JP2008096802A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フリッカーを低減し、画像の表示品質を向上させることができるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供する。
【解決手段】走査電極と維持電極とからなる表示電極対とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設けるとともに、画像信号にもとづく駆動を行い放電セルを選択的に発光させて画像を表示する通常駆動期間と、画像信号にかかわらず全放電セルを非発光とする特定駆動期間とを設け、通常駆動期間ではAPLに応じて輝度倍率を変更するとともに1フィールド期間内における最初のサブフィールドを発生させるタイミングを輝度倍率に応じて変更し、特定駆動期間では最初のサブフィールドを発生させるタイミングを一定とすることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には、例えば分圧比で5%のキセノンを含む放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としては、サブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般に用いられている。
各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各電極上に形成するとともに、書込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させる。初期化動作には、全ての放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作(以下、「全セル初期化動作」と略記する)と、維持放電を行った放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作(以下、「選択初期化動作」と略記する)とがある。
書込み期間では、表示を行うべき放電セルに選択的に書込みパルス電圧を印加して書込み放電を発生させ壁電荷を形成する(以下、この動作を「書込み」とも記す)。そして維持期間では、走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に維持パルスを印加し、書込み放電を起こした放電セルで維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させることにより画像表示を行う。
また、サブフィールド法の中でも、緩やかに変化する電圧波形を用いて初期化放電を行い、さらに維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させた新規な駆動方法が開示されている。
具体的には、複数のサブフィールドのうち、1つのサブフィールドの初期化期間において全ての放電セルを放電させる全セル初期化動作を行い、他のサブフィールドの初期化期間においては維持放電を行った放電セルのみ初期化する選択初期化動作を行う。その結果、表示に関係のない発光は全セル初期化動作の放電にともなう発光のみとなりコントラストの高い画像表示が可能となる(例えば、特許文献1参照)。これにより、画像の表示に関係のない発光に依存して変化する黒表示領域の輝度(以下、「黒輝度」と略記する)は全セル初期化動作における微弱発光だけとなり、コントラストの高い画像表示が可能となる。
また、表示画像の輝度そのものをさらに高めることにより画像を見やすくする技術の一つとして、入力画像信号の平均輝度レベル(Average Picture Level、以下、「APL」と略記する)を検出し、APLに応じて維持期間における維持パルスのパルス数を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
各サブフィールドの維持パルス数は、そのサブフィールドの表示すべき輝度の比率(以下、「輝度重み」と略記する)に比例係数(以下、「輝度倍率」と表記する)を乗じることで決められるが、この技術では、APLにもとづき輝度倍率を制御して、各サブフィールドの維持パルス数を決めている。そして、APLの高い画像信号では輝度倍率を低く、画像全体が暗くAPLの低い画像信号に対しては輝度倍率が高くなるように制御する。このように制御することで、APLが低い場合には表示画像の輝度を上げ、暗い画像を明るく表示して画像を見やすくすることが可能となる。
一方、1フィールド期間内の最後のサブフィールドを輝度重みの最も大きいサブフィールドとするようなサブフィールド構成に上述の駆動方法を用いた場合、輝度倍率が変わると各サブフィールドにおける維持期間の長さが変わり、輝度重みの最も大きいサブフィールドの1フィールド期間内における発生位置が変わる。そのような場合、発光重心(各サブフィールドの維持パルス数や各サブフィールドの発生位置等のサブフィールド構成によって決まる、1フィールド期間内における発光の時間的重心のこと)が変動し、フリッカーと呼ばれる画像のちらつきが認識されてしまうことがある。そこで、輝度重みの最も大きいサブフィールドの1フィールド期間内における発生位置が一定となるようにし、発光重心の変動を抑えてフリッカーを低減する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−242224号公報 特開平11−231825号公報 特開2000−98958号公報
プラズマディスプレイ装置では、電源投入直後等の非動作状態から動作状態に移行した直後は、画像信号を処理する回路や電源回路あるいは駆動回路等の各回路の動作が安定しておらず、正常でない画像が表示される恐れがある。そのため、電源投入直後から各回路における動作が安定するまでの期間(通常は、数秒間)、書込み動作を止める等して全面黒(以下、「映像ミュート」と記す)を表示させることが一般に行われている。
この、回路の動作が安定していない状態では、APL等の検出動作も不安定となるため、例えば特許文献2に記載された駆動方法では輝度倍率のふらつきが発生する恐れがある。
また、特許文献3に記載された駆動方法では、輝度重みの最も大きいサブフィールドの1フィールド期間内における発生位置はほぼ一定となるが、一方で、1フィールド期間内における最初のサブフィールドの発生位置が変わる。そのため、全セル初期化動作を最初のサブフィールドで行うようなサブフィールド構成では、輝度倍率の変化にともない全セル初期化動作の発生位置が変わってしまう。
全セル初期化動作の放電にともない発生する発光はわずかな発光輝度でしかないが、上述した映像ミュート期間ではパネルの画像表示面が全面黒となるため、全セル初期化動作の放電にともなう発光輝度がそのまま黒輝度となる。そのため、1フィールド期間内における全セル初期化動作の発生位置に頻繁な変動が生じると、フリッカーとして認識されやすく、表示品質が劣化したように見えてしまうという問題があった。
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであり、通常の駆動時におけるフリッカーだけでなく、プラズマディスプレイ装置の電源投入直後等におけるフリッカーの発生をも低減し、画像の表示品質を向上させることができるパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために本発明は、走査電極と維持電極とからなる表示電極対とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたパネルの駆動方法であって、放電セルで初期化放電を発生させる初期化期間と、画像信号にもとづき放電セルで選択的に書込み放電を発生させる書込み期間と、サブフィールド毎に設定された輝度重みに比例係数を乗じた数の維持パルスを表示電極対に印加して書込み期間に選択された放電セルで維持放電を発生させる維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設けるとともに、画像信号にもとづき駆動を行い放電セルを選択的に発光させて画像を表示する通常駆動期間と、画像信号にかかわらず全放電セルを非発光とする特定駆動期間とを設け、通常駆動期間では、画像の明るさに応じて比例係数を変更するとともに画像信号の垂直同期信号から1フィールド期間内における最初のサブフィールドを発生させるまでの期間を比例係数に応じて変更し、特定駆動期間では、垂直同期信号から最初のサブフィールドを発生させるまでの期間を一定とすることを特徴とする。
この方法により、特定駆動期間におけるフリッカーの発生を低減し、画像の表示品質を向上させることができる。
また、本発明のパネルの駆動方法においては、特定駆動期間において比例係数に固定値を用いることで、垂直同期信号から1フィールド期間内における最初のサブフィールドを発生させるまでの期間を一定としてもよい。この方法によっても、特定駆動期間におけるフリッカーの発生を低減し、画像の表示品質を向上させることができる。
また、本発明のパネルの駆動方法において特定駆動期間は、パネルの駆動を開始してからの所定期間としてもよい。この方法によれば、プラズマディスプレイ装置への電源投入直後等の、パネルの駆動にかかわる各回路の動作が安定していない期間において、フリッカーの発生を低減し、画像の表示品質を向上させることができる。
また、本発明は、走査電極と維持電極とからなる表示電極対とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたパネルと、走査電極に接続され走査電極を駆動する走査電極駆動回路と、維持電極に接続され維持電極を駆動する維持電極駆動回路と、データ電極に接続されデータ電極を駆動するデータ電極駆動回路と、画像信号にもとづき画像の明るさを検出するAPL検出回路とを備え、上述したいずれかの駆動方法にもとづきパネルを駆動することを特徴とする。
この構成により、電源投入直後等の特定駆動期間におけるフリッカーの発生を低減し、画像の表示品質を向上させることが可能なプラズマディスプレイ装置を提供することができる。
本発明によれば、通常の駆動時におけるフリッカーだけでなく、プラズマディスプレイ装置の電源投入直後等におけるフリッカーの発生をも低減し、画像の表示品質を向上させることができるパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態におけるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
この保護層26は、放電セルにおける放電開始電圧を下げるために、パネルの材料として使用実績があり、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)ガスを封入した場合に2次電子放出係数が大きく耐久性に優れたMgOを主成分とする材料から形成されている。
背面板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面板21と背面板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、例えばネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
図2は、本発明の実施の形態におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。
図3は、本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロックの一例を示す図である。図3において、プラズマディスプレイ装置1は、上記で説明したパネル10と、画像信号処理回路51と、データ電極駆動回路52と、走査電極駆動回路53と、維持電極駆動回路54と、タイミング発生回路55と、APL検出回路56と、電源回路60と、制御回路70とを備えている。
画像信号処理回路51は、入力された画像信号sigをサブフィールド毎の放電セルの発光または非発光を示す画像データに変換する。
APL検出回路56は画像信号sigの平均輝度レベルであるAPLを検出する。具体的には、画像信号の輝度値を1フィールド期間または1フレーム期間にわたって累積する等の一般に知られた手法を用いることによってAPLを検出する。なお、輝度値を用いる以外にも、例えばR信号、G信号、B信号のそれぞれを1フィールド期間にわたって累積し、それらの平均値を求めることでAPLを検出する方法を用いてもよい。
タイミング発生回路55は、水平同期信号HD、垂直同期信号VD、APL検出回路56における検出結果および制御回路70内のオンオフ制御部78の出力をもとにして各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。
データ電極駆動回路52は、タイミング発生回路55からのタイミング信号にもとづいて、サブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する信号に変換し各データ電極D1〜Dmを駆動する。また、走査電極駆動回路53は、タイミング発生回路55からのタイミング信号にもとづいて駆動電圧波形を各走査電極SC1〜SCnにそれぞれ印加し、また維持電極駆動回路54は、タイミング発生回路55からのタイミング信号にもとづいて駆動電圧波形を維持電極SU1〜SUnに印加する。
電源回路60は、商用AC100(V)電源から電源回路60に電力を供給するための主電源スイッチ62と、パネル10を駆動するための各回路ブロックに必要な電力を供給する駆動電源部63と、制御回路70を動作させるための電力を供給するスタンバイ電源部64と、主電源スイッチ62がオンであることを示す信号を出力する通電検出部65とを備える。そして、主電源スイッチ62をオンすることにより、スタンバイ電源部64と通電検出部65とが動作する。一方、駆動電源部63のオン/オフは制御回路70内の電源制御部76により制御される。なお、図示していないが、駆動電源部63から上記の各回路ブロックに駆動電圧が供給されるように構成されている。
制御回路70は、マイクロコンピュータ等を用いてリモートコントロールスイッチ(以下、「リモコン」と略記する)80の信号を受信しその信号をエンコードするリモコン制御部72と、通電検出部65およびリモコン制御部72の出力にもとづきプラズマディスプレイ装置1のオン/オフを制御するオンオフ制御部78と、駆動電源部63のオン/オフを制御する電源制御部76とを備える。
リモコン制御部72は、リモコン受光部73でリモコン80からの信号を受信し、プラズマディスプレイ装置1の電源のオン/オフを制御するオン信号C11を発生する。
オンオフ制御部78は、リモコン80でオン/オフを制御するオン信号C11および主電源スイッチ62がオンであることを示す主電源オン信号C12にもとづき、タイミング発生回路55の動作を制御するためのイネーブル信号C21を発生する。そして詳細は後述するが、タイミング発生回路55はイネーブル信号C21にもとづき、プラズマディスプレイ装置1の電源オン(この電源オンは、オン信号C11および主電源オン信号C12がともにオンとなった時点を表す。また、以下、この電源オンを「電源投入」とも記す)直後から所定の期間は特定駆動期間として初期化輝点を低減するための動作を行う。また、オンオフ制御部78は、駆動電源部63のオン/オフを制御するイネーブル信号C22を発生し電源制御部76に出力する。
電源制御部76は、イネーブル信号C22にもとづき駆動電源部63のオン/オフ制御を行う。加えて電源制御部76は、プラズマディスプレイ装置1に何らかの異常が発生したことを示す非常停止信号C30にもとづき駆動電源部63をオフする。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1の駆動電圧波形図である。図4には、2つのサブフィールドの駆動電圧波形、すなわち第1のサブフィールド(第1SF)および第2のサブフィールド(第2SF)の駆動電圧波形を示しているが、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形もほぼ同様な形態である。
まず、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1は、パネル10を駆動する方法としてサブフィールド法を用いている。これは、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドで各放電セルの発光、非発光を制御することにより階調表示を行う方法である。そして、サブフィールドのそれぞれは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。
初期化期間では放電セルで初期化放電を行い、続く書込み動作のために必要な壁電荷を形成する。加えて、放電遅れを小さくし書込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させる。書込み期間では、走査電極SC1〜SCnに順次走査パルスを印加するとともにデータ電極D1〜Dmには表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加して書込み放電を行い、選択的な壁電荷形成を行う。続く維持期間では発光させるべき表示輝度に応じた所定の回数の維持パルスを走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間に印加し、書込み放電による壁電荷形成を行った放電セルを選択的に放電、発光させる。なお、このときの維持パルスの発生回数は、サブフィールド毎に定められた輝度重みに比例しており、このときの比例定数を輝度倍率と呼ぶ。
図4において、第1SFの初期化期間前半部では、データ電極D1〜Dmおよび維持電極SU1〜SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧(以下、「上りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する(以下、走査電極SC1〜SCnに印加する上りランプ波形電圧の最大値を「初期化電圧Vi2」として引用する。また、初期化電圧Vi2と電圧Vi1との差を、「Vset」と記す)。この上りランプ波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上部および維持電極SU1〜SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上部の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜SUnに正の電圧Ve1を印加する。走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧(以下、「下りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。この間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。
以上により、初期化動作が終了する。なお、1フィールドを構成するサブフィールドのうちのいくつかのサブフィールドでは初期化期間の前半部を省略してもよく、その場合には、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化動作が行われる。図4には、第1SFの初期化期間では前半部および後半部を有する初期化動作、第2SF以降のサブフィールドの初期化期間では後半部のみを有する初期化動作を行う駆動電圧波形を示した。
続く書込み期間では、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。
まず、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(Dkは、D1〜Dmのうち画像データにもとづき選択されるデータ電極)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間に書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。
このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間では、維持電極SU1〜SUnに0(V)を印加するとともに走査電極SC1〜SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差は、維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。
そしてこの放電により、走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜SCnに0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnに正の維持パルス電圧Vsを印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。
以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に輝度重みに輝度倍率を乗じた数の維持パルスを印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与えることにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。
そして、維持期間の最後には、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間にいわゆる細幅パルス状の電位差を与えて、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCiおよび維持電極SUi上の壁電圧を減らしている。こうして維持期間における維持動作が終了する。
次に、サブフィールド構成について説明する。図5は、本発明の一実施の形態におけるサブフィールド構成を示す図である。図5は、1フィールド期間の駆動電圧波形を略式に記したもので、それぞれのサブフィールドの駆動電圧波形は図4に示した駆動電圧波形と同等なものである。
本実施の形態においては、1フィールドを10のサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・、第10SF)に分割し、各サブフィールドはそれぞれ(1、2、3、6、11、18、30、44、60、80)の輝度重みを持つものとする。そして、第1SFの初期化期間では全セル初期化動作を行い、第2SF〜第10SFの初期化期間では選択初期化動作を行うものとする。また各サブフィールドの維持期間においては、それぞれのサブフィールドの輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスが表示電極対24のそれぞれに印加される。この輝度倍率はAPL検出回路56の検出結果に応じて変更されるように構成されており、APLが低い場合には大きく、APLが高い場合には小さくなるように制御される。なお、サブフィールド数や各サブフィールドの輝度重みが上記の値に限定されるものではなく、また、画像信号等にもとづいてサブフィールド構成を切換える構成であってもよい。
次に、本実施の形態における輝度倍率の制御について説明する。図6は、本発明の一実施の形態におけるAPLと輝度倍率との関係を示す概略図である。図6において、縦軸は輝度倍率を、横軸はAPLを示す。
本発明の実施の形態においては、図6に示すように、APLに応じて、輝度重みに乗じる比例係数、すなわち輝度倍率を変更する構成としている。具体的には、APL20%以下の画像を表示するときの輝度倍率を5倍とし、APL100%の画像を表示するときの輝度倍率を1倍としている。そして、APL20%からAPL100%にかけて輝度倍率が徐々に小さくなるように制御している。本実施の形態では、この輝度倍率の変化を、小数点以下の輝度倍率を用いて120段階に分けて行っている。また、これらの輝度倍率の算出および輝度倍率にもとづく制御は、図3に示したAPL検出回路56の検出結果を受けてタイミング発生回路55が行っているが、本実施の形態は何らこの構成に限定されるものではなく、輝度倍率の算出等を行う回路を別途設ける構成であってもよい。
このように、APLに応じて輝度倍率を変化させることで、1フィールド期間における維持パルスの総数をAPLに応じて変化させることができ、画像の明るさを変化させることができる。例えば、APLが低い画像は、全体的に輝度値が低くかったり、また、全体的に輝度値が低い中に一部輝度値の高い領域が存在する、といった画像であることが多い。このような画像では、輝度倍率を大きくして輝度値の高い部分をより明るく表示し、表示画像の暗い部分と明るい部分との輝度差を大きくすることで、ダイナミックな迫力のある画像を表示することができる。
一方、APLが高い画像は、全体的に輝度値の高い画像となるため、輝度倍率を大きくしても表示画像が全体的に明るくなるだけであって、表示画像の暗い部分と明るい部分との輝度差は、あまり大きくは変わらない。そのため、輝度倍率を変えても表示画像のダイナミックさはそれほど大きくは変わらない。また、輝度倍率を小さくすれば、1フィールド期間における維持パルスの総数が減少するので、消費電力を低減することができる。これらの理由により、本実施の形態では、輝度倍率を、図6に示すような制御としている。
なお、本発明の実施の形態においては輝度倍率の最大値を5倍としているが、これは、維持パルスの周期と各サブフィールドにおける維持期間との関係において設定したものであって、何ら輝度倍率の最大値がこの数値に限定されるものではない。また、輝度倍率の最小値および最大値ならびにその変化のさせ方については、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて最適に設定すればよい。
次に、本実施の形態における特定駆動期間と通常駆動期間および各駆動期間における制御について説明する。図7は、本発明の一実施の形態における特定駆動期間と通常駆動期間とを説明するための概略図である。なお、ここでは、電源が投入されたことを表すイネーブル信号C21がローからハイに変化した時点をプラズマディスプレイ装置1への電源オン時とする。また、本実施の形態では、電源オン時からの経過時間に応じて駆動を変えているが、これらの制御は、図3に示したタイミング発生回路55が、オンオフ制御部78から出力されるイネーブル信号C21にもとづき、内部に有するタイマー(図示せず)を作動させて計時することで行っている。なお、計時用のタイマーは別途設ける構成であってもよく、プラズマディスプレイ装置の制御用に設けられたマイクロコンピューター(図示せず)等を利用して計時を行う構成であってもよい。また、ここでは、映像信号の垂直周波数を60Hzとし、1垂直同期期間を16.7msecとして示しているが、何らこの数値に限定されるものではなく、垂直周波数は映像信号に応じて変化するものとする。
本実施の形態では、図7に示すように、電源オン時からの経過時間に応じ、パネル10の駆動を、画像表示面に映像ミュートをかける特定駆動期間と、画像信号にもとづきパネル10を駆動する通常駆動期間とに分けて行い、駆動を変えている。プラズマディスプレイ装置1においては、電源投入直後等の非動作状態から動作状態に移行した直後は、画像信号を処理する回路や電源回路あるいは駆動回路等の各回路の動作が安定しておらず、正常でない画像が表示される恐れがある。そのため、電源投入直後から各回路における動作が安定するまでの期間は、書込み動作を止める等して全放電セルを非発光とし、映像ミュート、すなわち全面黒を表示させることが望ましい。そこで、本実施の形態においては、このプラズマディスプレイ装置1への電源投入直後からの所定の期間(本実施の形態では、電源投入直後から約3秒間)を特定駆動期間とする。そして、特定駆動期間では、映像ミュートをかけるとともに、映像ミュートによる全面黒の黒輝度に発生するフリッカーを低減する駆動を行う。また、各回路における動作が安定してから以降(本実施の形態では、電源投入時から約3秒後以降)を通常駆動期間とし、通常駆動期間では、画像信号にもとづきパネル10の画像表示面にフリッカーを低減して画像を表示する通常の駆動を行う。次に、この駆動の詳細について説明する。
まず、通常駆動期間における駆動について説明する。通常駆動期間においては、従来と同様の駆動を行い、画像信号にもとづき画像表示面に画像を表示させる。本実施の形態においては、上述したように、APLに応じて輝度倍率を変化させ、表示画像の明るさを調整している。このとき、輝度倍率の変化に応じて各サブフィールドの維持パルス数が変化すると、各サブフィールドの維持期間の長さが変化して、各サブフィールドの長さが変わる。
図8は、本発明の実施の形態における通常駆動期間の駆動の一例を示す概略図であり、(a)は輝度倍率が低いときの駆動波形を、(b)は輝度倍率が高いときの駆動波形を概略的に表したものである。
例えば、図8(a)に示すように、輝度倍率が低いときには、各サブフィールドにおいて、それぞれ維持パルス数が少なくなり維持期間が短くなるため、各サブフィールドは短くなる。一方、図8(b)に示すように、輝度倍率が高いときには、各サブフィールドにおいて、それぞれ維持パルス数が多くなり維持期間も長くなるため、各サブフィールドも長くなる。
1フィールド期間における発光の時間的重心である発光重心は、輝度重みが最も大きいサブフィールドの1フィールド期間内における発生タイミング(以下、「発生位置」とも記す)に応じて変化する(なお、ここでは、説明を容易にするために、輝度重みの最も重いサブフィールドにおける維持期間の中間部を発光重心として説明を行う)。したがって、輝度倍率に応じて最終サブフィールドの発生位置が変化すると、発光重心の位置も変動する。
この発光重心の発生位置は、できるだけ一定であることが好ましく、発光重心が頻繁に変動すると、表示面におけるフリッカーとして認識されてしまうことが確認されている。すなわち、安定した画像を表示させるためには、輝度倍率の変化にかかわらず、発光重心の位置に変化が生じないように制御することが望ましい。
そこで、画像信号の垂直同期信号を基準とし、垂直同期信号から第1SFを発生させるまでの期間(以下、この期間を「Tss」と記す)を変更可能に構成し、輝度倍率に応じてこのTssを制御する。具体的には、輝度倍率が最大のときのTssを所定の値(例えば、0)に設定し、そのときの発光重心の位置を基準として、その基準位置からできるだけ発光重心が変動しないように、各輝度倍率におけるTssを設定する。すなわち、輝度倍率が高いときには、図8(b)に示すように、Tssを小さくして発光重心の移動を小さくする。また、輝度倍率が低いときには、図8(a)に示すように、Tssを大きくして発光重心の位置を1フィールド期間の後の方に移動させる。こうして、図8に実線の矢印で示すように、輝度倍率の変化による発光重心の位置の変動を抑えることで、フリッカーの発生を低減させることができる。
なお、このとき、発光重心の位置は、各フィールドで同一になるように制御されることが望ましいが、必ずしも各フィールドで完全に同一である必要はなく、フリッカーの低減効果を確認できる範囲でのずれは許容される。
一方、輝度倍率に応じてTssを変化させる構成では、1フィールド期間内における第1SFの発生位置がTssに応じて変化する。したがって、本実施の形態のように全セル初期化動作を最初のサブフィールドで行うようにサブフィールド構成した駆動方法では、図8に破線の矢印で示すように、Tssに応じて全セル初期化動作の発生位置が変化する。
また、各回路の動作が安定していない特定駆動期間では、APL等の検出動作も不安定となるため、輝度倍率のふらつきが発生する場合がある。そして、輝度倍率のふらつきが発生すると、Tssが変動して1フィールド期間内における全セル初期化動作の発生位置に頻繁な変動が生じることがある。
映像ミュート時においては、全放電セルを非発光にするため、パネルの表示面における発光は、全セル初期化動作による発光のみとなる。この全セル初期化動作の放電にともない発生する発光はわずかな発光輝度でしかないが、映像ミュート時においては、パネルの画像表示面が全面黒となるため、全セル初期化動作の放電にともなう発光輝度がそのまま黒輝度となる。
そのため、映像ミュート時においては、この全セル初期化動作の発生位置の頻繁な変動は黒輝度のフリッカーとして認識される恐れがあり、特に、キセノン分圧を上げる等して発光効率を高めたパネルでは、初期化動作による発光輝度も上がるため、フリッカーが認識されやすい。
この、映像ミュート時に発生するフリッカーを低減するためには、全セル初期化動作の発生位置、本実施の形態においては第1SFの発生位置に、変動が生じないようにすることが有効である。
そこで、本実施の形態では、特定駆動期間において黒輝度のフリッカーを抑える駆動を行う構成とする。図9は、本発明の一実施の形態における特定駆動期間の駆動の一例を示す概略図であり、(a)は輝度倍率が低いときの駆動波形を、(b)は輝度倍率が高いときの駆動波形を概略的に表したものである。
本実施の形態では、図9に示すように、特定駆動期間においては、APLや輝度倍率にかかわらず、Tssを固定(例えば、0)とする。これにより、図9(a)に示す輝度倍率が低いときの駆動と、図9(b)に示す輝度倍率が高いときの駆動とで全セル初期化動作の発生位置の変動を防止し、映像ミュート時に発生するフリッカーを低減することができる。なお、これらのTSSの制御は、タイミング発生回路55が、電源オン時からの経過時間およびAPLにもとづき算出した輝度倍率に応じて行っているが、本実施の形態は何らこの構成に限定されるものではなく、制御用の回路を別途設ける構成であってもよい。
以上、説明したように、本実施の形態では、パネル10の駆動を、通常駆動期間と特定駆動期間とに分けて行い、通常駆動期間においては、画像信号にもとづき検出したAPLに応じて輝度倍率を変化させ画像表示を行うとともに、輝度倍率に応じてTssを変化させる構成とすることで、発光重心の変動を抑え、通常の画像表示時におけるフリッカーを低減する。また、特定駆動期間においては、画像表示面に映像ミュートをかけるとともに、APLや輝度倍率にかかわらずTssを固定とすることで、全セル初期化動作の発生位置の変動を防止し、映像ミュート時に発生する黒輝度のフリッカーを低減する。これにより、画像の表示品質を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、第1SFを全セル初期化動作を行うサブフィールドとし、特定駆動期間において第1SFの発生位置が変動しない構成を説明したが、これは一例を示したに過ぎない。図10は、本発明の一実施の形態の他のサブフィールド構成における特定駆動期間の駆動の一例を示す概略図である。例えば、第2SFにおいて全セル初期化動作を行わせるようなサブフィールド構成の場合には、第2SFにおける全セル初期化動作の発生位置が変動しないように、輝度倍率に合わせてTSSを制御すればよい。また、これら以外のサブフィールド構成においても、そのサブフィールド構成に合わせて最適な制御にすればよい。
なお、本実施の形態においては、Tssを固定する以外に、例えば輝度倍率を固定することによっても、全セル初期化動作の発生位置に変動が生じないようにすることが可能である。例えば、特定駆動期間において、APLにかかわらず輝度倍率を固定(例えば、1倍)とする構成としてもよい。輝度倍率を固定することで、結果的にTssが固定され、これにより、全セル初期化動作の発生位置の変動を防止し、映像ミュート時に発生するフリッカーを低減することができるからである。
なお、本実施の形態では、輝度重みの最も重いサブフィールドにおける維持期間の中間部を発光重心としたが、これは説明を容易にするために用いた簡易的に発光重心を定める方法に過ぎない。本発明は、発光重心の算出に関し何ら限定されるものではなく、例えば、1回の維持発光を発光強度に応じた数値に換算するとともに、その数値を1フィールド期間内における維持発光の発生位置に応じて時間軸上に配置することで重心の算出が可能な状態に置き換え、一般に知られた相加平均により重心を求める方法で時間軸上の重心を算出し、その算出結果を発光重心とする等の方法や、その他一般に知られた算出方法を用いてもかまわない。
なお、本実施の形態では、電源投入直後から所定の期間(例えば、3秒間)を特定駆動期間として説明したが、これ以外にも、例えば、入力信号の切換え時から所定の期間(例えば、1秒間)、あるいはチャンネル切換え時から所定の期間(例えば、1秒間)を特定駆動期間として駆動する構成としてもよい。また、上述した各数値は一例に過ぎず、プラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて適宜変更すればよい。
なお、本実施の形態では、垂直同期信号を基準にしてTssを設定する構成を説明したが、何らこの構成に限定されるものではなく、画像の垂直表示周期に同期したものであればどのような信号を基準にしてもかまわない。
また、本実施の形態において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
本発明は、通常の駆動時におけるフリッカーだけでなく、プラズマディスプレイ装置の電源投入直後等におけるフリッカーの発生をも低減し、画像の表示品質を向上させることができるので、パネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置として有用である。
本発明の実施の形態におけるパネルの構造を示す分解斜視図 同パネルの電極配列図 本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロックの一例を示す図 同プラズマディスプレイ装置の駆動電圧波形図 本発明の一実施の形態におけるサブフィールド構成を示す図 本発明の一実施の形態におけるAPLと輝度倍率との関係を示す概略図 本発明の一実施の形態における特定駆動期間と通常駆動期間とを説明するための概略図 本発明の一実施の形態における通常駆動期間の駆動の一例を示す概略図 本発明の一実施の形態における特定駆動期間の駆動の一例を示す概略図 本発明の一実施の形態の他のサブフィールド構成における特定駆動期間の駆動の一例を示す概略図
符号の説明
1 プラズマディスプレイ装置
10 パネル
21 (ガラス製の)前面板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
25,33 誘電体層
26 保護層
31 背面板
32 データ電極
34 隔壁
35 蛍光体層
51 画像信号処理回路
52 データ電極駆動回路
53 走査電極駆動回路
54 維持電極駆動回路
55 タイミング発生回路
56 APL検出回路
60 電源回路
62 主電源スイッチ
63 駆動電源部
64 スタンバイ電源部
65 通電検出部
70 制御回路
72 リモコン制御部
73 リモコン受光部
76 電源制御部
78 オンオフ制御部
80 リモコン

Claims (4)

  1. 走査電極と維持電極とからなる表示電極対とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記放電セルで初期化放電を発生させる初期化期間と、画像信号にもとづき前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させる書込み期間と、サブフィールド毎に設定された輝度重みに比例係数を乗じた数の維持パルスを前記表示電極対に印加して前記書込み期間に選択された放電セルで維持放電を発生させる維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設けるとともに、画像信号にもとづき駆動を行い放電セルを選択的に発光させて画像を表示する通常駆動期間と、画像信号にかかわらず全放電セルを非発光とする特定駆動期間とを設け、
    前記通常駆動期間では、画像の明るさに応じて前記比例係数を変更するとともに画像信号の垂直同期信号から1フィールド期間内における最初のサブフィールドを発生させるまでの期間を前記比例係数に応じて変更し、
    前記特定駆動期間では、前記垂直同期信号から前記最初のサブフィールドを発生させるまでの期間を一定とすることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. 前記特定駆動期間において前記比例係数に固定値を用いることで、前記垂直同期信号から前記最初のサブフィールドを発生させるまでの期間を一定とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  3. 前記特定駆動期間は、プラズマディスプレイパネルの駆動を開始してからの所定期間とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  4. 走査電極と維持電極とからなる表示電極対とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、
    前記走査電極に接続され前記走査電極を駆動する走査電極駆動回路と、
    前記維持電極に接続され前記維持電極を駆動する維持電極駆動回路と、
    前記データ電極に接続され前記データ電極を駆動するデータ電極駆動回路と、
    画像信号にもとづき画像の明るさを検出するAPL検出回路とを備え、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法にもとづき前記プラズマディスプレイパネルを駆動することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
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