JP2008085150A - 洗浄方法 - Google Patents

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Minoru Uchida
内田  稔
Tatsuo Nagai
達夫 永井
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Abstract

【課題】微細パターンが形成された半導体基板などを良好に洗浄できる洗浄方法を提供する。
【解決手段】被洗浄材(半導体基板50)に洗浄液(薬液60)を接触させて洗浄する前に、真空脱気、界面活性剤の接触、浸透性溶液の接触、超音波を利用した脱気などにより、前記被洗浄材の表面濡れ性を改善する処理を行う。濡れ性の改善によって微細パターンが形成された半導体基板などにおいても、パターン凹部に洗浄液が良好に接触し、その結果、濡れ性が悪いことに起因した洗浄不良が回避され、良好な洗浄効果が得られる。なお、濡れ性の改善処理後に、被洗浄材に洗浄液が接触した状態で、加圧することで洗浄液を被洗浄材の微細凹部にまで効果的に浸透させて洗浄効果をさらに高めることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、シリコンウエハなどの電子材料基板上に付着した有機汚染物やレジストなどを洗浄除去する洗浄方法に関する。
電子工業用集積回路(IC)の製造工程は、基板の洗浄、成膜、レジストコーティング、露光、現像、エッチング、イオンドーズ、レジスト剥離、などから成り立っている。基板は通常、シリコンウェハで構成されているが、前記回路の製造工程には、種々の薬液で処理する工程、または純水や機能水で洗浄する工程が含まれる。
上記工程のうち、洗浄、および薬液処理の代表的なものであるレジスト剥離について述べる。洗浄、レジスト剥離のいずれについても、バッチ処理と枚葉処理が行われている。
バッチ処理にはウェットステーションが用いられる。通常50枚程度のウェハをまとめて処理する。複数の槽を並べ、『薬液A→超純水→薬液B→超純水→薬液C→超純水』の順に浸漬して処理を行っていく。多数のウェハをまとめて処理するので、生産性が高く、従って1枚当たりの処理コストが安いのが特長である。
枚葉処理にはスピンプロセッサーが用いられる。1枚ずつ回転機に固定し、薬液をかけながら高速で回転して洗い流す方式である。種々の要求に対応できるため、多品種少量生産に適している。また、近年は1枚のウェハの寸法が大きくなってきたので、枚葉処理であっても生産性を確保することができるようになった。
洗浄に用いる薬液としては、超純水のほか、水素、酸素、オゾンなどを溶解した機能水が用いられる。また、レジスト剥離には一般にSPM(Sulfuric acid/Hydrogen Peroxide Mixture:硫酸/過酸化水素混合液)が用いられるが、最近では過硫酸(ペルオクソ二硫酸)溶液の使用なども提案されており、さらに本願出願人によって過硫酸を再生しつつ洗浄を行う装置も提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−114880号公報
ところで、電子部品の高性能化に伴い、ICの集積度は益々高くなっていく。このため、洗浄においては極僅かな汚染も許されず、清浄度の高い洗浄を行わなければならない。また、露光・現像される線や溝(スペースと呼ぶ。)の幅は益々狭くなり、レジストが剥離しにくくなる傾向が強い。このため、洗浄やレジスト剥離工程では、薬液使用量が多くなる、処理時間が長くなる、廃液発生量が多くなる、処理温度が高くなるなど、経済性および環境保全の面から好ましくない状況になりつつある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、被洗浄材表面に微小な線や溝が存在する場合にも効果的にレジストの除去などを行うことができる洗浄方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、基板においてパターンの線幅が狭くなるに従い剥離性能が低下する原因について研究する際にウェハ表面と薬液との接触状況に着目した。その結果、前記原因は、主にパターンの凹部(線や溝など)に微小なエア溜まりを生じ、特に粘性が高い高濃度硫酸溶液が細部まで浸透しにくくなるためと判明した。
すなわち、集積度が高くなると、より微細な汚染物質が処理対象となり、またレジスト剥離ではより微細な線幅・スペース幅のレジストを除去しなければならなくなる。このような物質は疎水性であり、接液時に凹部にエア溜まりを生じ易く、除去が困難になる。よって本発明者らは、過硫酸などによる洗浄に先立って上記エア溜まりを解消することが有効と考え、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の洗浄方法のうち、請求項1記載の発明は、被洗浄材に洗浄液を接触させて洗浄する前に、前記被洗浄材の洗浄液に対する表面濡れ性を改善する処理を行うことを特徴とする。
請求項2記載の洗浄方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記表面濡れ性を改善する処理が、前記被洗浄材表面に対する脱気処理であることを特徴とする。
請求項3記載の洗浄方法の発明は、請求項2記載の発明において、前記脱気処理は、前記被洗浄材を前記洗浄液に接触させる前に、該被洗浄材に対し減圧による脱気を行うものであることを特徴とする。
請求項4記載の洗浄方法の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記脱気処理は、前記被洗浄材を溶液に浸漬した状態で、該溶液に超音波を与えてその振動で脱気を行うものであることを特徴とする。
請求項5記載の洗浄方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記表面濡れ性を改善する処理が、前記被洗浄材表面に界面活性剤またはこれを含む溶液を接触させるものであることを特徴とする。
請求項6記載の洗浄方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記表面濡れ性を改善する処理が、前記被洗浄材表面周囲を浸透性の高い溶液で置換するものであることを特徴とする。
請求項7記載の洗浄方法の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記被洗浄材の表面濡れ性を改善する処理を行うとともに、前記被洗浄材に前記洗浄液を接触させ加圧することで前記被洗浄材の表面凹部に前記洗浄液を浸透させることを特徴とする。
請求項8記載の洗浄方法の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記洗浄液が、薬液または超純水であることを特徴とする。
請求項9記載の洗浄方法の発明は、請求項8記載の発明において、前記薬液が、硫酸溶液、硫酸溶液と過酸化水素水の混合液、過硫酸溶液および過硫酸含有硫酸溶液からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。すなわち、該薬液では、SPM(Sulfuric acid/Hydrogen Peroxide Mixture:硫酸/過酸化水素水混合液)、過硫酸(ペルオクソ二硫酸)溶液、あるいは過硫酸(ペルオクソ二硫酸)を含む硫酸溶液を用いることができる。
シリコンウエハ基板そのものは平坦で濡れ性の良いものであるが、IC製造工程においては、その表面には汚染物質やレジストなどが存在する。洗浄工程では汚染物質を除去し、レジスト剥離工程ではレジストを除去するのであるが、これらの物質は純水や薬液をはじく性質(疎水性)があり、また固体表面には凹凸がある。このため、微視的に見ると、純水や薬液はこれら汚染物質やレジストに十分に接触していない場合があり、処理性能の低下を招いている。
本発明によれば、被洗浄材の表面の濡れ性が改善され、その結果、洗浄液と被洗浄材の表面とが効果的に接触し、洗浄液の作用によって被洗浄材表面のレジストなどが効果的に除去される。被洗浄材は、通常、大気中での処理工程によって、表面側に空気が接触しており、これをそのまま洗浄工程に供すると、空気が表面に付着したままになって微細凹部などにエア溜まりが生じてしまう。この結果、被洗浄材を洗浄液に浸漬するなどして接触させる際に、上記エア溜まりによって微小部分で被洗浄材表面と洗浄液とが良好に接触せず、その結果、微小部分での洗浄が十分になされないという問題が生じる。しかし本発明では、上記したように、表面の濡れ性を向上させることで洗浄液を被洗浄材表面に確実に接触させることを可能にしている。
上記した被洗浄材の表面での濡れ性について説明する。
固体表面が親水性である場合には、図3(a)に示すように、固体100の表面に凹凸があっても、液体110は凹部101に浸入してそこを満たすことができる。ここで、親水性であるということは、接触角θがゼロまたはゼロに近い場合である。一方、図3(b)のように、固体100の表面が疎水性であって凹凸の溝が閾値より深い場合には、液体110は凹部101に浸入することができず、エア溜まり120を生じることになる。
下記参考図書1によれば、閾値は次の式で表される。凹凸を正弦波で表し、振幅を2a、波長をλ、固体表面の真の接触角をθとすると、下記式(1)を満たす場合には、エア溜まりを生じることになる。
Figure 2008085150
(参考図書1)「表面張力の物理学」、ドウジェンヌ、ブロシャールーヴィアール、ケレ共著、奥村剛訳、吉岡書店、(2003年9月25日)、221ページ
今、振幅(2a)を1μmとし、凹部の幅=凸部の幅=λ/2として種々の接触角に対するエア溜まりを生じる限界スペース幅を求めると、図4のようになる。接触角が110°の場合には、スペース幅が0.5μm以下になるとエア溜まりを生じることになる。
ゴミなどの不定形の凹凸を正弦波で代表させると、上記のように表すことができる。しかし、レジスト剥離においては、パターンはラインアンドスペース(Line&Space)で描かれており、凹凸を矩形波で表す方がより適切である。凹凸が矩形波の場合には、次のように考えることができる。
固体表面との接触角がθである液体を凹凸面に流した時、液体110は図5(a)に示すように固体100のスペース102に入ろうとするが、スペース102の深さdが深い場合には液が底面102aに達する前に他端面102b側に接してしまい、メニスカスを形成するため、スペース102内にエア溜まりを生じてしまう。図5(b)のようにスペース103の幅が広く、底が浅い場合には、液体110が他端面103bに接する前に底面103aに達するので、エア溜まりを生じることがない。よって、エア溜まり生成条件は次の式のようになる。
Figure 2008085150
なお、θ>90°の時には、図5(a)(b)から明らかなように、当然にエア溜まりを生じる。
ウェハを真空装置に入れ、真空に引いた状態で固体100を液体110に浸漬すると、凹部101にエア溜まり120が形成されて、図6(a)または(b)のようになる。次に浸漬したまま圧力を常圧に戻すと、液は図7(a)または(b)のようにスペース内に押し込まれる。この状態での圧力バランスは、次の式(3)で表される。
Figure 2008085150
(3)式を用いれば、真空度とスペース形状から液の浸入深さを求めることができる。
今、幅w、長さl、深さdの凹部があるとすると、曲率半径RおよびR’は接触角θを用いて次のように表すことができる。
Figure 2008085150
この式を用いて、w=0.2μm、l=100μm、d=1μm、θ=95°として真空度(絶対圧)と凹部への液の浸入度との関係を求めると、図8のようになる。即ち、真空にするほど、液の浸入度が高くなる。
真空脱気後に加圧すれば、液浸入度は更に高くなる。加圧した状態で洗浄やレジスト剥離処理を行えば、より高い性能が得られる。特に、接触角が90°より大きく、かつスペース幅が狭い場合には、真空にしただけでは十分な液浸入度を得ることができない場合がある。このような場合には、加圧にすることが有効である。なお、加圧は、真空脱気後に常圧にすることでも足り、必ずしも大気圧以上にする必要はないが、加圧による効果を十分に得るためには大気圧を超える圧力にするのが望ましい。
被洗浄材表面の濡れ性改善の方法には、上記のような真空脱気法や界面活性剤を用いた方法、浸透性の高い溶液による置換方法などを用いることができる。脱気法では洗浄前に被洗浄材に対する前処理として減圧、望ましくは真空化により被洗浄材の表面から空気を取り去り、被洗浄材表面に付着した空気を僅かにし、または取り去った状態で洗浄液との接触を可能にする。これにより被洗浄材と洗浄液との接触がエア溜まりによって阻害されることがなく、被洗浄材と洗浄液とが効果的に接触することができる。この脱気は、例えば洗浄槽を脱気室として用い、脱気した被洗浄材をそのまま洗浄液に浸漬などできるように構成するのが望ましい。この際の真空度は低いほど脱気効果が上がるが、必要以上に真空度を上げると処理コストが嵩むので、例えば5000〜20000Pa(絶対圧)程度の真空下で脱気を行うことができる。
また、脱気処理は、洗浄の前処理として行う他に、被洗浄材に洗浄液を接触させた状態、すなわち洗浄中に行うことも可能である。例えば、被洗浄材を洗浄液に浸漬した状態で、洗浄液に超音波を伝えることで被洗浄材表面に付着しているエアを離脱させることができる。エアは、洗浄液中を上昇して洗浄液外に排出される。この際に洗浄液が収容されている洗浄槽を減圧してエアーの離脱、排除が円滑になされるようにすることもできる。
表面に付着したエアが効果的に除去される被洗浄材では、さらに振動が加わった洗浄液が被洗浄材表面の微細な凹部にも容易に浸透することができ、被洗浄材表面での洗浄液の接触が効果的になされる。なお、洗浄液に超音波を伝達する方法は特に限定されるものではなく、既知の種々の方法を採用することができる。
また、被洗浄材表面の濡れ性改善の方法として真空脱気法を用いずに界面活性剤を用いる方法では、洗浄の前処理として被洗浄材表面に界面活性剤またはこれを含む溶液を接触させるものであってもよく、また、洗浄液に界面活性剤を加えて被洗浄材と界面活性剤との接触を可能にするものであってもよい。界面活性剤は、被洗浄材表面の汚染物と洗浄液との濡れ性を向上させて、洗浄効果を高める。本発明としては界面活性剤の種類が特に限定されるものではなく、硫酸水素基などを持つ陰イオン界面活性剤やノニルフェニルエーテルなどの非イオン界面活性剤などの既知の界面活性剤を用いることができる。なお、被洗浄材に接触させた界面活性剤は、洗浄液による洗浄の際に、洗浄効果によって被洗浄材から容易に除去することができる。また、過硫酸のように酸化分解力の強い洗浄液を用いる場合には、界面活性剤自体が洗浄液によって分解除去され炭酸ガスや水になり、その結果、系には不純物として残留しないという効果が得られる。従って界面活性剤は、塩類や金属元素を含むものでない方が好ましい。
さらに、被洗浄材表面の濡れ性改善の方法としてアルコールなどの浸透性の高い溶液によって被洗浄材表面付近を置換する方法では、洗浄の前処理として被洗浄材表面に浸透性の高い溶液を接触させて付着空気との置換を行っておくものであってもよく、また、洗浄液に浸透性の高い溶液を加えて被洗浄材と浸透性の高い溶液との接触を可能にするものであってもよい。浸透性の高い溶液は、被洗浄材表面の凹部に浸透することで空気と置換され、洗浄工程では洗浄液と浸透性の高い溶液とが相互に拡散して、被洗浄材の凹凸内部にも洗浄液が入り込む。レジスト剥離工程などでSPMや過硫酸などが酸化剤として用いられるので、浸透性の高い溶液は酸化されて炭酸ガスや水になる。このため、被洗浄材の凹凸内部の浸透性の高い溶液は徐々に洗浄液に置換されていく。いずれの場合も最終的には(3)式に示される圧力バランスになる。
その後、洗浄液と被洗浄材表面との接触は良好になされて洗浄効果を高める。本発明としては浸透性の高い溶液の種類が特に限定されるものではなく、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルアルコールなどの低級アルコールやアセトン、キシレン、トルエンなどの既知の溶液を用いることができる。なお、被洗浄材に接触させた浸透性の高い溶液は、洗浄液による洗浄効果によって被洗浄材から容易に除去することができる。また、上記のように過硫酸のように酸化分解力の強い洗浄液を用いる場合には、浸透性の高い溶液自体が洗浄液によって分解除去され、その結果、系には不純物として残留しないという効果が得られる。
なお、IC製造工程にはウェットステーションやスピンプロセッサーが使用されることが多いので、これらの装置において上記濡れ性改善の方法を実施できるように装置上の工夫をしてもよい。
本発明では、シリコンウエハ、液晶用ガラス基板、フォトマスク基板などの電子材料基板を被洗浄材としてレジストなどを除去洗浄する方法として好適であり、該電子材料基板をアッシングを行うことなく清浄に洗浄することが可能である。ただし、本発明としては、被洗浄材が電子材料基板に限定されるものではなく、効果的な洗浄が必要とされる種々のものを対象とすることが可能である。
また、洗浄液としては、被洗浄材の種別などに応じて適切なものを選択することができ、薬液や超純水を用いることができる。薬液としては、硫酸溶液、硫酸溶液と過酸化水素水の混合液、過硫酸溶液、過硫酸含有硫酸溶液などの単独または混合物を用いることができ、また、被洗浄材の種別に応じて機能水などを用いることもできる。すなわち、本発明としては対象となる被洗浄材に対し洗浄効果が得られるものであれば、それを洗浄液として用いることができる。
以上説明したように、本発明の洗浄方法によれば、被洗浄材に洗浄液を接触させて洗浄する際に、前記被洗浄材の表面濡れ性を改善する処理を行うので、被洗浄材の表面濡れ性が向上し、洗浄液の使用量を増大させなくても、洗浄液が効果的に被洗浄材に接触して高い洗浄効果が得られ、洗浄効率が向上する。このため、狭いパターンが形成されて微細な線や溝などの凹部を有する基板においても、該凹部に洗浄液が行き渡り、被洗浄材表面の全体に亘って良好な洗浄効果が得られる。また、洗浄液使用量の増大を回避できるため、廃液発生量の増大もなく、経済性および環境保全に優れている。
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
図1(a)、(b)に示す洗浄装置1はスピンプロセッサを利用したものであり、被洗浄材である半導体基板50を保持する真空吸引部2を覆うようにして密閉カバー3が設置されている。密閉カバー3には、排気管4が接続されており、該排気管4に図示しない真空ポンプが接続されて密閉カバー3内を真空引きできるように構成されている。なお、カバー内を真空引きする真空ポンプには、真空吸引部2で真空引きする際に用いられる真空ポンプなどを利用することも可能である。また、密閉カバー3には、洗浄液である薬液を密閉カバー3内に供給する薬液供給管5が接続され、さらに密閉カバー3には、カバー内を常圧に復圧させる空気供給管6が接続されている。
上記構成からなる洗浄装置1の作用について説明する。密閉カバー3内に半導体基板50を設置し、真空吸引部2で固定するとともに、密閉カバー3で半導体基板50の周囲を密閉する。その後、排気管4を通して密閉カバー3内を真空引きし、半導体基板50の脱気を行う。(図1(a))。所定時間経過後、真空を保ったまま薬液供給管5から密閉カバー3内に薬液を供給し、半導体基板50を所定の時間、薬液60に浸漬する。(図1(b))。その後、空気供給管6を通して密閉カバー3内に空気を供給して常圧に復圧させ、薬液を密閉カバー3内から排出してから密閉カバー3を取り外す。その後は、半導体基板50に回転を与えて、従来の洗浄または剥離処理を行うことができる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、真空引きによる脱気について説明をしたが、界面活性剤を用いて半導体基板50の濡れ性を改善することもできる。
この実施形態では、図2(a)に示すように、界面活性剤溶液60を収容する浸漬槽10を備え、該浸漬槽10に対し、昇降自在な基板載置台51を設置する。
この実施形態では、基板載置台51に半導体基板50を載置し、基板載置台51を下降させて界面活性剤溶液60に半導体基板50を浸漬する。界面活性剤は、半導体基板50の表面の凹部に浸透し、半導体基板50表面の濡れ性を改善する。
この後、半導体基板50が載置された基板載置台51を浸漬槽10から引き上げ、図示されていない洗浄槽内の薬液に浸漬して洗浄処理を行う。半導体表面に付着している界面活性剤は、薬液との置換により薬液中に分散するか、又は薬液による酸化力によって分解するので、半導体基板50の表面は、薬液が良好に接触した状態になる。
なお界面活性剤を半導体基板50に浸透させる方法としては上記態様の他にも、基板載置台51に載置した半導体基板50に直接注ぎ掛けることもできる。
また、浸漬槽10内で濡れ性改善を行った後、界面活性剤溶液60を浸漬槽10から抜き取り、替わりに浸漬槽10内に薬液を導入して、洗浄処理を行うという態様を取ることもできる。
(実施形態3)
また、他の実施形態として浸透性溶液を半導体基板50に接触させることもできる。
この実施形態では、図2(b)に示すように、イソプロピルアルコールなどの浸透性溶液61を収容する浸漬槽20を備え、該浸漬槽20に対し、昇降自在な基板載置台51を設置する。
この実施形態では、基板載置台51に半導体基板50を載置し、基板載置台51を下降させて浸漬槽20内に収容した浸透性溶液61に半導体基板50を浸漬する。浸透性溶液61は半導体基板50の表面の凹部に浸透し、半導体基板50表面の濡れ性を改善する。
この後、基板載置台51が載置された基板載置台51を浸漬槽20から引き上げ、図示されていない洗浄槽内の薬液に浸漬して、洗浄処理を行う。半導体表面に付着している浸透性溶液61は、薬液との置換により薬液中に分散するか、又は薬液による酸化力によって分解するので、半導体基板50の表面は、薬液が良好に接触した状態になる。
なお浸透性溶液61を半導体基板50に浸透させる方法としては上記態様の他にも、基板載置台51に載置した半導体基板50に直接注ぎ掛けることもできる。
また、浸漬槽20内で濡れ性改善を行った後、浸透性溶液61を浸漬槽20から抜き取り、替わりに浸漬槽20内に薬液を導入して、洗浄処理を行うという態様を取ることもできる。
(実施形態4)
また、他の実施形態として真空引き以外の脱気方法を採用することもできる。
図2(c)に示される洗浄槽30では、槽内に向けて超音波を発する超音波発生器31を備えており、前記各実施形態と同様に昇降自在な基板載置台51を備えている。この実施形態では、半導体基板50を載置した基板載置台51を下降させて薬液62に半導体基板50を浸漬する。さらに超音波発生器31を動作させると、超音波振動が薬液62中を伝わり、半導体基板50に振動が与えられる。この振動により半導体基板50の表面に生成されたエア溜まりが該表面から剥離して気泡32となって薬液中を浮上する。このエア溜まりの除去によって半導体基板50の濡れ性が改善される。この半導体基板50は、薬液62と良好に接触し、表面の洗浄が効果的になされる。また、超音波振動は、薬液を半導体基板の微細凹部に効果的に浸透させて洗浄効果を高める作用もある。
以上、本発明について上記各実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明が上記実施形態の説明内容に限定をされるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において適宜の変更が可能である。
(比較例1)
線幅=0.3μm、スペース幅=0.2μmのレジストパターンが施されているサンプルウェハを、170℃の97wt%濃硫酸/過硫酸溶液混合液に浸漬してレジスト剥離処理を行ったところ、完全剥離までに2分以上の処理時間を要した。ここで用いた過硫酸溶液は、4モル硫酸を電解処理して生成した、過硫酸を200g/L含む溶液である。
(実施例1)
次に、上記比較例1と同じサンプルウェハを真空装置内に入れ17300Pa(絶対圧)にした後、真空を確保したまま上記比較例1に述べた過硫酸溶液に浸漬した。この後、真空を開放して常圧にしてから、上記比較例1と同様に170℃の97wt%濃硫酸/過硫酸溶液混合液に浸漬してレジスト剥離処理を行ったところ、1分以内で完全剥離することができた。
即ち、真空脱気することにより処理時間を半減することができた。
(実施例2)
実施例1と同様のサンプルウェハを用いた。常温常圧のイソプロピルアルコール(IPA)にウェハを約2分間浸漬した後、上記実施例1と同様に170℃の97wt%濃硫酸/過硫酸溶液混合液に浸漬してレジスト剥離処理を行ったところ、約1分で完全剥離することができた。
即ち、IPAで濡れ性を改善することにより処理時間を半減することができた。
(比較例2)
0.1μmのパーティクル2,000個を付着させた6インチサンプルウェハを用いて超純水による洗浄試験を行った。1分間洗浄の結果、残留パーティクルは1,900個であった。
(実施例3)
次に比較例2と同様のサンプルウェハを、実施例1と同じ真空装置に入れて17300Pa(絶対圧)に減圧した後、純水に浸漬して常圧に戻した。このサンプルを上記比較例2と同様に超純水で洗浄したところ、残留パーティクルは30個であり、洗浄効果に格段の向上が見られた。
本発明の一実施形態に用いる洗浄装置および洗浄手順を示す概略図である。 同じく、他の実施形態に用いられる洗浄装置を示す概略図である。 被洗浄材における表面の濡れを説明する図である。 同じく、接触角によるエア溜まり発生の関係を示すグラフである。 同じく、被洗浄材の微細凹部における表面の濡れを説明する図である。 同じく、減圧時における被洗浄材の微細凹部における液体の浸透状態を説明する図である。 同じく、減圧後、加圧時における被洗浄材の微細凹部における液体の浸透状態を説明する図である。 同じく、液体の浸透度(液浸入度)と真空度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 洗浄装置
3 密閉カバー
4 排気管
5 薬液供給管
6 空気供給管
10 浸漬槽
20 浸漬槽
30 洗浄槽
31 超音波発生器
50 半導体基板
60 界面活性剤溶液
61 浸透性溶液
62 薬液

Claims (9)

  1. 被洗浄材に洗浄液を接触させて洗浄する前に、前記被洗浄材の洗浄液に対する表面濡れ性を改善する処理を行うことを特徴とする洗浄方法。
  2. 前記表面濡れ性を改善する処理が、前記被洗浄材表面に対する脱気処理であることを特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
  3. 前記脱気処理は、前記被洗浄材を前記洗浄液に接触させる前に、該被洗浄材に対し減圧による脱気を行うものであることを特徴とする請求項2記載の洗浄方法。
  4. 前記脱気処理は、前記被洗浄材を溶液に浸漬した状態で、該溶液に超音波を与えてその振動で脱気を行うものであることを特徴とする請求項2または3に記載の洗浄方法。
  5. 前記表面濡れ性を改善する処理が、前記被洗浄材表面に界面活性剤またはこれを含む溶液を接触させるものであることを特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
  6. 前記表面濡れ性を改善する処理が、前記被洗浄材表面周囲を浸透性の高い溶液で置換するものであることを特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
  7. 前記被洗浄材の表面濡れ性を改善する処理を行うとともに、前記被洗浄材に前記洗浄液を接触させ加圧することで前記被洗浄材の表面凹部に前記洗浄液を浸透させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄方法。
  8. 前記洗浄液が、薬液または超純水であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の洗浄方法。
  9. 前記薬液が、硫酸溶液、硫酸溶液と過酸化水素水の混合液、過硫酸溶液および過硫酸含有硫酸溶液からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項8記載の洗浄方法。
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