JP2006172800A - プラズマディスプレイパネルとその駆動方法 - Google Patents

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Hiroyuki Tachibana
弘之 橘
Naotaka Kosugi
直貴 小杉
Shunichi Wakabayashi
俊一 若林
Hiroyasu Makino
弘康 牧野
Shigeo Kiko
茂雄 木子
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Abstract

【課題】書込み動作の駆動電圧マージンを狭めることなく、かつプライミング電極専用の駆動回路を設けることなく、書込み放電を安定して発生させることができるプラズマディスプレイパネルとその駆動方法を提供する。
【解決手段】プライミングセルの放電開始電圧を主放電セルの放電開始電圧より低く設定し、プライミング電極をそれぞれ走査電極のいずれかと電気的に接続し、主放電セルの初期化動作の後、主放電セルで放電を発生させずプライミングセルでのみ初期化放電を発生させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニター等に用いられるプラズマディスプレイパネルとその駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)は、大画面、薄型、軽量であることを特徴とする視認性に優れた表示デバイスである。
パネルとして代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、走査電極と維持電極とからなる表示電極対が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁がそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線でRGB各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。ここで、各サブフィールドは初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。
初期化期間では、全ての放電セルで一斉に初期化放電を行い、それ以前の個々の放電セルに対する壁電荷の履歴を消すとともに、つづく書込み動作のために必要な壁電荷を形成する。加えて、放電遅れを小さくし書込み放電を安定して発生させるためのプライミング(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させるという働きをもつ。書込み期間では、走査電極に順次走査パルス電圧を印加するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した書込みパルス電圧を印加し、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電をおこし、選択的な壁電荷形成を行う。つづく維持期間では、走査電極と維持電極との間に所定の回数の維持パルス電圧を印加し、書込み放電による壁電荷形成を行った放電セルを選択的に放電させ発光させる。
このように、画像を正しく表示するためには書込み期間における選択的な書込み放電を確実に行うことが重要であるが、回路構成上の制約から書込みパルス電圧に高い電圧が使えないこと、データ電極上に形成された蛍光体層が放電をおこり難くしていること等、書込み放電に関しては放電遅れを大きくする要因が多い。したがって、書込み放電を安定して発生させるためのプライミングが非常に重要となる。
しかしながら、放電によって生じるプライミングは時間の経過とともに急速に減少する。そのため、上述したパネルの駆動方法において、初期化放電から長い時間が経過した書込み放電に対しては初期化放電で生じたプライミングが不足して放電遅れが大きくなり、書込み動作が不安定になって画像表示品質が低下するといった問題があった。あるいは、書込み動作を安定して行うために書込み時間を長く設定し、その結果、書込み期間に費やす時間が大きくなりすぎるといった問題があった。
これらの問題を解決するために、プライミング電極を設けてプライミングを発生させ、放電遅れを小さくするパネルとその駆動方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平9−245627号公報
しかしながら上述のパネルにおいては、隣接する放電セルが相互干渉をおこしやすく、特に書込み期間において、隣接する放電セルの書込み放電の影響を受けて誤書込み、あるいは書込み不良を生じるおそれがあり、そのため書込み動作の駆動電圧マージンが狭くなるという課題があった。さらに上述の駆動方法においては、プライミング電極専用の駆動回路が必要である。特に、それぞれの走査電極に対する書込み動作の直前にプライミング放電を発生させるためにはそれぞれのプライミング電極を独立に駆動する必要があり、そのためにはプライミング電極数と同数の駆動回路が必要となる。
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであり、書込み動作の駆動電圧マージンを狭めることなく、かつプライミング電極専用の駆動回路を設けることなく、書込み放電を安定して発生させることができるプラズマディスプレイパネルとその駆動方法を提供することを目的とする。
本発明のパネルは、第1の基板上に平行に配置され表示電極対を構成する走査電極および維持電極と、第1の基板上に表示電極対のうち隣り合う表示電極対の間に表示電極対と平行に配置されたプライミング電極と、放電空間を挟んで第1の基板に対向配置された第2の基板上に表示電極対と交差する方向に配置されたデータ電極と、表示電極対とデータ電極とが対向する位置に主放電セルを区画するとともにプライミング電極とデータ電極とが対向する位置にプライミングセルを区画する隔壁とを備え、プライミング電極のそれぞれは走査電極のいずれかと電気的に接続されていることを特徴とする。この構成により、書込み動作の駆動電圧マージンを狭めることなく、かつプライミング電極専用の駆動回路を設けることなく、書込み放電を安定して発生させることができるプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
また本発明のパネルのプライミングセルは、プライミングセルのデータ電極側を陰極とする放電開始電圧とプライミング電極側を陰極とする放電開始電圧との和が、主放電セルの走査電極−維持電極間の走査電極側を陰極とする放電開始電圧と維持電極側を陰極とする放電開始電圧との和よりも小さく、かつ主放電セルのデータ電極−走査電極間の走査電極側を陰極とする放電開始電圧とデータ電極側を陰極とする放電開始電圧との和よりも小さくなるように構成されている。この構成により、プライミング電極と走査電極とが電気的に接続されていても、主放電セル内部の壁電荷とは独立にプライミングセル内部の壁電荷を制御することができる。
また本発明のパネルのプライミング電極は、書込み期間において、隣接する主放電セルの走査電極のうち先に走査パルスを印加する走査電極と電気的に接続されていてもよい。この構成により、主放電セルの走査電極に走査パルス電圧を印加することにより、主放電セルに隣接するプライミングセルでプライミング放電を発生させることができる。
また本発明のパネルのプライミング電極は、書込み期間において、隣接する主放電セルの走査電極よりも先に走査パルスを印加する走査電極と電気的に接続されていてもよい。この構成により、主放電セルの走査電極に走査パルス電圧を印加する以前に、主放電セルに隣接するプライミングセルでプライミング放電を発生させることができる。
また本発明のパネルの駆動方法は、請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、1フィールドを初期化期間、書込み期間、維持期間を有する複数のサブフィールドで構成し、初期化期間は主放電セルの初期化動作を行う主放電セル初期化期間とプライミングセルの初期化動作を行うプライミングセル初期化期間とを有し、プライミングセル初期化期間には、主放電セルで放電を発生させず、プライミングセルで初期化動作を行うための放電を発生させる電圧をプライミング電極に印加することを特徴とする。この方法により、走査電極とプライミング電極とに同一の駆動電圧を印加しながら、主放電セルおよびプライミングセルの壁電荷を所望の値に設定することができる。
本発明によれば、書込み動作の駆動電圧マージンを狭めることなく、かつプライミング電極専用の駆動回路を設けることもなく、書込み放電を安定して発生させることができるプラズマディスプレイパネルとその駆動方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態におけるパネルとその駆動方法について、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるパネルの構造を示す分解斜視図であり、図2は同パネルの断面図である。第1の基板であるガラス製の前面基板21と第2の基板である背面基板31とが放電空間を挟んで対向配置され、放電空間には放電によって紫外線を放射するネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。
前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対が互いに平行に複数対形成されている。本実施の形態においては、例えば走査電極22−維持電極23の順で構成された表示電極対に隣接する表示電極対は維持電極23−走査電極22の順で構成されている。そして、隣接する表示電極対の間のうち、走査電極22が対向する側にはプライミング電極29が表示電極対と平行に構成されている。したがって、前面基板21上には、維持電極23−走査電極22−プライミング電極29−走査電極22−維持電極23−維持電極23−走査電極22−プライミング電極29−走査電極22−維持電極23−・・・となるように配列されている。走査電極22と維持電極23は、それぞれ透明電極22a、23aとその透明電極22a、23a上に形成された金属母線22b、23bとから構成されている。走査電極22−走査電極22間、および維持電極23−維持電極23間には黒色材料からなる光吸収層28が設けられており、プライミング電極29は走査電極22−走査電極22間に設けられた光吸収層28上に金属母線を用いて構成されている。そして、これらの走査電極22、維持電極23、プライミング電極29および光吸収層28とを覆うように誘電体層24および保護層25が形成されている。
背面基板31上には、走査電極22と交差する方向にデータ電極32が互いに平行に複数形成され、そしてデータ電極32を覆うように誘電体層33が形成されている。そして表示電極対とデータ電極とが対向する位置に主放電セルを区画するとともに、プライミング電極とデータ電極とが対向する位置にプライミングセルを区画するように、誘電体層33の上に隔壁34が形成されている。
隔壁34は、データ電極32と平行な方向に延びる縦壁部34aと、主放電セル40を形成するとともに主放電セル40の間に隙間部41を形成する横壁部34bとで構成されている。その結果、隔壁34は走査電極22と維持電極23とからなる一対の表示電極対に沿って主放電セル40を複数連結した主放電セル行を形成し、隣接した主放電セル行の間に隙間部41を生じる。隙間部41のうち、2本の走査電極22が隣り合う側に位置する隙間部の前面基板21上にはプライミング電極29が形成されており、この隙間部はプライミングセル41aとして働く。すなわち隙間部41は1つおきにプライミング電極29を有するプライミングセル41aとなっている。なお、隙間部41bは2本の維持電極23が隣り合う側に位置する隙間部である。
そして、これら隔壁34の頂部は前面基板21に当接するように平坦に形成されている。これは、隣接する主放電セル40の相互干渉を防ぐためであり、特に書込み期間において隣接する主放電セル40の放電の影響を受けて誤書込みを生じる等の誤動作を防ぐためである。
そして、隔壁34により区画された主放電セル40に対応する誘電体層33の表面と隔壁34の側面とに蛍光体層35が設けられている。さらに本実施の形態においてはプライミングセル41aに放電開始電圧を下げるためのMgO粉末層39が塗布されている。これは、プライミングセル41aのデータ電極32側を陰極とする放電開始電圧とプライミング電極29側を陰極とする放電開始電圧との和を、主放電セル40の走査電極22−維持電極23間の走査電極22側を陰極とする放電開始電圧と維持電極23側を陰極とする放電開始電圧との和よりも小さく、かつ、主放電セル40のデータ電極32−走査電極22間の走査電極22側を陰極とする放電開始電圧とデータ電極32側を陰極とする放電開始電圧との和よりも小さく設定するために設けられたものである。
なお、上述の放電開始電圧の条件を満たすことができれば、必ずしもプライミングセル41aにMgO粉末層39を設ける必要はなく、また、MgO粉末以外の物質、例えば、導電性物質、あるいは二次電子放出係数の大きい金属酸化物等を塗布してもよい。あるいは、プライミングセル41aのプライミング電極29−データ電極32間の放電距離を短くして上述の放電開始電圧の条件を満たす構造としてもよい。
なお、上述の説明ではデータ電極32を覆うように誘電体層33が形成されているが、この誘電体層33は形成しなくてもよい。
図3は本発明の実施の形態におけるパネルの電極配列図である。列方向にm列のデータ電極D〜D(図1のデータ電極32)が配列され、行方向にn行の走査電極SC〜SC(図1の走査電極22)とn行の維持電極SU〜SU(図1の維持電極23)とn/2行のプライミング電極PR〜PRn−1(図1のプライミング電極29)とが維持電極SU−走査電極SC−プライミング電極PR−走査電極SC−維持電極SU−維持電極SU−走査電極SC−プライミング電極PR−走査電極SC−維持電極SU−・・・となるように配列されている。そして、一対の走査電極SC、維持電極SU(i=1〜n)と1つのデータ電極D(j=1〜m)とを含む主放電セルCi,j(図1の主放電セル40)が放電空間内にm×n個形成されている。そして、本実施の形態においては、p行目のプライミング電極PRはp行目の走査電極SCと電気的に接続されている。これは後述するように、プライミング電極を、それに隣接する走査電極のうち先に走査パルスを印加する走査電極と接続したことになる。またプライミング電極PR(pは奇数)とデータ電極D〜Dとを含むプライミングセルPS(図1のプライミングセル41a)が放電空間内にn/2個形成される。そして詳細は後述するが、書込み期間においてこのプライミングセルPSで発生したプライミングは、プライミングセルPSに隣接する主放電セルCp,1〜Cp,m、Cp+1,1〜Cp+1,mに供給される。
図4は、本発明の実施の形態におけるパネルを用いたプラズマディスプレイ装置の回路構成の一例を示すブロック図である。ディスプレイ装置100は、画像信号処理回路101、データ電極駆動回路102、タイミング制御回路103、走査電極駆動回路104および維持電極駆動回路105を有している。画像信号および同期信号は、画像信号処理回路101に入力される。画像信号処理回路101は、画像信号および同期信号に基づいて、各サブフィールドを点灯するか否かを制御するサブフィールド信号をデータ電極駆動回路102に出力する。また、同期信号はタイミング制御回路103にも入力される。タイミング制御回路103は同期信号に基づいて、データ電極駆動回路102、走査電極駆動回路104、維持電極駆動回路105にタイミング制御信号を出力する。
データ電極駆動回路102は、サブフィールド信号およびタイミング制御信号に応じて、パネル10のデータ電極32(図3のデータ電極D〜D)に所定の駆動波形電圧を印加する。走査電極駆動回路104はタイミング制御信号に応じてパネル10の走査電極22(図3の走査電極SC〜SC)およびプライミング電極29(図3のプライミング電極PR〜PRn−1)に所定の駆動波形電圧を印加し、維持電極駆動回路105はタイミング制御信号に応じてパネル10の維持電極23(図3の維持電極SU〜SU)に所定の駆動波形電圧を印加する。データ電極駆動回路102、走査電極駆動回路104、維持電極駆動回路105には電源回路(図示せず)から必要な電力が供給されている。
つぎに、パネルを駆動するための駆動波形とそのタイミングについて、パネルの動作とともに説明する。図5は、本発明の実施の形態におけるパネルの駆動波形図である。なお、1フィールド期間は複数のサブフィールドから構成され、それぞれのサブフィールドは、主放電セル初期化期間、プライミングセル初期化期間(以下、「Pセル初期化期間」と略記する)、書込み期間、維持期間を有する。また、本発明の実施の形態においては複数のサブフィールドのうち最初のサブフィールドの主放電セル初期化期間は、画像表示にかかわる全ての主放電セルで初期化放電を発生させる全セル初期化動作を行い、2番目以降のサブフィールドはその直前のサブフィールドの維持期間で維持放電を行った主放電セルに対して選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作を行うものとして説明する。
最初のサブフィールドの主放電セル初期化期間では、まず、データ電極D〜D、維持電極SU〜SUをそれぞれ0(V)に保持し、走査電極SC〜SCには電圧Vi1から、維持電極SU〜SUおよびデータ電極D〜Dに対して放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を印加する。すると、主放電セルCi,j内部では、走査電極SC〜SCと維持電極SU〜SU、走査電極SC〜SCとデータ電極D〜Dとの間でそれぞれ微弱な初期化放電がおこる。そして、走査電極SC〜SC上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D〜D上部および維持電極SU〜SU上部には正の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上部の壁電圧とは電極を覆う保護層25や蛍光体層35上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧をあらわす。
つぎに、維持電極SU〜SUを正電圧Veに保ち、走査電極SC〜SCには、維持電極SU〜SUおよびデータ電極D〜Dに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると、走査電極SC〜SCと維持電極SU〜SU、走査電極SC〜SCとデータ電極D〜Dとの間でそれぞれ微弱な初期化放電がおこる。そして、走査電極SC〜SC上部の負の壁電圧および維持電極SU〜SU上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D〜D上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により画像表示にかかわる全ての主放電セルを初期化放電させる全セル初期化動作が終了する。
なお、主放電セル初期化期間においてプライミングセルPS〜PSn−1内部でも放電が発生し壁電荷が蓄積するが、つづくPセル初期化期間においてプライミングセルPS〜PSn−1内の壁電荷の再調整を行うため、ここで形成された壁電荷はPセル初期化期間以降の動作に影響を及ぼさない。
Pセル初期化期間では、プライミング電極PR〜PRn−1に電圧Vpを印加してプライミングセルPS〜PSn−1内部で放電を発生させ、プライミングセルPS〜PSn−1内部のプライミング電極PR〜PRn−1上部には負の壁電圧、データ電極D〜D上部には正の壁電圧を蓄積する。p行目のプライミング電極PRとp行目の走査電極SCとはそれぞれ電気的に接続されているため主放電セルCp,1〜Cp,m内部の走査電極SCにも電圧Vpが印加されるが、電圧Vpは主放電セルCp,1〜Cp,m内部で放電を発生させるほど高くないので主放電セルCp,1〜Cp,m内部の壁電圧は変化しない。
つぎに、プライミング電極PR〜PRn−1に、データ電極D〜Dに対して放電開始電圧以下となる電圧Vpから放電開始電圧を超える電圧Vpに向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると、プライミング電極PR〜PRn−1とデータ電極D〜Dとの間で微弱な初期化放電がおこる。そして、プライミング電極PR〜PRn−1上部の負の壁電圧およびデータ電極D〜D上部の正の壁電圧は書込み期間におけるプライミング動作に適した値に調整される。なお、この場合もプライミング電極PRに接続された走査電極SCにプライミング電極PRと同一の電圧が印加されるが、この電圧は主放電セルCp,1〜Cp,m内部で放電を発生させるほど高くないので主放電セルCp,1〜Cp,m内部の壁電圧は変化しない。
このように、プライミング電極と走査電極とは電気的に接続されているにもかかわらず、Pセル初期化期間において、主放電セル内の壁電圧を変化させずにプライミングセルのみ初期化動作を行うことができる。これは、プライミングセルのデータ電極側を陰極とする放電開始電圧とプライミング電極側を陰極とする放電開始電圧との和を、主放電セルの走査電極−維持電極間の走査電極側を陰極とする放電開始電圧と維持電極側を陰極とする放電開始電圧との和よりも小さく、かつ、主放電セルのデータ電極−走査電極間の走査電極側を陰極とする放電開始電圧とデータ電極側を陰極とする放電開始電圧との和よりも小さく設定することにより可能となっている。
書込み期間では、走査電極SC〜SCを一旦電圧Vcに保持する。そして、1行目の走査電極SCに負の走査パルス電圧Vaを印加する。このとき同時に、1行目のプライミング電極PRにも負の走査パルス電圧Vaが印加される。すると、プライミング電極PRとデータ電極D〜Dとの間でプライミング放電が発生する。そして、1行目の主放電セルC1,1〜C1,mおよび2行目の主放電セルC2,1〜C2,m内部にプライミングを供給する。この放電によってプライミング電極PR上部には正の壁電圧が蓄積される。
そしてこのとき、データ電極D〜Dのうち1行目に表示すべき画像信号に対応するデータ電極D(kは1〜mの整数をあらわす)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。すると、書込みパルス電圧Vdを印加したデータ電極Dと走査電極SCとの交差部で放電が発生し、対応する主放電セルC1,kの維持電極SUと走査電極SCとの間の放電に進展する。そして、主放電セルC1,kの走査電極SC上部に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU上部に負の壁電圧が蓄積され、1行目の書込み動作が終了する。ここで、プライミング電極PRとデータ電極D〜Dとの間で発生したプライミング放電からプライミングが供給されつつ主放電セルC1,kの書込み放電を発生させるので、放電遅れが小さく安定した放電となる。
つぎに、2行目の走査電極SCに走査パルス電圧Vaを印加する。そしてこのとき、データ電極D〜Dのうち2行目に表示すべき画像信号に対応するデータ電極Dに正の書込みパルス電圧Vdを印加する。すると、データ電極Dと走査電極SCとの交差部で放電が発生し、対応する主放電セルC2,kの維持電極SUと走査電極SCとの間の放電に進展する。そして、主放電セルC2,kの走査電極SC上部に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU上部に負の壁電圧が蓄積され、2行目の書込み動作が終了する。ここで、主放電セルC2,kの書込み放電も、プライミング電極PRとデータ電極D〜Dとの間で発生したプライミング放電からプライミングが供給された後に発生するので放電遅れが小さく安定した放電となる。
つぎに、3行目の走査電極SCに走査パルス電圧Vaを印加する。すると走査電極SCに接続されたプライミング電極PRとデータ電極D〜Dとの間でプライミング放電が発生する。そして、3行目の主放電セルC3,1〜C3,mおよび4行目の主放電セルC4,1〜C4,m内部にプライミングを供給する。そしてこのとき、データ電極D〜Dのうち3行目に表示すべき画像信号に対応するデータ電極Dに正の書込みパルス電圧Vdを印加して3行目の書込み動作を行う。このときの書込み放電も、プライミング電極PRとデータ電極D〜Dとの間で発生したプライミング放電からプライミングが供給されつつ発生するので放電遅れが小さく安定した放電となる。
以下同様の書込み動作をn行目の主放電セルCn,kに至るまで行い、書込み動作を終了する。そして、それぞれの主放電セルCi,jの書込み放電は、隣接するプライミングセルからプライミングが供給されて発生するので、放電遅れの小さい安定した放電となる。
維持期間においては、走査電極SC〜SC、プライミング電極PR〜PRn−1および維持電極SU〜SUを0(V)に一旦戻す。その後、走査電極SC〜SCに正の維持パルス電圧Vsを印加する。このとき、書込み放電をおこした主放電セルCi,jにおける走査電極SC上部と維持電極SU上部との間の電圧は、維持パルス電圧Vsに加えて、書込み期間において走査電極SC上部および維持電極SU上部に蓄積された壁電圧が加算されるので放電開始電圧を超え維持放電が発生する。以降同様に、走査電極SC〜SCと維持電極SU〜SUとに維持パルス電圧を交互に印加することにより、書込み放電をおこした主放電セルCi,jに対して維持パルスの回数だけ維持放電が継続して行われる。
なお、プライミング電極PR〜PRn−1はいずれかの走査電極と接続されているので、走査電極SC〜SCと同じ維持パルス電圧が印加される。書込み期間においてプライミング電極PR〜PRn−1上部には正の壁電圧が蓄積しているので、最初の維持パルス電圧印加時にはプライミングセル内部で放電が発生するが、それ以降は放電は発生しない。
つづくサブフィールドの主放電セル初期化期間では、維持電極SU〜SUを正電圧Veに保ち、走査電極SC〜SCには電圧Viに向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると、維持放電を行った主放電セルCi,kの走査電極SC〜SCと維持電極SU〜SUおよびデータ電極D〜Dとの間でそれぞれ微弱な初期化放電がおこる。そして、走査電極SC〜SC上部および維持電極SU〜SU上部の壁電圧が弱められ、データ電極D〜D上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。
この後のPセル初期化期間、書込み期間、維持期間、およびつづくサブフィールドの駆動波形とパネルの動作は上述と同様である。
上述のように、プライミング電極PR〜PRn−1には走査電極SC〜SCと同じ駆動波形電圧を印加すればよいので、プライミング電極専用の駆動回路を必要とせず、プライミング電極の端子を引出す必要もなく、回路および実装が容易である。また、書込み期間および維持期間の最初の維持パルス電圧印加時にプライミングセル内部で画像表示に関係しない放電が発生するが、プライミングセルには光吸収層28が設けてあるので、このときに発生する発光がパネル10外部に漏れることはない。そして、書込み期間において、それぞれの主放電セルCi,jの書込み放電は、隣接するプライミングセルからプライミングが供給されて発生するので、放電遅れの小さい安定した放電となる。
なお、本実施の形態においては、プライミン放電セルをできるだけ小さく設計するために、前面基板21上に、維持電極23−走査電極22−プライミング電極29−走査電極22−維持電極23−維持電極23−走査電極22−プライミング電極29−走査電極22−維持電極23−・・・となるように各電極を配列した。しかし、電極の配列はこれに限られるものではなく、維持電極23−走査電極22−プライミング電極29−維持電極23−走査電極22−プライミング電極29−維持電極23−走査電極22−プライミング電極29−・・・となるように各電極を配列してもよい。この場合には各隙間部41がプライミングセルとして働く。
また、本実施の形態においては、プライミング電極PRは隣接する主放電セルCp,1〜Cp,m、Cp+1,1〜Cp+1,mのうち、書込み期間において先に走査パルスを印加する走査電極SCと電気的に接続した。しかしプライミング電極PRはそれよりも前に走査パルスを印加する走査電極のいずれかと電気的に接続すればよく、例えばプライミング電極PRと走査電極SCp−1とを接続してもよい。
さらに、上述の動作説明においては、最初のサブフィールドの初期化期間は全ての主放電セルで初期化放電を行う全セル初期化動作を行い、つぎのサブフィールド以降の初期化期間は維持放電を行った主放電セルを選択的に初期化する選択初期化動作を行うものとして説明したが、これらの初期化動作は任意に組み合わせてもよい。
本発明は、書込み動作の駆動電圧マージンを狭めることなく、かつプライミング電極専用の駆動回路を設けることなく、書込み放電を安定して発生させることができるので、壁掛けテレビや大型モニター等に用いられるパネルおよびその駆動方法として有用である。
本発明の実施の形態におけるパネルの構造を示す分解斜視図 同パネルの断面図 同パネルの電極配列図 同パネルを用いたプラズマディスプレイ装置の回路構成の一例を示すブロック図 同パネルの駆動波形図
符号の説明
10 パネル
22 走査電極
23 維持電極
29 プライミング電極
32 データ電極
39 MgO粉末層
40 主放電セル
41 隙間部
41a プライミングセル

Claims (5)

  1. 第1の基板上に平行に配置され、表示電極対を構成する走査電極および維持電極と、
    前記第1の基板上に、前記表示電極対のうち隣り合う表示電極対の間に前記表示電極対と平行に配置されたプライミング電極と、
    放電空間を挟んで前記第1の基板に対向配置された第2の基板上に、前記表示電極対と交差する方向に配置されたデータ電極と、
    前記表示電極対と前記データ電極とが対向する位置に主放電セルを区画するとともに、前記プライミング電極と前記データ電極とが対向する位置にプライミングセルを区画する隔壁とを備え、
    前記プライミング電極のそれぞれは前記走査電極のいずれかと電気的に接続されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記プライミングセルは、前記プライミングセルのデータ電極側を陰極とする放電開始電圧とプライミング電極側を陰極とする放電開始電圧との和が、前記主放電セルの走査電極−維持電極間の走査電極側を陰極とする放電開始電圧と維持電極側を陰極とする放電開始電圧との和よりも小さく、かつ前記主放電セルのデータ電極−走査電極間の走査電極側を陰極とする放電開始電圧とデータ電極側を陰極とする放電開始電圧との和よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記プライミング電極は、書込み期間において、隣接する主放電セルの走査電極のうち先に走査パルスを印加する走査電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記プライミング電極は、書込み期間において、隣接する主放電セルの走査電極よりも先に走査パルスを印加する走査電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    1フィールドを初期化期間、書込み期間、維持期間を有する複数のサブフィールドで構成し、
    前記初期化期間は主放電セルの初期化動作を行う主放電セル初期化期間と、プライミングセルの初期化動作を行うプライミングセル初期化期間とを有し、
    前記プライミングセル初期化期間には、主放電セルで放電を発生させず、プライミングセルで初期化動作を行うための放電を発生させる電圧をプライミング電極に印加することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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