JP2008087536A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本ステアリング装置1の操舵機構5は、ラック軸14を摺動可能に支持し長孔34を有するラックハウジング15と、ラックハウジング15に被せられて長孔34を覆う筒状のダストカバー30とを有する。ラック軸14にスライダ38が固定され、スライダ38に取付ブラケット39を介してタイロッド28が連結されている。スライダ38の凸部43がダストカバー30の孔36cを挿通する状態で、凸部43の頂部が取付ブラケット39に設けられた凹部39eの底39fに直接突き当てられている。ダストカバー30の孔36cの周縁36dは、凸部43の周囲で取付ブラケット39とスライダ38との間に挟持されている。凸部43の突出量を大きくでき、組立途中でダストカバー30が凸部43から外れ難い。ダストカバー30の破損を防止できる。
【選択図】図2
Description
上述のステアリング装置では、操舵機構は、ラック軸と、これを受ける長尺の筒状のラックハウジングとを有している。長手方向についてのラックハウジングの中間部には、長孔が形成されている。この長孔を通じて、ラック軸とタイロッドとが互いに連結されている。また、長孔は、ダストカバーにより覆われている。
そこで、本発明の目的は、ダストカバーの破損を防止でき、ひいてはボルトの緩みや破損を防止できるステアリング装置を提供することである。
また、本発明において、上記ダストカバーの上記孔の周縁は、上記凸部の周囲で取付ブラケットと連結部材との間に挟持されている場合がある。この場合、ダストカバーは、連結部材とスペーサとの間を封止できるので、異物の侵入をより一層確実に防止することができる。
図1を参照して、ステアリング装置1は、車輪2を操舵するために操舵部材としてのステアリングホイール3に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4からの操舵トルクにより車輪2を操舵するための例えばラックアンドピニオン機構からなる操舵機構5と、ステアリングシャフト4および操舵機構5の間に設けられてこの間において回転を伝達するための軸継手としての中間軸6とを有している。
操舵機構5は、入力軸としてのピニオン軸13と、自動車の左右方向X(直進方向と直交する方向である。)に延びる転舵軸としてのラック軸14と、ピニオン軸13およびラック軸14を支持するラックハウジング15とを有している。ピニオン軸13のピニオン歯13aと、ラック軸14のラック歯14aとが互いに噛み合っている。
ステアリングホイール3が操舵されると、その操舵トルクがステアリングシャフト4および中間軸6を介して操舵機構5に伝達される。回転がピニオン歯13aおよびラック歯14aによって、自動車の左右方向Xに沿ってのラック軸14の直線運動に変換される。これにより車輪2を操舵することができる。
本実施形態では、電動モータ18および減速機19は、ステアリングコラム7に関連して設けられている。
ステアリングシャフト4は、入力軸22と、出力軸23と、トーションバー24とを有している。ステアリングシャフト4の軸方向下部が、入力軸22と、出力軸23とに分割されている。入力軸22および出力軸23は、トーションバー24を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸22は、ステアリングシャフト4の軸方向上部としての連結軸25を介して、ステアリングホイール3に連なっている。出力軸23は、中間軸6を介して、ピニオン軸13に連なっている。入力軸22に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー24が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸22および出力軸23が相対回転する。
ECU17は、上述のトルク検出結果や図示しない車速センサから与えられる車速検出結果等に基づいて、電動モータ18を制御する。
操舵機構5は、上述のピニオン軸13と、ラック軸14と、ラックハウジング15と、一対のタイロッド28と、一対のタイロッド28およびラック軸14を互いに連結する連結部29と、ダストカバー30とを有している。
図1および図2を参照して、ラック軸14は、その軸長方向X1の中間部に、連結部29を取り付けるための一対の取付部31を有している。各取付部31は、連結部29の後述するスペーサ44を位置決め状態で受ける凹部31aと、凹部31aの底31bに形成されたねじ孔31cとを有している。このねじ孔31cには、連結部29の後述する固定部材41がねじ込まれている。
ラックハウジング15は、ピニオン軸13が収容されたギヤハウジング32と、ギヤハウジング32に連設された長尺の筒状の筒部33とを有している。筒部33の長手方向(ラックハウジング15の長手方向ともいう。)はラック軸14の軸長方向X1に平行に配置されている。筒部33の一方の端部が、ギヤハウジング32に固定されている。筒部33は、内部にラック軸14を収容し、ラック軸14を支持している。ラックハウジング15の長手方向に関しての筒部33の中間部は、長孔34を有している。
ダストカバー30は、一方向に延びる筒状をなしている。ダストカバー30が延びる方向(長手方向)が、ラックハウジング15の長手方向に平行に配置されている。ダストカバー30は、ラックハウジング15を周囲から取り囲むようにして、ラックハウジング15に被せられていて、ラックハウジング15の長手方向に関しての筒部33の中間部の全体を覆い、ラックハウジング15の長孔34を覆っている。なお、ダストカバー30は、少なくとも長孔34を覆っていればよい。
固定部35は、ダストカバー30の長手方向についてのダストカバー30の両端部に配置されていて、筒状に形成されている。
可動部36は、ダストカバー30の長手方向についてのダストカバー30の中央部に配置されていて、筒状に形成されている。
図3と図4を参照して、可動部36は、断面円弧状をなす湾曲部36aと、湾曲部36aの両円弧端同士を互いに接続する平坦部36bとを有している。平坦部36bは、ラックハウジング15の長孔34を通して、ラック軸14の取付部31に対向し、長孔34を覆っている。平坦部36bは、可動部36の周方向の一部に設けられていて、可動部36の筒状の内側および外側に配置された互いに平行な一対の平面と、平坦部36bを内外に貫通する一対の孔36cとを有している。
取付ブラケット39は、各タイロッド28の内端28bをラック軸14に取り付けるために設けられている。取付ブラケット39は、スライダ38に対向する基部39aと、基部39aから突出した腕部39bとを有している。
基部39aは、スライダ38に固定部材41により固定されている。基部39aは、当該基部39aを貫通した一対の挿通孔39cと、ダストカバー30に当接する平面状の当接部39dと、当接部39dから所定深さで窪んだ凹部39eとを有している。凹部39eは、円形をなしていて、内周と、底39fとを有している。凹部39eの底39fの中央に挿通孔39cが配置されている。挿通孔39cを固定部材41が挿通している。
スライダ38は、ラック軸14に固定状態で連結される第1の連結部38aと、取付ブラケット39に固定状態で連結される第2の連結部38bと、ハウジングの長孔34の内周34aに摺動自在に嵌合される摺接部38cと、取付ブラケット39に対向しダストカバー30を挟持状態で保持するための保持部38dと、固定部材41が挿通する挿通孔38eとを有している。
主体部42は、保持部38dよりもラック軸14寄りに配置されていて、ダストカバー30の可動部36の平坦部36bの内面よりも内側に配置されていて、一方向に長く形成されている。主体部42の長手方向が、ラック軸14の軸長方向X1に平行に配置されている。主体部42は、上述の第1の連結部38aと、摺接部38cと、保持部38dとを有している。
スペーサ44は、ラックハウジング15内にあるラック軸14と、ラックハウジング15外にある取付ブラケット39の基部39aとを、互いに離隔させた状態で、互いに一体に移動できるように連結している。スペーサ44は、ラック軸14寄りに配置された相対的に大径の第1の部分44aと、第1の部分44aよりも取付ブラケット39寄りに配置された相対的に小径の第2の部分44bとを有している。第1の部分44aと第2の部分44bとは、一体に形成されている。第1および第2の部分44a,44bを挿通孔38eが貫通している。
第2の部分44bは、第2の連結部38bを有している。第2の部分44bの外周面は、円筒面に形成されている。第1の部分44aとは反対側にある第2の部分44bの端部は、取付ブラケット39の凹部39eに嵌まってその底39fに当接している。
また、本実施形態では、ダストカバー30の孔36cの周縁36dは、凸部43の周囲で取付ブラケット39と連結部材45との間に挟持されている。この場合、ダストカバー30は、連結部材45とスペーサ44との間を封止できるので、異物の侵入をより一層確実に防止することができる。
例えば、上述のステアリング装置1は、操舵補助力を得る駆動源として電動モータを用いていたが、液圧アクチュエータとしての油圧パワーシリンダを利用してもよい。また、操舵補助力を得るための駆動源を、ステアリングコラム7の他、ラックハウジング15に設けてもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
Claims (4)
- ラック軸の直線変位を受けて車輪を転舵させるための一対のタイロッドを車体の左右方向の略中央位置から取り出すようにしたセンタテイクオフ型パワーステアリング装置において、
上記ラック軸を軸長方向に摺動可能に支持し、長手方向に延びる長孔を有するラックハウジングと、
ラックハウジングに被せられ、少なくとも上記長孔を覆う筒状のダストカバーと、
各タイロッドの内端をラック軸に取り付けるための取付ブラケットと、
取付ブラケットとラック軸との間に介在し、上記長孔の内周を摺動するスライダと、
取付ブラケットおよびスライダを貫通してラック軸に固定された固定部材とを備え、
スライダに設けられた凸部がダストカバーの孔を挿通する状態で、凸部の頂部が取付ブラケットに設けられた凹部の底に直接突き当てられており、
ダストカバーの孔の周縁は、上記凸部の周囲で取付ブラケットとスライダとの間に挟持されていることを特徴とするステアリング装置。 - 請求項1において、上記スライダは、各タイロッドに対応する一対のスペーサと、一対のスペーサを互いに連結し、ラックハウジングの上記長孔の内周を摺動する連結部材とを含むことを特徴とするステアリング装置。
- 請求項2において、ダストカバーの上記孔の周縁は、上記凸部の周囲で取付ブラケットと連結部材との間に挟持されていることを特徴とするステアリング装置。
- 請求項3において、
上記凸部は、各スペーサに設けられ、
上記連結部材は、各スペーサの凸部を挿通させる一対の挿通孔を有し、
各スペーサの凸部は、連結部材の対応する挿通孔を通して連結部材から突出していることを特徴とするステアリング装置。
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