JP2008088413A - 硬質発泡合成樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオール組成物とポリイソシアネート化合物とを発泡剤、整泡剤、触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、前記発泡剤として水および二酸化炭素を用い、前記ポリオール組成物が、下記ポリオール(A)を50質%以上含有するポリオール組成物を用いる。ポリオール(A)とは平均官能基数が2〜5、水酸基価が300〜760mgKOH/g、芳香環を有しておらず、かつポリオール(A)を構成するオキシアルキレン基中、炭素数が3以上のオキシアルキレン基の含有量が90質量%以上のポリオキシアルキレンポリオールである。
【選択図】なし
Description
しかし、HFC化合物は地球温暖化係数が高いため、その使用量を削減することが望ましく、使用量の削減のために、発泡剤として水を使用する技術が検討されてきた。水はポリイソシアネート化合物と反応することによって炭酸ガスを生成するため単独で使用する場合もある。さらに、水と空気、窒素、炭酸ガス等の不活性ガスを併用することも行われている。不活性ガスを超臨界状態に近づけると、不活性ガスの溶解性が向上し、発泡の場が低粘度になり、微細なセル構造のフォームが得られることが知られており、不活性ガスを用いる場合、炭酸ガス等を液化状態、超臨界、亜臨界状態のいずれかの状態で用いることが行われている(特許文献1〜5参照)。
また特許文献2には、超臨界流体または亜臨界流体の使用は、気体に類似した高拡散係数により物質の溶解性を高め、物性向上に有効な多官能、高分子化合物の選択性向上が図られると同時に、各種化合物に対して不活性であることが記載されている。また物質の溶解性が高まることにより、スプレー原液およびスプレー混合液の粘度が低下するため、これら2液の混合性が向上し、優れたフォーム特性、かつ良好なスプレーパターンによる施工性の向上に寄与することが記載されている。
特許文献4には、超臨界状態、亜臨界状態または液体状態の二酸化炭素の使用は、これらの冷却効果により、ポリウレタンフォーム中のセル核が安定に形成されると同時に、揮発性発泡剤の多くがフォームセル中に残存し、躯体に発泡されたフォームセルサイズの微細化、フォームの平滑性、気泡の安定性に役立つことが記載されている。またセルサイズが微細であることにより、より強靭で軽量のポリウレタンフォームが得られることが記載されている。
なお、マイクロセルラープラスチックの発泡成形方法としても、高温かつ高圧に保持された不活性ガスを減圧することで、内部エネルギー(ギブズの自由エネルギー)の急激な変化が起こり、相分離が発生し、結果として多くの気泡を生じることとなり、良好な発泡特性を示すことが知られている。
特に水だけで発泡させると、水がポリイソシアネート化合物と反応する際に生成する尿素結合による影響から、基材等との接着性が低下する欠点がある。
ポリオール(A):平均官能基数が2〜5、水酸基価が300〜760mgKOH/g、芳香環を有しておらず、かつポリオール(A)を構成するオキシアルキレン基中、炭素数が3以上であるオキシアルキレン基の含有量が90質量%以上であるポリオキシアルキレンポリオール。
[2] 前記ポリオール組成物100質量部に対して、式1で示される含フッ素化合物を0.1〜30質量部加えて反応させる[1]に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
Rf−O−(Z−O)n−R・・・式1
(式1中、Rfは炭素数2〜27の含フッ素有機基、nは1〜100の整数である。Zは結合手間直鎖部分の炭素数2〜4のアルキレン基であって、nが2〜100である場合の式中のZは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Rは水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基、または炭素数が1〜18のアシル基である。)
[3] 発泡剤の水を、ポリオール組成物100質量部に対して2〜10質量部使用する[1]または[2]に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
以下これらの各成分の詳細について説明する。
本発明のポリオール組成物はポリオール(A)を含有する。さらにポリオール(A)以外の任意のポリオール(B)を含んでもよい。
ポリオール(A)は、平均官能基数が2〜5、水酸基価が300〜760mgKOH/g、芳香環を有しておらず、かつポリオール(A)を構成するオキシアルキレン基中、炭素数が3以上のオキシアルキレン基の含有量が90質量%以上であるポリオキシアルキレンポリオールである。
ポリオール(A)としては、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ただし、ポリオキシアルキレンポリオールとは、ポリオール製造触媒の存在下、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールである。
また、芳香環とは、芳香族性を持つ炭素を骨格とする環であり、具体的にはベンゼン環が挙げられる。
アミン化合物開始剤のうち、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンまたはエチレンジアミンが特に好ましい。
また、多価アルコール開始剤では、グリセリン、ペンタエリストールが好ましく、グリセリンが最も好ましい。
また、前記アミン化合物または多価アルコール等と、平均官能基数6〜8の糖類、たとえばソルビトールや砂糖とを混合し、平均官能基数を2〜5とした開始剤を用いてもよい。
すなわち、ポリオール(A)の製造に用いるアルキレンオキシドは、プロピレンオキシド単独あるいはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が好ましい。プロピレンオキシドとエチレンオキシドは、混合してから反応させてもよく、順次反応させてもよいが、ポリオール(A)においては、プロピレンオキシドを反応させた後にエチレンオキシドを反応させることが好ましい。
硬質発泡合成樹脂の物性を向上させる目的で、ポリオール(A)以外のポリオール(B)を任意の成分として併用してもよい。ポリオール(B)としては、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、多価アルコール類および多価フェノール類が挙げられる。このうちポリエーテルポリオール類およびポリエステルポリオール類が好ましく、ポリエーテルポリオール類が特に好ましい。得られる硬質発泡合成樹脂の断熱性の点からポリエーテルポリオール類のうち芳香族アミン系ポリエーテルポリオールが特に好ましい。ポリオール(B)の官能基数は2〜6、水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜500mgKOH/gがより好ましい。
硬質発泡合成樹脂の製造の際には、上述したポリオール組成物に、下式1で示される含フッ素化合物を加えて反応させるのが好ましい。
Rf−O−(Z−O)n−R・・・式1
Rfは炭素数2〜27の含フッ素有機基である。含フッ素有機基としては、炭素数2〜27のポリフルオロアルキル基または該ポリフルオロアルキル基の炭素−炭素結合間に酸素原子または窒素原子を含む基(以下、これらの基をRf0と記す。)が好ましい。Rf0基としては炭素数2〜27のポリフルオロアルキル基が特に好ましい。
Zとしては、エチレン基、プロピレン基、1,2−ブチレン基、2,3−ブチレン基、テトラメチレン基、−CH(C6H5)CH2−、−CH(CH2OR1)CH2−等が挙げられる。ただし、R1は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R1としてはメチル基、ブチル基、または2−エチルヘキシル基が好ましい。Zは炭素数2〜4のアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、またはテトラメチレン基が特に好ましい。式1中のnが2〜100である場合、Zはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。異なっている場合には、Zが2種または3種であるのが好ましく、特に2種であるのが好ましい。含フッ素化合物中のZは1種または2種存在するのが好ましく、特にエチレン基とプロピレン基の2種が存在することが好ましい。
ただし、式1a中の記号は、以下の意味を示し、(CH2CH2O)と[CH2CH(CH3)O]の連なり方は順序を問わず、ブロックであってもよく、ランダムであってもよいが、ブロックであるのが好ましい。
Rf:式1における意味と同じ意味である。
k、m:それぞれ独立に、1〜99であり、k+mは2〜100である。
C8F17C2H4O(C3H6O)10H、C8F17C2H4O(C3H6O)4・(C2H4O)8H、C8F17C2H4O(C2H4O)13H、C8F17C2H4O(C4H8O)3・(C2H4O)10H、C8F17C3H6O(C3H6O)10H、C8F17C3H6O(C3H6O)4・(C2H4O)8H、C8F17C3H6O(C2H4O)13H、C8F17C3H6O(C4H8O)3・(C2H4O)10H、C8F17C4H8O(C3H6O)10H、C8F17C4H8O(C3H6O)4・(C2H4O)8H、C8F17C4H8O(C2H4O)13H、C8F17C4H8O(C4H8O)3・(C2H4O)10H、C8F17C4H8O[CH(C6H5)CH2O]2・[CH(CH2OCH3)CH2O]4H、C8F17C4H8O(C3H6O)4・(C2H4O)8CH3、C8F17C4H8O(C3H6O)4・(C2H4O)8COC18H37。
Rf−OH・・・式2
(式2中、Rfは、式1における意味と同じである。)
式2のRf中のRfB基がRFB基であり、C部分の炭素数が3である場合の含フッ素ヒドロキシ化合物[RFB(CH2)3OH]の合成方法としては、上記RFBIにアリルアルコールを付加してRFBCH2CHICH2OHとしたのち、ヨウ素原子を還元剤で水素原子に置換する方法が挙げられる。
式2のRf中のRfB基がRFB基であり、C部分の炭素数が4ある場合の含フッ素ヒドロキシ化合物[RFB(CH2)4OH]の合成方法としては、上記RFBIに3−ブテン−1−オールを付加して[RFBCH2CHI(CH2)2OH]としたのち、ヨウ素原子を還元剤で水素原子に置換して得る方法が挙げられる。
また、C部分の炭素数が4である場合の含フッ素ヒドロキシ化合物[RFB(CH2)4OH]の異性体である、RfBCH2CH2CH2(OH)CH3の合成方法としては、上記RFBCH=CH2を、多量のエタノール溶媒中で所定のラジカル開始剤を加えて加熱しながら撹拌し、ラジカル付加反応にてエタノールを付加して得る方法などが挙げられる。
C部分の炭素数が5である場合の含フッ素ヒドロキシ化合物[RFB(CH2)5OH]の合成方法としては、上記RFBIに4−ペンテン−1−オールを付加して[RFBCH2CHI(CH2)3OH]としたのち、ヨウ素原子を還元剤で水素に置換する方法などが挙げられる。
環状エーテルの開環付加反応の反応温度は、−20〜180℃が好ましく、特に0〜130℃が好ましい。希釈溶媒を用いる場合で、該希釈溶媒が低沸点の希釈溶媒である場合には、内部の圧力の上昇を考慮して、(溶媒の沸点+20℃)よりも低い温度で反応させるのが好ましい。
上述した各成分の具体的な組成範囲としては以下のとおりである。
ポリオール(A)の使用量はポリオール組成物全量に対して50質量%以上である。さらには60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。ポリオール(A)の使用量がポリオール組成物全量に対して50質量%以上であると、前記発泡剤のポリオール組成物に対する溶解性が良好となり、発泡性を維持し、断熱性良好な硬質発泡合成樹脂が得られる。
さらに、前記式1の含フッ素化合物を加える場合、ポリオール組成物100質量部に対する式1の含フッ素化合物の添加量は、0.1〜30質量部が好ましく、0.1〜25質量部がより好ましく、0.1〜20質量部がさらに好ましい。
また、ポリオール組成物全体の平均水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gがより好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、通常硬質発泡合成樹脂の製造に用いられるポリイソシアネートであればよく特に制限はなく、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系および脂肪族系等のポリイソシアネート、それら2種類以上の混合物ならびにそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネート、それらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。該うち、MDI変性体、クルードMDI変性体、またはそれらの1種を主成分とする芳香族系ポリイソシアネートの混合物が好ましい。
また触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方においては、ポリイソシアネート化合物の使用量はイソシアネートインデックスで、150〜300が好ましく、180〜250がより好ましい。本発明においては硬質発泡合成樹脂と基材や面材との接着性等の観点からウレタン処方を採用することが好ましく、前記イソシアネートインデックスは80〜150が好ましい。
発泡剤としては水および二酸化炭素を用いる。水はポリイソシアネート化合物と反応して炭酸ガスを発生する。二酸化炭素は超臨界状態、亜臨界状態または液体状態で用いることが好ましい。
ここで、本発明において、「亜臨界状態の二酸化炭素」とは、圧力が二酸化炭素の臨界圧以上でありかつ温度が臨界温度未満である液体状態の二酸化炭素、圧力が二酸化炭素の臨界圧未満でありかつ温度が臨界温度以上である液体状態の二酸化炭素、または、温度および圧力が共に臨界点未満であるがこれに近い状態、具体的には、温度が20℃以上でありかつ圧力が5MPa以上の二酸化炭素を示す。また、「液体状態の二酸化炭素」とは上記亜臨界状態以外の液体状態の二酸化炭素を示す。
発泡剤としての水は、ポリオール組成物100質量部に対して、2〜10質量部が好ましく、2〜7質量部がより好ましい。水の使用量が2質量部以上であると、密度の低い硬質発泡合成樹脂が得られる。また、使用量が10質量部以下であると、水とポリオール組成物との相溶性が良くなる。さらに超臨界状態、亜臨界状態または液体状態の二酸化炭素の使用量は、ポリオール組成物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
発泡剤として水および二酸化炭素を用い、さらに本発明における特定のポリオール組成物を用いると発泡効果が発現し、密度の低い硬質発泡合成樹脂が得られる。
本発明においては良好な気泡を形成するため整泡剤を用いる。整泡剤としてはたとえば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。整泡剤の使用量は、適宜選定する必要があるが、ポリオール組成物100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。
本発明の触媒としては、ウレタン化反応を促進する触媒であれば特に制限はない。ウレタン化触媒としては、樹脂化触媒、泡化触媒が挙げられ、たとえば、アミン系触媒、金属化合物触媒が挙げられる。アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。また、金属化合物触媒としてはジブチルスズジラウレート等が挙げられる。さらにイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用してもよく、その場合は酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が用いられる。また硬質発泡合成樹脂の製造方法としてスプレー発泡を採用する場合には、反応を短時間で完結させるために、2−エチルヘキサン酸鉛等の有機金属触媒を併用することが好ましい。
本発明においては、必要に応じて任意の配合剤を用いてもよい。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
本発明は、ポリオール組成物、またはこれに含フッ素化合物を加えたものと、ポリイソシアネート化合物とを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させる硬質発泡合成樹脂の製造方法である。製造の際は予め、これらの原料の中で、ポリイソシアネート化合物以外の一部または全部とポリオール組成物との混合物(以下、ポリオールシステム液という。)にしておくことが好ましい。特に発泡剤は、ポリオールシステム液に予め配合しておいてもよく、ポリオールシステム液にポリイソシアネート化合物を混合した後に配合してもよいが、ポリオールシステム液に予め配合しておくことが好ましい。また、発泡剤としての水および二酸化炭素は、ポリオールシステム液あるいは、ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物との混合物に、同時に加えてもよく、別々のタイミングで加えてもよいが、同時に加えることが好ましい。
本発明における硬質発泡合成樹脂の形成方法は、高圧発泡装置、低圧発泡装置、スプレー装置などのいずれでも使用できる。高圧発泡装置、低圧発泡装置を用いる場合では、発泡剤をポリオールシステム液に配合して、種々の金型内に注入後、発泡硬化させて、硬質発泡合成樹脂を製造する。
スプレー装置による形成方法としては、大きく分けてエアスプレー法とエアレススプレー法がある。ここでスプレー法とは、発泡剤を含むポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物とを吹き付けながら反応させる発泡方法である。このうち特に配合液をミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー法が好ましい。
本発明の製造方法により得られる硬質発泡合成樹脂は、ポリオール組成物等に対する、水および二酸化炭素からなる発泡剤の溶解性が向上される結果、硬質発泡合成樹脂の密度を低減でき、かつ均一で微細なセルが形成され、断熱性に優れた硬質発泡合成樹脂が得られる。
また、表1〜3中の略称は以下のものを示す。ただし、以下の説明において、エチレンオキシドはEOと、プロピレンオキシドはPOと、オキシエチレン基含有量はEO基含有量と、オキシプロピレン基はPO基とそれぞれ省略して示す。
(ポリオールA)
ポリオールA1:モノエタノールアミンを開始剤としてPOのみを付加させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール、官能基数3。
ポリオールB1:トリレンジアミンを開始剤としてEO、PO、EOをこの順で付加させて得られた、水酸基価が350mgKOH/g、EO基とPO基の総量に対してEO基含有量が33質量%、PO基含有量が67質量%のポリエーテルポリオール、官能基数4。
含フッ素化合物:炭素数12の含フッ素ヒドロキシ化合物C8F17CH2CH2CH(CH3)OHに複合金属シアン化物錯体触媒(亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライム錯体触媒)を用いて、POおよびEOの質量比30対70の混合物を開環付加重合させ平均分子量800とし、PO基とEO基がランダム状に連なった構造のもの。(前記式1において、n=約6.5の化合物に相当する。また、前記式1aにおいて、k=1.6(平均)、m=4.9(平均)の化合物に相当する。)
表1に示す組成にて、例1〜11に相当する各試料を調整した。
試料の7gを、温度80℃に保温し、14mLの耐圧ガラス窓を持つ可視化可能な容器に充填し、密閉した。その後、容器のガス供給ラインからポンプにて液化二酸化炭素を添加し、18MPaまで昇圧を行い、二酸化炭素が超臨界状態に達した状態での、試料に対する二酸化炭素の溶解状態を観察した。
なお、前記容器内部にはマグネットスターラーが装備してあり、適当な撹拌を継続しながら観察を行った。
液化二酸化炭素を前記容器に充填する前の試料(ポリオール組成物等)の界面は、耐圧ガラス窓のほぼ中央に位置する。液化二酸化炭素を充填した後、容器内の圧力を上げていくと、二酸化炭素は超臨界状態に達するが、試料と超臨界状態の二酸化炭素が良好な溶解性を示せば、両者間に界面は発生しない。溶解性が乏しい場合は界面上昇が少なく、ほぼ中央付近に界面が存在する。また、溶解性が良好であるほど、その界面は上部に推移する。界面の発生位置を以下のように分類し、溶解性指数とした。
溶解性指数5:界面が容器の中央に存在し、溶解性が乏しい状態
溶解性指数6:界面が容器の下部から6割程度高さの位置に存在し、溶解性がやや乏しい状態
溶解性指数7:界面が容器の下部から7割程度高さの位置に存在し、溶解性がやや良好な状態
溶解性指数8:界面が容器の下部から8割程度高さの位置に存在し、溶解性が良好な状態
溶解性指数9:界面が容器の下部から9割程度高さの位置に存在し、溶解性が溶解性指数8より良好な状態
溶解性指数10:界面が容器内に存在せず、溶解性が特に良好な状態
(硬質ウレタンフォームの製造例1)
表2に示す配合のポリオールを用いて、合計が100質量部となるポリオール組成物に、含フッ素化合物を表2に示す配合量(質量部)加え、さらに触媒としてN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン(商品名:TOYOCAT−MR、東ソー社製)を表2に示す配合量(質量部)、整泡剤としてシリコーン整泡剤(商品名:SZ−1677、日本ユニカー社製)を3質量部、難燃剤としてトリス(2−クロロプロピル)ホスフェート(商品名:TMCPP、大八化学社製)を10質量部、および、発泡剤として水を4質量部調合し、ポリオールシステム液とした。
前記製造例1に示したポリオールシステム液を、予め用意した耐圧ボンベ内に仕込み、50℃になるように調整した。別途用意した耐圧ボンベ内に、イソシアネート化合物を仕込み、20℃になるように調整した。さらに発泡剤として、50℃、12MPaに保持した超臨界状態の二酸化炭素を、ポリオールシステム液が仕込まれた低圧ボンベの出口側で加えながら、ポリオールシステム液とイソシアネート化合物とを同時に吐出させることで衝突混合させた混合液を、縦200mm×横200mm×高さ200mmの、上部開放の木製の箱内に投入し、硬質ポリウレタンフォームを製造した。ポリオールシステム液とイソシアネート化合物の吐出には、窒素背圧を使用した。発泡剤としての超臨界状態の二酸化炭素の添加量は前記ポリオールシステム液全質量部に対し5質量部とした。
また、コア密度と熱伝導率が小さくなっていることから、超臨界状態の二酸化炭素が発泡効果を発現し、断熱性の向上と低密度化に寄与していることが確認できた。
また、コア密度と熱伝導率にもほとんど変化がなかったことから、超臨界状態の二酸化炭素は発泡効果を発現していないことが確認できた。これは、超臨界状態の二酸化炭素がポリオールシステム液に充分に溶解していないことによると考えられる。
Claims (3)
- ポリオール組成物とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤と整泡剤と触媒との存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、発泡剤として水および二酸化炭素を用い、前記ポリオール組成物が、下記ポリオール(A)を50質量%以上含有することを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(A):平均官能基数が2〜5、水酸基価が300〜760mgKOH/g、芳香環を有しておらず、かつポリオール(A)を構成するオキシアルキレン基中、炭素数が3以上のオキシアルキレン基の含有量が90質量%以上であるポリオキシアルキレンポリオール。 - 前記ポリオール組成物100質量部に対して、式1で示される含フッ素化合物を0.1〜30質量部加えて反応させる請求項1に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
Rf−O−(Z−O)n−R・・・式1
(式1中、Rfは炭素数2〜27の含フッ素有機基、nは1〜100の整数である。Zは結合手間直鎖部分の炭素数が2〜4のアルキレン基であって、nが2〜100である場合の式中のZは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Rは水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基、または炭素数が1〜18のアシル基である。) - 発泡剤の水を、ポリオール組成物100質量部に対して2〜10質量部使用する請求項1または2に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
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