JP2008088251A - 硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて高感度で硬化し、保存安定性も良好な硬化性組成物と、未露光部の現像残渣が少なく、露光部の基板との密着性に優れ、所望の断面形状の着色パターンを備えたカラーフィルタ及び該カラーフィルタの生産性に優れた製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物と光重合開始剤とを含有する硬化性組成物である。前記硬化性組成物は、さらに着色剤を含有することことが好ましい。〔一般式(I)中、Rはn価の有機基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R及びRは各々独立に、水素原子またはメチル基を表す。Xは−O−、−NH−、−NR−、または−S−を表し、Rは水素原子または一価の有機基を表す。nは1〜12の整数を表す。〕
Figure 2008088251

【選択図】なし

Description

本発明は、3次元光造形やホログラフィー、カラーフィルタやフォトレジスト、平版印刷版材およびカラープルーフといった画像形成材料やインクや塗料、接着剤やコーティング剤、歯科材料などの光硬化材料用途に利用できる硬化性組成物、その硬化性組成物を用いたカラーフィルタ、及びその製造方法に関する。
従来から、多官能アクリレート化合物を含有する硬化性組成物は紫外線等の活性エネルギー線照射によりごく短時間での硬化が可能であり生産性に優れるため、3次元光造形やホログラフィー、カラーフィルタやフォトレジスト、平版印刷版材およびカラープルーフといった画像形成材料やインク、塗料、接着剤、コーティング剤、歯科材料などとして幅広く用いられている。
このような多官能アクリレート化合物としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後アクリレート化したものや、ウレタン基含有アクリレート類(例えば、特許文献1〜4参照)、ポリエステルアクリレート類(例えば、特許文献5〜7参照)、エポキシ樹脂とアクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートおよびこれらの混合物をあげることができる。
更には、光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。
近年では、上記の用途において硬化性組成物に対する要求が更に高まっており、より低いエネルギーで硬化するもの、より早く硬化するもの、より精細な画像を形成するものが求められている。中でも、カラーフィルタやインク、塗料用の硬化性組成物は紫外線等の活性エネルギー線を吸収する色素を含有するため、表面は硬化するが、内部は十分に硬化しないという問題点があった。
固体撮像素子(CCD、CMOS等)用カラーフィルタ用途においては、パターンの更なる高精細化が望まれているうえ、1.2μm以下の膜厚が要求されるため、硬化性組成物中に多量の色素を添加しなければならず、多官能アクリレートの割合が低下する傾向にある。また、液晶ディスプレイ(LCD)用カラーフィルタ用途においては、大型TV生産のため基板サイズが拡大しており、大型基板を用いた場合の生産性向上のため、低エネルギーでの硬化が望まれている。また、コントラスト向上のための顔料微細化に伴って組成物中の顔料分散剤の割合が増加し、多官能アクリレートの割合が低下する傾向にある。このような要因により、固体撮像素子用とLCD用共に、感度が低く十分な硬化が得られない、基板との密着性が不十分である、露光部でも色抜けが生じる、所望のパターン形成が著しく困難であるなどといった問題も生じていた。
特開平5−170705号公報 特開平11−193325号公報 特開平2000−239332号公報 特開平2005−104842号公報 特開昭48−64183号公報 特公昭49−43191号公報 特公昭52−30490号公報 日本接着協会誌Vol.20、No.7、p.300〜308
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、極めて高感度で硬化し、かつ、保存安定性も良好である硬化性組成物を提供すること、さらに、活性エネルギー線を吸収する着色剤を含有する硬化系においても高い感度を示し、未露光部の現像残渣が少なく、露光部の基板との密着性に優れ、所望の断面形状の着色パターンを備えたカラーフィルタ及び該カラーフィルタの生産性に優れた製造方法を提供することを目的とし、これらの目的を達成することを課題とする。
本発明者らは、特定の多官能アクリレート化合物を含有する硬化性組成物が良好な感度を有し、また、着色剤を含有する硬化系においても十分な硬化性を与えるという知見を得た。前記課題を解決するための具体的手段を以下に示す。
<1> 下記一般式(I)で表される化合物と光重合開始剤とを含有する硬化性組成物である。
Figure 2008088251
〔一般式(I)中、Rはn価の有機基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R及びRは各々独立に、水素原子またはメチル基を表す。Xは−O−、−NH−、−NR−、または−S−を表し、Rは水素原子または一価の有機基を表す。nは1〜12の整数を表す。〕
<2> 下記一般式(II)で表される化合物と光重合開始剤とを含有する硬化性組成物である。
Figure 2008088251
〔一般式(II)中、Rはn価の有機基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R及びRは各々独立に、水素原子またはメチル基を表す。nは1〜12の整数を表す。〕
<3> 前記一般式(I)または(II)中、nが2〜9の整数である化合物を含有する前記<1>または<2>に記載の硬化性組成物である。
<4> 前記一般式(I)または(II)中、nが2〜12の整数であり、n価のRが置換基として(メタ)アクリレート基を有することを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<5> 前記一般式(I)または(II)中、Rが、構造中にヘテロ原子、芳香環、またはヘテロ環のいずれか1種以上を有していてもよい脂肪族残基、芳香族残基、またはヘテロ環残基である前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<6> 前記一般式(I)または(II)で表される化合物が、分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基を有する化合物と、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートとのウレタン化反応により得られる<1>〜<5>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<7> 前記光重合開始剤が、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物、からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<8> 前記光重合開始剤が、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<9> 前記硬化性組成物が、さらに増感剤を含むことを特徴とする上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<10> 前記硬化性組成物が、さらに、着色剤を含有することを特徴とする上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<11> 前記硬化性組成物が、さらにアルカリ可溶性樹脂を含むことを特徴とする上記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<12> 前記アルカリ可溶性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂であることを特徴とする上記<11>に記載の硬化性組成物である。
<13> 前記着色剤が有機または無機の顔料であることを特徴とする上記<10>に記載の硬化性組成物である。
<14> 前記着色剤が、一次粒経80nm以下の顔料であることを特徴とする上記<13>に記載の硬化性組成物である。
<15> 前記着色剤が染料であることを特徴とする上記<10>に記載の硬化性組成物である。
<16> 前記着色剤がトリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系から選ばれる色素であることを特徴とする上記<10>または<13>〜<15>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<17> 前記硬化性組成物が、前記着色剤として以下の一般式(III)〜(V)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする上記<10>または<13>〜<16>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
Figure 2008088251
〔一般式(III)中、Aは、アリール基あるいは5〜6員の方向族ヘテロ環ジアゾ成分A−NHの残基を表す。BおよびBは、各々独立に、−CR=、−CR=、または窒素原子を表し、BおよびBが同時に窒素原子を表すことはない。RおよびRは、各々独立に、水素原子または置換基を表す。G、R、およびRは、各々独立に、水素原子または置換基を表す。RとR、及び/又は、RとRは互いに結合して5員または6員環を形成してもよい。〕
Figure 2008088251
〔一般式(IV)中、Ra1、Ra3およびRa4は各々独立に、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。また、Ra3及びRa4はこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよい。Ra2は炭素数1〜10のアルキル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基を表す。〕。
Figure 2008088251
〔一般式(V)中、Rb1は水素原子又は置換基を表し、Rb2〜Rb5は各々独立に水素原子又は置換基を表し、Rb6及びRb7は、各々独立にアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Za及びZbは各々独立に−N=、又は−C(Rb8)=を表す。Rb8は水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Rb2とRb3、Rb3とRb6、Rb4とRb5、Rb5とRb7及び/又はRb6とRb7とが互いに結合して、各々独立に5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。〕
<18> 前記硬化性組成物の固形分中の着色剤の質量比が20質量%以上であることを特徴とする上記<10>または<13>〜<17>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<19> 前記硬化性組成物の固形分中の着色剤の質量比が30質量%以上であることを特徴とする上記<10>または<13>〜<17>のいずれか1つに記載の硬化性組成物である。
<20> 支持体上に上記<1>〜<19>のいずれか1つに記載の硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルタである。
<21> カラーフィルタが膜厚2.0μm以下であることを特徴とする<20>に記載のカラーフィルタである。
<22> カラーフィルタが膜厚1.0μm以下であることを特徴とする<20>に記載のカラーフィルタである。
<23> カラーフィルタが膜厚0.7μm以下であることを特徴とする<20>に記載のカラーフィルタである。
<24> 支持体上に、上記<1>〜<19>のいずれか1つに記載の硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する着色層形成工程と、前記着色硬化性組成物層をマスクを通してパターン露光する露光工程と、露光後の前記着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する現像工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
この製造方法は、必要により上記パターンを加熱および/または露光によって硬化する工程を含んでいてもよいし、これらの工程を複数回繰り返すものであってもよい。
また色素を変更して、複数種類の色からなる着色パターンを有するカラーフィルターを形成してもよい。
本発明によれば、極めて高感度で硬化し、かつ、保存安定性も良好である硬化性組成物を提供することができる。さらに、本発明によれば、活性エネルギー線を吸収する色素を含有する硬化系においても高い感度を示し、未露光部の現像残渣が少なく、露光部の基板との密着性に優れ、所望の断面形状の着色パターンを備えたカラーフィルタ及び該カラーフィルタの生産性に優れた製造方法を提供することができる。
本発明の硬化性組成物は、一般式(I)で表される化合物(以下、「本発明に係る特定化合物」または単に「特定化合物」と称することがある)と光重合開始剤とを含有するほか、必要に応じて、増感剤、着色剤、塗布溶剤、アルカリ可溶性樹脂などの他の成分を含有することができる。
以下、一般式(I)で表される化合物を「本発明に係る特定化合物」若しくは単に「特定化合物」と称することがある。また、着色剤を含有する硬化性組成物を「着色硬化性組成物」ということがある。
まず、本発明に係る特定化合物について詳細に説明する。
<一般式(I)で表される化合物>
本発明の硬化性組成物は、下記一般式(I)で表される化合物を含有する。
Figure 2008088251
一般式(I)中、Rはn価の有機基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R及びRは各々独立に、水素原子またはメチル基を表す。Xは−O−、−NH−、−NR−、または−S−を表し、Rは水素原子または一価の有機基を表す。nは1〜12の整数を表す。Xは−O−が好ましく、一般式(I)は下記一般式(II)で表される。
Figure 2008088251
一般式(II)中、Rはn価の有機基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R及びRは各々独立に、水素原子またはメチル基を表す。nは1〜12の整数を表す。
前記一般式(I)及び(II)のRの例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。R及びRは水素原子が好ましい。また、nは2〜9の整数であることが好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物は、例えば、分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基、一級アミノ基、二級アミノ基、または、チオール基を有する化合物と、分子内に二つのアクリレートを有するモノイソシアネートとのウレタン化反応、ウレア化反応、またはチオウレタン化反応により得られる。
Figure 2008088251
前記一般式(I)及び(II)のRは、分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基、一級アミノ基、二級アミノ基、若しくはチオール基を有する化合物の、脂肪族残基、芳香族残基、若しくはヘテロ環残基、または分子内にヘテロ原子、芳香環、若しくはヘテロ環を有する脂肪族残基を表す。
前記「脂肪族残基」とは、本発明に係る特定化合物を合成する際の原料として分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基、一級アミノ基、二級アミノ基、または、チオール基を有する脂肪族化合物を用いた場合に、この原料化合物の構造から「ウレタン結合形成反応時にイソシアネート化合物と反応するヒドロキシ基、一級アミノ基、二級アミノ基、または、チオール基」を除いた脂肪族基を表し、無置換であっても置換基を有していてもよい。(2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい)
前記「置換基」とは、置換可能な基であればよく、例えば脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、ニトロ基、(メタ)アクリレート基、カルボキシ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、ヘテロ環チオ基、脂肪族スルホンアミド基、芳香族スルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、芳香族オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族チオカルボニルアミノ基、芳香族チオカルボニルアミノ基、ヘテロ環チオカルボニルアミノ基、脂肪族アミノカルボニルアミノ基、芳香族アミノカルボニルアミノ基、ヘテロ環アミノカルボニルアミノ基、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、カルバモイルアミノ基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族オキシアミノ基、芳香族オキシアミノ基、ヘテロ環オキシアミノ基、シリル基、脂肪族オキシシリル基、シリルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、ヘテロ環オキシカルボニルオキシ基、スルファモイルオキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、芳香族スルホニルオキシ基、アニリノ基、脂肪族アゾ基、芳香族アゾ基、ヘテロ環アゾ基、脂肪族スルフィニル基、芳香族スルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、芳香族スルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、スルホ基、ホスホニル基、ホスホン酸基、またはホスフィノイルアミノ基を表わす。
中でも、好ましい置換基としては脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、チオール基、シアノ基、ニトロ基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、脂肪族スルホンアミド基、芳香族スルホンアミド基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、芳香族オキシカルボニルアミノ基、脂肪族チオカルボニルアミノ基、芳香族チオカルボニルアミノ基、脂肪族アミノカルボニルアミノ基、芳香族アミノカルボニルアミノ基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基、シリル基、脂肪族オキシシリル基、シリルオキシ基、脂肪族カルボニルオキシ基、芳香族カルボニルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、スルファモイル基、スルホ基、ホスホニル基、またはホスホン基が挙げられる。
より好ましい置換基としては、特に感度及び溶解性の観点で、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、チオール基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族チオ基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、シリル基、脂肪族オキシシリル基、脂肪族カルボニルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、スルホ基、またはホスホン基が挙げられる。
前記「脂肪族基」は、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を意味する。脂肪族基は、分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。また、無置換でもよいし置換基を有していてもよい。脂肪族基が置換基を有する場合、上記「置換基」の説明で挙げた置換基を有することができ、2個以上の置換基を有する場合は、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。脂肪族基がアルキル基である場合、直鎖であっても、分岐を有していても、また環を形成していても良く、中でも炭素数炭素数1〜21であることが好ましく、炭素数1〜16であることがより好ましく、炭素数1〜12であることが特に好ましい。
炭素数1〜21のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコサニル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、
2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖又は分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、分岐したウンデシル基、分岐したドデシル基、分岐したトリデシル基、分岐したテトラデシル基、分岐したペンタデシル基、分岐したヘキサデシル基、分岐したヘプタデシル基、分岐したオクタデシル基、直鎖又は分岐のノナデシル基、直鎖又は分岐のエイコサニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、シス−ミルタニル基、イソピノカンフェニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、キヌクリジニル基、シクロペンチルエチル基、ビシクロオクチル基、等が好適に挙げられる。
上記の中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖又は分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、分岐したウンデシル基、分岐したドデシル基、分岐したトリデシル基、分岐したテトラデシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、シス−ミルタニル基、イソピノカンフェニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、キヌクリジニル基、シクロペンチルエチル基、またはビシクロオクチル基がより好ましく、
更には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖又は分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、シクロペンチルエチル基、またはビシクロオクチル基が特に好ましい。
上記に例示されるアルキル基において、特にフッ素で置換されたアルキル基も好適であり、該フッ素置換のアルキル基として、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ノナデカフルオロノニル基、ヘプタデカフルオロデシル基、またはパーフルオロデシル基が好適であり、この中でも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基がより好ましく、更にトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、またはトリデカフルオロヘキシル基が特に好ましい。
脂肪族基がアルケニル基である場合、無置換でもよいし置換基を有していてもよく、炭素数2〜21のアルケニル基が好ましい。炭素数2〜16のアルケニル基がより好ましく、炭素数2〜10のアルケニル基がさらに好ましい。炭素数2〜21のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−エチル−1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2,6−ジメチル−5−ヘプテニル基、9−デセニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基、1,4−ジヒドロ−2−メチルフェニル基、オクテニル基、シトロネリル基、オレイル基、ゲラニル基、ファーネシル基、2−(1−シクロヘキセニル)エチル基等が好適に挙げられる。
上記の中でも、ビニル基、イソプロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−エチル−1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基、1,4−ジヒドロ−2−メチルフェニル基がより好ましく、更にはビニル基、イソプロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−エチル−1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基、1,4−ジヒドロ−2−メチルフェニル基が特に好ましい。
前記「芳香族基」は、アリール基を意味する。アリール基は、無置換でもよいし置換基を有していてもよく、炭素数6〜21であることが好ましい。中でも、炭素数6〜15のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましい。
炭素数6〜21のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、アンスラキノニル基、ピレニル基、等が好適に挙げられ、この中でも、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、またはアントラセニル基がより好ましく、更にはフェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、またはフルオレニル基が特に好ましい。
アリール基は、フェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基が特に好ましい。
前記「ヘテロ環」とは、その環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよい。ヘテロ環の炭素数は1〜32のであることが好ましく、2〜16がより好ましい。例えば、イソシアヌル環、エポキシ環、オキセタン環、フラン環、テトラヒドロフラン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、ジオキサン環、トリオキサン環、テトラヒドロチオフェン環、チオフェン環、ジチアン環、トリチアン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、トリアジン環、トリアザシクロノナン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ベンゾフラン環、ピリジン環、キノリン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、フェナントロリン環、キナゾリン環、アクリジン環、ウラシル環、ラクトン環等をあげることができる。
中でもイソシアヌル環、エポキシ環、フラン環、テトラヒドロフラン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロチオフェン環、チオフェン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ベンゾフラン環、ピリジン環、キノリン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ウラシル環、ラクトン環好ましく、特にイソシアヌル環、エポキシ環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロチオフェン環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ラクトン環が好ましい。
前記「芳香族残基」とは、特定化合物を合成する際の原料として分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基を有する芳香族化合物を用いた場合に、この原料化合物の構造から「ウレタン結合形成反応時にイソシアネート化合物と反応するヒドロキシ基」を除いた芳香族基を表し、無置換であっても置換基を有していてもよい。(2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい)
前記「ヘテロ環族残基」とは、特定化合物を合成する際の原料として分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基を有するヘテロ環族化合物を用いた場合に、この原料化合物の構造から「ウレタン結合形成反応時にイソシアネート化合物と反応するヒドロキシ環基」を除いたヘテロ環基を表し、無置換であっても置換基を有していてもよい。(2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい)
前記「分子中にヘテロ原子、芳香環、若しくはヘテロ環を有する脂肪族残基」とは、本発明に係る特定化合物を合成する際の原料として分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基を有し、更に分子構造中にヘテロ原子、芳香環、若しくはヘテロ環を有する脂肪族化合物を用いた場合に、この原料化合物の構造から「ウレタン結合形成反応時にイソシアネート化合物と反応するヒドロキシ基」を除いた残基を表し、無置換であっても置換基を有していてもよい。(2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい)。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子が好ましく、酸素原子または窒素原子がより好ましい。
前記一般式(I)において、Xが−NR−である場合のRは、水素原子、または構造中にエーテル結合、アミノ結合、チオエーテル結合、炭素数3〜10で成る炭化水素環構造、芳香環、ヘテロ環、ウレタン結合、チオウレタン結合、エステル結合、アミド結合、尿素結合、若しくはチオ尿素結合からなる群より選択される部分構造を有してよく、飽和であっても不飽和であってもよい炭素数1〜50の炭化水素残基を表す。該炭化水素残基はさらに置換基を有していてもよい。置換基を有する場合、該置換基は、前記一般式(I)及び(II)のRにおいて説明した「置換基」と同義であり、その好ましい例も同様である。
一般式(I)で示される化合物の中で、特にXが−O−である化合物の原料として用いる「分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基を有する化合物」は、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、オクタノール、デシルアルコール、ドデカノール、ネオペンチルアルコール、エチレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、4,4−イソプロピリデンジシクロヘキサノール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、シクロオクタンジオール、ノルボルナンジオール、デカリンジオール、イノシトール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、スレイトール、グリセロール、エリスリトール、アドニトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ダルシトール、リボース、キシロース、ガラクトース、グルコース、スクロース、ラクトース、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−シアヌル酸、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、フロログルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビスフェノールA、1,4−ベンゼンジメタノール、ジヒドロキシベンゾフェノン、フランジメタノール、ヒドロキシインドール、(ヒドロキシメチル)エチレンカーボネート、ジヒドロキシピリジン、ジヒドロキシピリダジン、シアヌル酸、ジヒドロキシピリミジン、
2−(メチルチオ)エタノール、エチル2−ヒドロキシエチルスルフィド、3−(メチルチオ)−1−プロパノール、4−(メチルチオ)−1−ブタノール、3−(メチルチオ)−1−ヘキサノール、2,2’−チオジエタノール、2−ヒドロキシエチルジスルフィド、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール、3,3’−チオジプロパノール、3−メチルチオ−1,2−プロパンジオール、3−エチルチオ−1,2−プロパンジオール、D−グルコースジエチルメルカプタール、1−チオ−β−D−グルコース,ナトリウム塩ジハイドレート、トランス−1,2−ジチアン−4,5−ジオール、1,5−ジチアシクロオクタン−3−オール、1,4−ジチアスピロ(4.5)デカン−8−オール、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ビス−ホモトリス、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)−メチルアミノ]プロパン、(R)−(+)−3−ピロリジノール、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−ピペラジン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、または公報特開2005−326556号記載の各種ジオール等が挙げられ、これらは無置換であっても、置換基を有していても良い。2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I)で示される化合物の中で、特にXが−NH−である化合物の原料として用いる「分子内に少なくとも一つの一級アミノ基を有する化合物」は、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数1〜32のn−アルキルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、メチルアミン、メチルアミン塩酸、メチルアミン−13C塩酸、メチルヒドラジン、エチルアミン、エチルアミン塩酸、プロピルアミン、プロピルアミン塩酸、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、1−テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、1−ヘキサデシルミアン、オクタデシルアミン、イソプロピルアミン、sec−ブチルアミン、(S)−(+)−sec−ブチルアミン、(R)−(−)−sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、tert−ブチルヒドラジン塩酸、1−メチルブチルアミン、1−エチルプロピルアミン、(S)−(−)−2−メチルブチルアミン、2−メチルブチルアミン、イソアミルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、tert−アミルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタン、1−メチルヘプチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、tert−オクチルアミン、
エチレンジアミン、エチレンジアミン二塩酸、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン二塩酸、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、DYTEK EP ジアミン、1,5−ジアミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、DYTEK A アミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、C、C、C−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、N,N−ジメチルメエレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、スペルミジン、4−(アミノメチル)−1,8−オクタンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、(アミノメチル)シクロプロパン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル−アミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、1,2−ジアミノシクロヘキサン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シクロヘキサンメチルアミン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、シクロオクチルアミン、EXO−2−アミノノルボルナン、1−アダマンタンアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)−ビス(エチルアミン)、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、
エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、4−(2−アミノエチル)モルホリン、アニリン、3−アミノチオフェノール、4,4’−エチレンジアニリン、3,3’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシジアニリン、4−アミノフェノール、4,4’−チオジアニリン、o−トリジン、5,5’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)−ジ−o−トルイジン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−アニリン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、パラローザニリンベース、2,3−ジアミノナフタレン、ビナフチル−2,2’−ジアミン、メソ−1,2−ビス(4−メトキシフェニル)−エチレンジアミン、2−[2−(アミノメチル)フェニルチオ]ベンジルアルコール、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等が挙げられ、これらは無置換であっても、置換基を有していても良い。2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I)で示される化合物の中で、特にXが−NR−である化合物の原料として用いる「分子内に少なくとも一つの二級アミノ基を有する化合物」は、特に限定されるものではないが、例えば、ジメチルアミン、1,1−ジメチルヒドラジン、N−エチルメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルプロピルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−エチルイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、N−エチルブチルアミン、N−メチル−tert−ブチルアミン、N−tert−ブチルイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、tert−アミル−tert−ブチルアミン、ジペンチルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、tert−アミル−tert−オクチルアミン、ジオクチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、N−メチルオクタデシルアミン、
N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−プロピルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、N,N−ジエチル−N’−メチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−プロピル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’−トリメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、N−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、(1S,2S)−N,N’−ビス(3,3−ジメチルブチル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、ジアリルアミン、N−アリルシクロペンチルアミン、アリルシクロヘキシルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、ジフェニルアミン、N−フェニルベンジルアミン、1,2−ジアニリノエタン等が挙げられ、これらは無置換であっても、置換基を有していても良い。2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I)で示される化合物の中で、特にXが−S−である化合物の原料として用いる「分子内に少なくとも一つのチオール基を有する化合物」は、特に限定されるものではないが、例えば、メタンチオール、エタンチオール、1−プロパンチオール、1−ブタンチオール、1−ペンタンチオール、1−ヘキサンチオール、ヘプチルメルカプタン、1−オクタンチオール、ノニルメルカプタン、1−デカンチオール、1−ドデカンチオール、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、2−メチル−1−プロパンチオール、2−メチル−1−ブタンチオール、3−メチル−1−ブタンチオール、2−プロパンチオール、1−メチル−1−プロパンチオール、2−メチル−2−プロパンチオール、2−メチル−2−ブタンチオール、アリルメルカプタン、シクロペンチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2,2,2−トリフルオロエタンチオール、3−クロロ−1−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジチオスレイトール、ジチオエリスリトール、1,4−ジチオ−L−スレイトール、2−メルカプトエチルエーテル、2−メルカプトエチルスルフィド、フルフリルメルカプタン、チオフェノール、チオクレゾール、エチルチオフェノール、ベンジルメルカプタン、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−exo−cis−2,3−ジチオール、
1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、
1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−チオビス−ベンゼンチオール、4,4’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、
2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパンチオール、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、ビス(2−メルカプトエチル)ジスルフィド、3,4−チオフェンジチオール、1,2−ビス(2−メルカプトエチル)チオ−3−メルカプトプロパン、ビス−(2−メルカプトエチルチオ−3−メルカプトプロパン)スルフィド等が挙げられ、これらは無置換であっても、置換基を有していても良い。2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
また、二つのアクリレートを有するモノイソシアネート化合物は、具体的には1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートが用いられる。
次に一般式(I)で表される多官能アクリレート化合物の具体例(I−1)〜(I−62)を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
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次に、前記一般式(I)で表される化合物の調製方法を説明する。
一般式(I)で表される化合物の中で、特にXが−O−である化合物を得るためには、分子内に少なくとも一つのヒドロキシ基を有する化合物のヒドロキシ基に対して、分子内に二つのアクリレートを有するモノイソシアネートのイソシアネート基のモル比が0.7〜1.5になるように調製し、好ましくは0.8〜1.3、より好ましくは0.9〜1.2、最も好ましくは0.95〜1.1になるように調製する。0.7未満では未反応のヒドロキシ基を有する生成物の割合が多くなり、精製が困難になる可能性がある。また、1.5より大きい場合、反応終了後も好ましくない副反応が進行しゲル化する可能性がある。
また、一般式(I)で表される化合物の中で、特にXが−NH−である化合物を得るためには、分子内に少なくとも一つの一級アミノ基を有する化合物の一級アミノ基に対して、分子内に二つのアクリレートを有するモノイソシアネートのイソシアネート基のモル比が0.7〜1.5になるように調製し、好ましくは0.8〜1.3、より好ましくは0.9〜1.2、最も好ましくは0.95〜1.1になるように調製する。0.7未満では未反応の一級アミノ基を有する生成物の割合が多くなり、精製が困難になる可能性がある。また、1.5より大きい場合、反応終了後も好ましくない副反応が進行しゲル化する可能性がある。
同様に、一般式(I)で表される化合物の中で、特にXが−NR−である化合物を得るためには、分子内に少なくとも一つの二級アミノ基を有する化合物の二級アミノ基に対して、分子内に二つのアクリレートを有するモノイソシアネートのイソシアネート基のモル比が0.7〜1.5になるように調製し、好ましくは0.8〜1.3、より好ましくは0.9〜1.2、最も好ましくは0.95〜1.1になるように調製する。0.7未満では未反応の二級アミノ基を有する生成物の割合が多くなり、精製が困難になる可能性がある。また、1.5より大きい場合、反応終了後も好ましくない副反応が進行しゲル化する可能性がある。
更に、一般式(I)で表される化合物の中で、特にXが−S−である化合物を得るためには、分子内に少なくとも一つのチオール基を有する化合物のチオール基に対して、分子内に二つのアクリレートを有するモノイソシアネートのイソシアネート基のモル比が0.7〜1.5になるように調製し、好ましくは0.8〜1.3、より好ましくは0.9〜1.2、最も好ましくは0.95〜1.1になるように調製する。0.7未満では未反応のチオール基を有する生成物の割合が多くなり、精製が困難になる可能性がある。また、1.5より大きい場合、反応終了後も好ましくない副反応が進行しゲル化する可能性がある。
上記のウレタン化反応、アミド化反応、またはチオウレタン化反応に用いる触媒としては、特に制限はないが、好ましくはビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウリレート、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジクロライド、オクチル酸錫などの有機錫(メタ)アクリレート、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛などの有機亜鉛(メタ)アクリレート、トリエチレンジアミン、トリエチルアミンなどの第三アミン類、または1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7などのアミジン骨格を有する(メタ)アクリレートが用いられ、チオールまたはイソシアネート100質量部に対し、0.0001〜10質量部の範囲で加える。
上記反応は通常−50℃〜100℃の温度範囲が適用される。−50℃以下では反応の進行は極めて遅く、100℃以上では副生成物が増加し収率が低下するだけでなく、ゲル化の可能性があり好ましくない。必要に応じて溶剤により希釈して行う。用いられる溶剤はアルコール、カルボン酸、アミン類などイソシアネートと反応するものを除いて使用することができるが、反応速度、溶解性の点から、アセトニトリル、N,N―ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N―ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはN―メチル−2−ピロリドン(NMP)などの極性溶媒、クロロホルムなどの塩素系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒が好ましく用いられる。また、残留水とイソシアネートとの反応を防止するため脱水溶剤が好適に用いられる。
またウレタン化反応中に好ましくない副反応(アクリレートの重合反応)を防止するため、重合禁止剤を添加することが好ましい。用いる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ベンゾキノンなどのキノン類、p−メトキシフェノールなどのフェノール類、またはN―ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩類などが用いられる。
本発明の硬化性組成物は、前記一般式(I)で表される化合物を単独または2種以上併用して用いることができる。
本発明の硬化性組成物中における前記特定化合物の含有量は、感度と現像性の点から、該組成物の全固形分に対して0.01〜90質量%が好ましく、0.1〜70質量%がより好ましく、0.5〜50質量%が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、前記特定化合物以外のエチレン性不飽和二重結合を含有する化合物(以下、単に「エチレン性不飽和二重結合を含有する化合物」と称する場合がある。)を含有することが好ましい。
本発明に用いることができるエチレン性不飽和二重結合を含有する化合物は、特定化合物以外のものであって、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシ基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で表される化合物における水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R10)COOCHCH(R11)OH 一般式(A)
(ただし、R10及びR11は、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、硬化性組成物の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、および、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、硬化感度、および、露光部強度の観点ではウレタン結合を含有することが好ましい。
また、硬化性組成物中の他の成分(例えば、樹脂、光重合開始剤、顔料)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板等との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられ、また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)、UA−7200(新中村化学社製)が好ましい。
中でも、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが、市販品としては、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)がより好ましい。
特定化合物以外のエチレン性不飽和二重結合を含有する化合物の含有量は、本発明の硬化性組成物の固形分中に、1質量%〜90質量%であることが好ましく、5質量%〜80質量%であることがより好ましく、10質量%〜70質量%であることが更に好ましい。
特に、本発明の硬化性組成物をカラーフィルタの着色パターン形成に使用する場合、特定化合物以外のエチレン性不飽和二重結合を含有する化合物の含有量は、上記の範囲において5質量%〜50質量%であることが好ましく、7質量%〜40質量%であることがより好ましく、10質量%〜35質量%であることが更に好ましい。
また、前記特定化合物と特定化合物以外のエチレン性不飽和二重結合を含有する化合物との含有比(質量比)としては、感度と未露光部の除去性(現像性)の観点から、(特定化合物)/(特定化合物以外のエチレン性不飽和二重結合を含有する化合物)が0.001〜100が好ましく、0.005〜50がより好ましく、0.01〜10が更に好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の硬化性組成物は、前記特定化合物のほかに光重合開始剤を含有する。本発明の硬化性組成物に用いうる光重合開始剤は、UV、DeepUV、可視光、赤外光、電子線などの放射線である光に対し、ラジカル発生の化学反応を生起し得る化合物であり、この化合物が生成したラジカル(開始種)が、該硬化性組成物からなる硬化性組成物層中に共存する後述のバインダーに作用して架橋、重合、酸性基の分解などの反応により不溶化させたり、或いは、該硬化性組成物層中に共存する後述の重合性モノマーやオリゴマーの重合、架橋剤の架橋などの反応を生起、進行させることで硬化性組成物層をアルカリ現像液に対して不溶化させる目的で用いられる。
このように放射線により酸発生、塩基発生などの化学反応を生起し得る感放射線性化合物としては、前記光重合開始剤のほか、光酸発生剤、光塩基発生剤などが挙げられるが、本発明の多官能アクリレート化合物の重合反応を生起、促進させるためには光重合開始剤用いるのが好適である。
光重合開始剤は該開始剤から発生した開始種により、本発明の多官能アクリレート化合物や前記重合性モノマーを重合させうるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。また、光重合開始剤は、単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物、ハロメチル−s−トリアジン化合物から選択された少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、またはオキシム系化合物等が挙げられる。
ハロメチルオキサジアゾール等の活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、及び2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
ハロメチル−s−トリアジン系化合物の光重合開始剤としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物および4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物が挙げられる。
その他の具体例としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(ピペニル)−6−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
その他、光重合開始剤として使用可能な市販品として、みどり化学社製TAZシリーズ、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−104、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−204、TAZ−113、TAZ−123、PANCHIM社製Tシリーズ、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B、チバガイギー社製イルガキュアシリーズ、イルガキュア369、イルガキュア784、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261、ダロキュアシリーズ、ダロキュア11734,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル等も有用に用いられる。
本発明の硬化性組成物には、前記光重合開始剤以外の他の公知の光重合開始剤を併用することができる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等を挙げることができる。
光重合開始剤の硬化性組成物中における含有量は、本発明の多官能アクリレート化合物と前記重合性モノマーとの合計固形分に対して0.01〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。該含有量が0.01質量%より少ないと重合が進み難く、また、50質量%を超えると重合率は大きくなるが、分子量が低くなり膜強度が弱くなる場合がある。
<増感剤>
本発明の硬化性組成物においては、ラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、上記光重合開始剤の使用に併せて増感剤や光安定剤を用いてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
増感剤や光安定剤の具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
また、以下に列挙する化合物類に属し、且つ300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有する増感剤も挙げられる。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられ、更に欧州特許第568,993号明細書、米国特許第4,508,811号明細書、同5,227,227号明細書、特開2001−125255号公報、特開平11−271969号公報等に記載の化合物等などが挙げられる。
より好ましい増感剤の例としては、下記一般式(i)〜(iv)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008088251
一般式(i)中、Aは硫黄原子またはNR50を表し、R50はアルキル基またはアリール基を表し、Lは隣接するA及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子または硫黄原子を表す。
Figure 2008088251
一般式(ii)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L−による結合を介して連結している。ここでLは−O−または−S−を表す。また、Wは一般式(i)に示したものと同義である。
Figure 2008088251
一般式(iii)中、Aは硫黄原子またはNR59を表し、Lは隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基またはアリール基を表す。
Figure 2008088251
一般式(iv)中、A、Aはそれぞれ独立に−S−または−NR62−または−NR63−を表し、R63、R64はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L、Lはそれぞれ独立に、隣接するA、A及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
また、本発明の硬化性組成物に含有しうる好ましい増感色素としては、上記(e)増感色素の他、下記一般式(VI)〜(VIII)で表される化合物から選択される少なくとも一種が挙げられる。これらは一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。

Figure 2008088251
一般式(VI)又は一般式(VII)中、R及びRは、各々独立に一価の置換基を表し、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子又は一価の置換基を表す。nは0〜5の整数を表し、n’は0〜5の整数を表し、n及びn’が両方とも0となることはない。nが2以上である場合、複数存在するRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。n’が2以上である場合、複数存在するRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
一般式(VI)で表される化合物としては、感度及び顔料を含有する場合における着色性の観点から、下記一般式(VI−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2008088251
一般式(VI−1)中、R及びRは、各々独立に一価の置換基を表す。nは0〜5の整数を表し、n’は1〜5の整数を表す。nが2以上である場合、複数存在するRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、n’が2以上である場合、複数存在するRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(VI−1)において、R及びRで表される一価の置換基は、前記一般式(VI)においてR及びRで表される一価の置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(VI)又は一般式(VII)で表される化合物としては、波長365nmにおけるモル吸光係数εが500mol−1・L・cm−1以上であることが好ましく、波長365nmにおけるεが3000mol−1・L・cm−1以上であることがより好ましく、波長365nmにおけるεが20000mol−1・L・cm−1以上であることが最も好ましい。各波長でのモル吸光係数εの値が上記範囲であると、光吸収効率の観点から感度向上効果が高く好ましい。
ここで、モル吸光係数εは、1−metoxy−2−propanol溶液に0.01g/lの濃度で調製した色素溶液を試料とし、365nmにおける試料の透過スペクトルを測定し、試料のUV−visible吸収スペクトルから吸光度を求めることにより得られる。測定装置は、Varian社製UV−Vis−MR Spectrophotometer Cary5G型分光高度計を用いた。
一般式(VI)又は一般式(VII)で表される化合物の好ましい具体例を以下に例示するが、発明の硬化性組成物に用いられる増感剤はこれらに限定されるものではない。
なお、本明細書においては、化学式は簡略構造式により記載することもあり、特に元素や置換基の明示がない実線等は、炭化水素基を表す。また、下記具体例において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Buはブチル基を、n−Buはn−ブチル基を、Phはフェニル基を表す。
Figure 2008088251
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Figure 2008088251
Figure 2008088251
Figure 2008088251
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Figure 2008088251
Figure 2008088251
一般式(VIII)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R)−を表し、Yは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R)−を表す。R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表し、A、R、R、及びRは、それぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
一般式(VIII)において、R、R及びRが一価の非金属原子を表す場合、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換の芳香族複素環残基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であることが好ましい。
一般式(VIII)で表される化合物は、光重合開始剤の分解効率向上の観点から、Yは酸素原子、又は−N(R)−が好ましい。Rは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表す。更に、Yは−N(R)−であることが最も好ましい。
以下、一般式(VIII)で表される化合物の好ましい具体例(VIII−1)〜(VIII−124)を示すが、発明の硬化性組成物に用いられる増感剤はこれらに限定されるものではない。また、酸性核と塩基性核を結ぶ2重結合による異性体については明らかでなく、本発明はどちらかの異性体に限定されるものでもない。
Figure 2008088251
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本発明に係る一般式(VI)で表される化合物に関しては、さらに、硬化性組成物の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。
例えば、当該増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの増感色素の不要な析出抑制を行うことができる。
また、当該増感色素と前述する光重合開始剤におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。
本発明の硬化性組成物において、一般式(IV)〜(VI)で表される化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上述の一般式(IV)〜(VI)で表される化合物は、硬化性組成物における顔料の濃度が非常に高く、形成される着色パターン(感光層)の光の透過率が極端に低くなる場合、具体的には、増感色素を添加せずに形成した場合の感光層の365nmの光の透過率が10%以下となるような場合に添加することで、その効果が顕著に発揮される。特に上述の一般式(IV)〜(VI)の中で、一般式(VI)で表される化合物が最も好ましく、具体的には(VI56)〜(VI122)の化合物が最も好ましい。
増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明の硬化性組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、本発明の硬化性組成物の全固形分に対して、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましい。
<共増感剤>
本発明の硬化性組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1質量%〜30質量%の範囲が好ましく、0.5質量%〜25質量%の範囲がより好ましく、1.0質量%〜20質量%の範囲が更に好ましい。
また、以上の増感剤及び共増感剤の他に、更に、熱重合防止剤を加えておくことが好ましく、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
<着色剤>
本発明の硬化性組成物が着色剤を含有する場合には、該着色剤は染料であってもよく顔料であってもよいが、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系から選ばれる色素であることが好ましく、以下の一般式(III)〜(V)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2008088251
一般式(III)中、Aは、アリール基あるいは5〜6員の方向族ヘテロ環ジアゾ成分A−NHの残基を表す。BおよびBは、各々独立に、−CR=、−CR=、または窒素原子を表し、BおよびBが同時に窒素原子を表すことはない。RおよびRは、各々独立に、水素原子または置換基を表す。G、R、およびRは、各々独立に、水素原子または置換基を表す。RとR、及び/又は、RとRは互いに結合して5員または6員環を形成してもよい。
Figure 2008088251
一般式(IV)中、Ra1、Ra3およびRa4は各々独立に、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。また、Ra3及びRa4はこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよい。Ra2は炭素数1〜10のアルキル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基を表す。
Figure 2008088251
一般式(V)中、Rb1は水素原子又は置換基を表し、Rb2〜Rb5は各々独立に水素原子又は置換基を表し、Rb6及びRb7は、各々独立にアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Za及びZbは各々独立に−N=、又は−C(Rb8)=を表す。Rb8は水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Rb2とRb3、Rb3とRb6、Rb4とRb5、Rb5とRb7及び/又はRb6とRb7とが互いに結合して、各々独立に5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。
一般式(III)で表される着色剤としては特開2005−99677、特開2005−250224、特開2006−39301、特開2006−58701、特開2006−91190、特開2006−243040、及び特開2006−243173に記載された着色剤(色素、染料)が挙げられ、一般式(IV)で表される着色剤としては特開2006−124634に記載の着色剤(色素、染料)が挙げられ、一般式(V)で表される着色剤としては特開2006−58700、特開2006−72135記載の着色剤(色素、染料)が挙げられるが、本発明の硬化性組成物に用いられる着色剤はこれらに限定されるものではない。
−染料−
本発明の硬化性組成物が着色剤として染料を含有する場合、公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている着色剤が使用できる。
化学構造としては、上述のトリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系が好ましく、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、フタロシアニン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系がより好ましく、特に好ましくは、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、フタロシアニン系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系の染料である。染料分類としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も
有用に使用することが出来る。これらの染料は1種単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
−顔料−
本発明の硬化性組成物が顔料を含有する場合、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく細かいものの使用が好ましい。また、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
上記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、またはアンチモン等の金属酸化物、さらに前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
上記有機顔料としては、例えば、以下に挙げるような顔料が使用できる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメントイエロー11,24,31,53,83,93,99,108,109,110,138,139,147,150,151,154,155,167,180,185,199,;
C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,71;
C.I.ピグメントレッド81,105,122,149,150,155,171,175,176,177,209,220,224,242,254,255,264,270;
C.I.ピグメントバイオレット19,23,32,39;
C.I.ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.ピグメントグリーン7,36,37;
C.I.ピグメントブラウン25,28;
C.I.ピグメントブラック1,7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
本発明では、特に顔料の構造式中に塩基性のN原子をもつものを好ましく用いることができる。これら塩基性のN原子をもつ顔料は本発明の組成物中で良好な分散性を示す。その原因については十分解明されていないが、感光性重合成分と顔料との親和性の良さが影響しているものと推定される。
本願発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメントイエロー11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.ピグメントオレンジ36,71,
C.I.ピグメントレッド122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.ピグメントバイオレット19,23,32,
C.I.ピグメントブルー15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.ピグメントブラック1
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独またはそれらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料またはペリレン系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:50が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:51以上では主波長が短波長よりになり、NTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。尚、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調製することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、または、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180またはC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:150が好ましい。上記質量比が100:5未満では400nm〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:150を越えると主波長が長波長よりになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えばC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:30が好ましく、より好ましくは100:10以下である。
また、ブラックマトリックス用の顔料としては、カーボン、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン単独または混合が用いられ、カーボンとチタンカーボンとの組合せが好ましい。また、カーボンとチタンカーボンとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
さらに、特開平2003−315998号公報、2005−331610号公報などに記載されている顔料が使用できる。これらの顔料は1種単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。また、染料と併用して用いても良い。
顔料の一次粒子径は、カラーフィルタ用として用いる場合には、色ムラやコントラストの観点から、顔料の一次粒径が80nm以下であり、また、分散安定性の観点から5nm以上である。また、好ましくは、5〜75nmであり、より好ましくは5〜55nmであり、特に好ましくは5〜35nmである。
顔料の一次粒子径の測定方法は、電子顕微鏡等の公知の方法で測定することができる。
化学構造としては、上述のトリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系が好ましく、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、シアニン系、ジケトピロロピロール系、フタロシアニン系から選ばれる顔料であることがより好ましい。
本発明の硬化性組成物をカラーフィルタの着色パターン形成に使用する場合には、顔料の含有量は、前記硬化性組成物の固形分中の質量比が20質量%以上85質量%以下であることが好ましく、30質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、50質量%75質量%以下であることが特に好ましい。
<分散剤>
本発明の硬化性組成物が顔料を含有する場合、顔料の分散性を向上させる目的で従来公知の顔料分散剤や界面活性剤を添加することが出来る。
本発明に用いうる分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(ゼネカ(株)製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー1 00、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ(株)製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)およびイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる。
また、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカルズ社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等も挙げられる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
本発明における分散剤の含有量としては、顔料に対して、1質量%〜100質量%であることが好ましく、3質量%〜100質量%がより好ましく、5質量%〜80質量%が更に好ましい。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料に対して、5質量%〜100質量%の範囲が好ましく、10質量%〜80質量%の範囲がより好ましい。また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1質量%〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3質量%〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5質量%〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
本発明において、顔料と分散剤とを用いる場合、硬化感度、色濃度の観点から、顔料及び分散剤の含有量の総和が、硬化性組成物を構成する全固形分に対して35質量%以上90質量%以下であることが好ましく、45質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。
<バインダー>
本発明の硬化性組成物は、膜性向上などの目的でバインダーを含有することができる。なお、本発明の硬化性組成物には必ずしも架橋剤を含有する必要はないが、所望により含有する場合には、バインダーの少なくとも一種を含有することが好ましい。
本発明に用いうるバインダーとしては、アルカリ可溶性高分子化合物であれば特には限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶性であって、且つ、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号等の明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、特に、側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等やポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
また、バインダーとしては、親水性基を有するモノマーを共重合した共重合体を用いてもよく、この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級及び3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐又は直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐又は直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他、バインダーの形成に用いうる親水性基を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸、燐酸エステル、4級アンモニウム塩、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸及びその塩、モルホリノエチル基等を含んだモノマー等も有用である。
バインダーは、架橋効率を向上させる観点からは重合性基を側鎖に有したものであってもよく、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したポリマー等も有用である。
これらの重合性基を有するポリマーの例としては、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等の市販品が挙げられる。
また、硬化被膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
前記各種バインダーの中で、本発明におけるバインダーとしては、耐熱性の観点で、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。また、現像性制御の観点では、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。上記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体が好ましく、また、好適に使用しうる市販品としては、KS−レジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーP−シリーズ等が挙げられる。
また、本発明に用いるバインダーの他の例として、アルカリ可溶性フェノール樹脂が挙げられる。該アルカリ可溶性フェノール樹脂は、本発明の着色硬化性組成物をポジ型の組成物とする場合に好適に用いることができる。
アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、より具体的には、例えば、ノボラック樹脂、又はビニル重合体等が挙げられる。
ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。ノボラック樹脂を合成するために用いられるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール、又はビスフェノールA等が挙げられる。
また、アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、又はベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記フェノール類及びアルデヒド類は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、メタクレゾール、パラクレゾール又はこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。
ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節したものを用いてもよく、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール系水酸基を有する低分子量成分を上記ノボラック樹脂に混合して用いてもよい。
バインダーとしては、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定されたポリスチレン換算値である質量平均分子量が1000〜2×10の重合体が好ましく、2000〜1×10の重合体が更に好ましく、5000〜5×10の重合体が特に好ましい。
本発明の着色硬化性組成物中の上記バインダーの使用量は、該組成物中の全固形分に対して0〜90質量%が好ましく、0〜60質量%が更に好ましい。0〜30質量%が特に好ましい。
<架橋剤>
本発明は前記一般式(I)で表されるを多官能アクリレート化合物を用いることにより、従来に比較して膜の硬化反応をより高度に進行させ、硬化性の良好な膜が得られるが、組成物中に補足的に架橋剤を用いることで、更に高度に硬化させた膜を得ることが可能である。
本発明に使用できる架橋剤は、架橋反応によって膜硬化を行えるものであれば特に限定されないが、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グルコールウリル化合物、又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたフェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物が挙げられる。特に多官能エポキシ樹脂が好ましい。
〔(a)エポキシ樹脂〕
架橋剤に用いられる(a)エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、且つ架橋性を有しているものであればいずれでもよいが、これらの化合物の例としては、ビスフェノールA−グリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノール−A−テトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物等が挙げられる。
〔(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グルコールウリル化合物、又はウレア化合物(架橋剤(b))〕
架橋剤(b)成分に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換している数は、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。
以下、前記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物及び、ウレア化合物を総じて、(b)に係る化合物(メチロール基含有化合物、アルコキシメチル基含有化合物、又はアシロキシメチル基含有化合物)ということがある。
前記(b)に係るメチロール基含有化合物は、(b)に係るアルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。前記(b)に係るアシロキシメチル基含有化合物はメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
以下、上記置換基を有する(b)における化合物の具体例を挙げる。
メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。これらは単独で使用しても良く、組み合わせて使用してもよい。
(b)に係わる化合物は、単独で使用しても良く、組み合わせて使用してもよい。
〔(c)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたフェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物(架橋剤(c))〕
架橋剤(c):メチロール基、アシロキシメチル基、及びアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物、又はヒドロキシアントラセン化合物は、前記架橋剤(b)の場合と同様、熱架橋により上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制すると共に、膜強度を更に高めるものである。
以下、これらの化合物を総じて、(c)に係る化合物(メチロール基含有化合物、アルコキシメチル基含有化合物、又はアシロキシメチル基含有化合物)ということがある。
前記架橋剤(c)に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基、アルコキシメチル基の数としては、1分子あたり最低2個必要であり、熱架橋性及び保存安定性の観点から、骨格となるフェノール化合物の2位、4位が全て置換されている化合物が好ましい。また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位、パラ位が全て置換されている化合物が好ましい。骨格となるフェノール化合物の3位又は5位は未置換であってもよいし、置換基を有していても良い。骨格となるナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は未置換であってもよいし、置換基を有していても良い。
前記架橋剤(c)に係るメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基のオルト位又はパラ位(2位又は4位)が水素原子である化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウ、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。また、前記(c)に係るアルコキシメチル基含有化合物は、上記メチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱する事により得られる。前記(c)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、上記メチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
架橋剤(c)成分における骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位またはパラ位が未置換のフェノール化合物、ナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノール−Aなどのビスフェノール類、4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン等が使用される。
前記架橋剤(c)成分の具体例としては、例えば、トリメチロールフェノール、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノール−A、テトラメトキシメチルビスフェノール−A、テトラメチロールビスフェノール−Aの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、テトラメトキシメチル−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、TrisP−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフタレンジオール等がある。
また、ヒドロキシアントラセン化合物としては、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
アシロキシメチル基含有化合物としては、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物が挙げられる。
これらの化合物の中で好ましいものは、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体またはそれらのメチロール基がアルコキシメチル基およびメチロール基とアルコキシメチル基の両方で置換されたフェノール化合物である。
これら(c)に係わる化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
本発明の着色硬化性組成物中に、必ずしも架橋剤を含有する必要はないが、場合により含有する場合において、前記(a)〜(c)成分の総含有量は、素材により異なるが、該組成物の固形分中に対して1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、7〜30質量%が特に好ましい。
<重合性モノマー>
本発明の硬化性組成物は、前記一般式(I)で表される多官能アクリレート化合物を用いることにより、従来に比較して膜の硬化反応をより高度に進行させ、硬化性の良好な膜が得られるが、組成物中に補足的に他の重合成モノマーを用いることで、更に高度に硬化させた膜を得ることが可能である。
以下、一般式(I)で表される多官能アクリレート化合物以外の重合性モノマーについて説明する。
前記、一般式(I)で表される多官能アクリレート化合物以外の重合性モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物が好ましく、その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
上記重合性モノマーの着色硬化性組成物中における含有量は、固形分に対して0.1〜90質量%が好ましく、1.0〜80質量%がさらに好ましく、2.0〜70質量%が特に好ましい。
<溶剤>
本発明の硬化性組成物の調製の際には、一般に溶剤を含有することができる。使用される溶剤は、該組成物の各成分の溶解性や硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的にとくには限定されないが、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
前記溶剤の具体例としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が好ましい。
前記の中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。
<その他の各種添加物>
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて前記成分以外にも各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
前記各種添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
また、放射線未照射部(非画像部)のアルカリ溶解性を促進し、本発明の硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、該組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行うことができる。具体的には、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
本発明の硬化性組成物が顔料を含有する場合、該硬化性組成物は、一般式(I)で表される多官能アクリレート化合物、顔料、感放射性化合物、及びさらに必要に応じて用いられるアルカリ可溶性樹脂やその他の添加剤を溶剤と混合し各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経て調製することが好ましい。 尚、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行う微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
本発明の組成物の好ましい製造方法としては、着色剤を樹脂成分で混練分散処理後の粘度が10,000mPa・s以上、望ましくは100,000mPa・s以上の比較的高粘度になるように混練分散処理し、次いで溶剤を添加して、微分散処理後の粘度が1,000mPa・s以下、望ましくは100mPa・s以下の比較的低粘度になるように微分散処理し、さらに高沸点溶剤等を加え攪拌、混合する方法が好ましい。
混練分散処理で使用する機械は二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸および2軸の押出機等であり、強い剪断力を与えながら分散する。次いで、溶剤を加えて、主として縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を使用し、0.1〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理する。尚、混練分散処理を省くことも可能である。その場合には、顔料と分散剤若しくは表面処理剤と、本発明におけるアクリル系共重合体および溶剤でビーズ分散を行う。尚、混練、分散についての詳細はT.C.Patton著、『Paint Flow and Pigment Dispersion』(1964年John Wiley and Sons社刊)等にも記載されており、この方法を用いてもよい。
本発明の硬化性組成物は、着色剤を含有させることで液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタなどの着色画素形成用として、また、印刷インキ、インクジェットインキ、及び塗料などの作製用途として好適に用いることができる。
[カラーフィルタ及びその製造方法]
本発明のカラーフィルタは前記本発明の特定化合物を用いてなることを特徴とするものである
また、このようなカラーフィルタは、前記本発明の着色硬化性組成物の少なくとも1種を、支持体上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、該着色層をマスクを通してパターン露光し、現像して着色パターンを形成する現像工程と、を有することを特徴とする製造方法により作製することができる。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、前記本発明の着色硬化性組成物が用いられる。本発明のカラーフィルタは、本発明の着色硬化性組成物を支持体上にスリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の塗布方法により塗布して感放射線性の着色硬化性組成物層(着色層)を形成し(着色層形成工程)、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、着色されたパターン(レジストパターン)を形成することができる(現像工程)。その後、必要に応じて、形成されたパターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を実施することができる。得られた着色パターンがカラーフィルタにおける画素を構成することになる。
着色硬化性組成物により形成される着色硬化性組成物層の厚みは目的に応じて適宜選択され、所望の色濃度が確保されれば、薄ければ薄いほど望ましいが、上限としては、2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、0.7μm以下であることが特に好ましい。
LCD(液晶表示素子)用カラーフィルタとして用いるためには、前記着色硬化性組成物層の厚みは、LCD薄型化に対応でき、色濃度確保の観点から、0.1μm以上2.0μm未満が好ましく、0.2μm以上1.8μm以下がより好ましく、0.3μm以上1.75μm以下が特に好ましい。
また、IS(Image Sensor;撮像素子)用カラーフィルタとして用いるためには、色濃度確保の観点、斜め方向の光が受光部に到達せず、又、デバイスの端と中央とで集光率の差が顕著になる等の不具合を低減する観点から、0.05μm以上1.0μm未満が好ましく、0.1μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.2μm以上0.7μm以下が特に好ましい。
この現像工程や硬化工程に使用される光もしくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
複数の色相の画素を有するカラーフィルタの作製においては、前記現像工程(及び必要に応じて硬化工程)を所望の色数に合わせて繰り返すことにより所望数の色相に構成されたカラーフィルタを作成することができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法に用いる現像液としては、本発明の着色硬化性組成物の未硬化部を溶解する一方、放射線照射部(硬化部)を溶解しない組成よりなるものであれば、如何なるものも用いることができる。具体的には種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性水溶液を用いることができる。
現像に用いうる有機溶剤としては、本発明の組成物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
現像に用いうるアルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に、現像後、水で洗浄する。
本発明のカラーフィルタに用いられる支持体として、例えば液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの支持体は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には、必要により上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは支持体表面の平坦化の為に、下塗り層を設けてもよい。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
[本発明の一般式(I)で表される多官能アクリレート化合物の合成例]
以下に、前記例示化合物(I−1)の具体的な合成方法を示す。本発明の係る他の多官能アクリレートも同様のスキームで合成することができる。なお、多官能アクリレートの合成方法は以下の方法に限定されるものではない。
[合成例1]:例示化合物(I−1)の合成
ヒドロキノン1.5g(0.0136モル)にアセトニトリル20mlを加えて溶解させた後、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)(商品名:ネオスタンU−600(日東化成株式会社製))60mg(0.095ミリモル)を加えて均一溶液とした。60℃まで加熱して1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(商品名:カレンズBEI(昭和電工株式会社製))6.72g(0.028モル)のアセトニトリル10ml溶液を滴下した。滴下終了後、55℃〜65℃で8時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してから酢酸エチル30mlを添加した後、n−ヘキサン50mlを加えて析出した無色結晶をろ取した。この無色結晶に30mlを添加した後、n−ヘキサン50mlを加えて析出した無色結晶をろ取する操作をさらに2回繰り返し、化合物(I−1)1.2g(0.0216モル(収率:48%))を得た。ヒドロキノンは和光純薬社製を使用した。
上記より得られた化合物(I−1)について、NMRによる構造確認を行なったところ、H−NMR(400MHz、溶媒:重クロロホルム、標準物質:テトラメチルシラン)δ7.10(4H、s)、6.48ppm(4H、dd)、6.17ppm(2H、d)、6.13ppm(2H、d)、5.91ppm(4H、dd)、5.45ppm(2H、brs)、4.44ppm(4H、d)、4.37ppm(4H、d)、1.50ppm(6H、s)であった。
[合成例2]:例示化合物(I−3)の合成
1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−シアヌル酸2.61g(0.010モル)にアセトニトリル30mlを加えて溶解させた後、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)(商品名:ネオスタンU−600(日東化成株式会社製))130mg(0.20ミリモル)を加えて均一溶液とした。60℃まで加熱して1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(商品名:カレンズBEI(昭和電工株式会社製))7.53g(0.032モル)のアセトニトリル10ml溶液を滴下した。滴下終了後、55℃〜65℃で6時間攪拌した。反応終了後、この反応溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1)で精製し、化合物(I−3)7.83g(0.008モル(収率:80%))を得た。1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−シアヌル酸はアルドリッチ社製を使用した。
上記より得られた化合物(I−3)について、NMRによる構造確認を行なったところ、H−NMR(400MHz、溶媒:重クロロホルム、標準物質:テトラメチルシラン)δ6.42ppm(6H、dd)、6.14ppm(3H、d)、6.12ppm(3H、d)、5.87ppm(6H、dd)、5.43ppm(3H、brs)、4.36ppm(6H、d)、4.29ppm(6H、t)、4.28ppm(6H、d)、4.16ppm(6H、t),1.40ppm(9H,s)であった。
[合成例3]:例示化合物(I−5)の合成
ペンタエリスリトール2.5g(0.0184モル)にアセトニトリル30mlを加えて溶解させた後、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)(商品名:ネオスタンU−600(日東化成株式会社製))125mg(0.19ミリモル)を加えて均一溶液とした。60℃まで加熱して1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(商品名:カレンズBEI(昭和電工株式会社製))18.2g(0.077モル)のアセトニトリル10ml溶液を滴下した。滴下終了後、55℃〜65℃で6時間攪拌した。反応終了後、この反応溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1)で精製し、化合物(I−5)15.8g(0.0144モル(収率:78%))を得た。ペンタエリスリトールはアルドリッチ社製を使用した。
上記より得られた化合物(I−5)について、NMRによる構造確認を行なったところ、1H−NMR(400MHz、溶媒:重クロロホルム、標準物質:テトラメチルシラン)δ6.44ppm (8H、dd)、6.17ppm(4H、d)、6.13ppm(4H、d)、5.89ppm(8H、dd)、5.22ppm(4H、brs)、4.37ppm(8H、d)、4.30ppm(8H、d)、4.16ppm(8H、s)、1.42ppm(12H、s)であった。
[合成例4]:例示化合物(I−6)の合成
ジペンタエリスリトール1.0g(0.0039モル)にアセトニトリル15mlを加えて溶解させた後、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)(商品名:ネオスタンU−600(日東化成株式会社製))60mg(0.094ミリモル)を加えて均一溶液とした。60℃まで加熱して1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(商品名:カレンズBEI(昭和電工株式会社製))5.38g(0.0248モル)のアセトニトリル5ml溶液を滴下した。滴下終了後、55℃〜65℃で6時間攪拌した。反応終了後、この反応溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1)で精製し、化合物(I−6)4.0g(0.0023モル(収率:59%))を得た。ジペンタエリスリトールはアルドリッチ社製を使用した。
上記より得られた化合物(I−6)について、NMRによる構造確認を行なったところ、H−NMR(400MHz、溶媒:重クロロホルム、標準物質:テトラメチルシラン)δ6.42ppm(12H、dd)、6.16ppm(6H、d)、6.12ppm(6H、d)、5.87ppm(12H、dd)、5.47ppm(6H、brs)、4.38ppm(12H、d)、4.32ppm(12H、d)、4.03ppm(12H、s)、3.31ppm(4H、s),1.42ppm(18H、s)であった。
(実施例1)
〔A1.硬化性組成物の調製〕
ここでは、液晶表示素子用途のカラーフィルタ形成用として着色剤(顔料)を含有する硬化性組成物を調製した例を挙げて説明する。
A1−1.顔料分散液の調製
顔料としてC.I.ピグメントグリーン36とC.I.ピグメントイエロー150との100/60(質量比)混合物40質量部(一次粒経32nm)、分散剤としてBYK2001(Disperbyk:ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)50質量部(固形分換算約22.6質量部)、および溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル110質量部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、顔料分散液(P1)を調製した。
A1−2.硬化性組成物(塗布液)の調製
前記分散処理した顔料分散液P1を用いて下記組成比となるよう撹拌混合して硬化性組成物溶液を調製した。
・液状組成物の調製 顔料分散液(P1) 600質量部
・2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル
−1,2’−ビイミダゾール〔光重合開始剤〕 30質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 50質量部
〔エチレン性不飽和結合含有化合物〕
・例示化合物(I−6) 10質量部
・アルカリ可溶性樹脂 10質量部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート
共重合体、mol比:80/10/10、Mw:10000、)
・溶媒:PGME 900質量部
・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 1質量部
・増感剤(下記化合物 増感剤α) 12質量部
・共増感剤:2−メルカプトベンゾイミダゾール 12質量部
Figure 2008088251
〔A2.カラーフィルタの作製〕
A2−1.硬化性組成物層の形成
上記顔料を含有する硬化性組成物をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して硬化性組成物塗布膜(硬化性組成物層)を形成した。
[スリット塗布条件]
塗布ヘッド先端の開口部の間隙: 50μm
塗布速度: 100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス: 150μm
塗布厚(乾燥厚): 1.7μm
塗布温度: 23℃
A2−2.露光、現像
その後、2.5kwの超高圧水銀灯を用いて着色硬化性組成物塗布膜を、線幅20μmのテスト用フォトマスクを用いてパターン状に露光し、露光後、塗布膜の全面を有機系現像液(商品名:CD、富士フイルム・アーチ(株)製)の10%水溶液で被い、60秒間静止した。
A2−3.加熱処理
静止後、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、かかる光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に着色硬化性組成物皮膜(カラーフィルタ)を形成した。
〔A3.性能評価〕
上記で調製された着色硬化性組成物塗布液の保存安定性、及び該着色硬化性組成物を用いてガラス基板上に形成された塗布膜(着色硬化性組成物層)の露光感度、基板密着性、現像性、さらに、パターン断面形状を下記のようにして評価した。結果を表1(変更)に示す。
A3−1.塗布液保存安定性
前記塗布液を室温で1ヶ月保存した後、液の粘度を測定し下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:粘度上昇は認められなかった。
△:5%以上10%未満の粘度上昇が認められた。
×:10%以上の粘度上昇が認められた。
A3−2.着色硬化性組成物層の露光感度、
露光量を10〜100mJ/cmの種々の露光量に変更して露光し、ポストベーク後のパターン線幅が20μmとなる露光量を露光感度として評価した。露光感度の値が小さいほど感度が高いことを示す。
A3−3.現像性、パターン断面形状、基板密着性
ポストベーク後の基板表面および断面形状を光学顕微鏡およびSEM写真観察により通常の方法で確認した。
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無を観察し、現像性を評価した。
<現像性>
○:未露光部には、残渣がまったく確認されなかった。
△:未露光部に、残渣がわずかに確認されたが、実用上問題のない程度であった。
×:未露光部に、残渣が著しく確認された。
形成されたパターンの断面形状を観察した。パターン断面形状は順テーパーが最も好ましく、矩形が次に好ましい。逆テーパーは好ましくない。
基板密着性の評価として、パターン欠損が発生しているか否かを観察した。これらの評価項目については、下記基準に基づいて評価を行った
<基板密着性>
○:パターン欠損がまったく観察されなかった。
△:パターン欠損がほとんど観察されなかったが、一部分欠損が観察された。
×:パターン欠損が著しく観察された。
(実施例2〜15)
実施例1の硬化性組成物において、例示化合物(I−6)を、下記表1に示される例示化合物に代えた以外は、すべて実施例1と同様に行い着色パターンを得て、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例1、2)
実施例1の硬化性組成物において、例示化合物(I−6)を表1に示した化合物に変更したこと以外は、すべて実施例1と同様に行い着色パターンを得て、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 2008088251
表1の結果から、本発明に係る多官能アクリレート化合物を用いた実施例の着色硬化性組成物は、これ以外の多官能アクリレート化合物を用いた比較例に対して、その溶液状において保存安定性に優れ、更にこの着色硬化性組成物を用いた場合に露光感度、現像性、基板密着性、パターン断面形状に優れていることが判る。
(実施例16)
以下、固体撮像素子用途のカラーフィルタ形成用として着色剤(顔料)を含有する硬化性組成物を調製した例を挙げて説明する。
〔B1.レジスト液の調製〕
下記組成の成分を混合して溶解し、レジスト液を調製した。
〈レジスト液組成〉
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.20質量部
(PGMEA:溶剤)
・乳酸エチル 36.67質量部
・バインダーポリマー 30.51質量部
〔メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル共重合体(モル比=60/22/18)の40%PGMEA溶液〕
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20質量部
〔(C)エチレン性不飽和結合含有化合物〕
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0061質量部
・フッ素系界面活性剤 0.83質量部
(F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤 0.586質量部
(TAZ−107、みどり化学社製)〔(B)光重合開始剤〕
〔B2.下塗り層付シリコン基板の作製〕
6inchシリコンウエハーをオーブン中で200℃の下30分加熱処理した。次いで、このシリコンウエハー上に前記レジスト液を乾燥膜厚が2μmになるように塗布し、更に220℃のオーブン中で1時間加熱乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付シリコンウエハー基板を得た。
〔B3.顔料分散液の調製〕
顔料としてC.I.ピグメントグリーン36とC.I.ピグメントイエロー139との70/30(質量比)混合物40質量部(一次粒経32nm)、分散剤としてBYK2001(Disperbyk:ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)50質量部(固形分換算約22.6質量部)、および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル110質量部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、顔料分散液(P1)を調製した。
〔B4.硬化性組成物(塗布液)の調製〕
前記分散処理した顔料分散液P1を用いて下記組成比となるよう撹拌混合して硬化性組成物溶液を調製した。
・液状組成物の調製 顔料分散液(P1) 600質量部
・オキシム系光重合開始剤〔光重合開始剤〕 30質量部
(CGI−124、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・TO−1382(東亞合成社製)〔エチレン性不飽和結合含有化合物〕 61質量部
・例示化合物(I−6) 8質量部
・溶媒:PGMEA 900質量部
・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 1質量部
〔B5.着色感光性樹脂組成物によるカラーフィルタの作製及び評価〕
−パターンの形成と感度の評価−
上で調製したB4.硬化性組成物(塗布液)を、前記B2.で得られた下塗り層付シリコンウエハー基板の下塗り層上に塗布し、塗布膜(着色硬化性組成物層)を形成した。そして、この塗布膜の乾燥膜厚が0.7μmになるように、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して365nmの波長でパターンが1.2μm四方のIslandパターンマスクを通して50〜1600mJ/cmの種々の露光量で露光した。
その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハー基板をスピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハー基板に着色パターンを形成した。
着色パターンが形成されたシリコンウエハー基板を真空チャック方式で前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハー基板を回転数50r.p.m.で回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後スプレー乾燥した。その後、測長SEM「S−9260A」(日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いて、着色パターンのサイズを測定した。パターン線幅が1.2μmとなる露光量を露光感度として評価した。露光感度の値が小さいほど感度が高いことを示す。測定評価の結果は下記表2に示した。
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無を観察し、現像性を評価した。
<現像性>
○:未露光部には、残渣がまったく確認されなかった。
△:未露光部に、残渣がわずかに確認されたが、実用上問題のない程度であった。
×:未露光部に、残渣が著しく確認された。
形成されたパターンの断面形状を観察した。パターン断面形状は矩形が好ましく、逆テーパーは好ましくない。
基板密着性の評価として、パターン欠損が発生しているか否かを観察した。これらの評価項目については、下記基準に基づいて評価を行った
<基板密着性>
○:パターン欠損がまったく観察されなかった。
△:パターン欠損がほとんど観察されなかったが、一部分欠損が観察された。
×:パターン欠損が著しく観察された。
また、液経時安定性(保存安定性)は前記塗布液を室温で1ヶ月保存した後、液の粘度を測定し下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:粘度上昇は認められなかった。
△:5%以上10%未満の粘度上昇が認められた。
×:10%以上の粘度上昇が認められた。
(実施例17〜22)
実施例16の硬化性組成物において、例示化合物(I−6)を、下記表2に示される例示化合物に代えた以外は、すべて実施例16と同様に行い、着色パターンを得て、実施例16と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
〔比較例3〕
実施例16の硬化性組成物において、例示化合物(I−6)を、下記表2に示される化合物に代えた以外は、すべて実施例16と同様に行い、着色パターンを得て、実施例16と同様の評価を行った。結果を表2にまとめた。
Figure 2008088251
(実施例23)
以下、固体撮像素子用途のカラーフィルタ形成用として着色剤(染料)を含有する硬化性組成物を調製した例を挙げて説明する。
〔C1.レジスト液の調製および下塗り層付シリコン基板の作製〕
実施例16の〔B1.レジスト液の調製〕、〔B2.下塗り層付シリコン基板の作製〕と同様の方法により下塗り層付きシリコン基板を作成した。
〔C2. 硬化性組成物(塗布液)の調製〕
下記組成の化合物を混合して溶解し、着色硬化性組成物を調製した。
・シクロヘキサノン〔溶剤〕 80質量部
・下記化合物A〔染料〕 6.0質量部
・Acid Red 57〔染料〕 6.0質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.0質量部
〔エチレン性不飽和結合含有化合物〕
・例示化合物(I−6) 2.0質量部
・オキシム系光重合開始剤〔光重合開始剤〕 2.0質量部
(CGI−124、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
Figure 2008088251
〔C3.着色硬化性成物によるカラーフィルタの作製及び評価〕
上記〔B5.着色硬化性組成物によるカラーフィルタの作製及び評価〕と同様の方法によりカラーフィルタの作成および評価を実施した。結果を上記表2に示した。
(実施例24〜30)
実施例23の硬化性組成物において、例示化合物(I−6)を、上記表2に示される例示化合物に代えた以外は、すべて実施例23と同様に行い、着色パターンを得て、実施例23と同様の評価を行った。結果を上記表2に示した。
〔比較例4〕
実施例23の硬化性組成物において、例示化合物(I−6)を、上記表2に示される化合物に代えた以外は、すべて実施例23と同様に行い、着色パターンを得て、実施例23と同様の評価を行った。結果を上記表2に示した。
上記表2の結果から、本発明に係わる多官能アクリレート化合物を用いた実施例の着色硬化性組成物は、これ以外の多官能アクリレート化合物を用いた比較例に対して、その溶液状において保存安定性に優れ、更にこの着色硬化性組成物を用いた場合に露光感度、現像性、基板密着性、パターン断面形状に優れていることが判る。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物と光重合開始剤とを含有する硬化性組成物。
    Figure 2008088251

    〔一般式(I)中、Rはn価の有機基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R及びRは各々独立に、水素原子またはメチル基を表す。Xは−O−、−NH−、−NR−、または−S−を表し、Rは水素原子または一価の有機基を表す。nは1〜12の整数を表す。〕
  2. さらに着色剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 請求項2に記載の硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルタ。
  4. 支持体上に、請求項2に記載の硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する着色層形成工程と、前記着色硬化性組成物層をマスクを介して露光する露光工程と、露光後の前記着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する現像工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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