JP4807188B2 - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
平面状に多数配列された画素を有する画像表示デバイスとして代表的なプラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)は、対向配置された前面板と背面板との間に画素として多数の放電セルが形成されている。前面板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線でRGB各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法が用いられている。これは、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドで各放電セルを発光または非発光とすることにより画像表示を行う方法である。そして、サブフィールドのそれぞれは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では、放電セルで初期化放電を行い、続く書込み動作のために必要な壁電荷を形成する。書込み期間では、走査電極に順次走査パルスを印加するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加し、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電を起こし、選択的な壁電荷形成を行う。続く維持期間では、発光させるべき表示輝度に応じた所定の回数の維持パルスを走査電極と維持電極との間に印加し、書込み放電による壁電荷形成を行った放電セルを選択的に放電させ発光させる。なお、サブフィールド毎の表示輝度の比率を「輝度重み」と呼ぶ。
このようなプラズマディスプレイ装置では、電源投入直後に、表示画像に色むらが重畳して画像表示品質が低下することがある。このような色むらの要因のひとつとして、電源オフ時に特異な壁電荷がパネル内部に残留し、その特異な壁電荷が表示画像に影響を与える現象が考えられる。特許文献1には、起動時の表示むらを軽減するとともに表示パネルの初期化を効率的に行うために、電源部のメインスイッチを切ると、バックアップ電源からの電力供給を受け、表示パネルのいずれかの電極に均一化電圧を印加して全画素領域をいっせいに放電させ均一化処理を行う均一化部を備えた表示装置が開示されている。
特開2004−86076号公報
しかしながら、電源部のメインスイッチを切ったときに全画素領域をいっせいに放電させると、表示画面が一瞬明るく発光することになる。平均輝度がある程度高い画像を表示している場合にはこのような発光は認知されにくいが、平均輝度の低い画像を表示している場合にはこのような画像に関係しない発光は目に付きやすく、あまり好ましいものではない。
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、画像に関係しない発光を抑制して品質の高い画像表示が可能な駆動方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために本発明は、平行に配列した走査電極および維持電極からなる表示電極対と、表示電極対と交差する方向に配列したデータ電極とが対向する部分に放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、画像信号の1フィールド期間を複数のサブフィールドにより構成するとともに、サブフィールドに画像信号に応じて放電セルで選択的に書込み放電を発生させるための書込み期間と、書込み放電を発生させた放電セルを発光させるための維持期間とを設けて駆動するように構成し、サブフィールドの途中で画像表示を終了する時は、維持期間の後に、プラズマディスプレイパネルの走査電極に緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する緩和期間を設けるように制御することを特徴とする。この方法により、画像に関係しない発光を抑制して品質の高い画像表示が可能となる。
本発明によれば、画像に関係しない発光を抑制して品質の高い画像表示が可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの駆動方法について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態に用いるパネルの要部を示す分解斜視図である。パネル10は、ガラス製の前面基板21と背面基板31とを対向配置して、その間に放電空間を形成するように構成されている。前面基板21上には表示電極対28を構成する走査電極22と維持電極23とが互いに平行に対をなして複数形成されている。そして、走査電極22および維持電極23を覆うように誘電体層24が形成され、誘電体層24上には保護層25が形成されている。また、背面基板31上には複数のデータ電極32が形成され、そのデータ電極32を覆うように誘電体層33が形成されている。誘電体層33上には井桁状の隔壁34が設けられている。また、誘電体層33の表面および隔壁34の側面に蛍光体層35が設けられている。そして、走査電極22および維持電極23とデータ電極32とが交差する方向に前面基板21と背面基板31とを対向配置しており、その間に形成される放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンの混合ガスが封入されている。なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
図2は本発明の実施の形態におけるパネル10の電極配列図である。行方向に長いn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCiおよび維持電極SUi(i=1〜n)と1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。
このパネルの駆動方法について説明すると、画像信号の1フィールド期間を複数のサブフィールドにより構成し、その各サブフィールドに画像信号に応じて前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させるための書込み期間と、書込み放電を発生させた放電セルを発光させるための維持期間とを設けることにより、画像信号に応じて各放電セルを発光させて駆動するように構成している。
図3は本発明の駆動方法を実施するためのプラズマディスプレイ装置の回路ブロックの一例を示す図である。図3において、プラズマディスプレイ装置100は、上記で説明したパネル10と、画像信号処理回路51と、データ電極駆動回路52と、走査電極駆動回路53と、維持電極駆動回路54と、タイミング発生回路55と、電源回路60と、制御回路70とを備えている。
前記画像信号処理回路51は、入力された画像信号sigをサブフィールド毎の放電セルの発光または非発光を示す画像データに変換する。
前記タイミング発生回路55は、水平同期信号HD、垂直同期信号VDおよびオンオフ制御部78の出力をもとにして各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。
前記データ電極駆動回路52は、前記タイミング発生回路55からのタイミング信号にもとづいて、サブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する信号に変換し各データ電極D1〜Dmを駆動する。また、走査電極駆動回路53は、前記タイミング発生回路55からのタイミング信号にもとづいて駆動電圧波形を各走査電極SC1〜SCnにそれぞれ印加し、また維持電極駆動回路54は、前記タイミング発生回路55からのタイミング信号にもとづいて駆動電圧波形を維持電極SU1〜SUnに印加する。
電源回路60は、商用AC100(V)電源から電源回路60に電力を供給するための主電源スイッチ62と、パネル10を駆動するための各回路ブロックに必要な電力を供給する駆動電源部63と、制御回路70を動作させるための電力を供給するスタンバイ電源部64と、主電源スイッチ62がオンであることを示す信号を出力する通電検出部65とを備える。そして、主電源スイッチ62をオンすることにより、スタンバイ電源部64と通電検出部65とが動作する。一方、駆動電源部63のオン/オフは電源制御部76により制御される。なお、図面していないが、駆動電源部63から上記の各回路ブロックに駆動電圧が供給されるように構成されている。
制御回路70は、マイクロコンピュータ等を用いてリモートコントロールスイッチ(以下、「リモコン」と略記する)80の信号を受信しその信号をエンコードするリモコン制御部72と、通電検出部65およびリモコン制御部72の出力にもとづきプラズマディスプレイ装置100のオン/オフを制御するオンオフ制御部78と、駆動電源部63のオン/オフを制御する電源制御部76とを備える。
リモコン制御部72は、リモコン受光部73でリモコン80からの信号を受信し、プラズマディスプレイ装置100の電源のオン/オフを制御するオン信号C11を発生する。
オンオフ制御部78は、リモコン80でオン/オフを制御するオン信号C11および主電源スイッチ62がオンであることを示す主電源オン信号C12にもとづき、タイミング発生回路55の動作を制御するためのイネーブル信号C21を発生する。そして詳細は後述するが、タイミング発生回路55はイネーブル信号C21にもとづき、プラズマディスプレイ装置100のオン時にはオン−シーケンス、オフ時にはオフ−シーケンスの動作を行う。また、オンオフ制御部78は、駆動電源部63のオン/オフを制御するイネーブル信号C22を発生し電源制御部76に出力する。
電源制御部76は、イネーブル信号C22にもとづき駆動電源部63のオン/オフ制御を行う。加えて電源制御部76は、プラズマディスプレイ装置100になんらかの異常が発生したことを示す非常停止信号C30にもとづき駆動電源部63をオフする。
次に、プラズマディスプレイ装置100の動作について説明する。本発明の駆動方法においては、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドにおいて、画像信号に応じて前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させるための書込み期間と、書込み放電を発生させた放電セルを発光させるための維持期間とを設けて駆動することにより、各放電セルを発光または非発光として画像表示を行うサブフィールド法を用いてパネルを駆動する。
まず、プラズマディスプレイ装置100の画像表示時における駆動シーケンスについて説明する。
図4は本発明の実施の形態におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形を示す図であり、1フィールドを構成する複数のサブフィールドのうち、最初のサブフィールド(第1SF)と2番目のサブフィールド(第2SF)との駆動電圧波形について示している。
初期化期間では、まずその前半部において、データ電極D1〜Dmおよび維持電極SU1〜SUnを0(V)に保持し、走査電極SC1〜SCnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi1から放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。すると、すべての放電セルにおいて微弱な初期化放電を起こし、走査電極SC1〜SCn、維持電極SU1〜SUnおよびデータ電極D1〜Dm上に壁電圧が蓄積される。ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上や蛍光体層上等に蓄積した壁電荷により生じる電圧を指す。
続いて初期化期間の後半部において、維持電極SU1〜SUnを電圧Ve1に保ち、走査電極SC1〜SCnに電圧Vi3から電圧Vi4に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。すると、すべての放電セルにおいて再び微弱な初期化放電を起こし、走査電極SC1〜SCn、維持電極SU1〜SUnおよびデータ電極D1〜Dm上の壁電圧が書込み動作に適した値に調整される。
なお、1フィールドを構成するサブフィールドのうちいくつかのサブフィールドでは初期化期間の前半部を省略してもよく、その場合には、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化動作が行われる。図4には、第1SFの初期化期間では前半部および後半部を有する初期化動作、第2SF以降のサブフィールドの初期化期間では後半部のみを有する初期化動作を行う駆動電圧波形を示した。
書込み期間では、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。そしてデータ電極D1〜Dmのうち1行目に発光すべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に書込みパルス電圧Vdを印加するとともに、1行目の走査電極SC1に走査パルス電圧Vaを印加する。すると、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間に書込み放電が起こり、この放電セルの走査電極SC1上に正の壁電圧、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に発光すべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極Dh(h≠k)と走査電極SC1との交差部では書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで順次行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間では、維持電極SU1〜SUnを0(V)に戻し、走査電極SC1〜SCnに維持パルス電圧Vsを印加する。このとき書込み放電を起こした放電セルにおいては、走査電極SCi上と維持電極SUi上との間の電圧は維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧の大きさが加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり発光する。このとき走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。続いて走査電極SC1〜SCnを0(V)に戻し、維持電極SU1〜SUnに維持パルス電圧Vsを印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との間の電圧が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに、輝度重みに応じた数の維持パルスを印加することにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルでは維持放電が継続して行われる。なお、書込み期間において書込み放電が起こさなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保持される。こうして維持期間における維持動作が終了する。
続くサブフィールドにおいても、初期化期間および書込み期間は第1SFと同様であり、維持期間は維持パルス数を除いて第1SFの維持期間と同様の維持動作を行う。このようにして、画像表示時には、サブフィールドのそれぞれにおいて初期化期間、書込み期間、維持期間の順でパネルを駆動し、放電セルのそれぞれをサブフィールド毎に発光または非発光となるように制御して、各サブフィールドの輝度重みを組み合わせて画像表示を行っている。
次に、リモコン80を用いてプラズマディスプレイ装置100の電源をオン/オフする場合の駆動シーケンスについて図5を用いて説明する。図5は本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置100のオンおよびオフ時の各制御信号を示す図である。この場合、主電源スイッチ62はすでにオンになっているので、主電源オン信号C12は「H」である。
リモコン80を用いてプラズマディスプレイ装置100をオンする場合には、リモコン制御部72がリモコン80からの信号を受信し、それをデコードしてオン信号C11を「H」にする。オン信号C11が「H」になると、オンオフ制御部78は電源制御部76に出力するイネーブル信号C22を速やかに「H」にする。電源制御部76はイネーブル信号C22が「H」になると、駆動電源部63を動作させ、各回路ブロックへ駆動電圧を供給する。
オンオフ制御部78は、駆動電源部63の各出力電圧が安定するまでの間パネルの駆動を遅らせるために、オン信号C11が「H」になってからおよそ4sec後にイネーブル信号C21を「H」とし、タイミング発生回路55へ出力する。タイミング発生回路55はイネーブル信号C21が「H」になると維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcをそれぞれ印加する。そしてタイミング発生回路55に垂直同期信号VDが入力されると、タイミング発生回路55は各種のタイミング信号の発生を開始し、それぞれの回路ブロックへ供給して、第1SFの初期化期間の駆動電圧波形から順次、図4に示した駆動電圧波形をパネル10に印加して、プラズマディスプレイ装置100の動作を開始する。
リモコン80を用いてプラズマディスプレイ装置100をオフする場合には、リモコン制御部72がリモコンからの信号を受信し、それをデコードしてオン信号C11を「L」にする。
オンオフ制御部78は、オン信号C11が「L」になるとイネーブル信号C21を速やかに「L」にする。タイミング発生回路55は、イネーブル信号C21が「L」になってもすぐにその動作を停止するのではなく、サブフィールドの途中でイネーブル信号C21が「L」になっても、そのサブフィールドの維持期間の動作を完了し、その後直前の維持期間において発光させた放電セルの壁電荷を選択的に緩和するための緩和期間動作を行う。そしてその後にプラズマディスプレイ装置100の画像表示動作を終了する。すなわち、あるサブフィールドの初期化期間にイネーブル信号C21が「L」になった場合には、そのサブフィールドの初期化動作、書込み動作および維持動作を行い、その後に壁電荷緩和動作を行った後、画像表示動作を終了する。また、あるサブフィールドの書込み期間にイネーブル信号C21が「L」になった場合には、そのサブフィールドの書込み動作および維持動作を行い、その後に壁電荷緩和動作を行った後、画像表示動作を終了する。さらに、あるサブフィールドの維持期間にイネーブル信号C21が「L」になった場合には、維持動作の後に壁電荷緩和動作を行った後、画像表示動作を終了する。
図6は本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置100をオフする場合のパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形を示す図である。この例では、書込み期間中にイネーブル信号C21が「L」となっているが、上述したように、そのサブフィールドの書込み動作および維持動作を行い、その後に緩和期間を設け壁電荷緩和動作を行った後、画像表示動作を終了している。
初期化期間、書込み期間、維持期間は定常動作時における動作と同様であるため説明を省略する。維持期間において維持放電を行った後、緩和期間では、維持電極SU1〜SUnを電圧Ve2に保ち、走査電極SC1〜SCnに電圧Vi3’から電圧Vi4に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。すると、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルにおいて微弱な放電を起こし、走査電極SC1〜SCn、維持電極SU1〜SUnおよびデータ電極D1〜Dm上の壁電圧が、初期化期間の後半部のみを有する初期化動作を行った放電セルに準じた値に調整される。そしてその後、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2を印加したまま、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加した状態で動作を停止する。その後、駆動電源部63も動作を停止するため、走査電極SC1〜SCnおよび維持電極SU1〜SUnに印加した電圧Vcおよび電圧Ve2も低下し始める。しかしこの電圧低下に伴って放電を発生することはないので、放電セル内部の壁電圧は壁電荷緩和動作の後の値に保たれる。
このように本実施の形態においては、画像表示を終了する時には、オン信号C11が「L」になってもすぐパネルの駆動を停止させるのではなく、1サブフィールド分の動作を行い、さらに維持期間の後に緩和期間を設け、その緩和期間の直前の維持期間において発光させた放電セルの壁電荷を選択的に緩和する壁電荷緩和動作を行った後、パネルの駆動を停止させる。そのために、どのようなタイミングでプラズマディスプレイ装置をオフにしても放電セル内部に特異な壁電圧が残留することがない。したがって、電源投入直後の色むらの発生を抑え品質の高い画像表示が可能となる。また、壁電荷を緩和するための放電は直前の維持期間において発光させた放電セルで選択的に発生するので、この放電に伴う発光が表示画像に関係しない発光として認識されることはない。
なお、主電源スイッチ62を用いてプラズマディスプレイ装置100を直接にオン/オフさせた場合、または停電等により商用電源からの電力供給が停止した場合であっても、上述したリモコン80を用いてプラズマディスプレイ装置100をオン/オフさせる場合と同様である。
主電源スイッチをオフまたは停電等により電力供給が停止した場合にすぐパネルの駆動を停止させるのではなく、表示終了の信号を受けた時点のサブフィールドの維持期間の動作を行い、その後維持期間において発光させた放電セルの壁電荷を選択的に緩和する緩和期間の動作を行った後、パネルの駆動を停止させる。そのために、どのようなタイミングでプラズマディスプレイ装置をオフにしても、放電セル内部に特異な壁電圧が残留することがなく、したがって、電源投入直後の色むらの発生を抑え品質の高い画像表示が可能となる。また、壁電荷を緩和するための放電は直前の維持期間において発光させた放電セルで選択的に発生するので、この放電に伴う発光が表示画像に関係しない発光として認識されることはない。
また、画像表示動作を終了するまでの時間を短縮するために、終了動作を行う維持期間における維持パルス数を、そのサブフィールドに設定されている輝度重みにかかわらず、所定の輝度重み、例えば「2」とする等、制限してもよい。さらに、書込み期間において表示終了になった場合には、それ以降の書込み動作を省略して維持期間に移る等としても画像表示動作を終了するまでの時間を短縮することができる。
本発明は、画像に関係しない発光をさせることなく、電源投入直後の色むらの発生を抑えた品質の高い画像表示が可能であり、プラズマディスプレイパネルの駆動方法として有用である。
本発明の実施の形態に用いるパネルの要部を示す分解斜視図 本発明の実施の形態におけるパネルの電極配列図 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 本発明の実施の形態におけるパネルの各電極に印加する駆動電圧波形を示す図 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置のオンおよびオフ時の各制御信号を示す図 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置をオフする場合のパネルの各電極に印加する駆動電圧波形を示す図
符号の説明
10 パネル
22 走査電極
23 維持電極
28 表示電極対
32 データ電極

Claims (1)

  1. 平行に配列した走査電極および維持電極からなる表示電極対と、前記表示電極対と交差する方向に配列したデータ電極とが対向する部分に放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    画像信号の1フィールド期間を複数のサブフィールドにより構成するとともに、前記サブフィールドに画像信号に応じて前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させるための書込み期間と、書込み放電を発生させた放電セルを発光させるための維持期間とを設けて駆動するように構成し、
    前記サブフィールドの途中で画像表示を終了する時は、前記維持期間の後に、前記プラズマディスプレイパネルの走査電極に緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する緩和期間を設けるように制御することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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