JP4900679B2 - センターテイクオフ型ステアリング装置 - Google Patents
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Description
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、ラック軸の回り止めを安価に達成することのできるセンターテイクオフ型ステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、ラック軸の軸方向ストロークを規制するためのラックストッパを、ラック軸の回り止めとしても用いることができる。専用の回り止め部材を別途設ける必要がなく、部品点数を少なくしてコスト安価にできる。
また、本発明において、上記収容室(42)の内周面(44a)およびラックストッパ(43)の外周面(53)のそれぞれの断面は、長孔形状を含む場合がある(請求項3)。この場合、ラックストッパを回動しようとする力が作用したときに、収容室の内周面がラックストッパを受けることができ、ラックストッパの回動を確実に規制できる。その結果、ラック軸の回動を確実に規制できる。
図1は、本発明の一実施の形態にかかるセンターテイクオフ型ステアリング装置としての電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図2は、図1のII−II線に沿う要部の断面図である。
図1および図2を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結されているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結されている中間軸5と、この中間軸5に自在継手6を介して連結されているピニオン軸7aと、ピニオン軸7aの先端部に設けられたピニオン歯部7bに噛み合うラック9を形成して車両の幅方向Aに延びるラック軸10とを有している。
連結部材12は、ラック軸10の径方向に張り出した張出部14を含んでいる。張出部14は、球面継手等からなる一対の継手15を介して一対のタイロッド11の対応する一端部11aとそれぞれ連結されている。各タイロッド11は、上記中央位置A1から延びており、各タイロッド11の他端部11bが、対応するナックルアーム16を介して対応する転舵輪13にそれぞれ連結されている。
トーションバー19の近傍には、トーションバー19のねじれに起因する第1の操舵軸17と第2の操舵軸18との相対回転変位量を検出するトルクセンサ20が設けられている。このトルクセンサ20の検出信号は、制御部21に与えられる。
第2の操舵軸18に伝えられた動力は、さらに中間軸5等を介して、上記ラック軸10、タイロッド11およびナックルアーム16を含む舵取り機構26に伝えられ、運転者の操舵が補助される。
サポートヨーク33は、ラック軸10を当該ラック軸10の軸方向Sに摺動自在に支持するための凹面部33aを有しており、この凹面部33aに沿うように、低摩擦の摺接板46が取り付けられている。摺接板46の形状は、ラック軸10のラック9の背面10cの形状と合致している。摺接板46とラック軸10の背面10cとが互いに摺接している。
図1を参照して、ハウジング27の一端部27aの内周面36には、筒状のラックブッシュ37が嵌合保持されている。ラックブッシュ37は、ラック軸10を軸方向Sに摺動自在に支持するものであり、例えば、合成樹脂を用いて形成されている。
ハウジング27の一端部27aから、ラック軸10の一端部10aを含む一部が突出しており、ラック軸10がハウジング27に片持ち支持されている。この突出した一端部10aに、連結部材12等を介してタイロッド11,11が接続されている。
ラック軸10の一端部10aには、連結部材12に隣接してラックストッパ41が外嵌固定されている。このラックストッパ41は、例えば、合成樹脂を用いて形成されている。ラック軸10がハウジング27の他端部27b側にストロークして、ラックストッパ41がストッパ38に当接することにより、ラック軸10の軸方向一方へのストロークが規制される。
図3は、ハウジング27の他端部27bの周辺の断面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。図3および図4を参照して、収容室42内には、ラックストッパ43が収容されている。このラックストッパ43は、ラック軸10の他端部10bに外嵌固定されてラック軸10に対する軸方向移動および相対回転が規制されており、ラック軸10と一体に移動する。ラックストッパ43の軸方向Sへの移動は、ハウジング27の中間部27cの内周面44によって案内される。
環状段部44cは、内周面44のうちラック軸10の径方向Rに細長い第1の部分44aと、円形の第2の部分44bとの間に形成されており、収容室42に対向している。内周面44の第1の部分44aによって収容室42が区画されており、第1の部分44aが収容室42の内周面となる。
ラックストッパ43の一側面45には、嵌合凹部47が形成されており、嵌合凹部47がラック軸10の他端部10bに嵌合されている。ラックストッパ43とラック軸10とを締結する締結手段としてのねじ48が、ラックストッパ43の貫通孔49を貫通し、ラック軸10のねじ孔50に螺合している。
本実施の形態の特徴とするところは、収容室42の内周面44およびラックストッパ43の外周面53の間に、ラック軸10の回り止め機構が設けられている点にある。
各平坦部54,55は、それぞれ、1または複数設けられている。本実施の形態において、各平坦部54,55は、それぞれ、ラック軸10の周方向Cに関して等間隔に2箇所設けられている。各平坦部54,55は、軸方向Sに延びている。
上記第1の部分44aと外周面53との間には、ラックストッパ43とハウジング27との接触の衝撃を緩和する緩衝部材としての弾性部材56が介在している。弾性部材56は、例えばゴム等を用いて環状に形成されたOリングを含み、ラックストッパ43の外周面53に保持されている。弾性部材56と内周面44の第1の部分44aとは軸方向Sに摺動可能に接触している。
図1を参照して、以上の概略構成を有する電動パワーステアリング装置1において、各転舵輪13,13からタイロッド11、連結部材12等を介してラック軸10の一端部10aにモーメントが生じると、ラック軸10がその軸線回りに回動しようとする。このとき、図4に示すように、ラックストッパ43の外周面53は、弾性部材56を介してハウジング27の第1の部分44aに弾性的に受けられ、ラックストッパ43およびラック軸10の回動が規制される。
また、環状段部44cとラックストッパ43との当接により、ラック軸10の軸方向他方へのストロークを規制することができる。
また、例えば、ラック軸とタイロッドとを連結するための連結部材からボルトを延ばし、このボルトをハウジングに形成した長孔に挿通してラック軸に結合し、ボルトに外嵌した筒状のカラーが長孔内を移動するようにした、いわゆるスライダ構造を採用し、カラーと長孔の周面との当接によりラック軸の回動を規制することも考えられる。しかしながら、この場合、連結部材を挟んだ両側に、長孔を覆うダストブーツを設ける必要がある等、部品点数が多くなってしまう。
また、例えば、サポートヨークとラック軸との互いの摺動部分の断面をV形形状やY型形状にし、サポートヨークによってラック軸の回り止めをすることも考えられる。しかしながら、この場合、ラック軸にモーメントが作用したときに、サポートヨークとラック軸と間に打撃音(コトコト音)が生じて騒音の原因となる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、ラックストッパ43の外周面53およびハウジング27の内周面44の第1の部分44aのそれぞれの断面形状は、図4に示す長孔形状に限らず、図5に示すD形形状等でもよい。これら外周面53および内周面44の第1の部分44aのそれぞれの断面形状は、ラック軸10の回動に伴いラックストッパ43の外周面53が第1の部分44aに受けられる構成であればよい。
Claims (5)
- 操舵部材に連動して回転するピニオンの回転を車両の幅方向に延びるラック軸の直線変位に変換し、この直線変位を受けて車輪を転舵するためのタイロッドを車両の幅方向の中央位置から延ばすようにしたセンターテイクオフ型ステアリング装置において、
上記ラック軸を取り囲む筒状のハウジングと、
このハウジングに設けられた収容室に収容され、ラック軸に対する軸方向移動および相対回転が規制されたラックストッパとを備え、
このラックストッパは、上記収容室の内周面によって案内されつつ、ラック軸と共に移動してハウジングの所定部に当接することにより、ラック軸の軸方向ストロークを規制し、
上記収容室の内周面およびラックストッパの外周面の間に、ラック軸の回り止め機構を設けたことを特徴とするセンターテイクオフ型ステアリング装置。 - 請求項1において、上記ハウジングの上記所定部は、ハウジングの内周に設けられ上記収容室に対向する環状段部を含むことを特徴とするセンターテイクオフ型ステアリング装置。
- 請求項1または2において、上記収容室の内周面およびラックストッパの外周面のそれぞれの断面は、長孔形状を含むことを特徴とするセンターテイクオフ型ステアリング装置。
- 請求項1または2において、上記回り止め機構は、上記収容室の内周面およびラックストッパの外周面にそれぞれ設けられ、互いに対向してラック軸の軸方向に延びる平坦部を含むことを特徴とするセンターテイクオフ型ステアリング装置。
- 請求項1〜4の何れか1項において、上記ハウジングは、軸方向に関して第1および第2の端部を有し、
上記第1の端部からラック軸の一部が突出し、その突出した一部にタイロッドが接続され、
上記収容室は、ハウジングにおいてピニオンに対応する部分と第2の端部との間に配置されていることを特徴とするセンターテイクオフ型ステアリング装置。
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