JP2008087847A - 基板収納ケース - Google Patents
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Abstract
【課題】 マスクブランクス又はフォトマスク等の基板を収納するものであって、収納した基板に塵埃が付着するのを防止できる基板収納ケースを提供すること。
【解決手段】 基板収納ケース1が、ケース本体2とケース蓋体3とからなり、ケース本体2の開口縁に、ケース蓋体3と嵌合する薄肉案内縁22が形成されている。薄肉案内縁22に負圧緩和手段10が設けられ、ケース蓋体3の開口部内側に、ケース本体2と異なる硬度の材質により形成された塵埃抑止手段11を設けられている。負圧緩和手段10は通気口である。塵埃抑止手段11はケース本体2と異なる硬度の材質により形成された硬質テープである。
【選択図】 図2
【解決手段】 基板収納ケース1が、ケース本体2とケース蓋体3とからなり、ケース本体2の開口縁に、ケース蓋体3と嵌合する薄肉案内縁22が形成されている。薄肉案内縁22に負圧緩和手段10が設けられ、ケース蓋体3の開口部内側に、ケース本体2と異なる硬度の材質により形成された塵埃抑止手段11を設けられている。負圧緩和手段10は通気口である。塵埃抑止手段11はケース本体2と異なる硬度の材質により形成された硬質テープである。
【選択図】 図2
Description
本発明は、液晶及びPDP等に代表される薄型モニターの製造、あるいは、半導体デバイスの製造等に用いられるマスクブランクス又はフォトマスク等の基板を保管並びに搬送するための基板収納ケースに関するものである。
近年、液晶及びPDP(Plasma Display Panel)等に代表される薄型モニターの高解像度化が進むにつれ、フォトマスク等のパターンの微細化、高密度化の要求が大きくなっている。マスクブランクス又はフォトマスクの基板は、通常、基板収納ケースに収納して保管並びに搬送している。この場合、マスクブランクス又は基板上に塵埃が付着していると、フォトマスク製造の際に所望のパターンが形成できないというだけでなく、塵埃が付着したまま製品化されると、これが製品に投影され不良品となってしまうおそれがある。
従来から、基板収納ケースは、ケースへの塵埃の付着を防止するため、ケースの材料は制電特性を有する素材が使用されている。しかし、加工性に優れていることなどの理由により、HIPS(High Impact Poly Styrene)プレートを使用することがあるが、この場合は、本体と蓋体とが柔らかい材質どうしとなるので、本体と蓋体の嵌合部の擦れによって当該部分から塵埃が発生する。このため、本体と蓋体の嵌合部から発生した塵埃は、結果としてケース内に侵入し基板に付着することになる。
従来から、ケース内に塵埃が侵入するのを防止し、本体と蓋体とを隙間なく密封できるようにした基板収納ケースは、一例として、特許文献1及び2に記載のものが知られている。
特開2001−154341号公報
特開2001−298078号公報
特許文献1に記載の基板収納ケースは、ケースの密着性が向上するので、密封中はケース内に塵埃の侵入が防げるが、開封の際、ケース内が一時的に負圧になるため、ケース内外の気圧差を緩和しようとして大気が一気にケース内に取り込まれ、これに伴い塵埃がケース内に侵入し、結局は、ケース内に収納している基板に塵埃が付着という問題は解決されない。また、ケースの密閉性を向上させることにより、蓋体の開閉時に、本体と蓋体の嵌合部が擦れ、この結果、本体と蓋体の嵌合部で塵埃が発生するので、蓋体を開封する際に塵埃がケース内に侵入して基板に付着するという問題が生じる。
特許文献2に記載の基板収納ケースは、ケース内に塵埃が侵入してもマスクブランクス又はフォトマスク等の基板に付着しないようにケース内側部分に粘着性を持たせたものであるが、ケース内に侵入した塵埃が全てケース内側部分に付着するのではなく、基板にも付着することが予想されるため、結局のところ、特許文献2に記載の基板収納ケースにおいても、塵埃対策としては不十分なものでしかなかった。
本発明の課題は、例えば、マスクブランクス又はフォトマスク等の基板を収納するケースであって、収納した基板に塵埃が付着するのを防止できる基板収納ケースを提供することである。
解決手段の第1は、請求項1に対応するものであって、ケースが、ケース本体とケース蓋体とからなり、上記ケース本体の開口縁に上記ケース蓋体と嵌合する薄肉案内縁を形成し、該薄肉案内縁に負圧緩和手段を設けたことを特徴とするものである。
解決手段の第2は、請求項2に対応するものであって、ケース蓋体の開口部内側に、ケース本体と異なる硬度の材質により形成された塵埃抑止手段を設けたことを特徴とするものである。
解決手段の第3は、請求項3に対応するものであって、負圧緩和手段が、通気口であることを特徴とするものである。
解決手段の第4は、請求項4に対応するものであって、塵埃抑止手段が、ケース本体と異なる硬度の材質による硬質テープであることを特徴とするものである。
解決手段の第5は、請求項5に対応するものであって、第2の負圧緩和手段が、エアコックであることを特徴とするものである。
請求項1は、ケース蓋体を開封する時にケース内が負圧になることを緩和する負圧緩和手段が設けられているので、ケースの外側又はケース本体とケース蓋体の嵌合部などに付着している塵埃がケース内部に侵入する量を減らすことができる効果を有する。
請求項2は、ケース蓋体に塵埃抑止手段を設けているので、請求項1よりもさらに塵埃の付着量を減らすことができる効果を有する。
請求項3は、負圧緩和手段が通気口であるから、製造が容易となることの効果がある。
請求項4は、塵埃抑止手段がケース本体と硬度が異なる硬質テープであるから、製造が容易となることの効果がある。
請求項5は、第2の負圧緩和手段がエアコックであるから、ケースが箱型の場合にも適用可能となることの効果がある。
図1は基板収納ケースを示す斜視図、図2はケース本体とケース蓋体の隅部を拡大して示す斜視図、図3はケース本体に基板を収納して蓋体を被せる状態を示す断面図、図4は収納ケースに基板を収納した状態を示す断面図である。
これらの図において、基板収納ケース1は、ケース本体2及びケース蓋体3とから構成されており、いずれもプラスチックの成型品である。図示は省略してあるが、ケース本体2及びケース蓋体3は、いずれも補強用のリブなどを設けて強度を高めている。
ケース本体2の周縁内側に段付きの基板載置台20を設け、ケース蓋体3の周縁内側に上記基板載置台20の取付け位置に対応させて基板押え具30を設け、基板4を上記基板載置台20の係合段部21に載せ、その上からケース蓋体3を被せ、ケース本体2及び蓋体3の側面に設けた錠金具5により両者を固定する。また、ケース本体2及びケース蓋体3の側面部には台座6が設けられており、基板収納ケース1の搬送時に、ケースを一時的に立てる台又はケースを縦置きする時の台とするものである。なお、錠金具5及び台座6はいずれも複数個が設けられている。
ケース本体2は、ケース蓋体3との結合を確実にするために、本体開口部に薄肉案内縁22を形成している。ケース本体2の開口部が上記薄肉案内縁22により階段状になっているので、ケース蓋体3をケース本体2に被せると、両者の結合が確実になるとともにケース本体2とケース蓋体3の接合面が平坦になる。
ケース本体2の薄肉案内縁22には、本発明の主題となる負圧緩和手段10が設けられている。負圧緩和手段として有効なものは通気口10である。ケース本体2とケース蓋体3の嵌合部に通気口10を設ければ、ケース蓋体3を開封する際にケース内が負圧になることが防止できる。したがって、ケースの外側やケースの嵌合部などに付着している塵埃等がケース内に侵入する量を減らすことができる。
通気口10の位置は、薄肉案内縁22の下端(ケース蓋体を被せた時の蓋体の縁と一致する端部)に近いと、ケースの密閉性を損ねるおそれがあるので、少なくとも下端から1mm以上は離れていることがよく、好ましくは下端から2mm程度離れているとよい。通気口10は、ケース内が負圧になることの緩和が目的であるが、通気口10を通して塵埃がケース内に侵入する場合には、開口部にフィルターを設けるとよい。また、通気口10の形状は、直径2〜8mmの円形とし、複数個を設ければケース蓋体3を開封する際にケース内が負圧になることを緩和する効果が大きい。なお、通気口10の形状が円形であれば加工も容易である。
ケース蓋体3の開口部には、本発明のもう一つの主題である塵埃抑止手段11が設けられている。塵埃抑止手段11はケース蓋体3の開口部内側に設けられている。塵埃抑止手段として有効なものはケース本体2と異なる硬度の材質で形成された硬質テープである。ケース蓋体3の開口部に硬質テープ11を貼付することで、ケース本体2及びケース蓋体3の嵌合部においてゴミなどによる塵埃の発生を効果的に減らすことができる。
図5は基板収納ケースの他の例を示している。この基板収納ケース101は、ケース本体102及びケース蓋体103とからなり、ケース本体102内に基板104を収納するものである。また、基板収納ケース101は箱型に形成されており、ケース本体102の開口縁に形成した薄肉案内縁122に負圧緩和手段(通気口10)を設けている。この場合も、ケース蓋体103の開封時に収納ケース内が負圧になることを緩和できるため、ケース蓋体103の開封時に収納ケースの外側や収納ケースの嵌合部などに付着している塵埃等のケース内部への侵入量を減らし、塵埃等が基板に付着を大幅に減少させることができる。
また、この実施例においては、負圧緩和手段として、通気口10の他に、第2の負圧緩和手段(エアコック12)を設けている。基板収納ケース101が箱型の場合は、負圧緩和手段として通気口10だけでなく、通気口10とともにエアコック12を併設することが効果的である。
図6は、本発明の基板収納ケースを使用した場合の基板に付着した10μ以上の塵埃の数量を測定した測定値である。測定実験は、負圧緩和手段(通気口)を設けない収納ケース(図6で「未処置」としたもの)、負圧緩和手段(通気口)を設けた収納ケース(図6で「処置1」としたもの)、負圧緩和手段(通気口)と塵埃抑止手段(硬質テープ)を設けた収納ケース(図6で「処置2」としたもの)を使用し、いずれも、蓋体の開閉1回、蓋体の開閉2回、300Km輸送時の各条件下において、基板に付着した塵埃の数量を測定した。
負圧緩和手段(通気口)を設けない未処置収納ケースの場合は、右側目盛を参照して、蓋体の開閉1回で塵埃の数は500個、2回の開閉で1200個であり、300Km搬送時は測定不能であった。
負圧緩和手段(通気口)を設けた処置1収納ケースの場合は、左側目盛を参照して、蓋体の開閉1回で塵埃の数は25個、2回の開閉で55個であり、300Km搬送時は97個であった。
また、負圧緩和手段(通気口)と塵埃抑止手段(硬質テープ)を設けた処置2収納ケースの場合は、左側目盛を参照して、蓋体の開閉1回で塵埃の数は3個、2回の開閉で15個であり、300Km搬送時は38個であった。
上記測定結果から分かるように、負圧緩和手段(通気口)を設けない未処置収納ケースの場合は、蓋体を1回開閉しただけで塵埃の数は500個と多量になった。これは、収納ケースの本体と蓋体が同じ硬度の材料によって形成されているので、本体と蓋体の嵌合部が擦れた時に塵埃が発生しやすいこと、さらに、密封性に優れているため、蓋体の開封時に収納ケース内部の負圧の程度が高まり、嵌合部の擦れで発生した塵埃を収納ケース内部に吸い込んでしまったことが原因と考えられる。
一方、負圧緩和手段(通気口)を設けた処置1収納ケースの場合は、蓋体を1回開閉した時の塵埃数が25個であり、負圧緩和手段を設けない未処置収納ケースの場合と比較して塵埃数は20分の1に減少した。さらに、負圧緩和手段(通気口)と塵埃抑止手段(硬質テープ)を設けた処置2収納ケースの場合は、蓋体1回の開閉では塵埃は3個を測定しただけであり、塵埃抑止手段たる硬質テープが塵埃発生を抑制していることが分かる。
実施例
図1から図4に示す実施例において、ケース本体2及びケース蓋体3は、制電HIPSプレートを真空成型加工したものであり、850×1400×10(mm)サイズの石英基板4を収納可能に形成したものである。ケース本体2に設けた負圧緩和手段たる通気口10は、直径5mmの通孔であり、薄肉案内縁22の下端から2mmの位置に34個設けた。また、ケース蓋体3に設けた塵埃抑止手段たる硬質テープ11は、日東電工製のポリエステル粘着テープ(品番No.31C)である。
図1から図4に示す実施例において、ケース本体2及びケース蓋体3は、制電HIPSプレートを真空成型加工したものであり、850×1400×10(mm)サイズの石英基板4を収納可能に形成したものである。ケース本体2に設けた負圧緩和手段たる通気口10は、直径5mmの通孔であり、薄肉案内縁22の下端から2mmの位置に34個設けた。また、ケース蓋体3に設けた塵埃抑止手段たる硬質テープ11は、日東電工製のポリエステル粘着テープ(品番No.31C)である。
塵埃数量の測定実験は、ケース本体2に基板4を収納してケース蓋体3を閉めた後、ケース蓋体3を開封し基板4に付着している塵埃数を測定し、再度ケース蓋体3の開閉動作を行って塵埃数を測定した。塵埃数の測定は、クラス100のクリーンルームにおいてハロゲンランプを使用し、目視により10μ以上の塵埃の数を測定した。測定結果は、図6に示すとおりである。
基板収納ケース1の搬送実験は、基板収納ケース1に基板4を収納した状態で外気が混入しないように密封し、密封した基板収納ケース1をビニール製の袋に入れ、クッション材を装備したプラスチック製ダンボールに収めて300Kmを陸送した。陸送後に、ケース蓋体3を開封し、基板4に付着している塵埃の数を測定した。測定結果は、図6に示すとおりであるが、負圧緩和手段(通気口)を設けない未処置ケースでは、目視による測定は不能であった。
マスクブランクス又はフォトマスク基板等の保管並びに搬送に利用可能である。
1,101 基板収納ケース
2,102 ケース本体
3,103 ケース蓋体
4,104 基板
5 錠金具
6 台座
10 負圧緩和手段(通気口)
11 塵埃抑止手段(硬質テープ)
12 第2の負圧緩和手段(エアコック)
20 基板載置台
21 係合段部
22,122 薄肉案内縁
2,102 ケース本体
3,103 ケース蓋体
4,104 基板
5 錠金具
6 台座
10 負圧緩和手段(通気口)
11 塵埃抑止手段(硬質テープ)
12 第2の負圧緩和手段(エアコック)
20 基板載置台
21 係合段部
22,122 薄肉案内縁
Claims (5)
- ケースが、ケース本体(2,102)とケース蓋体(3,103)とからなり、上記ケース本体の開口縁に上記ケース蓋体と嵌合する薄肉案内縁(22,122)を形成し、該薄肉案内縁に負圧緩和手段(10)を設けたことを特徴とする基板収納ケース。
- ケース蓋体(3,103)の開口部内側に、ケース本体(2,102)と異なる硬度の材質により形成された塵埃抑止手段(11)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の基板収納ケース。
- 負圧緩和手段(10)が、通気口であることを特徴とする請求項1に記載の基板収納ケース。
- 塵埃抑止手段(11)が、ケース本体(2,102)と異なる硬度の材質による硬質テープであることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板収納ケース。
- 第2の負圧緩和手段(12)が、エアコックであることを特徴とする請求項1に記載の基板収納ケース。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006273661A JP2008087847A (ja) | 2006-10-05 | 2006-10-05 | 基板収納ケース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006273661A JP2008087847A (ja) | 2006-10-05 | 2006-10-05 | 基板収納ケース |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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-
2006
- 2006-10-05 JP JP2006273661A patent/JP2008087847A/ja active Pending
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