JP2008092093A - 楽音再生装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 ユーザによる設定操作なしに、年齢にあわせた聴きやすい音量で楽音を再生する。
【解決手段】 所定の年齢層毎に、加齢による聴力の低下分に対応した所定の音量調整情報が記憶手段にプリセット記憶され、本装置を利用するユーザの年齢層に応じて、前記プリセット記憶された音量調整情報の中から該当する年齢層の音量調整情報を決定し、該決定した音量調整情報に応じて曲データに基づき再生される楽音の基準音量を調整する。音量調整情報を決定する対象とするユーザの年齢層は、自動的に認識される。このようにすると、ユーザは年齢に応じた所定の音量調整情報を自ら設定登録する必要がなく、また前記音量調整情報を読み出すために必要なユーザの年齢層は自動認識されることから、ユーザ、特に高齢者が年齢に応じた聴きやすい音量で楽音を再生することが簡単にできるようになる。
【選択図】 図2
【解決手段】 所定の年齢層毎に、加齢による聴力の低下分に対応した所定の音量調整情報が記憶手段にプリセット記憶され、本装置を利用するユーザの年齢層に応じて、前記プリセット記憶された音量調整情報の中から該当する年齢層の音量調整情報を決定し、該決定した音量調整情報に応じて曲データに基づき再生される楽音の基準音量を調整する。音量調整情報を決定する対象とするユーザの年齢層は、自動的に認識される。このようにすると、ユーザは年齢に応じた所定の音量調整情報を自ら設定登録する必要がなく、また前記音量調整情報を読み出すために必要なユーザの年齢層は自動認識されることから、ユーザ、特に高齢者が年齢に応じた聴きやすい音量で楽音を再生することが簡単にできるようになる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、曲データに基づいて楽音を再生する楽音再生装置及びプログラムに関する。特に、年齢による聴力の低下に応じた分だけ、楽音の音量を自動的に調整することが簡単にできるようにした楽音再生装置及びプログラムに関する。
従来から、MIDIデータやオーディオデータなどの曲データに基づいて、楽音を再生することができる楽音再生装置及びプログラムが知られている。従来知られた楽音再生装置においては、個々のユーザ自らが予め楽音再生時における初期再生音量(及び音質など)を設定登録しておき、楽音再生時に各ユーザ自身が設定登録しておいた初期再生音量を指定することにより、該設定登録しておいた初期再生音量に従って楽音を再生することができるようになっている。このようなユーザ自らが設定登録する初期再生音量は、曲データに定義されている基準的な音量を大きく又は小さくするための音量調整値であって、個々人が自らの聴力に応じて楽音が適切に聴こえるだけの音量となるように前記音量調整値を任意に設定することができる。これにより、特に高齢者や難聴者などのユーザ個人の聴力の状況にあわせて、楽音再生時の音量を対応させるようにしている。こうした装置の一例を挙げると、下記に示す特許文献1に記載の装置がある。なお、この明細書において、楽音という場合、音楽的な音に限るものではなく、音声あるいはその他任意の音を含んでいてもよい意味あいで用いるものとする。
特開2002−345073号公報
ところで、上述した特許文献1に記載したような従来の装置(音響機器など)では、楽音の音量を調整したいユーザ自身がリモコン等を操作して、必要とする初期再生音量(及び音質など)を音響機器に対して設定登録するようになっている。また、ユーザ個人が設定登録した登録内容(初期再生音量)に予め割り当てておいた固有の番号などをリモコン等を操作して音響機器に対して伝える、あるいは指紋認証や音声認識などの方法によりユーザ個人を特定する特別な情報を音響機器に対して適宜に伝えることなどの方法により、個々のユーザ毎に設定登録されている多数の初期再生音量の中から当該ユーザが設定登録した初期再生音量を読み出して、該読み出した初期再生音量に従ってユーザ所望の音量で楽音の再生を開始することができるようになっている。すなわち、従来の装置においては、ユーザ自らが個々人の必要に応じて初期再生音量をどのくらいの音量で設定するかを適宜に決めなければならず、またユーザ自身が音響機器に対して初期再生音量を設定登録する操作を行う必要がある。しかし、こうした初期再生音量を設定登録するための操作や、設定登録した初期再生音量を読み出せるようにするための設定操作などは手間がかかり面倒であって、特に高齢者などにとってはこうした操作そのものが非常に難しく敬遠されがちである、という問題点があった。さらに、個々のユーザが設定登録した初期再生音量は、あくまでも設定登録したそのユーザ自身に対してのみに適した音量であり、設定登録したユーザだけが利用することができるようになっていることから、設定登録された初期再生音量を他のユーザがひろく利用することができる、といったような汎用性がなく都合が悪い。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、ユーザ自身が初期再生音量の設定登録や個人情報の登録などの設定操作を行わなくても、ユーザの年齢にあわせた聴きやすい音量で楽音を再生することができるようにした楽音再生装置及びプログラムを提供しようとするものである。
本発明に係る楽音再生装置は、所定の年齢層毎に、加齢による聴力の低下分に対応した所定の音量調整情報をプリセット記憶する記憶手段と、本装置を利用するユーザの年齢層を認識する認識手段と、前記認識したユーザの年齢層に応じて、前記プリセット記憶された音量調整情報の中から該当する年齢層の音量調整情報を決定する決定手段と、曲データを取得する取得手段と、前記取得した曲データに基づき再生される楽音の基準音量を、前記決定した音量調整情報に応じて調整する音量調整手段とを具える。
本発明によると、所定の年齢層毎に、加齢による聴力の低下分に対応した所定の音量調整情報が記憶手段にプリセット記憶されており、本装置を利用するユーザの年齢層に応じて、前記プリセット記憶された音量調整情報の中から該当する年齢層の音量調整情報を決定し、該決定した音量調整情報に応じて曲データに基づき再生される楽音の基準音量を調整する。前記年齢層の音量調整情報を決定する対象とするユーザの年齢層は、自動的に認識される。このようにすると、ユーザは年齢に応じた加齢による聴力の低下分に対応した所定の音量調整情報を自ら設定登録する必要がなく、また前記音量調整情報を読み出すために必要なユーザの年齢層を自動認識することから、ユーザ、特に高齢者にとって年齢に応じた聴きやすい音量で楽音を再生することが簡単にできるようになる。さらに、加齢による聴力の低下分に対応した所定の音量調整情報はどのユーザであっても共通に見られる現象に関する情報であり汎用性を持つことから、これを記憶手段にプリセット記憶することによって、どのようなユーザであってもひろく利用することができる。
本発明は装置の発明として構成し実施することができるのみならず、方法の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
この発明によれば、ユーザの年齢を自動認識するとともに、予めプリセット記憶された、年齢層に応じた加齢による聴力の低下分に対応した所定の音量調整情報に基づき、曲データに基づき再生される楽音の基準音量を調整することから、ユーザは年齢による聴力低下に応じた音量調整情報の設定登録操作や、ユーザ個人情報の登録操作などを自らが行わなくてもよく、特に高齢者が年齢に応じた聴きやすい音量で楽音を再生することが簡単にできるようになる、という効果を得る。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、この発明に係る楽音再生装置の全体構成の一実施例を示したハード構成ブロック図である。本実施例に示す楽音再生装置は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この楽音再生装置全体の動作を制御する。このCPU1に対して、通信バス1D(例えばデータ及びアドレスバス)を介してROM2、RAM3、外部インタフェース(I/F)4、入力操作部5、表示部6、外部記憶装置7、音源8がそれぞれ接続されている。ROM2は、CPU1により実行あるいは参照される各種制御プログラムや各種データ等を格納する。RAM3は、CPU1が所定の制御プログラムを実行する際に発生する各種データなどを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中の制御プログラムやそれに関連するデータを一時的に記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。
外部インタフェース4は当該楽音再生装置と外部機器4Aなどとの間で制御プログラムやデータなどの各種情報を送受信するための、例えばMIDIインタフェースや通信インタフェースなどである。MIDIインタフェースは、外部機器4A(この場合にはMIDI機器等)から所謂MIDIデータと呼ばれるMIDI形式の曲データを当該楽音再生装置へ入力したり、あるいは当該楽音再生装置からMIDIデータを他のMIDI機器等へ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器はユーザによる操作に応じてMIDIデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、ギター型、管楽器型、打楽器型、身振り型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。通信インタフェースは、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワークに接続されており、該通信ネットワークを介して外部機器4A(この実施例ではパーソナルコンピュータや携帯電話、あるいはマイクやスキャナ等の入力装置)と接続され、通信ネットワークを介して接続された外部機器4Aで生成された各種プログラムや各種データ等(オーディオ形式の曲データ、氏名や年齢などを含むユーザ個人情報、ユーザの音声情報や顔写真情報など)を、楽音再生装置本体にダウンロードするためのインタフェースである。このような外部インタフェース4としては、有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。なお、上記外部インタフェース4に接続される外部機器4Aとしては、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話、マイク、スキャナなどの機器がある。
入力操作部5は、楽音再生する対象の曲データを選択するための選択スイッチ、再生する楽音の音量を所定の周波数帯域毎に調整するためのスライダー式やホイール式の音量調整用コントローラなどである。入力操作部5はこれら以外にも数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード、あるいはディスプレイ6Aに表示される所定のポインタを操作するために用いるポインティングデバイス(例えばマウス)などの各種操作子を含んでいてもよい。さらには、楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えた鍵盤等の、ユーザの演奏操作に応じて演奏情報を発生することができる演奏操作子を含んでいてもよい。勿論、演奏操作子は鍵盤楽器の形態に限らず、弦楽器や管楽器、あるいは打楽器等どのようなタイプの形態でもよい。表示部6は例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ6Aに、選択された曲データに基づき再生される楽音の音楽情報(例えば曲名や楽譜など)や、楽音再生することが可能な曲の一覧などを表示するのは勿論のこと、楽音再生時の音量を所定の周波数帯域毎に表示したり、あるいはCPU1の制御状態などの各種情報を表示するためのものである。
外部記憶装置7は、CPU1が実行する各種制御プログラム(例えば、後述する図2に示す「楽音再生処理」など)や各種データ(例えば、曲データや後述する図3に示す音量調整テーブルなど)を記憶する。また、前記ROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外部記憶装置7(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それを前記RAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1に実行させることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置7はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の着脱自在な様々な形態の外部記録媒体を利用する記憶装置であってもよい。あるいは、半導体メモリなどであってもよい。
音源8は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、通信バス1Dを経由して与えられた曲データや、ユーザによる演奏操作子の操作に応じて発生される曲データ(詳しくはイベントデータやコントロールデータなどの演奏情報)等を入力し、これらの曲データに基づいて楽音を発生する。音源8から発生された楽音は、アンプやスピーカなどを含むサウンドシステム8Aから発音される。この音源8から発生された楽音に対して、効果回路など(図示せず)を用いて、例えば所定の周波数帯域についてのみ音量を上げるなどの所定の効果を付与するようにしてよい。なお、曲データの形式はMIDI形式のようなディジタル符号化されたものであってもよいし、PCM、DPCM、ADPCMのような波形サンプルデータ方式からなるものであってもよい。また、この音源8とサウンドシステム8Aの構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源8はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、専用のハードウェアで構成してもよいし、CPU1によるソフトウェア処理で構成してもよい。
なお、上述した楽音再生装置において、入力操作部5やディスプレイ6Aあるいは音源8などを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信インタフェースを用いて各装置を接続するように構成されたものであってもよいことは言うまでもない。さらに、本発明に係る楽音再生装置及びプログラムを適用する装置は電子楽器や自動演奏装置の形態に限らず、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯型通信端末、あるいはカラオケ装置やゲーム装置など、どのような形態の装置・機器に適用してもよい。携帯型通信端末に適用した場合、端末のみで所定の機能が完結している場合に限らず、機能の一部をサーバ側に持たせ、端末とサーバとからなるシステム全体として所定の機能を実現するようにしてもよい。
次に、曲データに基づき楽音を再生する「楽音再生処理」について、図2を用いて説明する。図2は、「楽音再生処理」の一実施例を示すフローチャートである。当該処理は、図1に示したCPU1において実行される処理である。
ステップS1は、当該楽音再生装置を利用して楽音を再生しようとする、使用者であるユーザの年齢層の自動認識を行う。ここで、ユーザの年齢層を自動認識する際には、ユーザの年齢層だけでなく個々のユーザを特定することができる程度まで自動認識を行うようにしてあってもよいし、個々のユーザを特定するまでには至らない程度であるが、少なくともユーザの年齢層を特定することができる程度まで自動認識を行うようにしてあってもよい。
ここで、上記ユーザの年齢層を自動認識する処理について、簡単にいくつか例を示す。まず、ユーザの(少なくとも年齢層も含んだ)個人を特定することができる程度まで自動認識を行う方法としては、以下に示すような例が挙げられる。
(1−1)ユーザが常日頃利用しているパーソナルコンピュータ(外部機器4Aに相当する)を当該楽音再生装置に接続し、該接続されたパーソナルコンピュータ内に登録されているユーザ個人に関する個人情報(少なくとも年齢を推定できる情報、例えば生年月日などを含む)を読み取ることで、ユーザ個人(年齢層も含む)を特定する。
(1−2)ユーザが常日頃利用している携帯電話やPDA(外部機器4Aに相当する)を当該楽音再生装置に接続し、該接続された携帯電話やPDA内に登録されているユーザ個人に関する個人情報(少なくとも年齢を推定できる情報を含む)を読み取ることで、ユーザ個人(年齢層も含む)を特定する。
すなわち、これらの方法の場合には、楽音再生装置に接続された外部機器内に記録されている個人情報(少なくとも年齢を推定できる情報を含む)を取得し、該個人情報に含まれるユーザの年齢に基づいてユーザの年齢層を特定する。勿論、上記した以外のどのような方法であってもよいことは言うまでもない。
(1−1)ユーザが常日頃利用しているパーソナルコンピュータ(外部機器4Aに相当する)を当該楽音再生装置に接続し、該接続されたパーソナルコンピュータ内に登録されているユーザ個人に関する個人情報(少なくとも年齢を推定できる情報、例えば生年月日などを含む)を読み取ることで、ユーザ個人(年齢層も含む)を特定する。
(1−2)ユーザが常日頃利用している携帯電話やPDA(外部機器4Aに相当する)を当該楽音再生装置に接続し、該接続された携帯電話やPDA内に登録されているユーザ個人に関する個人情報(少なくとも年齢を推定できる情報を含む)を読み取ることで、ユーザ個人(年齢層も含む)を特定する。
すなわち、これらの方法の場合には、楽音再生装置に接続された外部機器内に記録されている個人情報(少なくとも年齢を推定できる情報を含む)を取得し、該個人情報に含まれるユーザの年齢に基づいてユーザの年齢層を特定する。勿論、上記した以外のどのような方法であってもよいことは言うまでもない。
他方、ユーザ個人までは特定することができないが、少なくともユーザの年齢層を特定することができる程度まで自動認識を行う方法としては、以下に示すような例が挙げられる。
(2−1)ユーザの音声を、当該楽音再生装置が有するマイク端子に接続されているマイク(外部機器4Aに相当する)から入力し、該マイクから入力された音声を解析して、マイクから入力された音声(音声情報)と予め記憶されている年齢層毎の音声が有する一般的な特徴とを比較することにより、音声を入力したユーザの年齢を特定する。
(2−2)当該楽音再生装置に接続されたスキャナ(外部機器4Aに相当する)などを利用して、ユーザの顔写真を当該楽音再生装置に取り込み、該取り込んだ顔写真を解析して、取り込んだ顔写真(顔写真情報)の特徴と予め記憶されている年齢層毎の人の顔が有する一般的な特徴とを比較することにより、顔写真を取り込んだユーザの年齢層を特定する。
すなわち、これらの方法の場合には、楽音再生装置に接続された外部機器を利用してユーザの特徴を入力し、該入力されたユーザの特徴に基づきユーザの年齢層を特定する。
(2−1)ユーザの音声を、当該楽音再生装置が有するマイク端子に接続されているマイク(外部機器4Aに相当する)から入力し、該マイクから入力された音声を解析して、マイクから入力された音声(音声情報)と予め記憶されている年齢層毎の音声が有する一般的な特徴とを比較することにより、音声を入力したユーザの年齢を特定する。
(2−2)当該楽音再生装置に接続されたスキャナ(外部機器4Aに相当する)などを利用して、ユーザの顔写真を当該楽音再生装置に取り込み、該取り込んだ顔写真を解析して、取り込んだ顔写真(顔写真情報)の特徴と予め記憶されている年齢層毎の人の顔が有する一般的な特徴とを比較することにより、顔写真を取り込んだユーザの年齢層を特定する。
すなわち、これらの方法の場合には、楽音再生装置に接続された外部機器を利用してユーザの特徴を入力し、該入力されたユーザの特徴に基づきユーザの年齢層を特定する。
さらに、ユーザ個人までは特定することができないが、少なくともユーザの年齢層を特定することができる程度まで自動認識を行う方法として、
(2−3)ユーザが楽音再生装置に記憶されているうちの、どの内蔵曲/内蔵スタイルをよく選ぶかの傾向を記憶しておき、該記憶しておいたユーザの選択傾向(ユーザ嗜好情報)を解析して、ユーザの年齢層を特定する。
(2−4)楽音再生装置がミュージックファインダー機能、つまりユーザが任意に入力した曲名などの検索情報に従って、予め内蔵されている曲のスタイルなどを自動的に検索して呼び出す機能を搭載した装置である場合に、ユーザにより入力された検索情報の傾向を記憶しておき、該記憶しておいたユーザにより入力された検索情報の傾向(ユーザ嗜好情報)を解析して、ユーザの年齢層を特定する。
(2−5)楽音再生装置がインターネットに直接接続できる装置である場合に、ユーザがインターネットを介して購入した曲/スタイル/楽譜などのコンテンツ、閲覧したページの傾向を記憶しておき、該記憶しておいたユーザの傾向(ユーザ嗜好情報)からユーザの年齢層を特定する。
すなわち、これらの方法の場合には、楽音再生装置の利用に応じたユーザの嗜好を抽出し、該抽出したユーザの嗜好(ユーザ嗜好情報)を解析することに基づき、ユーザの年齢層を特定する。勿論、上記した以外のどのような方法であってもよいことは言うまでもない。
(2−3)ユーザが楽音再生装置に記憶されているうちの、どの内蔵曲/内蔵スタイルをよく選ぶかの傾向を記憶しておき、該記憶しておいたユーザの選択傾向(ユーザ嗜好情報)を解析して、ユーザの年齢層を特定する。
(2−4)楽音再生装置がミュージックファインダー機能、つまりユーザが任意に入力した曲名などの検索情報に従って、予め内蔵されている曲のスタイルなどを自動的に検索して呼び出す機能を搭載した装置である場合に、ユーザにより入力された検索情報の傾向を記憶しておき、該記憶しておいたユーザにより入力された検索情報の傾向(ユーザ嗜好情報)を解析して、ユーザの年齢層を特定する。
(2−5)楽音再生装置がインターネットに直接接続できる装置である場合に、ユーザがインターネットを介して購入した曲/スタイル/楽譜などのコンテンツ、閲覧したページの傾向を記憶しておき、該記憶しておいたユーザの傾向(ユーザ嗜好情報)からユーザの年齢層を特定する。
すなわち、これらの方法の場合には、楽音再生装置の利用に応じたユーザの嗜好を抽出し、該抽出したユーザの嗜好(ユーザ嗜好情報)を解析することに基づき、ユーザの年齢層を特定する。勿論、上記した以外のどのような方法であってもよいことは言うまでもない。
図2の説明に戻って、ステップS2は、上記ステップS1において自動認識したユーザの年齢層に応じて、楽音再生時における所定の周波数帯域の音量調整値を取得する。この音量調整値は、曲データに基づき再生される楽音の基準音量のうち、ユーザの年齢層にあわせた所定の周波数帯域の音量を所定量だけ上げるよう制御するための調整量であって、予め外部記憶手段などにプリセット記憶されている音量調整テーブルに定義されているものである。図3に、音量調整値を決める際に参照する音量調整テーブルの一例を示す。
図3(A)に示す音量調整テーブルは、図3(B)に示すような統計的に調査された聴力の生理的年齢変化(特に加齢による聴力の低下)に基づいて、年齢層に応じた所定の周波数毎の音量調整値が定められている。図3(B)は、音量調整テーブルに定義される各年齢層毎の音量調整値を決定付ける、統計的に調査された聴力の生理的年齢変化の様子を示したものである。この図3(B)から理解できるように、人間は年齢を重ねるにつれて聴力、特に低周波数帯域に比べて高周波数帯域における聴力が著しく低下する。例えば「70〜74歳」の年齢層では「30〜39歳」の年齢層に比べて、125Hz帯域で15db、250Hz帯域で20db、500Hz帯域で22db、1000Hz帯域で28db、2000Hz帯域で30db、4000Hz帯域で40db、8000Hz帯域で55db程度の聴力損失が生ずることが、多数人を調査した結果として一般的に知られている。
ところで、一般的に曲データには、「30〜39歳」の年齢層を基準として再生される楽音が適切に作成者の意図したとおりの音楽的表現でユーザに対して聴こえるよう、楽音再生時の基準音量が定義されている。しかし、同じ曲データに基づき再生された楽音を高齢者が聴いた場合には、上記したような年齢による聴力の低下により、楽音(曲データ)を作成した作成者の意図したとおりの音楽的表現を実現することができない。そこで、統計的に調査された聴力の生理的年齢変化に基づいただけの音量調整値に従って、曲データに定義された音量をユーザの年齢にあわせて調整(補正)するように、音量調整テーブルが予め外部記憶手段などにプリセット記憶される。図3(A)に示した音量調整テーブルの例によると、例えば年齢層「70〜74歳」に定義されている音量調整値、具体的には125Hz帯域について音量を「15db」、250Hz帯域について音量を「20db」、500Hz帯域について音量を「22db」、1000Hz帯域について音量を「28db」、2000Hz帯域について音量を「30db」、4000Hz帯域について音量を「40db」、8000Hz帯域について音量を「55db」ずつ、曲データ作成時に音量基準とされる「30〜39歳」の年齢層に比べて、それぞれ上げるように音量調整値が定義されている。これは、上記した「70〜74歳」の年齢層における聴力の生理的年齢変化(図3(B)参照)に基づき定義されていることが、図3(A)と図3(B)とを見比べると理解することができる。
図2の説明に戻って、ステップS3は、楽音再生装置本体の電源をオフするなどの、当該楽音再生装置が有する全ての機能を停止させる終了操作がユーザにより行われたか否かを検出する。全ての機能を停止させる終了操作を検出した場合には(ステップS3のYES)、当該処理を終了する。ステップS4は、楽音を再生させる際の元となる曲データの選択操作がユーザにより行われたか否かを検出する。曲データの選択操作を検出しなかった場合には(ステップS4のNO)、ステップS3の処理へ戻る。一方、曲データの選択操作を検出した場合には(ステップS4のYES)、該検出した選択操作に従って選択された曲データを外部記憶手段等から読み出してRAM等に一時記憶する「曲データの読み込み」を実行する(ステップS5)。
ステップS6は、前記選択した曲データに基づき楽音を再生させる演奏処理を開始させる操作が、ユーザにより行われたか否かを検出する。ステップS7は、曲データに基づき楽音を再生させる演奏処理を終了させる操作が、ユーザにより行われたか否かを検出する。演奏処理を開始させる操作を検出しなかった場合(ステップS6のNO)又は演奏処理を終了する操作を検出した場合には(ステップS7のYES)、当該処理を終了する。それ以外の場合には(ステップS6がYESであり、ステップS7がNO)、上記ステップS5においてRAMなどに読み込んでおいた曲データを読み出す(ステップS8)。ステップS9は、前記読み出した曲データがオーディオデータ(楽音信号そのもの)であるか否かを判定する。読み出した曲データがオーディオデータでなくMIDIデータである場合には(ステップS9のNO)、該MIDIデータを音源に送信して楽音信号を取得する(ステップS10)。ステップS11は、前記取得した楽音信号の周波数をスペクトル分析などの方法により調べ、前記取得した音量調整値を対応する周波数の元の音量に加えて楽音の音量を調整する。
以上のようにして、ユーザの年齢を自動的に認識し、また自動認識されたユーザの年齢層にあった初期再生音量を決める際に、予めプリセットされている一般的な調査等に基づき決定される汎用的な音量調整値に基づき、周波数帯域毎に音量を調整するようにしたことから、ユーザは自らの年齢による聴力低下に応じた音量調整情報の設定登録操作や、ユーザの年齢入力などの操作を行わなくてもよく、特に高齢者であっても個々のユーザ毎に年齢に応じた聴きやすい音量で楽音を再生することが簡単にできるようになる。すなわち、曲を再生するあるいは外部機器を接続するなどの、当該楽音再生装置での通常の使用範囲における操作をユーザが常日頃行っているだけでよく、従来のように、ユーザがわざわざ年齢入力画面などをディスプレイ上に表示させて、これを用いて自らの年齢を直接入力するといった特別な操作を行わなくてもよい。
なお、上述したように、音量調整テーブルに定義される音量調整値は統計的に調査された聴力の生理的年齢変化に基づき定義される数値であり、音量調整テーブルはプリセットされるものであるが、この音量調整テーブルに定義された音量調整値をユーザが適宜に変更して、プリセットされた音量調整テーブルとは別のテーブルを新規に作成することができ、該作成したテーブルをユーザが任意に使用することができるようにしてあってもよい。
なお、ユーザの年齢層に応じて、各周波数帯の音量を同じ量だけ調整することにより、音量バランスを保ったままで全体の音量を大きくするようにしてよい。また、音量の調整による間接的な音質の変化だけでなく、ユーザが直接的に音色の調整を行って音質を変化させることができるようにしてもよい。
なお、ユーザの年齢層に応じて、各周波数帯の音量を同じ量だけ調整することにより、音量バランスを保ったままで全体の音量を大きくするようにしてよい。また、音量の調整による間接的な音質の変化だけでなく、ユーザが直接的に音色の調整を行って音質を変化させることができるようにしてもよい。
なお、再生する楽音の元となる曲データはMIDI形式やオーディオ形式のデータに限らず、再生される楽音の周波数を検出(例えばスペクトル分析)することができて、また該検出した周波数毎に音量を調整することができるものであればどのような形式のデータであってもよい。また、楽音の音量調整は予め用意された曲データに基づく楽音再生時に限らず、ユーザによる演奏操作子などの演奏入力に応じて順次に発生される演奏情報に基づく楽音再生時であってよい。
なお、上述した実施例において、音量を調整するタイミングとしては、曲データに基づき音源で生成した楽音をサウンドシステムから発生させる前に音量を調整するようにしてもよいし、音源に送る直前に音量を調整するようにしてもよい。あるいは、曲データを読み込んだ時点で、音量を調整するための制御データである音量調整イベントを生成するようにしてもよい。
なお、上述した実施例において、音量を調整するタイミングとしては、曲データに基づき音源で生成した楽音をサウンドシステムから発生させる前に音量を調整するようにしてもよいし、音源に送る直前に音量を調整するようにしてもよい。あるいは、曲データを読み込んだ時点で、音量を調整するための制御データである音量調整イベントを生成するようにしてもよい。
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…外部インタフェース、4A…外部機器、5…入力操作部、6…表示部、6A…ディスプレイ、7…外部記憶装置、8…音源、8A…サウンドシステム、1D…通信バス
Claims (4)
- 所定の年齢層毎に、加齢による聴力の低下分に対応した所定の音量調整情報をプリセット記憶する記憶手段と、
本装置を利用するユーザの年齢層を認識する認識手段と、
前記認識したユーザの年齢層に応じて、前記プリセット記憶された音量調整情報の中から該当する年齢層の音量調整情報を決定する決定手段と、
曲データを取得する取得手段と、
前記取得した曲データに基づき再生される楽音の基準音量を、前記決定した音量調整情報に応じて調整する音量調整手段と
を具える楽音再生装置。 - 外部機器に登録済みの少なくとも年齢を推定できるユーザ個人情報、又はユーザの嗜好を抽出したユーザ嗜好情報、又はユーザの音声情報や顔写真情報、の少なくともいずれかを入力する入力手段を具えてなり、
前記認識手段は、前記入力手段から入力された前記いずれかの情報に基づいて、本装置を利用しているユーザの年齢層を認識することを特徴とする請求項1に記載の楽音再生装置。 - 前記記憶手段は、所定の周波数帯域毎の音量調整情報を記憶してなり、
前記音量調整手段は、前記取得した曲データに基づき再生される楽音の基準音量のうち前記所定の周波数帯域に対応する音量だけを、前記決定した音量調整情報に応じて調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の楽音再生装置。 - コンピュータに、
所定の年齢層毎に、加齢による聴力の低下分に対応した所定の音量調整情報を所定の記憶手段にプリセット記憶する手順と、
本装置を利用するユーザの年齢層を認識する手順と、
前記認識したユーザの年齢層に応じて、前記所定の記憶手段にプリセット記憶されている音量調整情報の中から該当する年齢層の音量調整情報を決定する手順と、
曲データを取得する手順と、
前記取得した曲データに基づき再生される楽音の基準音量を、前記決定した音量調整情報に応じて調整する手順と
を実行させるためのプログラム。
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---|---|---|---|---|
WO2010038591A1 (ja) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性キラル化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子及び光学異方体 |
WO2013042324A1 (ja) * | 2011-09-22 | 2013-03-28 | パナソニック株式会社 | 音響再生装置 |
CN105282345A (zh) * | 2015-11-23 | 2016-01-27 | 小米科技有限责任公司 | 通话音量的调节方法和装置 |
JP2022505283A (ja) * | 2019-01-30 | 2022-01-14 | ▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司 | オーディオの再生及び収集方法、装置、機器並びにコンピュータプログラム |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006268201A patent/JP2008092093A/ja active Pending
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