JP2008096870A - 現像ローラ - Google Patents

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武雄 大柴
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奥士 奥山
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聡 松谷
Shinya Obara
慎也 小原
Masahiro Yasuno
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Abstract

【課題】プリント画像上に点状の画像欠陥、かぶりや現像ゴーストが発生しない非磁性1成分現像剤用の現像ローラを提供する。
【解決手段】導電性シャフト1の外周に導電性を有する被覆層20を形成してなり、該被覆層の表面に非磁性1成分現像剤を担持して該非磁性1成分現像剤の薄層を形成し、この状態で静電潜像を表面に保持した静電潜像担持体に接触せずに該薄層から該非磁性1成分現像剤を静電潜像担持体表面の静電潜像に付着させ、該静電潜像を可視化する現像ローラ32において、該被覆層中に少なくとも体積基準におけるメディアン径(D50)5〜30μmの粒子を含有し、且つ該被覆層のリーク開始DC電圧が0.5〜100Vであることを特徴とする現像ローラ。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ或いはファクシミリの受信装置などの電子写真方式を採用した画像形成装置に組み込まれる現像ローラに関し、特に非磁性1成分現像方式を採用した現像装置に用いられる現像ローラに関するものである。
現在広く用いられている電子写真画像形成方法は、電荷付与されたトナーを静電潜像担持体(電子写真感光体)上に形成した静電潜像に接触、或いは狭い間隙を介して対向させ、静電潜像をトナーにより顕像化する現像過程を経て形成された静電潜像担持体上のトナー画像を、普通紙等に転写した後、定着して最終画像を形成するものである。
トナー画像を形成するための現像方法として、キャリアとトナーとから構成される2成分現像剤を用いてトナーを帯電させ現像する2成分現像方式や、トナーのみから構成される1成分現像剤を用い、現像ローラや現像剤規制部材などとの摩擦帯電によりトナーを帯電させて現像を行う1成分現像方式がある。この1成分現像方式ではキャリアを使用しないので、現像装置が簡略化できるため、幅広く使用されている。特に、近年のカラー化の流れに伴い、磁性体を含有しないトナーを用いる非磁性1成分現像方式がカラー化も可能であるため、注目されている。
この方式は、2成分現像方式とは異なり、キャリアを使用せず、トナーのみを帯電部材と摩擦させ、或いは、現像ローラ面等に押圧することにより帯電させるものであり、現像器の機構が単純で、軽量化や小型化にできるという大きなメリットがある。その結果、通常、現像機構を4個以上必要とするカラー画像形成装置にも適用し易いという特徴も有する。特に近年、装置の軽量化、小型化が積極的に進められており、プリンタでは非磁性1成分現像剤を用いた現像方式が主流となっている。
この非磁性1成分現像方式における現像ローラとしては、従来、例えば導電性シャフトの外周にシリコーンゴム等を用いた弾性層を形成したものが用いられてきた。トナーを帯電させるためには、金属板或いはローラ等の帯電部材を用いて現像ローラ上にトナーの薄層を形成すると共に、これと摩擦させることにより行うため、機構的には極めて単純な構成の現像器となる。
この現像ローラは、金属性の導電性シャフトの外周面にシリコーンゴム等のゴム状弾性体を用いた弾性層が形成されているが、トナーへの帯電付与或いはトナーの搬送性を付与するために、弾性層上に表面層が形成されることがある。この表面層にはトナーの付着や融着を防止するために、フッ素ゴムを用いることが知られている。弾性層上にフッ素ゴムの層を形成するためには、接着性を向上させる必要があり、弾性層表面にシランカップリング剤の中間層を形成させ、更にその上にフッ素ゴム等を主成分として用いた塗布層を形成することが開示されている(例えば特許文献1参照。)。
しかしながら、開示された方法で得られた現像ローラは、トナー付着や融着防止の効果が不十分であり問題があった。
非磁性1成分現像方式ではトナーと現像ローラの間での電荷の授受が行われ、トナーのカウンター電荷が現像ローラ表面に蓄積する。このカウンター電荷は現像ローラ内部へリークすることで除去され、現像ローラ表面の電荷を常に中和することが必要である。
しかしながら、現像サイクルの高速化により、特に低温低湿環境において、現像ローラのチャージアップ(残電上昇)により、トナーの入れ替え性が悪化し、トナー帯電量分布の悪化、搬送量の増大等によりプリント画像上にかぶりや現像ゴーストが発生する問題があった。
この課題に対して、現像ローラの電気抵抗を調整するために電子導電剤として一般的に使用されるカーボンブラックの量を調整してチャージアップを抑制する方法が検討されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、この方法により得られた現像ローラは、塗膜の強度が低下するために、ローラ表面に傷が付きやすく、この傷へトナーや外添剤(シリカ、チタニア等)が埋め込まれることで徐々に現像ローラ表面の汚染が発生し、プリント画像上に点状画像欠陥が発生する問題があった。
特開平8−190263号公報 特開平3−036570号公報
本発明は、プリント画像上に点状画像欠陥、かぶりや現像ゴーストが発生しない非磁性1成分現像剤用の現像ローラを提供することを目的とする。
本発明は、下記構成を採ることにより達成される。
1.
導電性シャフトの外周に導電性を有する被覆層を形成してなり、該被覆層の表面に非磁性1成分現像剤を担持して該非磁性1成分現像剤の薄層を形成し、
この状態で静電潜像を表面に保持した静電潜像担持体に接触せずに該薄層から該非磁性1成分現像剤を静電潜像担持体表面の静電潜像に付着させ、該静電潜像を可視化する現像ローラにおいて、
該被覆層中に少なくとも体積基準におけるメディアン径(D50)5〜30μmの粒子を含有し、且つ該被覆層のリーク開始DC電圧が0.5〜100Vであることを特徴とする現像ローラ。
2.前記被覆層が、最長部の径50〜500μmのベナードセル構造を有することを特徴とする前記1に記載の現像ローラ。
本発明の現像ローラは、該現像ローラを非磁性1成分現像剤を用いる画像形成装置に装着し、プリントを行ったとき、プリント画像上に点状画像欠陥、かぶりや現像ゴーストが発生しない優れた効果を有する。
本発明者等は、プリント画像上に点状画像欠陥、かぶりや現像ゴーストが発生する原因が現像ローラのチャージアップにあると考え、チャージアップを抑えることで、上記問題の発生を抑制できるものと推測した。
種々検討の結果、現像ローラの被覆層中に少なくとも体積基準におけるメディアン径(D50)5〜30μmの粒子を含有させ、リーク開始DC電圧を0.5〜100Vにすることにより、プリント画像上に点状画像欠陥、かぶりや現像ゴーストの発生を防止できることを見出した。
また、被覆層のリーク開始DC電圧を上記範囲におさえるためには、被覆層がベナードセル構造を有するように形成することが一つの方法である。
現像ローラ表面が汚染していても、特定のリーク開始DC電圧を持たせることで汚染の影響を抑えることができた。
このような効果が得られる理由としては、バインダー樹脂に導電剤を分散した中に体積基準におけるメディアン径(D50)5〜30μmの粒子を含有させることにより、電気的及び形状的な不均一部分を形成し、そこに印加する現像バイアスを局所的に集中させることで多数のリーク点が形成されたためと考えている。
また、バインダー樹脂に導電剤を分散した膜中に、最長部の径50〜500μmのベナードセル構造を形成することで、膜中においても導電剤の存在密度の不均一部分を持たせることで、印加する現像バイアスの局所的集中を発生させ、多数のリーク点を形成せしめたためと考えている。
また、リーク開始DC電圧が0.5〜100Vの現像ローラは、現像ローラの残留電位を低い値で安定におさえることができ、これにより現像ローラ上に形成された薄層からなるトナーの入れ替えがスムーズに行われることでトナーの電荷量(Q/M)が安定になり、結果として高濃度のプリント画像が得られ、トナー飛散による機内汚れの発生も防止できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の現像ローラは、導電性シャフトの外周に導電性を有する被覆層を形成して得られたもので、該被覆層中には体積基準におけるメディアン径(D50)5〜30μmの粒子(以下、粒子Aともいう)を含有している。尚、被覆層の導電性は、被覆層中に導電剤を添加することにより付与される。
1.被覆層の層構成
被覆層の層構成は特に限定されず単層構成でも、下層と上層の2層構成でも良いが、導電性シャフトとの接着性が良好でフィルミング発生を防止すのに適した2層構成のものが好ましい。
2層構成の現像ローラは、少なくともバインダー樹脂、粒子Aと導電剤を含有する塗布液を導電性シャフト上に塗布して下層を作製し、この下層の上に少なくともバインダー樹脂と導電剤を含有する塗布液を塗布して上層を作製して得ることができる。
図1は、本発明の現像ローラの一例を示す断面模式図である。
図1において、32は現像ローラ、1は導電性シャフト、20は被覆層、21は上層、22は下層、23は粒子A、24は導電剤を示す。
図1(a)は導電性シャフト1の外周に被覆層20を形成した現像ローラの概略図を示す。被覆層の層構成は図1(b)に示すように導電性シャフト1の外周に粒子A23と導電剤24を有する単層の被覆層20を設けたもの、図1(c)に示すように導電性シャフト1の外周に粒子A23と導電剤24を有する下層22と導電剤24を有する上層21からなる被覆層20が設けたものでもよい。
2.被覆層の厚さ
現像ローラの被覆層の膜厚は、リーク開始DC電圧が制御しやすい5〜30μmが好ましい。2層構成の場合には下層の膜厚5〜20μm、上層の膜厚2〜10μmが好ましい。
本発明における被覆層の膜厚とは、膜厚測定器を用い、図1の粒子Aが無い部分の膜厚を20点測定し、その平均値をいう。尚、膜厚測定器としては渦電流式膜厚計「fischerscope」(fischer社製)で測定したが、同様の測定精度を有する膜厚測定器であれば、測定器は問わない。なお、膜厚測定器は、公知の表面粗さ計を用いることができ、具体的には「サーフテストSV3000」(ミツトヨ社製)を挙げることができる。このとき、被覆層を剥がして導電性シャフト表面を露出させ、導電性シャフト表面を基準面にして膜厚を測定することも可能である。
3.リーク開始DC電圧
本発明に係る被覆層のリーク開始DC電圧について説明する。
リーク開始DC電圧は、0.5〜100V、好ましくは1.0〜50Vである。
リークは被覆層中の電気的及び形状的な不均一点に現像バイアスが集中し、電流が流れることにより起こる。リーク開始DC電圧が0.05V未満とするとトナーの電荷も含めリークが発止し、いわゆるトナー飛散が発生しやすくなる。リーク開始DC電圧が100Vを越えると、現像ローラ上にチャージが残りやすくなり、かぶりや現像ゴーストが発生しやすくなる。
尚、リーク開始DC電圧は、被覆層を形成する樹脂の種類、導電剤の種類及びその量、粒子Aの種類、粒径及び量、被覆層の層構成及び厚さ、ベナードセル構造により制御することができ、特にベナードセル構造により調整する方法が好ましい。
本発明において、現像ローラのリーク開始DC電圧は、図2に示す装置を用いて、金属ローラ電極法により測定して得られた値である。
図2は、リーク開始DC電圧を測定する測定装置の概略図である。
図2において、101は電極ローラ、32は現像ローラ、4は電流計、3はDC電電源を示す。
即ち、ステンレス製の電極ローラ101を現像ローラ32上に接触させ、電極ローラ101の自重と合わせ9.8Nで押圧し、この状態で現像ローラ32の一端にDC電源3からDC電圧を印加し、電流計4に電流が流れ始めたDC電圧を求め、その値をリーク開始DC電圧とする。
(測定条件)
測定環境:20℃、50RH%
電極ローラ荷重:9.8N(電極ローラ自重含む)
電極ローラ長さ:現像ローラの長さがカバーできる長さ
電極ローラ径:現像ローラの径と同じ
印加電圧:DC電圧0Vから200Vまでを、200秒かけて印加
リーク開始DC電圧測定:DC電圧を印加したときの電流値の変化グラフを作成し、電流値の傾きが変化する前と後の最小2乗法で求めた直線の交点の電圧をグラフから求め、リーク開始DC電圧とする。
図3は、DC電圧を印加したときの電流値の変化グラフからリーク開始DC電圧を求めるグラフの一例を示す。
図3において、1はDC電圧を印加したときの電流値の変化を示すグラフ、2は電流値の傾きが変化する前の測定値から最小2乗法で求めた直線した直線、3は電流値の傾きが変化した後の測定値から最小2乗法で求めた直線、4は最小2乗法で求めた直線の交点を示す。
4.被覆層の体積抵抗
本発明の現像ローラの被覆層の体積抵抗は、1×103〜1×1010Ω・cmが好ましい。
本発明において、現像ローラの体積抵抗は、図2に示すような装置を用い、金属ローラ電極法により測定して得られた値である。
即ち、ステンレス製の電極ローラ101を現像ローラ32上に接触させ、電極ローラ101の自重と合わせ9.8Nで押圧し、この状態でローラを回転させながら、現像ローラ32の一端に+100Vの電圧を印加して電流値を計測し、下記式(1)から、現像ローラの体積抗を計算で求める。
式(1)
R=V/I
(測定条件)
測定環境:20℃、50RH%
現像ローラ回転数:27rpm(電極ローラは現像ローラと共周り)
電極ローラ荷重:9.8N(電極ローラ自重含む)
電極ローラ長さ:現像ローラの長さがカバーできる長さ
電極ローラ径:現像ローラの径と同じ
測定項目:電流値(電圧印加 5sec後の平均値)
5.体積基準におけるメディアン径(D50)5〜30μmの粒子
体積基準におけるメディアン径(D50)5〜30μmの粒子(粒子A)は、リーク開始点を形成する目的で添加される。
粒子Aの粒径は、体積基準におけるメディアン径(D50)が5〜30μm、好ましくは7〜20μmのものである。
粒子Aは、体積抵抗が1015Ω・cm以上で、被覆層の形成に用いる塗布液に溶解せず、塗布液中に良好に分散するものが好ましい。
粒子Aとしては、無機粒子や樹脂粒子を挙げることがでる。
無機粒子の具体例としては、シリカ、チタニア、アルミナを挙げることができる。
特に好ましくは樹脂粒子である。
樹脂粒子の具体例としては架橋アクリル系樹脂粒子、ナイロン6等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子等が挙げられる。
これらの中では架橋アクリル系樹脂粒子が好ましく用いられる。更に、粒子Aは、その表面がシランカップリング剤で処理されているものが好ましい。
被覆層中に含有する粒子Aの量は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
粒子Aの体積基準におけるメディアン径(D50)は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター製)に、データ処理用のコンピュータシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
体積基準におけるメディアン径(D50)の測定手順としては、粒子A0.02gを、界面活性剤溶液20ml(粒子Aの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、粒子Aの分散液を作成する。この粒子Aの分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを30000個に設定して測定する。尚、マルチサイザー3のアパチャー径は100μmのものを使用する。
6.ベナードセル
本発明の現像ローラは、その表面に最長部の径50〜500μmのベナードセル構造を有するものが好ましい。
本発明に係るベナードセルとは塗膜層を形成する際に、該塗膜層に発生する「ベナードセル(対流セル)現象」を意味し、塗膜層分散液による塗布層が乾燥、固化して塗膜層が形成される過程で、即ち、塗膜層分散液の塗布層中に含まれている溶剤が蒸発して塗布層が固化する過程で、塗膜層中の成分が塗膜層に対して垂直方向に対流を起こし、これに表面張力が加わることによって発生する多角形または部分的に多角形の表面形状をいう。
図4は、ベナードセル構造(多数の多角形が前後左右に形成されている)の一例を示す模式図である。
図4において、aはベナードセル構造の境界、bは境界の中心、cはベナードセル構造の径を示す。
本発明でいうベナードセル構造の最長部の径とは、塗膜層表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、表面に形成されたベナードセル構造の径をランダムに50個画像解析し、ベナードセル構造の径の最長部を平均して求めた値である。
粒子とバインダーを含有する塗膜層の表面にベナードセル構造を形成させると、現像ローラのリーク開始DC電圧を上記範囲におさえやすい。ベナードセル構造の形状は多角形で、好ましくは六角形が好ましい。また、多角形の形状の内、六角形の占める割合が10〜100%(数ベース)が好ましく、20〜100%がより好ましい。
ベナードセルの最長部の径は50〜500μmが好ましく、70〜400μmがより好ましい。
ベナードセルの最長部の径をこの範囲とすることで、リーク開始DC電圧を上記範囲内におさめることができる。即ち、ベナードセル最長部の径が500μmより大きいと現像ローラ上にチャージが残りやすくなり、50μmより小さいとリークが発生し、いわゆるトナー飛散が発生しやすくなる。
本発明の被覆層におけるベナードセル構造の大きさや深さのコントロールは、被覆層分散液の粘度、表面張力や溶剤組成、種類、更には、塗布量、膜厚、乾燥条件等を適宜選択することによって行なえる。
また、被覆層分散液として粘度7〜250×10-3Pa・sものを利用することもベナードセルを形成させるのに好ましい。この粘度範囲では塗布層中の溶媒蒸発に伴う分散液の対流が発生しやすい。一方、分散液の粘度が250×10-3Pa・sを超える高粘度のもの、或いは7×10-3Pa・s未満の低粘度のものでは、塗布層中に含まれている溶剤が蒸発して塗布層が固化する過程での塗布層中の分散液の対流の発生が無いか、或いは対流の程度が低過ぎるために、ベナードセルが形成されない恐れがあるためである。
また、被覆層を形成する被覆層分散液の膜厚が薄いと、塗布層中の溶媒蒸発に伴う分散液の対流が発生しにくくなり、ベナードセル構造が形成されない恐れがあるためである。尚、粘度は、B型粘度計(東機産業社製)により測定した値である。
7.現像ローラの作製
現像ローラは、導電性シャフトの外周に導電性を有する被覆層を設けたものである。
以下、上層と下層を有する2層構成の現像ローラの作製について説明する。
《導電性シャフトの準備》
本発明に用いられる導電性シャフトは、現像ローラ表面に蓄積される電荷をリークさせる部材も兼ねるため、導電性(例えば、10-3Ω・cm以下)の金属で構成されることが好ましい。代表的なものとして、直径1〜30mmのステンレス鋼(例えばSUS303)、鉄、アルミニウム、ニッケル、アルミニウム合金、ニッケル合金等の導電性金属があり、また導電性樹脂で構成されるものでも良い。
《下層の作製》
下層は、バインダー樹脂を溶解した溶液に、本発明に係る粒子A、導電性物質として電子導電剤やイオン導電剤を混合した塗布液を調製し、この塗布液を浸漬塗布法やスプレー塗布法等により導電性シャフトの外周に塗布し、乾燥して下層を形成する。
《上層の作製》
上層は、バインダー樹脂を溶解した溶液に、導電剤として電子導電剤やイオン導電剤を混合した塗布液を調製し、前記下層の上に浸漬法やスプレー塗布法等により塗布し、ベナードセルが形成される条件で乾燥を行い、上層を形成する。
〈バインダー樹脂〉
被覆層の形成に用いるバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、具体的には、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等の変性アルキッド樹脂、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。この内、被膜強度、耐摩耗性、トナー帯電性等の観点から、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂等が好ましく用いられる。中でも、良好な耐摩耗性が得られる点から、ウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。
ウレタン樹脂としては、例えばポリヒドロキシ化合物とイソシアネート化合物を含むウレタン原料を反応させて得たもの、例えば、プレポリマーを架橋反応させる方法で得たものや、ポリオールをワン・ショット法にてポリイソシアネー卜と反応させる方法で得たものなどが挙げられる。
この場合、ウレタン樹脂を得る際に用いられるポリヒドロキシル化合物としては、一般の軟質ポリウレタンフォームやウレタンエラストマーの製造に用いられるポリオール、例えば、末端にポリヒドロキシル基を有するポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオールが挙げられるほか、ポリブタジエンポリオールやポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール、ポリオール中でエチレン性不飽和単量体を重合させて得られるいわゆるポリマーポリオール等の一般的なポリオールを使用することができる。また、イソシアネート化合物としては、同様に一般的な軟質ポリウレタンフォームやウレタンエラストマーの製造に使用されるポリイソシアネート、即ち、トリレンジイソシアネート(TDIと表すことがある)、粗製TDI、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDIと表すことがある)、粗製MDI、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートの混合物や変性物、例えば部分的にポリオール類と反応させて得られるプレポリマー等を用いることができる。特に被覆層をユニバーサル硬さを低くする目的でポリイソシアネートの混合比率を低くしても良い。
また、ウレタン樹脂は、ポリヒドロキシル化合物及びポリイソシアネートを含む、1液型や2液型のウレタン原料を用いて調製しても良いし、必要に応じてエポキシ樹脂やメラミン樹脂を架橋剤として用いても良い。
ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、6・6、6・10、6・12、11、12、12・12及びそれらのポリアミドの異種モノマー間の重縮合から得られるポリアミドなどであり、作業性の面からアルコール可溶性のものが好んで用いられている。例えばポリアミドの3元共重合体や4元共重合体の分子量を調整したもの、またはポリアミド6やポリアミド12をメトキシメチル化し、アルコールや水に可溶性としたものが挙げられる。
また、アクリル樹脂としては、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルエタクリレート、これらの側鎖末端をヒドロキシアルキル基等で置換したもの、及び、これらの共重合体等が用いられる。
《導電剤》
導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤を挙げることができる。導電剤の種類やその配合量により抵抗値を調整することができる。
〈電子導電剤〉
電子導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫一酸化アンチモン固溶体、酸化錫一酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物、これらの導電性材料で被膜された絶縁性物質などの微粉末を用いることができる。この内、カーボンブラックが、比較的容易に入手でき良好な帯電性が得られるので好ましく用いられる。
カーボンブラックは、その種類には、特に制限はなく、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等の従来公知の種々のカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックの配合量は、使用するカーボンブラックの種類によって異なるために特に限定されないが、通常、樹脂成分100質量部に対して5〜40質量部とするのが好ましく、より好ましくは10〜30質量部の範囲である。
〈イオン導電剤〉
イオン導電剤としては、従来から無機イオン塩や有機イオン塩として公知のものが、何れも適宜に選択使用できる。具体的には、Li、LiCl、NaI、NaBr、KI等のアルカリ金属ハライド、LiClO4、KClO4、CuC12Mg(ClO42等の過塩素酸塩、LiSCN、NaSCN、CsSCN等のチオシアン酸塩等のごとき無機イオン塩や、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加リン酸エステル塩、4級アンモニウム塩、ベタイン等の有機イオン塩を挙げることができる。これらの中で特に好ましいものとして、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を挙げることができる。このイオン導電剤は、1種類で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。
イオン導電剤の配合量は、特に制限はなく各種状況に応じて適宜選定されるが、被覆層を形成する樹脂成分100質量部に対し0.001〜5質量部が好ましく、0.05〜2質量部がより好ましい。
8.非磁性1成分現像剤
本発明に係る非磁性1成分現像剤は、熱定着可能な非磁性1成分現像手段に用いることができるトナーであれば特に限定されることはない。
トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)径は、高品質のトナー画像を得るという観点から3〜9μmのものが好ましい。
トナーを構成する樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂を挙げることができる。尚、トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)径の測定は、粒子Aの体積基準におけるメディアン径(D50)径の測定と同じ方法で行うことができる。
トナーの製造方法は特に限定されず、公知の重合法や粉砕法により作製することができる。
9.現像装置
次に、本発明に係る現像装置について説明する。
本発明の現像ローラは、その表面に非磁性1成分現像剤を保持して搬送し、該現像剤を潜像担持体表面の潜像に付着させる現像装置を用い、該潜像を可視化する画像形成方法に用いられる。
図5は、本発明の現像ローラが装着して用いられる現像器の一例を示す概要断面図である。
図5において、10は潜像保持体(感光体ドラム)であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段または静電記録手段により成される。32は現像ローラであり、アルミニウム或いはステンレス等からなる導電性シャフトに被覆層が設けられている。
トナーTはホッパ6に貯蔵されており、供給ロール4によって現像ローラ上へ供給される。供給ロールはポリウレタンフォーム等の発泡材より成っており、現像ローラ32に対して、順または逆方向に相対速度をもって回転し、トナー供給とともに、現像ローラ上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りも行っている。現像ローラ32上に供給されたトナーはトナー薄層化と帯電を行う部材の一種であるトナー規制ブレード5によって均一なトナーの薄層が形成される。
トナー規制ブレードと現像ローラとの当接圧力は、現像ローラ母線方向の線圧として、3〜250N/m、好ましくは10〜30N/mが有効である。当接圧力を上記範囲とすることによりが3N/mより小さい場合、均一なトナーの薄層の形成が困難となり、トナーの帯電量分布がブロードになりかぶりや飛散の原因となることがある。また当接圧力が250N/mを超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーが劣化するため、トナーの凝集が発生するなど好ましくない。また現像ローラを駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を3〜250N/mに調整することで、トナーの帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
均一なトナーの薄層の形成と帯電を行うトナー規制ブレード5としては、弾性ブレードや弾性ローラ等が挙げられ、摩擦帯電によりトナーに所望の極性に帯電させることが可能な材質で形成される。
尚、トナー規制ブレードにより現像ローラ上にトナーを薄層コートする非磁性1成分トナーにおいては、十分な画像濃度を得るために、現像ローラ上のトナー層の厚さを現像ローラと感光体ドラムとの対向空隙長よりも小さくし、いわゆる非接触現像方式とし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。感光体面と現像ローラ面には50〜500μm、より好ましくは100〜300μmの間隙を設け、一方現像ローラ上に設けるトナー層は、トナー粒子1〜3層程度に重なっている、膜厚としては5〜30μmのトナー層であることが好ましい。尚、現像ローラ上のトナー層の膜厚は顕微鏡観察により求めることができる。
即ち、実際の画像形成装置に装填した現像カートリッジを現像プロセスの断面方向より平行光を照射し、高速・高解像力カメラ(例えば、Photoron社製:FASTCAM MAXにて撮影速度100,000(FPS))により撮影し、現像部の挙動を可視化したものから計測できる。
現像ローラ上のトナー薄層の膜厚(a)は、感光体に近接する領域の現像ローラ上のトナー層と感光体間の間隙(b)と、現像ローラと感光体に挟まれた現像ニップ中央の間隔(c)を測定し、その差(a=c−b)より求められる。
また、図5に示すバイアス電源7により、現像ローラ32と感光体ドラム10との間に交番電場または交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像ローラ上から感光体ドラム上へのトナー移動を容易にし、良質の画像を得ることができる。
10.フルカラー画像形成装置
次に、フルカラー画像形成装置について説明する。
図6は、フルカラー画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
図6に示すフルカラー画像形成装置においては、回転駆動される感光体ドラム10の周囲に、この感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させる帯電手段111や、この感光体ドラム10上に残留したトナーを掻き落すクリーナ112が設けられている。
また、帯電手段111によって帯電された感光体ドラム10をレーザビームによって走査露光するレーザ走査光学系20が設けられており、このレーザ走査光学系20はレーザダイオード,ポリゴンミラー,fθ光学素子を内蔵した周知のものであり、その制御部にはイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック毎の印字データがホストコンピュータから転送されるようになっている。そして、このレーザ走査光学系20は、上記の各色毎の印字データに基づいて、順次レーザビームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光し、これにより感光体ドラム10上に各色毎の静電潜像を順次形成するようになっている。
また、このように静電潜像が形成された感光体ドラム10に各色のトナーを供給してフルカラーの現像を行うフルカラー現像装置30は、支軸33の周囲にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各非磁性1成分トナーを収容させた4つの色別の現像器31Y、31M、31C、31Bkが設けられており、支軸33を中心として回転し、各現像器31Y、31M、31C、31Bkが感光体ドラム10と対向する位置に導かれるようになっている。
また、このフルカラー現像装置30における各現像器31Y、31M、31C、31Bkにおいては、上記図6に示すように、回転してトナーを搬送する現像剤担持体(現像ローラ)32の外周面にトナー規制部材が圧接されており、このトナー規制部材により、現像ローラ32によって搬送されるトナーの量を規制すると共に、搬送されるトナーを帯電させるようになっている。尚、このフルカラー現像装置30においては、現像ローラ32によって搬送されるトナーの規制と帯電とを適切に行うために、トナー規制部材を2つ設けるようにしても良い。
そして、上記のようにレーザ走査光学系20によって感光体ドラム10上に各色の静電潜像が形成される毎に、上記のように支軸33を中心にして、このフルカラー現像装置30を回転させ、対応する色彩のトナーが収容された現像器31Y、31M、31C、31Bkを感光体ドラム10と対向する位置に順々に導き、各現像器31Y、31M、31C、31Bkにおける現像ローラ32を感光体ドラム10に非接触で、上記のように各色の静電潜像が順々に形成された感光体ドラム10上に、帯電された各色のトナーを順々に供給して現像を行うようになっている。
また、このフルカラー現像装置30より感光体ドラム10の回転方向下流側の位置には、中間転写体として、回転駆動される無端状の中間転写ベルト40が設けられており、この中間転写ベルト40は感光体ドラム10と同期して回転駆動されるようになっている。そして、この中間転写ベルト40は回転可能な1次転写ローラ41により押圧されて感光体ドラム10に接触するようになっており、またこの中間転写ベルト40を支持する支持ローラ42の部分には、2次転写ローラ43が回転可能に設けられ、この2次転写ローラ43によって記録紙等の記録材Sが中間転写ベルト40に押圧されるようになっている。
更に、前記のフルカラー現像装置30とこの中間転写ベルト40との間のスペースには、中間転写ベルト40上に残留したトナーを掻き取るクリーナ50が中間転写ベルト40に対して接離可能に設けられている。
また、普通紙等の記録材Sを中間転写ベルト40に導く給紙手段60は、記録材Sを収容させる給紙トレイ61と、この給紙トレイ61に収容された記録材Sを1枚ずつ給紙する給紙ローラ62と、上記の中間転写ベルト40上に形成された画像と同期して給紙された記録材Sを中間転写ベルト40と上記の2次転写ローラ43との間に送るタイミングローラ63とで構成されており、このようにして中間転写ベルト40と2次転写ローラ43との間に送られた記録材Sを2次転写ローラ43によって中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40からトナー像を記録材Sへ押圧転写させるようになっている。
一方、上記のようにトナー像が押圧転写された記録材Sは、エアーサクションベルト等で構成された搬送手段66により定着装置70に導かれるようになっており、この定着装置70において転写されたトナー像が記録材S上に定着され、その後、この記録材Sが垂直搬送路80を通して装置本体100の上面に排出されるようになっている。
次に、このフルカラー画像形成装置を用いてフルカラーの画像形成を行う動作について具体的に説明する。
まず、感光体ドラム10と中間転写ベルト40とを同じ周速度でそれぞれの方向に回転駆動させ、感光体ドラム10を帯電手段111によって所定の電位に帯電させる。
そして、このように帯電された感光体ドラム10に対して、上記のレーザ走査光学系20によりイエロー画像の露光を行い、感光体ドラム10上にイエロー画像の静電潜像を形成した後、この感光体ドラム10にイエロートナーを収容させた現像器31Yから前記のようにトナー規制部材によって荷電されたイエロートナーを供給してイエロー画像を現像し、このようにイエローのトナー像が形成された感光体ドラム10に対して中間転写ベルト40を1次転写ローラ41によって押圧させ、感光体ドラム10に形成されたイエローのトナー像を中間転写ベルト40に1次転写させる。
このようにしてイエローのトナー像を中間転写ベルト40に転写させた後は、前記のようにフルカラー現像装置30を支軸33を中心にして回転させ、マゼンタトナーが収容された現像器31Mを感光体ドラム10と対向する位置に導き、上記のイエロー画像の場合と同様に、レーザ走査光学系20により帯電された感光体ドラム10に対してマゼンタ画像を露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をマゼンタトナーが収容された現像器31Mによって現像し、現像されたマゼンタのトナー像を感光体ドラム10から中間転写ベルト40に1次転写させ、更に同様にして、シアン画像及びブラック画像の露光,現像及び1次転写を順々に行って、中間転写ベルト40上にイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー画像を順々に重ねてフルカラーのトナー像を形成する。
そして、中間転写ベルト40上に最終のブラックのトナー像が1次転写されると、記録材Sをタイミングローラ63により2次転写ローラ43と中間転写ベルト40との間に送り、2次転写ローラ43により記録材Sを中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40上に形成されたフルカラーのトナー像を記録材S上に2次転写させる。
そして、このようにフルカラーのトナー像が記録材S上に2次転写されると、この記録材Sを上記の搬送手段66により定着装置70に導き、この定着装置70によって転写されたフルカラーのトナー像を記録材S上に定着させ、その後、この記録材Sを垂直搬送路80を通して装置本体1の上面に排出させるようになっている。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
以下の手順で現像ローラを作製した。
《導電性シャフトの準備》
現像ローラの軸体として、SUS303の導電性シャフトを準備した。これを「シャフト1」とする。
《粒子Aの準備》
(粒子A1の準備)
体積基準におけるメディアン径(D50)が5.0μmの架橋アクリル樹脂粒子を「粒子A1」とする。
(粒子A2の準備)
体積基準におけるメディアン径(D50)が15.0μmの架橋アクリル樹脂粒子を「粒子A2」とする。
(粒子A3の準備)
体積基準におけるメディアン径(D50)が30.0μmの架橋アクリル樹脂粒子を「粒子A3」とする。
(粒子A4の準備)
体積基準におけるメディアン径(D50)が3.0μmのナイロン粒子を「粒子A4」とする。
(粒子A5の準備)
体積基準におけるメディアン径(D50)が33.0μmのポリエチレン粒子を「粒子A5」とする。
(粒子A6の準備)
体積基準におけるメディアン径(D50)が5.0μmの架橋アクリル樹脂粒子10質量部、シランカップリング剤「ヘキサメチルジシラザン」30質量部、メタノール100質量部を撹拌分散して分散液を作製し、この分散液を50℃の温度で、1日間放置した後、固液分離、乾燥して架橋アクリル樹脂粒子の表面をヘキサメチルジシラザンで処理した「粒子A6」を作製した。
《現像ローラの作製》
〈現像ローラ1の作製〉
(下層の形成)
メチルエチルケトン500質量部に、熱可塑性エラストマーであるウレタン樹脂「ニッポラン5199」(日本ポリウレタン社製)100質量部を溶解した溶液に、導電剤としてカーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」(ライオン社製)15質量部、「粒子A1」20質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、下層形成用塗布液を調製した。これを「下層形成用塗布液1」とする。
「下層層形成用塗布液1」を「シャフト1」の外周面にスプレー塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、膜厚10μmの「下層1」を形成した。
(上層の形成)
メチルエチルケトン500質量部に、熱可塑性エラストマーであるウレタン樹脂「ニッポラン5199」(日本ポリウレタン社製)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」(ライオン社製)20質量部をサンドミルを用いて2時間分散させ、上層形成用塗布液を調製した。これを「上層形成用塗布液1」とする。
「上層層形成用塗布液1」を「下層1」の外周面にスプレー塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、膜厚5μmの「上層1」を形成し、「現像ローラ1」を作製した。上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を前記の方法で解析したところ最長部の径が50μmのベナードセル構造が確認された。
〈現像ローラ2の作製〉
現像ローラ1の作製において、下層を構成する「粒子A1」を「粒子A2」に変更、及び下層を構成するカーボンブラックの添加量を15部から20部に変更した以外は同様にして「現像ローラ2」を作製した。上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を前記の方法で解析したところ最長部の径が100μmのベナードセル構造が確認された。
〈現像ローラ3の作製〉
現像ローラ1の作製において、下層を構成する「粒子A1」を「粒子A3」に変更、及び下層と上層を構成するカーボンブラックの添加量を30部に変更した以外は同様にして「現像ローラ3」を作製した。
上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を前記の方法で解析したところ最長部の径が500μmのベナードセル構造が確認された。
〈現像ローラ4の作製〉
(下層の形成)
現像ローラ1の作製において、下層を構成する「粒子A1」を「粒子A2」に変更、及び下層を構成するカーボンブラックの添加量を15部から20部に変更して下層を形成した。
(上層の形成)
メチルエチルケトン500質量部に、熱可塑性エラストマーであるウレタン樹脂「ニッポラン5199」(日本ポリウレタン社製)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」(ライオン社製)20質量部、シリコーンオイル「KF−96」(信越化学社製)0.1質量部をサンドミルを用いて2時間分散させ、上層形成用塗布液を調製した。これを「上層形成用塗布液4」とする。
「上層層形成用塗布液4」を現像ローラ2の「下層1」の外周面にスプレー塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、膜厚2μmの「上層4」を形成し、「現像ローラ4」を作製した。上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を観察したところベナードセル構造は確認できなかった。
〈現像ローラ5の作製〉
現像ローラ2の作製において、下層を構成する「粒子A2」を「粒子A6」に変更した以外は同様にして「現像ローラ5」を作製した。上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を前記の方法で解析したところ最長部の径が70μmのベナードセル構造が確認された。
〈現像ローラ6の作製〉
現像ローラ1の作製において、下層を構成する「粒子A1」を「粒子A4」に、及び下層と上層を構成するカーボンブラックの添加量を10質量部に変更した以外は同様にして「現像ローラ6」を作製した。上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を前記の方法で解析したところ最長部の径が40μmのベナードセル構造が確認された。
〈現像ローラ7の作製〉
現像ローラ1の作製において、下層を構成する「粒子A1」を「粒子A5」に、及び下層と上層を構成するカーボンブラックの添加量を33質量部に変更した以外は同様にして「現像ローラ7」を作製した。上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を前記の方法で解析したところ最長部の径が600μmのベナードセル構造が確認された。
〈現像ローラ8の作製〉
現像ローラ4の作製において、下層と上層を構成するカーボンブラックの添加量を42質量部に変更した以外は同様にして「現像ローラ8」を作製した。上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を観察したところベナードセル構造は確認できなかった。
〈現像ローラ9の作製〉
現像ローラ4の作製において、下層と上層を構成するカーボンブラックの添加量を4質量部に変更した以外は同様にして「現像ローラ9」を作製した。上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を観察したところベナードセル構造は確認できなかった。
〈現像ローラ10の作製〉
現像ローラ4の作製において、下層を構成する「粒子A2」を除いた以外は同様にして「現像ローラ10」を作製した。上層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その画像を観察したところベナードセル構造は確認できなかった。
表1に、現像ローラを作製時に用いた下層の組成と膜厚、上層の組成と膜厚、ベナードセル構造の最長部の径、得られた現像ローラのリーク開始DC電圧と体積抵抗を示す。
Figure 2008096870
尚、膜厚、リーク開始DC電圧及び体積抵抗は、前記の測定方法で測定して求めた値である。
《評価装置》
現像ローラの評価装置としては、カラーレーザプリンタ「Magicolor2300DL」(毎分5枚/A4縦送り)(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用いた。
上記で作製した現像ローラを順次装填して行った。
《性能評価》
現像ローラの性能評価は、上記で作製した現像ローラを上記評価装置に順次装填し、画素率20%(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのフルカラーモード)のA4サイズ原稿を、常温常湿(20℃、50%RH)環境で、連続5000枚プリントし、点状の画像欠陥、かぶり及び現像ゴーストの発生状態で行った。尚、評価基準の○以上を合格とした。
(点状画像欠陥)
点状画像欠陥は、プリント開始時と5000枚プリント時に白地原稿をプリントし、リークによる画像ノイズについて評価した。リークによる画像ノイズはプリント画像上に点状の欠陥が発生するものであって、トナーがプリント画像面で集合せず広い領域に散らばって、うっすらと地肌が汚れる現象であるかぶりと区別できる。尚、プリント画像上の点状欠陥は、目視により評価を行った。
評価基準
◎:リークによる画像ノイズは認められず良好
○:リークによる画像ノイズが僅かに認められるが、実用上問題とならないレベル
×:リークによる画像ノイズが多数認められ、実用上問題となるレベル。
(かぶり)
かぶりは、プリント開始時と5000枚プリント時に白地原稿をプリントし評価した。かぶりはトナーがプリント画像面で集合せず広い領域にわたり散らばって、うっすらと地肌が汚れる現象であり、いくつかの集合したトナーによって点状の画像欠陥となるトナーこぼれと区別できる。尚、かぶりは、印字されていないプリント用紙(白紙)の濃度を20カ所測定し、その平均値を白紙濃度とし、次に、白地原稿をプリントしたプリント用紙の白地部分を同様に20カ所濃度を測定し平均濃度を算出し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をかぶり濃度として評価した。測定は反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて行った。
評価基準
◎:かぶり濃度が、0.005未満で良好
○:かぶり濃度が、0.005以上、0.01未満で実用上問題ないレベル
×:かぶり濃度が、0.01以上で実用上問題となるレベル。
(現像ゴースト)
現像ゴーストは、前の現像画像の一部が次の現像時に残像(現像ゴースト)として現れる現象である。現像ゴーストの評価は、文字画像をプリントした後、ハーフトーン画像をプリントしたときに、ハーフトーン画像上に前の文字画像が現れる程度で行った。
評価基準
◎:文字の現像ゴーストが、ハーフトーン画像部に現れず
○:文字の現像ゴーストが、ハーフトーン画像部に見られるが実用上問題ないレベル
×:文字の現像ゴーストが、ハーフトーン画像部にはっきりと見られ、実用上問題となるレベル。
表2に、評価結果を示す。
Figure 2008096870
表2の評価結果から、実施例1〜5の「現像ローラ1〜5」は全てで良好な結果が得られ、本発明の効果を発現することが確認された。一方、比較例1〜5の「現像ローラ6〜10」は、評価項目の何れかで満足な結果が得られず、本発明の効果を発現しないことが確認された。
本発明の現像ローラの一例を示す断面模式図である。 リーク開始DC電圧を測定する測定装置の概略図である。 DC電圧を印加したときの電流値の変化グラフからリーク開始DC電圧を求めるグラフの一例を示す。 ベナードセル構造(多数の多角形が前後左右に形成されている)の一例を示す模式図である。 本発明に係る現像装置の一例を示す断面概略図である。 フルカラー画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
32 現像ローラ
1 導電性シャフト
20 被覆層
21 上層
22 下層
23 粒子A
24 導電剤

Claims (2)

  1. 導電性シャフトの外周に導電性を有する被覆層を形成してなり、該被覆層の表面に非磁性1成分現像剤を担持して該非磁性1成分現像剤の薄層を形成し、
    この状態で静電潜像を表面に保持した静電潜像担持体に接触せずに該薄層から該非磁性1成分現像剤を静電潜像担持体表面の静電潜像に付着させ、該静電潜像を可視化する現像ローラにおいて、
    該被覆層中に少なくとも体積基準におけるメディアン径(D50)5〜30μmの粒子を含有し、且つ該被覆層のリーク開始DC電圧が0.5〜100Vであることを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記被覆層が、最長部の径50〜500μmのベナードセル構造を有することを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
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