JP2008091147A - 近接センサ及び近接センサ用コア - Google Patents
近接センサ及び近接センサ用コア Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008091147A JP2008091147A JP2006269328A JP2006269328A JP2008091147A JP 2008091147 A JP2008091147 A JP 2008091147A JP 2006269328 A JP2006269328 A JP 2006269328A JP 2006269328 A JP2006269328 A JP 2006269328A JP 2008091147 A JP2008091147 A JP 2008091147A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- core
- proximity sensor
- magnetic flux
- thin film
- ferromagnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Switches That Are Operated By Magnetic Or Electric Fields (AREA)
Abstract
【課題】大型化を抑制しつつ検出可能距離の長距離化を実現することが可能な近接センサ及び近接センサ用コアを提供する。
【解決手段】コア60には、強磁性金属薄膜80が形成されている。この強磁性金属薄膜80は、めっき又は蒸着加工により形成されている。より具体的には、コア60のうち心棒部61の外周面、外壁部62の内面及び心棒部61と外壁部62との間の底面の全面に、強磁性金属薄膜80が形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】コア60には、強磁性金属薄膜80が形成されている。この強磁性金属薄膜80は、めっき又は蒸着加工により形成されている。より具体的には、コア60のうち心棒部61の外周面、外壁部62の内面及び心棒部61と外壁部62との間の底面の全面に、強磁性金属薄膜80が形成されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、近接センサ及び近接センサ用コアに関する。
従来より、コイルを有する発振回路、検波回路(整流回路)を主体として構成される渦電流式の近接スイッチが広く知られている。この渦電流式の近接スイッチでは、ヘッドに発振コイルが内蔵されており、この発振コイルに交流の励磁電流を流すことによって磁界が発生する。ヘッドを被検出体(金属体)に近接させると、コイルで発生した磁界が金属体に鎖交するため当該金属体に渦電流(誘導電流)が流れる。この渦電流により、被検出体では電力損失が生ずるが、これは発振コイル側のエネルギーが誘導現象によって被検出体側に引き出されたものである。そのため、発振コイル側ではエネルギーが低下して発振振幅が小さくなる。この発振振幅の変化に基づいて、被検出体とヘッド間の距離の変動を検出することが出来る。
ところで、近接センサの検出性能を評価するものの1つに、上記金属体を検出できる最大距離(以下、「検出可能距離」という)があり、これは、近接センサから金属体までの距離変化に対するコンダクタンスGの変化割合を基に評価することができ、この変化割合が大きいほど検出性能が高い(より長距離の金属体まで検出できる)ことを意味する。そして、特許文献1には、上記検出可能距離の長距離化を目的とする技術が開示されている。具体的には、この技術は、検出コイルが巻回されたE型のフェライトコアの外周に磁束誘導部材を設けた構成となっている。これにより、検出コイルから径方向へと広がる磁束を、磁束誘導部材の強磁性薄膜により集めて、金属体が存在する検出領域側へと導くことで、検出可能距離の長距離化を狙っている。
特開2004−119370公報
ところで、特許文献1の技術は、磁束誘導部材をフェライトコアの外周に設ける構成であるから、近接センサの検出ヘッドの小型化を障害になり得る。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、大型化を抑制しつつ検出可能距離の長距離化を実現することが可能な近接センサ及び近接センサ用コアを提供するところにある。
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明に係る近接センサは、検出コイルと、コアと、前記コア上において前記検出コイルから生ずる磁束の経路をなす部分の両端部のいずれか一方の端部に設けられた強磁性体と、を備える。
第2の発明は、第1の発明の近接センサにおいて、前記強磁性体は、コアの略全周に亘って設けられている。
第3の発明は、第1または第2の発明の近接センサにおいて、前記強磁性体は、前記コア上において前記検出コイルから生ずる磁束の経路をなす部分の両端部にそれぞれ設けられている。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明の近接センサにおいて、前記強磁性体は、前記コア上に形成された強磁性金属薄膜である。
第5の発明は、第4の発明の近接センサにおいて、前記強磁性金属薄膜は、前記コアの全面に蒸着されている。
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明の近接センサにおいて、前記コアは、E型コアである。
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明の近接センサにおいて、前記強磁性体は、前記両端部のいずれか一方の端部を含み、かつ、前記磁束の経路に沿った面上に設けられている。
第8の発明は、第1から第6のいずれかの発明の近接センサにおいて、前記強磁性体は、前記両端部をそれぞれ含み、かつ、前記磁束の経路に沿った各側面上に設けられている。
第9の発明に係る近接センサ用コアは、近接センサに設けられ、検出コイルから生ずる磁束を誘導するコアであって、前記検出コイルから生ずる磁束の経路をなす部分の両端部のいずれか一方の端部に、強磁性金属薄膜が形成されている。
検出可能距離の長距離化を図るための1つの方法として、コアのうち検出コイルで発生した磁束の出射部と入射部との離間距離を狭めることが考えられる。この離間距離を狭めれば、入出射部間のギャップ部分での磁気エネルギ損失を低減でき、その分だけより遠距離まで磁束を導くことができると考えられるからである。ところで、近接センサで使用されるコアは、フェライトなどの磁性体で形成すべきであり、強磁性体で形成すべきでない。なぜならば、一般に渦電流損は、次の式1で表されるところ、強磁性体(例えば鉄)は、磁性体(例えばフェライト)に比べて体積抵抗率ρが小さいため、コアでの渦電流損が大きくなってしまうからである。近接センサの場合、コアは検出コイルで発生した磁束を誘導する磁束の経路として利用するだけであり、ここでの渦電流損をなるべく抑えるべきである。
従って、上記方法を採用した一例として、コア自体の心棒と外壁との離間距離を狭くすることが考えられる。しかしながら、検出可能距離の長距離化について、ある程度の効果を得るためには、磁性体であるコア自体の心棒と外壁との離間距離をかなり狭くしなければならないが、その一方で、検出コイルは所定の検出性能に応じた巻き数が必要であり、それに応じたスペースを心棒と外壁との間に確保する必要がある。
そこで、第1の発明では、コア上において検出コイルから生ずる磁束の経路をなす部分の両端部(例えばE型コアであれば心棒先端部及び外壁先端部)のうち少なくとも一方の端部に強磁性体(特に強く磁化しヒステリシスを示す物質)を設けた。要するに、検出コイルで発生した磁束の出射部と入射部との離間距離を、強磁性体で埋める構成である。強磁性体であれば、磁性体よりも透磁率が高いため、上記離間距離を磁性体で埋める場合よりも広い離間距離を確保しつつ、検出可能距離の長距離化を図ることができる。しかも、近接センサの大型化を抑制できる。
第2の発明によれば、強磁性体をコアの略全周に亘って設けることで、近接センサ側から見てほぼ全周に亘って検出精度が均一な検出領域を形成することができる。
第3の発明によれば、磁束密度を高めて検出可能距離のより長距離化を図ることができる。
きる。
きる。
第4,第9の発明によれば、所望の検出性能に応じた厚さに強磁性体を設けることができる。
第5の発明によれば、部分的に金属蒸着をする場合に比べて蒸着作業が簡単になる。
第6の発明によれば、コアがE型コアであり、例えばT型コアに比べて磁束の入出射部間距離が狭いため、検出可能距離の長距離化という観点からは望ましい。
第7,第8の発明によれば、強磁性体が検出コイルから生ずる磁束の経路をなす部分の端部を含んで、当該磁束の経路に沿った面上に設けられいるから、上記端部のみに強磁性体を設けた構成に比べて、コアでのコンダクタンスを大きくして、検出可能距離の更に長距離化が期待できる。
本発明の一実施形態を、図1〜図5によって説明する。
1.近接センサの全体構成
図1は、近接スイッチ1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、近接スイッチ1は、発振回路10、検波回路20、及び比較回路30により構成されている。発振回路10は、検出コイルLとコンデンサCとからなるLC並列共振回路11と増幅回路12とを備えている。
1.近接センサの全体構成
図1は、近接スイッチ1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、近接スイッチ1は、発振回路10、検波回路20、及び比較回路30により構成されている。発振回路10は、検出コイルLとコンデンサCとからなるLC並列共振回路11と増幅回路12とを備えている。
このLC並列共振回路11に対して図示しない電源回路から直流電圧が印加されると、LC並列共振回路の検出コイルLとコンデンサCとの間に電気振動が生じる。これにより、コンデンサCの両端には振幅レベルがほぼ一定な交流の電圧(以下、発振振幅とする)が生じ、これが検波回路20に出力される。
ここで、被検出体(金属体)Wと検出コイルLとが離れている場合には、検出コイルLに生ずる磁束が被検出体Wにほとんど鎖交しない。そのため、被検出体Wには誘導電流(渦電流)が流れず、同被検出体Wでのエネルギー損失がないため、検出コイルLとコンデンサCによる電気振動は一定の振幅レベルを保った状態で持続する。
これに対して、検出コイルLが被検出体Wに接近すると、被検出体Wに渦電流が流れる。これは近接スイッチ1側から被検出体W側にエネルギーが引き出されたということであるから、近接スイッチ1側にエネルギーの損失が生じて、発振振幅のレベルが低下する。
そして、発振回路10からの出力は交流電圧であるから、これを検波回路20で、整流して直流電圧に変換し、比較回路30に出力する。比較回路30は例えば、コンパレータからなり、所定の基準電圧レベルと検波回路20から出力された電圧レベルとを比較して、それに応じた出力を行う。
より具体的には、コンパレータの基準電圧レベルは、被検出体Wと検出コイルLとが離間した状態の発振振幅のレベルより幾らか小さな値に設定されている。そのため、コンパレータは検波回路20から出力される電圧のレベルが基準電圧レベルより大きいときには、非検出状態の出力(例えば、OFF信号を出力して動作表示灯を消灯)を行い、これとは反対に、検波回路20から出力される電圧のレベルが基準電圧レベルより小さいときには、検出状態の出力(例えば、ON信号を出力して動作表示灯を点灯)を行うように構成されている。
図2は近接スイッチ1の分解斜視図である。図2に示すように、近接スイッチ1は、ヘッド部40と、スイッチ本体50とを備えている。スイッチ本体50は略円筒形状をなしており、内部には先に説明した検波回路20、比較回路30が実装される回路基板(図示せず)が収容されるとともに、前方からヘッド部40が嵌めあわされるようになっている。スイッチ本体50の内部にヘッド部40が嵌めあわされた後に、そのスイッチ本体50の内部にヘッド部40を固定するための樹脂が充填されるとともに、そのスイッチ本体50の前方側の開口部には薄い円板状のキャップ51が被せられる。そして、スイッチ本体50とキャップ51との境界部分が接着剤あるいは溶着等によって接合される。これにより、スイッチ本体50の内部にヘッド部40が密閉された状態で収容される。スイッチ本体50及びキャップ51は、樹脂材料あるいは金属材料などにより形成される。なお、図2では、スイッチ本体50及びキャップ51が別体である例を示しているが、これら2つの部材は一体に形成されていてもよい。
図2に示すように、ヘッド部40は、検出コイルL、及びコア60を備えている。
検出コイルLは、銅線などからなる線材71がボビン70の周囲に巻き付けられたものである。ボビン70は、樹脂材料により略円筒形状に形成されたものであり、その上端部及び下端部には、鍔部72,73がそれぞれ形成されている。下端側の鍔部73の外周部分には、径方向外向きに開口する切り欠き部74A,74Bが2箇所に形成されている。この切り欠き部74A,74Bは、ボビン70に巻かれた線材71の端部をスイッチ本体50側に引き出すためのものである。スイッチ本体50とヘッド部40を電気的に接続するための2本のケーブル52は、この切り欠き部74A,74Bから引き出された線材71の両端部にそれぞれ接続される。そして、この2本のケーブル52間には、LC並列共振回路を構成する発振用のコンデンサCが上記回路基板上に形成されている。
検出コイルLは、銅線などからなる線材71がボビン70の周囲に巻き付けられたものである。ボビン70は、樹脂材料により略円筒形状に形成されたものであり、その上端部及び下端部には、鍔部72,73がそれぞれ形成されている。下端側の鍔部73の外周部分には、径方向外向きに開口する切り欠き部74A,74Bが2箇所に形成されている。この切り欠き部74A,74Bは、ボビン70に巻かれた線材71の端部をスイッチ本体50側に引き出すためのものである。スイッチ本体50とヘッド部40を電気的に接続するための2本のケーブル52は、この切り欠き部74A,74Bから引き出された線材71の両端部にそれぞれ接続される。そして、この2本のケーブル52間には、LC並列共振回路を構成する発振用のコンデンサCが上記回路基板上に形成されている。
コア60は、E型コアである。より具体的には、コア60は、フェライトなどの磁性材料により略円筒状に形成されたものである。コア60の底部には、円柱状の心棒部61が設けられており、この心棒部61がボビン70の軸心に設けられた嵌合孔75に嵌合される。一方、コア60の外周には外壁部62が設けられており、ボビン70の嵌合孔75に心棒部61が嵌合されると、検出コイルLの周囲をコア60の外壁部62が取り囲むようになっている。
また、コア60の外周に設けられた外壁部62には、コア60の中心を挟んで対向する2箇所の位置に、開口部63A,63Bが設けられている。この開口部63A,63Bは、ボビン70に巻かれた線材71の両端部をスイッチ本体50側に導出するために設けられたものである。
2.検出可能距離の長距離化のための構成
図3,図4は、検出コイルL、及びコア60の断面図である。ただし、図3は、これら2つの部材を組み付ける前の状態を示しており、図4は、これら2つの部材を組み付けた後の状態を示している。
図3,図4は、検出コイルL、及びコア60の断面図である。ただし、図3は、これら2つの部材を組み付ける前の状態を示しており、図4は、これら2つの部材を組み付けた後の状態を示している。
さて、本実施形態では、図3に示すように、コア60には、強磁性金属薄膜80(「強磁性体」の一例 例えば鉄、コバルトやニッケル)が形成されている。この強磁性金属薄膜80は、めっき又は蒸着加工により形成されている。より具体的には、コア60のうち心棒部61の外周面、外壁部62の内面及び心棒部61と外壁部62との間の底面の全面に、強磁性金属薄膜80が形成されている。つまり、コア60上において磁束の経路をなす部分の両端部である心棒部61の先端及び外壁部62の先端をそれぞれ含み、かつ、上記磁束の経路に沿った面(心棒部61の外面、外壁部62の内面)上に強磁性金属薄膜80が形成されている。本実施形態では、例えば、コア60は、外径が7mm、心棒部61の外径が3.2mm、外壁部61の厚さが0.45mmであり、これに、強磁性金属薄膜80が10〜20μmの膜厚で形成されている。
なお、この強磁性金属薄膜80は、電気的なシールド目的で機能するものではないため、グランドレベルへの接地はされない。また、上記強磁性金属薄膜80は、表皮深さδに応じた厚さで形成されている。ここで、LC並列共振回路11の共振周波数が高くなればなるほど、コア60の表面に電流が集中し、この現象を表皮効果と呼び、その電流の流れる深さを表皮深さδといい、次の式2で表される。
従って、近接センサ1の周波数と、強磁性金属薄膜80の透磁率及び導電率が分かれば、上記式2から表皮深さδを算出できる。そして、本実施形態では、強磁性金属薄膜80の膜厚を、ここで算出された表皮深さδよりも薄くすることで、強磁性金属薄膜80を設けたことによる磁界の強さへの影響を抑制している。
そして、図4に示すように、強磁性金属薄膜80が形成されたコア60に検出コイルLが組み付けられる。
3.本実施形態の効果
図5には、第1例のコア、第2例のコア、及び本実施形態の強磁性金属薄膜80が形成されたコア60についてそれぞれに発生する磁束を模式的に示した図である。まず、同図左側の第1例のコアは、上述したコア60であって強磁性金属薄膜80が蒸着されていないものである。なお、コア60の心棒部61と外壁部62との離間距離はd1である。一方、同図中央の第2例のコアは、第1例のコアに対して、例えば心棒部61の外径は変えずに外壁部62を厚くして、コアの心棒部と外壁部との離間距離(d2<d1)を狭くしたものである。このようにすれば、心棒部と外壁部との離間距離を狭くした分だけ、そのギャップ間での磁気エネルギ損失が低減される。しかし、同離間距離が狭くなった分だけ、第1例のコアよりも少ない巻き数しか検出コイルLを巻回できなくなり得る。そうすると、検出コイルL自体から発生する磁界が弱くなり、結局、検出距離の長距離化の効果がそれほど顕著に表れないことがある。
図5には、第1例のコア、第2例のコア、及び本実施形態の強磁性金属薄膜80が形成されたコア60についてそれぞれに発生する磁束を模式的に示した図である。まず、同図左側の第1例のコアは、上述したコア60であって強磁性金属薄膜80が蒸着されていないものである。なお、コア60の心棒部61と外壁部62との離間距離はd1である。一方、同図中央の第2例のコアは、第1例のコアに対して、例えば心棒部61の外径は変えずに外壁部62を厚くして、コアの心棒部と外壁部との離間距離(d2<d1)を狭くしたものである。このようにすれば、心棒部と外壁部との離間距離を狭くした分だけ、そのギャップ間での磁気エネルギ損失が低減される。しかし、同離間距離が狭くなった分だけ、第1例のコアよりも少ない巻き数しか検出コイルLを巻回できなくなり得る。そうすると、検出コイルL自体から発生する磁界が弱くなり、結局、検出距離の長距離化の効果がそれほど顕著に表れないことがある。
これに対して、図5右側の本実施形態のコア60は、第1例のコアと同じコア60を使用しつつ強磁性金属薄膜80を形成したものである。つまり、検出コイルLで発生した磁束が出射される出射部(心棒部61と外壁部62とにおいて最短距離に位置する部分同士の一方)と、当該磁束が入射される入射部(同部分同士の他方)との離間距離が、強磁性金属薄膜80にて埋められている。その離間距離は第2例のコアほど狭くはないが、強磁性金属薄膜80はフェライトなどの磁性体に比べて透磁率が高いため、薄膜でも十分に磁束密度を高くすることができる。しかも、強磁性金属薄膜80は薄膜であるから、この強磁性金属薄膜80での渦電流損も極力抑えている。従って、本実施形態のコア60であれば、第1例のコアや第2例のコアよりも検出可能距離の長距離化の効果を得られる。
ここで、コア全体と強磁性体とすることも考えられるが、この構成は近接センサにおいては好ましくない。なぜならば、上述したように、強磁性体(例えば鉄)は、磁性体(例えばフェライト)に比べて体積抵抗率ρが小さいため、コアでの渦電流損が大きくなってしまうからである。
また、本実施形態では、コア60の心棒部61の外面と外壁部62の内面とに強磁性金属薄膜80を形成する構成であり、比較的磁束密度が高い中央寄りの磁束について強磁性金属薄膜80の強磁性により更に磁束密度を高めるようにしている。従って、上記背景技術欄で説明した従来技術のように検出コイルの径方向外向きに広がる比較的に磁束密度が低い磁束を集める構成に比べて、更なる検出可能距離の長距離化が期待できる。
更に、強磁性金属薄膜80をコア60の軸心回りのほぼ全周に亘って形成したから、金属体50が存在し得る検出領域に対してほぼ全周に亘って検出精度を均一にすることができる。なお、本実施形態60のコア60には開口部63A,63Bが形成されているが、これは検出精度にそれほど影響がない。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、コアとしてE型コアとしたが、これに限らず、T型コア(E型コアに対して外壁部がないタイプ)であってもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、コアとしてE型コアとしたが、これに限らず、T型コア(E型コアに対して外壁部がないタイプ)であってもよい。
(2)上記実施形態では、心棒部61の外周面、外壁部62の内面及び心棒部61と外壁部62との間の底面の全面に、強磁性金属薄膜80を形成する構成としたが、例えば磁束の出射部及び入射部とされる心棒部61と外壁部62との先端対向部のいずれか一方に強磁性金属薄膜80を形成すれば本発明の効果を得ることが可能となる。また、蒸着、めっき工程の簡略化のためにコア60の全面に強磁性金属薄膜80を形成する構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、強磁性金属薄膜80をコア60の軸心回りのほぼ全周に亘って形成したが、特定方向のみに所定の検出精度を得たい場合には、当該所定方向に対応した位置にのみ強磁性金属薄膜80を形成する構成であってもよい。
(4)上記実施形態では、強磁性体として強磁性金属薄膜80を例に挙げて説明したが、例えば強磁性の金属平板であってもよい。
1…近接スイッチ
60…コア
80…強磁性金属薄膜(強磁性体)
L…検出コイル
60…コア
80…強磁性金属薄膜(強磁性体)
L…検出コイル
Claims (9)
- 検出コイルと、
コアと、
前記コア上において前記検出コイルから生ずる磁束の経路をなす部分の両端部のいずれか一方の端部に設けられた強磁性体と、を備える近接センサ。 - 前記強磁性体は、コアの略全周に亘って設けられている請求項1に記載の近接センサ。
- 前記強磁性体は、前記コア上において前記検出コイルから生ずる磁束の経路をなす部分の両端部にそれぞれ設けられている請求項1または請求項2に記載の近接センサ。
- 前記強磁性体は、前記コア上に形成された強磁性金属薄膜である請求項1から請求項3のいずれかに記載の近接センサ。
- 前記強磁性金属薄膜は、前記コアの全面に蒸着されている請求項4に記載の近接センサ。
- 前記コアは、E型コアである請求項1から請求項5のいずれかに記載の近接センサ。
- 前記強磁性体は、前記両端部のいずれか一方の端部を含み、かつ、前記磁束の経路に沿った面上に設けられている請求項1から請求項6のいずれかに記載の近接センサ。
- 前記強磁性体は、前記両端部をそれぞれ含み、かつ、前記磁束の経路に沿った各側面上に設けられている請求項1から請求項6のいずれかに記載の近接センサ。
- 近接センサに設けられ、検出コイルから生ずる磁束を誘導するコアであって、
前記検出コイルから生ずる磁束の経路をなす部分の両端部のいずれか一方の端部に、強磁性金属薄膜が形成されている近接センサ用コア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006269328A JP2008091147A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 近接センサ及び近接センサ用コア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006269328A JP2008091147A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 近接センサ及び近接センサ用コア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008091147A true JP2008091147A (ja) | 2008-04-17 |
Family
ID=39375096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006269328A Pending JP2008091147A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 近接センサ及び近接センサ用コア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008091147A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015131468A (ja) * | 2014-01-15 | 2015-07-23 | ファナック株式会社 | 射出成形機の可動部の異常検出装置 |
JP2018189533A (ja) * | 2017-05-09 | 2018-11-29 | オムロン株式会社 | 近接センサおよび方法 |
WO2021181617A1 (ja) * | 2020-03-12 | 2021-09-16 | オリンパス株式会社 | 内視鏡、及び、内視鏡の動作方法 |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006269328A patent/JP2008091147A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015131468A (ja) * | 2014-01-15 | 2015-07-23 | ファナック株式会社 | 射出成形機の可動部の異常検出装置 |
JP2018189533A (ja) * | 2017-05-09 | 2018-11-29 | オムロン株式会社 | 近接センサおよび方法 |
WO2021181617A1 (ja) * | 2020-03-12 | 2021-09-16 | オリンパス株式会社 | 内視鏡、及び、内視鏡の動作方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10444086B2 (en) | System and method of magnetic shielding for sensors | |
US8154278B2 (en) | Metal face inductive proximity sensor | |
RU2015101246A (ru) | Закрепляющее устройство | |
JP4448811B2 (ja) | スピーカー | |
JP2018521612A5 (ja) | ||
CN101454646A (zh) | 磁感应测量传感器 | |
JP2007074519A (ja) | 高周波発振型近接センサ | |
RU2411454C2 (ru) | Магнитно-индуктивный измерительный преобразователь | |
US7619375B2 (en) | Electromagnetic wave generating device | |
JP2008091147A (ja) | 近接センサ及び近接センサ用コア | |
JP5203342B2 (ja) | 渦電流探傷プローブおよびそれを用いた渦電流探傷試験装置 | |
US20180366269A1 (en) | Ignition coil for internal-combustion engine | |
JP5576840B2 (ja) | 磁気特性測定センサー及び同センサーを用いた磁気特性測定方法 | |
JP2007141762A (ja) | 近接センサ | |
JP5607192B2 (ja) | 渦電流探傷プローブおよびそれを用いた渦電流探傷試験装置 | |
JP2016138780A (ja) | 電流センサユニット | |
JP5419781B2 (ja) | 近接スイッチ | |
JP2009264992A (ja) | 誘導型近接センサ | |
JP2009158149A (ja) | 近接センサ用の検出部及び近接センサ | |
JP2011172391A (ja) | 振動発電機 | |
KR20190003410A (ko) | 유도성 요소 및 lc 필터 | |
JP2008010313A (ja) | 近接スイッチ用スペーサ及び近接スイッチの製造方法 | |
JP2004053499A (ja) | 磁界検出器 | |
JP5987343B2 (ja) | 磁気シールド装置 | |
JP2004077135A (ja) | 変位センサ |