JP2008094157A - ステアリング装置 - Google Patents

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洋斗 水谷
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Abstract

【課題】チルト摺動するコラム側面に大きな荷重が加わっても、チルト摺動部の潤滑油膜が切れず、チルト摺動部の耐久性を向上させたステアリング装置を提供する。
【解決手段】チルト摺動面31の周囲には、潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)32と弾性部材36、スペーサ7の内側面74によって囲まれた潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)321が形成されている。この潤滑油貯留空間321にグリース等の潤滑油を、潤滑油貯留空間321が潤滑油で満たされるように塗布する。潤滑油貯留空間321は、潤滑油貯留溝32と弾性部材36、スペーサ7の内側面74によって完全に囲まれた閉空間を構成している。従って、潤滑油貯留空間321に塗布したグリース等の潤滑油が、逃げ面331側に排出されることは無く、潤滑油貯留空間321に潤滑油が常に保持された状態を維持する。
【選択図】図7

Description

本発明はステアリング装置、特に、運転者の体格や運転姿勢に応じて、電動アクチュエータを動力源として、ステアリングホイールのチルト位置を調整することができるチルト位置調整式のステアリング装置に関する。
運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイールの上下方向位置を調整する為の装置として、チルト式ステアリング装置と呼ばれるステアリング装置がある。また、ステアリングホイールの上下方向位置と前後方向位置の両方の位置を調整する為の装置として、チルト・テレスコピック式ステアリング装置と呼ばれるステアリング装置がある。
このようなステアリング装置では、ステアリング装置の剛性を確保すると共に、チルト位置調整を円滑に行わせるために、コラムと車体取付けブラケットとの間のチルト摺動部の隙間のガタを無くしている。
特許文献1のステアリング装置は、コラムと車体取付けブラケットとの間のチルト摺動部の隙間を調整可能なステアリング装置である。特許文献1に示すステアリング装置では、コラムと車体取付けブラケットとの間の隙間にスペーサを介挿し、調整ねじでスペーサをコラムに押し付けることで、チルト摺動部の隙間のガタを無くしている。
特許文献1に示す従来のステアリング装置では、コラムと車体取付けブラケットとの間のチルト摺動部をクランプするクランプ装置が無い。従って、コラムの横方向の剛性を大きくするためには、スペーサを押し付けるための調整ねじの押し付け力を大きくする必要がある。
しかし、押し付け力を大きくすると、チルト摺動面に塗布したグリース等の潤滑油が、チルト摺動面から排出され易くなる。その結果、潤滑油膜が切れて、チルト摺動面がメタルコンタクトし、チルト摺動面が傷ついて、チルト位置調整に必要なモータトルクが増大し、チルト位置調整ができなくなる恐れがあった。
また、運転者がステアリングホイ−ルを操作する力を軽減するために、電動パワーステアリング装置(操舵力補助装置)が備えられることが多い。特許文献1に示すようなステアリング装置に、この電動パワーステアリング装置を付加すると、特に車体重量が大きな車では、電動パワーステアリング装置の補助トルクが大きいため、車輪からコラムに伝達される反力も大きく、コラム全体を捩じる力が加わる。
コラム全体を捩じる力が加わると、チルト摺動するコラムの左右の側面の上端及び下端の角に、大きな繰り返し荷重が加わる。そのため、潤滑油膜が切れて、チルト摺動面がメタルコンタクトし、チルト摺動面が傷ついて、チルト位置調整に必要なモータトルクが増大し、チルト位置調整ができなくなる恐れがあった。
特開2002−2503号公報
本発明は、チルト摺動するコラム側面に大きな荷重が加わっても、チルト摺動部の潤滑油膜が切れず、チルト摺動部の耐久性を向上させたステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、車体後方側にステアリングホイールが装着されるステアリングシャフト、車体に取り付け可能な車体取付けブラケットの左右の側板にチルト摺動可能に挟持され、上記ステアリングシャフトを回転可能に軸支するとともに、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整、または、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整と、上記ステアリングシャフトの中心軸線に沿ったテレスコピック位置調整の両方が可能なコラム、チルト用モータ、上記チルト用モータの駆動力によって上記コラムをチルト位置調整するチルト駆動機構、上記コラムに形成され、上記車体取付けブラケットの左右の側板にチルト摺動可能に挟持された左右の側面、上記コラムの左右の側面に形成され、上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面にチルト摺動可能に接触するチルト摺動面、上記チルト摺動面の周囲に形成された弾性部材収容溝、上記弾性部材収容溝に収容され、上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面と弾性部材収容溝との間に弾性変形して挟持された弾性部材、上記弾性部材の内周、チルト摺動面の外周、及び、車体取付けブラケットの左右の側板の内側面との間に形成され、潤滑油が貯留可能な第1の潤滑油貯留空間を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第2番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記チルト摺動面の外周と弾性部材収容溝の内周との間に形成され、上記チルト摺動面よりもコラムの中心軸線側に引っ込んで形成された第1の潤滑油貯留溝を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第3番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記チルト摺動面の周囲の上端と弾性部材収容溝の内周との間、及び、チルト摺動面の周囲の下端と弾性部材収容溝の内周との間に形成され、上記チルト摺動面よりもコラムの中心軸線側に引っ込んで形成された第1の潤滑油貯留溝を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第4番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記弾性部材収容溝は断面形状がコの字状に形成され、断面が円形の弾性部材が収容されていることを特徴とするステアリング装置である。
第5番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記弾性部材収容溝は断面形状がコの字状に形成され、断面が矩形形状の弾性部材が収容されていることを特徴とするステアリング装置である。
第6番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記チルト摺動面にチルト摺動面よりもコラムの中心軸線側に引っ込んで形成された第2の潤滑油貯留溝と上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面との間に形成され、潤滑油が貯留可能な第2の潤滑油貯留空間を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第7番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記弾性部材は、上記弾性部材収容溝内で上記コラムのチルト摺動方向に移動可能に収容されていることを特徴とするステアリング装置である。
第8番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記弾性部材収容溝の周囲に形成され、上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面との間に隙間を有して形成された逃げ面を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第9番目の発明は、第8番目の発明のステアリング装置において、上記弾性部材収容溝は断面形状が略半円形に形成され、上記弾性部材は、上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面と上記逃げ面との間の隙間に挟持される平板部と、弾性部材収容溝に嵌合する半円形部を有することを特徴とするステアリング装置である。
第10番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記ステアリングシャフトに作用するトルクを検出して所要の操舵補助力を付与する電動アシスト機構を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
本発明のステアリング装置では、コラムの左右の側面に形成され、車体取付けブラケットの左右の側板の内側面にチルト摺動可能に接触するチルト摺動面と、チルト摺動面の周囲に形成された弾性部材収容溝と、弾性部材収容溝に収容され、車体取付けブラケットの左右の側板の内側面と弾性部材収容溝との間に弾性変形して挟持された弾性部材と、弾性部材の内周、チルト摺動面の外周、及び、車体取付けブラケットの左右の側板の内側面との間に形成され、潤滑油が貯留可能な第1の潤滑油貯留空間を備えている。従って、チルト摺動するコラム側面に大きな荷重が加わっても、チルト摺動部の潤滑油膜が切れず、チルト摺動部の耐久性が向上する。
以下の実施例では、ステアリングホイールの上下方向位置と前後方向位置の両方の位置を調整する、チルト・テレスコピック式のステアリング装置に本発明を適用した例について説明する。
図1は本発明のステアリング装置101を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。ステアリング装置101は、ステアリングシャフト102を回動自在に軸支している。ステアリングシャフト102には、その上端(車体後方側)にステアリングホイール103が装着され、ステアリングシャフト102の下端(車体前方側)には、ユニバーサルジョイント104を介して中間シャフト105が連結されている。
中間シャフト105には、その下端にユニバーサルジョイント106が連結され、ユニバーサルジョイント106には、ラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ107が連結されている。
運転者がステアリングホイール103を回転操作すると、ステアリングシャフト102、ユニバーサルジョイント104、中間シャフト105、ユニバーサルジョイント106を介して、その回転力がステアリングギヤ107に伝達され、ラックアンドピニオン機構を介して、タイロッド108を移動し、車輪の操舵角を変えることができる。
図2は本発明の実施例1のステアリング装置101の要部を示す正面図である。図3は図2のP矢視図である。図4は図2のA−A断面図であって、チルト駆動機構の要部を示す。図5は図2のB−B断面図であって、本発明の実施例1の車体取付けアッパーブラケットとコラムとの間のチルト摺動部を示す。図6は本発明の実施例1のロアーコラム3の左側面33の形状を示す図5のQ矢視図であって、車体取付けアッパーブラケット2の左側板22及びスペーサ7の一部を破断して示す拡大正面図である。図7は図5のR部拡大断面図である。
図2から図7に示すように、本発明の実施例1のステアリング装置101は、車体取付けアッパーブラケット2、ロアーコラム(アウターコラム)3、操舵補助部37(電動アシスト機構)、アッパーコラム(インナーコラム)4等から構成されている。
車体後方側の車体取付けアッパーブラケット2は、その上板21が車体11に固定されている。ロアーコラム3の車体前方側(左側)には、操舵補助部(電動アシスト機構)37のハウジング371の右端をボルトによる締結によって固定される。ロアーコラム3と操舵補助部37の固定はボルト締結に限らず圧入でもよい。操舵補助部37は、電動モータ372、減速ギヤボックス部373、出力軸374等から構成されている。操舵補助部37は、下部車体取付けブラケット375によって、チルト中心軸376を介して車体11に、チルト位置調整(図2の紙面に平行な平面内で揺動)可能に支持されている。
ロアーコラム3の内周には、アッパーコラム4がテレスコピック位置調整(ロアーコラム3の中心軸線に平行に摺動)可能に嵌合している。アッパーコラム4には、上部ステアリングシャフト102Aが回動可能に軸支され、上部ステアリングシャフト102Aの車体後方側(図2の右側)端部には、ステアリングホイール103(図1参照)が固定されている。
ロアーコラム3には、図示しない下部ステアリングシャフトが回動可能に軸支され、下部ステアリングシャフトは上部ステアリングシャフト102Aとスプライン嵌合している。従って、アッパーコラム4のテレスコピック位置に関わらず、上部ステアリングシャフト102Aの回転が下部ステアリングシャフトに伝達される。
操舵補助部37は、下部ステアリングシャフトに作用するトルクを検出し、電動モータ372を駆動して、出力軸374を所要の操舵補助力で回転させ、車体前方側に接続される図示しない中間シャフトを経由して、ステアリングギヤに連結され、車輪の操舵角を変えることができる。
車体取付けアッパーブラケット2の上板21には、上板21から下方に平行に延びる左側板22と右側板23が形成されている。左側板22、右側板23の内側面221、231に、ロアーコラム3の左側面33と右側面34がチルト摺動可能に挟持されている。すなわち、ロアーコラム3の右側面34は、車体取付けアッパーブラケット2の右側板23の内側面231に直接当接している。
また、左側板22、右側板23の下端は下板24によって連結され、上板21、左側板22、右側板23、下板24によって閉じた矩形形状を形成し、車体取付けアッパーブラケット2の剛性を向上させている。
ロアーコラム3の下面外周には、テレスコ位置調整を行うテレスコ駆動機構5が取付けられている。また、車体取付けアッパーブラケット2の左側板22、右側板23の下方には、チルト位置調整を行うチルト駆動機構6が取付けられている。
チルト駆動機構6用のチルト用モータ61の出力軸に取付けられたウォーム62(図4参照)が、送りねじ軸63の下方に取付けられたウォームホイール64に噛み合って、チルト用モータ61の回転を送りねじ軸63に伝達している。
送りねじ軸63は、チルト用モータ61の中心軸線に対して垂直(図2から図4の上下方向)に延び、その上端と下端が、軸受631、632によって車体取付けアッパーブラケット2に回転可能に軸支されている。送りねじ軸63の外周に形成された雄ねじには、送りナット65が螺合している。
送りナット65には、図4の紙面に直交する方向に、ナットホルダ652が摺動可能に外嵌し、このナットホルダ652にはチルト駆動力伝達突起651が一体的に形成されている。このチルト駆動力伝達突起651は、ロアーコラム3の中心軸線に向かって突出し、ロアーコラム3に形成された係合孔66に、チルト駆動力伝達突起651の先端が嵌入している。
従って、チルト位置調整時のロアーコラム3の円弧運動と送りナット65の直線運動との間の位置のずれを吸収可能である。送りねじ軸63が回転すると、送りナット65及びチルト駆動力伝達突起651は、垂直方向に直線運動を行い、チルト中心軸376を支点として、ロアーコラム3が円弧状の軌跡に沿って揺動(図2の紙面に平行な平面内で揺動)する。
ロアーコラム3の下面外周には、テレスコ用モータ51が取付けられている。ロアーコラム3の下面外周には、ロアーコラム3の中心軸線に平行に送りねじ軸52が固定され、送りねじ軸52の車体後方端(図2の右端)が、アッパーコラム4の車体後方端に固定されたフランジ41の下端に連結されている。
テレスコ用モータ51の図示しない出力軸に取付けられたウォームの回転が、図示しないウォームホイールに伝達され、送りねじ軸52に螺合する図示しない送りナットを回転させる。この送りナットの回転で送りねじ軸52を往復移動(図2の左右方向の移動)して、アッパーコラム4をテレスコピック位置調整する。
図3及び図5に示すように、ロアーコラム3の左側面33と、車体取付けアッパーブラケット2の左側板22の内側面221との間には、スペーサ7が介挿されている。すなわち、ロアーコラム3の左側面33には、スペーサ7の内側面74が当接している。また、図2に示すように、平板状のスペーサ7は矩形に形成されている。
車体取付けアッパーブラケット2の左側板22には、図5の上下方向(チルト位置調整方向)に離間して2個の雌ねじ25、25が形成され、雌ねじ25、25は、左側板22を貫通している。雌ねじ25、25には、調整ねじ8、8の雄ねじ81、81がねじ込まれている。調整ねじ8、8の右端には、雄ねじ81、81の外径よりも小径の軸部82、82が形成されている。
スペーサ7には、雌ねじ25、25の上下方向の間隔と同一間隔で2個の貫通孔72、72が形成され、この貫通孔72、72の内径は、軸部82、82の外径よりも若干大きめに形成されている。従って、軸部82、82と貫通孔72、72の位相が一致したところで、調整ねじ8、8の雄ねじ81、81をねじ込めば、軸部82、82が貫通孔72、72に嵌入する。
調整ねじ8、8の雄ねじ81、81を更にねじ込めば、雄ねじ81、81と軸部82、82の段差面が、スペーサ7の外側面73に当接して、スペーサ7をロアーコラム3の左側面33に向って押し付けることができる。その結果、製造誤差等によって、車体取付けアッパーブラケット2の内側面221とロアーコラム3の左側面33との間の間隔が傾斜していても、調整ねじ8、8の雄ねじ81、81のねじ込み量を適宜調整すれば、ロアーコラム3の左側面33にスペーサ7の内側面74を均等に当接させることができる。
その結果、スペーサ7が、車体取付けアッパーブラケット2の内側面221とロアーコラム3の左側面33の所定位置に保持される。調整ねじ8、8の調整が完了したら、ロックナット83、83を雄ねじ81、81にねじ込んで、調整ねじ8、8を緩み止めする。
従って、ロアーコラム3と右側板23、及び、ロアーコラム3とスペーサ7との間のチルト摺動抵抗を所望の摺動抵抗に設定でき、かつ、チルト角度にかかわらず、チルト動作中のチルト摺動抵抗が一定に維持される。
本発明の実施例1では、図5から図7に示すように、ロアーコラム3の左側面33及び右側面34の上下方向の中央部に、矩形のチルト摺動面31が形成されている。チルト摺動面31は、ロアーコラム3の左側面33の左方(スペーサ7の内側面74側)に、及び、右側面34の右方(右側板23の内側面231側)に突出して形成されている。左側面33側のチルト摺動面31は、スペーサ7の内側面74に接触し、右側面34側のチルト摺動面31は、右側板23の内側面231に接触し、互いにチルト摺動可能なチルト摺動部を構成している。
左側面33側のチルト摺動面31、及び、右側面34側のチルト摺動面31は、同一形状に形成されている。従って、以下の説明では、左側面33側のチルト摺動面31について詳細に説明し、右側面34側のチルト摺動面31についての詳細な説明は省略する。
チルト摺動面31の周囲には、チルト摺動面31の全周にわたって、潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)32が形成されている。潤滑油貯留溝32は、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に、図7の断面図に示すように、断面形状が矩形に形成され、図6で見て、矩形環状に形成されている。
また、潤滑油貯留溝32の周囲には、潤滑油貯留溝32の全周にわたって、弾性部材収容溝35が形成されている。弾性部材収容溝35は、図7の断面図に示すように断面形状がコの字状で、潤滑油貯留溝32よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、図6で見て、四隅が円弧状に面取りされた矩形環状に形成されている。
弾性部材収容溝35には、合成ゴムや合成樹脂等の弾性材料で成型され、断面が円形の弾性部材(Oリング)36が収容されている。弾性部材36は、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35との間に、弾性変形して挟持され、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35に、常に接触した状態に維持され、チルト位置調整時に、ロアーコラム3と共にチルト摺動する。
また、弾性部材収容溝35の周囲には、弾性部材収容溝35の全周にわたって、逃げ面331が形成されている。逃げ面331は、図7の断面図に示すように、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、スペーサ7の内側面74との間に、常に隙間δを有している。
従って、弾性部材36によって囲まれた左側面33側のチルト摺動面31だけが、スペーサ7の内側面74に接触し、スペーサ7の内側面74との間で、互いにチルト摺動可能なチルト摺動部を構成している。
チルト摺動面31の周囲には、潤滑油貯留溝32と弾性部材36、スペーサ7の内側面74によって囲まれた潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)321が形成されている。ステアリング装置の組み付け時に、潤滑油貯留空間321にグリース等の潤滑油を、潤滑油貯留空間321が潤滑油で満たされるように塗布する。
ロアーコラム3の横方向の剛性を大きくするために、スペーサ7を押し付けるための調整ねじ8、8の押し付け力を大きくする。すると、左側面33側のチルト摺動面31とスペーサ7の内側面74との間、及び、右側面34側のチルト摺動面31と右側板23の内側面231との間のチルト摺動部の面圧が大きくなる。
しかし、潤滑油貯留空間321は、潤滑油貯留溝32と弾性部材36、スペーサ7の内側面74によって完全に囲まれた閉空間を構成している。従って、潤滑油貯留空間321に塗布したグリース等の潤滑油が、逃げ面331側に排出されることは無く、潤滑油貯留空間321に潤滑油が常に保持された状態を維持する。
その結果、左側面33側のチルト摺動面31とスペーサ7の内側面74との間、及び、右側面34側のチルト摺動面31と右側板23の内側面231との間のチルト摺動部には、常に潤滑油が供給される。そのため、チルト摺動部には常に潤滑油膜が形成され、チルト摺動部の損傷が防止されて、チルト位置調整に必要なモータトルクも安定し、チルト位置調整を常に円滑に行うことができる。
また、このステアリング装置101で、ステアリングホイール103を操舵すると、操舵補助部37の電動モータ372が駆動して、出力軸374に所要の操舵補助トルクが作用し、車輪の操舵角を変える。すると、車輪からロアーコラム3に伝達される反力によって、ロアーコラム3全体を捩じる力が加わり、ロアーコラム3が、ロアーコラム3の中心軸線を中心として回転する。すると、コラム全体を捩じる力が加わって、チルト摺動するロアーコラム3の左側面33及び右側面34の上端及び下端の角に、大きな繰り返し荷重が加わる。
しかし、弾性部材収容溝35の周囲には、弾性部材収容溝35の全周にわたって、逃げ面331が形成され、逃げ面331は、スペーサ7の内側面74との間に常に隙間δを有している。また、左側面33側のチルト摺動面31とスペーサ7の内側面74との間、及び、右側面34側のチルト摺動面31と右側板23の内側面231との間のチルト摺動部には、常に潤滑油が供給される。
そのため、潤滑油膜が切れてチルト摺動部がメタルコンタクトすることが無く、チルト摺動部の損傷が防止されて、チルト位置調整に必要なモータトルクも安定し、チルト位置調整を常に円滑に行うことができる。
このステアリング装置101で、ステアリングホイール103のチルト位置を調整する必要が生じると、運転者は図示しないスイッチを操作して、チルト用モータ61を正逆いずれかの方向に回転させる。すると、チルト用モータ61の回転によって送りねじ軸63が回転し、送りナット65が直線運動を行う。
すると送りナット65に外嵌するナットホルダ652が直線運動を行う。ナットホルダ652に一体的に形成されたチルト駆動力伝達突起651は、ロアーコラム3の係合孔66に係合しているから、ロアーコラム3は、チルト中心軸376を支点として上方または下方にチルト移動する。
また、このステアリング装置101で、ステアリングホイール103のテレスコピック位置を調整する必要が生じると、運転者は図示しないスイッチを操作して、テレスコ用モータ51を正逆いずれかの方向に回転させる。すると、テレスコ用モータ51の回転によって、ロアーコラム3の中心軸線に平行に送りねじ軸52が移動することで、アッパーコラム4がテレスコピック移動を行う。
次に本発明の実施例2について説明する。図8は図2のB−B断面図相当であって、本発明の実施例2の車体取付けアッパーブラケットとコラムとの間のチルト摺動部を示す。図9は本発明の実施例2のロアーコラム3の左側面33の形状を示す図8のS矢視図であって、車体取付けアッパーブラケット2の左側板22及びスペーサ7の一部を破断して示す拡大正面図である。図10は図8のT部拡大断面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例2は、実施例1の潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)32に追加して、チルト摺動面31にも、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ潤滑油貯留溝(第2の潤滑油貯留溝)を形成し、潤滑油貯留溝(第2の潤滑油貯留溝)とスペーサ7の内側面74によって囲まれた追加の潤滑油貯留空間(第2の潤滑油貯留空間)を形成した例である。
図8から図10に示すように、本発明の実施例2では、実施例1と同様に、ロアーコラム3の左側面33及び右側面34の上下方向の中央部に、矩形のチルト摺動面31、チルト摺動面31の周囲に潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)32、潤滑油貯留溝32の周囲に弾性部材収容溝35が形成され、弾性部材収容溝35には、断面が円形の弾性部材(Oリング)36が収容されている。
また、実施例1と同様に、弾性部材収容溝35の周囲には、弾性部材収容溝35の全周にわたって、逃げ面331が形成され、チルト摺動面31の周囲には、潤滑油貯留溝32と弾性部材36、スペーサ7の内側面74によって囲まれた潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)321が形成されている。
チルト摺動面31の中央部には、追加の潤滑油貯留溝(第2の潤滑油貯留溝)38が形成されている。潤滑油貯留溝38は、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に、図10の断面図に示すように、断面形状がコの字状に形成され、図9で見て、矩形に形成されている。
この潤滑油貯留溝38とスペーサ7の内側面74によって囲まれて、潤滑油貯留空間(第2の潤滑油貯留空間)381が形成されている。実施例2のステアリング装置の組み付け時に、潤滑油貯留空間321、及び、潤滑油貯留空間381に、グリース等の潤滑油を、潤滑油貯留空間321、及び、潤滑油貯留空間381が潤滑油で満たされるように塗布する。
実施例2では、潤滑油貯留空間(第2の潤滑油貯留空間)381が追加されたため、実施例1よりも潤滑油の保持量が多くなり、長期間にわたって潤滑油が切れることが無い。また、潤滑油貯留空間321及び381は、弾性部材36とスペーサ7の内側面74によって完全に囲まれた閉空間を構成している。従って、潤滑油貯留空間321、381に塗布したグリース等の潤滑油が、逃げ面331側に排出されることは無く、潤滑油貯留空間321、381に潤滑油が常に保持された状態を維持する。
その結果、左側面33側のチルト摺動面31とスペーサ7の内側面74との間、及び、右側面34側のチルト摺動面31と右側板23の内側面231との間のチルト摺動部には、常に潤滑油が供給される。そのため、チルト摺動部には常に潤滑油膜が形成され、チルト摺動部の損傷が防止されて、チルト位置調整に必要なモータトルクも安定し、チルト位置調整を常に円滑に行うことができる。
次に本発明の実施例3について説明する。図11は本発明の実施例3のロアーコラム3の左側面33の形状を示す図8のS矢視図相当であって、車体取付けアッパーブラケット2の左側板22及びスペーサ7の一部を破断して示す拡大正面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例3は、実施例2の変形例であって、実施例2の潤滑油貯留溝32及び潤滑油貯留溝38の形状を変更した例である。
図11に示すように、本発明の実施例3では、実施例2と同様に、ロアーコラム3の左側面33及び右側面34の上下方向の中央部に、矩形のチルト摺動面31が形成されている。実施例3の断面形状は、実施例2の図10と同一形状なので図示を省略する。
チルト摺動面31の周囲には、チルト摺動面31の上端及び下端だけに、潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)32A、32Aが形成されている。潤滑油貯留溝32A、32Aは、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に、断面形状が実施例2と同様な矩形に形成され、図11で見て、左右方向に直線状に形成されている。
また、上端側の潤滑油貯留溝32Aの上部、下端側の潤滑油貯留溝32Aの下部、チルト摺動面31の左右には、弾性部材収容溝35が形成されている。弾性部材収容溝35は、実施例2と同様に断面形状がコの字状で、潤滑油貯留溝32A、32Aよりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、図11で見て、四隅が円弧状に面取りされた矩形環状に形成されている。
弾性部材収容溝35には、合成ゴムや合成樹脂等の弾性材料で成型され、断面が円形の弾性部材(Oリング)36が収容されている。弾性部材36は、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35との間に、弾性変形して挟持され、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35に、常に接触した状態に維持され、チルト位置調整時に、ロアーコラム3と共にチルト摺動する。
また、弾性部材収容溝35の周囲には、弾性部材収容溝35の全周にわたって、逃げ面331が形成されている。逃げ面331は、実施例2と同様に、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、スペーサ7の内側面74との間に、常に隙間δを有している。
従って、弾性部材36によって囲まれた左側面33側のチルト摺動面31だけが、スペーサ7の内側面74に接触し、スペーサ7の内側面74との間で、互いにチルト摺動可能なチルト摺動部を構成している。
チルト摺動面31の上端及び下端には、潤滑油貯留溝32A、32Aと弾性部材36、スペーサ7の内側面74によって囲まれて、潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)321A、321Aが形成されている。
チルト摺動面31の中央部には、追加の潤滑油貯留溝(第2の潤滑油貯留溝)38Aが形成されている。潤滑油貯留溝38Aは、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に、実施例2と同様に、断面形状がコの字状に形成され、図11で見て、チルト摺動面31の左右の側面に開口して、矩形に形成されている。
この潤滑油貯留溝38Aと弾性部材36、スペーサ7の内側面74によって囲まれて、潤滑油貯留空間(第2の潤滑油貯留空間)381Aが形成されている。実施例3のステアリング装置の組み付け時に、潤滑油貯留空間321A、321A、及び、潤滑油貯留空間381Aに、グリース等の潤滑油を、潤滑油貯留空間321A、321A、及び、潤滑油貯留空間381Aが潤滑油で満たされるように塗布する。
実施例3では、実施例2と同様に、潤滑油貯留空間(第2の潤滑油貯留空間)381Aが追加されたため、実施例1よりも潤滑油の保持量が多くなり、長期間にわたって潤滑油が切れることが無い。
また、潤滑油貯留空間321A、321A、及び、381Aは、弾性部材36とスペーサ7の内側面74によって完全に囲まれた閉空間を構成しているため、潤滑油貯留空間321A、321A、381Aに塗布したグリース等の潤滑油が、逃げ面331側に排出されることは無く、潤滑油貯留空間321A、321A、381Aに潤滑油が常に保持された状態を維持する。
その結果、左側面33側のチルト摺動面31とスペーサ7の内側面74との間、及び、右側面34側のチルト摺動面31と右側板23の内側面231との間のチルト摺動部には、常に潤滑油が供給される。そのため、チルト摺動部には常に潤滑油膜が形成され、チルト摺動部の損傷が防止されて、チルト位置調整に必要なモータトルクも安定し、チルト位置調整を常に円滑に行うことができる。
次に本発明の実施例4について説明する。図12は本発明の実施例4のロアーコラム3の左側面33の形状を示す図8のT部拡大断面図相当である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例4は、実施例2の変形例であって、弾性部材36の材質と形状を変更した例である。図12に示すように、本発明の実施例4では、実施例2と同様に、ロアーコラム3の左側面33及び右側面34の上下方向の中央部に、矩形のチルト摺動面31、チルト摺動面31の周囲に潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)32が形成されている。
潤滑油貯留溝32の周囲には、潤滑油貯留溝32の全周にわたって、逃げ面331が形成されている。逃げ面331は、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、スペーサ7の内側面74との間に、常に隙間δを有している。
逃げ面331には、潤滑油貯留溝32から外側に離間して、弾性部材収容溝35Aが形成されている。弾性部材収容溝35Aは、図12の断面図に示すように断面形状が略半円形で、潤滑油貯留溝32よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、実施例2と同様に、側面から見て、四隅が円弧状に面取りされた矩形環状に形成されている。
弾性部材収容溝35Aには、弾性材料である合成樹脂で成型された弾性部材36Aが収容されている。弾性部材36Aは、逃げ面331とスペーサ7の内側面74との間の隙間δに挟持される平板部361Aと、弾性部材収容溝35Aに嵌合する半円形部362Aで構成されている。そして、弾性部材36Aは、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35Aとの間に、弾性変形して挟持され、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35Aに、常に接触した状態に維持され、チルト位置調整時に、ロアーコラム3と共にチルト摺動する。
従って、弾性部材36Aによって囲まれた左側面33側のチルト摺動面31だけが、スペーサ7の内側面74に接触し、スペーサ7の内側面74との間で、互いにチルト摺動可能なチルト摺動部を構成している。
チルト摺動面31の周囲には、潤滑油貯留溝32と弾性部材36A、スペーサ7の内側面74によって囲まれた潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)322Aが形成されている。また、実施例2と同様に、潤滑油貯留溝(第2の潤滑油貯留溝)38とスペーサ7の内側面74によって囲まれて、潤滑油貯留空間(第2の潤滑油貯留空間)381が形成されている。
実施例4のステアリング装置の組み付け時に、潤滑油貯留空間322A、及び、潤滑油貯留空間381に、グリース等の潤滑油を、潤滑油貯留空間322A、及び、潤滑油貯留空間381が潤滑油で満たされるように塗布する。
実施例4では、潤滑油貯留空間322A及び381は、弾性部材36Aとスペーサ7の内側面74によって完全に囲まれた閉空間を構成している。従って、潤滑油貯留空間322A、381に塗布したグリース等の潤滑油が、逃げ面331側に排出されることは無く、潤滑油貯留空間322A、381に潤滑油が常に保持された状態を維持する。
その結果、左側面33側のチルト摺動面31とスペーサ7の内側面74との間、及び、右側面34側のチルト摺動面31と右側板23の内側面231との間のチルト摺動部には、常に潤滑油が供給される。そのため、チルト摺動部には常に潤滑油膜が形成され、チルト摺動部の損傷が防止されて、チルト位置調整に必要なモータトルクも安定し、チルト位置調整を常に円滑に行うことができる。
次に本発明の実施例5について説明する。図13は本発明の実施例5のロアーコラム3の左側面33の形状を示す図8のT部拡大断面図相当である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例5は、実施例2の変形例であって、弾性部材36の材質と形状を変更した例である。図13に示すように、本発明の実施例5では、実施例2と同様に、ロアーコラム3の左側面33及び右側面34の上下方向の中央部に、矩形のチルト摺動面31、チルト摺動面31の周囲に潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)32が形成されている。
潤滑油貯留溝32の周囲には、潤滑油貯留溝32の全周にわたって、弾性部材収容溝35Bが形成されている。弾性部材収容溝35Bは、図13の断面図に示すように断面形状がコの字状で、潤滑油貯留溝32よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、実施例2と同様に、側面から見て、四隅が円弧状に面取りされた矩形環状に形成されている。
弾性部材収容溝35Bには、弾性材料であるテフロン(登録商標)等の合成樹脂で成型された弾性部材36Bが収容されている。弾性部材36Bは、弾性部材収容溝35Bに密着して嵌合するように、断面が矩形形状で、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35Bとの間に、弾性変形して挟持され、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35Bに、常に接触した状態に維持され、チルト位置調整時に、ロアーコラム3と共にチルト摺動する。
また、弾性部材収容溝35Bの周囲には、弾性部材収容溝35Bの全周にわたって、逃げ面331が形成されている。逃げ面331は、図13の断面図に示すように、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、スペーサ7の内側面74との間に、常に隙間δを有している。
従って、弾性部材36Bによって囲まれた左側面33側のチルト摺動面31だけが、スペーサ7の内側面74に接触し、スペーサ7の内側面74との間で、互いにチルト摺動可能なチルト摺動部を構成している。
チルト摺動面31の周囲には、潤滑油貯留溝32と弾性部材36B、スペーサ7の内側面74によって囲まれた潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)322Aが形成されている。また、実施例2と同様に、潤滑油貯留溝(第2の潤滑油貯留溝)38とスペーサ7の内側面74によって囲まれて、潤滑油貯留空間(第2の潤滑油貯留空間)381が形成されている。
実施例5のステアリング装置の組み付け時に、潤滑油貯留空間322A、及び、潤滑油貯留空間381に、グリース等の潤滑油を、潤滑油貯留空間322A、及び、潤滑油貯留空間381が潤滑油で満たされるように塗布する。
実施例5では、潤滑油貯留空間322A及び381は、弾性部材36Bとスペーサ7の内側面74によって完全に囲まれた閉空間を構成している。従って、潤滑油貯留空間322A、381に塗布したグリース等の潤滑油が、逃げ面331側に排出されることは無く、潤滑油貯留空間322A、381に潤滑油が常に保持された状態を維持する。
その結果、左側面33側のチルト摺動面31とスペーサ7の内側面74との間、及び、右側面34側のチルト摺動面31と右側板23の内側面231との間のチルト摺動部には、常に潤滑油が供給される。そのため、チルト摺動部には常に潤滑油膜が形成され、チルト摺動部の損傷が防止されて、チルト位置調整に必要なモータトルクも安定し、チルト位置調整を常に円滑に行うことができる。
次に本発明の実施例6について説明する。図14は本発明の実施例6のロアーコラム3の左側面33の形状を示す図5のR部拡大断面図相当である。図15は図14のチルト位置調整動作時の弾性部材の動作を示す図5のR部拡大断面図相当である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例6は、実施例1の変形例であって、チルト位置調整動作中に弾性部材36が弾性部材収容溝内で移動して、潤滑油貯留空間内の潤滑油をチルト摺動面31に積極的に押し出して供給するようにした例である。
図14に示すように、本発明の実施例6では、実施例1と同様に、ロアーコラム3の左側面33及び右側面34の上下方向の中央部に、矩形のチルト摺動面31、チルト摺動面31の周囲に潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)32が形成されている。
潤滑油貯留溝32の周囲には、潤滑油貯留溝32の全周にわたって、弾性部材収容溝35Cが形成されている。弾性部材収容溝35Cは、図14の断面図に示すように断面形状がコの字状で、上下方向の幅が実施例1よりも広く形成されている。また、弾性部材収容溝35Cは、潤滑油貯留溝32よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、実施例2と同様に、側面から見て、四隅が円弧状に面取りされた矩形環状に形成されている。
弾性部材収容溝35Cには、合成ゴムや合成樹脂等の弾性材料で成型され、断面が円形の弾性部材(Oリング)36が収容されている。弾性部材36は、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35Cとの間に、弾性変形して挟持され、スペーサ7の内側面74と弾性部材収容溝35Cに、常に接触した状態に維持されている。
弾性部材収容溝35Cは、上下方向の幅が実施例1よりも広く形成されているため、弾性部材収容溝35Cの下端と弾性部材36の下端との間には、隙間βが形成されている。
また、弾性部材収容溝35Cの周囲には、弾性部材収容溝35Cの全周にわたって、逃げ面331が形成されている。逃げ面331は、実施例1と同様に、チルト摺動面31よりもロアーコラム3の中心軸線側に引っ込んだ位置に形成され、スペーサ7の内側面74との間に、常に隙間δを有している。
従って、弾性部材36によって囲まれた左側面33側のチルト摺動面31だけが、スペーサ7の内側面74に接触し、スペーサ7の内側面74との間で、互いにチルト摺動可能なチルト摺動部を構成している。
チルト摺動面31の周囲には、潤滑油貯留溝32と弾性部材36、スペーサ7の内側面74によって囲まれた潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)323Aが形成されている。潤滑油貯留空間323Aの体積は、実施例1の潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)321の体積よりも大きく形成されている。
実施例6のステアリング装置の組み付け時に、潤滑油貯留空間323Aにグリース等の潤滑油を、潤滑油貯留空間323Aが潤滑油で満たされるように塗布する。
チルト位置調整を行い、ロアーコラム3を図15の上方(矢印U1方向)に移動させると、弾性部材36が図15の下方(矢印U2方向)に移動する。その結果、潤滑油貯留空間323Aの体積が減少するため、潤滑油貯留空間323A内の潤滑油が、チルト摺動面31に積極的に押し出されて供給される。そのため、チルト摺動部には常に潤滑油膜が形成され、チルト摺動部の損傷が防止されて、チルト位置調整に必要なモータトルクも安定し、チルト位置調整を常に円滑に行うことができる。
上記実施例では、ロアーコラム3がアウターコラム、アッパーコラム4がインナーコラムで構成されているが、ロアーコラム3をインナ−コラム、アッパーコラム4をアウターコラムにしてもよい。
また、本発明の実施例では、チルト位置調整とテレスコピック位置調整の両方が可能なチルト・テレスコピック式のステアリング装置に本発明を適用した場合について説明したが、チルト位置調整だけが可能なチルト式のステアリング装置に本発明を適用してもよい。
本発明のステアリング装置101を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。 本発明の実施例1のステアリング装置101の要部を示す正面図である。 図2のP矢視図である。 図2のA−A断面図であって、チルト駆動機構の要部を示す。 図2のB−B断面図であって、本発明の実施例1の車体取付けアッパーブラケットとコラムとの間のチルト摺動部を示す。 本発明の実施例1のロアーコラム3の左側面33の形状を示す図5のQ矢視図であって、車体取付けアッパーブラケット2の左側板22及びスペーサ7の一部を破断して示す拡大正面図である。 図5のR部拡大断面図である。 図2のB−B断面図相当であって、本発明の実施例2の車体取付けアッパーブラケットとコラムとの間のチルト摺動部を示す。 図8のS矢視図であって、本発明の実施例2のロアーコラム3の左側面33の形状を示し、車体取付けアッパーブラケット2の左側板22及びスペーサ7の一部を破断して示す拡大正面図である。 図8のT部拡大断面図である。 図8のS矢視図相当であって、本発明の実施例3のロアーコラム3の左側面33の形状を示し、車体取付けアッパーブラケット2の左側板22及びスペーサ7の一部を破断して示す拡大正面図である。 図8のT部拡大断面図相当であって、本発明の実施例4のロアーコラム3の左側面33の形状を示す。 図8のT部拡大断面図相当であって、本発明の実施例5のロアーコラム3の左側面33の形状を示す。 図5のR部拡大断面図相当であって、本発明の実施例6のロアーコラム3の左側面33の形状を示す。 図5のR部拡大断面図相当であって、図14のチルト位置調整動作時の弾性部材の動作を示す。
符号の説明
101 ステアリング装置
102 ステアリングシャフト
102A 上部ステアリングシャフト
103 ステアリングホイール
104 ユニバーサルジョイント
105 中間シャフト
106 ユニバーサルジョイント
107 ステアリングギヤ
108 タイロッド
11 車体
2 車体取付けアッパーブラケット
21 上板
22 左側板
221 内側面
23 右側板
231 内側面
24 下板
25 雌ねじ
3 ロアーコラム
31 チルト摺動面
32 潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)
32A 潤滑油貯留溝(第1の潤滑油貯留溝)
321 潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)
321A 潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)
322A 潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)
323A 潤滑油貯留空間(第1の潤滑油貯留空間)
33 左側面
331 逃げ面
34 右側面
35 弾性部材収容溝
35A 弾性部材収容溝
35B 弾性部材収容溝
35C 弾性部材収容溝
36 弾性部材
36A 弾性部材
36B 弾性部材
361A 平板部
362A 半円形部
37 操舵補助部(電動アシスト機構)
371 ハウジング
372 電動モータ
373 減速ギヤボックス部
374 出力軸
375 下部車体取付けブラケット
376 チルト中心軸
38 潤滑油貯留溝(第2の潤滑油貯留溝)
38A 潤滑油貯留溝(第2の潤滑油貯留溝)
381 潤滑油貯留空間(第2の潤滑油貯留空間)
381A 潤滑油貯留空間(第2の潤滑油貯留空間)
4 アッパーコラム
41 フランジ
5 テレスコ駆動機構
51 テレスコ用モータ
52 送りねじ軸
6 チルト駆動機構
61 チルト用モータ
62 ウォーム
63 送りねじ軸
631、632 軸受
64 ウォームホイール
65 送りナット
651 チルト駆動力伝達突起
652 ナットホルダ
66 係合孔
7 スペーサ
72 貫通孔
73 外側面
74 内側面
8 調整ねじ
81 雄ねじ
82 軸部
83 ロックナット

Claims (10)

  1. 車体後方側にステアリングホイールが装着されるステアリングシャフト、
    車体に取り付け可能な車体取付けブラケットの左右の側板にチルト摺動可能に挟持され、上記ステアリングシャフトを回転可能に軸支するとともに、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整、または、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整と、上記ステアリングシャフトの中心軸線に沿ったテレスコピック位置調整の両方が可能なコラム、
    チルト用モータ、
    上記チルト用モータの駆動力によって上記コラムをチルト位置調整するチルト駆動機構、
    上記コラムに形成され、上記車体取付けブラケットの左右の側板にチルト摺動可能に挟持された左右の側面、
    上記コラムの左右の側面に形成され、上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面にチルト摺動可能に接触するチルト摺動面、
    上記チルト摺動面の周囲に形成された弾性部材収容溝、
    上記弾性部材収容溝に収容され、上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面と弾性部材収容溝との間に弾性変形して挟持された弾性部材、
    上記弾性部材の内周、チルト摺動面の外周、及び、車体取付けブラケットの左右の側板の内側面との間に形成され、潤滑油が貯留可能な第1の潤滑油貯留空間を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記チルト摺動面の外周と弾性部材収容溝の内周との間に形成され、上記チルト摺動面よりもコラムの中心軸線側に引っ込んで形成された第1の潤滑油貯留溝を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記チルト摺動面の周囲の上端と弾性部材収容溝の内周との間、及び、チルト摺動面の周囲の下端と弾性部材収容溝の内周との間に形成され、上記チルト摺動面よりもコラムの中心軸線側に引っ込んで形成された第1の潤滑油貯留溝を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記弾性部材収容溝は断面形状がコの字状に形成され、断面が円形の弾性部材が収容されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記弾性部材収容溝は断面形状がコの字状に形成され、断面が矩形形状の弾性部材が収容されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  6. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記チルト摺動面にチルト摺動面よりもコラムの中心軸線側に引っ込んで形成された第2の潤滑油貯留溝と上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面との間に形成され、潤滑油が貯留可能な第2の潤滑油貯留空間を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  7. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記弾性部材は、上記弾性部材収容溝内で上記コラムのチルト摺動方向に移動可能に収容されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  8. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記弾性部材収容溝の周囲に形成され、上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面との間に隙間を有して形成された逃げ面を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  9. 請求項8に記載されたステアリング装置において、
    上記弾性部材収容溝は断面形状が略半円形に形成され、
    上記弾性部材は、上記車体取付けブラケットの左右の側板の内側面と上記逃げ面との間の隙間に挟持される平板部と、弾性部材収容溝に嵌合する半円形部を有すること
    を特徴とするステアリング装置。
  10. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記ステアリングシャフトに作用するトルクを検出して所要の操舵補助力を付与する電動アシスト機構を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
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