JP2008093945A - 液体吐出装置および液体吐出装置の清掃方法 - Google Patents

液体吐出装置および液体吐出装置の清掃方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドの液体吐出面の湿潤化を十分に行い、液体吐出面の清掃性を向上させることができる液体吐出装置および液体吐出装置の清掃方法を提供すること。
【解決手段】液体吐出装置において、シリアル方式の液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッド内の液体の圧力を調整する圧力調整手段と、液体吐出面を湿潤化する第1清掃部材と、第1清掃部材によって湿潤化した液体吐出面を払拭する第2清掃部材と、第1清掃部材が摺動する時には圧力調整手段により液体吐出ヘッド内の液体の圧力を液体吐出口のメニスカスが液体吐出口から吐出しない程度に凸形状となるような正圧の状態に維持し、第2清掃部材が摺動する時には圧力調整手段により液体吐出ヘッド内の液体の圧力を第1清掃部材が摺動する時よりも減圧した状態に維持する制御手段と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体を吐出する複数の液体吐出口が配置された液体吐出面を有する液体吐出装置、および、複数の液体吐出口が配置された液体吐出面を清掃する液体吐出面の清掃方法に関する。
従来、液体を吐出する液体吐出口と、液体吐出口に連通する圧力室と、液体吐出口から液体を吐出させるための圧力を圧力室内に発生させる圧力発生素子を有する液体吐出ヘッド(以下単に「ヘッド」という)を用いて、紙などの被吐出媒体に向けて液体を吐出する液体吐出装置が知られている。このような液体吐出装置を用いて、色材を含有するインクを被吐出媒体に向けて吐出し、被吐出媒体上に画像を形成する。
このような液体吐出装置のヘッドに対しては、インクの粘度の増大、インクの固着による液体吐出口の詰まり、液体吐出口に通じるインク流路内に発生した気泡やごみ等による目詰まりを回復及び防止するため、液体吐出口が設けられている液体吐出面のクリーニングが行われている。
ここで、このような液体吐出面のクリーニングについて、特許文献1には、エネルギー発生素子が発生するエネルギーを利用して吐出口から液体を吐出させた後にワイピングを行う液体吐出装置が開示されている。
また、特許文献2には、背圧調整機構を持ち、クリーニング前には背圧調整機構でノズルより強制的にインクを吐出させるインクジェットプリンタが開示されている。
また、特許文献3には、クリーニング装置位置検出手段によりクリーニング位置を検出し、その近傍のノズル開口からヘッド駆動手段によりインクを滲みださせる手段を持つインクジェット式記録装置が開示されている。
特開2002−166560号公報 特開2005−81577号公報 特許3535885号公報
しかしながら、特許文献1の液体吐出装置では、エネルギー発生素子が発生するエネルギーを利用して吐出口から液体を吐出させるに過ぎず、吐出面のウェット化が不十分となるおそれがある。そのため、その後にワイピングをしても吐出面の清浄化が不十分となるおそれがある。
また、特許文献2のインクジェットプリンタでは、インク背圧の調整のみで吐出口から強制的にインクを排出しようとするに過ぎず、流路抵抗の大きなノズルからはインクが吐出されないおそれがある。そのため、ノズル面のウェット化が不十分となりクリーニングの効果が不十分になるおそれがある。特にノズル数の多いヘッドでは、ノズル間の流路抵抗差が大きく流路抵抗の大きなノズルも生じうる。
また、特許文献3のインクジェット式記録装置では、メニスカスに振動を与えるだけに過ぎずメニスカスの隆起量が小さくなり、一般に清掃部材として用いられるEPDM等の非吸収体部材では十分なインクを滲ませることができないおそれがある。そのため、ノズルプレートの吐出面のウェット化が不十分になり、クリーニングの効果が不十分になるおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液体吐出ヘッドの液体吐出面の湿潤化を十分に行い、液体吐出面の清掃性を向上させることができる液体吐出装置および液体吐出装置の清掃方法を提供すること、を目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、液体吐出装置において、液体を吐出する複数の液体吐出口が配置された液体吐出面を備えるシリアル方式の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を調整する圧力調整手段と、前記液体吐出ヘッドがスキャンすることにより前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動するものであって、前記液体吐出口のメニスカスに接触することより前記液体吐出面を湿潤化する第1清掃部材と、前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動するものであって、前記第1清掃部材によって湿潤化した前記液体吐出面を払拭する第2清掃部材と、前記第1清掃部材が前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動する時には前記圧力調整手段により前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記液体吐出口のメニスカスが前記液体吐出口から吐出しない程度に凸形状となるような正圧の状態に維持し、前記第2清掃部材が前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動する時には前記圧力調整手段により前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記第1清掃部材が摺動する時よりも減圧した状態に維持する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、第1清掃部材が液体吐出面上および液体吐出口上を摺動する時には、圧力調整手段により液体吐出ヘッド内の液体の圧力を液体吐出口のメニスカスが液体吐出口から吐出しない程度に凸形状となるような正圧の状態に維持していることから、第1清掃部材が液体吐出口のメニスカスに接触することより液体が液体吐出面上に濡れ広がることとなり、液体吐出面の湿潤化を十分に図ることができる。そして、第2清掃部材が液体吐出面上および液体吐出口上を摺動する時には、圧力調整手段により液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記第1清掃部材が摺動する時よりも減圧した状態に維持するので、第2清掃部材が液体吐出面上を摺動しても液体吐出口のメニスカスを形成する液体が液体吐出面上で滲み出ることがないことから、液体吐出面の清掃性を向上させることができる。
また、必要最低限の液体により液体吐出面の湿潤化を図ることができ、無駄な液体を消費する必要がなくなる。また、吸引ポンプなどの機構なども不要であり、装置の小型化や低コスト化を図ることができる。
なお、第2清掃部材が液体吐出面上および液体吐出口上を摺動する時の液体吐出ヘッド内の圧力状態は、負圧に限らず正圧やゼロ圧(大気圧)も含む。
前記目的を達成するために請求項2に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドに対して振動波形を与えるヘッド駆動手段を有し、前記第1清掃部材が前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動する時には、前記ヘッド駆動手段により前記液体吐出ヘッドに対して前記液体吐出口から液体が吐出しない程度に該液体吐出口のメニスカスを微振動させるメニスカス微振動波形を与えること、を特徴とする。
本発明によれば、第1清掃部材が液体吐出ヘッドの液体吐出面上および液体吐出口上を摺動する時には、ヘッド駆動手段により液体吐出ヘッドに対してメニスカス微振動波形を与えるので、液体吐出口から滲み出させた液体により確実に液体吐出面を湿潤化することができる。
前記目的を達成するために請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の液体吐出装置において、前記第2清掃部材は、前記液体吐出面上および前記前記液体吐出口上を前記液体吐出ヘッドのスキャン方向と略垂直な方向に摺動して払拭し、前記第1清掃部材は、液体との接触角が大きい第1部位と液体との接触角が低い第2部位とを有し、前記第1部位は前記第2清掃部材による払拭開始部分に相当する部分に配置され、前記第2部位は前記第2清掃部材が払拭する方向に前記第1部位と並んで配置されること、を特徴とする。
本発明によれば、第1清掃部材は、液体との接触角が大きい第1部位と液体との接触角が低い第2部位とを有し、第1部位は第2清掃部材による払拭開始部分に相当する部分に配置され、第2部位は第2清掃部材が払拭する方向に第1部位と並んで配置されるので、液体吐出面上にて第2清掃部材による払拭開始部分は湿潤量が多く、それ以外は少なくなる。そのため、第2清掃部材による払拭開始部分の液体を払拭終了部分側に押し流すことができるので、湿潤化に必要な液体の量を必要最小限に抑えることができる。
また、第1清掃部材は液体吐出ヘッドのスキャン方向と垂直な方向にわたって配置されるので、第1清掃部材を静止した状態であっても液体吐出ヘッドがスキャンするだけで、第1清掃部材が液体吐出面の全面にわたって摺動し湿潤化を図ることができる。そのため、新たな機構は要せず、装置の小型化や低コスト化を図ることができる。
前記目的を達成するために請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の液体吐出装置において、前記第1清掃部材と前記第2清掃部材が同一材料により形成されていること、を特徴とする。
本発明によれば、第1清掃部材と第2清掃部材が同一材料により形成されているので、コストを抑制することができる。
前記目的を達成するために請求項5に係る発明は、液体吐出装置の清掃方法において、液体を吐出する複数の液体吐出口が配置された液体吐出面を備えるシリアル方式の液体吐出ヘッド内の液体の圧力を調整する圧力調整手段により、前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記液体吐出口のメニスカスが前記液体吐出口から吐出しない程度に凸形状となるような正圧の状態に維持するヘッド内正圧工程と、前記液体吐出ヘッドがスキャンすることによって、第1清掃部材が前記液体吐出面上および前記前記液体吐出口上を摺動することにより、前記液体吐出口のメニスカスに接触して前記液体吐出面を湿潤化する湿潤化工程と、前記圧力調整手段により前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記第1清掃部材が摺動する時よりも減圧した状態に維持するヘッド内減圧工程と、第2清掃部材が前記液体吐出面上および前記前記液体吐出口上を摺動することにより、前記第1清掃部材によって湿潤化した前記液体吐出面を払拭する払拭工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、第1清掃部材が液体吐出面上および液体吐出口上を摺動する時には、圧力調整手段により液体吐出ヘッド内の液体の圧力を液体吐出口のメニスカスが液体吐出口から吐出しない程度に凸形状となるような正圧の状態に維持していることから、第1清掃部材が液体吐出口のメニスカスに接触することより液体が液体吐出面上に濡れ広がることとなり、液体吐出面の湿潤化を十分に図ることができる。そして、第2清掃部材が液体吐出面上および液体吐出口上を摺動する時には、圧力調整手段により液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記第1清掃部材が摺動する時よりも減圧した状態に維持するので、第2清掃部材が液体吐出面上を摺動しても液体吐出口のメニスカスを形成する液体が液体吐出面上で滲み出ることがないことから、液体吐出面の清掃性を向上させることができる。
本発明によれば、液体吐出ヘッドの液体吐出面の湿潤化を十分に行い、液体吐出面の清掃性を向上させることができる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔液体吐出装置を構成するインクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明に係る液体吐出装置を構成する画像形成装置の一例として、インクジェット記録装置10の全体構成を示すブロック図である。
図1において、インクジェット記録装置10は、主として、ヘッド17、第1清掃部31、第2清掃部32、通信インターフェース51、システムコントローラ52、メモリ53、54、搬送部56、搬送駆動部57、プリント制御部58、タイマ59、ヘッド駆動部61、給液部62、圧力調整部63、清掃部移動部64、および、清掃部材押し圧変更部66を含んで構成されている。
ヘッド17は、液体を吐出する複数のノズル26(液体吐出口)が配置されたノズル面28(液体吐出面)を有する。なお、本実施形態では、液体としてインクを吐出する場合について、以下説明する。例えば、インクジェット記録装置10は、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の各インク色ごとにひとつずつ、合計で4つのヘッド17を備えている。ヘッド17の具体例は後に詳説する。
第1清掃部31および第2清掃部32は、複数のノズル26が配置されているヘッド17のノズル面28上を清掃する際に用いるものであり、それぞれ第1清掃部31はノズル面28上を湿潤化し、第2清掃部32はノズル面28上を清掃するものである。この第1清掃部31および第2清掃部32の具体例は後に詳説する。
通信インターフェース51は、ホストコンピュータ67から送信される画像データを受信する。通信インターフェース51には、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394などの有線、又は、無線のインターフェースを適用することができる。この通信インターフェース51によってインクジェット記録装置10に取り込まれた画像データは、画像データ記憶用の第1のメモリ53に一旦記憶される。
システムコントローラ52は、マイクロコンピュータ及びその周辺回路等から構成されており、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する。すなわち、システムコントローラ52は、通信インターフェース51、搬送駆動部57、プリント制御部58等の各部を制御する。
搬送部56は、紙などの被吐出媒体を搬送するためのローラ(図示を省略)と、このローラに動力を与えるモータ(図示を省略)を含んで構成されている。搬送部56によって、被吐出媒体とヘッド17とが相対的に移動される。搬送駆動部57は、システムコントローラ52からの指示に従って搬送部56を駆動する回路を含んで構成されている。
プリント制御部58は、マイクロコンピュータ及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従って、タイマ59、ヘッド駆動部61、給液部62、圧力調整部63、および、清掃部移動部64を制御する。
プリント制御部58は、インクジェット記録装置10に入力される画像データに基づいて、ヘッド17が被吐出媒体に向けて吐出(打滴)を行って被吐出媒体上にドットを形成するために必要なデータ(ドットデータ)を生成する。すなわち、プリント制御部58は、システムコントローラ52の制御に従い、第1のメモリ53内の画像データから打滴用のドットデータを生成し、生成したドットデータをヘッド駆動部61に供給する。プリント制御部58には第2のメモリ54が付随しており、プリント制御部58における画像処理時にドットデータ等が第2のメモリ54に一時的に格納される。
ヘッド駆動部61は、プリント制御部58の指示に従って、プリント制御部58から与えられるドットデータ(実際には第2のメモリ54に記憶されたドットデータである)に基づき、ヘッド17のノズル26(図4および図5参照)からインクを吐出させるための駆動信号(以下「液体吐出駆動波形」と称する)を生成して、ヘッド17の圧電素子38に与える。
また、ヘッド駆動部61は、プリント制御部58の指示に従って、ヘッド17の各ノズル26からインクが吐出しない程度に各ノズル26のメニスカスを微振動させる駆動信号(以下「メニスカス微振動波形」と称する)を生成して、ヘッド17の圧電素子38に与える。ヘッド駆動部61は、液体吐出駆動波形とメニスカス微振動波形とを選択的にヘッド17に与える。
給液部62は、プリント制御部58の指示に従い、インクをヘッド17へ供給するものである。給液部62の具体例については後に詳説する。
圧力調整部63は、プリント制御部58の指示に従い、ヘッド17の内部の圧力(背圧)を調整するものである。この圧力調整部63の具体例については後に詳説する。
清掃部移動部64は、後述のプリント制御部58の指示に従い第1清掃部31および第2清掃部32を移動させるものである。具体的には、清掃部移動部64は、第1清掃部31および第2清掃部32の移動用のモータを含む周知の機構および駆動回路(いずれも図示を省略)を含んで構成され、ヘッド17のノズル面28に対して垂直方向において第1清掃部31および第2清掃部32を移動させ、平行方向において第2清掃部32を移動させる。
清掃部移動部64の平行方向の移動機構としては、具体的には、ラック&ピニオン・ギアとレール(いずれも図示省略)を用い、第2清掃部32をノズル面28に対して平行な方向に移動させる。ベルトまたはワイヤ(いずれも図示省略)に第2清掃部32を固定して、モータ(図示省略)の回転運動によってベルトまたはワイヤを巻き取って直線運動に変える機構としてもよい。あるいは、リニアモータやボールネジ(いずれも図示省略)によって第2清掃部32を直接移動させる機構としてもよい。
清掃部移動部64の垂直移動機構としては、具体的には、カムとリンク(いずれも図示省略)によって、第1清掃部31および第2清掃部32をノズル面28に対して垂直な方向に移動させる。また、ソレノイド(図示省略)をオンおよびオフすることで、第1清掃部31および第2清掃部32の位置を変えるようにしてもよい。空圧や油圧を用いてもよい。
清掃部材押し圧変更部66は、第1清掃部31の第1清掃部材19および第2清掃部32の第2清掃部材20をヘッド17のノズル面28に押し当てる圧力(押し圧)を変更するものである。
プリント制御部58は、給液部62を用いてヘッド17へインクを供給する給液制御、圧力調整部63を用いてヘッド17の背圧(ヘッド17の内部の圧力)を調整する圧力調整制御、および、清掃部移動部64を用いて第1清掃部31および第2清掃部32をヘッド17に対して相対移動させる清掃部材移動制御を行う。これらの給液制御、圧力調整制御、清掃部材移動制御については、後に詳説する。
タイマ59は、インク滲み出し量の切換タイミングを生成するための第1清掃部材19および第2清掃部材20の摺動開始からの経過時間の計時、待ち時間(ウエイトタイム)の計時等に用いられる。なお、プリント制御部58が計時機能を有している場合には、タイマ59を省略してもよい。
なお、プリント制御部58は、所定のプログラムに従って、ヘッド17のノズル面28の清掃処理等を実行する。このような清掃処理の際、プリント制御部58は、ヘッド17のノズル面28上で第1清掃部材19を摺動させる第1の摺動および第1の摺動に続き第2清掃部材20をヘッド17のノズル面28上で摺動させる第2の摺動を制御する。第1の摺動は、圧力調整部63によってヘッド17内を加圧してヘッド17のノズル26のメニスカスに正圧を印加した状態で行わせる。第2の摺動は、圧力調整部63によってヘッド17内を減圧してヘッド17のノズル26のメニスカスに第1の摺動の時の圧力(正圧)よりも低い圧力を印加した状態で行わせる。この清掃処理の方法の詳細については、後に詳説する。
キャリッジ駆動部68は、プリント制御部58の指示に従い、キャリッジ12の往復動作のための駆動信号をキャリッジ12へ与えるものである。キャリッジ12の往復動作の詳細については、後に詳説する。
なお、図1ではシステムコントローラ52とプリント制御部58とを分けて表したが、1つのマイクロコンピュータによって構成されていてもよい。
〔液体吐出装置の全体構成〕
図2と図3は本発明の液体吐出装置の全体構成図であり、図2が平面図、図3が正面図である。図2と図3に示すように、本発明の液体吐出装置はサブタンク11、キャリッジ12、ヘッド17、第1清掃部31、第2清掃部32、主走査ガイド16などから構成されている。
キャリッジ12には、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクに対応するインク収納部(不図示)を備えるサブタンク11およびヘッド17が搭載されており、これらはキャリッジ12に対して着脱自在に構成されており、キャリッジ12と一体的に主走査方向に走査可能となっている。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するヘッドを備えるサブタンクを追加する構成も可能である。
また、後述するメインタンク13(図11参照)に繋がれた供給チューブ48、サブタンク11内部の気体を加減圧可能なポンプなどの圧力調整機構(不図示)、ダイアフラムの変形量に応じて圧力を検知する圧力計などの圧力検知手段(不図示)なども備えている。さらに、清掃部材離間の際のインク飛び散りを防止する吸収部材23も備えている。
ヘッド17は、キャリッジ12に対して着脱自在に構成されており、キャリッジ12と一体的に主走査方向に走査可能であるシリアル方式である。また、それぞれ各インク収納部(不図示)につながっており、さらに、インクが吐出されるノズル26が形成されたノズルエリアを備えるノズル面28が設けられている。
図4はヘッド17のノズル面28を示した説明図である。同図に示すように、ヘッド17には多数のノズル26が千鳥状に設けられており、副走査方向のノズル密度(ノズル間ピッチh)は1インチあたり300個(300ノズル/インチ)である。尚、少しずつメディアをずらして吐出することにより、本実施形態のインクジェット記録装置10の記録解像度(ドットピッチ)は副走査方向及び主走査方向のいずれも1インチあたり1200ドット(1200ドット/インチ[1200dpi])となる。
本例では、ノズル26を千鳥状に配置する態様を示したが、ノズル26を副走査方向に沿って一列に並べる態様やノズル26を二次元状に並べる態様(副走査方向に沿う行方向と副走査方向と直交しない所定の角度を有する列方向とに沿ってノズルを配列する態様)など、千鳥状配置以外のノズル配置を適用してもよい。
ヘッド17を構成するひとつの吐出素子47について、図4中の5−5線に沿った断面図を図5に示す。なお、図5では、吐出素子47をひとつだけ示ししているのでノズル面28にノズル26がひとつだけ配置されているが、実際には、図4に示すようにヘッド17には多数の吐出素子47が二次元配列されており、ノズル面28には多数のノズル26が二次元配列されている。
図5に示すように、各圧力室41は液体供給口42を介して共通液室43と連通している。共通液室43は、サブタンク11を介してインク供給源としてのメインタンク13(図11参照)と連通している。言い換えると、メインタンク13からサブタンク11を介して供給されるインクが、共通液室43を介して各圧力室41に分配供給される。
圧力室41の天面を構成する振動板44の上には圧電体38aが配置され、この圧電体38aの上には個別電極46が配置されている。振動板44は、接地されており、共通電極として機能する。これらの振動板44、個別電極46および圧電体38aによって、圧力室41内に圧力を発生させる手段としての圧電素子38が構成されている。
図1のヘッド駆動部61によって生成された液体吐出駆動波形が圧電素子38に与えられると、すなわち、圧電素子38の個別電極46にインク吐出用の駆動電圧が印加されることにより、圧電体38aが変形して圧力室41の容積が変化し、これに伴う圧力室41内の圧力の変化によって、ノズル26からインクが吐出される。インクの吐出にともなって、共通液室43から液体供給口42を通って新しいインクが圧力室41に供給される。
また、図1のヘッド駆動部61によって生成されたメニスカス微振動波形が圧電素子38に与えられると、すなわち、圧電素子38の個別電極46にメニスカス微振動用の駆動電圧が印加されることにより、圧電体38aが変形して圧力室41内のインクが微振動し、もって圧力室41に連通しているノズル26のメニスカスが微振動する。
なお、図4および図5に示す吐出素子47は、一例であって、このような場合に特に限定されない。例えば、圧力室41よりも下(すなわち圧力室41よりもノズル面28側)に共通液室43を配置する代りに、圧力室41よりも上(すなわちノズル面28とは反対側)に共通液室43を配置してもよい。
図2と図3に示すように、記録紙27への印字を行うためキャリッジ12が往復動作を行う印字領域101の外側には、第1清掃部31、第2清掃部32などを備えるメンテステーション102を設けている。
第1清掃部31は、第1清掃部材19や吸収部材21などを備えている。図2に示すように、第1清掃部材19は、インクとの接触角の高い領域である高接触角エリア19aと接触角の小さい領域である低接触角エリア19bを備えている。そして、キャリッジ12が印字領域101から第1清掃部31を通過してメンテステーション102へ移動する際に、第1清掃部材19がノズル面28を摺動してインクによるウェット化を施す。そしてこの時、吸収部材21は、第1清掃部材19により掃き取ったインクを吸収する。
また、第1清掃部31は上下機構(不図示)を備えており、キャリッジ12が印字領域101から第1清掃部31を通過するタイミングに合わせて駆動させることにより、第1清掃部材19をヘッド17のノズル面28に当接させることができる。
第2清掃部32は、第2清掃部材20、吸収部材22、レール24、キャップ14などを備えている。第2清掃部材20は、レール24に沿って移動することによりノズル面28を摺動して余剰インクや付着物を除去する。そしてこの時、吸収部材22は、第2清掃部材20により掃き取ったインクを吸収する。キャップ14は、非印字のノズル面28の保護、メニスカスの乾燥防止、パージの際の廃インク受けの役割を果たすものであり、また、吸引ポンプ(不図示)とつなげるとヘッド17内部におけるインクの除去も可能になる。
〔清掃方法の説明〕
図6は、本発明の液体吐出装置による清掃方法のフローチャート図である。そこで、図6をもとに本発明の液体吐出装置による清掃方法を説明する。
まず、ユーザによる指示や一定量吐出後などのタイミングで清掃モードに移行し、本発明の液体吐出装置による清掃方法を開始する(ステップS1)。次に、キャリッジ12や清掃部(移動部)等の位置の初期化を行なう(ステップS2)。具体的には、キャリッジ12がキャップ位置(ヘッド17がキャップ14と係合可能な位置)にない場合、キャリッジ12をキャップ位置まで移動する。清掃部材移動部は、清掃部材がヘッドと摺動しない位置に、キャリッジ12をメンテステーション102の領域内から領域外へ退避させる(ステップS3)。
次に、第1清掃部31の上下機構を駆動し、第1清掃部材19がヘッド17のノズル面28を摺動することができる位置(ワイピング位置)まで移動させる(ステップS4)。
次に、圧力調整部63を駆動し、ノズル26からメニスカスが吐出しない程度でヘッド17内部の圧力が正圧になるようにサブタンク11内部を加圧する(ステップS5)。これにより、ノズル26のメニスカスが凸状態となりメニスカスがノズル面28より盛り上がる。なお、ヘッド17内部の圧力が高いとメニスカス隆起量が大きくウェット量が多くなり、第1清掃部材19で払拭後のインクの染み出しも多くなる。一方、ヘッド17内部の圧力が低いとメニスカス隆起量が小さくウェット量が少なくなり、第1清掃部材19で払拭後のインクのしみだしも少なくなる。
汚れの状況により、ノズル26の近傍のみ清掃する場合は背圧を小さくし、ノズル面28の全体を払拭する場合は背圧を大きくすることにより、無駄インクの削減と清掃性の向上を両立できる。不吐出ノズル検出(テストパターンでユーザがチェックする物を含む)や使用状況に応じて切り換えてもよい。即ち、不吐出や方向性不良ノズルが閾値より多い場合は、圧力を高くしてしみだし量を多くする。また、長期間放置した場合や、JAM直後、連続通紙直後と圧力を高くしてしみだし量を多くする。
なお、背圧が大きい場合や、背圧を印加してから長い時間が経過した場合には、ノズル26からインクの垂れが生じキャリッジ12の搬送路を汚してしまうおそれがある。そのため望ましくは、圧力調整部63を駆動しヘッド17内部の圧力が正圧になるようにサブタンク11内部を加圧した直後に、第1清掃部材19で払拭することが望ましい。
また、このとき、ヘッド17に備わり圧力室52内に圧力を発生させる手段である圧電素子38に対し、ノズル26からインクが吐出しない程度の振動波形(メニスカス微振動波形)を印加してメニスカスを振動させる。すると、メニスカスの隆起量が増えてノズル面28を均一にウェット化することが可能となる。これは、振動波形を印加することによりインクがノズル面28に滲み出すきっかけを与えているものであり、ノズル26間の流路抵抗差により滲み出しにくいノズル26からもインクの滲み出しを可能とするものである。なお、このような振動波形の印加は、第1清掃部材19で払拭する前に0.1〜10sec程度行うことにより十分な効果を得ることができる。
次に、キャリッジ12をメンテステーション102の領域内に移動させる(ステップS6)。すると、移動途中において第1清掃部材19がノズル面28を摺動する。そしてこの時、隆起したメニスカスと第1清掃部材19が接触するので、メニスカスが壊されてインクがノズル面28に滲み出す。そのため、キャリッジ12をメンテステーション102の領域内に移動させた後はノズル面28がウェット化される。
このノズル面28がウェット化について、図7(A)〜(F)に示す模式図を用いて、さらに詳細に説明する。
図7(A)に示すように、ヘッド17の背圧を正圧に設定してメニスカス111を凸形状にするとともに、圧電素子38にメニスカス微振動波形を印加して凸形状のメニスカス111を微振動させることにより、ノズル26から滲み出したインクからなるメニスカス111が、ノズル26の直径よりも若干広がっていく。一方で、第1清掃部材19がノズル26に近づき、図7(B)に示すように、ノズル26上に来ると、ノズル26の周縁26aと第1清掃部材19との間で、メニスカス111が少し盛り上がる。
詳細には、図中に符号112、113で示すクリップポイントの間で、メニスカス111の盛り上がりが生じ、図7(C)に示すように、やがて、メニスカス111の周縁としてのクリップポイント112がノズル26の周縁26aに対して、さらに広がっていく。図7(D)に示すように、メニスカス111が壊れて微量のインクが第1清掃部材19の斜面に沿って流れ落ちていく。一方で、図7(E)、図7(F)および図7(G)に示すように、第1清掃部材19の先端部19aに付着していたインクがノズル26の周辺に広がっていく。図7(H)に示すように、ノズル26の周辺に広がったインクは、ヘッド17の正圧により、ノズル26内へ逆流することはない。
なお、第1清掃部材19の材質を変えて第1清掃部材19とインクとの接触角を変えることにより、ノズル面28におけるウェット状態(ウェット量など)を調整することができる。
本実施形態では第1清掃部材19において、インクとの接触角が大きくなる高接触角エリア19aとインクとの接触角が小さくなる低接触角エリア19bが設けられている。そのため、第1清掃部材19の高接触角エリア19aで摺動された部分は、インクと第1清掃部材19の接触角が大きいため、ノズル面28と第1清掃部材19間のインクたまり(図7(c)のメニスカス111)が大きくなり、その結果インクの滲み出しは多くなる。一方、第1清掃部材19の低接触角エリア19bで摺動された部分は、インクと第1清掃部材19の接触角が小さいため、ノズル面28と第1清掃部材19間のインクたまり(図7(c)のメニスカス111)は小さくなり、その結果インクの滲み出しは少なくなる。
本実施形態では特に、図2に示すように、第2清掃部材20の拭き始め部分(主走査ガイド16側の部分)に相当する部分を高接触角エリア19aとし、それ以外を低接触角エリア19bとした。そのため、第2清掃部材20の拭き始めはウェット量が多く、それ以外は少なくなる。したがって、第2清掃部材の拭き始め部分のインクを第2清掃部材で下流に押し流すことが可能となり、拭き始め部分以外のウェット化に使うインク量を削減できる。
また、第1清掃部材19でノズル面28を摺動した後は、キャリッジ12は常にメンテステーション102の領域に位置する。摺動によるウェット化の際、万が一インクの垂れ等が起っても、メンテメンテステーション102の領域にインクが垂れるのみで被害を最小限に抑えることができ、搬送路を汚すおそれがない。
また、キャリッジ12の移動速度を変えることでも滲み出すインクの量を調整することが出来る。清掃部材19がメニスカスとの接触時間が長くなるようにキャリッジ12の移動速度を遅くすればウェット量を増加させ、一方、メニスカスとの接触時間が短くなるようにキャリッジ12の移動速度を速くすれば滲み出すインクの量を減少させることができる。
次に、タイマ59で設定した時間、キャリッジ12を待機させる(ステップS7)。タイマ59の設定時間を長くすれば、ノズル面28にインクが十分に滲みわたり滲み出すインクの量を増加させることができ、一方、タイマ59の設定時間を短くすれば、ノズル面28に必要最小限のインクが滲みわたり滲み出すインクの量を低減させることができる。
なお、不吐出検出と組み合わせてタイマ59を可変に制御することにより、清掃性の向上と無駄インクの削減の両立効果がより向上する。そのため、ノズル面28を滲み出したインクで確実にウェット化することができ、ノズル面28に付着していたインク由来の固形物が軟化・溶解、ごみなどはノズル面28より浮遊することになり、確実に除去することができる。
次に、 圧力調整部63を駆動し、ヘッド17内部の圧力が負圧になるようにサブタンク11内部を減圧する(ステップS8)。
次に、第2清掃部32における第2清掃部材20をノズル面28に摺動させてワイピングを行う(ステップS9)。この時、第2清掃部材20はノズル列方向に払拭することにより、ノズル面28に滲み出てウェット化しているインクを押し流す効果を得ることができる。そのため、ノズル面28に付着している固形物の溶解したインク、浮遊したごみを含むインクはワイプにより払拭される。その一方で、ヘッド17内部の圧力が負圧になっているので、第2清掃部材20をノズル面28に摺動させてワイピングを行ってもノズル26内のインクがノズル面28に滲み出るおそれはない。
なお、本実施形態では、第2清掃部材20はノズル列方向(ヘッド17のスキャン方向と垂直な方向)に払拭しているが、ノズル列方向と垂直な方向(ヘッド17のスキャン方向に水平な方向)に払拭してもよい。
また、圧力調整部63を駆動してサブタンク11内部を減圧した後、第2清掃部材20でワイピングを行うまでの時間が長い場合(たとえば、ノズル列方向に長いヘッド17の場合などの場合)は、ヘッド17内部の圧力を第1清掃部材19で払拭時のものより小さくかつ正圧とすることが望ましい。その理由は、第1清掃部材19で滲み出したインクが、ノズル26内部に逆流するのを防止するためである。
次に、第1清掃部31の上下機構を駆動し、第1清掃部材19をノズル面28を摺動することができる位置から待機位置まで移動させる(ステップS10)。
次に、キャリッジ12をメンテステーション102の領域外に退避させる(ステップS11)。
次に、第2清掃部32の上下機構を駆動し、第2清掃部材20をノズル面28を摺動することができる位置から待機位置まで移動させる(ステップS12)。
次に、必要に応じて、キャリッジ12を再びメンテステーション102の領域内に移動させて(ステップS13)、パージを行い(ステップS14)、キャップ14を被せて(ステップS15)、一連の動作を終了する(ステップS16)。
なお、第1清掃部材19と第2清掃部材20は同一材料からなるものであっても良く、これによりコストダウンが可能である。第2清掃部材20はヘッド17ごとに独立した形状にしておくと、ノズル面28に他のヘッド17のインクが押し込まれるおそれがなくなり、清掃後のパージが簡略化できる(第1清掃部31は正圧を印加しているためノズル面28に押し込まれるおそれがない)。
〔圧力調整機構の他の実施形態の説明〕
圧力調整機構としては、前記のようにポンプを使用すること以外にも以下の実施形態を考えることができる。
図8〜図10は、圧力調整機構についてポンプ以外の他の実施形態を採用した場合の本発明の液体吐出装置の全体構成図であり、図8がつめとアームが係合していない時の平面図、図9がつめとアームが係合していない時の正面図、図10がつめとアームが係合している時の平面図である。
図8に示すように、本実施形態における特徴点として、サブタンク11の外側には回転可能なアーム71と、アーム71の先端にあって可撓性膜72を押圧する押し部材73などが設けられている。
一方、キャリッジ12に対して主走査ガイド16を挟んで反対側には、つめ74を備えるソレノイド76が配置されている。つめ74は、ソレノイド76をオンしたとき、第1清掃部材19の摺動運動と連動してアーム71と接触するように配置されている。そして、つめ74がアーム71に接触した場合には、アーム71が回転支点を中心に回転してアーム71の先端にある押し部材73が可撓性膜72を押圧する。
このような構成からなる本実施形態は、以下のような作用がなされる。
図8と図9に示すように、通常時(印字時、待機時など)において押し部材73が可撓性膜72に押圧されないようにアーム71が待機状態にある。そして、メンテナンスにあたり、キャリッジ12を印字領域101からメンテステーション102に移動させるに際して、第1清掃部材19によりノズル面28を摺動する前にソレノイド76を駆動させて、つめ74をアーム71と接触可能な位置に移動させる。
すると、図10に示すように、キャリッジ12の移動に伴ってつめ74がアーム71に接触し、アーム71が回転支点を中心に回転する。そして、アーム71の先端に設けられている押し部材73が、可撓性膜72を押圧する。これにより、ノズル26におけるメニスカスに正圧を印加することが出来る。なお、つめ74の幅はキャリッジ12の移動速度をもとに、第1清掃部材19が1つのヘッド17のノズル面を摺動する時間分の幅としても良いし、十分長いつめ幅としておきソレノイドをON/OFFすることで制御しても良い。
また、メインタンク13(図11参照)からサブタンク11間に弁を設け、アーム押し圧のタイミングで弁を閉じて流路を封止すれば、アーム71の変位量が少なくても、メニスカスに大きな正圧をかけることが出来る。
さらに、ソレノイド76には電源OFFの状態で、図8や図9の状態になるものを選択すれば、万が一、正圧を印加した状態のときにキャリッジ12が止まっても、瞬時に電源を切ることでメニスカスにかかる背圧を負圧に戻すことが出来るので、インクの漏れ等を防止できるメリットがある。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図11は前記の液体吐出装置を有するインクジェット記録装置10の全体構成図である。このインクジェット記録装置10は、各色インクに対応するインク収納部を備えるサブタンク11を備える本発明の液体吐出装置を有する印字部29と、各インク収納部に供給するインクを貯蔵しておくメインタンク13と、記録紙27を供給する給紙部81と、記録紙27のカールを除去するデカール処理部82と、印字部29のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙27の平面性を保持しながら記録紙27を搬送する吸着ベルト搬送部83と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部84と、を備えている。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図11のように、裁断用のカッター86が設けられており、該カッター86によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター86は、記録紙27の搬送路幅以上の長さを有する固定刃86Aと、該固定刃86Aに沿って移動する丸刃86Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃86Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃86Bが配置されている。
給紙部81から送り出される記録紙27はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部82においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム87で記録紙27に熱を与える。
デカール処理後、カットされた記録紙27は、吸着ベルト搬送部83へと送られる。吸着ベルト搬送部83は、ローラ88、89間に無端状のベルト90が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部29のノズル面28に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト90は、記録紙27の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図9に示したとおり、ローラ88、89間に掛け渡されたベルト90の内側において印字部29のノズル面28に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ91をファン92で吸引して負圧にすることによってベルト90上の記録紙27が吸着保持される。印字部29の領域では、サブタンク11と一体化されたヘッド17が往復走査される。
ベルト90が巻かれているローラ88、89の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト90は図11において、時計回り方向に駆動され、ベルト90上に保持された記録紙27は搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト90上にもインクが付着するので、ベルト90の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部93が設けられている。吸着ベルト搬送部83により形成される用紙搬送路上において印字部29の上流側には、加熱ファン94が設けられている。加熱ファン94は、印字前の記録紙27に加熱空気を吹きつけ、記録紙27を加熱する。印字直前に記録紙27を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
メインタンク13は、本発明の液体吐出装置のサブタンク11内の各インク収納部に対応する各ヘッド17の色のインクを貯蔵するタンクを有する。また、メインタンク13は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字部29の後段には、後乾燥部96が設けられている。後乾燥部96は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。
後乾燥部96の後段には、加熱・加圧部97が設けられている。加熱・加圧部97は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ98で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部84から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部84A、84Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。
なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)99によってテスト印字の部分を切り離す。カッター99は、排紙部84の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター99の構造は前述した第1のカッター86と同様であり、固定刃99Aと丸刃99Bとから構成されている。
以上、本発明の液体吐出装置および液体吐出装置の清掃方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係る液体吐出装置を構成する一例としてのインクジェット記録装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の液体吐出装置の全体構成図(平面図)である。 本発明の液体吐出装置の全体構成図(正面図)である。 ヘッドのノズル面を示した説明図である。 図4中の5−5線に沿った断面図である。 本発明の液体吐出装置による清掃方法のフローチャート図である。 ノズル面のウェット化についての模式図である。 圧力調整機構についてポンプ以外の他の実施形態を採用した場合の液体吐出装置の全体構成図(つめとアームが係合していない時の平面図)である。 圧力調整機構についてポンプ以外の他の実施形態を採用した場合の液体吐出装置の全体構成図(つめとアームが係合していない時の正面図)である。 圧力調整機構についてポンプ以外の他の実施形態を採用した場合の液体吐出装置の全体構成図(つめとアームが係合している時の平面図)である。 インクジェット記録装置の全体構成図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、11…サブタンク、12…キャリッジ、13…メインタンク、14…キャップ、16…主走査ガイド、17…ヘッド、19…第1清掃部材、20…第2清掃部材、21…吸収部材(第1清掃部)、22…吸収部材(第2清掃部)、23…吸収部材(キャリッジ)、26…ノズル、27…記録紙、28…ノズル面、31…第1清掃部、32…第2清掃部、38…圧電素子、58…プリント制御部、61…ヘッド駆動部、63…圧力調整部、101…印字領域、102…メンテステーション

Claims (5)

  1. 液体を吐出する複数の液体吐出口が配置された液体吐出面を備えるシリアル方式の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を調整する圧力調整手段と、
    前記液体吐出ヘッドがスキャンすることにより前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動するものであって、前記液体吐出口のメニスカスに接触することより前記液体吐出面を湿潤化する第1清掃部材と、
    前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動するものであって、前記第1清掃部材によって湿潤化した前記液体吐出面を払拭する第2清掃部材と、
    前記第1清掃部材が前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動する時には前記圧力調整手段により前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記液体吐出口のメニスカスが前記液体吐出口から吐出しない程度に凸形状となるような正圧の状態に維持し、前記第2清掃部材が前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動する時には前記圧力調整手段により前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記第1清掃部材が摺動する時よりも減圧した状態に維持する制御手段と、
    を有することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記液体吐出ヘッドに対して振動波形を与えるヘッド駆動手段を有し、
    前記第1清掃部材が前記液体吐出面上および前記液体吐出口上を摺動する時には、前記ヘッド駆動手段により前記液体吐出ヘッドに対して前記液体吐出口から液体が吐出しない程度に該液体吐出口のメニスカスを微振動させるメニスカス微振動波形を与えること、
    を特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体吐出装置において、
    前記第2清掃部材は、前記液体吐出面上および前記前記液体吐出口上を前記液体吐出ヘッドのスキャン方向と略垂直な方向に摺動して払拭し、
    前記第1清掃部材は、液体との接触角が大きい第1部位と液体との接触角が低い第2部位とを有し、前記第1部位は前記第2清掃部材による払拭開始部分に相当する部分に配置され、前記第2部位は前記第2清掃部材が払拭する方向に前記第1部位と並んで配置されること、
    を特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の液体吐出装置において、
    前記第1清掃部材と前記第2清掃部材が同一材料により形成されていること、
    を特徴とする液体吐出装置。
  5. 液体を吐出する複数の液体吐出口が配置された液体吐出面を備えるシリアル方式の液体吐出ヘッド内の液体の圧力を調整する圧力調整手段により、前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記液体吐出口のメニスカスが前記液体吐出口から吐出しない程度に凸形状となるような正圧の状態に維持するヘッド内正圧工程と、
    前記液体吐出ヘッドがスキャンすることによって、第1清掃部材が前記液体吐出面上および前記前記液体吐出口上を摺動することにより、前記液体吐出口のメニスカスに接触して前記液体吐出面を湿潤化する湿潤化工程と、
    前記圧力調整手段により前記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を前記第1清掃部材が摺動する時よりも減圧した状態に維持するヘッド内減圧工程と、
    第2清掃部材が前記液体吐出面上および前記前記液体吐出口上を摺動することにより、前記第1清掃部材によって湿潤化した前記液体吐出面を払拭する払拭工程と、
    を有することを特徴とする液体吐出装置の清掃方法。
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