JP2008093614A - キャッピング層、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物処分場における人工材料を用いたキャッピング層の透水係数を制御できるようにする。
【解決手段】廃棄物12を覆うキャッピング層20は、ガス排除層21、浸透防止層22、排水層23、及び盛り土によって形成された侵食防止層24を含んでいる。ガス排除層21は、不織布であるマット体でできている。浸透防止層22は、シート材でできており、その垂直方向の透水係数は、10−5cm/sのオーダーとされている。排水層23は、立体的な構造の凹凸を有するシートでできている。浸透防止層22の直上には、浸透防止層22と接するようにして、雨水が浸透防止層22を通過するのに必要な一定以上の時間、雨水を浸透防止層22の上に止める不織布製の保水材25が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、廃棄物投棄用の凹面に投棄された廃棄物の表面を覆い、投棄された廃棄物に染み込む雨水を制御する、いわゆるキャッピングの技術に関する。
廃棄物処分場は、地面を掘り下げ、或いは擁壁を構築するなどして設けられた凹面を備えている。廃棄物は、この凹面に順次投棄される。
ところで、廃棄物処分場では、凹面内に投棄された廃棄物に雨水が含浸することによって生じる浸出水が、凹面から外部の土壌に漏水しないようにする必要がある。浸出水には廃棄物に含まれていた好ましくない物質が含まれている可能性があるからである。
浸出水の漏水防止のために最も汎用されているのが、凹面の表面全体に遮水シートを敷設する技術である。合成樹脂やゴム製の高い遮水性能を有する遮水シートを凹面の全体に敷設することによって、浸出水の外部への漏水を防止するのである。
しかしながら、このような遮水シートがあると、廃棄物に含浸した雨水は、浸出水として外部に漏れ出すことなく遮水シートによって覆われた凹面の内側に溜まることになる。したがって、現存する廃棄物処分場では、凹面に溜まった浸出水を外部へ、必要に応じて浄化してから排出する水処理設備が必要になり、コスト高の問題を招いている。
他方、浸出水の発生自体を防止するための技術も提案されている。例えば、凹面に投棄された廃棄物の表面を、多くの場合は廃棄物をこれ以上投棄しないということが明らかになった段階でキャッピング層により覆う、キャッピングと呼ばれる技術が提案されている。
この技術は、廃棄物の内部に雨水が含浸することを防止することによって、浸出水の発生を防止するものであり、それなりの効果をあげている。しかしながら、この技術にも改良すべき点が存在する。
従来のキャッピングは、浸出水発生を防止するという観点から、廃棄物の内部に雨水が含浸することをできる限り防止することを目標としてきた。しかしながら、近年の研究で、浸出水の外部への排出のための手間やコストが過大にならない範囲であれば、多少の雨水を廃棄物の内部へ含浸させた方が好ましい結果を生む場合があることが明らかになってきた。廃棄物の中には、生ゴミなどの有機物が多く含まれており、そこに適度な雨水を加えてやると、有機物の分解が促進され、廃棄物が早期に安定化するのである。
したがって、近年、キャッピングの技術では、雨水の廃棄物への含浸の防止をできる限り行おうという思想ではなく、雨水の廃棄物への含浸をどれだけ意図したように制御できるかという思想が重視されるようになって来ている。
しかしながら、雨水の廃棄物への含浸の程度を制御するのは難しい。特に、それは、後述するような新タイプのキャッピング層を用いた場合に顕著となる。
現行法下では、廃棄物の上に設けられるキャッピング層は、廃棄物の直上から順に、ガス排除層、浸透防止層、排水層、侵食防止層が順に積層して設けられることとなっている。ここで、ガス排除層は、廃棄物から発生したガスを抜くためのものであり、浸透防止層は、雨水の廃棄物への含浸を制限するためのものであり、排水層は、雨水の排水を行うための層である。侵食防止層は、排水層の上に設けられるものであり、排水層以下の層を守るためのものである。
これらガス排除層、浸透防止層、排水層、侵食防止層の各層は、以前は、土砂や砂利、或いはベントナイトなどの土質系材料を用いて作られるのが一般的であった。しかしながら、近年は、キャッピング層を薄くすることによる廃棄物処分場の凹面の有効面積増大を狙って、シート状等にされた人工材料によりこれら各層のうちの少なくとも一つを構成することが提案されている。このような、人工材料を用いた新タイプのキャッピング層では、雨水の廃棄物への含浸の程度を制御することが特に難しくなる。
かかる新タイプのキャッピング層では、他の層はともかく、浸透防止層を人工材料によるシート材で構成することが普通である。浸透防止層は上述したように、雨水の廃棄物への含浸を制限するものであり、その部分に、その性能を制御するのが難しい天然物ではなく人工材料のシート材を用いることで、雨水の廃棄物への含浸の程度の正確な制御を実現しようとしている。
かかるシート材の水を通過させる特性は、cm/sという単位で表される透水係数という数値で表される。透水係数は、対象となるシート材が、1秒間に単位面積あたりで、どれだけの水を通過させるものであるかということを表す。
しかし、透水係数の異なるシート材を浸透防止層に用いても、キャッピング層の透水係数が意図したとおりにならない場合がある。より詳しくは、浸透防止層を形成するシート材の透水係数の割には、キャッピング層全体の透水係数が大きくならない場合がある。
本発明は、浸透防止層を人工材料で形成した廃棄物処分場に設けられるキャッピング層の透水係数を、意図したように制御するための技術を提案することをその課題とする。
上述の課題を解決するための本願発明は、以下のようなものである。
本願発明は、廃棄物処分場の廃棄物が投棄される凹面内に投棄された廃棄物の表面に設けられた、雨水の廃棄物への含浸を制限するための浸透防止層を含んでいるキャッピング層である。
このキャッピング層における前記浸透防止層は、雨水の廃棄物への含浸を制限するのに適した垂直方向についての所定の透水係数を有するシート材によって形成されている。
そして、このキャッピング層では、前記浸透防止層の直上の所定の範囲に、前記浸透防止層と接するようにして、水を保持する機能を有する保水材を配している。
かかるキャッピング層が、その透水係数を意図したとおりに制御できる理由について、従来のキャッピング層がその透水係数を意図したとおりに制御し難いものであった理由とともに、以下、説明する。
本発明のキャッピング層は、上述したように、浸透防止層を備えている。
浸透防止層は、上述したように、雨水の廃棄物への含浸を制限するのに適した垂直方向についての所定の透水係数を有するシート材によって形成されている。浸透防止層の垂直方向の透水係数は、遮水を意味する10−9cm/sのオーダーよりも大きくてもよく、例えば、10−5cm/sのオーダーとすることができる。
浸透防止層をシート材で形成することは以前から提案されていたので、ここまでは、従来のキャッピング層と本発明のキャッピング層の間にそれほど大きな差はない。ところで、浸透防止層を形成するシート材の透水係数は、そのシート材の上にある水が静止した状態で測定、判断される。簡単にいうと、水槽の底を抜きそこに浸透防止層を形成するのに用いられるシート材を水漏れしないような状態で配し、その状態で水槽に入れた水が、単位時間あたりどの程度の量だけそのシート材を通過して下方に抜けたかということを測定し、その水の量をシート材の面積で割ることにより、そのシート材の透水係数が測定、判断される。
しかしながら、実際の廃棄物処分場では、浸透防止層を形成するシート材は幾らか傾斜している。したがって、実際の廃棄物処分場では、浸透防止層を形成するシート材の上にある雨水は、ある程度の速さで移動している(流れている)。これが、シート材の持っている本来の透水係数が実際の廃棄物処分場では正しく表れない理由であることに、本願発明者は気付いた。つまり、そもそもそれほど大きな透水係数を持たず、雨水を通過させるのにある程度の時間を要するものとされている浸透防止層を形成するシート材は、その上にある程度の時間止まることなく流れていってしまう雨水を、透水係数に基づいて予想される量までは下方に通過させられないのである。
このような知見により、本発明のキャッピング層では、前記浸透防止層の直上の所定の範囲に、前記浸透防止層と接するようにして、水を保持する機能を有する保水材を配することとしている。ここで、上述の保水材は、雨水を保持できるものであり、それにより、浸透防止層の上にある雨水が一定以上の速さで流れていくのを阻止できるものであれば、別の言葉でいえば、浸透防止層の上にある雨水を一定時間以上足止めできるものであればそれで十分である。本願発明のキャッピング層は、このような保水材を設けることにより、浸透防止層の上の少なくとも所定の範囲で、雨水を、浸透防止層を形成するシート材を通過できるだけの十分な時間足止めし、そのシート材の透水係数から予定されていただけの十分な雨水を廃棄物へ導くことができるようになる。
なお、保水材は、キャッピング層の全体に設けられていてももちろん構わない。
前記保水材は、例えば、織布、或いは不織布とすることができる。これらの組合せとすることも可能である。
前記保水材は、前記キャッピング層の部分により、異なるものとすることができる。例えば、前記保水材は、前記キャッピング層の部分により、保水性能が異なるものが配されるようにすることができる。また、前記キャッピング層のうち、垂直方向の透水係数をより大きくしたい部分に対応する部分には、他の部分よりも保水性能に優れた前記保水材が配されていてもよい。キャッピング層の垂直方向の透水係数を大きくしたい部分に保水性能により優れた保水材を配すると、その部分では浸透防止層の上で水がより長い時間足止めされることになる。それにより、その部分のキャッピング層の垂直方向の浸透係数が大きくなる。
本発明のキャッピング層は、従来の場合と同様に、浸透防止層のみならず、ガス排除層、排水層、侵食防止層の一つ以上を備えていても構わない。むしろ、現行法下でキャッピング層を製造するのであれば、本発明のキャッピング層はガス排除層、排水層、侵食防止層をすべて備えたものとなるであろう。この場合、本発明のキャッピング層は、廃棄物の表面を覆う、廃棄物から発生したガスを抜くためのガス排除層と、ガス排除層の表面を覆う、雨水の廃棄物への含浸を制限するための浸透防止層と、浸透防止層の表面を覆う、雨水の排水を行うための排水層と、排水層の表面を覆う、排水層、浸透防止層、ガス排除層を保護する侵食防止層とを備えるものとなる。
また、浸透防止層以外の層、ガス排除層、排水層は、土質系の材料でこれを構成することもできるが、人工材料により構成することもできる。ガス排除層、排水層は、例えば、人工材料をシート状にしたシート材で構成することができる。
本発明の排水層は、その上に溜まった雨水を略水平方向に排水できるようにされ、且つその上に溜まった雨水をその下に落とすための複数の孔が穿設された、水を保持しない素材(例えば、樹脂)により形成されたシート材により形成することができる。排水層が有する、その上に溜まった雨水を略水平方向に排水できるようにする機能は、排水層の基本的な機能であり、廃棄物へ雨水が多く含浸しすぎるのを防ぐための機能である。この機能と、浸透防止層を形成するシート材の透水係数の兼ね合いで、キャッピング層全体の透水係数が決まってくる。なお、排水層を形成するシート材は、その表面に設けられた凹凸の間の溝の部分を通過させることにより雨水を外部へ排出できるように、エンボス加工などで凹凸を付されていてもよい。なお、排水層には、孔が適当な数だけ穿たれていてもよい。かかる孔は排水層の上の雨水を下の層に落とすための物である。この孔の数、大きさを適当に調整することで、安定化のために廃棄物へ導くべき雨水を、適当な量だけ、排水層の下の浸透防止層へと導くことができるようになる。排水層に孔を設ける代わりに、排水層の透水係数をある程度大きくして、排水層の上の雨水を排水層の下の浸透防止層に導くようにすることも考えられるが、透水係数のみでシート材を通過する雨水の量を決定することが難しいのは排水層においても浸透防止層の場合と同様である。このようなことを考慮すれば、雨水の迅速な排水を達成するためにも、排水層は、水を保持しない、例えば吸水性のない素材(樹脂等)により形成するのが現実的であろう。なお、排水層には、その上にある雨水がその表面を流れて排水されるようにするのが好ましい。また、排水層と同様に、浸透防止層にも傾斜が与えられることが好ましい。
ガス排除層は、上述したように人工材料により形成でき、また、シート状のシート材とすることもできる。より具体的には、ガス排除層は、排水層と同じ様に、凹凸を有するシート材とすることができる。
本発明は、以下のようなキャッピング層の製造方法を提案する。以下の製造方法で製造したキャッピング層は、上述のキャッピング層と同様の効果を得られることとなる。
本発明のキャッピング層の製造方法は、廃棄物処分場の廃棄物が投棄される凹面内に投棄された廃棄物の表面に設けられた、前記廃棄物の表面を覆う、廃棄物から発生したガスを抜くためのガス排除層と、前記ガス排除層の表面を覆う、雨水の廃棄物への含浸を制限するための浸透防止層と、前記浸透防止層の表面を覆う、雨水の排水を行うための排水層と、前記排水層の表面を覆う、前記排水層、前記浸透防止層、前記ガス排除層を保護する侵食防止層と、を含んでいるキャッピング層の製造方法である。
この製造方法では、前記浸透防止層を、雨水の廃棄物への含浸を制限するのに適した垂直方向についての所定の透水係数を有するシート材によって形成するとともに、前記浸透防止層の直上の所定の範囲に、前記浸透防止層と接するようにして、水を保持する機能を有する保水材を配する。
以下、本発明の好ましい一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
この実施形態では、図1に示したような廃棄物処分場に、キャッピング層を作る。
この廃棄物処分場は、廃棄物投棄用の凹面10を備えている。この凹面10には、その全面に遮水層11が設けられている。遮水層11は、凹面10の内部に含浸した雨水が凹面10の外部へ漏れ出すのを防止するためのものである。この実施形態では、遮水層11は、遮水性能を有する樹脂製のシートによって形成されている。かかるシートの厚さはこの実施形態では3mmであるが、この厚さは、1〜5mm程度の範囲で適当に選択される。遮水層11を形成するシートの垂直方向の透水係数は、10−9cm/sのオーダー、或いはそれ以下のオーダーとされる。
凹面10には廃棄物12が投棄されている。この実施形態における廃棄物12は、これには限られないが、焼却灰、粗大ごみ、生ごみを含んでいる。
この実施形態における廃棄物処分場は、予定された容量分の廃棄物12が既に投棄されており、後は廃棄物12の安定化を図ればよい状態となっている。廃棄物12は、安定化の過程で腐敗し、ガス、場合によっては有毒のガス(例えば、硫化水素)を生じる可能性もある。
この実施形態では、このような廃棄物処分場に対してキャッピングを行って、廃棄物12の表面を覆うキャッピング層を形成する。
図2に、キャッピング層20が構成された廃棄物処分場の縁部を図示する。
キャッピング層20は、下側から、ガス排除層21、浸透防止層22、排水層23、及び侵食防止層24を含んで構成されている。また、浸透防止層22と、排水層23の間には、保水材25が配されている。キャッピング層20は、廃棄物12の上に、ガス排除層21、浸透防止層22、保水材25、排水層23、及び侵食防止層24を順に敷設することによって形成される。
この実施形態では、必ずしもそうである必要はないが、ガス排除層21、浸透防止層22、排水層23をともに、人工材料をシート状に形成してなるシート材によって構成している。
なお、この実施形態では、キャッピング層20に含まれるガス排除層21、浸透防止層22、排水層23、保水材25はすべて、廃棄物12の全面を覆うようになっている。ただし、本願発明はこれに限定されるものではなく、ガス排除層21、浸透防止層22、排水層23、保水材25のうちの1つ、或いは2つが部分的に存在しない部分があってもよい。
ガス排除層21は、廃棄物12の表面を覆うものであり、廃棄物12から発生したガスを抜く機能を有する。ガス排除層21は、その内部をガスが通過できるような空隙を有するものとされる。
ガス排除層21の端部は、外気に対して露出するようにされており、ガス排除層21の内部を通って来た廃棄物12から発生したガスは、その端部から外気に放出されるようになっている。そのため、ガス排除層21の端部の少なくとも一部は、外部に臨むようになっている。
この実施形態では、廃棄物12内でガスの圧が高まったときに、そのガスがガス排除層21を通して自然に外気に対して放出されるようになっている。なお、必ずしも必要はないが、ガス排除層21に、例えば多数の孔がその一端側の側面に穿たれた有口管の上記一端側を差込むとともに、その有口管の他端を外気に対して開放することで、有口管を介してガス排除層21に溜まったガスを外気に放出するようにしてもよい。また、この有口管の他端にポンプを接続し、このポンプを介してガス排除層21内部のガスを引くことで、ガスをガス排除層21から強制的に外気に放出するようにすることもできる。
ガス排除層21は、具体的には、図3、図4に示したようなものとすることができる。
図3は、ガス排除層21を作るときに用いる人工材料の一例であるマット体30の例を示したものである。
このマット体30は、繊維をマット状に成形して構成される。このマット体30は、その全体が不織布でできていても構わないが、この実施形態では、織布である補強基布31を反毛フェルト32で挟んだ構成となっている。補強基布31と反毛フェルト32は、互いに溶着されている。補強基布31は、マット体30の強度を上げるためのものである。補強基布31は、ポリプロピレン製のものである。マット体30の厚さは、1〜2cm程度となっている。
図4は、ガス排除層21を作るときに用いる人工材料の一例である立体構造体40の例を示したものである。この立体構造体40は、略水平方向にガスを移動させられるような所定の凹凸パターンをエンボス加工によって成形された遮水性を有する樹脂でできた薄板41を有している。なお、この凹凸パターンは、後述するように、略水平方向に排水を移動させられるようなものでもある。この実施形態では、立体構造体40の所定の箇所に所々小孔41Aを穿設している。この小孔41Aは、ガス排除層21にガスを導くためのものである。この実施形態では、立体構造体40の厚さは、1〜2cm程度となっている。
なお、ガス排除層21は、天然材料によって構成することもできる。例えば、砂利を用いてガス排除層21を構成することができる。この場合、ガスは、砂利の間を通って外部へ排出される。
上述のマット体30又は立体構造体40を、廃棄物12の表面に敷設することにより、ガス排除層21が作られる。
なお、ガス排除層21は、マット体30と立体構造体40の一方によって形成されていてもよいが、部位によりこれらを使い分けて、これらの双方を用いて形成されていてもよい。この実施形態では、マット体30のみによりガス排除層21を形成することとする。
次に、浸透防止層22について説明する。
浸透防止層22は、雨水の廃棄物12への含浸を制限する機能を有しており、ガス排除層21の上に設けられている。浸透防止層22は、垂直方向の透水係数が10−5cm/sのオーダーとされている。この実施形態では、浸透防止層22の垂直方向の透水係数は7.7×10−5cm/sとされている。なお、この実施形態における浸透防止層22は、必ずしもそうなっている必要はないが通気性を持っている。この浸透防止層22の通気量は必ずしもこの限りではないが、この実施形態では、1000m/m/24hとなっている。
浸透防止層22は、この実施形態では、三層構造のシート材により形成されている。このシート材は、ポリエチレン製の不織布を、両面からポリプロピレン製の不織布によって挟み込んだものとされている。ポリエチレン製の不織布と、ポリプロピレン製の不織布は互いに溶着されている。雨水の廃棄物12への含浸を制限する機能は主に中心のポリエチレン製の不織布によって得られる。両側のポリプロピレン製の不織布は、主に、補強の役割を果たす。
このシート材をガス排除層21の上に敷設することで、浸透防止層22を形成する。なお、浸透防止層22は複数のシート材を組合わせて形成されることが多いが、その場合には隣り合うシート材の端部同士を、水密となるように接続する。
次に、排水層23について説明する。排水層23は、浸透防止層22の表面を覆うものであり、雨水の排水を行う機能を有する。排水層23は、雨水の透過を制限する浸透防止層22の上に溜まった雨水を排水する。排水層23の端部の所々には、外気に対してその一端が連通されている連通管23Aが設けられている。排水層23の中を流れてきた雨水は、この連通管23Aを介して外部に排出される。なお、廃棄物処分場の外部には、連通管23Aから排出された雨水を外部に流すための溝23Bが設けられている。
この実施形態における排水層23は、この実施形態では、上述した立体構造体40にて構成されている。排水層23として立体構造体40が用いられる場合、立体構造体40に設けられた上述の小孔41Aがあると、雨水は排水層23を通過し易くなる。適当に小孔41Aを設けることで、雨水の廃棄物12への到達量を制御できる。この制御をより適切に行うため、排水層23に用いる立体構造体40と、ガス排除層21に用いる立体構造体40とは、小孔41Aの径や数に関して異なるものとすることができる。
侵食防止層24は、排水層23の表面を覆っている。侵食防止層24は、排水層23、浸透防止層22、ガス排除層21を保護する機能を有している。この実施形態における侵食防止層24は土であり、排水層23の上に盛り土することによって形成される。
侵食防止層24は、その表面に植樹等することが可能であり、そのようにすることにより、廃棄物処分場の美観を良好なものにするにも寄与する。
最後に保水材25について説明する。
保水材25は、この実施形態では、浸透防止層22と排水層23の間に設けられる。保水材25は、この実施形態では、キャッピング層20の全範囲に存在している。
保水材25は、排水層23を形成する立体構造体40に設けられた上述の小孔41Aを通過して浸透防止層22の上に溜まった雨水を保持する機能を有している。それにより、雨水は、浸透防止層22を通過できるだけの時間、浸透防止層22を形成するシート材の上に止まることになる。
この実施形態における保水材25は、必ずしもその限りではないが、不織布でできている。保水材25は、上述した排水層23を形成する前に、浸透防止層22に接するようにしながら、浸透防止層22の全面を覆うように敷き詰められ、それにより層状とされる。なお、保水材25は、織布により形成されていてもよい。
保水材25は、キャッピング層20のすべての部分で同じように構成されている必要はない。例えば、キャッピング層20の各部分によって、保水性能等が異なるものが用いられてもよい。不織布である保水材25は、例えば、それを構成する繊維の太さ、繊維の密度の少なくとも一方を変化させることにより、或いは保水材25の厚さを変化させることにより、その保水性能を変化させることができる。この実施形態では、キャッピング層20のうち、垂直方向の透水係数をより大きくしたい部分に対応する部分に配される保水材25ほど、保水性能が優れたものになるようにしている。
本発明の一実施形態によるキャッピング層が設けられる廃棄物処分場の一例を示す側断面図。 図1に示した廃棄物処分場にキャッピング層を設けた場合における廃棄物処分場の縁部を概略的に示す側断面図。 図2で示したキャッピング層のマット体の構成を示す斜視図。 図2で示したキャッピング層の立体構造体の構成を示す斜視図。
符号の説明
10 凹面
11 遮水層
12 廃棄物
20 キャッピング層
21 ガス排除層
22 浸透防止層
23 排水層
24 侵食防止層
25 保水材

Claims (7)

  1. 廃棄物処分場の廃棄物が投棄される凹面内に投棄された廃棄物の表面に設けられた、雨水の廃棄物への含浸を制限するための浸透防止層を含んでいるキャッピング層であって、
    前記浸透防止層が、雨水の廃棄物への含浸を制限するのに適した垂直方向についての所定の透水係数を有するシート材によって形成されているとともに、
    前記浸透防止層の直上の所定の範囲に、前記浸透防止層と接するようにして、水を保持する機能を有する保水材を配してなる、
    キャッピング層。
  2. 前記保水材は、織布又は不織布である、
    請求項1記載のキャッピング層。
  3. 前記保水材が、前記キャッピング層の全範囲に配されている、
    請求項1記載のキャッピング層。
  4. 前記浸透防止層の垂直方向の透水係数が10−5cm/sのオーダーである、
    請求項1記載のキャッピング層。
  5. 前記保水材は、前記キャッピング層の部分により、保水性能が異なるものが配されている、
    請求項1〜4のいずれかに記載のキャッピング層。
  6. 前記キャッピング層のうち、垂直方向の透水係数をより大きくしたい部分に対応する部分には、他の部分よりも保水性能に優れた前記保水材が配されている、
    請求項5記載のキャッピング層。
  7. 廃棄物処分場の廃棄物が投棄される凹面内に投棄された廃棄物の表面に設けられた、前記廃棄物の表面を覆う、廃棄物から発生したガスを抜くためのガス排除層と、前記ガス排除層の表面を覆う、雨水の廃棄物への含浸を制限するための浸透防止層と、前記浸透防止層の表面を覆う、雨水の排水を行うための排水層と、前記排水層の表面を覆う、前記排水層、前記浸透防止層、前記ガス排除層を保護する侵食防止層と、を含んでいるキャッピング層の製造方法であって、
    前記浸透防止層を、雨水の廃棄物への含浸を制限するのに適した垂直方向についての所定の透水係数を有するシート材によって形成するとともに、
    前記浸透防止層の直上の所定の範囲に、前記浸透防止層と接するようにして、水を保持する機能を有する保水材を配する、
    キャッピング層の製造方法。
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