JP2008095732A - カールホース - Google Patents

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Abstract

【課題】充分な形状復元性、及び、優れた可撓性を備えることにより取扱性や施工性に優れ、更に、特殊な装置や工程は必要なく生産性に優れた構造のカールホースを提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋した内層チューブ2と、該内層チューブ2の外周に形成した熱可塑性樹脂層3と、からなるホースを、螺旋形状又は渦巻形状に成型してなるカールホース1。上記内層チューブ2が電子線照射により架橋されていることを特徴とするカールホース1。上記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物であることを特徴とするカールホース1。上記内層チューブ2と上記熱可塑性樹脂層3の間、又は、上記熱可塑性樹脂層3の外周に、繊維糸又は金属線を横巻又は編組してなる補強層4が更に形成されていることを特徴とするカールホース1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、給湯給水配管などに好適に使用することが可能な、螺旋形状又は渦巻形状に成型されたカールホースに係り、特に、充分な形状復元性、及び、優れた可撓性を備えることにより取扱性や施工性に優れ、更に、特殊な装置や工程は必要なく生産性に優れた構造のものに関する。
従来、給湯給水配管には、主に銅、ステンレス等からなる金属管が用いられていたが、これらは硬く、柔軟性に劣るため、取扱性、施工性が悪いという問題があった。そこで、最近では、金属管に代わり、柔軟性に優れた高分子材料からなるホースが配管部材として用いられるようになってきた。このようなホースの一例として、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム混合物やオレフィン系樹脂混合物を管状に押出成形したチューブの外周に補強層を設けた構成のものが知られている。
このようなホースの実使用態様の一例として、システムキッチン内の給湯給水配管などが挙げられる。ここで、近年のシステムキッチンにおいては、利便性や収納し易さを向上させた引き出し式構造の収納が増加してきている。その中で、システムキッチンに置かれる浄水器、アルカリ成水器や食器乾燥機等の各種装置についても、このような引き出し式構造に収納され、引き出しの出し入れに伴い移動する構成となっている。その結果、このような移動をする各種装置に接続されるホースには、引き出しを出し切った状態で足る長さのホースが必要となるとともに、引き出しを収納した状態ではホースが絡まったり他のものに挟まったりすることがないようにする必要が生じている。このような問題は、例えば、手に持って使用されるホースや、キャスター付きの装置などのような移動して使用される装置に接続されるホースにおいても同様に要求されるものでもある。
このような問題に対しては、伸縮可能になるように、ホースを螺旋形状(スパイラル形状)に成型することが考えられている。しかし、ホースを螺旋形状に成型する方法として、加熱処理により螺旋形状を保持させる方法を使用した場合、加熱処理の段階でホースの断面形状が楕円形等に扁平してしまい、それによりホースの通水が阻害されてしまうという問題があった。このような問題に対しては、例えば、特許文献1には、賦型成型用のスパイラル治具の捲き軸部上に、熱可塑性ポリマー材料からなるストレートチューブを捲き掛けてセットした状態で高温槽内に収容し、槽内の加熱温度がチューブの熱変形温度付近に達した時点で、チューブ内に一定時間に渡って所定の内圧を加える製造方法が記載されている。また、特許文献2には、ポリエチレンとその架橋剤とを含有する未反応材料を成形機に供給し、架橋ポリエチレンからなるパイプ成形体を押出成形する工程、溶融状態にある架橋ポリエチレン成形体を巻掛け部材に螺旋形状に巻掛ける工程、及び、前記巻掛け工程と同時に又はこの工程の後に、螺旋形状に巻掛けられた架橋ポリエチレンパイプの成形体を冷却固化させる工程、からなる製造方法が記載されている。
また、本願発明に関連する技術として、当該出願人より出願された特許文献3〜8を参照することができる。
特公平6−51347号公報 特開平8−326967号公報 特開2001−141134号公報 特開2004−82725号公報 特開2004−84955号公報 特開2004−218829号公報 特開2005−207584号公報 特開2005−265185号公報
しかしながら、上記特許文献1、特許文献2のようなホースの製造方法は、次のような問題を有していた。まず、特許文献1記載のホースの製造方法は、チューブの熱変形温度付近で、チューブの内部に空気圧などを供給し、かつこれを一定時間(例えば10〜30分間)にわたって維持することで、チューブの変形を防止している。しかし、このような方法では、加圧装置が必要になるとともに、加圧装置に接続する工程が増加して生産性が低下し、更には、加圧装置に接続した部分には変形が生じてしまうため、材料のロスが生じることになってしまう。また、特許文献2記載のホースの製造方法は、架橋ポリエチレンパイプが溶融している状態で螺旋形状に巻掛けており、パイプを構成する架橋重合体の高架橋度に起因して、扁平を防止するとしている。しかし、溶融状態で巻掛けを行っているため、扁平防止の抜本的な解決とはなっておらず、また、溶融状態を巻掛けまで維持するためには、押出速度や押出温度などの設定や調整が非常に困難という問題があった。更には、巻掛けをしながら冷却するという特殊な装置が必要となっていた。また、得られるパイプの材料や構成も限られたものになってしまう。
本発明は、このような従来技術の欠点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、給湯給水配管などに好適に使用することが可能な、螺旋形状又は渦巻形状に成型されたカールホースであって、充分な形状復元性、及び、優れた可撓性を備えることにより取扱性や施工性に優れ、更に、特殊な装置や工程は必要なく生産性に優れた構造のカールホースを提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1によるカールホースは、ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋した内層チューブと、該内層チューブの外周に形成した熱可塑性ポリマー層と、からなるホースを、螺旋形状に成型してなることを特徴とするものである。
又、請求項2によるカールホースは、ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋した内層チューブと、該内層チューブの外周に形成した熱可塑性ポリマー層と、からなるホースを、渦巻形状に成型してなることを特徴とするものである。
又、請求項3によるカールホースは、上記内層チューブが電子線照射により架橋されていることを特徴とするものである。
又、請求項4によるカールホースは、上記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物であることを特徴とするものである。
又、請求項5によるカールホースは、上記内層チューブと上記熱可塑性ポリマー層の間、又は、上記熱可塑性ポリマー層の外周に、繊維糸又は金属線を横巻又は編組してなる補強層が更に形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項6によるカールホースは、上記ホースが、2本もしくはそれ以上の本数で、長手方向に沿って平行に当接されていることを特徴とすることを特徴とするものである。
又、請求項7によるカールホースは、上記ホースの片端又は両端が、移動可能な相手部材に接続されていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるカールホースの製造方法は、ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋した内層チューブを得た後、該内層チューブの外周に熱可塑性樹ポリマーを形成してホースとし、このホースを所定形状に固定し加熱処理を行って螺旋形状に成型することを特徴とするものである。
又、請求項9によるカールホースの製造方法は、ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋した内層チューブを得た後、該内層チューブの外周に熱可塑性ポリマー層を形成してホースとし、このホースを所定形状に固定し加熱処理を行って渦巻形状に成型することを特徴とするものである。
本発明によれば、耐塩素性に優れるオレフィン系樹脂混合物を管状に成形して架橋したチューブを内層チューブ、即ち、接水部に使用しているため、給湯給水配管などに好適に使用することが可能である。また、伸縮可能となる螺旋形状又は渦巻形状に成型されているとともに、充分な形状復元性、及び、優れた可撓性を備えることにより取扱性や施工性に優れたカールホースを得ることができる。更に、特殊な装置や工程は必要なく、生産性にも優れた構造を備えている。
本発明においては、耐塩素性に優れるポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋したチューブを内層チューブ、即ち、接水部に使用することによって、給湯給水配管などに好適に使用することを可能としている。ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物の中でも、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物であれば、内層チューブが柔軟性の高いものとなりホースとしての可撓性が向上するとともに、耐塩素性も優れるため好ましい。可撓性が向上することによって、伸縮可能となる螺旋形状又は渦巻形状に成型した場合、充分な形状復元性が得られ易くなり、更に優れた可撓性を備えることは、取扱性や施工性にも優れることとなる。
上記ポリエチレンは、元来耐塩素性に優れた性質を有しており、従来より種々のものが公知であるが、本発明では、密度が0.942g/cm以下となるものを適宜に選択又は組合せて使用することが好ましい。ポリエチレンの密度が0.942g/cmを超えてしまうと、内層チューブの柔軟性が低下して、ホースとしての可撓性が低下し曲げ難くなってしまい、本発明によって得られるホースの取扱性や施工性が悪くなる傾向がある。また、更に好ましくは、密度が0.930g/cm以下となるものを適宜に選択又は組合せて使用する。密度が0.930g/cm以下となれば、より内層チューブの柔軟性が増すため、ホースの取扱性や施工性がより優れたものとなる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンが共重合されたものであり、柔軟性に優れた材料である。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1などが挙げられる。尚、エチレン−α−オレフィン共重合体は各種市販されているので、それらを適宜に選択して使用しても良い。
これら柔軟性及び耐塩素性に優れたポリエチレンと、柔軟性に優れたエチレン−α−オレフィン共重合体を適宜に配合すれば、特に柔軟性及び耐塩素性に優れた内層チューブを得ることが可能となる。また、内層チューブは、複数の材料からなる積層チューブであっても良いが、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体とを含有してなる組成物が用いられることが好ましい。尚、上記混合物に、他の配合材料を加えて所望の特性を得ることも可能である。例えば、老化防止剤等を適宜に添加することによって、更に耐塩素性を向上させても良い。
ここで、内層チューブの肉厚は、0.6〜3mmの範囲とすることが好ましい。肉厚が0.6未満では、内層チューブの外側に熱可塑性ポリマー層を設ける際に内層チューブが変形したり、実使用に耐え得る充分な耐圧性を得ることが困難となったりする可能性がある。一方、肉厚が3mmを超えると、内層チューブの柔軟性が低下して、ホースとしての可撓性が低下し曲げ難くなってしまう。更には、螺旋形状又は渦巻形状に成型することが困難になってしまう可能性がある。
本発明では、上記の組成物を押出成形等の公知の成形手段で管状に成形した後、架橋を施すことが好ましい。架橋を施すのは、上記したようなポリオレフィン系樹脂は、その熱変形温度が低く、加熱処理によって、螺旋形状又は渦巻形状に成型する際、ホース断面形状が楕円形状に変形してしまうことから、架橋を施すことによって高温での変形を防止するためである。架橋手段としては、例えば、過酸化物架橋、シラン架橋、電子線照射架橋などが挙げられるが、本発明では、これらの中でも電子線照射架橋を採用することが好ましい。この理由としては、まず、過酸化物架橋やシラン架橋のように架橋剤等の他の材料を配合する必要がなく、自由度の高い材料の選択が可能であるからである。更には、電子線照射架橋は、柔軟な材料であっても容易に架橋することが可能であり、照射によって内層チューブ表面が改質され、内層チューブ外側に設けられる熱可塑性ポリマー層との接着性を向上させることができるからである。このように、放射線照射架橋によって、内層チューブと熱可塑性ポリマー層との接着性を向上させていれば、カールホースに繰り返しの伸縮が加わっても、内層チューブと熱可塑性ポリマー層との層間が剥離しにくく、形状復元性、及び、可撓性が向上することとなる。
次に、上記のようにして得られた内層チューブの外側に押出成形等の公知の成形手段によって、熱可塑性ポリマー層を形成する。熱可塑性ポリマー層の構成材料としては、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどがある。例えば、熱可塑性樹脂としては、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、などが挙げられる。また、熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー等が挙げられ、加熱により容易に形状を変形させ維持できるポリマー材料を選べば良い。本発明においては、加熱処理により容易に形状を変形させ維持できるポリマー材料として、オレフィン樹脂やウレタン系エラストマーが好ましく選ばれる。更には、カールホースに伸縮が加わっても螺旋形状又は渦巻形状の維持がしやすく、充分な形状復元性を付与できる材料であり、更に移動時や伸縮時のこすれなどに対して耐摩耗性に優れるウレタン系エラストマーが更に好ましく選ばれる。
又、ホースには補強層を設けることもできる。補強層を形成したホースであれば、耐圧性を付与することができ、より大きな耐久性を付与することができる。補強層としては、例えば、軟質ステンレス線や硬質ステンレス線などの金属細線を引き揃え、編組したり、横巻きすることにより形成したものや、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維等の合成繊維を用い、これを編組したり、横巻きすることにより形成したものなどが挙げられる。これらの補強層は、本発明によって得られるホースの使用用途に合わせて適宜に選択されるものである。
補強層を形成する場合は、内層チューブと熱可塑性ポリマー層の間に形成しても良いし、熱可塑性ポリマー層の外周に形成しても良い。
このようにして得られたホースは、所定形状に固定し加熱処理を行って、図1に示すような螺旋形状、又は、図6に示すような渦巻形状に成形され、カールホース1とされる。所定形状に固定する際は、例えば、図8のように棒状の治具21の外周にホースを巻付ける方法や、図9のように筒状の治具22の内側に螺旋形又は渦巻形状にしたホースを収納する方法などが考えられるが、ホースの寸法、螺旋又は渦巻の曲げ半径、或いは工程・設備等の状況により適宜選択すれば良い。また、加熱処理の温度については、各構成材料の熱変形温度を考慮し適宜設定すれば良い。また、加熱処理の保持時間についても、ホースの寸法や螺旋又は渦巻の曲げ半径などに応じ、適宜設定すれば良い。以上の記載の様に、特殊な装置や工程は必要なく成型が可能であり、生産性に優れた構造のホースといえる。
また、上記ホースは、2本もしくはそれ以上の本数で、長手方向に沿って平行に当接されているものであっても良い。当接させる方法としては、例えば、予め複数本のホースを引き揃えた後に加熱処理を行い、可塑性ポリマー層同士を溶着する方法、上記した螺旋形状又は渦巻形状に成形する際の加熱処理を利用して、隣接するホースの熱可塑性ポリマー層同士を溶着する方法、複数本のホースをまとめてこれらの外周に一括してシースを形成する方法、などが挙げられる。
このように、ホースが2本もしくはそれ以上の本数で、長手方向に沿って平行に当接されていれば、同経路で複数の通水を行う際などに、配管の収納が整然となるとともに、配管作業自体も容易なものとすることができる。
このようにして得られたホースの多くは、例えば図2に示すように、その両端に相手部材に接続するための接続継手が取り付けられて実使用に供される。接続継手としては、金属や樹脂などにより加工されたものが公知である。
本発明のホースは上記したように、内層チューブとしてポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋したものを用い、その外周に熱可塑性ポリマー層を形成した構成となっている。そのため、螺旋形状又は渦巻形状に成型する際の加熱処理において、外側の熱可塑性ポリマー層は熱変形するが、内側の内層チューブは、架橋されていることによって、溶融変形しにくい状態となっている。従って、熱可塑性ポリマー層の熱変形により、螺旋形状又は渦巻形状は充分に維持され充分な形状復元性が付与されることとなるとともに、内層チューブの断面形状、即ち、通水を行うホースの中空部の形状は変形せず、通水が阻害されるようなこととはならない。そして、螺旋形状又は渦巻形状に成型する際には、特殊の装置や工程は必要なく、至極一般的な工法によりカールホースを得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を比較例と併せて説明する。
実施例1
図1に示すように、まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合した組成物を、内径7.0mm、肉厚1.0mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施し、内層チューブ2とした。次に、この内層チューブ2の外周に、ポリエステル繊維1670dtexを、16打製紐機を用いてピッチ35mmで編組を施し、補強層4を形成した。そして、この補強層4の外周に熱可塑性ウレタン系エラストマーを肉厚1.2mmとなるように押出被覆して熱可塑性ポリマー層3を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は12.4mmであった。このホースを半径200mm、3回巻の螺旋形状で治具に固定し、100℃で1時間加熱処理をしてカールホース1とした。
実施例2
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−オクテン共重合体を混合比率50:50で混合した組成物を、内径7mm、肉厚1mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施し、内層チューブ2とした。次に、この内層チューブ2の外周に、ポリエステル繊維1670dtexを、16打製紐機を用いてピッチ35mmで編組を施し、補強層4を形成した。そして、この補強層4の外周に熱可塑性ウレタン系エラストマーを肉厚1.2mmとなるように押出被覆して熱可塑性ポリマー層3を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は12.4mmであった。このホースを2本引き揃えて、ホース接触部分を熱風で加熱しながら圧着させることにより、2本のホースを長手方向に沿って平行に当接した状態とした。このホースについて、半径200mm、3回巻の螺旋形状で治具に固定し、100℃で1時間加熱処理をしてカールホース1とした。
比較例1
熱可塑性ポリマー層3及び補強層4を形成しない他は、実施例1と同様の材料・構成・製造方法にてカールホース1を得た。
このようにして得られた各カールホースを試料として、扁平率測定、可撓性、形状復元性についての試験を行った。扁平率測定の試験は、螺旋形状の成型によりカールホース断面の変化を確認するために、カールホース断面の扁平率を「カールホース断面の短径/カールホース断面の長径」にて計算し、この値を用いた。可撓性の試験は、螺旋形状に成型したカールホースを成型に使用したホース全長の半分の長さまで伸ばすに必要な力と、直線状になるまで引き伸ばすに必要な力を測定した。形状復元性の試験は、螺旋形状に成型したカールホースを成型に使用したホース全長の半分の長さまで伸ばした後に元の螺旋形状に戻したもの(半長伸び)と、一度直線状になるまで引き伸ばした後に元の螺旋形状に戻したもの(全長伸び)について、螺旋形状の幅(図5中のL)、及び、螺旋形状の直径(図5中のR)を測定し、引き伸ばす前からの変化率を求めた。これらの試験結果については表1に示す。
Figure 2008095732
まず、扁平率について、実施例1、実施例2は、カールホース断面形状がほぼ真円を保っており、通水に影響を与えることはない。比較例1については、実施例と比較すれば、螺旋形状に成型する際にやや扁平してしまっているが、通水に影響を与えることが懸念される程ではない。これは、架橋されたオレフィン系樹脂混合物を使用した効果が得られている。次に、可撓性については、カールホースの取扱いがしにくくなる程の引き出し力でなく、特に可撓性を損なっていない。また、実施例1、実施例2は、比較例1に比べてカールホース引き出しに必要な力が大きくなっているが、これは、比較例1の構成に加えて、補強層と熱可塑性ポリマー層が形成されているためである。又、実施例2は実施例1に比べてカールホース引き出しに必要な力が大きくなっているが、これは、実施例2がホース2本を当接されているため、2本分の引き出し力となっているためである。何れにしても、カールホースの取扱いに問題が生じるような値ではない。形状復元性については、実施例1、実施例2については、引き伸ばされた後もほぼ元の形状に復元し、熱可塑性エラストマー層が設けられている効果として、優れた形状復元性を有していることが確認されたが、比較例1については、一度引き伸ばされただけで螺旋形状がやや崩れてしまったことから、繰り返しの引き伸ばしによりカールホースの形状が直線状に近いものになってしまうことが懸念される。
実施例3
図6に示すように、まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合した組成物を、内径7mm、肉厚1mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施し、内層チューブ2とした。次に、この内層チューブ2の外周に、ポリエステル繊維1670dtexを、16打製紐機を用いてピッチ35mmで編組を施し、補強層4を形成した。そして、この補強層4の外周に熱可塑性ウレタン系エラストマーを肉厚1.2mmとなるように押出被覆して熱可塑性ポリマー層3を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は12.4mmであった。このホースを最外径200mm、3回巻の渦巻形状で治具に固定し、100℃で1時間加熱処理をしてカールホース1とした。
実施例4
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−オクテン共重合体を混合比率50:50で混合した組成物を、内径7mm、肉厚1mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施し、内層チューブ2とした。次に、この内層チューブ2の外周に、ポリエステル繊維1670dtexを、16打製紐機を用いてピッチ35mmで編組を施し、補強層4を形成した。そして、この補強層4の外周に熱可塑性ウレタン系エラストマーを肉厚1.2mmとなるように押出被覆して熱可塑性ポリマー層3を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は12.4mmであった。このホースを2本引き揃えて、ホース接触部分を熱風で加熱しながら圧着させることにより、2本のホースが長手方向に沿って平行に当接した状態とした。このホースについて、最外径200mm、3回巻の渦巻形状で治具に固定し、100℃で1時間加熱処理をしてカールホース1とした。
比較例2
熱可塑性ポリマー層3及び補強層4を形成しない他は、実施例3と同様の材料・構成・製造方法にてカールホース1を得た。
このようにして得られた各カールホースを試料として、扁平率測定、可撓性、形状復元性についての試験を行った。扁平率測定の試験は、渦巻形状の成型によりカールホース断面の変化を確認するために、カールホース断面の扁平率を「カールホース断面の短径/カールホース断面の長径」にて計算し、この値を用いた。可撓性の試験は、渦巻形状に成型したカールホースを成型に使用したホース全長の半分の長さまで伸ばすに必要な力と、直線状になるまで引き伸ばすに必要な力を測定した。形状復元性の試験は、渦巻形状に成型したカールホースを成型に使用したホース全長の半分の長さまで伸ばした後に元の渦巻形状に戻したもの(半長伸び)と、一度直線状になるまで引き伸ばした後に元の渦巻形状に戻したもの(全長伸び)について、渦巻形状の幅(図7中のL)、及び、渦巻形状の直径(図7中のR)について測定し、引き伸ばす前からの変化率を求めた。これらの試験結果については表2に示す。
Figure 2008095732
まず、扁平率について、実施例3、実施例4は、カールホース断面形状がほぼ真円を保っており、通水に影響を与えることはない。比較例2については、実施例と比較すれば、渦巻形状に成型する際にやや扁平してしまっているが、通水に影響を与えることが懸念される程ではない。これは、架橋されたオレフィン系樹脂混合物を使用した効果が得られている。次に、可撓性については、カールホースの取扱いがしにくくなる程の引き出し力でなく、特に可撓性を損なっていない。また、実施例3、実施例4は、比較例2に比べてカールホース引き出しに必要な力が大きくなっているが、これは、比較例2の構成に加えて、補強層と熱可塑性ポリマー層が形成されているためである。又、実施例4は実施例3に比べてカールホース引き出しに必要な力が大きくなっているが、これは、実施例4がホース2本を当接されているため、2本分の引き出し力となっているためである。何れにしても、カールホースの取扱いに問題が生じるような値ではない。形状復元性については、実施例3、実施例4については、引き伸ばされた後もほぼ元の形状に復元し、熱可塑性エラストマー層が設けられている効果として、優れた形状復元性を有していることが確認されたが、比較例2については、一度引き伸ばされただけで渦巻形状がやや崩れてしまったことから、繰り返しの引き伸ばしによりカールホースの形状が直線状に近いものになってしまうことが懸念される。
このように、本実施例によるカールホースは、扁平率、可撓性、形状復元性の全てにおいて優れた特性を示しており、実用上充分に機能するものであることが実証された。
尚、本発明によるカールホースは、上記の実施例に限定されるものではない。例えば、図3に示すように、補強層を形成しないものも考えられる。又、図4に示すように、熱可塑性ポリマー層3の外周に補強層4を形成しても良い。又、カールホース1の最外層に、更に各種高分子材料からなるシースを設けても良い。
本発明のカールホースは、充分な形状復元性と、過度の機械的な外力が加わった場合にもキンクが発生することのない優れた可撓性を備えることにより取扱性や施工性に優れるとともに、生産性にも優れたものである。従って、給湯給水配管など幅広い用途で好適に使用することができる。特に、出し入れが容易な引き出し構造に収納された各種装置や、シャワーヘッドなど、移動する相手部材に接続されるような用途においては、必要充分な長さで且つ不使用時はホースが絡まったり他のものに挟まったりすることがないよう整然と収納することができるため、極めて好適に使用することが可能である。
本発明の実施例によって得られたホースの構成を示す一部切欠斜視図である。 本発明の実施例によって得られたホースの両端に接続継手を取り付けた状態を示す一部切欠側面図である。 本発明の他の形態によって得られたホースの構成を示す一部切欠斜視図である。 本発明の他の形態によって得られたホースの構成を示す一部切欠斜視図である。 実施例1、実施例2、比較例1による形状復元性の試験を説明する斜視図である。 本発明の他の形態によって得られたホースの構成を示す一部切欠斜視図である。 実施例3、実施例4、比較例2による形状復元性の試験を説明する斜視図である。 ホースを所定形状に固定する方法を示す斜視図である。 ホースを所定形状に固定する方法を示す斜視図である。
符号の説明
1 ホース
2 内層チューブ
3 熱可塑性ポリマー層
4 補強層
10 接続継手
11 ノズル
12 ナット
13 スリーブ

Claims (9)

  1. ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋した内層チューブと、該内層チューブの外周に形成した熱可塑性ポリマー層と、からなるホースを、螺旋形状に成型してなるカールホース。
  2. ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋した内層チューブと、該内層チューブの外周に形成した熱可塑性ポリマー層と、からなるホースを、渦巻形状に成型してなるカールホース。
  3. 上記内層チューブが電子線照射により架橋されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカールホース。
  4. 上記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のカールホース。
  5. 上記内層チューブと上記熱可塑性ポリマー層の間、又は、上記熱可塑性ポリマー層の外周に、繊維糸又は金属線を横巻又は編組してなる補強層が更に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のカールホース。
  6. 上記ホースが、2本もしくはそれ以上の本数で、長手方向に沿って平行に当接されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載のカールホース。
  7. 上記ホースの片端又は両端が、移動可能な相手部材に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6記載のカールホース。
  8. ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋した内層チューブを得た後、該内層チューブの外周に熱可塑性ポリマー層を形成してホースとし、このホースを所定形状に固定し加熱処理を行って螺旋形状に成型するカールホースの製造方法。
  9. ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物を管状に成形して架橋した内層チューブを得た後、該内層チューブの外周に熱可塑性ポリマー層を形成してホースとし、このホースを所定形状に固定し加熱処理を行って渦巻形状に成型するカールホースの製造方法。
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