JP2008087340A - 補正値決定方法、補正値決定装置、及び、プログラム - Google Patents

補正値決定方法、補正値決定装置、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】安定して媒体が搬送される部分に対応する補正値とそうでない部分に対応する補正値とでその求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めること
【解決手段】提供される補正値決定方法は、媒体の搬送量を確認するための第1パターンをヘッドに記録させるステップと、第1パターンに基づいて、第1の補正値を求めるステップと、を含む。また、第1の補正値を用いて目標搬送量の補正を行って媒体を搬送させつつ、媒体の搬送量を確認するための第2パターンをヘッドに記録させるステップと、第2パターンに基づいて、第2の補正値を求めるステップと、を含む。さらに、媒体がヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方と、媒体がローラに進入するとき以外の相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方とを異ならせて、目標搬送量の補正値を決めるステップと、を含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、補正値決定方法、補正値決定装置、及び、プログラムに関する。
媒体(例えば紙や布など)を搬送方向に搬送するとともにヘッドにより媒体に記録を行う記録装置として、インクジェットプリンタが知られている。このような記録装置では、媒体を搬送する際に搬送誤差が生じると、媒体上の正しい位置にヘッドが記録できなくなる。特に、インクジェットプリンタでは、媒体上の正しい位置にインク滴が着弾しなくなると、印刷された画像に白スジや黒スジが生じ、画質が劣化するおそれがある。
そこで、媒体の搬送量を補正する方法が提案されている。例えば特許文献1では、テストパターンを印刷し、このテストパターンを読み取り、読取結果に基づいて補正値を算出し、画像を記録する際に補正値に基づいて搬送量を補正することが提案されている。
特開平5−96796号公報 特開2003−11345号公報
ところで、媒体の各位置において搬送量を補正するには、媒体の各位置に対応する補正値を予め求めておく必要がある。この補正値を求める際、媒体を実際に搬送させるが、安定して搬送される部分と安定して搬送されない部分とがある。安定して搬送される部分では、搬送誤差が毎回同じ量だけ発生するのに対して、安定して搬送されない部分では発生する搬送誤差の量が一定しない。よって、安定して搬送される部分に適用される補正値と安定して搬送されない部分に適用される補正値とでは、それぞれ異なる手法を用いた方がより良好な補正値を得られる場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、安定して媒体が搬送される部分に対応する補正値とそうでない部分に対応する補正値とでその求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して媒体を搬送方向に搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第1パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正を行うステップと、
を含む搬送量補正方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して媒体を搬送方向に搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第1パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正を行うステップと、
を含む搬送量補正方法。
このようにすることで、安定して媒体が搬送される部分に適用される補正値とそうでない部分に適用される補正値とで求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めることができる。
かかる搬送量補正装置であって、前記目標搬送量の補正値を決めるステップにおいて、前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記目標搬送量の補正値として前記第1の補正値と第2の補正値との和を用いることが望ましい。また、前記目標搬送量の補正値を決めるステップにおいて、前記ローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記目標搬送量の補正値として、前記第1の補正値と、前記第1の補正値と前記第2の補正値との和と、の中間に存在する値を用いることが望ましい。また、前記目標搬送量の補正値を決めるステップにおいて、前記ローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記目標搬送量の補正値として、前記第1の補正値と、前記第1の補正値と前記第2の補正値との和と、の中間値を用いることが望ましい。また、前記目標搬送量の補正値を決めるステップは、前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の上流側に設けられたローラから外れるときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記上流側に設けられたローラから外れるとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正値を決めることを、さらに含むことが望ましい。
また、前記媒体が前記上流側に設けられたローラから外れるとき、及び、前記下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置は、前記上流側に設けられたローラと前記下流側に設けられたローラとの位置の関係から予め決められていることが望ましい。また、前記媒体が前記上流側に設けられたローラから外れるときと、前記下流側に設けられたローラに進入するときとで前記相対位置に対応付けられた前記第1の補正値と前記第2の補正値の用い方が同じであることが望ましい。
このようにすることで、安定して媒体が搬送される部分に適用される補正値とそうでない部分に適用される補正値とで求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めることができる。
(A)媒体の搬送量を確認するための第1パターンに基づいて、媒体を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値と、
前記第1の補正値に基づいて前記媒体を搬送させつつ記録された第2のパターンであって、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンに基づいて、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値と、
を記憶するメモリと、
(B)前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正値を決める演算部と、
を備える補正値決定装置。
このようにすることで、安定して媒体が搬送される部分に適用される補正値とそうでない部分に適用される補正値とで求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めることができる。
搬送量補正装置を動作させるためのプログラムであって、
目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して媒体を搬送方向に搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第1パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正を行うステップと、
を前記搬送量補正装置に行わせるプログラム。
このようにすることで、安定して媒体が搬送される部分に適用される補正値とそうでない部分に適用される補正値とで求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めることができる。
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図1は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。以下、プリンタの基本的な構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、紙Sをプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
なお、搬送ローラ23が紙Sを搬送するとき、紙Sは搬送ローラ23と従動ローラ26との間に挟まれている。これにより、紙Sの姿勢が安定する。一方、排紙ローラ25が紙Sを搬送するとき、紙Sは排紙ローラ25と従動ローラ27との間に挟まれている。尚、ここでは、従動ローラ27を便宜上、「ギザローラ」と呼ぶ。ギザローラ27は、用紙と接する部分がのこぎりの歯のように凹凸が交互に並ぶように構成され、かつ、厚みがうすいローラである(図4)。このようにすることによって、印刷面に対する接触面積を小さくして、ローラに転写されたインクで用紙全体を汚さないようになっている。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<ノズルについて>
図3は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを90個備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが90dpi(1/90インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=8である。
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯90)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯90よりも搬送方向の下流側に位置している。なお、前述の光学センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯90とほぼ同じ位置にある。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
===搬送誤差===
<紙の搬送について>
図4は、搬送ユニット20の構成の説明図である。
搬送ユニット20は、コントローラ60からの搬送指令に基づいて、所定の駆動量にて搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。搬送モータ22は、この駆動力を用いて搬送ローラ23を回転させる。つまり、搬送モータ22が所定の駆動量を発生すると、搬送ローラ23は所定の回転量にて回転する。搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、紙は所定の搬送量にて搬送される。
紙の搬送量は、搬送ローラ23の回転量に応じて定まる。本実施形態では、搬送ローラ23が1回転すると、紙が1インチ搬送されるものとする(つまり、搬送ローラ23の周長は、1インチである)。このため、搬送ローラ23が1/4回転すると、紙が1/4インチ搬送される。
したがって、搬送ローラ23の回転量が検出できれば、紙の搬送量も検出可能である。そこで、搬送ローラ23の回転量を検出するため、ロータリー式エンコーダ52が設けられている。
ロータリー式エンコーダ52は、スケール521と検出部522とを有する。スケール521は、所定の間隔毎に設けられた多数のスリットを有する。このスケール521は、搬送ローラ23に設けられている。つまり、スケール521は、搬送ローラ23が回転すると、一緒に回転する。そして、搬送ローラ23が回転すると、スケール521の各スリットが検出部522を順次通過する。検出部522は、スケール521と対向して設けられており、プリンタ本体側に固定されている。ロータリー式エンコーダ52は、スケール521に設けられたスリットが検出部522を通過する毎に、パルス信号を出力する。搬送ローラ23の回転量に応じてスケール521に設けられたスリットが順次検出部522を通過するので、ロータリー式エンコーダ52の出力に基づいて、搬送ローラ23の回転量が検出される
そして、例えば搬送量1インチで紙を搬送する場合、搬送ローラ23が1回転したことをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、コントローラ60が搬送モータ22を駆動する。このように、コントローラ60は、目標とする搬送量(目標搬送量)に応じた回転量になることをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、搬送モータ22を駆動して、紙を目標搬送量にて搬送する。
<搬送誤差について>
ところで、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には搬送ローラ23の回転量を検出するのであって、厳密にいえば、紙Sの搬送量を検出していない。このため、搬送ローラ23の回転量と紙Sの搬送量が一致しない場合、ロータリー式エンコーダ52は紙Sの搬送量を正確に検出することができず、搬送誤差(検出誤差)が生じる。搬送誤差としては、DC成分の搬送誤差及びAC成分の搬送誤差の2種類がある。
DC成分の搬送誤差とは、搬送ローラが1回転したときに生じる所定量の搬送誤差のことである。このDC成分の搬送誤差は、製造誤差等によって搬送ローラ23の周長が個々のプリンタ毎に異なることが原因と考えられる。つまり、DC成分の搬送誤差は、設計上の搬送ローラ23の周長と実際の搬送ローラ23の周長が異なるために生じる搬送誤差である。このDC成分の搬送誤差は、搬送ローラ23が1回転するときの開始位置に関わらず、一定になる。但し、実際のDC成分の搬送誤差は、紙の摩擦等の影響によって、紙の総搬送量に応じて異なる値になる(後述)。言い換えると、実際のDC成分の搬送誤差は、紙Sと搬送ローラ23(又は紙Sとヘッド41)との相対位置関係に応じて異なる値になる。
AC成分の搬送誤差とは、搬送時に用いられる搬送ローラの周面の場所に応じた搬送誤差のことである。AC成分の搬送誤差は、搬送時に用いられる搬送ローラの周面の場所に応じて、異なる量になる。つまり、AC成分の搬送誤差は、搬送開始時の搬送ローラの回転位置と搬送量に応じて、異なる量になる。
図5は、AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。横軸は、基準となる回転位置からの搬送ローラ23の回転量である。縦軸は、搬送誤差を示す。このグラフを微分すれば、その回転位置で搬送ローラが搬送しているときに生じる搬送誤差が導き出される。ここでは、基準位置における累積搬送誤差をゼロとし、DC成分の搬送誤差もゼロとしている。
搬送ローラ23が基準位置から1/4回転すると、δ_90の搬送誤差が生じ、紙は1/4インチ+δ_90にて搬送される。但し、搬送ローラ23が更に1/4回転すると、-δ_90の搬送誤差が生じ、紙は1/4インチ−δ_90にて搬送される。
AC成分の搬送誤差が生じる原因としては、例えば、以下の3つが考えられる。
まず第1に、搬送ローラの形状による影響が考えられる。例えば、搬送ローラが楕円形状や卵型である場合、搬送ローラの周面の場所に応じて、回転中心までの距離が異なっている。そして、回転中心までの距離が長い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が多くなる。一方、回転中心までの距離が短い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が少なくなる。
第2に、搬送ローラの回転軸の偏心が考えられる。この場合も、搬送ローラの周面の場所に応じて、回転中心までの長さが異なっている。このため、たとえ搬送ローラの回転量が同じであっても、搬送ローラの周面の場所に応じて、搬送量が異なることになる。
第3に、搬送ローラの回転軸と、ロータリー式エンコーダ52のスケール521の中心との不一致が考えられる。この場合、スケール521が偏心して回転することになる。この結果、検出部522が検出するスケール521の場所に応じて、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が異なることになる。例えば、検出されるスケール521の場所が搬送ローラ23の回転軸から離れている場合、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が少なくなるため、搬送量が少なくなる。一方、検出されるスケール521の場所が搬送ローラ23の回転軸から近い場合、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が多くなるため、搬送量が多くなる。
上記の原因のため、AC成分の搬送誤差は、図5に示す通り、ほぼサインカーブになる。
<本実施形態で補正する搬送誤差>
図6は、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)の大きさの紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。グラフの横軸は、紙の総搬送量を示している。グラフの縦軸は、搬送誤差を示している。図中の点線は、DC成分の搬送誤差のグラフである。図中の実線の値(トータルの搬送誤差)から図中の点線の値(DC成分の搬送誤差)を引けば、AC成分の搬送誤差が求められる。AC成分の搬送誤差は、紙の総搬送量に関わらず、ほぼサインカーブになる。一方、点線で示されるDC成分の搬送誤差は、紙の摩擦等の影響によって、紙の総搬送量に応じて異なる値になる。
既に説明したように、AC成分の搬送誤差は、搬送ローラ23の周面の場所に応じて異なる。このため、たとえ同じ紙を搬送する場合であっても、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なれば、AC成分の搬送誤差が異なるため、トータルの搬送誤差(グラフの実線で示す搬送誤差)は異なることになる。これに対し、DC成分の搬送誤差はAC成分の搬送誤差とは異なり搬送ローラの周面の場所とは無関係なので、たとえ搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なっていても、搬送ローラ23が1回転したときに生じる搬送誤差(DC成分の搬送誤差)は同じになる。
また、AC成分の搬送誤差を補正しようとする場合、コントローラ60は、搬送ローラ23の回転位置を検出する必要がある。しかし、搬送ローラ23の回転位置を検出するためには、ロータリー式エンコーダ52に原点センサを更に用意する必要があり、コストアップとなる。
そこで、以下に示す本実施形態の搬送量の補正では、DC成分の搬送誤差を補正することにしている。
一方、DC成分の搬送誤差は、紙の総搬送量(言い換えると、紙Sと搬送ローラ23との相対位置関係)に応じて異なる値になる(図6の点線参照)。このため、より多くの補正値を搬送方向の位置に応じて用意できれば、きめ細かく搬送誤差を補正することができる。そこで、本実施形態では、搬送ローラ23の1回転分に相当する1インチの範囲ごとではなく、1/4インチの範囲ごとに、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値を用意している。
ところで、プリンタのローラの配置の関係で、用紙Sには安定して搬送される部分と、安定して搬送されない部分とがある。ここで、安定して搬送される部分とは、用紙Sの搬送時に毎回同じ搬送誤差を生じる箇所である。一方、安定して搬送されない部分とは、用紙Sの搬送時に毎回搬送誤差が異なる部分である。
図7は、用紙Sの搬送時に安定して搬送される部分と、安定して搬送されない部分の搬送誤差を示す図である。図7の縦軸は、搬送誤差であり、横軸は用紙Sの総搬送量に対応する位置である。用紙S全域にわたって安定して搬送することができる場合、図の実線のような搬送誤差が毎回発生する。しかしながら、複数回搬送誤差を取得すると、ある特定の位置において、図の破線のような搬送誤差を生ずることがある。この位置は、用紙Sがギザローラ27に突入するときに対応する部分と、用紙Sが搬送ローラから外れるときに対応する部分である。
図8Aは、用紙がギザローラ27に突入するときにおける状態Aを示す図であり、図8Bは、用紙がギザローラ27に突入するときにおける状態Bを示す図である。図8Aを参照すると、ギザローラ27の歯と歯の間の谷部に用紙が突入している。一方、図8Bを参照すると、用紙の突入時にギザローラ27の歯の頂部に接触するように突入している。このように、ギザローラ27の歯の位置によって、用紙S先端の突入時のローラに対する接触の仕方が異なっている。このように、ギザローラ27の歯の頂部に接触しながら進入するときと、底部に接触しながら進入するときとでは、用紙に加わる力が異なり、その影響で対応する搬送誤差が毎回異なることとなる。
図9Aは、搬送ローラから用紙が外れる前の状態を示す図であり、図9Bは、搬送ローラから用紙が外れる瞬間の状態を示す図である。搬送ローラと対をなす従動ローラは、ゴムなどの弾性体でできている。よって、図9Aに示すように用紙Sを搬送しているときにおいて、搬送ローラと従動ローラとの間に挟み込まれた用紙Sには弾性力により圧縮される力が加わっている。前述の通り、従動ローラは弾性体でできていることから、図9Bに示すように搬送ローラと従動ローラから用紙Sが外れる瞬間、用紙Sを搬送方向にはじき飛ばすような力が生ずる。用紙Sをはじき飛ばす力は毎回異なり、この影響で対応する搬送誤差が毎回異なることとなる。
本実施形態では、搬送誤差が毎回同じ値に定まらないような相対的な位置における搬送においてもある程度良好な搬送量補正を行えるように、次のようにして補正値を求めることとしている。
===概略説明===
図10は、搬送量を補正するための補正値を決定するまでのフローチャートである。図11A〜図11Cは、補正値を決定するまでのデータの流れを説明するための図である。これらの処理は、プリンタ製造工場の検査工程において行われる。この処理に先立って、検査者は、組み立て完了後のプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150も接続されており、プリンタドライバ、スキャナドライバ等が予めインストールされている。
まず、コンピュータ110は、印刷データをプリンタ1に送信する。すると、プリンタ1は、テストシートTSに測定用パターン(第1パターン)を印刷する(S102、図11A)。次に、検査者はテストシートTSをスキャナ150にセットする。そして、スキャナドライバはスキャナ150に測定用パターンを読み取らせ、画像データをコンピュータ110に送る(図11B)。コンピュータ110は、送られた画像データに基づいて第1の補正値を求める。コンピュータ110は、補正データをプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ63に第1の補正値を記憶させる(S104、図11C)。
次に、コンピュータ110は、印刷データをプリンタ1に送信する。そして、プリンタ1は、第1の補正値を用いて再度測定用パターン(第2パターン)を印刷する(S106、図11A)。次に、検査者はこのテストシートTSをスキャナ150にセットする。そして、スキャナドライバは、スキャナ150に測定用パターンを読みとらせ、画像データをコンピュータ110に送る(図11B)。コンピュータ110は、送られた画像データに基づいて第2の補正値を求める。コンピュータ110は、第1の補正値と第2の補正値とに基づいて、補正値(最終補正値)を求める(S110)。この補正値は、プリンタ1のメモリ63に記憶される(図11C)。プリンタに記憶される補正値は、個々のプリンタの搬送特性を反映したものとなる。
尚、補正値を記憶したプリンタ1は、ユーザの下に届けられる。そして、ユーザがプリンタ1で画像を印刷する際に、プリンタ1は、補正値に基づいて用紙を搬送し、用紙に画像を印刷する。
上述のように、補正値の算出を2回行ったのは、次の理由からである。まず、第1の補正値を求め、これを搬送時に適用することにより、安定して搬送される部分に対応する搬送誤差についてその大部分を除去することができる。次に、第1の補正値を適用しつつ搬送を行い第2の補正値を求める。そして、第1の補正値と第2の補正値との和を用いることで、さらに搬送量補正の精度を高めることができる。
一方、安定して搬送されない部分に対応する第1の補正値は、不確定な搬送誤差に基づいて求められた補正値である。また、安定して搬送されない部分に対応する第2の補正値も第1の補正値と同様に不確定な搬送誤差に基づいて求められた補正値となっている。そこで、安定して搬送されない部分に対応する補正値については、第1の補正値と、第1の補正値と第2の補正値の和と、の中間値を採用する。このようにすることで、安定して搬送されない部分に対応する補正値については、不確定な搬送誤差に基づいて求められた補正値を平均化して使用することとなる。そして、安定して搬送されない部分に対応する補正値として、平均的に発生するであろう搬送誤差を取り除くような補正値を採用することとしている。
===測定用パターンの印刷(S102)===
まず、測定用パターンの印刷について説明する。通常の印刷と同様に、プリンタ1は、移動中のノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、紙を搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、測定用パターンを紙に印刷する。なお、以下の説明では、ドット形成処理のことを「パス」と呼び、n回目のドット形成処理のことを「パスn」と呼ぶ。
図12は、測定用パターンの印刷の様子の説明図である。測定用パターンの印刷されるテストシートTSの大きさは、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)である。
図中の右側には、テストシートTSに印刷される測定用パターンが示されている。図中の左側の長方形は、各パスにおけるヘッド41の位置(テストシートTSに対する相対位置)が示されている。説明の都合上、ヘッド41がテストシートTSに対して移動しているように描かれているが、同図はヘッドとテストシートTSとの相対的な位置関係を示すものであって、実際にはテストシートTSが搬送方向に間欠的に搬送されている。
テストシートTSが搬送されると、テストシートTSの上端が排紙ローラ25を通過する。テストシートTSの上端が排紙ローラ25を通過するときに最上流ノズル#90と対向するテストシートTSの位置が、上端側の「NIPライン」として図中に点線で示されている。つまり、図中において、ヘッド41が上端側のNIPラインよりも下にあるパスでは、排紙ローラ25とギザローラ27との間でテストシートTSが挟まれた状態(「NIP状態」という)で印刷が行われる。また、図中において、ヘッド41が上端側のNIPラインよりも上にあるパスでは、排紙ローラ25とギザローラ27との間にテストシートがない状態(搬送ローラ23と従動ローラ26だけでテストシートTSを搬送する状態であり「非NIP状態」ともいう)で、印刷が行われる。
さらに、テストシートTSが搬送され続けると、テストシートTSの下端が搬送ローラ23を通過する。テストシートTSの下端が搬送ローラ23を通過する時に最上流ノズル♯90と対向するテストシートTSの位置が、下端側の「NIPライン」として図中に点線で示されている。つまり、図中においてヘッド41が下端側のNIPラインよりも上にあるパスでは、搬送ローラ23と従動ローラ26との間でテストシートTSが挟まれた状態(NIP状態)で、印刷が行われる。また、図中において、ヘッド41がNIPラインよりも下にあるパスでは、搬送ローラ23と従動ローラ26との間にテストシートTSがない状態(排紙ローラ25と従動ローラ27だけでテストシートTSを搬送する状態であり、これも「非NIP状態」という)で、印刷が行われる。
測定用パターンは、識別コードと、複数のラインとから構成される。
識別コードは、個々のプリンタ1をそれぞれ識別するための個体識別用の記号である。この識別コードは、S104及びS108において測定用パターンが読み取られるときに一緒に読み取られ、OCRによる文字認識によって、コンピュータ110に識別される。
各ラインは、いずれも移動方向に沿って形成されている。上端側から順にi番目のラインのことを「Li」と呼ぶ。特定のラインは、他のラインよりも長く形成されている。例えば、ラインL1、ラインL13、及び、ラインL22は、他のラインと比べて、長く形成されている。これらのラインは、以下のようにして形成される。
まず、テストシートTSが所定の印刷開始位置まで搬送された後、パス1において、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインL1が形成される。パス1の後、コントローラ60は、搬送ローラ23を1/4回転させて、テストシートTSを約1/4インチだけ搬送する。搬送後、パス2において、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインL2が形成される。以下、同様の動作が繰り返し行われ、約1/4インチ間隔でラインL1〜ラインL22が形成される。このように、ラインL1〜ラインL22は、ノズル♯1〜ノズル♯90のうちの最上流ノズル♯90により形成される。なお、ラインL1〜ラインL22はノズル♯90のみによって形成されるが、識別コードを印刷するパスでは、識別コードを印刷する際に、ノズル♯90以外のノズルも用いられる。
ところで、テストシートTSの搬送が理想的に行われた場合、ラインL1〜ラインL22におけるライン同士の間隔は、ちょうど1/4インチになるはずである。しかし、搬送誤差があると、ライン間隔は1/4インチにならない。仮に理想的な搬送量よりも多くテストシートTSが搬送されると、ライン間隔は広がる。逆に、理想的な搬送量よりも少なくテストシートTSが搬送されると、ライン間隔が狭まる。つまり、ある2つのラインの間隔は、一方のラインが形成されるパスと他方のラインが形成されるパスとの間に行われる搬送処理での搬送誤差を反映している。このため、2つのラインの間隔を測定すれば、一方のラインが形成されるパスと他方のラインが形成されるパスとの間に行われる搬送処理での搬送誤差を測定することが可能になる。
===第1補正値決定処理(S104)===
図13は、第1の補正値決定処理を説明するためのフローチャートである。以下に、補正値決定処理における各処理について説明する。
<<測定用パターンと基準パターンの読み取り(S112)>>
<スキャナの構成>
まず、測定用パターンの読み取りに用いられるスキャナ150の構成について説明する。
図14Aは、スキャナ150の縦断面図である。図14Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
スキャナ150は、上蓋151と、原稿5が置かれる原稿台ガラス152と、この原稿台ガラス152を介して原稿5と対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ153と、読取キャリッジ153を副走査方向に案内する案内部154と、読取キャリッジ153を移動させるための移動機構155と、スキャナ150内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。読取キャリッジ153には、原稿5に光を照射する露光ランプ157と、主走査方向(図14Aにおいて紙面に垂直な方向)のラインの像を検出するラインセンサ158と、原稿5からの反射光をラインセンサ158へ導くための光学系159とが設けられている。図中の読取キャリッジ153の内部の破線は、光の軌跡を示している。
原稿5の画像を読み取るとき、操作者は、上蓋151を開いて原稿5を原稿台ガラス152に置き、上蓋151を閉じる。そして、スキャナコントローラが、露光ランプ157を発光させた状態で読取キャリッジ153を副走査方向に沿って移動させ、ラインセンサ158により原稿5の表面の画像を読み取る。スキャナコントローラは、読み取った画像データをコンピュータ110のスキャナドライバへ送信し、これにより、コンピュータ110は、原稿5の画像データを取得する。
<読み取り位置精度>
後述するように、本実施形態ではスキャナ150は、テストシートTSの測定用パターンと基準シートの基準パターンとを、720dpi(主走査方向)×720dpi(副走査方向)の解像度で読み取る。このため、以下の説明では、720×720dpiの解像度で画像を読み取ることを前提にして説明を行う。
図15は、スキャナの読み取り位置の誤差のグラフである。グラフの横軸は、読み取り位置(理論値)を示している(すなわち、グラフの横軸は、読取キャリッジ153の位置(理論値)を示している)。グラフの縦軸は、読み取り位置の誤差(読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置との差)を示している。例えば、読取キャリッジ153を1インチ(=25.4mm)移動させると、約60μmの誤差が生じることになる。
仮に、読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置が一致していれば、基準位置(読み取り位置がゼロの位置)を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、基準位置からちょうど1インチ離れた位置の画像を示すはずである。しかし、グラフに示すような読み取り位置の誤差が生じた場合、基準位置を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、基準位置から1インチ離れた位置よりも60μmだけ更に離れた位置の画像を示すことになる。
また、仮に、グラフの傾きがゼロであれば、1/720インチ毎に等間隔に、画像が読み取られるはずである。しかし、グラフの傾きがプラスの位置では、1/720インチよりも長い間隔で画像が読み取られることになる。また、グラフの傾きがマイナスの位置では、1/720インチよりも短い間隔で画像が読み取られることになる。
この結果、仮に測定用パターンのラインが等間隔に形成されたとしても、読み取り位置の誤差がある状態では、画像データ上のラインの画像が等間隔にならない。このように、読み取り位置の誤差がある状態では、測定用パターンを単に読み取っただけでは、ラインの位置を正確に計測することができない。
そこで、本実施形態では、テストシートTSをセットして測定用パターンをスキャナに読み取らせる際に、基準シートをセットして基準パターンも読み取らせている。
<測定用パターンと基準パターンの読み取り>
図16Aは、基準シートSSの説明図である。図16Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。
基準シートSSの大きさは10mm×300mmであり、基準シートSSは長細い形をしている。基準シートSSには、基準パターンとして36dpi間隔にて多数のラインが形成されている。基準シートSSは繰り返し使用されるため、紙ではなく、PETフィルムから構成される。また、基準パターンは、レーザー加工により、高精度に形成されている。
不図示の治具を用いることによって、テストシートTS及び基準シートSSは、原稿台ガラス152上の所定の位置にセットされる。基準シートSSは、長辺がスキャナ150の副走査方向に平行になるように、すなわち基準シートSSの各ラインがスキャナ150の主走査方向に平行になるように、原稿台ガラス152上にセットされる。この基準シートSSの横に、テストシートTSがセットされる。テストシートTSは、長辺がスキャナ150の副走査方向に平行になるように、すなわち測定用パターンの各ラインが主走査方向に平行になるように、原稿台ガラス152上にセットされる。
このようにテストシートTSと基準シートSSをセットした状態で、スキャナ150は、測定用パターンと基準パターンを読み取る。このとき、読み取り位置の誤差の影響のため、読取結果における測定用パターンの画像は実際の測定用パターンと比べて歪んだ画像になる。同様に、基準パターンの画像も実際の基準パターンと比べて歪んだ画像になる。
なお、読取結果における測定用パターンの画像は、読み取り位置の誤差の影響だけではなく、プリンタ1の搬送誤差の影響も受けている。一方、基準パターンはプリンタの搬送誤差とは何も関わりなく等間隔にて形成されているので、基準パターンの画像は、スキャナ150の読み取り位置の誤差の影響を受けているが、プリンタ1の搬送誤差の影響は受けていない。
そこで、コンピュータ110は、測定用パターンの画像に基づいて補正値を算出する際に、基準パターンの画像に基づいて、測定用パターンの画像における読み取り位置の誤差の影響をキャンセルさせる。
<<補正値算出処理(S114)>>
補正値の算出の説明の前に、スキャナ150から取得した画像データについて説明する。画像データは、複数の画素データから構成されている。各画素データは、対応する画素の階調値を示している。スキャナの読み取り誤差を無視すれば、各画素は1/720インチ×1/720インチの大きさに相当する。このような画素を最小構成単位として画像(ディジタル画像)が構成されており、画像データは、このような画像を示すデータになっている。
図17は、S114における補正値算出処理のフローチャートである。この補正値算出処理は、コンピュータ110が所定のプログラムを実行することにより行われる。
<画像の分割(S131)>
まず、コンピュータ110は、スキャナ150から取得した画像データの示す画像を2つに分割する(S131)。
図18は、画像の分割(S131)の説明図である。図中の左側には、スキャナから取得した画像データの示す画像が描かれている。図中の右側には、分割された画像が描かれている。以下の説明において、図中の左右方向(水平方向)をx方向と呼び、図中の上下方向(垂直方向)をy方向と呼ぶ。基準パターンの画像における各ラインはx方向にほぼ平行であり、測定用パターンの画像における各ラインはy方向にほぼ平行である。
コンピュータ110は、読取結果の画像から所定の範囲の画像を取り出すことによって、画像を2つに分割する。読取結果の画像が2つに分割されることにより、一方の画像が基準パターンの画像を示し、他方の画像が測定用パターンの画像を示すことになる。このように分割する理由は、基準シートSSとテストシートTSがそれぞれ別々に傾いてスキャナ150にセットされるおそれがあるので、それぞれ別々に傾き補正(S133)をするためである。
<各画像の傾きの検出(S132)>
次に、コンピュータ110は、画像の傾きを検出する(S132)。
図19Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX2番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。同様に、コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX3番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。なお、取り出される画素の中にラインL1を示す画素が含まれるように、パラメータKX2、KX3、KY1及びJYが設定されている。
図19Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。横軸は、画素の位置(Y座標)を示している。縦軸は、画素の階調値を示している。コンピュータ110は、取り出されたJY個の画素の画素データに基づいて、重心位置KY2、KY3をそれぞれ求める。
そして、コンピュータ110は、次式によりラインL1の傾きθを算出する。
θ=tan−1{(KY2−KY3)/(KX2−KX3)}

なお、コンピュータ110は、測定用パターンの画像の傾きだけでなく、基準パターンの画像の傾きも検出する。基準パターンの画像の傾きの検出方法は、上記の方法とほぼ同様であるので、説明を省略する。
<各画像の傾きの補正(S133)>
次に、コンピュータ110は、S132において検出した傾きθに基づいて、画像を回転処理し、画像の傾きを補正する(S133)。測定用パターンの画像は、測定用パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正され、基準パターンの画像は、基準パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正される。
画像の回転処理のアルゴリズムには、バイリニア法が用いられる。このアルゴリズムは良く知られているので、説明は省略する。
<印刷時の傾きの検出(S134)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンの印刷時の傾き(スキュー)を検出する(S134)。測定用パターンを印刷するときにテストシートの下端が搬送ローラを通過すると、テストシートの下端がヘッド41に接触し、テストシートが動くことがある。このようなことが起こると、その測定用パターンにより算出された補正値が不適切なものになる。そこで、測定用パターンの印刷時の傾きを検出することにより、テストシートの下端がヘッド41に接触したか否かを検出し、接触した場合にはエラーとする。
図20は、測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。まず、コンピュータ110は、ラインL1(一番上のライン)とラインL22における左側の間隔YLと、右側の間隔YRとを検出する。そして、コンピュータ110は、間隔YLと間隔YRの差を算出し、この差が所定範囲内であれば次の処理(S135)へ進み、この差が所定範囲外であればエラーとする。
<余白量の算出(S135)>
次に、コンピュータ110は、余白量を算出する(S135)。
図21は、余白量Xの説明図である。図中の実線の四角形(外側の四角形)は、S133の回転補正後の画像を示している。図中の点線の四角形(内側の斜めの四角形)は、回転補正前の画像を示している。回転補正後の画像を長方形状にするため、S133の回転補正処理が行われる際に、回転後の画像の四隅に直角三角形状の余白が付加される。
仮に基準シートSSの傾きとテストシートTSの傾きとが異なると、付加される余白量が異なることになり、回転補正(S133)の前後において、基準パターンに対する測定用パターンのラインの位置が相対的にずれることになる。そこで、コンピュータ110は、次式により余白量Xを求め、S136において算出されるライン位置から余白量Xを差し引くことによって、基準パターンに対する測定用パターンのラインの位置のずれを防止する。
X=(w cosθ−W´/2)×tanθ
<スキャナ座標系でのライン位置の算出(S136)>
次に、コンピュータ110は、スキャナ座標系での基準パターンのラインの位置及び測定用パターンのラインの位置をそれぞれ算出する(S136)。
スキャナ座標系とは、1画素の大きさを1/720×1/720インチとしたときの座標系である。スキャナ150には読み取り位置の誤差があり、読み取り位置の誤差を考慮すると、各画素データの対応する実際の領域は厳密には1/720インチ×1/720インチにはならないが、スキャナ座標系では、各画素データの対応する領域(画素)の大きさを1/720×1/720インチとする。また、各画像における左上の画素の位置を、スキャナ座標系の原点とする。
図22Aは、ラインの位置を算出する際に用いられる画像の範囲の説明図である。図中の点線で示す範囲の画像の画像データが、ラインの位置を算出する際に用いられる。図22Bは、ラインの位置の算出の説明図である。横軸は、画素のy方向の位置(スキャナ座標系)を示している。縦軸は、画素の階調値(x方向に並ぶ画素の階調値の平均値)を示している。
コンピュータ110は、階調値のピーク値の位置を求め、この位置を中心とする所定の範囲を演算範囲とする。そして、この演算範囲の画素の画素データに基づいて、階調値の重心位置を算出し、この重心位置をラインの位置とする。
図23は、算出されたラインの位置の説明図である(なお、図中に示す位置は、所定の演算が施されて無次元化されている)。基準パターンは等間隔のラインから構成されているにもかかわらず、基準パターンの各ラインの重心位置に注目すると、算出された各ラインの位置は、等間隔にはなっていない。これは、スキャナ150の読み取り位置の誤差の影響と考えられる。
<測定用パターンの各ラインの絶対位置の算出(S137)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンのラインの絶対位置をそれぞれ算出する(S137)。
図24は、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。ここでは、測定用パターンのi番目のラインは、基準パターンのj−1番目のラインと、基準パターンのj番目のラインとの間に位置する。以下の説明では、測定用パターンのi番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「S(i)」と呼び、基準パターンのj番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「K(j)」と呼ぶ。また、基準パターンのj−1番目のラインとj番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L」と呼び、基準パターンのj−1番目のラインと測定用パターンのi番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L(i)」と呼ぶ。
まず、コンピュータ110は、次式に基づいて、間隔Lに対する間隔L(i)の比率Hを算出する。
H=L(i)/L
={S(i)−K(j−1)}/{K(j)−K(j−1)}
ところで、実際の基準シートSS上の基準パターンは等間隔であるので、基準パターンの1番目のラインの絶対位置をゼロとすれば、基準パターンの任意のラインの位置を算出できる。例えば、基準パターンの2番目のラインの絶対位置は1/36インチである。そこで、基準パターンのj番目のラインの絶対位置を「J(j)」とし、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置を「R(i)」とすると、次式のようにしてR(i)を算出できる。
R(i)={J(j)−J(j−1)}×H+J(j−1)
ここで、図23における測定用パターンの1番目のラインの絶対位置の算出の具体的な手順について説明する。まず、コンピュータ110は、S(1)の値(373.768667)に基づいて、測定用パターンの1番目のラインが、基準パターンの2番目のラインと3番目のラインの間に位置していることを検出する。次に、コンピュータ110は、比率Hが0.40143008(=(373.7686667-309.613250)/(469.430413-309.613250))であることを算出する。次に、コンピュータ110は、測定用パターンの1番目のラインの絶対位置R(1)が0.98878678ミリ(=0.038928613インチ={1/36インチ}×0.40143008+1/36インチ)であることを算出する。
このようにして、コンピュータ110は、測定用パターンの各ラインの絶対位置を算出する。
<補正値の算出(S138)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンを形成する際に行われた複数回の搬送動作に対応する補正値をそれぞれ算出する(S138)。各補正値は、理論上のライン間隔と実際のライン間隔との差に基づいて、算出される。
パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「6.35mm」(1/4インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。例えば、パス1とパス2との間で行われた搬送動作の補正値C(1)は、6.35mm−{R(2)−R(1)}となる。コンピュータ110は、このようにして補正値C(1)〜補正値C(21)を算出する。
図25は、補正値C(i)の対応する範囲の説明図である。もし仮に、測定用パターンを印刷するときのパス1とパス2との間の搬送動作の際に、当初の目標搬送量から補正値C(1)を引いた値を目標にすれば、実際の搬送量がちょうど1/4インチ(=6.35mm)になったはずである。
<補正値の平均化(S139)>
ところで、本実施形態のロータリー式エンコーダ52は原点センサを備えていないので、コントローラ60は、搬送ローラ23の回転量は検出できるが、搬送ローラ23の回転位置までは検出していない。このため、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置をプリンタ1は保証することがでない。つまり、印刷する度に、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なるおそれがある。一方、測定用パターンにおける隣接する2つの罫線の間隔は、1/4インチにて搬送するときのDC成分の搬送誤差の影響だけではなく、AC成分の搬送誤差の影響も受けている。
従って、目標搬送量を補正する際に、測定用パターンにおける隣接する2つの罫線の間隔に基づいて算出された補正値Cをそのまま適用してしまうと、AC成分の搬送誤差の影響のため、搬送量が正しく補正されないおそれがある。例えば、測定用パターンの印刷時と同じようにパス1とパス2との間で1/4インチの搬送量の搬送動作を行う場合であっても、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が測定用パターンの印刷時と異なるのであれば、目標搬送量を補正値C(1)で補正しても、搬送量は正しく補正されない。もし、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が測定用パターンの印刷時と比べて180度異なっていると、AC成分の搬送誤差の影響のため、搬送量は正しく補正されないどころか、むしろ搬送誤差が悪化することもあり得る。
そこで、本実施形態では、DC成分の搬送誤差だけを補正するようにするため、次式のように4個の補正値Cを平均化することによって、DC成分の搬送誤差を補正するための補正量Caを算出している。
Ca(i)={C(i−1)+C(i)+C(i+1)+C(i+2)}/4
ここで、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値Caを上式によって算出できる理由を説明する。
前述した通り、パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「6.35mm」(1/4インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。そうすると、補正値Caを算出するための上式は、次式のような意味になる。
Ca(i)=[25.4mm−{R(i+3)−R(i−1)}]/4
つまり、補正値Ca(i)は、理論上1インチ離れるべき2つのライン(ラインLi+3とラインLi−1)の間隔と1インチ(搬送ローラ23の1回転分の搬送量)との差を4で割った値である。言い換えると、補正値Ca(i)は、ラインLi−1と、そのラインを形成してから1インチ搬送した後に形成したラインLi+3との間隔に応じた値になる。
ゆえに、4個の補正値Cを平均化して算出される補正値Ca(i)は、AC成分の搬送誤差の影響を受けず、DC成分の搬送誤差を反映した値になる。
なお、パス2とパス3との間で行われる搬送動作の補正値Ca(2)は、補正値C(1)〜C(4)の総和を4で割った値(補正値C(1)〜C(4)の平均値)として算出される。言い換えると、補正値Ca(2)は、パス1で形成されるラインL1と、ラインL1を形成してから1インチ搬送した後のパス5で形成されるラインL5との間隔に応じた値になる。
また、補正値Ca(i)を算出する際にi−1がゼロ以下になる場合、補正値C(i−1)はC(1)を適用する。例えば、パス1とパス2との間で行われる搬送動作の補正値Ca(1)は、{C(1)+C(1)+C(2)+C(3)}/4として算出される。また、補正値Ca(i)を算出する際にi+1が22以上になる場合、補正値Caを算出するためのC(i+1)はC(21)を適用する。同様に、i+2が22以上になる場合、C(i+2)はC(21)を適用する。例えば、パス21とパス22との間で行われる搬送動作の補正量Ca(21)は、{C(20)+C(21)+C(21)+C(21)}/4として算出される。
コンピュータ110は、このようにして補正値Ca(1)〜補正値Ca(21)を算出する。これにより、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値が、1/4インチの範囲ごとに求められる。
<<補正値の記憶(S116)>>
次に、コンピュータ110は、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S104)。
図26は、メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。メモリ63に記憶される補正値は、補正値Ca(1)〜Ca(21)である。また、各補正値を適用する範囲を示すための境界位置情報も、各補正値に関連付けられてメモリ63に記憶される。
補正値Ca(i)に関連付けられる境界位置情報は、測定用パターンのラインLi+1に相当する位置(理論上の位置)を示す情報であり、この境界位置情報は、補正値Ca(i)を適用する範囲の下端側の境界を示している。なお、上端側の境界は、補正値Ca(i−1)に関連付けられる境界位置情報から求めることができる。従って、例えば補正値C(2)の適用範囲は、紙Sに対してラインL1の位置とラインL2の位置の間(にノズル♯90が位置する)の範囲となる。
尚、このようにして求められた補正値Caを後述する第2の補正値と区別するために第1の補正値Caとする。コンピュータ110は、求めた第1の補正値Ca(i)をプリンタに送信する。そして、プリンタ1のメモリ63に第1の補正値のテーブルを記憶する。次のプロセスにおいて、プリンタ1は、この第1の補正値を適用して目標搬送量を補正することとなる。
===第1の補正値を用いた測定用パターンの印刷(S106)===
ここでは、前に求めた第1の補正値を使用しつつ測定用パターンの印刷を行う。測定用パターンを印刷する点については、前述のS102における測定用パターンの印刷を同様であるが、目標搬送量を第1の補正値で補正しつつ搬送を行っている点で異なっている。よってここでは、前述のS102と異なる点である第1の補正値を使用しつつどのように用紙Sの搬送を行うかについて説明を行い、測定用パターンの印刷の説明については省略する。
第1の補正値を用いて用紙Sの搬送を行いつつ印刷を行う際に、コントローラ60は、メモリ63からテーブルを読み出し、目標搬送量を補正値に基づいて補正し、補正された目標搬送量に基づいて搬送動作を行う。
図27Aは、第1のケースでの補正値の説明図である。第1のケースでは、搬送動作前のノズル♯90の位置(用紙に対する相対位置)が補正値Ca(i)の適用範囲の上端側の境界位置と一致し、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Ca(i)の適用範囲の下端側の境界位置と一致している。このような場合、コントローラ60は、補正値をCa(i)とし、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、用紙を搬送する。
図27Bは、第2のケースでの補正値の説明図である。第2のケースでは、搬送動作前後のノズル♯90の位置が、ともに補正値Ca(i)の適用範囲内にある。このような場合、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fと適用範囲の搬送方向長さLとの比F/LをCa(i)で掛けた値を補正値にする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)×(F/L)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、用紙を搬送する。
図27Cは、第3のケースでの補正値の説明図である。第3のケースでは、搬送動作前のノズル♯90の位置が補正値Ca(i)の適用範囲内にあり、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Ca(i+1)の適用範囲内にある。ここで、目標搬送量Fのうちの補正値Ca(i)の適用範囲内での搬送量をF1とし、補正値Ca(i+1)の適用範囲内での搬送量をF2とする。このような場合、コントローラ60は、Ca(i)をF1/Lで掛けた値と、Ca(i+1)をF2/Lで掛けた値との和を補正値とする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、用紙を搬送する。
図27Dは、第4のケースでの補正値の説明図である。第4のケースでは、補正値Ca(i+1)の適用範囲を通過するように用紙が搬送される。このような場合、コントローラ60は、Ca(i)をF1/Lで掛けた値と、Ca(i+1)と、Ca(i+2)をF2/Lで掛けた値との和を補正値にする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、用紙を搬送する。
このように、コントローラが当初の目標搬送量Fを補正して、補正後の目標搬送量に基づいて搬送ユニットを制御すると、実際の搬送量が当初の目標搬送量Fになるように補正され、DC成分の搬送誤差が補正される。
ところで、上記のように補正値を計算すれば、目標搬送量Fが小さいとき、補正値も小さい値になる。目標搬送量Fが小さければ、その搬送を行う際に生じる搬送誤差も小さいと考えられるので、上記のように補正値を計算すれば、搬送時に生じる搬送誤差に合う補正値を算出できる。また、各補正値Caに対して1/4インチ毎に適用範囲が設定されているので、これにより、用紙Sとヘッド41との相対位置に応じて変化するDC成分の搬送誤差を的確に補正することができる。
尚、第1の補正値を用いた測定用パターンの印刷においては、これらのケースのうち第1のケースが用いられて用紙の搬送が行われ測定用パターンの印刷が行われる。
このようにして、目標搬送量が第1の補正値Ca(i)を用いて補正されつつ用紙の搬送が行われ、ラインL1〜L22、及び、識別コードが印刷される。
===第2補正値決定処理(S108)===
図28は、第2の補正値決定処理を説明するためのフローチャートである。第2の補正値決定処理では、前述の第1の補正値決定処理とほぼ同様の処理が行われる。異なっているのは、第2の補正値決定処理において、図13のS116(補正値の記録)の処理がないことである。
第2の補正値決定処理では、まず測定用パターンと基準パターンの読み取り(S282)が行われる。この処理は、図13におけるS112の処理と同様であるので説明を省略するが、この処理を行うことによって、第1の補正値を適用しつつ印刷した測定用パターン(第2パターン)の読み取りが行われる。
次に、第2の補正値決定処理において、補正値算出処理(S284)が行われる。この処理は、図13における補正値算出処理と同様であるので説明を省略するが、この処理を行うことによって、第1の補正値を適用しつつ印刷した測定用パターン(第2パターン)に基づいて補正値C’(i)が求められる。そして、4つの補正値C’を平均化することによって第2の補正値Ca’(i)が求められる。尚、この補正値C’(i)に対応する範囲は、図25の補正値C(i)をC’(i)に置き換えたものである。
第2の補正値を求めているのは次の理由からである。第1の補正値を適用して搬送量補正を行っても微少な搬送誤差を生じてしまう場合がある。第2補正値は、第1補正値によって搬送量補正が行われた上での基準パターンに基づいて求められたものであるので、第1の補正値を適用することで除去しきれなかった微少な搬送誤差を補正するためのものとなる。よって、第1の補正値だけでなく、ここで求められた第2の補正値をも搬送量補正において使用することで、第1の補正値のみを搬送量補正に使用する場合よりも、精度のよい搬送を行うことができるようになる。よって、仮に第1の補正値が正しい補正値であれば、第2の補正値は0となる。
図29は、第2の補正値のテーブルを示す図である。上述の第2補正値決定処理を実行することによって図29のような第2の補正値のテーブルが作成される。作成された第2の補正値のテーブルは、コンピュータ110のメモリに記憶される。このとき、各補正値に関連づけられて境界位置情報も記憶される。
===最終補正値決定処理(S110)===
次に最終補正値決定処理について説明する。
ここでは、4×6判の用紙が使用されている。このとき、ラインL4とラインL5との間に上端側のNIPラインが存在する。すなわち、ラインL4が描かれてからラインL5が描かれる間の搬送において用紙の上端がギザローラ27に突入するときが存在する。また、ラインL20とラインL21との間に下端側のNIPラインが存在する。すなわち、ラインL20が描かれてからラインL21が描かれるまでの間の搬送において、用紙の下端が搬送ローラから外れるときが存在する。つまり、ラインL4が描かれてからL5が描かれるまでの間の搬送と、ラインL20が描かれてからラインL21が描かれるまでの間の搬送において、用紙が安定して搬送されないときが存在する。一方、それ以外のときにおいて、用紙は安定して搬送されることとなる。尚、これらNIPラインの位置は、用紙のサイズに応じたものが予めコンピュータ110のメモリに記憶されている。
ラインL4が描かれてからラインL5が描かれるまでの搬送においてギザローラ27に対する用紙の突入があるために、用紙が安定して搬送されないときがある。このため、ラインL4とラインL5との間での搬送量は毎回異なる量となる。このため、第1の補正値を適用して搬送量補正を行っても、毎回異なる量を有する不確定な搬送誤差は取りきれない。よって、取りきれなかった搬送誤差に基づいて求められた補正値C’(4)は、他の補正値に比べ大きな絶対値を有することとなる。
図30は、用紙とヘッドとの相対位置における第2の補正値の絶対値を示す図である。図において、横軸は第2の補正値Ca’の番号が示されている。縦軸は、第2の補正値Ca’である。第2の補正値Ca’は4つの補正値C’を平均化したものである。よって、ラインL4とラインL5との間隔に基づいて求められた補正値C’(4)は、第2の補正値Ca’(2)〜Ca’(5)において影響を与える。そのため、図に示されるように、第2の補正値Ca’(2)〜Ca’(5)の絶対値は、他の第2の補正値の絶対値よりも大きな値となっている。
これと同様のことが、ラインL20が描かれてからラインL21が描かれるまでの搬送についてもいえる。上述の通り、ラインL20が描かれてからラインL21が描かれるまでの搬送において用紙の下端が搬送ローラから外れるときが存在する。つまり、補正値C’(20)は、他の補正値C’に比べ大きな絶対値を有する補正値となる。そうすると、上述と同様の理由から、第2の補正値Ca’(18)〜Ca’(21)の絶対値も、他の第2の補正値の絶対値よりも大きな値となる。
このような事情を鑑みると、i=2〜5,18〜21のときの第1の補正値と第2の補正値(不安定な搬送の影響を受けた補正値)は、取りきれない搬送誤差を含む搬送量に基づいて求められたものであるため、単に第1の補正値に加えて第2の補正値を適用して搬送量補正を行うだけでは適切な搬送量補正を行うことができないと考えられる。
一方、図を参照すると、i=2〜5,18〜21以外の第2の補正値の絶対値は、他の第2の補正値に比べて小さい値を有していることがわかる。これは、第1の補正値Caを適用しても取りきれない少量の搬送誤差が生じたことによる。この部分については、第1の補正値に加えてさらに第2の補正値を適用して搬送量補正を行うことで、取りきれなかった搬送誤差についても除去することができる。
上述のような議論をふまえると、i=2〜5,18〜21のときと、これ以外のときとでは、最終補正値の求め方を異ならせた方がよりよい最終補正値を得ることができることが考えられる。次に、最終補正値Ca’’(i)の算出方法について説明する。
<i=1,6〜17のとき>
ここでは、第2の補正値は、第1の補正値を適用してもなお取りきれなかった搬送誤差を除去するためのものである。よって、第1の補正値と第2の補正値とを同時に適用すべく最終補正値は、これらの和で求められる。つまり、最終補正値Ca’’(i)は、
Ca’’(i)=Ca(i)+Ca’(i)
となる。
尚、第1の補正値Ca(i)のみで搬送誤差のほとんどを除去できる場合には、第2の補正値をCa’(i)=0とすることができる。
<i=2〜5,18〜21のとき>
用紙が排紙ローラに突入するとき、及び、用紙が搬送ローラから外れるときの搬送を行うときのライン間の搬送量は、毎回異なった量となる。これは、毎回異なる量の搬送誤差が搬送量に含まれることとなるためである。このような場合に対応する搬送量補正としては、毎解雇となる用の搬送誤差における平均的な搬送誤差を補正するような最終補正値を使用することとして、全ての搬送誤差に対してある程度良好な搬送量補正を行うこととするのが望ましい。
毎回異なった量が発生する搬送量に基づいて補正値を求めることとすると、補正値自体も毎回異なった量となる。よって、求められた第1の補正値と第2の補正値を単に加算して最終補正値としたのでは、平均的な搬送誤差を補正するための最終補正値とすることができない(求められた第1の補正値と第2の補正値を単に加算して最終補正値としたのでは、今回の第2の補正値を求めるときに使用した搬送量に含まれる搬送誤差を除去するような最終補正値となってしまう)。
よって、ここでは、このような搬送誤差に基づいて求められた補正値を平均化することで、平均的な搬送誤差を取り除くような最終補正値Ca’’(i)を求めることとしている。
ここでは、最終補正値Ca’’(i)として、第1の補正値Ca(i)と、第1の補正値Ca(i)と第2の補正値Ca’(i)との和と、の中間値(平均値)を採用することとする。よって、最終補正値Ca’’(i)(i=2〜5,18〜21)は、
Ca’’(i)=[Ca(i)+{Ca(i)+Ca’(i)}]/2
=Ca(i)+Ca’(i)/2 (式1)
で求めることができる。
図31は、最終補正値決定処理によって求められた補正値(最終)のテーブルの説明図である。i=2〜5,18〜21以外の最終補正値Ca’’(i)には、第1の補正値Ca(i)と第2の補正値Ca’(i)との和がそれぞれ割り当てられる。
一方、i=2〜5,18〜21の最終補正値Ca’’(i)は、(式1)が適用され、第1の補正値Ca(i)と、第1の補正値Ca(i)と第2の補正値Ca’(i)の和と、の中間値が補正値とされる。
次に、コンピュータ110は、補正値(最終)をプリンタ1のメモリ63に記憶する。記憶される内容は、図30に示す補正のテーブルである。各補正値を適用する範囲を示すための境界位置情報も、各補正値に関連づけられてメモリ63に記憶される。
このようにして、プリンタ製造工場では、製造されるプリンタごとに、各プリンタの個体の特徴を反映したテーブルがメモリ63に記憶される。そして、このテーブルを記憶したプリンタは、ユーザの下に出荷される。
このようにすることで、安定して搬送されないときの搬送において搬送量補正を行うときであっても、不確定な搬送誤差を考慮した補正値を適用して良好な搬送量補正を行うことができる。
ところで、最終補正値Ca’’(i)(i=2〜5,18〜21)を求める際に、第1の補正値Ca(i)と、第1の補正値Ca(i)と第2の補正値Ca’(i)との和と、の中間に存在する値を採用することもできる。この場合、最終補正値Ca’’(i)は、
Ca’’(i)=Ca(i)+h・Ca’(i)
(0<h<1)
となる。
このようにすることで、安定して搬送されないときの搬送において搬送量補正を行うときであっても、不確定な搬送誤差を考慮した補正値を適用して良好な搬送量補正を行うことができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、搬送方法、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
また、ピエゾ素子を利用するものに限られず、例えばサーマルプリンタなどにも適用できる。また、液体を吐出するものに限られず、ワイヤドットプリンタなどにも適用できる。
===まとめ===
(1)本実施形態では、まず、目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して用紙が搬送方向に搬送されつつ、この用紙の搬送量を確認するための測定用パターン(第1パターン)がヘッドによって記録される(S102)。次に、測定用パターン(第1パターン)に基づいて、用紙を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと用紙との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値Ca(i)が求められる(S104,第1の補正値決定処理)。
次に、相対位置に対応する第1の補正値を用いて目標搬送量の補正を行って用紙が搬送されつつ、この用紙の搬送量を確認するための測定用パターン(第2パターン)がヘッドによって記録される(S106)。次に、この測定用パターン(第2パターン)に基づいて、用紙を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと用紙との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値が求められる。
そして、用紙が排紙ローラ(ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラ)に進入するときの相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方と、用紙が排紙ローラに進入するとき以外の相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方とを異ならせて、目標搬送量の補正値(最終)が決められる(S110、最終補正値決定処理)。
このようにすることで、用紙が排紙ローラに進入するときの相対位置に対応付けられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方と、用紙が排紙ローラに進入するとき以外の相対位置に対応付けられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方を異ならせて、それぞれの相対位置に適した補正値を求めることができる。
(2)また、目標搬送量の補正値を決めるとき(S110)、排紙ローラに進入するとき以外の相対位置に対応づけられた目標搬送量の補正値(最終)として第1の補正値と第2の補正値との和を用いる。
このようにすることで、用紙が排紙ローラに進入するとき以外の相対位置については、第1の補正値と第2の補正値との和を用いて搬送誤差を補正しつつ媒体を搬送することができる。
(3)また、目標搬送量の補正値を決めるとき(S110)、排紙ローラに進入するときの相対位置に対応づけられた目標搬送量の補正値(最終)として、第1の補正値と、第1の補正値と前記第2の補正値との和と、の中間に存在する値を用いる。
このようにすることで、用紙が排紙ローラに進入するときに対応する相対位置と、用紙が排紙ローラに進入するとき以外に対応する相対位置とで補正値の求め方を異ならせて、それぞれに適した補正値を求めることができる。
(4)また、目標搬送量の補正値を決めるとき(S110)、排紙ローラに進入するときの相対位置に対応づけられた目標搬送量の補正値(最終)として、第1の補正値と、第1の補正値と前記第2の補正値との和と、の中間値を用いる。
このようにすることで、用紙が排紙ローラに進入するときに対応する相対位置と、用紙が排紙ローラに進入するとき以外に対応する相対位置とで補正値の求め方を異ならせて、それぞれに適した補正値を求めることができる。
(5)また、目標搬送量の補正値を決めるとき(S110)、用紙が搬送ローラ(ヘッドの搬送方向の上流側に設けられたローラ)から外れるときの相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方と、用紙が搬送ローラから外れるとき以外の相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方とを異ならせて、目標搬送量の補正値を決めることを、さらに含む。
このようにすることで、用紙が搬送ローラから外れるときに対応する相対位置と、用紙が搬送ローラから外れるとき以外に対応する相対位置とで補正値の求め方を異ならせて、それぞれに適した補正値を求めることができる。
(6)また、用紙が搬送ローラから外れるとき、及び、排紙ローラに進入するときの相対位置は、搬送ローラと排紙ローラとの位置の関係から予め決められている。
(7)また、用紙が搬送ローラから外れるときと、排紙ローラに進入するときとで相対位置に対応付けられた第1の補正値と第2の補正値の用い方が同じである。
(8)また、次のような補正値決定装置があることも言うまでもない。この補正値決定装置は、メモリと、演算部とを有する。
メモリには、用紙の搬送量を確認するための第1パターンに基づいて、用紙を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと用紙との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を記憶する。また、このメモリには、第1の補正値に基づいて用紙を搬送させつつ記録された第2のパターンであって、用紙の搬送量を確認するための第2パターンに基づいて、ヘッドと用紙との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を記憶する。
また、演算部は、用紙が排紙ローラに進入するときの相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方と、用紙が排紙ローラに進入するとき以外の相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方とを異ならせて、目標搬送量の補正値を決める。
このようにすることで、用紙が排紙ローラに進入するときの相対位置に対応付けられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方と、用紙が排紙ローラに進入するとき以外の相対位置に対応付けられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方を異ならせて、それぞれの相対位置に適した補正値を求めることができる。
(9)また、上述の方法をコンピュータに実行させて、上述の補正値決定装置を実現するためのプログラムがあることはいうまでもない。
プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。 ノズルの配列を示す説明図である。 搬送ユニット20の構成の説明図である。 AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。 紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。 用紙Sの搬送時に安定して搬送される箇所と、安定して搬送されない箇所の搬送誤差を示す図である。 図8Aは、用紙がギザローラに突入するときにおける状態Aを示す図であり、図8Bは、用紙がギザローラに突入するときにおける状態Bを示す図である。 図9Aは、搬送ローラから用紙が外れる前の状態を示す図であり、図9Bは、搬送ローラから用紙が外れる瞬間の状態を示す図である。 搬送量を補正するための補正値を決定するまでのフローチャートである。 図11A〜図11Cは、補正値を決定するまでのデータの流れを説明するための図である。 測定用パターンの印刷の様子の説明図である。 第1の補正値決定処理を説明するためのフローチャートである。 図14Aは、スキャナ150の縦断面図であり、図14Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。 スキャナの読み取り位置の誤差のグラフである。 図16Aは、基準シートSSの説明図である。図16Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。 S114における補正値算出処理のフロー図である。 画像の分割(S131)の説明図である。 図19Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。図19Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。 測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。 余白量Xの説明図である。 図22Aは、ラインの位置を算出する際に用いられる画像の範囲の説明図であり、図22Bは、ラインの位置の算出の説明図である。 算出されたラインの位置の説明図である。 測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。 補正値C(i)の対応する範囲の説明図である。 メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。 第1のケースでの補正値の説明図である。 第2のケースでの補正値の説明図である。 第3のケースでの補正値の説明図である。 第4のケースでの補正値の説明図である。 第2の補正値決定処理を説明するためのフローチャートである。 第2の補正値のテーブルを示す図である。 用紙とヘッドとの相対位置における第2の補正値の絶対値を示す図である。 最終補正値決定処理によって求められた補正値(最終)のテーブルの説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、110 コンピュータ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 搬送ローラ、
24 プラテン、25 排紙ローラ、26 従動ローラ、27 ギザローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、521 スケール、522 検出部、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、
64 ユニット制御回路、
150 スキャナ、151 上蓋、152 原稿台ガラス、
153 読取キャリッジ、154 案内部、155 移動機構、
157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学系、
TS テストシート、SS 基準シート

Claims (9)

  1. 目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して媒体を搬送方向に搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第1パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
    前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
    前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
    前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
    前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正値を決めるステップと、
    を含む補正値決定方法。
  2. 前記目標搬送量の補正値を決めるステップにおいて、前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記目標搬送量の補正値として前記第1の補正値と前記第2の補正値との和を用いる、請求項1に記載の補正値決定方法。
  3. 前記目標搬送量の補正値を決めるステップにおいて、前記ローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記目標搬送量の補正値として、前記第1の補正値と、前記第1の補正値と前記第2の補正値との和と、の中間に存在する値を用いる、請求項1又は2に記載の補正値決定方法。
  4. 前記目標搬送量の補正値を決めるステップにおいて、前記ローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記目標搬送量の補正値として、前記第1の補正値と、前記第1の補正値と前記第2の補正値との和と、の中間値を用いる、請求項3に記載の補正値決定方法。
  5. 前記目標搬送量の補正値を決めるステップは、前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の上流側に設けられたローラから外れるときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記上流側に設けられたローラから外れるとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正値を決めることを、さらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の補正値決定方法。
  6. 前記媒体が前記上流側に設けられたローラから外れるとき、及び、前記下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置は、前記上流側に設けられたローラと前記下流側に設けられたローラとの位置の関係から予め決められている、請求項5に記載の補正値決定方法。
  7. 前記媒体が前記上流側に設けられたローラから外れるときと、前記下流側に設けられたローラに進入するときとで前記相対位置に対応付けられた前記第1の補正値と前記第2の補正値の用い方が同じである、請求項5又は6に記載の補正値決定方法。
  8. (A) 媒体の搬送量を確認するための第1パターンに基づいて、媒体を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値と、
    前記第1の補正値に基づいて前記媒体を搬送させつつ記録された第2のパターンであって、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンに基づいて、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値と、
    を記憶するメモリと、
    (B)前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正値を決める演算部と、
    を備える補正値決定装置。
  9. 搬送量補正装置を動作させるためのプログラムであって、
    目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して媒体を搬送方向に搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第1パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
    前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
    前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
    前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
    前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正を行うステップと、
    を前記補正値決定装置に行わせるプログラム。
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