JP2008095928A - 締結部材 - Google Patents

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Kazuyasu Oki
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Abstract

【課題】比較的短時間でネジ部材を引き抜き不可能に係合させることができる締結部材を提供する。
【解決手段】締結部材(100)には、ネジ部材を通すことができる貫通孔(110)が形成されており、締結部材は弾性力を有する材料からつくられている。貫通孔を形成する締結部材の周壁(101)には第一ネジ溝係合片(120)が形成されている。第一ネジ溝係合片は、周壁に形成された開口部(102)の上縁から貫通孔の内部に斜め下方に延びる第一部分(121)と、第一部分の先端から開口部の外側に向かって斜め下方に延びる第二部分(122)と、からなる。第一ネジ溝係合片は、ネジ部材を貫通孔に通したときに、ネジ部材のネジ山に係合し、ネジ部材が貫通孔から抜け出ることを阻止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ネジ部材を引き抜き不可能に係合させる締結部材及びそれを用いた連結構造に関する。
従来、ネジ部材(またはボルト)をナットに螺合させる際には、ネジ部材の先端をナットに切られたネジ溝の位置に合わせ、次いで、ネジ部材をネジ溝に沿って回転させることにより、徐々にネジ部材をナットの内部に螺合させていた。
このため、ネジ部材の全体をナットの内部に螺合させるためには長時間と多大な労力とを要していた。
なお、以下に述べる本発明に対して適当な先行技術が存在しないため、関連する特許文献は提示しない。
ネジ部材とナットは多くの製品において連結用部品として使用されている。例えば、家具や電気部品の構成部品である第一の部材と第二の部材とをネジ部材及びナットを介して相互に連結させるためには長時間と大きな労力とを必要としていたため、必然的に、家具や電気部品そのものの組み立てにも長時間及び大きな労力を必要とした。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、比較的短時間でネジ部材を引き抜き不可能に係合させることができる締結部材及びそのような締結部材を用いた連結構造を提供することを目的とする。
以下に、「発明の実施の形態」において使用される参照符号を用いて、上述の課題を解決するための手段を説明する。これらの参照符号は、「特許請求の範囲」の記載と「発明の実施の形態」の記載との間の対応関係を明らかにするためにのみ付加されたものであり、「特許請求の範囲」に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いるべきものではない。
本発明は、ネジ部材(1200)と締結可能な締結部材(100、300、400、500)であって、前記締結部材(100、300、400、500)には、前記ネジ部材(1200)を通すことができる貫通孔(110)が形成されており、前記締結部材(100、300、400、500)は弾性力を有する材料からつくられており、前記貫通孔(110)を形成する前記締結部材(100、300、400、500)の周壁(101)には少なくとも一つの第一ネジ溝係合片(120)が形成されており、前記第一ネジ溝係合片(120)は、前記周壁(101)に形成された開口部(102)の上縁(102a)から前記貫通孔(110)の内部に斜め下方に延びる第一部分(121)と、前記第一部分(121)の先端から前記開口部(110)の外側に向かって斜め下方に延びる第二部分(122)と、からなり、前記第一ネジ溝係合片(120)は、前記ネジ部材(1200)を前記貫通孔(110)に通したときに、前記ネジ部材(1200)のネジ山に係合し、前記ネジ部材(1200)が前記貫通孔(110)から抜け出ることを阻止するものである締結部材(100、300、400、500)を提供する。
さらに、本発明は、ネジ部材(1200)と締結可能な締結部材(200、600、700、800)であって、前記締結部材(200、600、700、800)には、前記ネジ部材(1200)を通すことができる貫通孔(110)が形成されており、前記締結部材(200、600、700、800)は弾性力を有する材料からつくられており、前記貫通孔(110)を形成する前記締結部材(100)の周壁(101)には少なくとも一つの第一ネジ溝係合片(120)が形成されており、前記第一ネジ溝係合片(120)は、前記周壁(101)に形成された開口部(102)の下縁(102b)から前記貫通孔(110)の内部に斜め上方に延びる第三部分(123)と、前記第三部分(123)の先端から前記開口部(110)の外側に向かって斜め上方に延びる第四部分(124)と、からなり、前記第一ネジ溝係合片(120)は、前記ネジ部材(1200)を前記貫通孔(110)に通したときに、前記ネジ部材(1200)のネジ山に係合し、前記ネジ部材(1200)が前記貫通孔(110)から抜け出ることを阻止するものである締結部材(200、600、700、800)を提供する。
前記第一ネジ溝係合片(120)は前記貫通孔(110)の軸線に対して傾斜して形成することができる。
前記第一ネジ溝係合片(120)は前記締結部材(100−800)に対して一体成形されていることが好ましい。
前記第二部分(122)及び前記第四部分(124)は、前記第一ネジ溝係合片(120)が前記ネジ部材(1200)の前記ネジ山に係合したときに、前記開口部(102)を介して前記締結部材(100)の外部に出る長さを有していることが好ましい。
前記締結部材(100−800)は、前記周壁(101)の一部において長手方向に延びる開口領域(401)を有しており、C字型の横断面を有していることが好ましい。
前記締結部材(100−800)の端部は、前記貫通孔(110)の内部に斜め下方に延びる第一端部部分(501)と、前記第一端部部分(501)の先端から前記開口部(110)の外側に向かって斜め下方に延びる第二端部部分(502)と、からなることが好ましい。
本発明に係る締結部材(100−800)は、例えば、前記貫通孔(110)の長さ方向に一列に形成された複数の前記第一ネジ溝係合片(120)からなる第一組の第一ネジ溝係合片(120)と、前記貫通孔(110)の長さ方向に一列に形成された複数の前記第一ネジ溝係合片(120)からなり、前記第一組の第一ネジ溝係合片(120)と対向して配置されている第二組の第一ネジ溝係合片(120)と、を備えることができ、この場合、前記第一組の第一ネジ溝係合片(120)における各第一ネジ溝係合片(120)と前記第二組の第一ネジ溝係合片(120)における各第一ネジ溝係合片(120)とは前記貫通孔(110)の長さ方向において互い違いに配置されていることが好ましい。
前記周壁(101)には少なくとも一つの第二ネジ溝係合片(620)が形成されていることが好ましい。前記第二ネジ溝係合片(620)は前記貫通孔(110)の内部に対して斜め下方に突出して形成されており、前記第二ネジ溝係合片(620)は、前記ネジ部材(1200)を前記貫通孔(110)に通したときに、前記ネジ部材(1200)のネジ山に係合し、前記ネジ部材(1200)が前記貫通孔(110)から抜け出ることを阻止する。
前記第二ネジ溝係合片(620)は前記貫通孔(110)の軸線(111)に対して傾斜して形成することができる。
前記第一ネジ溝係合片(120)は前記締結部材(100−800)に対して一体成形されていることが好ましい。
本発明に係る締結部材(100−800)は、例えば、前記貫通孔(110)の長さ方向に一列に形成された複数の前記第一ネジ溝係合片(120)からなる第一組の第一ネジ溝係合片(120)と、前記貫通孔(110)の長さ方向に一列に形成された複数の前記第二ネジ溝係合片(620)からなる二つの第二組の第二ネジ溝係合片と、を備えることができ、この場合、前記二つの第二組の第二ネジ溝係合片(620)は前記第一組の第一ネジ溝係合片(120)を中心として対称に配置されていることが好ましい。
前記締結部材(100)の前記周壁(101)には切欠き領域(810)が形成されており、前記切欠き領域(810)は、前記締結部材(100)の一端から前記締結部材(100)の全長を超えない任意の長さにわたって、前記貫通孔(110)の中心軸を中心とする任意の円周角の範囲に形成されていることが好ましい。
本発明に係る締結部材(100−800)は、例えば、樹脂でつくられる。
本発明は、さらに、上記の締結部材(100−800)とネジ部材(1200)とを介して第一の部材(310)と第二の部材(320)とを相互に連結させる連結構造であって、前記第一の部材(310)に形成された孔(311)に前記締結部材(100−800)を挿入し、前記第二の部材(320)に形成された貫通孔(322)に通した前記ネジ部材(1200)を前記締結部材(100)に挿入するものである連結構造を提供する。
従来のナットにネジ部材を螺合させるためには、ナットの全長にわたって、ネジ部材を回転させ、必要な長さだけ、ネジ部材の外側表面に形成されている雄ネジをナットの内壁に形成されている雌ネジに螺合させることが必要であった。このため、ネジ部材をナットに螺合させるためには、長時間を必要とし、さらに、多くの労力を必要とし、作業効率の低下を招来していた。
これに対して、本発明に係る締結部材によれば、ネジ部材を単に締結部材の貫通孔の中に押し込み、多少の長さだけネジ部材を締結部材に対して回転させることにより、ネジ部材は締結部材に対して固定される。すなわち、従来のボルト及びナットのように、ネジ部材を回転させてナットに螺合させる作業はもはや不要となる。
このため、本発明に係る締結部材によれば、ネジ部材を締結部材に固定させる時間は従来のボルト及びナットと比較して大幅に短縮される。
さらに、ネジ部材を締結部材に固定させるための労力も従来のボルトをナットに螺合させる労力よりも大幅に低減させることができ、組み立て作業の作業効率を大幅に上昇させることが可能である。
なお、発明者が実測したところ、ネジ部材と本発明に係る締結部材との間の結合力は従来のボルトとナットとの間の結合力と比較しても僅かに低いだけであり、実際の使用には全く支障をきたさないことが判明している。
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態に係る締結部材100の平面図、図2は本発明の第一の実施形態に係る締結部材100の側面図、図3は図1のA−A線における断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る締結部材100は円筒形状をなしており、内部には、締結部材100の長さ方向に延びる円形の貫通孔110が形成されている。
後述するように、貫通孔110にはネジ部材1200(図5参照)が通される。
貫通孔110を形成している締結部材100の周壁101には複数の矩形状の開口部102が形成されており、各開口部102に対応して第一ネジ溝係合片120が形成されている。
周壁101は、例えば、0.3mmまたは0.5mmの厚みを有している。
図4は本実施形態に係る締結部材100における第一ネジ溝係合片120を示す部分的な縦断面図である。
図4に示すように、第一ネジ溝係合片120は、周壁101に形成された開口部102の上縁102aから貫通孔110の内部に斜め下方に延びる第一部分121と、第一部分121の先端から開口部102の外側(ひいては、締結部材100の外側)に向かって斜め下方に延びる第二部分122と、から構成されている。
第二部分122は、後述するように、図4の矢印Aの方向に回動した場合であっても、開口部102の下縁102bには干渉しないように形成されている。
第一ネジ溝係合片120は弾性力を有する材料としての樹脂でつくられている。
図1乃至図3に示すように、本実施形態に係る締結部材100には、複数の第一ネジ溝係合片120からなる第一組の第一ネジ溝係合片120A(図1参照)と、複数の第一ネジ溝係合片120からなる第二組の第一ネジ溝係合片120B(図1参照)とが形成されている。
図2及び図3に示すように、第一組の第一ネジ溝係合片120Aは、貫通孔110の長さ方向に一列に配置されており、第二組の第一ネジ溝係合片120Bは第一組の第一ネジ溝係合片120Aと対向して、貫通孔110の長さ方向に一列に配置されている。
さらに、図3に示すように、第一組の第一ネジ溝係合片120Aにおける各第一ネジ溝係合片120と第二組の第一ネジ溝係合片120Bにおける各第一ネジ溝係合片120とは貫通孔110の長さ方向において互い違いに配置されている。
図5は本実施形態に係る締結部材100にネジ部材1200を単に挿入した状態(ネジ部材1200を締め付ける前の状態)を示す締結部材100及びネジ部材1200の断面図であり、図6はネジ部材1200を締結部材100に対して締め付けた後の状態を示す締結部材100及びネジ部材1200の断面図である。
以下、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る締結部材100の使用方法及び機能を説明する。
本実施形態に係る締結部材100は、例えば、システム家具を構成する第一の部材3100と第二の部材320とを相互に連結する際に使用される。
図5に示すように、第一の部材310にはその長手方向に所定の深さの穴311が形成されており、第二の部材320にはその厚さ方向に貫通する貫通孔321と、ネジ部材1200のヘッド201が着座し得るように貫通孔321よりも大径の貫通孔322とが形成されている。
穴311の内径と貫通孔321の内径は相互に等しく、さらに、穴311の内径は締結部材100の外径に等しい。
先ず、締結部材100を貫通孔322、321を介して穴311の内部に挿入する。この際、締結部材100の上端と第一の部材310の上端とが相互に整列するように、締結部材100を挿入する。
次いで、図5に示すように、穴311と貫通孔321とを整列させた状態において、ネジ部材1200を第二の部材320の貫通孔322、321から締結部材100の内部に挿入する。ネジ部材1200は、ネジ部材1200のヘッド201と貫通孔322の着座面322aとの間にある程度の距離が生じる程度に、締結部材100の内部に挿入する。
締結部材100ひいては第一ネジ溝係合片120の第一部分121及び第二部分122は弾性材料からつくられているため、第一ネジ溝係合片120に上方からの力が作用すると、第一ネジ溝係合片120は第一部分121の基端(すなわち、開口部102の上縁102a)を中心として、第二部分122が締結部材100の外側に向かう方向、すなわち、図4の矢印Aの方向に回動する。
この際、第二部分122は開口部102の下縁102bには干渉しない。
このように、ネジ部材1200を締結部材100の内部に挿入する際には、第一ネジ溝係合片120はネジ部材1200に対する抵抗とはならないため、ネジ部材1200を回転させることなく、単にネジ部材1200を押し込むことにより、ネジ部材1200を締結部材100の内部に挿入させることが可能である。
ネジ部材1200をある程度の長さだけ締結部材100の内部に挿入させた後においては、ネジ部材1200を回転させ、ネジ部材1200のヘッド201が貫通孔322の着座面322a上に着座するまで、締結部材100の中に挿入させる。
ネジ部材1200を回転させながら締結部材100の内部に挿入すると、ネジ山の上に乗っていた第一ネジ溝係合片120の第二部分122は、ネジ山の上に乗った状態のまま、ネジ部材1200の回転に伴い、上方に押し上げられることになる。
このため、図6に示すように、各第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とは、ネジ部材1200のネジ山の上において、上下方向に押しつぶされたような状態になる。
この場合、図6に示すように、第二部分122は開口部102を介して締結部材100の外部に出るような長さを有している。
第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とは弾性材料でつくられているため、第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とがこのように上下方向に押しつぶされたような状態になると、その状態に反発し、ネジ部材1200のネジ山に対して、下方に向く力を作用させることとなる。
ネジ部材1200を締結部材100の中から引き抜くためには、ネジ部材1200に対して、上向きの力を作用させることが必要である。すなわち、第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とがネジ部材1200のネジ山に対して作用させる下向きの力はネジ部材1200が締結部材100から抜け出ることを阻止する力として機能する。
特に、第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とが上記のように上下方向に押しつぶされたとき、第二部分122は開口部102を介して締結部材100の外部に出るような長さを有しているため、第二部分122が周壁101(具体的には、開口部102の上縁102a)に干渉することにより、ネジ部材1200が締結部材100から抜け出ることが阻止される。
同時に、第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とはネジ部材1200が回転することをも阻止する。
これにより、ネジ部材1200及び締結部材100を介して第一の部材310と第二の部材320とを相互に連結させることができる。
以上のように、本実施形態に係る締結部材100によれば、ネジ部材1200を単に押し込むことにより締結部材100の内部に挿入した後、多少の長さだけネジ部材1200を締結部材100に対して締め込むことにより、第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とがネジ部材1200のネジ山に係合し、ネジ部材1200のネジ山に対して下向きの力を作用させるため、ネジ部材1200が締結部材100から抜け出ることを防止することができる。
このため、本実施形態に係る締結部材100によれば、ネジ部材1200を締結部材100に固定させる時間は従来のボルト及びナットと比較して大幅に短縮される。
さらに、ネジ部材1200を締結部材100に固定させるための労力も従来のボルトをナットに螺合させる労力よりも大きく低減させることができ、組み立て作業の作業効率を大幅に上昇させることが可能である。
なお、本実施形態に係る締結部材100は上記の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
本実施形態に係る締結部材100は円筒形状をなしているが、本実施形態に係る締結部材100の形状は円筒形状には限定されない。本実施形態に係る締結部材100は、円形の貫通孔110を有している限りにおいては、外形形状は円には限定されず、任意の形状を有し得る。例えば、円形の貫通孔110を形成することができるものであれば、外形は、三角形、楕円形、台形、四角形その他の矩形形状などの任意の外形形状を有し得る。
また、本実施形態に係る締結部材100は樹脂でつくられているが、本実施形態に係る締結部材100を形成する材料は樹脂には限定されない。弾力性を有する材料であれば、任意の材料を選択することができる。
また、第一ネジ溝係合片120の数も本実施形態における第一ネジ溝係合片120の数(8個)には限定されない。本実施形態に係る締結部材100は1個または2個以上の任意の数の第一ネジ溝係合片120を有することが可能である。
例えば、本実施形態に係る締結部材100は、列状に配置された二組の第一ネジ溝係合片120A、102Bを有するものとして構成されているが、第一組の第一ネジ溝係合片120Aのみを有するものとして構成することも可能であり、あるいは、等間隔に配置された三組以上の第一ネジ溝係合片を有するものとして構成することも可能である。
また、第一ネジ溝係合片120の配置は列状の配置に限定されるものではなく、マトリクス状の配置その他の任意の配置の仕方を選択することができる。
例えば、各第一ネジ溝係合片120の間の距離をネジ部材1200のネジ山のピッチの整数倍に等しく設定することにより、効果的に各第一ネジ溝係合片120をネジ部材1200のネジ山に係合させることができる。
また、本実施形態に係る締結部材100においては、第一組の第一ネジ溝係合片120Aにおける各第一ネジ溝係合片120と第二組の第一ネジ溝係合片120Bにおける各第一ネジ溝係合片120とは貫通孔110の長さ方向において互い違いに配置されているが、例えば、相互に対向するように配置することも可能である。
また、開口部102の形状は矩形状に限定されるものではなく、第一ネジ溝係合片120の第二部分122の動きを妨げない形状である限りにおいて、開口部102の形状は任意の形状とすることができる。
なお、本実施形態に係る締結部材100においては、第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とが上下方向に押しつぶされたとき、第二部分122は開口部102を介して締結部材100の外部に出るような長さを有しているものとして設定されているが、第二部分122がそのような長さを有することは必ずしも必要ではない。第二部分122の長さは、第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とが上下方向に押しつぶされたとき、第二部分122が開口部102を介して締結部材100の外部には出ないような長さであっても、締結部材100によるネジ部材1200の引き抜き防止の機能には支障がない。
本実施形態に係る締結部材100においては、第一ネジ溝係合片120は弾性材料としての樹脂でつくられているが、樹脂以外の弾性材料を用いることも可能である。さらに、第一ネジ溝係合片120のみならず、締結部材100の全体を樹脂その他の弾性材料でつくることが好ましい。例えば、締結部材100を樹脂で形成する場合には、締結部材100を一体成形することが好ましい。
(第二の実施形態)
図7は本発明の第二の実施形態に係る締結部材200の平面図、図8は本発明の第二の実施形態に係る締結部材200の側面図、図9は図7のB−B線における断面図である。
本実施形態に係る締結部材200は、第一の実施形態に係る締結部材100と比較して、第一ネジ溝係合片120の形状が異なっている。第一ネジ溝係合片120の形状が異なっている点を除いて、本実施形態に係る締結部材200は第一の実施形態に係る締結部材100と同一の構造を有している。
図10は本実施形態に係る締結部材200における第一ネジ溝係合片120を示す部分的な縦断面図である。
図10に示すように、本実施形態に係る締結部材200における第一ネジ溝係合片120は、周壁101に形成された開口部102の下縁102bから貫通孔110の内部に斜め上方に延びる第三部分123と、第三部分123の先端から開口部102の外側(ひいては、締結部材100の外側)に向かって斜め上方に延びる第二部分124と、から構成されている。
第四部分124は、第一の実施形態における第二部分122と同様に、図10の矢印Bの方向に回動した場合であっても、開口部102の上縁102aには干渉しないように形成されている。
本実施形態に係る締結部材200によっても、第一の実施形態に係る締結部材100と同様の効果を得ることができる。
(第三の実施形態)
図11は本発明の第三の実施形態に係る締結部材300の平面図、図12は本発明の第三の実施形態に係る締結部材300の側面図、図13は図11のC−C線における断面図である。
本実施形態に係る締結部材300においては、第一ネジ溝係合片320は貫通孔110の軸線に対して傾斜して形成されている。すなわち、第一ネジ溝係合片320を左右対称に分割する中心線321は貫通孔110の軸線111に対して、第一ネジ溝係合片320を含む平面内において、一定の傾斜角度をもって傾斜している。
中心線321と軸線111との間の傾斜角度は、例えば、10度乃至20度の範囲内、より好ましくは、10度乃至15度の範囲内において、決定される。
特に、中心線321と軸線111との間の傾斜角度は、ネジ部材1200のネジ山がネジ部材1200の軸線に対してなしている角度に応じて決定することが好ましい。
本実施形態に係る締結部材300によれば、第一ネジ溝係合片320が貫通孔110の軸線111に対して傾斜して形成されているため、傾斜しているネジ部材1200のネジ山に対して、より確実に係合することが可能になる。
(第四の実施形態)
図14は、第一の実施形態における図1と同様の、本発明の第四の実施形態に係る締結部材400の平面図である。
本実施形態に係る締結部材400には、周壁101の一部において長手方向に延びる開口領域401が形成されている。すなわち、本実施形態に係る締結部材400はC字型の横断面を有している。
本実施形態に係る締結部材400は、第一の実施形態に係る締結部材100と比較して、C字型の横断面を有している点が異なっている。C字型の横断面を有している点を除いて、本実施形態に係る締結部材400は第一の実施形態に係る締結部材100と同一の構造を有している。このため、第一の実施形態における図2及び図3に相当する側面図及び断面図は省略する。
本実施形態に係る締結部材400には開口領域401が形成されているため、締結部材400の円周方向には弾性力が作用する。すなわち、開口領域401が狭まる方向に締結部材400が押圧されると、締結部材400には、開口領域401を広げる方向に作用する弾性力が作用する。このため、締結部材400を穴311(図5参照)に挿入したときに、締結部材400を穴311に対して密着させることが可能である。
図15は、本発明の第四の実施形態に係る締結部材400に対する変形例を示す平面図である。
図15に示すように、本変形例に係る締結部材410においては、周壁110の両端(この両端の間に開口領域401が形成されている)から締結部材410の外側に向かって延びる突出部402が形成されている。
このような突出部402を設けることにより、締結部材410を穴311(図5参照)に挿入したときに、締結部材410が突出部402を介して穴311に対して係止されることになる。このため、ネジ部材1200を締結部材に対して締め付ける(回転させる)ときに(図6に示した状態)、締結部材410が空回りすることを防止することができる。
(第五の実施形態)
図16は本発明の第五の実施形態に係る締結部材500の平面図、図17は図16のD−D線における断面図である。
本実施形態に係る締結部材500の端部(図17における下端)は、貫通孔110の内部に向かって斜め下方に延びる第一端部部分501と、第一端部部分501の先端から開口部110の外側に向かって斜め下方に延びる第二端部部分502と、から構成されている。
ネジ部材1200が本実施形態に係る締結部材500の貫通孔110に挿入されると、第一端部部分501と第二端部部分502とからなる締結部材500の端部も外側に広がるが、締結部材500は弾性力を有する材料からつくられているため、締結部材500の端部が外側に広げられると、締結部材500の端部には、貫通孔110の内側に向かう反力が発生する。
この反力によりネジ部材1200の先端が締結部材500に締め付けられることになるため、ネジ部材1200が締結部材500から抜け出ることをより確実に防止することができる。
(第六の実施形態)
図18(A)は本発明の第六の実施形態に係る締結部材600の平面図、図18(B)は本発明の第六の実施形態に係る締結部材600の正面図、図18(C)は本発明の第六の実施形態に係る締結部材600の底面図、図18(D)は本発明の第六の実施形態に係る締結部材600の側面図である。
本実施形態に係る締結部材600は、第二の実施形態に係る締結部材200と同様に、第三部分123及び第四部分124からなる第一ネジ溝係合片120を複数個有している。図19(A)は本実施形態における第一ネジ溝係合片120の正面図、図19(B)は本実施形態における第一ネジ溝係合片120の断面図である。
本実施形態に係る締結部材600は、図7乃至図9に示した第二の実施形態に係る締結部材200と比較して、次の三点において異なっている。
第一に、本実施形態に係る締結部材600には、第四の実施形態に係る締結部材400と同様に、周壁101の一部において長手方向に延びる開口領域401が形成されている。すなわち、本実施形態に係る締結部材600は、第四の実施形態に係る締結部材400と同様に、C字型の横断面を有している。
第二に、本実施形態に係る締結部材600の一端(ネジ部材1200を挿入する側の端部)には、円周方向に沿って拡大径部610が形成されており、この拡大径部610によって、締結部材600を穴311(図5参照)に挿入したときに、穴311に対する密着性を向上させることができる。
第三に、本実施形態に係る締結部材600においては、周壁101に複数個の第二ネジ溝係合片620が形成されている。
図20(A)は第二ネジ溝係合片620の正面図、図20(B)は第二ネジ溝係合片620の断面図である。
図20(B)に示すように、本実施形態に係る締結部材600の周壁101には長方形状の開口部602が形成されており、第二ネジ溝係合片620は開口部602の上縁から貫通孔110の内部に対して斜め下方に突出して形成されている。
本実施形態に係る締結部材600は、貫通孔110の長さ方向に一列に形成された複数の第一ネジ溝係合片120からなる第一組の第一ネジ溝係合片120Aと、貫通孔110の長さ方向に一列に形成された複数の第二ネジ溝係合片620からなる第一組の第二ネジ溝係合片620Aと、貫通孔110の長さ方向に一列に形成された複数の第二ネジ溝係合片620からなる第二組の第二ネジ溝係合片620Bと、を備えており、図18(A)に示すように、第一組の第二ネジ溝係合片620A及び第二組の第二ネジ溝係合片620Bは第一組の第一ネジ溝係合片120Aを中心として左右対称に配置されている。
具体的には、第一組の第二ネジ溝係合片620A及び第二組の第二ネジ溝係合片620Bは第一組の第一ネジ溝係合片120Aを中心として左右に60度の円周角の位置に配置されている。
本実施形態における第一ネジ溝係合片120は第二の実施形態における第一ネジ溝係合片120と同様に機能する。
第二ネジ溝係合片620は、ネジ部材1200を貫通孔110の中に通したときに、ネジ部材1200のネジ山に係合し、第一ネジ溝係合片120と同様に、ネジ部材1200が貫通孔110から抜け出ることを阻止する。
図21及び図22は、本実施形態に係る締結部材600を第一部材310(図5参照)の穴311に挿入し、ネジ部材1200を締結部材600の内部に単に挿入したときの状態(ネジ部材1200を締め付ける前の状態)における第一ネジ溝係合片120及び第二ネジ溝係合片620の断面図であり、図23及び図24はネジ部材1200を締結部材600に対して締め付けた後の状態における第一ネジ溝係合片120及び第二ネジ溝係合片620の断面図である。
第一または第二の実施形態の場合と同様に、ネジ部材1200を本実施形態に係る締結部材600の内部に挿入する際には、第一ネジ溝係合片120を形成する材料の弾性力により、第一ネジ溝係合片120が撓む。従って、第一ネジ溝係合片120はネジ部材1200に対する抵抗とはならない。
同様に、ネジ部材1200を本実施形態に係る締結部材600の内部に押し込む際には、第二ネジ溝係合片620は、第二ネジ溝係合片620を形成する材料の弾性力により、開口部602の上縁を中心として周壁101の外側に向かって回動するため、ネジ部材1200に対する抵抗とはならない。
このように、ジ部材200を本実施形態に係る締結部材600の内部に押し込む際には、第一ネジ溝係合片120及び第二ネジ溝係合片620はネジ部材1200に対する抵抗とはならないため、ネジ部材1200を回転させることなく、単にネジ部材1200を押し込むことにより、ネジ部材1200を締結部材600の内部に挿入させることが可能である。
ネジ部材1200を締結部材600の内部において回転させ、締結部材600に対して締め付けると、図23に示すように、第一ネジ溝係合片120は、第一または第二の実施形態の場合と同様に、第一ネジ溝係合片120を形成する弾性材料の弾性力により、ネジ部材1200のネジ山に係合し、ネジ部材1200が締結部材600から抜け出ることを防止する。
同様に、ネジ部材1200を締結部材600の内部において回転させ、締結部材600に対して締め付けると、図24に示すように、第二ネジ溝係合片620は、第二ネジ溝係合片620の先端がネジ部材1200のネジ山に密着して係合するに至る。このため、第二ネジ溝係合片620はネジ部材1200が締結部材600から抜け出る方向に対しての抵抗力となり、ネジ部材1200が締結部材600から抜け出ることを防止する。
以上のように、本実施形態に係る締結部材600には、第一ネジ溝係合片120に加えて、第二ネジ溝係合片620が形成されているため、第一及び第二の実施形態に係る締結部材100、200と比較して、より確実に、ネジ部材1200が締結部材600から抜け出ることを防止することができる。
このため、本実施形態に係る締結部材600によれば、上述の実施形態と同様に、ネジ部材1200を締結部材600に固定させる時間は従来のボルト及びナットと比較して大幅に短縮される。
さらに、ネジ部材1200を締結部材600に固定させるための労力も従来のボルトをナットに螺合させる労力よりも大きく低減させることができ、組み立て作業の作業効率を大幅に上昇させることが可能である。
本実施形態に係る締結部材600の構造は上記の構造に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態に係る締結部材600においては、列状に配置された一組の第一ネジ溝係合片120と列状に配置された二組の第二ネジ溝係合片620とが形成されているが、第一ネジ溝係合片120及び第二ネジ溝係合片620の数及び配置はこれには限定されない。必要に応じて、任意の数の第一ネジ溝係合片120及び第二ネジ溝係合片620を設けることができ、さらには、第一ネジ溝係合片120及び第二ネジ溝係合片620を任意のパターンに配置することが可能である。
例えば、第一ネジ溝係合片120と第二ネジ溝係合片620との間の円周角は60度以外の任意の角度を選定することも可能である。
(第七の実施形態)
図25(A)は本発明の第七の実施形態に係る締結部材700の平面図、図25(B)は本発明の第七の実施形態に係る締結部材700の正面図、図20(C)は本発明の第七の実施形態に係る締結部材700の側面図である。
本実施形態に係る締結部材700においては、第三の実施形態と同様に、第一ネジ溝係合片120及び第二ネジ溝係合片620は貫通孔110の軸線に対して傾斜して形成されている。すなわち、第一ネジ溝係合片120を左右対称に分割する中心線321及び第二ネジ溝係合片620を左右対称に分割する中心線621は貫通孔110の軸線111に対して、第一ネジ溝係合片320または第二ネジ溝係合片620を含む平面内において、一定の傾斜角度をもって傾斜している。
本実施形態に係る締結部材700は、第一ネジ溝係合片120及び第二ネジ溝係合片620は貫通孔110の軸線に対して傾斜して形成されている点の他に、拡大径部610が形成されていない点、第二ネジ溝係合片620の個数が異なる点、第一ネジ溝係合片120と第二ネジ溝係合片620との間の円周角が90度である点を除いて、基本的には、第六の実施形態に係る締結部材600と同様の構造を有している。
本実施形態に係る締結部材700によれば、第三の実施形態に係る締結部材300と同様に、第一ネジ溝係合片320及び第二ネジ溝係合片620が貫通孔110の軸線111に対して傾斜して形成されているため、傾斜しているネジ部材1200のネジ山に対して、より確実に係合することが可能になる。
なお、本実施形態のように、第一ネジ溝係合片320及び第二ネジ溝係合片620を貫通孔110の軸線111に対して傾斜させて形成する場合、第六の実施形態のように、一ネジ溝係合片320及び第二ネジ溝係合片620を貫通孔110の軸線111に対して傾斜させずに形成する場合と比較して、第一ネジ溝係合片320及び第二ネジ溝係合片620の各寸法を以下のように変えることが好ましい。
(1)第一ネジ溝係合片120の第一部分121が貫通孔110の軸線111と直交する面に対してなす角度A(図19(B)参照)は第七の実施形態の方が第六の実施形態よりも大きい。例えば、第六の実施形態における角度Aは30度であるのに対して、第七の実施形態における角度Aは60度である。
(2)第一ネジ溝係合片120の第一部分121と第二部分122とがなす角度B(図19(B)参照)は第七の実施形態の方が第六の実施形態よりも大きい。例えば、第六の実施形態における角度Bは75度であるのに対して、第七の実施形態における角度Bは100度である。
(3)第六の実施形態においては、図19(B)に示すように、第一ネジ溝係合片120の第二部分122の先端は周壁101よりも外側に突出している。突出している分の長さCは、例えば、0.2mmである。これに対して、第七の実施形態においては、長さCは0である。すなわち、第七の実施形態においては、第一ネジ溝係合片120の第二部分122の先端は周壁101と同一線上にある。
(4)第一ネジ溝係合片120の第一部分121の周壁101からの高さDは第七の実施形態の方が第六の実施形態よりも大きい。例えば、第六の実施形態における高さDは0.5mmであるのに対して、第七の実施形態における高さDは0.9mmである。
(5)第二ネジ溝係合片620が周壁101となす角度E(図20(B)参照)は第七の実施形態の方が第六の実施形態よりも小さい。例えば、第六の実施形態における角度Eは45度であるのに対して、第七の実施形態における角度Eは20度である。
(6)第二ネジ溝係合片620の長さFは第七の実施形態の方が第六の実施形態よりも大きい。例えば、第六の実施形態における長さFは0.75mmであるのに対して、第七の実施形態における長さFは1.75mmである。
(第八の実施形態)
図26(A)は本発明の第八の実施形態に係る締結部材800の平面図、図26(B)は本発明の第八の実施形態に係る締結部材800の正面図、図26(C)は本発明の第八の実施形態に係る締結部材800の底面図、図26(D)は本発明の第八の実施形態に係る締結部材800の側面図である。
本実施形態に係る締結部材800においては、図26(B)に示すように、周壁101に切欠き領域810が形成されている。
本実施形態に係る締結部材800は、切欠き領域810が形成されている点を除いて、第六の実施形態に係る締結部材600と同様の構造を有している。
切欠き領域810は、締結部材800の一端(ネジ部材1200が挿入される側の端部)から始まり、締結部材900の全長を超えない任意の長さにわたって、貫通孔110の中心軸を中心とする任意の円周角の範囲に形成されている。
本実施形態に係る締結部材800においては、この円周角は180度に設定されている。
切欠き領域810は第一ネジ溝係合片120及び第二ネジ溝係合片620とは干渉しない領域に形成される。
すなわち、本実施形態に係る締結部材800は、円筒形状をなしている第一部分820と、断面が半円をなしている円弧形状の第二部分830とが結合した形状として形成されている。
本実施形態に係る締結部材800によれば、例えば、第六の実施形態に係る締結部材600と比較して、周壁101の面積が小さいため、締結部材800を穴311(図5参照)に挿入する際の抵抗を、締結部材600を穴311に挿入する際の抵抗よりも小さくすることが可能である。すなわち、本実施形態に係る締結部材800は第六の実施形態に係る締結部材600よりも容易に穴311に挿入させることができる。
なお、切欠き領域810が形成される円周角は180度に限定されるものではなく、使用状況に応じて、任意の円周角を選定することが可能である。
上述の第一乃至第八の実施形態はそれぞれ相互に独立したものではなく、構造的に可能である限りにおいて、二または三以上の実施形態を相互に組み合わせることが可能である。
本発明に係る締結部材は、ネジ部材との組み合わせにおいて、システム家具や電気製品などの組み立て作業、建築物の内装工事その他あらゆる分野における二つまたはそれ以上の部材の連結構造に使用することが可能である。
本発明の第一の実施形態に係る締結部材の平面図である。 本発明の第一の実施形態に係る締結部材の側面図である。 図1のA−A線における断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る締結部材における第一ネジ溝係合片を示す部分的な縦断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る締結部材にネジ部材を単に挿入した状態(ネジ部材を締め付ける前の状態)を示す締結部材及びネジ部材の断面図である。 ネジ部材を本発明の第一の実施形態に係る締結部材に対して締め付けた後の状態を示す締結部材及びネジ部材の断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る締結部材の平面図である。 本発明の第二の実施形態に係る締結部材の側面図である。 図7のB−B線における断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る締結部材における第一ネジ溝係合片を示す部分的な縦断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る締結部材の平面図である。 本発明の第三の実施形態に係る締結部材の側面図である。 図11のC−C線における断面図である。 第一の実施形態における図1と同様の、本発明の第四の実施形態に係る締結部材の平面図である。 本発明の第四の実施形態に係る締結部材に対する変形例を示す平面図である。 図16は本発明の第五の実施形態に係る締結部材の平面図である。 図16のD−D線における断面図である。 図18(A)は本発明の第六の実施形態に係る締結部材の平面図、図18(B)は本発明の第六の実施形態に係る締結部材の正面図、図18(C)は本発明の第六の実施形態に係る締結部材の底面図、図18(D)は本発明の第六の実施形態に係る締結部材の側面図である。 図19(A)は本発明の第六の実施形態における第一ネジ溝係合片の正面図であり、図19(B)は本発明の第六の実施形態における第一ネジ溝係合片の断面図である。 図20(A)は本発明の第六の実施形態における第二ネジ溝係合片の正面図、図20(B)は第二ネジ溝係合片の断面図である。 本発明の第六の実施形態に係る締結部材を第一部材(図5参照)の穴に挿入し、ネジ部材を本締結部材の内部に単に挿入したときの状態(ネジ部材を締め付ける前の状態)における第一ネジ溝係合片及び第二ネジ溝係合片の断面図である。 本発明の第六の実施形態に係る締結部材を第一部材(図5参照)の穴に挿入し、ネジ部材を本締結部材の内部に単に挿入したときの状態(ネジ部材を締め付ける前の状態)における第一ネジ溝係合片及び第二ネジ溝係合片の断面図である。 ネジ部材を本発明の第六の実施形態に係る締結部材に対して締め付けた後の状態における第一ネジ溝係合片及び第二ネジ溝係合片の断面図である。 ネジ部材を本発明の第六の実施形態に係る締結部材に対して締め付けた後の状態における第一ネジ溝係合片及び第二ネジ溝係合片の断面図である。 図25(A)は本発明の第七の実施形態に係る締結部材の平面図、図25(B)は本発明の第七の実施形態に係る締結部材の正面図、図20(C)は本発明の第七の実施形態に係る締結部材の側面図である。 図26(A)は本発明の第八の実施形態に係る締結部材の平面図、図26(B)は本発明の第八の実施形態に係る締結部材の正面図、図26(C)は本発明の第八の実施形態に係る締結部材の底面図、図26(D)は本発明の第八の実施形態に係る締結部材の側面図である。
符号の説明
100 本発明の第一の実施形態に係る締結部材
101 周壁
102 開口部
110 貫通孔
120 第一ネジ溝係合片
121 第一ネジ溝係合片の第一部分
122 第一ネジ溝係合片の第二部分
310 第一の部材
311 穴
320 第二の部材
321 貫通孔
322 貫通孔
200 本発明の第二の実施形態に係る締結部材
123 第一ネジ溝係合片の第三部分
124 第一ネジ溝係合片の第四部分
300 本発明の第三の実施形態に係る締結部材
320 第一ネジ溝係合片
400 本発明の第四の実施形態に係る締結部材
401 開口領域
402 突出部
500 本発明の第五の実施形態に係る締結部材
501 第一端部部分
502 第二端部部分
600 本発明の第六の実施形態に係る締結部材
610 拡大径部
620 第二ネジ溝係合片
700 本発明の第七の実施形態に係る締結部材
800 本発明の第八の実施形態に係る締結部材
810 切欠き領域
820 第一部分
830 第二部分
1200 ネジ部材

Claims (15)

  1. ネジ部材と締結可能な締結部材であって、
    前記締結部材には、前記ネジ部材を通すことができる貫通孔が形成されており、
    前記締結部材は弾性力を有する材料からつくられており、
    前記貫通孔を形成する前記締結部材の周壁には少なくとも一つの第一ネジ溝係合片が形成されており、
    前記第一ネジ溝係合片は、前記周壁に形成された開口部の上縁から前記貫通孔の内部に斜め下方に延びる第一部分と、前記第一部分の先端から前記開口部の外側に向かって斜め下方に延びる第二部分と、からなり、
    前記第一ネジ溝係合片は、前記ネジ部材を前記貫通孔に通したときに、前記ネジ部材のネジ山に係合し、前記ネジ部材が前記貫通孔から抜け出ることを阻止するものである締結部材。
  2. ネジ部材と締結可能な締結部材であって、
    前記締結部材には、前記ネジ部材を通すことができる貫通孔が形成されており、
    前記締結部材は弾性力を有する材料からつくられており、
    前記貫通孔を形成する前記締結部材の周壁には少なくとも一つの第一ネジ溝係合片が形成されており、
    前記第一ネジ溝係合片は、前記周壁に形成された開口部の下縁から前記貫通孔の内部に斜め上方に延びる第三部分と、前記第三部分の先端から前記開口部の外側に向かって斜め上方に延びる第四部分と、からなり、
    前記第一ネジ溝係合片は、前記ネジ部材を前記貫通孔に通したときに、前記ネジ部材のネジ山に係合し、前記ネジ部材が前記貫通孔から抜け出ることを阻止するものである締結部材。
  3. 前記第一ネジ溝係合片は前記貫通孔の軸線に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の締結部材。
  4. 前記第一ネジ溝係合片は前記締結部材に対して一体成形されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の締結部材。
  5. 前記第二部分及び前記第四部分は、前記第一ネジ溝係合片が前記ネジ部材の前記ネジ山に係合したときに、前記開口部を介して前記締結部材の外部に出る長さを有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の締結部材。
  6. 前記締結部材は、前記周壁の一部において長手方向に延びる開口領域を有しており、C字型の横断面を有していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に締結部材。
  7. 前記締結部材の端部は、前記貫通孔の内部に斜め下方に延びる第一端部部分と、前記第一端部部分の先端から前記開口部の外側に向かって斜め下方に延びる第二端部部分と、からなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の締結部材。
  8. 前記貫通孔の長さ方向に一列に形成された複数の前記第一ネジ溝係合片からなる第一組の第一ネジ溝係合片と、
    前記貫通孔の長さ方向に一列に形成された複数の前記第一ネジ溝係合片からなり、前記第一組の第一ネジ溝係合片と対向して配置されている第二組の第一ネジ溝係合片と、
    を備え、
    前記第一組の第一ネジ溝係合片における各第一ネジ溝係合片と前記第二組の第一ネジ溝係合片における各第一ネジ溝係合片とは前記貫通孔の長さ方向において互い違いに配置されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の締結部材。
  9. 前記周壁には少なくとも一つの第二ネジ溝係合片が形成されており、
    前記第二ネジ溝係合片は前記貫通孔の内部に対して斜め下方に突出して形成されており、
    前記第二ネジ溝係合片は、前記ネジ部材を前記貫通孔に通したときに、前記ネジ部材のネジ山に係合し、前記ネジ部材が前記貫通孔から抜け出ることを阻止するものである請求項1乃至8の何れか一項に記載の締結部材。
  10. 前記第二ネジ溝係合片は前記貫通孔の軸線に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項9に記載の締結部材。
  11. 前記第一ネジ溝係合片は前記締結部材に対して一体成形されていることを特徴とする請求項9または10に記載の締結部材。
  12. 前記貫通孔の長さ方向に一列に形成された複数の前記第一ネジ溝係合片からなる第一組の第一ネジ溝係合片と、
    前記貫通孔の長さ方向に一列に形成された複数の前記第二ネジ溝係合片からなる二つの第二組の第二ネジ溝係合片と、
    を備え、
    前記二つの第二組の第二ネジ溝係合片は前記第一組の第一ネジ溝係合片を中心として対称に配置されていることを特徴とする請求項9乃至11の何れか一項に記載の締結部材。
  13. 前記締結部材の前記周壁には切欠き領域が形成されており、
    前記切欠き領域は、前記締結部材の一端から前記締結部材の全長を超えない任意の長さにわたって、前記貫通孔の中心軸を中心とする任意の円周角の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の締結部材。
  14. 樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の締結部材。
  15. 請求項1乃至14の何れか一項に記載の締結部材とネジ部材とを介して第一の部材と第二の部材とを相互に連結させる連結構造であって、
    前記第一の部材に形成された孔に前記締結部材を挿入し、前記第二の部材に形成された貫通孔に通した前記ネジ部材を前記締結部材に挿入するものである連結構造。
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