JP7271323B2 - リニアモータ、搬送装置、及び生産装置 - Google Patents

リニアモータ、搬送装置、及び生産装置 Download PDF

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Description

本発明は、リニアモータ、搬送装置、及び生産装置に関する。
可動子側をマグネット、固定子側をコイルとするムービングマグネット型リニアモータを用いた搬送装置は、可動子側に動力配線を接続する必要がないため、長ストロークの搬送が可能である。また、ボールネジ型の搬送装置と比較して、バックラッシュがなく、高い位置決め精度及び繰返し再現性を有するため、精密機器の製造ライン用の高速搬送装置に用いられるようになってきている。
特開2002-142439号公報 特開2009-005516号公報
しかしながら、ムービングマグネット型リニアモータは、可動子の走行を行う軌道に沿って固定子である複数のコイルを配置し、制御された駆動電流を駆動用コイルへ通電することにより磁気的に可動子を駆動させる。そのため、駆動の際に通電されたコイルはジュール熱により発熱する。ムービングマグネット型リニアモータでは、ボールネジ型の搬送装置と比較して熱源となるコイルが可動子の永久磁石に近接して配置されるため、コイルの温度変化の影響を受けやすい。そのため、精密な位置決め性能や位置決め再現性を得るためには限界があった。また、搬送速度の変動や可動子の傾きが大きくなってしまうという課題もあった。
さらに、ムービングマグネット型リニアモータを用いて循環型の搬送装置を構成する場合、可動軌道部を駆動するための接続ケーブルに対してケーブルベア(登録商標)が必要となるが、接続ケーブルの摺動や屈曲によって発塵やケーブル断線が生じることがあった。このため、精密機器の製造ラインに適用するにあたり発塵の抑制が課題であった。
本発明の目的は、コイルから生じた熱による影響を抑制することができ、小型で高精度な、位置決め性能、位置決め再現性、搬送性能を実現可能なリニアモータ及び搬送装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、精密機器の製造ラインへの適用に好適な搬送装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、複数のコアと、前記複数のコアのそれぞれを励磁するコイルと、を有する固定子と、永久磁石を備え、前記固定子から受ける電磁力を推進力として移動する可動子と、を有し、前記複数のコアのそれぞれは、前記コイルが巻回された励磁部と、前記励磁部に磁気的に結合するように構成され、前記励磁部から受けた磁束を前記可動子の前記永久磁石に作用させる作用部と、を有し、前記励磁部と前記作用部との間に、エアギャップ、あるいは、前記励磁部と前記作用部とが直に接している場合よりも前記励磁部から前記作用部への熱伝導を低減する熱伝導低減部を有する搬送装置が提供される。
また、本発明の他の一観点によれば、コイルが巻回された励磁部と、前記励磁部に磁気的に結合するように構成され、前記励磁部から受けた磁束を可動子の永久磁石に作用させる作用部と、を有し、前記励磁部と前記作用部との間に、エアギャップ、あるいは、前記励磁部と前記作用部とが直に接している場合よりも前記励磁部から前記作用部への熱伝導を低減する熱伝導低減部を有するコアが提供される。
また、本発明の他の一観点によれば、固定軌道部を構成する第1の搬送モジュールと、可動軌道部を構成する第2の搬送モジュールと、前記第2の搬送モジュールを前記第1の搬送モジュールに接続する第1の位置に移動する第1の可動機構と、を有するシフター部と、永久磁石を有し、前記第1の搬送モジュール又は前記第2の搬送モジュールから受ける電磁力を推進力として移動する台車と、を有し、前記第2の搬送モジュールは、前記第1の位置に位置しているときにコイルを含む励磁部に磁気的に結合されるように構成された作用部を有し、前記励磁部から受けた磁束を、前記作用部を介して前記台車の前記永久磁石に作用させるように構成されている搬送装置が提供される。
また、本発明の他の一観点によれば、固定子と、永久磁石を有する可動子と、チャンバとを有し、前記固定子は、複数のコアと、前記複数のコアのそれぞれを励磁するコイルと、を有し、前記複数のコアのそれぞれは、前記コイルが巻回された励磁部と、前記励磁部に磁気的に結合するように構成され、前記励磁部から受けた磁束を前記可動子の前記永久磁石に作用させる作用部と、を有し、前記コイル及び前記励磁部は、前記チャンバの外側に配置され、前記作用部は、前記チャンバの内側に配置されているように構成されている生産装置が提供される。
本発明によれば、コイルから生じた熱による影響を抑制し、小型で高精度な、位置決め性能、位置決め再現性、搬送性能を有するリニアモータ及び搬送装置を実現することができる。また、接続ケーブルの摺動等による発塵やケーブル断線を抑制し、精密機器の製造ラインへの適用に好適な搬送装置を実現することができる。
本発明の第1実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第4実施形態による搬送装置の概略構成を示す上面図である。 本発明の第4実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第4実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第5実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第5実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第6実施形態による搬送装置の概略構成を示す上面図である。 本発明の第6実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第6実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第7実施形態による搬送装置の概略構成を示す上面図である。 本発明の第7実施形態による搬送装置における搬送モジュールのコアの構造を示す概略図である。 本発明の第8実施形態による搬送装置における搬送モジュールのコアの構造及び動作を示す概略図である。 本発明の第8実施形態による搬送装置における搬送モジュールのコアの構造及び動作を示す概略図である。 本発明の第8実施形態による搬送装置における搬送モジュールのコアの構造及び動作を示す概略図である。 本発明の第9実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第9実施形態による搬送装置の概略構成を示す上面図である。 本発明の第9実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による搬送装置について、図1A及び図1Bを用いて説明する。図1A及び図1Bは、本実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。
本実施形態による搬送装置100は、可動磁石リニアモータ(ムービングマグネット型リニアモータ、可動界磁型リニアモータ)により台車を走行させることでワークを搬送する搬送装置である。搬送装置100は、例えば図1A及び図1Bに示すように、搬送モジュール210と、台車220と、を有する。
搬送モジュール210は、台車220が走行する軌道部(搬送路)を構成する。ここで、以下の説明の便宜上、搬送装置100に対して座標軸を定義するものとする。まず、水平に移動する台車220の移動方向に沿ってX軸をとる。また、鉛直方向に沿ってZ軸をとる。また、X軸及びZ軸に直交する方向に沿ってY軸をとる。座標軸の定義は、以降の実施形態においても同様である。なお、図1Aは、図1BのB-B′線を含むY-Z平面に平行な面における断面図である。また、図1Bは、図1AのA-A′線を含むX-Z平面に平行な面における断面図である。
搬送モジュール210は、リニア架台102と、複数のコアユニット230と、リニアガイドレール103と、を有する。コアユニット230及びリニアガイドレール103は、リニア架台102に固定されている。
複数のコアユニット230は、台車220の移動方向(X軸方向)に沿って所定の間隔で並べられており、リニアモータの固定子を構成している。複数のコアユニット230の各々は、コア232と、コイル106と、を有する。コア232は、励磁側コア105と、励磁側コア105の両端部に設けられた一対の作用側コア104と、作用側コア104と励磁側コア105との間に設けられた断熱部101と、を有する。なお、図面の簡略化のため図1BにはX軸方向に並ぶ8個のコアユニット230を有する搬送モジュール210を示しているが、実際には搬送モジュール210は、任意の長さのリニアモータを構成するために必要な数のコアユニット230を有する。
一対の作用側コア104は、コアギャップGの間隔を空けて対向するように配置されており、リニア架台102に接続・固定されている。励磁側コア105は、断熱部101を介して作用側コア104に接続されており、リニア架台102とは直接接続されないように配置されている。作用側コア104及び励磁側コア105の材質には、特に限定されるものではないが、例えば、積層型珪素鋼板等の磁性体材料を適用することができる。
コイル106は、コア232の励磁側コア105に巻回されており、コア232を励磁する役割を有する。作用側コア104は、励磁側コア105に磁気的に結合されるように配置されており、励磁側コア105で発生した磁束を受け、この磁束をコアギャップGに配された可動子に作用させる。断熱部101は、励磁側コア105と作用側コア104とが直に接している場合よりも励磁側コア105から作用側コア104への熱伝導を低減する熱伝導低減部として機能する。
なお、本明細書においては、励磁側コア105、或いは、複数のコアユニット230を構成するコア232の励磁側コア105を一括して、励磁部と呼ぶことがある。また、作用側コア104、或いは、複数のコアユニット230を構成するコア232の作用側コア104を一括して、作用部と呼ぶことがある。
台車220は、リニアモータの可動子を構成するものであり、天板111と、磁石支持体112と、永久磁石113と、リニアガイドブロック114と、を有する。リニアガイドブロック114は、台車220を搬送モジュール210の上に設置したときにリニアガイドレール103に接続されるように、天板111の下部の四隅に設けられている。これにより台車220は、リニアガイドレール103に沿ってX軸方向に移動自在な状態で搬送モジュール210に支持される。磁石支持体112は、台車220を搬送モジュール210の上に設置したときに永久磁石113が作用側コア104のコアギャップGの間に位置するように、天板111の下部の中央部に固定されている。なお、図1Bには、永久磁石113と同じ板厚の磁石支持体112に、任意のスキュー角(例えば20度)を設け、隣り合う永久磁石113の磁極が交互に逆になるように3個の永久磁石113を固定した場合を例示している。
複数のコアユニット230の各々のコイル106には、不図示の上位コントローラによる制御のもとで所定の電流が供給される。複数のコアユニット230の各々のコイル106は、例えば図1Bに「U」「V」「W」と付記しているように、U相、V相、W相からなる三相交流で駆動することができる。コイル106に電流が印加されることにより、台車220の永久磁石113は、励磁側コア105及び作用側コア104を介して、コイル106から駆動力としての電磁力を受ける。こうして、台車220が推進力を得て、リニアガイドレール103によって構成される軌道部上を走行する。複数のコアユニット230の各々のコイル106に流す電流を適宜制御することにより、台車220を走行、停止させて、搬送モジュール210上の台車220の位置を制御することができる。
ところで、ムービングマグネット型リニアモータは、可動子の走行を行う軌道に沿って固定子である複数のコイルを配置し、制御された駆動電流を駆動用コイルへ通電することにより磁気的に可動子を駆動させる。そのため、駆動の際に通電されたコイルはジュール熱により発熱する。ムービングマグネット型リニアモータでは、ボールネジ型の搬送装置と比較して熱源となるコイルが可動子の永久磁石に近接配置されるため、コイルの温度変化の影響を受けやすい。例えば、コイルの発熱によって永久磁石の周囲の温度が変化すると、熱エネルギーにより永久磁石が減磁し、モータ推力が低下することがある。このため、コイルと可動子の永久磁石との距離を広げる必要があり、装置が大型化する。また、コイルの熱が筐体や架台に伝わって熱膨張を引き起こすと、筐体や架台に配置されているセンサの位置が変動し、位置決め精度が低下する要因となる。
この点、本実施形態による搬送装置においては、前述のように、リニアモータの固定子を構成するコアユニット230のコア232が、作用側コア104と、励磁側コア105と、これらの間に配された断熱部101と、により構成されている。このように構成することで、励磁側コア105と作用側コア104との間の熱伝導を抑制することができる。また、励磁側コア105は、リニア架台102に直接接続されていないため、励磁側コア105の熱がリニア架台102を介して作用側コア104に伝わることもない。これにより、コイル106に流す電流によって生じた熱が励磁側コア105を介して作用側コア104に伝わるのを効果的に抑制することができ、装置全体が小型でありながら高精度な位置決め再現が可能な搬送装置を実現することができる。
断熱部101の構成材料としては、作用側コア104及び励磁側コア105の構成材料よりも熱伝導率が低く、且つ、透磁率が大きい磁性体材料が望ましい。このような観点から、断熱部101の構成材料には、例えば、パーマロイ、スーパーマロイ、純鉄、アモルファス合金、パーメンジュール、センダンスト等を好適に用いうる。
断熱部101の作用側コア104側と励磁側コア105側との間の温度差ΔTは、断熱部101の構成材料の熱伝導率をλ[W/m・K]、断面積をS[m]、厚さをL[m]、励磁側コア105の伝熱量w[W]とすると、以下の式(1)のように表される。
ΔT=L/S×w/λ …(1)
断熱部101がパーマロイの場合、励磁側コア105の伝熱量を50W、断熱部101の断面積を0.0004m、厚さを0.005m、パーマロイの熱伝導率を14m/W・Kとすると、励磁側コア105と作用側コア104との間の温度差は18Kとなる。コア232の全体を積層型珪素鋼板で構成した場合、同じ効果を得るためにはコア232の長さを2倍にする必要がある。したがって、本実施形態を適用することにより、リニアモータのコアユニット230、ひいては搬送装置100の小型化を実現することができる。
なお、本実施形態においては、コア232の断面積を一定とし、断熱部101における熱伝導率λと厚さLとを変えることで励磁側コア105から作用側コア104への熱伝導を抑制している。しかしながら、コア232の断面積は必ずしも一定である必要はなく、断熱部101における断面積を選択的に小さくすることで励磁側コア105から作用側コア104への熱伝導を更に低減するようにしてもよい。
断熱部101によって生じる磁気抵抗R[A/wb]は、断熱部101の断面積をS[m]、厚さをL[m]、比透磁率をμとして、以下の式(2)のように表される。
R=1/μ×L/S …(2)
断熱部101をパーマロイで構成した場合、断熱部101の比透磁率が14倍となるため、断熱部101の磁気抵抗Rは1/14となり、磁気抵抗Rの上昇を抑制することができる。ただし、パーマロイの飽和磁束密度は作用側コア104及び励磁側コア105を構成する積層型珪素鋼板よりも小さいため、パーマロイの飽和磁束密度より小さい磁束の範囲でモータを駆動することになる。
なお、本実施形態では、リニアモータとして、コイルとマグネットとが2対対向しているT型の構造を示したが、コア部に断熱構造が配置できるコイルとマグネットが1対であるI型の構造においても適用可能である。
このように、本実施形態によれば、コイル106で生じた熱が励磁側コア105を介して作用側コア104に伝わるのを低減することができる。これにより、コアユニット230を大きくすることなくコイル106で生じた熱の影響を抑制することが可能となり、装置全体が小型でありながら高精度な位置決め再現が可能な搬送装置を実現することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による搬送装置について、図2A及び図2Bを用いて説明する。第1実施形態による搬送装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図2A及び図2Bは、本実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。図2Aは、図2BのB-B′線を含むY-Z平面に平行な面における断面図である。また、図2Bは、図2AのA-A′線を含むX-Z平面に平行な面における断面図である。
図2A及び図2Bに示すように、本実施形態による搬送装置100は、リニアモータのコアユニット230のコア232の構成が異なるほかは、第1実施形態による搬送装置と同様である。すなわち、本実施形態による搬送装置100は、コアユニット230のコア232が、作用側コア104と、励磁側コア105と、これらの間に配された狭小部115と、により構成されている。狭小部115は、第1実施形態の断熱部101と同様、励磁側コア105と作用側コア104とが直に接している場合よりも励磁側コア105から作用側コア104への熱伝導を低減する熱伝導低減部として機能する。
狭小部115は、作用側コア104及び励磁側コア105と同じ材料により構成されているが、コア232内を通る磁束に対して垂直な方向の断面の断面積が、作用側コア104よりも小さい。狭小部115の断面積の最小値は、例えば、コイル106により生じる磁束が飽和しない断面積として規定することができる。狭小部115は、作用側コア104及び励磁側コア105との一体構造であることが望ましいが、作用側コア104及び励磁側コア105とは別の構成部材を連結することにより構成しても構わない。
作用側コア104と励磁側コア105との間の温度差ΔTは、式(1)に示したように、狭小部115の断面積Sを小さくすることによって大きくすることができる。例えば、励磁側コア105の伝熱量wが50Wであり、珪素鋼板の熱伝導率が30m/W・Kであり、狭小部115の厚さLが0.005mであるものとする。この場合において、狭小部115の断面積Sが、例えば作用側コア104の断面積と同じ0.0004mであるとすると、励磁側コア105と作用側コア104との間の温度差ΔTは20Kとなる。これに対し、狭小部115の断面積Sを0.0003mまで小さくすると、励磁側コア105と作用側コア104との間の温度差ΔTは、27Kまで増加することができる。すなわち、狭小部115を設けることにより、作用側コア104と励磁側コア105との間の熱伝導を低減することができる。
このように、本実施形態によれば、コイル106で生じた熱が励磁側コア105を介して作用側コア104に伝わるのを低減することができる。これにより、コアユニット230を大きくすることなくコイル106で生じた熱の影響を抑制することが可能となり、装置全体が小型でありながら高精度な位置決め再現が可能な搬送装置を実現することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による搬送装置について、図3A及び図3Bを用いて説明する。第1及び第2実施形態による搬送装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図3A及び図3Bは、本実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。図3Aは、図3BのB-B′線を含むY-Z平面に平行な面における断面図である。また、図3Bは、図3AのA-A′線を含むX-Z平面に平行な面における断面図である。
図3A及び図3Bに示すように、本実施形態による搬送装置100は、リニアモータのコアユニット230のコア232の構成が異なるほかは、第1及び第2実施形態による搬送装置と同様である。すなわち、本実施形態による搬送装置100は、コアユニット230のコア232が、作用側コア104と、励磁側コア105と、により構成されており、これらの間にエアギャップ118が設けられている。つまり磁路の途中にエアギャップ118を有する。エアギャップ118を挟んで対向する作用側コア104の端部(作用側コア端部116)及び励磁側コア105の端部(励磁側コア端部117)の断面積は、エアギャップ118における磁束の漏れを抑制するために、他の部分の断面積よりも大きくなっている。図3A及び図3Bの例では、作用側コア104と励磁側コア105との間の断熱効果を高めるために、励磁側コア105の両端部にエアギャップ118を設けている。
エアギャップ118は、作用側コア104と励磁側コア105との間に配された空気の層を含むため、熱伝導率は第1実施形態の断熱部101や第2実施形態の狭小部115と比較して1/1000倍程度となる。したがって、式(1)から明らかなように、第1及び第2実施形態の場合よりも作用側コア104と励磁側コア105との間の熱伝導を低減することができる。つまり、エアギャップ118は、第1実施形態の断熱部101や第2実施形態の狭小部115と同様、励磁側コア105と作用側コア104とが直に接している場合よりも励磁側コア105から作用側コア104への熱伝導を低減する熱伝導低減部として機能する。
永久磁石113が通るコアギャップGの磁気抵抗は、コアギャップGの長さを0.01m、断面積を0.0004m、比透磁率を1とすると、25A/wbとなる。一方、エアギャップ118の磁気抵抗Rは、エアギャップ118の長さを0.001m、断面積を0.004m、比透磁率を1とすると、0.25A/wbとなる。つまり、エアギャップ118の磁気抵抗は、コアギャップGの磁気抵抗の1/100程度である。したがって、エアギャップ118を設けることによるコア全体の磁気抵抗の増加は1%程度であり、モータ駆動に大きな影響を与えることはない。エアギャップの長さは、コアギャップの長さの1/20以上1/3以下であることが好ましい。
また、磁気抵抗の増加抑制の効果を得るために、作用側コア端部116及び励磁側コア端部117の材質としては、コア材質よりも透磁率の大きい第1実施形態に記載の材料を適用することが可能である。
このように、本実施形態によれば、コイル106で生じた熱が励磁側コア105を介して作用側コア104に伝わるのを低減することができる。これにより、コアユニット230を大きくすることなくコイル106で生じた熱の影響を抑制することが可能となり、装置全体が小型でありながら高精度な位置決め再現が可能な搬送装置を実現することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による搬送装置について、図4乃至図5Bを用いて説明する。第1乃至第3実施形態による搬送装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図4は、本実施形態による搬送装置の概略構成を示す上面図である。図5A及び図5Bは、本実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。図5Aは、図4のB-B′線を含むY-Z平面に平行な面における断面図である。また、図5Bは、図4のC-C′線を含むX-Z平面に平行な面における断面図である。
本実施形態では、第3実施形態のリニアモータを循環型の搬送装置に適用した構成例について説明する。循環型の搬送装置とは、往路用軌道と復路用軌道とを往来可能なように可動軌道部を平面方向に往復させるシフター構造や可動軌道部を上下方向に往復させるエレベータ構造などの可動機構を搭載した搬送装置である。
本実施形態による搬送装置100は、図4乃至図5Bに示すように、搬送モジュール210A,210Bと、シフター部240と、台車220と、を有する。
搬送モジュール210A,210Bは、第3実施形態に示した搬送モジュール210と同様である。搬送モジュール210Aは、例えば往路用の固定軌道部を構成する。搬送モジュール210Bは、例えば復路用の固定軌道部を構成する。搬送モジュール210Aと搬送モジュール210Bとは、軌道部がX軸方向に沿って互いに平行になるように配されている。
シフター部240は、搬送モジュール250と、ガイドレール126と、ガイドブロック127と、を有する。搬送モジュール250は、ガイドレール126に沿って移動可能に接続されたガイドブロック127に固定されており、不図示の上位コントローラによる制御のもと、アクチュエータ等の動力源によりガイドレール126に沿って移動できるように構成されている。この意味で、搬送モジュール250は、可動軌道部を構成する。
シフター部240は、搬送モジュール210A,210Bに隣接しており、搬送モジュール250を、搬送モジュール210Aとの間に連続する軌道部を形成する位置Aと、搬送モジュール210Bとの間に連続する軌道部を形成する位置A’とに移動する。例えば、搬送モジュール250が図4の位置Aにあるとき、搬送モジュール250と搬送モジュール210Aとは連続する1つの軌道部を形成する。また、搬送モジュール250が図4の位置A’にあるとき、搬送モジュール250と搬送モジュール210Bとは連続する1つの軌道部を形成する。
なお、図4には、搬送モジュール250をY軸方向に沿って平行移動する構成のシフター部240を示しているが、シフター部240の構成はこれに限定されるものではない。例えば、Z軸方向に沿ってガイドレール126を配し、搬送モジュール250を垂直方向に移動するエレベータ構造のシフター部としてもよい。或いは、回転機構を用いて搬送モジュールを旋回移動させる旋回構造のシフター部としてもよい。
台車220は、第1実施形態に示した台車220と同様である。図1A乃至図3Bでは記載を省略しているが、台車220は、例えば図4乃至図5Bに示すように、天板111、磁石支持体112、永久磁石113及びリニアガイドブロック114に加えて、天板111に設けられたスケール119を更に有している。スケール119には、台車220の移動方向に沿って位置情報が記録されている。搬送モジュール210A,210B,250に設けられたエンコーダ108が台車220のスケール119を読み取ることで、台車220の位置情報を取得することができる。搬送モジュール210A,210B,250には複数のエンコーダ108がスケール119のスケール長よりも短い間隔で取り付けられており、いずれかのエンコーダ108によってスケール119を読み取ることができるようになっている。なお、図4においては、搬送モジュール210A,250との関係を解りやすくするために、天板111の一部を切り欠いた状態で表している。天板111の実際の平面形状は、例えば図4に破線で示すような矩形形状である。
台車220は、搬送モジュール210A,210B,250を移動できるように構成されている。これにより、例えば、搬送モジュール210Aを移動してきた台車220を、シフター部240の搬送モジュール250を介して搬送モジュール210Bへと移動させることができる。
シフター部240の搬送モジュール250は、図4乃至図5Bに示すように、シフター架台110と、リニア架台102と、リニアガイドレール103と、作用側コア104と、を含む。搬送モジュール250のX軸方向に沿った長さは、台車220のX軸方向の長さに対して必要十分な長さである。
シフター部240が配される領域の、搬送モジュール210A,210Bの軌道部の延長線上には、搬送モジュール250の作用側コア104と結合してコア232を構成する励磁側コア105と、励磁側コア105に設けられたコイル106とが配されている。すなわち、シフター部240の励磁側コア105及びコイル106は、搬送モジュール250から独立して、シフター部240に固定されている。これにより、搬送モジュール250が位置Aにあるときには、搬送モジュール210Aの延長線上にある励磁側コア105と搬送モジュール250の作用側コア104とが磁気的に結合される。こうして、搬送モジュール210Aから搬送モジュール250に渡って連続するリニアモータの固定子が構成される。また、搬送モジュール250が位置A’にあるときには、搬送モジュール210Bの延長線上にある励磁側コア105と搬送モジュール250の作用側コア104とが磁気的に結合される。こうして、搬送モジュール250から搬送モジュール210Bに渡って連続するリニアモータの固定子が構成される。
シフター部240のエンコーダ108は、搬送モジュール250のY軸方向への移動時に物理的に干渉しない固定方法で、搬送モジュール250以外の部分に固定されており、搬送モジュール250と同期して移動しない構成とされている。また、シフター部240には、搬送モジュール250のY軸方向の位置を検出するための位置検出装置109が設けられている。
このように、本実施形態の搬送装置においては、シフター部240の励磁側105及びコイル106を、搬送モジュール250から独立して装置に固定している。また、シフター部240のエンコーダ108及び位置検出装置109は、搬送モジュール250以外の部分に固定されている。したがって、シフター部240の周辺機器とドライバとの接続配線に対してケーブルベア(登録商標)を必要としない構成が可能となる。
したがって、本実施形態の搬送装置では、可動軌道部の移動に伴う接続ケーブルの揺動が生じることはなく、接続ケーブルの摺動や屈曲による発塵や接続ケーブルの断線が生じるのを防止することができる。本実施形態の搬送装置が有するこのような特徴は、例えば、発塵を抑制することが重要な精密機器の製造ラインにおいて極めて有用である。
作用側コア104と励磁側コア105とが対向する部分の間隔は狭いほど磁気抵抗Rbaが小さくなり、モータの効率低下が少ない好ましい形態である。磁気抵抗Rbaは、作用側コア104と励磁側コア105との対向面の断面積をS、対向面の相対距離をL、大気の比透磁率をμとして、以下の式(3)のように表される。
Rba=1/μ×L/S …(3)
作用側コア104と励磁側コア105との間隔(相対距離L)は、搬送モジュール250の移動時に作用側コア104と励磁側コア105とが物理的に接触しないように適宜調整され、例えば、0.4mmに設定することができる。この場合の磁気抵抗Rbaは、0.001A/wbとなる。
作用側コア104と励磁側コア105との間の磁気抵抗Rbaは、搬送モジュール250上の台車220を駆動可能な磁束を作用側コア104に対して供給可能な磁気抵抗であれば、特に限定されるものではない。磁気抵抗Rbaは、台車220の重量や加速度、摺動抵抗、コギング抵抗、台車220が備える永久磁石113の磁力や極数構成等に応じて適宜設定することが望ましい。
図4乃至図5Bには台車220を1台のみ示しているが、実際の搬送装置においては複数台の台車220を軌道上へ配置して制御する。
このように、本実施形態によれば、シフター部240を含め、コイル106で生じた熱が励磁側コア105を通じて作用側コア104に伝わるのを抑制することができる。これにより、コアユニット230を大きくすることなくコイル106で生じた熱の影響を抑制することが可能となり、装置全体が小型でありながら高精度な位置決め再現が可能な搬送装置を実現することができる。
また、本実施形態によれば、シフター部240の周辺機器を、ケーブルベア(登録商標)を必要としない構成とすることが可能となり、ケーブルベア(登録商標)からの発塵のない循環型リニア搬送装置を実現することができる。
また、本実施形態の構成を用いれば、作用側コア104と励磁側コア105とを分離して別々の部屋に配置することも可能である。例えば、真空チャンバの内側に作用側コア104を配置し、真空チャンバの外側に励磁側コア105を配置するように構成することで、コイル106からの放出ガスが真空チャンバ内に導入されるのを防止することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による搬送装置について、図6A及び図6Bを用いて説明する。第1乃至4実施形態による搬送装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図6A及び図6Bは、本実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。図6Aは、図4のB-B′線を含むY-Z平面に平行な面における断面図に対応している。また、図6Bは、図4のC-C′線を含むX-Z平面に平行な面における断面図に対応している。
第4実施形態で説明した構成においては、搬送モジュール250の移動時に作用側コア104と励磁側コア105とが物理的に接触しないように、作用側コア104と励磁側コア105との対向面の相対距離Lを設定した。しかしながら、リニアモータとしての効率は、作用側コア104と励磁側コア105との間の相対距離L、すなわち磁気抵抗Rbaが小さいほど好ましく、相対距離Lが0mmとなる状態が理想である。
このような観点から、本実施形態による搬送装置は、シフター部240が、第4実施形態の構成に加えて、励磁側コア105及びコイル106(図6A及び図6Bにおいて破線で囲んだ部分)を垂直方向に移動する可動機構を更に有している。この可動機構は、搬送モジュール250が台車220を固定軌道部へ移動可能な所定の位置にあるときに、励磁側コア105と作用側コア104との相対距離Lを任意に変更可能なように、励磁側コア105及びコイル106を昇降させる機構を備える。励磁側コア105及びコイル106の昇降制御は、例えば、不図示の電動アクチュエータを用い、不図示の上位コントローラにより行うことができる。
上位コントローラは、搬送モジュール250が図4の位置Aにあることを位置検出装置109により検知すると、搬送モジュール210Aから搬送モジュール250への台車220の移動を開始する前の任意のタイミングにおいて、可動機構を駆動する。可動機構は、電動アクチュエータによって位置Aに配された励磁側コア105及びコイル106を上昇させ、作用側コア104と励磁側コア105との対向面の相対距離を近づける。例えば、可動機構は、作用側コア104と励磁側コア105との対向面を接触させることにより、相対距離Lを0mmに設定する。
次に、搬送モジュール250への台車220の移動が完了したことをエンコーダ108が検知することに応じて、上位コントローラによる制御のもと、可動機構は励磁側コア105を下降し、搬送モジュール250を移動可能な状態とする。
上位コントローラは、搬送モジュール250が図4の位置A’に移動したことを位置検出装置109により検出すると、可動機構を駆動する。可動機構は、電動アクチュエータによって位置Aに配された励磁側コア105及びコイル106を上昇させる。これにより、不図示のドライバユニットは、搬送モジュール250上に位置する台車220を駆動可能となる。
励磁側コア105の昇降距離は、搬送モジュール250の移動時に作用側コア104と励磁側コア105とが物理的に接触しない間隔を確保できればよく、具体的には数ミリオーダー程度で十分である。したがって、励磁側コア105と不図示のドライバとの接続配線に対するケーブルベア(登録商標)は不要である。
なお、本実施形態では、作用側コア104と励磁側コア105とが接触するように可動機構を駆動したが、作用側コア104と励磁側コア105とは必ずしも接触させる必要はない。作用側コア104と励磁側コア105との相対距離Lを0mmより大きい任意の間隔に設定すれば、第3実施形態で説明したように、作用側コア104と励磁側コア105との間の熱伝導を効果的に低減することができる。作用側コア104と励磁側コア105とを接触させる場合においても、これらは一体形成されていないため、ある程度の熱伝導の防止効果は期待できる。
このように、本実施形態によれば、可動軌道部のコイル106とドライバとの接続配線に対してケーブルベア(登録商標)を必要としない構成とすることが可能となり、ケーブルベア(登録商標)からの発塵のない循環型リニア搬送装置を実現することができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による搬送装置について、図7乃至図8Bを用いて説明する。第1乃至第5実施形態による搬送装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図7は、本実施形態による搬送装置の概略構成を示す上面図である。図8A及び図8Bは、本実施形態による搬送装置の概略構成を示す断面図である。図8Aは、図7のB-B′線を含むY-Z平面に平行な面における断面図である。また、図8Bは、図7のC-C′線を含むX-Z平面に平行な面における断面図である。
シフター部240の搬送モジュール250が備えるリニアガイドレール103の長さは、前述のように、台車220のX軸方向の長さに対して必要十分な長さとなるように決定される。第4実施形態においては、図4に示したように、搬送モジュール250のリニアガイドレール103の長さに対応するように設けられた作用側コア104と同じ数の励磁側コア105及びコイル106を、シフター部240に配置している。
ここで、第4実施形態の搬送装置では、搬送モジュール250において、台車220が搬送モジュール210Aから乗り入れる側の端部と、台車220が搬送モジュール210Bへと乗り出す側の端部とは、いずれも図において右側になっている。したがって、台車220が出入りする右側とは反対の搬送モジュール250の左側においては、台車220を駆動するための作用側コア104、励磁側コア105及びコイル106は、必ずしも必要ではない。
そこで、本実施形態の搬送装置においては、シフター部240に、台車220の乗り入れ及び乗り出しを行うための駆動のために必要な最小限の個数の励磁側コア105及びコイル106だけを配置するように構成し、コストの削減を図っている。作用側コア104については、可動子のコギングが大きくならないよう、搬送モジュール250のリニアガイドレール103の長さに対応する個数を配置している。
このように、本実施形態によれば、可動軌道部のコイル106とドライバとの接続配線に対してケーブルベア(登録商標)を必要としない構成とすることが可能となり、ケーブルベア(登録商標)からの発塵のない循環型リニア搬送装置を実現することができる。また、励磁側コア105及びコイル106の点数を減らし、コストの削減を図ることができる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による搬送装置について、図9及び図10を用いて説明する。第1乃至第6実施形態による搬送装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図9は、本実施形態による搬送装置の概略構成を示す上面図である。図10は、本実施形態による搬送装置における搬送モジュールのコアの構造を示す概略図である。
第6実施形態で説明したように、第4実施形態の搬送装置においては、台車220が出入りする右側とは反対の搬送モジュール250の左側に、台車220を駆動するための作用側コア104、励磁側コア105及びコイル106は、必ずしも必要ではない。また、搬送モジュール250の固定子のコアと搬送モジュール210A,210Bの固定子のコアとを磁気結合するように構成すれば、台車220が出入りする搬送モジュール250の右側に、必ずしもコイル106を配置する必要はない。
本実施形態では、このような観点からより簡便な構成とした搬送装置を説明する。本実施形態を適用することにより、第4実施形態と同様の効果を実現するとともに、コストの更なる削減を図ることが可能となる。
図9に示すように、固定軌道部を構成する搬送モジュール210A,210Bは、コア107を備えている。コア107は、U相、V相、W相を形成する複数のコイル106のコアを一体形成した形状を有している。具体的には、1個のコア107に対して可動子の移動方向(X軸方向)に並ぶ例えば12個のコイル106を設け、このコア107を複数並べて配置することにより、リニアモータの固定子を構成する。
可動軌道部を構成する搬送モジュール250は、作用側コア125と、コア123と、を備えている。作用側コア125にはコイル106は設けられておらず、作用側コア125とコア107とが磁気結合することにより、搬送モジュール210A又は搬送モジュール210Bのコイル106が、搬送モジュール250のコイルを兼ねる構成となっている。
図10には、搬送モジュール250の作用側コア125と搬送モジュール210Aのコア107とが結合した部分をより詳細に示している。コア107と作用側コア125との対向面の間隔は、可動軌道部を構成する搬送モジュール250と固定軌道部を構成する搬送モジュール210Aとが物理的に干渉しない距離とされる。この間隔は、コア107と作用側コア125との間の磁気抵抗を低減する観点から、可能な限り狭いことが望ましい。例えば、コア107と作用側コア125との対向面の断面積をコア片側あたり400mm、前述の間隔を0.2mmに設定することができる。なお、図10においては永久磁石120、121、122を3極構成としたがこれに限定されるものではない。
搬送モジュール250の作用側コア125と搬送モジュール210Aのコア107とが図10のような位置関係にある場合、作用側コア125とコア107とが磁気的に結合する。そして、作用側コア125は、搬送モジュール210Aのコア107に設けられたコイル106によって励磁される磁束を受け、図10に矢印で示される磁気回路を形成する。搬送モジュール250に位置する台車220は、コイル106が励磁する磁束をコア107と作用側コア125とを介して受けることにより、X軸方向へ移動することが可能となる。
搬送モジュール250が有するコア123は、可動子のコギングを低減するために設けられている。すなわち、コア123は、コギング低減コアとして機能する。コア123は、コイル106によって励磁される磁束が作用側コア125を介して永久磁石120へ伝わるように配置する。具体的には、作用側コア125とコア123との距離によって生じる磁気抵抗をRcc、作用側コア125と永久磁石120との距離によって生じる磁気抵抗をRcmとして、磁気抵抗Rcc,RcmがRcc>Rcmの関係となるように、コア123を配置する。これら磁気抵抗がRcc>Rcmの関係となることにより、コイル106によって生じる磁束が永久磁石120を介して形成する磁気回路が支配的となり、搬送モジュール250に位置する台車220を駆動することができる。
搬送モジュール250の作用側コア125をコア107から分離した構成とすることには、これまでの実施形態において説明したと同様、コイル106で生じた熱が作用側コア125に伝わるのを低減する効果も期待できる。
このように、本実施形態によれば、可動軌道部に対してコイルとドライバとの接続配線を必要としない構成とすることが可能となり、ケーブルベア(登録商標)を必要としない構成によって発塵のない循環型リニア搬送装置を実現することができる。また、励磁側コア105及びコイル106の点数を減らし、コストの削減を図ることができる。
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態による搬送装置について、図11A乃至図11Cを用いて説明する。第1乃至第7実施形態による搬送装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図11A乃至図11Cは、本実施形態による搬送装置における搬送モジュールのコアの構造及び動作を示す概略図である。
本実施形態による搬送装置は、図11Aに示すように、固定軌道部を構成する搬送モジュール210A,210Bの搬送モジュール250側の端部にコア124を更に有するほかは、第7実施形態の搬送装置と同様である。コア124は、可動子の移動方向に沿って移動可能に構成されており、コア124とコア107及び作用側コア125との間の間隔を任意に調整可能である。コア124は、コア107及び作用側コア125に対して磁気的に結合可能に構成されている。
作用側コア125とコア124とにより形成される磁気回路によって可動子を駆動する場合は、コア107とコア124との間の磁気抵抗が作用側コア125とコア124との間の磁気抵抗よりも大きくなる位置に、コア124を配置する(図11B)。一方、コア107とコア124とにより形成される磁気回路によって可動子を駆動する場合は、作用側コア125とコア124との間の磁気抵抗がコア107とコア124との間の磁気抵抗よりも大きくなる位置に、コア124を配置する(図11C)。なお、可動子を駆動する側の空隙における磁気抵抗は小さいほどよい。かかる観点から、対象のコア同士は接触している状態が望ましい。
コア124を移動するための機構は、図示しない電動アクチュエータを用い、図示しない上位コントローラによって電動アクチュエータを制御することによって実現することができる。
図11A乃至図11Cには、第7実施形態で説明したコア123を示していないが、搬送モジュール250は、コア123を更に有していてもよい。搬送モジュール250がコア123を有する場合、コア123は、コイル106によって励磁される磁束が作用側コア125を介して永久磁石120へ伝わるように配置する。具体的には、作用側コア125とコア123との距離によって生じる磁気抵抗をRcc、作用側コア125と永久磁石120との距離によって生じる磁気抵抗をRcmとして、磁気抵抗Rcc,RcmがRcc>Rcmの関係となるように、コア123を配置する。
このように、本実施形態によれば、可動軌道部に対してコイルとドライバとの接続配線を必要としない構成とすることが可能となり、ケーブルベア(登録商標)からの発塵のない循環型リニア搬送装置を実現することができる。また、励磁側コア105及びコイル106の点数を減らし、コストの削減を図ることができる。
[第9実施形態]
本発明の第9実施形態による搬送装置について、図12A及び図12Bを用いて説明する。第1乃至第8実施形態による搬送装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
図12A及び図12Bは、本実施形態による可動子1101及び固定子1201を含む搬送装置の全体構成を示す概略図である。なお、図12A及び図12Bは、可動子1101及び固定子1201の主要部分を抜き出して示したものである。また、図12Aは可動子1101を後述のY方向から見た図、図12Bは可動子1101を後述のZ方向から見た図である。
図12A及び図12Bに示すように、本実施形態による搬送装置は、台車、スライダ又はキャリッジを構成する可動子1101と、搬送路を構成する固定子1201とを有している。搬送装置は、可動磁石型リニアモータ(ムービング永久磁石型リニアモータ、可動界磁型リニアモータ)によるものである。さらに、本実施形態における搬送装置は、リニアガイド等の案内装置を持たず、固定子1201上において非接触で可動子1101を搬送する磁気浮上型の搬送装置として構成されている。
搬送装置は、例えば、固定子1201により可動子1101を搬送することにより、可動子1101上のワーク1301を、ワーク1301に対して加工作業を施す工程装置に搬送する。本実施形態においては、可動子1101上にワーク1301を搭載する形態について示すが、これに限るものではなく、例えば可動子1101の下面にワーク1301を保持して搬送する形態であってもよい。また、可動子1101の側面にワーク1301を保持して搬送する形態であってもよい。ワーク1301に加工作業を施すことにより、高精度な物品を製造することができる。なお、図12A及び図12Bでは、固定子1201に対して1台の可動子1101を示しているが、これに限定されるものではない。搬送装置においては、複数台の可動子1101が固定子1201上を搬送されうる。
ここで、以下の説明において用いる座標軸、方向等を定義する。まず、可動子1101の搬送方向である水平方向に沿ってX軸をとり、可動子1101の搬送方向をX方向とする。また、X方向と直交する方向である鉛直方向に沿ってZ軸をとり、鉛直方向をZ方向とする。また、X方向及びZ方向に直交する方向に沿ってY軸をとり、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向とする。さらに、X軸周りの回転をWx、Y軸、Z軸周りの回転を各々Wy,Wzとする。また、乗算の記号として“*”を使用する。また、可動子1101の中心を原点Oとし、Y+側をR側、Y-側をL側として記載する。なお、可動子1101の搬送方向は必ずしも水平方向である必要はないが、その場合も搬送方向をX方向として同様にY方向及びZ方向を定めることができる。
次に、本実施形態による搬送装置おける搬送対象である可動子1101について図12A、図12B及び図13を用いて説明する。図13は、本実施形態による搬送装置における可動子1101及び固定子1201を示す概略図である。なお、図13は、可動子1101及び固定子1201をX方向から見た図である。また、図13の左半分は、図12Bの(A)-(A)線に沿った断面(A)を示している。また、図13の右半分は、図12Bの(B)-(B)線に沿った断面(B)を示している。
図12A、図12B及び図13に示すように、可動子1101は、永久磁石1103として、永久磁石1103aR、1103bR、1103cR、1103dR、1103aL、1103bL、1103cL、1103dLを有している。
永久磁石1103は、可動子1101のX方向に沿った上面のL側R側端部に2列配置されて取り付けられている。具体的には、可動子1101の上面のR側に、永久磁石1103aR、1103bR、1103cR、1103dRが取り付けられている。また、可動子1101の上面のL側に、永久磁石1103aL、1103bL、1103cL、1103dLが取り付けられている。なお、以下では、特に区別する必要がないかぎり、可動子1101の永久磁石を単に「永久磁石1103」と表記する。また、R側とL側とを区別する必要はないが、各永久磁石1103を個別に特定する必要がある場合、各永久磁石1103に対する符号の末尾からR又はLを除いた識別子としての小文字のアルファベットまでの符号を用いて各永久磁石1103を個別に特定する。この場合、「永久磁石1103a」、「永久磁石1103b」、「永久磁石1103c」又は「永久磁石1103d」と表記して、各永久磁石1103を個別に特定する。
永久磁石1103aR、1103dRは、可動子1101のX方向に沿った上面のR側におけるX方向の一方の端部及び他方の端部に取り付けられている。永久磁石1103bR、1103cRは、可動子1101の上面のR側の永久磁石1103aR、1103dR間に取り付けられている。永久磁石1103aR、1103bR、1103cR、1103dRは、例えば、X方向に等ピッチに配置されている。また、永久磁石1103aR、1103bR、1103cR、1103dRは、それぞれの中心が、例えば可動子1101の上面の中心からR側に所定距離rx3離れたX方向に沿った直線上に並ぶように配置されている。
永久磁石1103aL、1103dLは、可動子1101のX方向に沿った上面のL側におけるX方向の一方の端部及び他方の端部に取り付けられている。永久磁石1103bL、1103cLは、可動子1101の上面のL側の永久磁石1103aL、1103dL間に取り付けられている。永久磁石1103aL、1103bL、1103cL、1103dLは、例えば、X方向に等ピッチに配置されている。また、永久磁石1103aL、1103bL、1103cL、1103dLは、それぞれの中心が、例えば可動子1101の上面の中心からL側に所定距離rx3離れたX方向に沿った直線上に並ぶように配置されている。さらに、永久磁石1103aL、1103bL、1103cL、1103dLは、X方向においてそれぞれ永久磁石1103aR、1103bR、1103cR、1103dRと同位置に配置されている。
永久磁石1103a、1103dは、それぞれ可動子1101の中心である原点OからX方向の一方及び他方の側に距離rz3だけ離れた位置に取り付けられている。永久磁石1103a、1103b、1103c、1103dは、それぞれ原点OからY方向に距離rx3だけ離れた位置に取り付けられている。永久磁石1103c、1103bは、それぞれ原点OからX方向の一方及び他方の側に距離ry3だけ離れた位置に取り付けられている。
永久磁石1103aR、1103dR、1103aL、1103dLは、それぞれY方向に沿って配置された2個の永久磁石のセットである。永久磁石1103a、1103dは、それぞれ、固定子1201側を向く外側の磁極の極性が交互に異なるように2個の永久磁石がY方向に沿って並べられて構成されたものである。なお、永久磁石1103a、1103dを構成するY方向に沿って配置された永久磁石の数は、2個に限定されるものではなく、複数個であればよい。また、永久磁石1103a、1103dを構成する永久磁石が配置される方向は、必ずしも搬送方向であるX方向と直交するY方向である必要はなく、X方向と交差する方向であればよい。すなわち、永久磁石1103a、1103dは、それぞれ磁極の極性が交互になるようにX方向と交差する方向に沿って配置された複数の永久磁石からなる磁石群であればよい。
一方、永久磁石1103bR、1103cR、1103bL、1103cLは、それぞれY方向に沿って配置された3個の永久磁石のセットである。永久磁石1103b、1103cは、それぞれ、固定子1201側を向く外側の磁極の極性が交互に異なるように3個の永久磁石がX方向に沿って並べられて構成されている。なお、永久磁石1103b、1103cを構成するX方向に沿って配置された永久磁石の数は、3個に限定されるものではなく、複数個であればよい。すなわち、永久磁石1103b、1103cは、磁極の極性が交互になるようにX方向に沿って配置された複数の永久磁石からなる磁石群であればよい。
各永久磁石1103は、可動子1101の上面のR側及びL側に設けられたヨーク1107に取り付けられている。ヨーク1107は、透磁率の大きな物質、例えば鉄で構成されている。
こうして、可動子1101には、可動子1101のX軸に沿った中心軸を対称軸として、複数の永久磁石1103が上面のR側及びL側に対称に配置されている。永久磁石1103が配置された可動子1101は、固定子1201の複数のコイル1106により後述するように永久磁石1103が受ける電磁力により姿勢が6軸制御されつつ移動可能に構成されている。
可動子1101は、X方向に沿って2列に配置された複数のコイル1106に沿ってX方向に移動可能である。可動子1101は、その上面あるいは下面に搬送すべきワーク1301を載置あるいは装着した状態で搬送される。可動子1101は、例えば、ワークホルダ等のワーク1301を可動子1101上に保持する保持機構を有していてもよい。
次に、本実施形態による搬送装置における固定子1201について図12A及び図13を用いて説明する。
複数のコアユニット1230は、可動子1101の移動方向(X軸方向)に沿って所定の間隔で並べられており、リニアモータの固定子を構成している。複数のコアユニット1230の各々は、コア1232と、コイル1106と、を有する。コア1232は、励磁側コア1105と、作用側コア1104と、作用側コア1104と励磁側コア1105との間に設けられた断熱部1102と、を有する。つまり磁路の途中に断熱部を有する。なお、図面の簡略化のため図12AにはX軸方向に並ぶ9個のコアユニット1230を有する搬送装置を示しているが、実際には搬送装置は、任意の長さのリニアモータを構成するために必要な数のコアユニット1230を有する。本実施形態において断熱部1102は、真空(減圧)チャンバの隔壁あるいは空気とは異なる気体と空気とを分離するためのチャンバ等の隔壁等、生産装置を構成するステーションを区切る隔壁である例を示す。しかしこれに限るものではなく、例えば、複数のコアユニットを覆うコイルボックスであってもよい。
作用側コア1104は、本実施形態においては、断熱部1102(本実施形態においてはチャンバの隔壁)に接続・固定されている。しかし、これに限るものではなく、例えば、複数のコアユニットを覆うコイルボックスに接続・固定されていてもよいし、コイルボックスを部分的に透磁率の高いものにしてもよい。励磁側コア1105は、断熱部1102(本実施形態においてはチャンバの隔壁)を介して作用側コア1104に接続されている。作用側コア1104及び励磁側コア1105の材質には、特に限定されるものではないが、例えば、積層型珪素鋼板等の磁性体材料を適用することができる。
コイル1106は、コア1232の励磁側コア1105に巻回されており、コア1232を励磁する役割を有する。作用側コア1104は、励磁側コア1105に磁気的に結合されるように配置されており、励磁側コア1105で発生した磁束を受け、この磁束をコアギャップGに配された可動子1101に作用させる。断熱部1102は、励磁側コア1105と作用側コア1104とが直に接している場合よりも励磁側コア1105から作用側コア1104への熱伝導を低減する熱伝導低減部として機能する。
また、コアユニット1230とコアユニット1230との間に例えばゲートバルブなどの構造物が存在している場合がある。このような場所では、連続してコアユニット1230を配置することができない場合がある。このような場所においては、可動子がその境界を通過する際に、固定子側の駆動系より得られる浮上、位置制御、推進力に対応する駆動力に不連続点が生じ、可動子が目標軌道からはずれたり、位置ずれを生じたり、位置精度が低下する問題を生じる危険がある。このような場所においては、図12Aの作用側コア1104aのように、コアユニットを配置できない場所に向かう方向の作用側コアの長さを、通常の作用側コアの長さよりも長くして配置することが好ましい。このようにすると吸引力を増加させることができるため、位置精度の低下を抑制することができる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。本発明の範囲を公にするために以下の請求項を添付する。
本願は、2018年6月12日提出の日本国特許出願特願2018-112135を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てをここに援用する。
101…断熱部
102…リニア架台
104,125…作用側コア
105…励磁側コア
106…コイル
107,123,124…コア
110…シフター架台
113,120,121,122…永久磁石
115…狭小部
118…エアギャップ
210,210A,210B,250…搬送モジュール
220…台車

Claims (22)

  1. 複数のコアと、前記複数のコアのそれぞれを励磁するコイルと、を有する固定子と、
    永久磁石を備え、前記固定子から受ける電磁力を推進力として移動する可動子と、を有し、
    前記複数のコアのそれぞれは、前記コイルが巻回された励磁部と、前記励磁部に磁気的に結合するように構成され、前記励磁部から受けた磁束を前記可動子の前記永久磁石に作用させる作用部と、を有し、
    前記励磁部と前記作用部との間に、エアギャップ、あるいは、前記励磁部と前記作用部とが直に接している場合よりも前記励磁部から前記作用部への熱伝導を低減する熱伝導低減部を有する
    ことを特徴とする搬送装置
  2. 前記熱伝導低減部は、前記励磁部及び前記作用部の構成材料よりも熱伝導率の低い磁性体材料により構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置
  3. 前記熱伝導低減部の断面積は、前記作用部の断面積よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の搬送装置
  4. コイルが巻回された励磁部と、前記励磁部に磁気的に結合するように構成され、前記励磁部から受けた磁束を可動子の永久磁石に作用させる作用部と、を有し、
    前記励磁部と前記作用部との間に、エアギャップ、あるいは、前記励磁部と前記作用部とが直に接している場合よりも前記励磁部から前記作用部への熱伝導を低減する熱伝導低減部を有する
    ことを特徴とするコア。
  5. 前記熱伝導低減部は、前記励磁部及び前記作用部の構成材料よりも熱伝導率の低い磁性体材料により構成されている
    ことを特徴とする請求項4記載のコア。
  6. 前記熱伝導低減部の断面積は、前記作用部の断面積よりも小さい
    ことを特徴とする請求項4又は5記載のコア。
  7. 固定軌道部を構成する第1の搬送モジュールと、
    可動軌道部を構成する第2の搬送モジュールと、前記第2の搬送モジュールを前記第1の搬送モジュールに接続する第1の位置に移動する第1の可動機構と、を有するシフター部と、
    永久磁石を有し、前記第1の搬送モジュール又は前記第2の搬送モジュールから受ける電磁力を推進力として移動する台車と、を有し、
    前記第2の搬送モジュールは、前記第1の位置に位置しているときにコイルを含む励磁部に磁気的に結合されるように構成された作用部を有し、前記励磁部から受けた磁束を、前記作用部を介して前記台車の前記永久磁石に作用させるように構成されている
    ことを特徴とする搬送装置。
  8. 前記第1の可動機構は、前記第2の搬送モジュールを水平方向又は鉛直方向に移動させる ことを特徴とする請求項7記載の搬送装置。
  9. 前記励磁部は、前記第2の搬送モジュールから独立して、前記第1の位置に固定されている
    ことを特徴とする請求項7又は8記載の搬送装置。
  10. 前記第2の搬送モジュールは、前記作用部を構成する複数の作用側コアを有し、
    前記励磁部は、前記第2の搬送モジュールが前記第1の位置に位置しているときに、前記複数の作用側コアのうちの一部に磁気的に結合される複数の励磁側コアを有する
    ことを特徴とする請求項記載の搬送装置。
  11. 前記複数の励磁側コアは、前記複数の作用側コアのうち、前記第2の搬送モジュールが前記第1の位置に位置しているときに前記第1の搬送モジュールの側に位置している前記作用側コアに対向する
    ことを特徴とする請求項10記載の搬送装置。
  12. 前記励磁部は、前記第1の搬送モジュールに設けられている
    ことを特徴とする請求項記載の搬送装置。
  13. 前記励磁部は、前記コイルが巻回された第1のコアと、前記第1のコア及び前記作用部に対して磁気的に結合可能に構成された第2のコアと、を有する
    ことを特徴とする請求項10記載の搬送装置。
  14. 前記第2の搬送モジュールは、前記作用部を構成する作用側コアと、コギング低減コアと、を有する
    ことを特徴とする請求項12又は13記載の搬送装置。
  15. 前記励磁部は、前記励磁部と前記作用部との鉛直方向の間隔を制御する第2の可動機構を有する
    ことを特徴とする請求項乃至14のいずれか1項に記載の搬送装置。
  16. 前記搬送装置はチャンバを有し、
    記励磁部は、前記チャンバの外側に配置されており、
    前記作用部は、前記チャンバに配置されている
    ことを特徴とする請求項乃至15のいずれか1項に記載の搬送装置。
  17. 可動軌道部を構成する第3の搬送モジュールを更に有し、
    前記シフター部の前記第1の可動機構は、前記第1の位置と、前記第2の搬送モジュールが前記第3の搬送モジュールに接続される第2の位置とに、前記第2の搬送モジュールを移動するように構成されている
    ことを特徴とする請求項乃至16のいずれか1項に記載の搬送装置。
  18. 固定子と、
    永久磁石を有する可動子と、
    チャンバと、を有し、
    前記固定子は、複数のコアと、前記複数のコアのそれぞれを励磁するコイルと、を有し、
    前記複数のコアのそれぞれは、前記コイルが巻回された励磁部と、前記励磁部に磁気的に結合するように構成され、前記励磁部から受けた磁束を前記可動子の前記永久磁石に作用させる作用部と、を有し、
    前記コイル及び前記励磁部は、前記チャンバの外側に配置され、
    前記作用部は、前記チャンバの内側に配置されている
    ことを特徴とする生産装置。
  19. 前記励磁部と前記作用部は、前記チャンバを介して対向して配置されている
    ことを特徴とする請求項18記載の生産装置。
  20. 前記励磁部は、前記チャンバの外側で隔壁に接続されており、
    前記作用部は、前記チャンバの内側で前記隔壁に接続されている
    ことを特徴とする請求項18又は19記載の生産装置。
  21. 請求項1乃至3及び7乃至17のいずれか1項に記載の搬送装置によってワークを搬送する工程と、
    前記ワークに対して加工作業を施す工程と
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
  22. 請求項18乃至20のいずれか1項に記載の生産装置の前記可動子によってワークを搬送する工程と、
    前記ワークに対して加工作業を施す工程と
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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