JP2008093608A - 触媒担体、その製造方法及び触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス中に含まれる成分と触媒成分との接触性を向上させ得る触媒担体、その製造方法、及びこれを用いた触媒を提供すること。
【解決手段】触媒担体は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部とを備える。
触媒担体の製造方法は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され下地層から成る乱流発生部とを備える触媒担体を製造するに当たり、セルを有する一体構造型担体に、2つ以上の粒径ピークを有する2次粒子を含有する下地層形成用材料をコートする。
触媒は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され下地層から成る乱流発生部と、下地層に積層形成される触媒層とを備える。
【選択図】なし
【解決手段】触媒担体は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部とを備える。
触媒担体の製造方法は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され下地層から成る乱流発生部とを備える触媒担体を製造するに当たり、セルを有する一体構造型担体に、2つ以上の粒径ピークを有する2次粒子を含有する下地層形成用材料をコートする。
触媒は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され下地層から成る乱流発生部と、下地層に積層形成される触媒層とを備える。
【選択図】なし
Description
本発明は、触媒担体、その製造方法及び触媒に係り、更に詳細には、ガス中に含まれる成分と触媒成分との接触性を向上させ得る触媒担体、その製造方法及びこれを用いた触媒に関する。
従来、触媒成分と排気ガスとの接触面積を増大させるために、排気ガス通路の上流側に設置され、容量の小さい第1の触媒手段と、この第1の触媒手段の下流側に設置され、この第1の触媒手段より容量の大きい第2の触媒手段と、前記第1の触媒手段の上流側に設置され、前記第1の触媒手段の中心部に流入しようとする排気ガスの流れを中心部から外周側に偏流させる偏流手段と、を備える排気ガス浄化装置が提案されている(特許文献1参照。)。
また、排ガス中に含まれる粒子状物質を捕捉し、触媒成分と接触させるために、基材と、該基材上に形成された無機酸化物からなる第1層と、該第1層上に無機繊維材から形成され排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕捉することができる第2層と、少なくとも該第1層上に担持された触媒成分と、からなる排気ガス浄化用触媒が提案されている(特許文献2参照。)。
特開平7−279652号公報
特開2001−104783号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載の排気ガス浄化装置や排気ガス浄化用触媒においては、一体構造型担体のセル壁に触媒成分を担持した排ガス浄化触媒において、セル内の排ガス流れが層流であり、排ガス成分がセル壁に担持された触媒成分と十分に接触しないため、触媒性能を十分に発揮できていないという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガス中に含まれる成分と触媒成分との接触性を向上させ得る触媒担体、その製造方法、及びこれを用いた触媒を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねたところ、複数のセルを有する一体構造型担体のセルの内壁に、下地層から成る乱流発生部を配設することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の触媒担体は、複数のセルを有する一体構造型担体と、該セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の触媒担体の製造方法は、複数のセルを有する一体構造型担体と、該セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、を備える触媒担体を製造するに当たり、セルを有する一体構造型担体に、2つ以上の粒径ピークを有する2次粒子を含有する下地層形成用材料をコートすることを特徴とする。
更に、本発明の触媒は、複数のセルを有する一体構造型担体と、該セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、該下地層に積層形成される触媒層と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数のセルを有する一体構造型担体のセルの内壁に、下地層から成る乱流発生部を配設することなどとしたため、ガス中に含まれる成分と触媒成分との接触性を向上させ得る触媒担体、その製造方法、及びこれを用いた触媒を提供することができる。
以下、本発明の触媒担体について説明する。なお、本明細書において、濃度や含有量などについての「%」は、特記しない限り質量百分率を表わすものとする。
上述の如く、本発明の触媒担体は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、を備えるものであり、更に下地層に触媒層を積層形成して用いるものである。
このような構成とすることにより、セル内のガス流れが層流ではなく乱流となり、ガスに含まれる成分が下地層に積層形成される触媒層と接触し易くなり、触媒性能が発揮され易くなる。
ここで、複数のセルを有する一体構造型担体としては、例えばコーディエライトなどのセラミックスやフェライト系ステンレスなどの金属等の耐熱性材料から成るモノリス担体が用いられる。
上述の如く、本発明の触媒担体は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、を備えるものであり、更に下地層に触媒層を積層形成して用いるものである。
このような構成とすることにより、セル内のガス流れが層流ではなく乱流となり、ガスに含まれる成分が下地層に積層形成される触媒層と接触し易くなり、触媒性能が発揮され易くなる。
ここで、複数のセルを有する一体構造型担体としては、例えばコーディエライトなどのセラミックスやフェライト系ステンレスなどの金属等の耐熱性材料から成るモノリス担体が用いられる。
また、下地層から成る乱流発生部は、例えば不均一な厚み分布を有する下地層により形成することが、形状成型の観点から望ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
また、下地層が、層厚部と層薄部とを有し、これらが下地層において分散した状態で存在し、セルのセル口径(Ldc)に対する下地層の層厚部の厚み(Lta)の比(Lta/Ldc)が0.015〜0.3であることが好ましく、0.03〜0.15であることがより好ましく、0.05〜0.1であることが更に好ましい。
Lta/Ldcが0.015未満の場合には、後にコートする触媒層が偏ることがあり、Lta/Ldcが0.3を超える場合には、圧損が上昇することがある。
Lta/Ldcが0.015未満の場合には、後にコートする触媒層が偏ることがあり、Lta/Ldcが0.3を超える場合には、圧損が上昇することがある。
なお、「層厚部」とは、その厚みが10μm以上の部位をいい、「層薄部」とは、その厚みが10μm未満の部位をいう。
また、「セル口径」とは、一体構造型担体をセル長さ方向に対して垂直な面により切断した場合に、その断面に現れる任意のセルの開口部において、その開口面積を有する円を仮定したときのその円の直径をいう。
更に、セル口径によって規定しているが、一体構造型担体のセル口形状は、特に限定されるものではなく、セル口形状が三角形、四角形、六角形などの一般的なセラミック製の一体構造型担体に適用することができ、また、セル口形が三角形やサイン波形状などの一般的な金属製の一体構造型担体に適用することもできる。
また、「セル口径」とは、一体構造型担体をセル長さ方向に対して垂直な面により切断した場合に、その断面に現れる任意のセルの開口部において、その開口面積を有する円を仮定したときのその円の直径をいう。
更に、セル口径によって規定しているが、一体構造型担体のセル口形状は、特に限定されるものではなく、セル口形状が三角形、四角形、六角形などの一般的なセラミック製の一体構造型担体に適用することができ、また、セル口形が三角形やサイン波形状などの一般的な金属製の一体構造型担体に適用することもできる。
上述した層厚部の厚みは具体的には10〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがより好ましく、50〜100μmであることが更に好ましい。
層厚部の厚みが10μm未満の場合には、後にコートする触媒層が偏ることがあり、層厚部の厚みが200μmを超える場合には、圧損が上昇することがある。
また、その層厚部の1個当たりの面積の円換算による直径が10〜1000μmであることが好ましく、150〜800μmであることがより好ましく、250〜600μmであることが更に好ましい。
層厚部の1個当たりの面積の円換算による直径が10μm未満の場合には、圧損が上昇することがあり、層厚部の1個当たりの面積の円換算による直径が1000μmを超える場合には、触媒性能を発揮し難くなることがある。
なお、「層厚部の1個当たりの面積の円換算による直径」とは、下地層をセル内壁から膜厚方向10μmの位置で膜厚方向に垂直な面で切断した場合に、そこに現れる任意の切断面において、その断面積を有する円を仮定したときのその円の直径をいう。
層厚部の厚みが10μm未満の場合には、後にコートする触媒層が偏ることがあり、層厚部の厚みが200μmを超える場合には、圧損が上昇することがある。
また、その層厚部の1個当たりの面積の円換算による直径が10〜1000μmであることが好ましく、150〜800μmであることがより好ましく、250〜600μmであることが更に好ましい。
層厚部の1個当たりの面積の円換算による直径が10μm未満の場合には、圧損が上昇することがあり、層厚部の1個当たりの面積の円換算による直径が1000μmを超える場合には、触媒性能を発揮し難くなることがある。
なお、「層厚部の1個当たりの面積の円換算による直径」とは、下地層をセル内壁から膜厚方向10μmの位置で膜厚方向に垂直な面で切断した場合に、そこに現れる任意の切断面において、その断面積を有する円を仮定したときのその円の直径をいう。
更に、下地層が、層厚部と層薄部とを有し、これらが下地層において分散した状態で存在し、セルのセル口径(Ldc)に対する層薄部の厚み(Ltu)の比(Ltu/Ldc)が0.001〜0.0125であることが好ましく、0.003〜0.0125であることがより好ましく、0.006〜0.01であることが更に好ましい。
Ltu/Ldcが0.001未満の場合には、後にコートする触媒層が偏ることがあり、Ltu/Ldcが0.0125を超える場合には、圧損が上昇することがある。
Ltu/Ldcが0.001未満の場合には、後にコートする触媒層が偏ることがあり、Ltu/Ldcが0.0125を超える場合には、圧損が上昇することがある。
また、下地層は、乱流発生部として機能し、その後に触媒層を積層形成することができれば、特に限定されるものではないが、下地層自体に触媒成分を含有していてもよい。
このような構成とすることにより、触媒機能を発揮させることができ、後述するような触媒を形成した場合の性能をより向上させることができる。
そして、このような触媒成分としては、典型的には、白金、ロジウム、ラジウムなどの貴金属を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。即ち、セリア、アルカリ金属、アルカリ土類金属などを挙げることもできる。
このような構成とすることにより、触媒機能を発揮させることができ、後述するような触媒を形成した場合の性能をより向上させることができる。
そして、このような触媒成分としては、典型的には、白金、ロジウム、ラジウムなどの貴金属を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。即ち、セリア、アルカリ金属、アルカリ土類金属などを挙げることもできる。
次に、本発明の触媒担体の製造方法について説明する。
上述の如く、本発明の触媒担体の製造方法は、複数のセルを有する一体構造型担体と、該セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、を備える触媒担体を製造するに当たり、セルを有する一体構造型担体に、2つ以上の粒径ピークを有する2次粒子を含有する下地層形成用材料をコートして、所望の触媒担体を得る方法である。
このように、2つ以上の粒径ピークを有する2次粒子を含有する下地形成用材料をコートすると、乱流発生部を効率良く形成することができる。
なお、上記本発明の触媒担体は、かかる製造方法により得られたものに限定されるものでないことは言うまでもない。
上述の如く、本発明の触媒担体の製造方法は、複数のセルを有する一体構造型担体と、該セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、を備える触媒担体を製造するに当たり、セルを有する一体構造型担体に、2つ以上の粒径ピークを有する2次粒子を含有する下地層形成用材料をコートして、所望の触媒担体を得る方法である。
このように、2つ以上の粒径ピークを有する2次粒子を含有する下地形成用材料をコートすると、乱流発生部を効率良く形成することができる。
なお、上記本発明の触媒担体は、かかる製造方法により得られたものに限定されるものでないことは言うまでもない。
ここで、下地層形成用材料は、1〜7μmと20〜60μmとに粒径ピークを有する2次粒子を含有することが好ましい。
このような範囲に粒径ピークを有する下地形成用材料によって、上述したような所望の層厚部と層薄部とを有する下地層を効率良く形成することができる。
このような範囲に粒径ピークを有する下地形成用材料によって、上述したような所望の層厚部と層薄部とを有する下地層を効率良く形成することができる。
また、下地層形成用材料の粘度は、30〜100cPであることが好ましく、40〜80cPであることがより好ましく、50〜70cPであることが更に好ましい。
粘度が30cP未満の場合には、コートムラとなることがあり、粘度が100cPを超える場合には、目詰まりとなることがある。
粘度が30cP未満の場合には、コートムラとなることがあり、粘度が100cPを超える場合には、目詰まりとなることがある。
更に、下地層形成用材料は、高耐熱性接着剤を含有することが望ましく、このような高耐熱性接着剤の好適例としては、アルミナとリン酸バインダーとを含有するものを挙げることができる。
このような下地層形成用材料を用いて形成される下地層は、成分としてアルミナ(焼成後は主にα−アルミナである。)を含有するものとなり、触媒層との密着性にも優れている。また、他の成分としてシリカを含有しないものが、触媒成分との密着性などの相性が良好であるという観点から好ましい。触媒機能を付与できるという観点から貴金属等の触媒成分を含有したものが好ましい。
更に、このような下地形成用材料は、リン酸を含むバインダーが熱により焼失する際に、粒径ピークで得られる厚み分布とは格段に大きさが異なる窪みを表面を形成するため、触媒層の密着性が向上し、より均一な厚みを有する触媒層を形成することができる。
このような下地層形成用材料を用いて形成される下地層は、成分としてアルミナ(焼成後は主にα−アルミナである。)を含有するものとなり、触媒層との密着性にも優れている。また、他の成分としてシリカを含有しないものが、触媒成分との密着性などの相性が良好であるという観点から好ましい。触媒機能を付与できるという観点から貴金属等の触媒成分を含有したものが好ましい。
更に、このような下地形成用材料は、リン酸を含むバインダーが熱により焼失する際に、粒径ピークで得られる厚み分布とは格段に大きさが異なる窪みを表面を形成するため、触媒層の密着性が向上し、より均一な厚みを有する触媒層を形成することができる。
次に、本発明の触媒について説明する。
上述の如く、本発明の触媒は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、下地層に積層形成される触媒層と、を備えるものであって、排ガス浄化用触媒として好適に用いられるものである。
このような構成とすることによって、ガス中に含まれる成分と触媒層に含まれる触媒成分との接触性が向上する。
上述の如く、本発明の触媒は、複数のセルを有する一体構造型担体と、セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、下地層に積層形成される触媒層と、を備えるものであって、排ガス浄化用触媒として好適に用いられるものである。
このような構成とすることによって、ガス中に含まれる成分と触媒層に含まれる触媒成分との接触性が向上する。
また、本発明の触媒においては、触媒層が、貴金属を含有する触媒成分を含み、且つ均一な厚み分布を有することが望ましい。
セルのコーナー部位に偏らず、均一な厚み分布を有する触媒層は、上述したアルミナとリン酸バインダーとを含有する下地層形成用材料を用いることで形成することができる。
なお、上記触媒層は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法により形成することができる。例えば、上記した触媒担体に触媒成分を含有するスラリーを塗布し、余剰のスラリーを除去し、乾燥し、焼成することにより得ることができる。また、触媒成分を含有する溶液等に触媒担体を浸漬し、乾燥し、焼成することなどにより得ることもできる。
セルのコーナー部位に偏らず、均一な厚み分布を有する触媒層は、上述したアルミナとリン酸バインダーとを含有する下地層形成用材料を用いることで形成することができる。
なお、上記触媒層は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法により形成することができる。例えば、上記した触媒担体に触媒成分を含有するスラリーを塗布し、余剰のスラリーを除去し、乾燥し、焼成することにより得ることができる。また、触媒成分を含有する溶液等に触媒担体を浸漬し、乾燥し、焼成することなどにより得ることもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1)
セルを有する一体構造型担体の一例であるフェライト系ステンレス鋼製のメタル担体(セル口径:800μm)に、下地層形成用材料の一例である高耐熱性接着剤(成分:アルミナ、リン酸バインダー、粒径ピーク:15μm,40μm、粘度:50cP)を塗布し、乾燥し、焼成して、乱流発生部である下地層を形成して、本例の触媒担体を得た。なお、用いた下地層形成用材料の粒度分布を図1に示す。
セルを有する一体構造型担体の一例であるフェライト系ステンレス鋼製のメタル担体(セル口径:800μm)に、下地層形成用材料の一例である高耐熱性接着剤(成分:アルミナ、リン酸バインダー、粒径ピーク:15μm,40μm、粘度:50cP)を塗布し、乾燥し、焼成して、乱流発生部である下地層を形成して、本例の触媒担体を得た。なお、用いた下地層形成用材料の粒度分布を図1に示す。
図2は、本例の触媒担体のセル長さ方向に対して垂直な断面における走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
また、本例の触媒担体の一部を切り出し、その断面をSEMにて観察した。得られた結果を図3(a)に示す。
更に、本例の触媒担体の一部を切り出し、その表面をSEMにて観察した。得られた結果を図3(b)に示す。
更にまた、得られた触媒担体において、Lta/Ldcは0.125、Ltu/Ldcは0.01、層厚部の厚みは100μm、層厚部直径は600μmであった。
図2、図3などの観察から、下地層から成る所望の乱流発生部が形成されていることが分かった。
また、本例の触媒担体の一部を切り出し、その断面をSEMにて観察した。得られた結果を図3(a)に示す。
更に、本例の触媒担体の一部を切り出し、その表面をSEMにて観察した。得られた結果を図3(b)に示す。
更にまた、得られた触媒担体において、Lta/Ldcは0.125、Ltu/Ldcは0.01、層厚部の厚みは100μm、層厚部直径は600μmであった。
図2、図3などの観察から、下地層から成る所望の乱流発生部が形成されていることが分かった。
(比較例1−1)
セルを有する一体構造型担体の一例であるフェライト系ステンレス鋼製のメタル担体(セル口径:800μm)に、下地層形成用材料の一例である高耐熱性接着剤(成分:アルミナ、リン酸バインダー、粒径ピーク:4μm、粘度:30cP)を塗布し、乾燥し、焼成して、下地層を形成して、本例の触媒担体を得た。
また、本例の触媒担体の一部を切り出し、その断面をSEMにて観察した。得られた結果を図4に示す。
更にまた、得られた触媒担体において、Lta/Ldcは0.0125、Ltu/Ldcは0.005、層厚部の厚みは10μm、層厚部直径は780μmであった。
図4などの観察から、下地層から成る所望の乱流発生部が形成されていないことが分かった。
セルを有する一体構造型担体の一例であるフェライト系ステンレス鋼製のメタル担体(セル口径:800μm)に、下地層形成用材料の一例である高耐熱性接着剤(成分:アルミナ、リン酸バインダー、粒径ピーク:4μm、粘度:30cP)を塗布し、乾燥し、焼成して、下地層を形成して、本例の触媒担体を得た。
また、本例の触媒担体の一部を切り出し、その断面をSEMにて観察した。得られた結果を図4に示す。
更にまた、得られた触媒担体において、Lta/Ldcは0.0125、Ltu/Ldcは0.005、層厚部の厚みは10μm、層厚部直径は780μmであった。
図4などの観察から、下地層から成る所望の乱流発生部が形成されていないことが分かった。
(実施例2−1)
実施例1−1で得られた触媒担体に、触媒層を積層形成して、本例の触媒を得た。
なお、触媒層は以下に示すような手順で積層形成した。
触媒層形成用スラリー(組成;Pt1.4g/L+バインダー5g/L)を作製し、これを触媒担体に塗布し、乾燥し、焼成して、触媒層を形成した。
実施例1−1で得られた触媒担体に、触媒層を積層形成して、本例の触媒を得た。
なお、触媒層は以下に示すような手順で積層形成した。
触媒層形成用スラリー(組成;Pt1.4g/L+バインダー5g/L)を作製し、これを触媒担体に塗布し、乾燥し、焼成して、触媒層を形成した。
(比較例2−1)
実施例1−1で得れらた触媒担体に代えて、比較例1−1で得られた触媒担体を用いた以外は、実施例2−1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を得た。
実施例1−1で得れらた触媒担体に代えて、比較例1−1で得られた触媒担体を用いた以外は、実施例2−1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を得た。
(比較例2−2)
実施例1−1で用いたメタル担体を、酸化雰囲気下で加熱処理して、メタル担体の表面にウィスカーを形成した。
実施例1−1で得られた触媒担体に代えて、このウィスカー形成メタル担体を用いた以外は、実施例2−1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を得た。
実施例1−1で用いたメタル担体を、酸化雰囲気下で加熱処理して、メタル担体の表面にウィスカーを形成した。
実施例1−1で得られた触媒担体に代えて、このウィスカー形成メタル担体を用いた以外は、実施例2−1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を得た。
[性能評価]
上記実施例2−1及び比較例2−2を用いて、下記条件下、車両を用いた北米LA4−CH評価モード中におけるBbagのNOx転化率を測定した。得られた結果を図5示す。図5は、触媒層の厚みと車両を用いた北米LA4−CH評価モード中におけるBbagのNOx転化率の関係を示すグラフである。
上記実施例2−1及び比較例2−2を用いて、下記条件下、車両を用いた北米LA4−CH評価モード中におけるBbagのNOx転化率を測定した。得られた結果を図5示す。図5は、触媒層の厚みと車両を用いた北米LA4−CH評価モード中におけるBbagのNOx転化率の関係を示すグラフである。
(測定条件)
・耐久条件
エンジン排気量 :3000cc
燃料 :ガソリン(日石ダッシュ)
触媒入口ガス温度 :800℃
耐久時間 :100時間
・車両性能試験
エンジン排気量 :日産自動車株式会社製 直列4気筒 1.8Lエンジン
評価方法 :北米排ガス試験法のLA4−CH
・耐久条件
エンジン排気量 :3000cc
燃料 :ガソリン(日石ダッシュ)
触媒入口ガス温度 :800℃
耐久時間 :100時間
・車両性能試験
エンジン排気量 :日産自動車株式会社製 直列4気筒 1.8Lエンジン
評価方法 :北米排ガス試験法のLA4−CH
図5より、本発明の範囲に属する実施例2−1は、本発明外の比較例2−2と比較して車両を用いた北米LA4−CH評価モード中におけるBbagのNOx転化率が低いことが分かる。
これは、実施例2−1の触媒が、比較例2−2の触媒より、NOxと触媒成分との接触性に優れているためである。
これは、実施例2−1の触媒が、比較例2−2の触媒より、NOxと触媒成分との接触性に優れているためである。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、一体構造型担体として、メタル担体を用いる場合について説明したが、セラミックスのハニカム担体を用いた触媒担体、又はパティキュレートマターを捕集し得るフィルター構造を有するいわゆるチェッカードハニカム担体を用いた触媒担体についても、本発明を適用することができる。
例えば、上記の実施形態では、一体構造型担体として、メタル担体を用いる場合について説明したが、セラミックスのハニカム担体を用いた触媒担体、又はパティキュレートマターを捕集し得るフィルター構造を有するいわゆるチェッカードハニカム担体を用いた触媒担体についても、本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態では、自動車用の排気ガス浄化用触媒として利用される触媒について説明したが、その場合には、例えば三元触媒や酸化触媒、HC吸着浄化触媒、NOx吸着浄化触媒、CO除去触媒など用途について限定されずに利用することができる。
更に、自動車用の排気ガス浄化用触媒の他にも、燃料電池用改質触媒などにも利用することができる。
更に、自動車用の排気ガス浄化用触媒の他にも、燃料電池用改質触媒などにも利用することができる。
Claims (13)
- 複数のセルを有する一体構造型担体と、
上記セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、
を備えることを特徴とする触媒担体。 - 上記下地層が、不均一な厚み分布を有することを特徴とする請求項1に記載の触媒担体。
- 上記下地層は、層厚部と層薄部とを有し、これらは該下地層において分散した状態で存在し、
上記セルのセル口径(Ldc)に対する上記層厚部の厚み(Lta)の比(Lta/Ldc)が0.015〜0.3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒担体。 - 上記下地層は、層厚部と層薄部とを有し、これらは該下地層において分散した状態で存在し、
上記セルのセル口径(Ldc)に対する上記層薄部の厚み(Ltu)の比(Ltu/Ldc)が0.001〜0.0125であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の触媒担体。 - 上記下地層は、層厚部と層薄部とを有し、これらは該下地層において分散した状態で存在し、
上記層厚部の厚みは10〜200μmであり、該層厚部の1個当たりの面積の円換算による直径が10〜1000μmである、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の触媒担体。 - 上記下地層が、貴金属を含有する触媒成分を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の触媒担体。
- 複数のセルを有する一体構造型担体と、該セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、を備える触媒担体を製造するに当たり、
セルを有する一体構造型担体に、2つ以上の粒径ピークを有する2次粒子を含有する下地層形成用材料をコートすることを特徴とする触媒担体の製造方法。 - 上記下地層形成用材料が、1〜7μmと20〜60μmとに粒径ピークを有する2次粒子を含有することを特徴とする請求項7に記載の触媒担体の製造方法。
- 上記下地層形成用材料の粘度が、30〜100cPであることを特徴とする請求項7又は8に記載の触媒担体の製造方法。
- 上記下地層形成用材料が、高耐熱性接着剤を含有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つの項に記載の触媒担体の製造方法。
- 上記高耐熱性接着剤が、アルミナとリン酸バインダーとを含有することを特徴とする請求項10に記載の触媒担体の製造方法。
- 複数のセルを有する一体構造型担体と、
上記セルの内壁に配設され、下地層から成る乱流発生部と、
上記下地層に積層形成される触媒層と、
を備えることを特徴とする触媒。 - 上記触媒層は、貴金属を含有する触媒成分を含み、且つ均一な厚み分布を有することを特徴とする請求項12に記載の触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006280354A JP2008093608A (ja) | 2006-10-13 | 2006-10-13 | 触媒担体、その製造方法及び触媒 |
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JP2006280354A Pending JP2008093608A (ja) | 2006-10-13 | 2006-10-13 | 触媒担体、その製造方法及び触媒 |
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- 2006-10-13 JP JP2006280354A patent/JP2008093608A/ja active Pending
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