JP2008254361A - 小径曲がり継ぎ手及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の流れの進行方向を変える小径の曲がり管、特にメーターや各種機器に接続するために、現場施工での位置合わせとして可撓性が要求される給水管に使用する送液用小径曲がり継ぎ手として、曲がり形状を有しながら可撓性に富み、衛生性、耐久性、経年変化、耐薬品性などに優れた特性を有し、さらには耐圧性能をも付与することが可能な構造および製造方法を提供する。
【解決手段】デュロメータ硬度が65〜95の熱可塑性樹脂からなる管であって、曲げ半径が同管の直径の3倍以下である曲げが付与されており、口径が5mm〜60mmの範囲にある小径曲がり継ぎ手。
【選択図】 図6

Description

本発明は、流体の流れの進行方向を変える小径の曲がり管、特に、メーターあるいは各種機器に接続するために、現場施工での位置合わせとして可撓性が要求される給水管に使用される送液用小径曲がり継ぎ手に関する。
従来の送液用ホースとしては、一般に樹脂チューブ、または補強編組層を含有する樹脂ホースが広く用いられている。しかしながら、メーターおよび各種機器への接続において、機器の設置制約などから、強く曲げざるを得ない局面が多々見受けられ、現場施工時に硬質曲がり継ぎ手(エルボ)等を組み合わせて対応している。
この様な問題に対し、古くから容易に曲げることが可能で折れ難い(キンクし難い)構造改良が送液用ホースに関してなされている。代表的且つ一般的なものとしては、柔軟化剤を添加した軟質樹脂チューブであり、さらには軟質チューブ上またはチューブ内にラセン状の硬質芯材を複合し、さらに折れ(キンク)耐性を高めたスパイラルホースがある。しかしながら、各種の汎用柔軟樹脂は、柔軟化添加剤などの影響によって、衛生性、耐久性、経年変化、耐薬品性など種々の問題を有しており、用途によっては用いることが出来なかった。
さらに強い曲がりが求められるケースでは、従来から曲がり管が使用されているが、多くは型成型された硬質曲がり継ぎ手(エルボ)であり、微調整という点で現場施工における自由度が低く、曲げ角度の異なる複数の継ぎ手を組み合わせて使用しているのが現状である。
可撓性ある樹脂製管に応用可能という観点から注目される技術として、押出し形成直後の結晶化前の樹脂製管内に可撓性マンドレルを挿入して管の曲げ半径を同管の3倍以下に曲げ加工し、この状態で放置した後該マンドレルを引き抜くことにより得られる曲がり管が提案されている[特開平5−278104号公報(特許文献1)]。
しかしながら、曲がり部での扁平が少なく、内径精度の高い曲がり管を得るためには、管内径とマンドレル外径の差を縮める必要があり、差を縮めたマンドレルを用いた場合には、柔軟な状態(半溶融状態)の樹脂管内部に触れることなくマンドレルを挿入することは極めて困難であり、触れた場合には、溶融樹脂との摩擦によって管の変形なく可撓性マンドレルを挿入することは不可能である。
さらには、管内径とマンドレル外径の差を充分に設けた場合に於いても、樹脂製管が補強層として編組層を有する一般的な構造(すなわち管を構成する層内に補強層を存在させた構造)では、曲げ外周に位置する編組層の張力が強く内周側に作用し、同位置に於いて管の薄肉化、極端なケースでは編組糸の管内露出が生じる。
特許公開平5−278104公報
本発明は、流体の流れの進行方向を変える小径の曲がり管、特にメーターあるいは各種機器に接続するために、現場施工での位置合わせとして可撓性が要求される給水管に使用する送液用小径曲がり継ぎ手として、曲がり形状を有しながら可撓性に富み、衛生性、耐久性、経年変化、耐薬品性などに優れた特性を有し、さらには、耐圧性能をも付与することが可能な小径曲がり継ぎ手、同小径曲がり継ぎ手を用いた給水管の接続方法および同小径曲がり継ぎ手の製造方法を提供するものである。
本発明の小径曲がり継ぎ手は小径の曲がりを有しているが、この小径曲がり継ぎ手を、配管の作業現場で更に曲げることにより、あるいは曲がりを伸ばすことにより折れを伴うことなく曲げたり伸ばしたりすることができ、給水管等の継ぎ手として極めて適している。
すなわち、本発明は、デュロメータ硬度が65〜95の熱可塑性樹脂からなる管であって、曲げが付与されており、口径が5mm〜60mmの範囲にある小径曲がり継ぎ手である。
そして、この発明において、管上に、樹脂モノフィラメント素線の編組によって構成されたかご状筒が被せられており、かつ該樹脂モノフィラメント素線同士が交点において、さらに該樹脂モノフィラメント素線と該熱可塑性樹脂からなる管が実質的に接着されていない場合が好ましく、また、直管を曲げ角度0度とした時の、管の曲げ角度が30〜150度であり、曲げ半径が同管の直径の3倍以下である場合が好ましく、さらに管を構成する熱可塑性樹脂が低密度ポリエチレンである場合が好ましい。さらに上記の小径曲がり継ぎ手は、好適には給水管曲がり部に使用される。
また本発明は、給水管同士または給水管とメーターや機器を接続する現場で該接続を容易とするために、上記の小径曲がり継ぎ手を同現場で更に曲げるまたは曲げを伸ばして、給水管、メーターまたは機器に接続する給水管の接続方法である。
さらに本発明は、デュロメータ硬度が65〜95の熱可塑性樹脂からなる直管状の管内に、ほぼ円形の断面を保ちながら曲げることができるマンドレルを挿入し、管内にマンドレルを留めた状態かつ同管を加熱した状態で曲げ加工を施し、その後にマンドレルを引き抜くことを特徴とする小径曲がり継ぎ手の製造方法であり、好ましくは、この製造方法において、曲げ加工の前または後に、樹脂モノフィラメント素線の編組によって構成され、かつ樹脂モノフィラメント素線同士の交点において該素線が接着されていないかご状筒を管上に被せる場合である。
本発明の小径曲がり継ぎ手により、当該硬度の熱可塑性樹脂管が本来有する可撓性に更に曲がり形状を付け加えたことによって、折れる(キンクする)ことなく、現場施工での位置合わせなど、所定の曲げ以外が求められる状況においても、自在に曲げることが可能となる。
本発明の小径曲がり継ぎ手は、用途的に水道用などの耐圧力が求められる用途に適しており、従って、好適な例として、上記の熱可塑性樹脂からなる樹脂管に対し、樹脂モノフィラメント素線の編組によって構成されたかご状筒が被覆され、樹脂管の外層をなし耐圧補強構造を形成した場合であり、かご状筒が、モノフィラメント素線の編組による摩擦と反発力で形成されている(接着されていない)ことにより、曲げ部外周側においては素線間で形成されるダイヤ状編み目形状が拡大し、内周側においては圧縮され小径曲がり部における追随性に優れることとなる。
さらに、本発明の小径曲がり継ぎ手は、好適には管の曲げ角度が30度〜150度の範囲内であり、現地の状況に合わせて、そのままの状態としてL字管やV字管、伸ばしては直管、さらに曲げてはU字管やS字管として、メーターおよび機器類に接続使用することが可能な小径曲がり継ぎ手であり、本発明の小径曲がり継ぎ手においては、更に曲げても小径曲げ部において殆ど扁平化しない。
また、本発明の小径曲がり継ぎ手は、送液用として耐圧性能が求められる場合においては、かご状筒を有した構造であることが好ましく、かご状筒を有した構造とするためには、デュロメータ硬度が65〜95の熱可塑性樹脂からなる管(内管)に対し、樹脂モノフィラメントを直接編組するか、事前に筒状に編組したかご状筒状体に内管を挿入するか、して複合させるものであり、複合工程は、曲げ加工の前または後のどちらでも良く、複合させることにより容易に耐圧を付与させることが可能な構造とすることができる。
さらに、これらの耐圧構造は、素線間および内管に対し接着固定されていないことが特徴であって、このような特徴により、曲げ部外周側においては素線間で形成されるダイヤ状編み目形状が拡大し、内周側においては圧縮されることで、小径曲がり継ぎ手として曲げへの追随が良好となる。
このように、本発明は、利便性に富み、流体の流れの進行方向を変える小径の曲がり管、特には、メーターおよび各種機器に接続するために、現場施工での位置合わせとして可撓性が要求される給水管に使用する小径曲がり継ぎ手として適しており、有用である。
以下、図面により本発明を説明する。
図1および図2は、本発明の好適な一例を示す小径曲がり継ぎ手の平面図である。
図1において、樹脂管1は曲げ加工されており、その端部にカシメ部2によってネジニップル3が固定されている。
図2は、樹脂管に、樹脂モノフィラメント素線の編組によって構成されたかご状筒5を外層とし複合した耐圧樹脂管6を曲げ加工した耐圧型小径曲がり継ぎ手7の場合である。
図3は、直管状の樹脂管1にかご状筒5を挿入することで耐圧樹脂管6が形成されることを示す平面図である。
図4は、事前に曲げ加工した樹脂管にかご状筒を挿入することで耐圧樹脂管6が形成されることを示す平面図である。
図5は、曲げ加工における製法を模式的に表した、一部断面を含む平面図であり、樹脂管内に可撓性および耐熱性のあるマンドレル8を挿入し、樹脂融点未満の温浴9に浸漬させながら所定曲げ形状を形成することを示す。
図6は、樹脂モノフィラメント素線からなるかご状筒が外層をなす耐圧樹脂管において、曲げ部外周側においてはダイヤ状編み目構造が拡大10、内周側においては圧縮11されることで、曲げ加工に際して追随可能であること、および可撓性のある曲がり継ぎ手としても樹脂管の可撓性を大きく阻害するものではないことを示す、耐圧樹脂管の曲げ加工平面図である。
樹脂管を構成する熱可塑性樹脂としては、結晶性が高い熱可塑性樹脂である場合には、温浴による曲げ加工において適度な可塑状態を得ることが難しく、且つ成型後においても一般に硬度が高い故に、メーターおよび各種機器に接続するために現場施工での位置合わせする上でも好ましくない。このことから本発明では、デュロメータ硬度が65以上95以下の熱可塑性樹脂(半硬質樹脂)が用いられる。なお、本発明で言うデュロメータ硬度とは、JIS K6253のタイプAデュロメータ硬度を意味する。
このような熱可塑性樹脂において、一般的に半硬質樹脂と呼称されるような若干の柔軟性と材料変形強度を有するような樹脂が好ましい。このような樹脂の代表例としては、汎用的なことから低密度ポリエチレン(LDPE)、ブロックポリプロピレン(BPP:具体的に、ポリプロピレンとエチレンプロピレンラバーがブロック共重合されているもの)ポリ塩化ビニルコンパウンド(PVC:ポリ塩化ビニルに可塑剤、代表的にはDOPなどが10〜60PHR配合されたもの)などが挙げられるが、曲げ加工を行う上で加工温度範囲が大きく、添加物を含まず管内流体へ有害物溶出の恐れがないないことからLDPEが最適である。高密度ポリエチレンは、一般にデュロメータ硬度が95以上であり、本発明には用いることが出来ない。
本発明の樹脂管は、メーターや各種機器に接続する用途において、曲がり形状と可撓性の相乗効果によって、小径で曲げることが可能な送液用小径曲がり継ぎ手であり、あらゆる口径の樹脂管に応用することが可能であるが、用途的な背景から、更に本発明で限定する樹脂硬度を用いた樹脂管を、手で曲げることが可能な可撓性の点から口径は5mm〜60mmの範囲であることが必要であり、特に10mm〜38mmの範囲にある樹脂管に用いられることが好適であり、さらには、スパイラル芯の複合などに代表される管体の折れ(キンク)防止措置のない場合の一般的な限界最小曲げ半径値である、直径の3倍以下の曲げ半径に曲げる用途に最適なものである。
なお、ここでいう直径とは、外径のことであり、また曲げ半径とは、もっとも鋭く曲がられる個所の管の中心の曲率半径を意味する。本発明の小径曲がり継ぎ手において、曲げ半径が同管の直径の3倍以下の曲げが付与されていることが好ましく、3倍を超えるような曲率の大きな曲げしか付与されていない場合においても、曲げ応力が局部に集中して折れる(キンクする)ことを防ぐ効果があり、本発明の利用は有効ではあるが、一般的に柔軟樹脂管で対応できる範囲であり、コスト等を考えると最善ではない。もちろん、本発明の小径曲がり継ぎ手には、曲げ半径が同管の直径の3倍以下の曲げが少なくともひとつ付与されていることが好ましい。このように、本発明では、曲げ半径が同管の直径の3倍以下の曲げが付与されていることが好ましく、より好ましくは曲げ半径が同管の直径の2.5〜1倍の曲げが付与されている場合である。
樹脂管の厚みとしては、0.5〜3.0mmの範囲が好ましい。また樹脂管を構成する樹脂層には、補強用の繊維や他の樹脂層が該層内に、あるいは該層の上または下に存在していてもよい。樹脂管の長さとしては25〜100cmの範囲がもっとも使い勝手が良い。
上記の樹脂管は、その構造が図1で示すような単一樹脂管で形成されている場合、また多層樹脂管で形成されている場合のどちらでも良く、どちらにおいても曲げ加工を施すことによって送液用小径曲がり継ぎ手として利用可能である。しかしながら、水道用途などの耐圧力が必要である場面には、単一樹脂管であれば、耐圧力を高めるためには、樹脂硬度を上げるか、あるいは肉厚化する手法が考えられ、一方、多層樹脂管であれば、樹脂層に補強繊維を存在させることにより耐圧ホース構造化する手法が考えられるが、これらの耐圧化は樹脂管としての可撓性を低下させる要素が大きく、曲がり形状と可撓性の相乗効果による自在性は、あまり期待できない。無論、本発明は、このような単一樹脂管や多層樹脂管を排除するものではない。
図2は特に効果的な耐圧構造を例示するものであり、樹脂モノフィラメント素線が樹脂管(内管)に直接編組されるか、マンドレルに編組され加熱セットされた後、マンドレルが抜き取られた状態でかご状管を成型し、図3の様に樹脂管へ挿入被覆した後曲げ加工するか、図4の様に樹脂管を曲げ加工した後に挿入被覆するかして形成された耐圧構造であり、これらの耐圧構造は、素線間および内管に対し接着固定されていないことが特徴となっており、曲げ部外周側においては素線間で形成されるダイヤ状編み目形状が拡大し、内周側においては圧縮されることで、送液用小径曲がり継ぎ手として、曲げへの追随が良好であり、好適である。このかご状筒からなる管が上記のような状態で存在していることにより、耐折れ性がより高度に達成される。
本発明において、樹脂モノフィラメントの素線は、あらゆる樹脂モノフィラメントが考えられるが、汎用的であり且つリサイクル性に優れた材質として、繊維形成能を有する結晶性の樹脂が好ましく、特にポリエステル系(PET系、PTT系、PBT系、PEN系)モノフィラメントが好適である。
また、編組およびかご状筒の編み目構造は、樹脂管口径5mm〜60mmに対し、モノフィラメント径0.5mm〜2.5mm、且つ、12〜48錘のブレーダーを使用し、ホース長手方向に対して45度〜70度の角度範囲で編組され、編み目を形成していることが、樹脂管と複合され外層をなした状態で、曲げ追随性が高く望ましい。内管の重量に対するかご状筒の重量比としては、1:0.3〜1:2.0の範囲、また、内管にかご状筒を被せる際の内管の外径に対するかご状筒の内径の比は1:1(直接編組成型による)〜1:1.05(挿入成型による)の範囲が、耐圧補強および折れ防止の点で好ましい。
本発明の送液用小径曲がり継ぎ手は、図1、図2に示される様に両端部にニップル類をカシメなどで固定されていることが用途柄一般的であるが、その形状および有無は本発明の効果を左右するものでなく、特に限定されるものではない。
本発明の送液用小径曲がり継ぎ手は、事前に加工した曲げ角度をそのまま利用するものではなく、現場施工での位置あわせとして、直管を曲げ角度0度とした時、0度〜180度の範囲で伸ばしたり、曲げたりして使用するものであり、小径で強く曲げた場合の折れ(キンク)を防ぐものである。従って、事前に加工した曲げ角度とは、曲げ角度30度〜150度の範囲にあることが好適であり、さらには、対応範囲が大きく最適であるのは60度〜120度の範囲である。
本発明の曲げ加工製法は、図5において模式的に表される様、直管状で成型された樹脂管内部に、耐熱性のある可撓性マンドレルを挿入し、樹脂管を構成する熱可塑性樹脂の融点以下の温度で温浴させながら、所定の曲げ加工を施し、冷却して形状固定するものである。
耐熱性のある可撓性マンドレルの一例を例示すると、勘合によってスパイラル巻回された金属管(一般的に金属製電線保護管として利用される構造)、金属スプリング、フッ素樹脂チューブなどが挙げられる。さらに、曲げ加工を部分的に施したい場合には、これらの可撓性マンドレルに直管を複合させることも可能であるが、冷却後のマンドレル抜き取り作業性を考慮すると、曲げ加工部分から先は可撓性マンドレルを連続させることが好ましい。
マンドレル外径と樹脂管内径の差は、大きければ曲げ加工時に大きな扁平を引き起こすものであり、少ない程好ましいものであるが、樹脂管への挿入および抜き取り作業性を考慮すると、1%〜3%樹脂管内径に対して外径が1%〜3%細いマンドレルが好適である。
曲げ加工製法における温浴の温度と時間は、樹脂管の構造、および、構成する熱可塑性樹脂材料によって異なるが、一般的には樹脂管を構成する熱可塑性樹脂の融点または軟化点以下でかつ60℃以上が好ましく、また時間としては10秒〜10分温浴に浸漬するのが好ましい。温浴に用いる液体としては、加工温度が100℃以下の場合には一般に水が用いられ、100℃を超える温度の場合には、水を加圧条件で用いるとか、あるいは樹脂管やかご筒を構成する樹脂を溶解させたり膨潤させたり、あるいは劣化させることがない、沸点が加工温度より高い有機媒体などを用いることができる。例えば樹脂管を構成する樹脂がLDPEの場合には、温浴に用いる液体としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレングリコール系オリゴマーの有機溶媒が曲げ加工が容易に行えること、更に折れが生じ難いことから特に好ましい。
そしてマンドレルを挿入した樹脂管を、温浴に浸漬した状態で、本発明で規定する曲げを付与する。曲げを付与した後、温浴から樹脂管を取り出し、そして冷却させた後にマンドレルを引き抜くことにより、本発明の小径曲がり継ぎ手が得られる。
加工処理の一例を例示すると、内径20φ肉厚2mmのLDPE製樹脂パイプを約90度に曲げ加工する場合では、110℃前後のジエチルグリコール液に30秒前後温浴させている間に曲げ加工を行うことにより良好な形状を得ることができる。
本発明による送液用小径曲がり継ぎ手は、当該硬度の熱可塑性樹脂管が本来有する可撓性に曲がり形状を付け加えることによって折れる(キンクする)ことなく、現場施工での位置合わせなど、所定の曲げ以外が求められる状況においても、伸ばしては直管、曲げてはU字管として、メーターおよび機器類に接続使用することが可能な小径曲がり継ぎ手であり、小径曲げ部において扁平をさせないものである。
また、本発明の送液用小径曲がり継ぎ手は、送液用として耐圧性能が求められる場合においては、かご状筒を有した構造であることが好ましく、デュロメータ硬度が65以上95以下の熱可塑性樹脂からなる管(内管)に対し、樹脂モノフィラメントを直接編組するか、事前に筒状に編組したかご状筒状体を挿入するか、して複合させる。複合工程は、曲げ加工の前または後のどちらかでも良く、容易に耐圧を付与させることが可能な構造でもある。さらに、これらの耐圧構造は、素線間および内管に対し接着固定されていないことが特徴となって、曲げ部外周側においては素線間で形成されるダイヤ状編み目形状が拡大し、内周側においては圧縮されることで、送液用小径曲がり継ぎ手として、曲げへの追随が良好である。
このように、本発明は、利便性に富み、流体の流れの進行方向を変える小径の曲がり管、特には、メーターおよび各種機器に接続するために、現場施工での位置合わせとして可撓性が要求される給水管に使用する送液用小径曲がり継ぎ手として適しており、有用である。
次に実施例により本発明を説明するが、該実施例により何ら制限を受けるものではない。
実施例1
内径20φ、肉厚2mm、デュロメータ硬度80度のLDPE樹脂管上に、素線径1.2φのPETモノフィラメントを24錘ブレーダーによって角度60度で編組し、裁断することで長さ300mmの耐圧樹脂管を得た。この耐圧樹脂管に外径19.6mmである金属製の可撓性マンドレル(電線保護管)500mmを挿入し、110℃に加熱したジエチルグリコール液に30秒温浴させながら耐圧樹脂管中央を支点として曲げ加工を施し、水冷後、内径20φ、外径28φ、曲げR30mm(曲げ半径が管直径の1.07倍)、曲げ角度90度の耐圧型送液用小径曲がり継ぎ手を得た。
実施例2
内径25φ、肉厚2mm、デュロメータ硬度80度のLDPE樹脂管上に、素線径1.2φのPETモノフィラメントを24錘ブレーダーによって角度58度で編組し、裁断することで長さ300mmの耐圧樹脂管を得た。この耐圧樹脂管に外径24.5mmである金属製の可撓性マンドレル(電線保護管)500mmを挿入し、110℃に加熱したジエチルグリコール液に30秒温浴させながら耐圧樹脂管中央を支点として曲げ加工を施し、水冷後、内径25φ、外径33φ曲げR30mm(曲げ半径が管直径の0.91倍)、曲げ角度90度の耐圧型送液用小径曲がり継ぎ手を得た。
比較例1
内径75φ、肉厚6mm(実施例とほぼ同等の肉厚比率)、デュロメータ硬度80度のLDPE樹脂管上に、素線径1.4φのPETモノフィラメントを36錘ブレーダーによって角度58度で編組し、裁断することで長さ300mmの耐圧樹脂管を得た。この耐圧樹脂管に外径74.0mmである金属製の可撓性マンドレル(電線保護管)500mmを挿入し、110℃に加熱したジエチルグリコール液に30秒温浴させながら耐圧樹脂管中央を支点として曲げ加工を施し、水冷後、内径75φ、外径92φ曲げR90mm(曲げ半径が管直径の0.98倍)、曲げ角度90度の耐圧型送液用小径曲がり継ぎ手を得た。
比較例2
内径20φ、肉厚2mm、デュロメータ硬度80度のLDPE樹脂管上に、素線径1.2φのPETモノフィラメントを24錘ブレーダーによって角度60度で編組し、裁断することで長さ300mmの耐圧樹脂直管を得た。
比較例3
内径25φ、肉厚2mm、デュロメータ硬度80度のLDPE樹脂管上に、素線径1.2φのPETモノフィラメントを24錘ブレーダーによって角度58度で編組し、裁断することで長さ300mmの耐圧樹脂直管を得た。
比較例4
デュロメーター硬度が65未満の樹脂管として硬度60、内径20φ、肉厚2mmのスチレン系エラストマーチューブ300mmを比較例4とした。
比較例5
デュロメーター硬度が95以上の樹脂管として硬度100、内径20φ、肉厚2mmの硬質PVC管300mmを比較例5とした。
実施例1、実施例2および比較例1の管が容易に直管化できるかを、一方の端部を固定した状態で、片手で伸ばし直管化することが可能かを検証した。(一方の端部を繋いだ状態で伸ばすという現場作業で実施)
結果として、実施例1および実施例2の樹脂管は共に片手での直管化が容易にできた。一方、比較例1は硬く、片手では直管化することはできなかった。
実施例1、実施例2、比較例2、比較例3、比較例4および比較例5の樹脂管を徐々に曲げU字状にすることが可能かを検証した。
結果として、実施例1および実施例2の樹脂管は容易にU字状180度曲げが可能であったが、比較例2の樹脂管では90度曲げ段階で、比較例3の樹脂管では75度曲げ段階で、比較例4では70度段階で折れ(キンク)を確認し、キンクなしの曲げは不可能であった。さらに、比較例5では、45度曲げた状態で管破壊(樹脂割れ)が確認された。
この様に、本発明の送液用小径曲がり継ぎ手は、300mmという短い長さに於いても、直管化およびU字状で代表される180度曲げが可能であり、当該硬度の熱可塑性樹脂管が本来有する可撓性に曲がり形状を付け加えることによって折れる(キンクする)ことなく、現場施工での位置合わせなど、所定の曲げ以外が求められる状況においても、伸ばしては直管、曲げてはU字管等として、メーターおよび機器類に接続使用することが可能な小径曲がり継ぎ手であり、小径曲げ部において扁平をさせない製造方法である。さらに、かご状筒によって耐圧性能を有する構造では、曲げ加工および製品可撓性がより良好である。
このように、本発明は、利便性に富み、流体の流れの進行方向を変える小径の曲がり管、特にメーターおよび各種機器に接続するために、現場施工での位置合わせとして可撓性が要求される給水管に使用する送液用小径曲がり継ぎ手として適しており、有用である。
本発明の1例を示す送液用小径曲がり継ぎ手の平面図。 本発明の1例を示す耐圧型送液用小径曲がり継ぎ手の平面図。 本発明の樹脂管とかご状筒の平面図。 本発明の曲げ加工した樹脂管とかご状筒の平面図。 本発明の曲げ加工方法の一部断面を含む平面図。 本発明の耐圧樹脂管の曲げ加工平面図。
符号の説明
1:樹脂管
2:カシメ部
3:ネジニップル
4:送液用小径曲がり継ぎ手
5:かご状筒
6:耐圧樹脂管
7:耐圧型送液用曲がり継ぎ手
8:マンドレル
9:温浴
10:拡大
11:圧縮

Claims (8)

  1. デュロメータ硬度が65〜95の熱可塑性樹脂からなる管であって、曲げが付与されており、口径が5mm〜60mmの範囲にある小径曲がり継ぎ手。
  2. 管上に、樹脂モノフィラメント素線の編組によって構成されたかご状筒が被せられており、かつ該樹脂モノフィラメント素線同士が交点において、さらに該樹脂モノフィラメント素線と該熱可塑性樹脂からなる管が実質的に接着されていない請求項1に記載の小径曲がり継ぎ手。
  3. 直管を曲げ角度0度とした時の、管の曲げ角度が30〜150度であり、曲げ半径が同管の直径の3倍以下である請求項1または2に記載の小径曲がり継ぎ手。
  4. 管を構成する熱可塑性樹脂が低密度ポリエチレンである請求項1〜3のいずれかに記載の小径曲がり継ぎ手。
  5. 請求項1〜4の小径曲がり継ぎ手が曲がり部に使用されている給水管。
  6. 給水管同士または給水管とメーターや機器を接続する現場で該接続を容易とするために、請求項1〜4のいずれかに記載の小径曲がり継ぎ手を同現場で更に曲げるまたは曲げを伸ばして、給水管、メーターまたは機器に接続することに特徴とする給水管の接続方法。
  7. デュロメータ硬度が65〜95の熱可塑性樹脂からなる直管状の管内に、ほぼ円形の断面を保ちながら曲げることができるマンドレルを挿入し、管内にマンドレルを留めた状態かつ同管を加熱した状態で曲げ加工を施し、その後にマンドレルを引き抜くことを特徴とする小径曲がり継ぎ手の製造方法。
  8. 曲げ加工の前または後に、樹脂モノフィラメント素線の編組によって構成され、かつ樹脂モノフィラメント素線同士の交点において該素線が接着されていないかご状筒を管上に被せる請求項7に記載の小径曲がり継ぎ手の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012031921A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Evuc Kk 耐圧パイプ
CN103953800A (zh) * 2014-05-13 2014-07-30 玉环县大正升洁具有限公司 可塑型出水管组件

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