を停止するとともに、ステップS111に進む。なお、前記ステップS105の判定がNOの場合にもステップS111に進む。
ステップS111では、スライド部18の後退動作をすることなく持ち上げ部16自体を後退させる。そして、操作レバー51下部のセンサによりベッドの有無を監視する(ステップS112)。このとき、操作レバー51の下方にベッドがないかを判定し(ステップS113)、操作レバー51の下方にベッドが存在しなくなるまで持ち上げ部16が後退すると、図20(d)にも示すように、操作レバー51を下方に移動させる(ステップS114)。これにより被介護者が操作レバー51又は介護者の指と接触することなく、被介護者を引き寄せることができる。
以上の実施形態では、持ち上げ部16が固定部20とスライド部18とを有する構成について説明したが、これに限られるものではない。例えば図23に示すように、この持ち上げ部16では、スライド部が設けられておらず、持ち上げ部16は前後方向に長い箱形に形成された持ち上げ部本体58を有している。そして、持ち上げ部本体58は、一端部において端部ほど薄くなく先細状に形成されている。持ち上げ部本体58の上面は、被介護者が載置可能な載置面19となっている。
入力部14を支持する入力部支持部305は、前後方向に移動可能に持ち上げ部本体58に支持されている。持ち上げ部本体58には、前後に延びる長孔60が形成されている。入力部支持部はその長孔60に挿通されており、本体内部に収容された駆動機構に連結されている。入力部支持部305は、回動可能となっており、入力部14は前位置、後位置、上位置、下位置を取り得る。
入力部支持部305の移動可能量は、前記スライド部18のスライド量と同程度である。そして、入力部支持部305が前端位置にあり、かつ入力部14が前位置のとき、入力部14は第1位置となる。したがって、この状態のとき、入力部支持部305を握った手の指が被介護者に届くように第1位置が設定されている。一方、入力部支持部305が後端位置にあるときに入力部14は第2位置となる。このように構成された場合においても、スライド部18を有する持ち上げ部16と同様の効果を得ることができる。
入力部支持部305は手動で移動する構成でもよく、自動で移動する構成でもよい。入力部支持部305が自動で移動する構成の場合には、図18〜図22に準じて構成すればよい。入力部支持部305が手動で移動する構成の場合、駆動機構にクラッチを設けることにより、移動可能な状態と移動不可能な状態とを切り換えることができる。
なお、入力部支持部は回動可能な構成に代え、上下動可能な構成としてもよい。また、上下動も回動もしない構成であってもよい。
本発明は、病院や家庭などの介護の現場において、ベッドなどの寝具に寝ている被介護者を、寝たままの状態で支持しながら他の場所に移動させるための支持装置、特に、被介護者と寝具との間に、被介護者を持ち上げるための持ち上げ部を差し入れて、被介護者を持ち上げることのできる支持装置およびそれを用いた介護ロボット装置に利用可能である。
本発明の実施の形態による介護ロボット装置の斜視図である。 前記介護ロボット装置の使用態様を説明するための図である。 (a)は、持ち上げ部の先端部近傍の側面図であり、(b)は、(a)のIII−III線における断面図である。 (a)は、本実施形態での入力部支持部の回動規制を説明するための図であり、(b)は、他の実施形態における入力部支持部の回動規制を説明するための図である。 他の実施形態での持ち上げ部の先端部近傍の側面図である。 本実施形態でのスライド部の側面図である。 (a)は、本実施形態での持ち上げ部の側面図であり、(b)は、(a)のVII−VII線における断面図である。 本実施形態での電気的な構成を示すブロック図である。 本実施形態での動作を示すフローチャートである。 (a)〜(h)は本実施形態での支持装置の動作を説明するための説明図である。 (a)〜(c)は従来の持ち上げ部による抱きかかえ動作を説明するための説明図である。 (a)は、他の実施形態における入力部支持部を示す側面図であり、(b)は、(a)のXII−XII線における断面図であり、(c)は入力部が下位置にあるときの状態を示す側面図である。 (a)〜(e)は、他の実施形態における動作を説明するための説明図である。 (a)は、他の実施形態におけるスライド部の側面図であり、(b)は、(a)のXIV−XIV線における断面図である。 他の実施形態におけるスライド部の側面図である。 他の実施形態における介護ロボット装置の斜視図である。 図16のXVII−XVII線における断面図である。 (a)〜(f)は、他の実施形態における動作を説明するための説明図である。 (a)〜(e)は、他の実施形態における動作を説明するための説明図である。 (a)〜(e)は、他の実施形態における動作を説明するための説明図である。 (a)(b)は、被介護者と操作レバーとの接触位置を算出するために必要な特性値を説明するための図であり、(c)は被介護者の後端を検出するセンサを説明するための図である。 他の実施形態における動作を示すフローチャートである。 他の実施形態における持ち上げ部の斜視図である。
符号の説明
2 支持装置
4 移動部
6 保持部
8 脚部
10 本体部
12 アーム部
13,15 関節部
14 入力部
16 持ち上げ部
18 スライド部
19 載置面
20 固定部
21 スライドフレーム部
22 ベルトガイドローラ列
23,102a ベルト部
24 ベルト駆動部
25,202a,202b ベルト駆動機構部
26 ローラ列
27 発光素子
31 固定フレーム部
32,302 スライド駆動部
33 スライド駆動モータ
34 伝達駆動部
35 ピニオンギア
36 ウオームホイール
37 ウオーム
38 移動位置検知部
38a,38b,38c 受光素子
41 操作レバー
43 第1のセンサ
45 第2のセンサ
47 第3のセンサ
49 第4のセンサ
51 操作レバー
53 センサ
55 センサ
58 持ち上げ部本体
60 長孔
102b 下部ベルト部
110 制御部
111,121 カム板部
112 位置規制バネ
113,124 入力位置検知部
114 関節駆動部
116 位置駆動部
118 昇降駆動部
122 平板バネ
123 位置規制ピン
132 回動アーム
204 ガイドレール
299 ネジ駆動モータ
301 ナット
303,304 ローラ
305,505 入力部支持部
401,402 ベッド
501 開口
502 穴
503 位置決めピン
504 板バネ
506 スイッチ

Claims (22)

  1. 被介護者を抱き上げる動作を支援するための支持装置であって、
    前記被介護者の載置が可能な載置面と、
    操作指示を入力するための入力部と、を備え、
    前記入力部は、第1位置と、前記載置面を基準として被介護者から離れる方向に前記第1位置よりも後退した第2位置とを取り得る支持装置。
  2. 前記第1位置は、前記入力部を掴んでいる介護者の手の指が被介護者に届く範囲に位置する請求項1に記載の支持装置。
  3. 前記入力部は、前記載置面に対して相対的に上下方向に変位可能である請求項1に記載の支持装置。
  4. 前記入力部を回動可能に支持する入力部支持部を備えている請求項3に記載の支持装置。
  5. 前記入力部支持部は、U字状のレバーであり、このレバーの端部に前記入力部が設けられている請求項4に記載の支持装置。
  6. 前記入力部を支持する入力部支持部を有する固定部と、
    前記載置面を有し、前記固定部に対してスライド可能なスライド部と、を備えている請求項1から5の何れか1項に記載の支持装置。
  7. 前記固定部は複数設けられるとともに、各固定部に対してそれぞれスライド可能に前記スライド部が設けられ、
    前記スライド部はそれぞれ独立してスライド可能に構成されている請求項6に記載の支持装置。
  8. 前記スライド部をスライドさせるためのスライド駆動部と、
    前記スライド部の位置情報を検知する移動位置検知部と、
    前記スライド駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記スライド部の前記位置情報に基づいて前記スライド部を所定の範囲で移動可能に制御する請求項6に記載の支持装置。
  9. 前記入力部の操作位置情報を検知する入力位置検知部をさらに備え、
    前記制御部は、前記スライド部の前記位置情報と前記入力部の前記操作位置情報とに基づいて前記スライド部を停止または移動するように制御する請求項8に記載の支持装置。
  10. 前記スライド部は、無端ベルトを有し、この無端ベルトの上面によって前記載置面が構成されている請求項6に記載の支持装置。
  11. 前記無端ベルトの上面が、前記スライド部の移動方向と反対方向で、かつ前記スライド部のスライド速度と略等しい速度で走行する請求項10に記載の支持装置。
  12. 前記スライド部の下面部に、回転可能なローラ列をさらに備えている請求項6に記載の支持装置。
  13. 前記スライド部の下面部に、回動可能な無端ベルトを有する下部コンベア部をさらに備えている請求項6に記載の支持装置。
  14. 前記下部コンベア部は、前記無端ベルトの下面が前記スライド部の移動方向と反対方向で、かつ前記スライド部のスライド速度と略等しい速度で移動するように前記無端ベルトを走行させることを特徴とする請求項13に記載の支持装置。
  15. 前記載置面は、介護者の少なくとも一方の腕の両側に位置するように一対に設けられ、前記載置面の上面側から前記腕を前記被介護者に接触可能である請求項1から14の何れか1項に記載の支持装置。
  16. 前記載置面と一体の持ち上げ部本体と、
    前記入力部を支持する入力部支持部と、を備え、
    前記入力部支持部は、前記入力部が前記第1位置及び前記第2位置を取り得るように、前記持ち上げ部本体に変位可能に支持されている請求項1から5の何れか1項に記載の支持装置。
  17. 寝具を検出可能なセンサを有し、
    前記センサと寝具との距離が所定値内であることが検知されることにより、前記入力部は相対的に前方へ移動する請求項1、4、5の何れか1項に記載の支持装置。
  18. 前記載置面の先端にセンサが設けられ、
    前記センサが被介護者に接触したことが検知されることにより、前記入力部は前記載置面に対して相対的に後方に移動する請求項1、4、5の何れか1項に記載の支持装置。
  19. 前記入力部を支持する入力部支持部と、
    前記入力部支持部の下方における寝具の有無を検出可能なセンサと、を備え、
    前記センサによって前記入力部支持部の下方に寝具が検出される間は前記入力部が前記第2位置に保持され、寝具が検出されなくなると前記入力部は前記第2位置から下方へ移動する請求項3から5の何れか1項に記載の支持装置。
  20. 前記載置面に被介護者が載置された状態で前記入力部が前記第2位置から前記第1位置に移動する際に、被介護者と前記入力部とが接触すると判断されると、前記載置面に対する前記入力部の相対的な移動が停止する請求項1から9の何れか1項に記載の支持装置。
  21. 前記入力部を支持する入力部支持部と、
    前記入力部支持部の下方における寝具の有無を検出可能なセンサと、を備え、
    前記載置面に被介護者が載置された状態で前記入力部が前記第2位置から前記第1位置に移動する際に、被介護者と前記入力部とが接触すると判断されると、前記載置面に対する前記入力部の相対的な移動が停止し、前記センサによって前記入力部支持部の下方に寝具が検出される間はこの相対的な位置関係を維持したまま前記載置面が移動し、寝具が検出されなくなると前記入力部は下方へ移動する請求項3から9の何れか1項に記載の支持装置。
  22. 請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の支持装置と、
    前記載置面を有する持ち上げ部の位置および姿勢を変化させるための関節部と、
    前記関節部を変化させる関節駆動部と、
    前記入力部に入力された前記操作指示に基づいて、前記支持装置及び前記関節駆動部を制御する制御部と、を備えている介護ロボット装置。
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