JP2004077135A - 変位センサ - Google Patents

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水谷 彰利
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Abstract

【課題】精密な検出が可能な変位センサを提供する。
【解決手段】本変位センサは、コイル内部において変位可能に配置された導電棒ABの変位をコイル両端間電圧Voに基づいて検出する変位センサにおいて、コイルLを囲む磁束補強材RMと、磁束補強材RMの外側に設けられた磁束遮蔽材SDとを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変位センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の変位センサは特許2668785号公報に記載されている。この変位センサは、1次コイルと2次コイルを有する差動変圧器を構成している。
【0003】
例えば、この変位センサを用いて、自動車エンジンのバルブリフト量を検出する場合、2次コイルを検出用としてバルブ近傍のセンサ部に内設し、他方のコイルはダミーコイルとしてセンサ部の外部に配置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の変位センサでは、ダミーコイルが外部導電体の近くに装着された場合、この外部導電体がダミーコイルへ影響を与え、変位センサの出力が変動するという問題がある。
【0005】
また、エンジンスペースの関係から、変位センサの長さ方向を短くする必要がある。変位センサの長さを短くするためには、1個のコイルのみを用いた変位センサが好適であるが、ダミーコイルがないため、変位センサの出力が変動し、精密な検出ができないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、精密な検出が可能な変位センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る変位センサは、コイル内部において変位可能に配置された導電棒の変位を前記コイル両端間電圧に基づいて検出する変位センサにおいて、前記コイルを囲む高透磁率且つ高抵抗の磁束補強材と、前記磁束補強材を囲む磁束遮蔽材とを備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、磁束補強材は、高透磁率であるため、コイル周囲の磁束を増加させることにより検出感度を増加させると共に、自身で発生する渦電流は高抵抗であるため小さく、したがって、検出感度の低下が抑制される。更に、磁束遮蔽材は外部導電体の影響を抑制することによって出力変動を抑制するので、検出感度が高いにも拘らず外的要因による出力変動が抑制されることとなる。
【0009】
また、コイルの数は1個であることが好ましい。この場合、変位センサの長さを短くすることができ、コイル数が1個であるため、出力変動が生じ易いにも拘らず、上述の構成によって、検出感度の変動を抑制することができる。なお、本発明は、回路的に出力変動を抑制することを排するものではない。
【0010】
また、「高透磁率」とは、空気よりも透磁率が高いものであり、「高抵抗」とは鉄よりも抵抗が高いものとする。なお、磁束遮蔽材は、磁束吸収作用のある軟磁性体を含むことが好ましく、外部ノイズを遮断するという目的では導電体材料であることが好ましい。すなわち、好適な磁束遮蔽材は磁性体且つ導電体である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に係る変位センサについて説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は変位センサの縦断面図である。変位センサは、コイルL内に配置された金属コアとしての導電棒ABの軸方向(矢印Zで示す)変位を、コイルLの両端間の電圧に応じて検出する。コイルLはソレノイドコイルである。なお、コイルの「両端」とは物理的両端ではなく、コイルの電気的な両端である。本例のコイルLの数は1つである。また、本例の導電棒ABはアルミニウム等の非磁性体からなる。
【0013】
コイルLの両端間には交流電源によって、一定の振幅及び周波数を有する交流電流が供給されており、検出部によってコイル両端間電圧を検出することにより、コイルL内に配置された導電棒ABの軸方向変位を測定することができる。
【0014】
導電棒ABはコイルLの一方の開口OPを介してコイルL内に挿入されている。基準位置Zからの導電棒ABの変位を挿入量ΔZとする。導電棒ABの挿入量ΔZに対するコイルLのインダクタンス変化量ΔLは、導電棒AB内で発生する単位長当たりの渦電流に略比例する。コイルのインダクタンスはL−ΔLとなる。インダクタンスに応じてインピダンスは高くなるので、コイル両端の電圧Voは低くなる。すなわち、導電棒ABの挿入量ΔZを拡大すると、コイル両端間電圧Voは小さくなる。
【0015】
コイルLは下部容器H1内に配置されており、下部容器H1の上端開口部は上部容器H2に取り付けられるフランジを構成している。下部容器H1と上部容器H2はフランジの部分でスポット溶接してある。下部容器H1は外部導電体Cの貫通孔内に嵌っており、フランジは外部導電体Cの表面に当接している。このフランジは、螺子SCによって外部導電体Cに固定されている。
【0016】
容器H1,H2の材料はAlとすることもできるが、電磁シールドの観点からは軟磁性体であることが好ましい。コイルLの両端は上部容器H2内に設けられた端子(T1,T2:図2参照)に電気的に接続されている。
【0017】
下部容器H1及び上部容器H2によって構成されるハウジング内にはコイルボビンBBが配置されており、コイルLを構成する導電線はコイルボビンBBに巻かれている。コイルボビンBBは熱硬化性フェノール樹脂(ベークライト)製であり、その表面にはメッキが施されている。コイルLはエナメル線からなり、好適にはポリウレタン銅線からなる。
【0018】
コイルLの線径は0.14mmであり、巻き数は400回である。このコイルLの両端は、入力端子T1,T2を与えるリード線LWにそれぞれ半田付けされており、また、ポッティング剤で接着してある。上部容器H2には、ゴムブッシュRBが設けられており、ゴムブッシュRBはリード線LWを上部容器H2に固定している。
【0019】
本変位センサは、コイルLの内部において変位可能に配置された導電棒ABの変位をコイル両端間電圧Voに基づいて検出する変位センサにおいて、コイルLを囲む磁束補強材RMと、磁束補強材RMを囲む磁束遮蔽材SDとを備えている。
【0020】
本例では、磁束遮蔽材SDは上部容器H2及び下部容器H1(保護ケース)と同一であるが、これらは別部材としてもよい。磁束遮蔽材SDは、鉄板(SPEC)からなり、メッキが施してある。
【0021】
ここで、磁束補強材RMは、高透磁率であるため、コイル周囲の磁束を増加させることにより検出感度を増加させるが、高抵抗であるため、自身で発生する渦電流は小さく、検出感度の低下が抑制される。磁束補強材RMは好適にはアモルファス合金からなる。このアモルファス合金は、Co系アモルファス磁性薄帯であり(日本非晶質金属(株)製:製品番METGLAS2705M)、この薄帯を2巻きし、コイルLにポッティング材を用いて接着してある。
【0022】
磁束遮蔽材SDは外部導電体の影響を抑制することによって、出力変動を抑制するので、検出感度が高いにも拘らず外的要因による出力変動が抑制されることとなる。
【0023】
また、コイルLの数は1個であるので、変位センサの長さを短くすることができる。この場合、出力変動が生じ易いが、上述の構成によって、検出感度の変動を抑制することができる。本発明は、回路的に出力変動を抑制するものを排するものではない。
【0024】
また、「高透磁率」とは、空気よりも透磁率が高いものであり、「高抵抗」とは鉄よりも抵抗が高いものである。本例では、磁束補強材RMは、磁束遮蔽材よりも透磁率及び抵抗が高いものとする。なお、磁束遮蔽材SDは、磁束吸収作用のある軟磁性体を含むことが好ましく、外部ノイズを遮断するという目的では導電体材料であることが好ましい。すなわち、好適な磁束遮蔽材は磁性体且つ導電体である。
【0025】
図2は変位センサに接続される変位センサ用外部回路のブロック図である。
【0026】
この回路は、コイルLの両端T1,T2間に一定の振幅を有する交流電流を供給する交流電源(発振回路)OSCと、コイルLの両端T1,T2に入力端子が接続された電圧検出回路(差動増幅回路)DIFを備えている。コイル両端間電圧VoはコイルLのインピダンスと電流に比例するので、電流の周波数と振幅を一定とすれば、インピダンスと電流を固定することができ、電圧検出回路DIFによってコイル両端間電圧Vo、すなわち導電棒挿入量ΔZを精密に測定することができる。
【0027】
コイルLの一方の端子T2は電流検出用抵抗Rを介してグランドに接続されており、この抵抗Rを流れる電流が一定となるように、定電流回路CCは端子T1に供給する電流を制御する。発振回路OSCの出力電圧に定電流回路CCの出力電流は同期している。電圧検出回路DIFの出力であるコイル両端間電圧Voは後段の回路で処理され、外部に出力される。
【0028】
なお、本例の交流電源OSCは100kHz〜1MHzの周波数の正弦波を出力する。例えば、周波数は200kHzとし、コイルLの内部抵抗は15Ω、コイルのインダクタンスは400μH、コイルLのインダクタンス変化量は0〜40μHとする。インダクタンス変化量ΔLは挿入量ΔZに比例する。なお、コイルの合計インダクタンスはL−ΔLとなり、電圧Voは挿入量(リフト量)ΔZに対して直線的に減少する。
【0029】
コイルLの後段に設けられる出力処理回路は、電圧検出回路DIFから出力される交流信号Voを整流回路REC1によって全波又は半波整流し、整流後の信号をローパスフィルタ等の平滑回路LPF1で平滑化することで、交流信号の振幅に応じた直流レベル信号を得ている。この直流レベル信号はA/D変換器によってデジタル信号に変換され、CPUに入力される。交流信号又は直流レベル信号は適当な箇所でオフセットレベル調整することができる。
【0030】
図3はコイルLの等価回路を示す回路図である。
【0031】
この等価回路は、コイルLのインダクタンス(L)、導電棒ABによるインダクタンスの変化分ΔL、電流検出用抵抗R、インダクタンスLの内部抵抗rを接続してなり、定電流回路CCからコイルLへの入力電圧Vi、コイルLの出力電圧Voが図示の如く与えられる。
【0032】
コイルLの両端の電圧Voは(1)式で与えられる。なお、Vo及びIは複素数であり、「j」は虚数単位を示す。なお、発振回路OSCから出力されコイルLに印加される交流信号の周波数を「f」とする。角周波数「ω」と周波数「f」とはω=2πfの関係を満たす。この交流信号はサイン波である。
【0033】
【数1】
Figure 2004077135
【0034】
妥当なコイルLのインダクタンス(L)、インダクタンス変化量ΔL、内部抵抗r、周波数fについて以下のように設定する。すなわち、L=400μH、ΔLは0〜40μH、r=15Ω、f=200kHzであるとする。
【0035】
この場合、内部抵抗rは、リアクタンス成分jω(L−ΔL)に対して十分に小さな値となる。したがって、内部抵抗rはコイル両端間電圧Voに関しては無視することができる。したがって、コイル両端間電圧Voは以下の式を満たす。
【0036】
【数2】
Figure 2004077135
【0037】
交流電流Iの振幅及び周波数は一定であるとする。この場合、(2)式で与えられるコイル両端間電圧Voは、インダクタンスLの変化分ΔLに対して直線的に変化する。導電棒ABのコイルLへの挿入量を「x」とし、単位挿入量に対するインダクタンスを「Lo」とすると、インダクタンス変化量ΔLは、ΔL=Lo・xで与えられる。
【0038】
従って、(2)式で与えられるコイル両端間電圧Voは、(3)式で表現することができる。
【0039】
【数3】
Figure 2004077135
【0040】
(3)式から明らかなように、コイル両端間電圧Voは、挿入量xに対して直線的に減少する。なお、この電圧Voは整流及び平滑化が行われることにより、挿入量xに比例した直流電圧(平均値)となるが、この直流電圧に対して適当な反転増幅やレベル調整を行っても良い。
【0041】
上述の変位センサの作用について説明する。上述の変位センサにおいては、コイルLの数が1個であるため、コイルLの両端間電圧Voは、周囲の金属の影響を特に受けることとなる。
【0042】
図4は、コイルLと周囲に位置する筒状導電体Cとの関係を説明するための図である。同図はコイルLに通電したときのある一瞬の状態の磁束の流れを示している。コイルLにより発生した磁束は、コイルLの内側から出て外側に向かい、最後に内側に戻るループを描く。コイルLの近傍に導電体Cが存在する場合、導電体Cの透磁率に応じた磁束が導電体C内を通る。
【0043】
導電体CがAlの場合には透磁率μは約1である。導電体Cに交流の磁束が流れると、導電体C内に渦電流が発生する。渦電流損が発生すると、コイルLのインダクタンスが変化することになり、最終出力が変化してしまう。すなわち、通常、変位センサを導電体Cに装着させたり、コイルLの付近に導電体Cがあると、出力特性が変化する。コイルLからの距離が近いほど磁束は導電体Cに影響を与えるので、コイルLと導電体Cとの間隔が小さいほど出力特性に大きな影響が生じる。
【0044】
一方、筒状の磁束遮蔽材SDは周辺の導電体Cの影響を抑制する。すなわち、磁束遮蔽材SDはコイルLから発生する磁束が周辺の導電体Cを通らないように遮蔽する。
【0045】
磁束遮蔽材SDの効果を検証した。磁束遮蔽材SDは、厚さは0.5mm、外径13.0mmを有し、鉄の板金(SPCEメッキ製)からなることとした。外部導電体Cのセンサ取り付穴の直径を13.1mmとした。外部導電体Cも磁束遮蔽材SDも無い場合における、挿入量x(リフト量)0mm時の変位センサの出力を100%とする。磁束遮蔽材SDが無い場合、変位センサの出力は1800%であり、磁束遮蔽材SDが有る場合、変位センサの出力は0.15%以下であった。
【0046】
しかしながら、磁束遮蔽材SDを用いた場合、磁束遮蔽材SD内部で渦電流が発生してしまう。磁束遮蔽材SDによりコイルLのインダクタンスが変化することになり、最終出力が低下してしまう。すなわち、このままの状態では検出感度が低下するという問題がある。その対策として磁束が通過しやすい高透磁率で渦電流損の小さい高抵抗率の磁束補強材RMをコイルLと磁束遮蔽材SDとの間に介在させた。
【0047】
これにより、コイルLの外側の磁気抵抗は低減するため、磁束量が増加して検出感度の低下を防止することができる。ここで、磁束補強材RMは、金属箔となるため、金族箔の巻数を増やすことにより、飽和磁束を増加させた。
【0048】
図5は、各種磁束補強材RMの箔の巻数に対する検出感度の変化率を示すグラフである。なお、同グラフ中の記号は、以下の磁束補強材RMの種類を示すこととする。
【0049】
すなわち、グラフ中のAは、アモルファス2705Mを磁束補強材RMとして用いた場合の特性を示し、グラフ中のBは、NKスーパーEコア05EX2500を磁束補強材RMとして用いた場合の特性を示し、グラフ中のCは、鉄を磁束補強材RMとして用いた場合の特性を示す。A及びBの示す材料は、双方とも高透磁率且つ高抵抗率である。
【0050】
アモルファス2705Mは、日本非晶質金属(株)製の合金であり、Fe、Co及びNiを主成分とし、Mo、B及びSiを含む磁性体からなり、直流透磁率30000、抵抗率136μΩcmを有し、本例の場合は厚さ20μm、幅15mmの帯状体である。本例では、巻数は2とした。
【0051】
NKスーパーEコア05EX2500は、日本鋼管(株)製の合金であり、Siが6.5%添加された無方向性電磁鋼板であり、直流透磁率16000、抵抗率82μΩcmを有し、本例の場合は厚さ50μm、幅15mmの帯状体である。
【0052】
本例の鉄は、直流透磁率7000、抵抗率10μΩcmを有し、本例の場合は厚さ20μm、幅15mmの帯状体である。
【0053】
上述のグラフによれば、磁束補強材RMとして、高透磁率且つ高抵抗率の材料を用いた場合に、感度変化率が小さいことが判明した。すなわち、磁束補強材RMとして、好適な直流透磁率は7000よりも大きく、抵抗率は10μΩcmよりも大きいことが好ましく、更に好適には、直流透磁率は16000以上であり、抵抗率は82μΩcm以上であることが好ましい。
【0054】
磁束補強材RMとしては、単なる鉄は検出感度が低下してしまうため用いることができない。また、電磁鋼板は巻き数を2巻き以上にすれば、検出感度を向上して外部導電体Cによる出力低下分を補うことができる。
【0055】
以上の実験結果は以下の理由によるものである。
【0056】
まず、検出コイルLの外側の磁束は透磁率μが約1の空気中を通るが、外側の磁気抵抗について考える。磁気抵抗RuはKa÷透磁率で表される。Kaは磁束が通る所の断面積や長さで決まる定数である。したがって、透磁率が大きくなればなるほど、磁気抵抗は小さくなる。
【0057】
一方、磁束φ=起磁力÷磁気抵抗である。起磁力はコイルの巻き数N×電流Iであり、一定であるため磁気抵抗が小さくなれば、磁束φは大きくなる。しかしながら、磁束が大きくなっても、この材料が低抵抗率である場合には渦電流損が大きくなり、実質感度が低下してしまうため、高抵抗率が必要となる。以上のことから、上述の高透磁率及び高抵抗を有する材料、すなわち磁束補強材を用いれば、検出感度の低下を抑制することができる。
【0058】
以上の理由から、図1に示した変位センサにおいては、磁束補強材RMとして、厚さ20μmのアモルファス材箔を2巻きにしており、これをポッティング材を用いてコイルLに接着することとした。また、磁束遮蔽材SDは金属の導電体であり、外部からも電気ノイズを遮断するために、磁性体かつ導電体である鉄を使用している。
【0059】
なお、直流透磁率(初透磁率)は、交流に対しては周波数特性を有しており、周波数が高くなるほど、透磁率は低下する。例えば、珪素鋼板であるGT230(新日本製鉄株式会社製のSi含有量3%の帯鋼板)を用いた場合においても、周波数が200kHzを超えると、透磁率は100以下となってしまう。
【0060】
コイルLの有効磁力線の到達距離が10kHzにおいて約10mmの場合、100kHzの高周波になると約1mmになり、500kHzの場合には1/5mmとなる。したがって、高周波になればなるほど、磁束補強材RM内を磁束が通りにくくなる。したがって、磁束補強材RMをコイルLに密着させた方が、有効に磁束を集めることができる。
【0061】
図1に示した変位センサにおいて、下部容器H1の内面に密着させて磁束補強材RMを配置した場合、コイルLから磁束補強材RMが離れる傾向があるため、出力が低下するが、磁束補強材RMをコイルLに密着させて巻いた場合には、コイルLと磁束補強材RMが近接する傾向があるため、出力低下を抑制することができる。この場合の密着度、すなわち、コイルLと磁束補強材RMの間隔は100μm以下に設定することが好ましく、この場合には出力が10%ほど大きくなった。なお、本例の場合のアモルファス磁束補強材RMの幅は15mmであり、厚さ40μmのものを二重巻きにして使用した。コイルLの内径は6mm、下部容器H1の外径は12mm、コイルLの長さは15mmとした。
【0062】
なお、センサ内部を機械的に保護するケースを用いる場合には、保護ケースと磁束遮蔽材を兼用することができる。
【0063】
また、上述の変位センサの原理は、単一コイル式のものに有効であるが、差動トランス式のものにも適用することができる。
【0064】
特開平9−210610号公報はかかる変位センサを開示している。渦電流方式の変位センサの場合、コアがコイルから遠ざかると、相互インダクタンスMは増加し、近づくと減少する。相互インダクタンスの増分をΔMとし、2つのコイルの出力V1,V2について考えると、V2の出力は(M+ΔM)Iであり、V1は−ΔMである。したがって、最終的な出力Voは、この従来技術の場合には、V2−V1となる。
【0065】
この従来技術の変位センサの1次コイルに電磁ノイズが重畳すると、1次コイル印加電圧が変化するため、出力電圧が変化する。つまり、電磁気ノイズの影響を受ける。外部導電体に近づくとインピダンスが変化するため出力電圧が変化する。従来技術においては、電気ノイズについては確かに二次コイルの差動をとることにより相殺され、影響は小さいと説明されている。
【0066】
このような従来技術に、磁束補強材と磁束遮蔽材を適用した場合においても、外部導電体による出力変動や低下が抑制され、検出出力の低下は磁束補強材によって補うことができる。
【0067】
以上の説明から、差動トランス式の変位センサにおいても、コイルを磁束補強材で被覆し、磁束補強材を更に磁束遮蔽材で囲むことにより、外部からの電磁気ノイズを防止することができ、外部導電体の影響を無くすことができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の変位センサによれば、精密な検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変位センサの縦断面図である。
【図2】変位センサに接続される変位センサ用外部回路のブロック図である。
【図3】コイルLの等価回路を示す回路図である。
【図4】コイルLと周囲に位置する筒状導体Cとの関係を説明するための図である。
【図5】各種磁束補強材RMの箔の巻数に対する検出感度の変化率を示すグラフである。
【符号の説明】
AB…導電棒、BB…コイルボビン、C…外部導電体、CC…定電流回路、DIF…電圧検出回路、H1…下部容器、H2…上部容器、L…コイル、LPF1…平滑回路、LW…リード線、OP…開口、OSC…発振回路、R…電流検出用抵抗、RB…ゴムブッシュ、REC1…整流回路、RM…磁束補強材、SC…螺子、SD…磁束遮蔽材、T1,T2…入力端子。

Claims (2)

  1. コイル内部において変位可能に配置された導電棒の変位を前記コイル両端間電圧に基づいて検出する変位センサにおいて、前記コイルを囲む高透磁率且つ高抵抗の磁束補強材と、前記磁束補強材を囲む磁束遮蔽材とを備えることを特徴とする変位センサ。
  2. 前記コイルの数は1個であることを特徴とする請求項1に記載の変位センサ。
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