JP2008092751A - リニアモータ用通電制御回路及びリニアモータ - Google Patents

リニアモータ用通電制御回路及びリニアモータ Download PDF

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Abstract

【課題】 載置重量が極めて大きく、かつ、駆動距離を大きくする必要があるXYステージの駆動を行なうリニアモータ用通電制御回路とリニアモータを提供する。
【解決手段】 リニアモータのブレーキ指令により、多相コイルに発生する回生エネルギーを回生ブレーキ抵抗に導いて前記回生エネルギーを減少させる回生ブレーキ回路と、リニアモータの駆動を減速させる減速指令により、多相コイルに発生する回生エネルギーの電圧が所定の値を超えたときに、この回生エネルギーに基づく電圧を低下させる回生消費抵抗を有する回生消費回路とを備えたリニアモータ用通電制御回路、及びこの通電制御回路を用いたリニアモータである。さらに、通電制御回路は商用200Vを整流して280V以上に昇圧する昇圧回路と、多相コイルはコイルを冷却する冷却手段を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の電子部品の搬送手段、あるいはこれら電子部品に検査等の各種の処理を行なうための手段として使用されるリニアモータに関し、特に、重量が極めて重い電子部品等の搬送あるいは各種の処理を行なう装置を駆動させるリニアモータの通電制御回路と、この通電制御回路を用いたリニアモータに関するものである。
半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の製造装置においては、高精度の位置決めを必要とする部品や部材の移動手段として、扁平状のコイルを2相又は3相に重ね合わせた構造とした多相コイルに正弦波状の駆動電流を通電することにより、可動子を直線方向に駆動させるリニアモータが使用されている。その駆動方式から、2相又は3相等の多相コイルを用いた可動コイル型ブラシレスリニアモータ(可動コイル型リニアモータ)、あるいは可動磁石型ブラシレスリニアモータ(可動磁石型リニアモータ)が実用化されている。
可動コイル型リニアモータは、固定子を、相隣る磁極が交互に異なる極性になるように複数の界磁磁石(永久磁石)を長手方向に配置した界磁磁石の列を所定の磁気空隙を設けて2列配置した構成にしている。そして、磁気空隙を介して対向する界磁磁石の磁極は、異極が対向するように配置している。
一方、可動子は多相の扁平コイル(3相コイル等)から構成されている。多相コイルは、固定子が形成する磁気空隙(以下、磁気空隙路という場合がある)における磁束と巻線方向が直交するように、磁気空隙路内を直線移動が可能になるように配置されている。また、多相コイルの各コイルは界磁磁石の配置方向に若干ずらして配設すると共に、必要に応じて磁極の方向を検出する磁界検出素子(ホール素子)を備えている。
そして、可動コイル型リニアモータの制御装置は、磁界検出素子からの検出情報と可動子の現在位置の情報に基づいて、可動子を目標位置に駆動させるための大きさと向きの正弦波駆動電流を各コイルに通電する制御を行なう。これにより、120°(2π/3)ずつ位相のずれた電流が多相コイルに入力されるので、多相コイルはフレミングの左手の法則により磁気空隙路の長手方向の駆動力を受けることになる。そして、多相コイルを一体に指示している可動子は、この駆動力により磁気空隙路の長手方向に移動することが可能になる。
また、多相コイルに前記と逆方向の電流を流すと、多相コイルには前記と逆方向の駆動力が作用するので、可動子は前記と逆方向に移動する。従って、多相コイルへの通電及びその電流の方向を制御することにより、可動子を所定の位置に移動させることが可能になる。
これに対して、可動磁石型リニアモータは、例えば、リニアスケールによって可動子となる永久磁石の磁極を検出しながら、制御装置によって固定子となる多相コイルを所定の極性に磁化させるように制御することにより、可動子(永久磁石)を直線運動させるものである。
リニアモータにおいては、直流を通電制御回路に設けたインバータ回路(PWMスイッチ回路)に入力して、そこで数KHZ〜数10KHZのスイッチング周波数でパルス幅変調(PWM)を行なって得た所定の正弦波駆動電流が、可動コイル又は固定コイルに出力される。
リニアモータの駆動を高精度に制御するためには、リニアモータの通電制御回路からリニアモータに出力される駆動電流のリップルを低減し、さらに、周波数特性を向上することが重要になる。このような課題を解決するためには、インバータ回路のスイッチング周波数を高めることが要求される。しかし、インバータ回路とリニアモータを接続するケーブルや多相コイル等に高周波の駆動電流が流れると、ケールや多相コイルから外部に輻射するノイズが発生する。この対策としては、例えば、特許文献1に記載されているように、PWMスイッチ回路のスイッチ素子とリニアモータへの出力端子との間に、平滑回路を設けることが提案されている。
さらに、上記した輻射ノイズを低減する方法として、特許文献1に記載されているように、2つのスイッチ素子を交互にオン・オフ制御することによりPWMパルスを発生するスイッチ回路と多相コイルが接続される出力端子との間に、磁気的に結合されたインダクタンスとコンデンサを含む平滑回路を設け、さらに、2つのスイッチ素子と並列に回生ダイオードを接続することが提案されている。
一方、半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の製造装置、特に、液晶パネル(LCD)の製造ラインにおいては、基板サイズの拡大とともに、液晶パネルの表示品質の向上、例えば、輝点欠陥とともに黒点欠陥も解消することが要求される。このため、パネル基板の表示部に薄膜トランジスタ(TFT)を配列するTFT工程、カラーフィルター(CF)を作成するCF工程、TFTとCFを貼り合わせるパネル工程及びパネル周辺に駆動回路を実装するモジュール工程の各工程においては、パネル基板に存在する欠陥を検出するとともに、検出した欠陥を非接触かつ局部加工が可能なレーザ処理により、高速で修復(リペア)することが行なわれている。
また、近年、液晶パネルに使用するガラス基板等のサイズの拡大により、リペア装置等の専有面積も増大している。このため、製造ラインの床面積の低減を図るために、リペア装置等にガラス基板を定盤に固定し、欠陥を検出するための撮像手段やレーザ照射手段などの処理手段を搭載したガントリーが移動する型式(ガントリー駆動型)からなるXYステージが使用されている。
そして、上記XYステージの下軸及び上軸の駆動手段として、高精度の駆動制御を行なうことができるリニアモータが使用されている。しかしながら、上記したように液晶パネルの基板サイズ等の拡大により、例えば、ガントリー駆動型のXYステージの下軸を構成する下軸リニアモータのストローク長は3000〜5000mmというロングストロークが必要である。更に、下軸リニアモータの上に、XYステージの可動子となる上軸リニアモータが載置されるが、この上軸リニアモータを含むガントリー部分から構成される可動子は3000〜5000kgという大質量になる(後述の図5参照)。従って、下軸リニアモータとして、特に、大推力、ロングストロークであって、かつ高精度の高速動作(少なくとも1m/秒程度)及び高い位置決め精度(絶対位置精度、繰返し位置精度)が要求される。また、上軸リニアモータにも同様の高精度の高速動作(少なくとも1m/秒程度)及び高い位置決め精度が要求される。
さらに、上記のように大質量のガントリー駆動型の可動子にガラス基板等を載置して、例えば、欠陥部をリペアしているときに、何らかの原因により、駆動制御装置からXYステージの駆動を非常停止させる信号が下軸リニアモータ側に入力されると、XYステージの移動を直ちに停止させる制御を行なう必要がある。このとき、XYステージの駆動を急停止させると、XYステージに載置された大質量の可動子に生じる慣性により、XYステージあるいは該ステージを含む製造装置を破損させる危険性が生じる。
また、所定の速度で駆動しているXYステージを減速又は加速するように制御すると、下軸リニアモータを構成する多相コイルは発電機として作用する。特に、減速時において多相コイル内に発生するこの高い起電力(以下、回生エネルギーという)は、下軸リニアモータに対して駆動電流を供給する通電制御回路に逆流し、通電制御回路を構成する回路部品を破壊する危険性が生じる。
上記の回生エネルギーにより通電制御回路を構成するIC等の回路部品の破壊を防止する対策として、例えば、特許文献2に記載の発明が提案されている。
特許文献2には、電動射出成型機において、電動モータに駆動電力を供給するサーボ電源と、このサーボ電源と並列に接続され、電動モータの減速駆動時に生ずる回生エネルギーを電源側に回生する電源回生手段と、サーボ電源と並列に接続され電動モータの減速駆動時に生ずる回生エネルギーを抵抗器で熱エネルギーとして消費する抵抗回生手段を設けた駆動制御装置が提案されている。さらに、特許文献2には、電動モータの減速駆動時におけるサーボ電源の電圧を検出するセンサを設け、このセンサからの検出電圧が予め設定した第1の電圧(V1)に達したとき電源回生手段を作動させ、検出電圧が予め設定した第1の電圧(V1)より高い第2の電圧(V2)に達したとき抵抗回生手段を作動させるスイッチング制御手段を設けることが記載されている。また、特許文献2には、電動モータをリニアモータで構成することも記載されている。
特開平2003−88170号公報 特開2004−154961号公報
特許文献2に記載の発明は、電動射出成形機の駆動制御装置を対象とした発明であって、XYステージを駆動するための駆動制御装置、特に、ガントリー駆動型のXYステージにおける大質量の可動子を取り扱うリニアモータに関する通電制御回路に関するものではない。さらに、特許文献2に記載の発明は、電動射出成形機の駆動を非常停止させるときにリニアモータの多相コイルに発生する回生エネルギーを、非常停止時の急激な停止を緩和するために利用することについては記載されていない。
そこで、本発明の目的は、XYステージの駆動を制御するためのリニアモータにおいて、リニアモータを高推力、高速及び高精度で駆動させることが可能であると共に、非常停止に対する対策も考慮したリニアモータ用通電制御回路、およびこの通電制御回路を用いたリニアモ−タを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のリニアモータの通電制御回路は、交流を整流する整流回路と、前記整流回路により整流して得た前記直流を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路により昇圧した直流を平滑する平滑回路と、前記平滑回路により平滑した直流をPWMスイッチ回路によりパルス幅変調して得られた駆動用電源を多相コイルに供給することにより、磁気空隙を介して対向する前記多相コイルと界磁用永久磁石とが前記磁気空隙に沿って相対駆動するように構成されたリニアモータの通電制御回路において、
前記相対駆動中に該相対駆動を停止させるブレーキ指令に基づいて作動する回路であって、前記ブレーキ指令による前記リニアモータの停止制御により前記多相コイルに発生する回生エネルギーを、回生ブレーキ抵抗を介して前記多相コイルに導くようにして前記回生エネルギーを減少させる回生ブレーキ回路と、
前記相対駆動中に該相対駆動を減速させる減速指令により、前記多相コイルに発生する前記回生エネルギーにより前記通電制御回路にかかる電圧が所定の値を超えたときに、前記回生エネルギーに基づく電圧を低下させる回生消費抵抗を有する回生消費回路と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明のリニアモータは、交流を整流する整流回路と、前記整流回路により整流して得た前記直流を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路により昇圧した直流を平滑する平滑回路と、前記平滑回路により平滑した直流をPWMスイッチ回路によりパルス幅変調して得られた駆動用電源を多相コイルに供給することにより、磁気空隙を介して対向する前記多相コイルと界磁用永久磁石とが前記磁気空隙に沿って相対駆動するように構成されたリニアモータにおいて、
前記相対駆動中に該相対駆動を停止させるブレーキ指令に基づいて作動する回路であって、前記ブレーキ指令による前記リニアモータの停止制御により前記多相コイルに発生する回生エネルギーを、回生ブレーキ抵抗を介して前記多相コイルに導くようにして前記回生エネルギーを減少させる回生ブレーキ回路と、
前記相対駆動中に該相対駆動を減速させる減速指令により、前記多相コイルに発生する前記回生エネルギーにより前記通電制御回路にかかる電圧が所定の値を超えたときに、前記回生エネルギーに基づく電圧を低下させる回生消費抵抗を有する回生消費回路と、を備えたリニアモータ用通電制御回路と、
前記多層コイルを冷却するコイル冷却手段を備えていることを特徴とする。
前記昇圧回路は、前記整流回路により整流して得た直流を250V以上に昇圧するようにしたものが好ましい。
前記本発明のリニアモータにおいて、コイル冷却手段として、前記多相コイルを覆い、内部の空間に冷媒が供給されるジャケットを備えるともに、前記ジャケットは、内部に駆動方向に沿って配置したくし歯状の形状を有する部材を備え、前記多相コイルは、前記部材のくし歯状のくしの歯の間に挟んで保持される構成のものが好ましい。
本発明は、下記の効果を発揮することができる。
(1)リニアモータの多相コイルに駆動電源を供給するための通電制御回路には、非常停止等に伴うブレーキ指令が入力されたときに、多相コイルに発生する回生エネルギーを、回生ブレーキ抵抗に導き、さらに、多相コイルに循環させることによりこの回生エネルギーをブレーキをかける作用として利用しながら減少させる回生ブレーキ回路を設けている。これにより、大質量の可動子を有するリニアモータの駆動に際し、非常停止により急停止させる事態が発生しても、この回生エネルギーを有効利用してXYステージの駆動を短時間のうちに緩やかに停止させることができるので、XYステージや該ステージを含む製造設備等が急停止による衝撃により破損することを防止できるようになる。
(2)リニアモータの駆動中にこの駆動を減速させる減速指令により、多相コイルに発生した回生エネルギーが付加された電圧が予め設定した電圧値を超えた高電圧が通電制御回路にかかったときに、この回生エネルギーに基づく高電圧を低下させるための回生消費回路を備えている。この回生消費回路により、XYステージの駆動を高速から低速へ減速する加速度制御を行なったときに発生する高電圧により通電制御回路を構成するIC等の回路部品が破壊されることを防止することが可能になる。
(3)多相コイルに供給する駆動電源は、商用AC200Vの交流を整流して280〜350Vに昇圧した電源を供給するようにしている。これにより、XYステージを駆動させるリニアモータは従来のリニアモータと比較して高推力を得ることができる。
(4)上記(1)、(2)、(3)により、特に、大型の液晶パネルの製造装置など、XYステージの可動子の質量が3000〜5000kgという大質量を有し、若しくは前記の大質量を有すると共に下軸リニアモータのストローク長が3000〜5000mmというロングストロークを有し、かつXYテーブルの駆動制御を高速と減速とを繰り返して高精度で行うことができる極めて有用なリニアモータを提供可能である。
以下本発明の詳細を、添付図面に基づいて説明する。図1は本発明のリニアモータ用通電制御回路を用いたリニアモータにおいて、リニアモータの駆動を制御する方法を模式的に表した制御ブロック図、図2はこの通電制御回路の構成を示すブロック図、図3は通電制御回路を構成する回生消費回路の構成例、図4は同じく通電制御回路を構成する回生ブレーキ回路の構成例を示す図である。なお、以下の説明においては、多相コイルを可動子とした可動コイル型リニアモータを例にして説明する。
リニアモータの制御ブロック図を示す図1において、1はリニアモータの駆動を制御するマイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータあるいはシーケンサ等から構成される制御装置(以下、駆動制御装置という)であって、予め搭載されているソフトウエア手段によりリニアモータのX軸、Y軸方向の駆動等を統括して制御する装置である。なお、図1においては、XYステージのうち、例えば、X軸(下軸)用の通電制御回路とその3相のコイル3a、3b、3cを示している。実際のXYステージにおいては、Y軸(上軸)を駆動させるための通電制御回路とその3相のコイルを備えているが、図1には示していない。
2は、リニアモータに駆動電源を供給するためのドライバ(以下、リニアモータ用通電回路という)である。3a、3b、3cは、リニアモータに設けられている3相のコイル(以下、多相コイルという)である。
多相コイルを構成する各コイル3a、3b、3cは扁平なコイルから構成され、基板等に、扁平なコイルのコイル幅だけ順次ずらして固定されている。そして、可動コイル型リニアモータにおいては、扁平なコイル3a、3b、3cからなる可動子は、磁気空隙路内では同一平面上に配置されて、磁気空隙路の長手方向に移動可能に配設されている。これにより、磁気空隙路を形成する一対の永久磁石間の磁気間隙を小さく形成するようにしている。なお、3相のコイル3a、3b、3cには、駆動制御装置1からの制御指令に基づいてリニアモータ用通電制御回路2から順次、駆動電流が印加されるようになっている。
4は界磁用永久磁石の磁束の大きさと向きを検出するホール素子等のセンサ、5は可動子の現在位置を検出するためのセンサ、例えば、エンコーダ等である。これらセンサが検出したデータは所定の時間間隔で駆動制御装置1に入力される。
図1に示す制御ブロック図において、リニアモータの駆動を制御する方法を説明すると下記(1)〜(3)に記載のようになる。
(1)駆動制御装置1には、半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の製造仕様に対応して、そのXYステージのX軸及びY軸方向の駆動を制御するためのプログラムが、予め搭載されている。そして、製造ラインの稼動に伴なってこの制御プログラムが作動すると、ホール素子4、エンコーダ5からの検出情報が駆動制御装置1に入力される。これらの情報が入力されると、駆動制御装置1はX軸あるいはY軸を所定の距離ほど駆動させるためのアナログ電流等を演算して求め、このアナログ電流を駆動指令として通電制御回路2に出力する。
(2)通電制御回路2は、駆動制御装置1からアナログ電流が入力されると、このアナログ電流を、ON−OFF信号変換回路により、PWMスイッチ回路のトランジスタをON−OFFするPWM信号に変換する処理を行なう。
(3)上記(2)により変換されたPWM信号がPWMスイッチ回路に供給されると、PWMスイッチ回路は、平滑回路により平滑され駆動電源を数KHZ〜数10KHZのスイッチング周波数でパルス幅変調(PWM)を行なう。そして、パルス幅変調して得た所定の正弦波駆動電流はリニアモータの多相コイルに供給(出力)される。これにより、多相コイルを備えた可動子は、磁気空隙路内を所定の速度パターンで駆動するが可能になる。
続いて、本発明のリニアモータ用通電制御回路2の構成を図2に示す回路ブロック図に基づいて説明する。図2に示すように、リニアモータ用通電制御回路2は、整流回路6、昇圧回路7、平滑回路8、回生消費回路9、PWMスイッチ回路10、回生ブレーキ回路11、等から構成される。なお、12は整流回路6に供給する商用AC200Vの3相交流である。
整流回路6は、商用AC200Vの電源から供給された交流電源を直流に変換するための回路である。整流回路6は、例えば、ダイオードをブリッジ状に配列した全波整流回路等により交流電源を直流に変換する。
昇圧回路7は、整流回路6により交流電源を直流に変換した電圧を昇圧するための回路である。この昇圧回路7は、トランジスタ、ダイオード、コイル等を用いた公知の昇圧回路から構成されるが、本発明においては280V以上に昇圧するようにしていることに特徴がある。従来のリニアモータ用通電制御回路においては、250V程度に昇圧していたが、本発明において、昇圧回路7により昇圧する電圧は250Vを超える値、好ましくは280V〜350V程度に昇圧することが望ましい。
リニアモータによりXYステージのX軸、Y軸の駆動推力を高推力にするためには、多相コイルに供給する駆動電流のアンペア(A)を高くすることが考えられるが、電流値を高くすると、多相コイルおよびリニアモータ用通電制御回路2から発生する熱量が多くなって温度上昇が生じる。特に、多相コイルを含むリニアモータの温度が上昇すると、その熱によりレーザ照射装置から照射されたレーザ光に悪影響を与えるので、多相コイルに供給する駆動電源はその電流は高くせずに、電圧を高くすることが望ましい。
本発明において、昇圧回路7により多相コイル3a、3b、3cに供給する駆動電源の電圧は250Vを超える値、好ましくは280V〜350V程度に昇圧する理由は次の通りである。
すなわち、XYステージの可動子が大質量になる場合には、昇圧電圧が280Vより低いと高推力を得ることができなくなる。また、昇圧電圧を350Vより高くすると、ノイズが発生し易くなって、XYステージの駆動制御に誤動作が発生する可能性が生じるからである。従って、XYステージの可動子が大質量になるリニアモータ用通電制御回路においては、昇圧回路7により280V〜350V程度に昇圧した駆動電源を3相コイル3a、3b、3cに供給することが望ましい。
平滑回路8は、昇圧回路7により280V〜350V程度に昇圧した直流電源を一定の安定した電圧に平滑するための回路であって、コイル及びコンデンサ等を用いた公知の回路から構成されている。
回生消費回路9は、3相コイル3a、3b、3cの電圧が予め設定した電圧値を超えたときに、この電圧を低下させるために設けた回路である。駆動制御装置1がリニアモータの駆動を減速する制御指令を出すと、3相コイル3a、3b、3cに供給する駆動電流が抑制されるので、3相コイル3a、3b、3cには回生エネルギーが発生する。この回生消費回路9は、3相コイル3a、3b、3cに発生した回生エネルギーにより3相コイルにかかる電圧が予め設定した電圧値、例えば、380Vを超えると、この電圧を回生消費抵抗により所定の電圧になるように調整する(降下させる)ための回路である。本発明においては、リニアモータの駆動の減速制御に伴なって3相コイル3a、3b、3cに発生する回生エネルギーが付加された高電圧が、リニアモータ用通電制御回路2を構成する回路部品に負荷されて、これら回路部品が破壊することを防止できるようになる。
図3は、回生消費回路9の回路構成の一例を示す図である。図3において、13は回生消費抵抗、14はトランジスタを用いたスイッチ素子、15はコンパレータ、16及び17は抵抗である。
上記したように、リニアモータの駆動を減速する制御指令に基づいて3相コイル3a、3b、3cには回生エネルギーが発生するので、3相コイル3a、3b、3cにかかる電圧値は上昇する。図3に示すに回生消費回路9は、3相コイル3a、3b、3cにかかる電圧を結線18からコンパレータ15に導くようにしている。そして、コンパレータ15は、この電圧が予め設定した所定の電圧値、例えば、380Vを超えているか否かを判定し、所定の電圧値を超えているとコンパレータ15からの出力信号に基づいてスイッチ素子14を「ON」する。スイッチ素子14が「ON」すると、3相コイル3a、3b、3cにかかる駆動電源は、回生消費抵抗13を経由してGND側に流れるようになるので、その電圧は回生消費抵抗13により降下する。
図3に示すに回生消費回路9においては、例えば、3相コイル3a、3b、3cにかかる電圧が380Vを超えたときに、コンパレータ15はスイッチ素子14を「ON」して回生消費抵抗13によりその電圧を降下させる。そして、例えば、この電圧は350Vに降下すると、コンパレータ15はスイッチ素子14を「OFF」するようにする。このように、回生消費抵抗13の抵抗値を適切な値に設定することにより、回生エネルギーの発生により3相コイル3a、3b、3cにかかる電圧が、例えば380Vを超えると、その電圧を適切な値に降下させることが可能になる。これにより、リニアモータ用通電制御回路2を構成する回路部品に高電圧が負荷されて、これら回路部品の破壊を防止することが可能になる。本発明において、回生消費抵抗13の抵抗値は、50Ω程度に設定するとよい。
PWMスイッチ回路10は、駆動制御装置1からのアナログ電流指令に基づいて、PWMスイッチ回路10を構成するスイッチ素子用トランジスタに「ON」、「OFF」用のPWM信号を与えて、平滑回路8から供給される駆動電源を数KHZ〜数10KHZのスイッチング周波数でパルス幅変調(PWM)を行なって、所定の正弦波駆動電流を得るための回路である。そして、この正弦波駆動電流は、PWMスイッチ回路10から3相の各コイル3a、3b、3cに出力される。なお、PWMスイッチ回路10は、複数のスイッチ素子とダイオードを含むスイッチ回路、及びスイッチ回路の作動を制御するスイッチ制御回路等から構成されている。
本発明のリニアモータ用通電制御回路2は、前記したように、例えばガントリー駆動型XYステージ等の可動子(ガントリー)が大質量になるXYステージ上で高速で当該可動子を高速高精度でロングストロークにわたって制御させるための駆動電源を、3相コイル3a、3b、3cに供給することを目的とした通電制御回路である。このようなXYステージにおいて、XYステージの駆動制御中に何らかの異常が発生すると、XYステージの駆動、すなわち、リニアモータを非常停止させる制御を行なう必要がある。
図2に示すリニアモータ用通電制御回路2に設けている回生ブレーキ回路11は、XYステージの駆動を停止させる非常停止等のブレーキ信号(以下、ブレーキ信号という)が、駆動制御装置1から入力されたときに作動させるための回路である。上記したように、大質量の可動子を駆動しているとき、当該駆動中の可動子を非常停止指令により急停止させると、この可動子の慣性により、XYステージや当該ステージを含む製造設備はこの急停止の衝撃により破壊が発生する危険性が生じる。
そこで、本発明のリニアモータ用通電制御回路2においては、PWMスイッチ回路10と3相のコイル3a、3b、3cとの間に回生ブレーキ回路11を設けて、非常停止等のブレーキ信号に伴なって発生する上記課題を解決するようにしている。図4は、回生ブレーキ回路11の一例を示す回路図である。
図4に示す回生ブレーキ回路11において、19〜24はダイオード、25は回生ブレーキ抵抗、26はトランジスタから構成されるスイッチ素子、27はブレーキ信号である。そして、ダイオード19と30の中点にコイル3aが、同じくダイオード21と22の中点にコイル3bが、同じくダイオード23と24の中点にコイル3cを接続している。また、回生ブレーキ抵抗25はスイッチ素子26に接続されている。なお、駆動制御装置1から指令されるブレーキ信号26は、スイッチ素子26を「ON」、「OFF」するようになっている。なお、リニアモータ用通電制御回路2に、駆動制御装置1からの非常停止指令を、「ON」、「OFF」信号に変換してスイッチ素子26に入力するためのインタフェース回路を設けるようにしてもよい。
続いて、回生ブレーキ回路11の作動について説明する。駆動制御装置1は、XYステージが駆動中に、例えば、異常検出プログログムが何らかの異常を検出すると、非常停止の制御として、通電制御回路2のPWMスイッチ回路10に対して、多相コイルの各コイル3a、3b、3cに供給する駆動電流を停止する制御を行なうと共に、スイッチ素子26を「ON」するためのブレーキ信号27をスイッチ素子26に供給するための制御を行なう。このとき、前記磁気空隙路に沿って駆動する多相コイル3a、3b、3cの駆動は急激に減速するので、多相コイルの各コイル3a、3b、3cには回生エネルギーが発生する。
回生ブレーキ回路11は、ブレーキ信号27に基づいてスイッチ素子26が「ON」されると、多相コイル3a、3b、3cに発生した回生エネルギーに係わる電流を回生ブレーキ抵抗25に導いて、この回生電流を回生ブレーキ抵抗25により減少させると共に、この電流値が減少した回生電流を再び多相コイル3a、3b、3cに戻す作用を行なう。これにより、多相コイル3a、3b、3cに発生した回生電流は、回生ブレーキ回路11に設けた回生ブレーキ抵抗25を流れて再び多相コイル3a、3b、3cに戻る循環した流れを繰り返すことにより減衰しその電流は無くなる。このようにして、XYステージの駆動について非常停止が発生した場合、回生ブレーキ回路11により、XYステージの駆動は直ちに急停止することなく、回生電流を利用して所定の短時間の間に減速させながら緩やかに停止させることが可能になる。
本発明のリニアモータの通電制御回路を搭載した好適な実施の一例であるガントリー駆動型XYステージ(以降、単にXYステージという場合がある)について、図5〜7により説明する。
図5は本発明に係わるXYステージの平面図、図6は図5をC方向から見た矢視図、図7(a)は図6のD部を拡大した図、及び図7(b)は図6のE部を拡大した図である。
図5に示すように、ガントリー駆動型XYステージ101は、平板状に形成された定盤102と、そのY軸方向に沿って移動するガントリー105と、ガントリー105に設置され、そのX軸方向に移動する複数のスライド部材(図示省略)を備えている。定盤102は、ガントリー105及び各スライド部材の高精度の移動を保証するために、例えば、免震装置(不図示)を介して床面に設置されている。定盤102の表面には、図5中一点鎖線で示されるガラス基板100(例えば第6又は第7世代以降の大型基板等)を保持してY軸方向の所定位置まで案内しかつガントリー105の底面に対向させる搬送手段(不図示)が設置されている。XYステージ101の各部は次のように構成されている。
定盤102は、複数のブロック121a、121b、121cをY軸方向に並べて形成された平板状部材である(図5参照)。各ブロックは、精密な駆動を実現するために、剛性が高くかつ周囲の温度及び湿度変化に対して影響を受けにくい材料(例えばグラナイトに代表される石材)で形成されると共に、高い位置決め精度を実現するために、ガントリー105が支持される上面が高い面精度と平面度を有するように加工されている。
ガントリー105は、定盤102の表面に設置された2組のガイド部材103a、103bに案内されてY軸方向に移動するスライドベース104a、104bに支持されている(図5参照)。ガイド部材103a(103b)は、図示を省略するがY軸方向において複数に分割されていると共に、平面からみてその側面311a(311b)が定盤102の側面220a(220b)と一致するように定盤102の略全長にわたって敷設された第1レール131a(131b)と、平面からみて第1レール131a(131b)と一部が重なるようにその上面に敷設された第2レール132a(132b)から構成されている(図6参照)。第1レール131a(131b)及び第2レール132a(132b)は、矩形状断面を有すると共に、定盤102と同様に、精密な駆動を実現するために、剛性が高くかつ周囲の温度及び湿度変化に対して影響を受けにくい材料(例えばグラナイトに代表される石材)で形成されている。また第1レール131a(131b)の周囲には、所定間隔をおいて略L字型のスライドベース104a、104bが配置されると共に、両ベースを駆動するためのY軸リニアモータ206a、206bが設置されている(図6参照)。
図7(a)(b)に示すように、スライドベース104a、104bを第2レール132a、132bに対して非接触で支持するために、スライドベース104a(104b)の内周面の3辺には各々、円板状のエアーパッド330a、330b、330cが装着され、各エアーパッドは、圧縮空気発生源(不図示)に連通する給気孔(不図示)を有する。各エアーパッドから第2レール132a(132b)の表面に向かって圧縮空気(例えば0.47MPa)が噴出されることにより、静圧空気軸受が形成され、各エアーパッドと第2レール132a(132b)との間に、例えば5〜10μmの微小間隙が形成される。第2レール132a(132b)を取り囲むように設置されるエアーパッドの数量はベースの長さに応じて選定すればよく、本例では、エアーパッドはY軸方向に沿って複数個(例えば2又3個)配置されている。
また図7(a)に示すように、Y軸リニアモータ206aは、第2レール132aに取り付けられたコ字形のヨーク部611とその対向する内面に固着された2列の永久磁石体612からなる磁石部材361と、スライドベース104aに結合され、両永久磁石体の間に配置されるコイル部材362とを含む可動コイル型リニアモータである。永久磁石体612は、複数のブロック状永久磁石を異極性の磁極が対向しかつ異極性の磁極がY軸方向に交互に並ぶように配列し、対向する永久磁石の間に形成された磁気空隙651に正弦波状の磁束密度分布を有する磁束が発生するように構成されている。コイル部材362は、絶縁体からなるコイル基板とそこに装着された複数の偏平コイル(いずれも不図示)を含む多相コイルであり、各相のコイルに通電された時にY軸方向の推力が発生するように結線されている。図7(b)に示すように、Y軸リニアモータ206bはY軸リニアモータ206aと同様の構造を有する。
ガントリー105にはX軸方向に駆動するX軸リニアモータ(図示省略)が搭載されている。このX軸リニアモータはY軸リニアモータ206と同様の構造を有し、Y軸リニアモータに同期して駆動制御される。
リニアモータ206a、206bの上には、可動子としてのガントリー105(質量3000〜5000kg程度)が搭載され、Y軸方向のストローク長は3000〜5000mmというロングストロークのものであるが、本発明の通電制御回路を具備することにより、起動時には多相コイルに大電流を流して大きな推力を発生させ、所定速度まで加速された時には駆動電流を低減させて一定の速度で駆動し、目標位置に近づくと再び駆動電流を高めて減速させるような速度パターンで駆動した場合に良好な制御特性、高精度を得られる。即ち、大質量の可動子を載置したXYステージの駆動を非常停止により急停止させる事態が発生しても、XYステージの駆動を短時間のうちに緩やかに停止させることができるので、急停止の衝撃によりXYステージや製造設備を構成する部材の破損を防止することが可能になる。なお、急停止の原因が解明されてXYステージが再稼動を開始すると、駆動制御装置1のプログラム処理により、スイッチ素子は「OFF」される。
(実施例)
図8は、本発明の通電制御回路を具備するリニアモータを下軸リニアモータ(図5のY軸リニアモータ)として搭載したXYステージにおいて、本発明の通電制御回路を備えた場合(実線)と、従来の通電制御制御回路を使用した場合(点線)を比較した3相コイルの電流、可動子の速度波形を示す。
図8より、回生ブレーキ回路11を備えた本発明の下軸リニアモータは、回生ブレーキ回路11を備えていない比較例の下軸リニアモータと比較して、非常停止信号が入力された後、約80ミリ秒の間は、速度(減速速度)は約1/2になり、80ミリ秒を経過すると減速速度は同一となり、約200ミリ秒後に両リニアモータ共に駆動後を停止させることができた。これにより、回生ブレーキ回路11を備えた本発明の下軸リニアモータは、比較例の場合に比べて、1/2の速度に減速させながら短時間で駆動を停止できることが確認された。
図9は本発明の通電制御回路を搭載した他の実施の形態である可動コイル型リニアモータにおける、可動子の多相コイルの冷媒(冷却液)による冷却構造の一例を示す分解斜視図である。図9では図示を簡便化するために、801は3相コイルのうちの平コイル801aのみを示している。814a及び814bはジャケットを構成するジャケット部分、808はジャケット部分814a及び814bに設けたくし歯構造部である。3相コイル801aは、ジャケット部分814a及び814bによって形成されるジャケットの内部に配置され、ジャケット部分814a及び814bで構成されたくし歯構造部808の凹部に固定されている。
図10に示すように、3相コイル801は、平コイル801a(例えばu相)及び2つの曲げコイル801b(例えばv相),曲げコイル801c(例えばw)を1組として、通常複数組から構成される。3相コイル801は、平コイル801aの空芯部に曲げコイル801b及び801cの平面部が入り込み、鎖交部分がこの3つのコイル(1組)のほぼ同一平面部で構成されている。805a〜805eは各相コイル間の隙間である。この1組のコイルを複数組並べたものが、ジャケット814で覆われている。
図11は、図9のジャケット部分の駆動方向(図9中の矢印方向)に垂直な断面図である。くし歯構造部808は、ジャケット部分814の対向する各内面上において駆動方向に平行にかつ相互に対向するように設けた凹部811と、この対向する凹部間を連結している凸部812とを有し、凹部811によりコイル801a及び801bを各内面から浮かして支持するとともに凸部812によりコイル801a及び801bを駆動方向について固定している。この冷却構造は、ジャケット814に対向する界磁用永久磁石(図示省略)により形成された磁気空隙851内に配置される。ジャケット814の内部空間には冷媒(冷却液)(図示省略)が満たされて3相コイル801の表面が直接冷却される。
図9〜11に示すコイル冷却構造(コイルを冷媒で液冷するタイプ)を、図6のXYステージ101の下軸リニアモータ361のコイル部材362に替えて用いることが好ましい。この冷却構造は、特に露光装置用に有用であり、多相コイルからの発熱を顕著に抑制し、高精度、ロングストロークでかつ大推力のリニアモータ特性を得ることができる。
上記実施の形態及び実施例では、可動コイル型リニアモータに本発明を適用した場合を記載したが特に限定されない。可動子が界磁用永久磁石を有して構成され、固定子が多相コイルを有して構成される、可動磁石型リニアモータにおいても本発明は有用である。
なお、多相コイルとは、2相または3相以上のものをいう。
リニアモータの駆動を制御する方法を説明するための制御ブロック図である。 本発明の通電制御回路の構成を説明するためのブロック図である。 図2に示す通電制御回路について、回生消費回路の構成例を説明するための回路図である。 同じく、図2に示す通電制御回路について、回生ブレーキ回路の構成例を説明するための回路図である。 本発明の実施の形態に係るXYステージの平面図である。 図5をC方向から見た矢視図である。 (a)は図6のD部を拡大した図であり、(b)は図6のE部を拡大した図である。 実施例の一例を示す、リニアモータの速度及び多相コイルの電流の波形を示す図である。 本発明の実施の形態に係る可動コイル型リニアモータのジャケットを分解して示す斜視図である。 空芯部に他相のコイル平面部を配置してなる3相扁平コイルの構造を説明する図である。 ジャケット部分における、駆動方向に垂直な断面図である。
符号の説明
1:リニアモータ駆動制御回路、2:通電制御回路、3a、3b、3c:多相コイル、
4:磁界検出センサ(ホール素子)、5:エンコ−ダ、6:整流回路、7:昇圧回路、
8:平滑回路、9:回生消費回路、10:PWMスイッチ回路、11:回生ブレーキ回路、
12:商用AC200V電源、13:回生消費抵抗、14:スイッチ素子、
15:コンパレータ、19〜24:ダイオード、25:回生ブレーキ抵抗、
26:スイッチ素子、27:ブレーキ信号、100:基板、101:ガントリー駆動型XYステージ、102:定盤、103a,103b:ガイドレール、104a,104b:スライドベース、105:ガントリー、121a,121b,121c:ブロック、131,132:レール、361:磁石部材、611:ヨーク、612:界磁用永久磁石、651,851:磁気空隙。

Claims (5)

  1. 交流を整流する整流回路と、前記整流回路により整流して得た前記直流を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路により昇圧した直流を平滑する平滑回路と、前記平滑回路により平滑した直流をPWMスイッチ回路によりパルス幅変調して得られた駆動用電源を多相コイルに供給することにより、磁気空隙を介して対向する前記多相コイルと界磁用永久磁石とが前記磁気空隙に沿って相対駆動するように構成されたリニアモータの通電制御回路において、
    前記相対駆動中に該相対駆動を停止させるブレーキ指令に基づいて作動する回路であって、前記ブレーキ指令による前記リニアモータの停止制御により前記多相コイルに発生する回生エネルギーを、回生ブレーキ抵抗を介して前記多相コイルに導くようにして前記回生エネルギーを減少させる回生ブレーキ回路と、
    前記相対駆動中に該相対駆動を減速させる減速指令により、前記多相コイルに発生する前記回生エネルギーにより前記通電制御回路にかかる電圧が所定の値を超えたときに、前記回生エネルギーに基づく電圧を低下させる回生消費抵抗を有する回生消費回路と、を備えていることを特徴とするリニアモータ用通電制御回路。
  2. 前記昇圧回路は、前記整流回路により整流して得た直流を250V以上に昇圧することを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ用通電制御回路。
  3. 交流を整流する整流回路と、前記整流回路により整流して得た前記直流を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路により昇圧した直流を平滑する平滑回路と、前記平滑回路により平滑した直流をPWMスイッチ回路によりパルス幅変調して得られた駆動用電源を多相コイルに供給することにより、磁気空隙を介して対向する前記多相コイルと界磁用永久磁石とが前記磁気空隙に沿って相対駆動するように構成されたリニアモータにおいて、
    前記相対駆動中に該相対駆動を停止させるブレーキ指令に基づいて作動する回路であって、前記ブレーキ指令による前記リニアモータの停止制御により前記多相コイルに発生する回生エネルギーを、回生ブレーキ抵抗を介して前記多相コイルに導くようにして前記回生エネルギーを減少させる回生ブレーキ回路と、
    前記相対駆動中に該相対駆動を減速させる減速指令により、前記多相コイルに発生する前記回生エネルギーにより前記通電制御回路にかかる電圧が所定の値を超えたときに、前記回生エネルギーに基づく電圧を低下させる回生消費抵抗を有する回生消費回路と、を備えたリニアモータ用通電制御回路と、
    前記多層コイルを冷却するコイル冷却手段を備えていることを特徴とするリニアモータ。
  4. 前記昇圧回路は、前記整流回路により整流して得た直流を250V以上に昇圧することを特徴とする請求項3に記載のリニアモータ。
  5. 前記コイル冷却手段は、前記多相コイルを覆い、内部の空間に冷媒が供給されるジャケットを備え、
    前記ジャケットは、内部に駆動方向に沿って配置したくし歯状の形状を有する部材を備え、
    前記多相コイルは、前記部材のくし歯状のくしの歯の間に挟んで保持される構成のものであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のリニアモータ。
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