JP2008085137A - レーザ光源装置及びそのレーザ光源装置を備えた画像表示装置並びにモニター装置 - Google Patents

レーザ光源装置及びそのレーザ光源装置を備えた画像表示装置並びにモニター装置 Download PDF

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Abstract

【課題】出力光のパワー低下を効率良く抑えて、光利用効率が高く、出力光の偏光方向が揃っており、かつ、出力が安定したレーザ光源装置、およびそのレーザ光源装置を備えた画像表示装置並びにモニター装置を提供すること。
【解決手段】レーザ光源装置31は、光源311、波長変換素子312、外部共振器313、光路変換素子314を備えている。波長変換素子312は共振構造中に設けられており、第2のレーザ光LS2は、光路変換素子314によって第二光路O2に取り出され、第1のレーザ光LS1の進行方向とほぼ同じ方向へ向けられ、第1のレーザ光LS1と共に出力光として利用される。第2のレーザ光LS2を取り出すための選択反射膜317と反射面316Aは、プリズム315,316によって一体化されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を射出するレーザ光源装置、及びこのレーザ光源装置を備えた画像表示装置並びにモニター装置に関する。
近年、光通信、光応用測定、光表示などのオプトエレクトロニクス分野において、レーザ光源装置が広く使用されている。
こうしたレーザ光源装置としては、基本波レーザの波長をそのまま利用するものと、基本波レーザの波長を変換して利用するものとがある。後者のレーザ光源装置において、基本波レーザの波長の変換を行う素子として、第二次高調波光発生(SHG:Second Harmonic Generation)素子が知られている。
ここで、SHGの変換効率は一般的に30〜40%程度であるため、SHG素子によって変換された光のパワーは、基本波レーザ光源の出力光のパワーに比べてかなり小さくなってしまう。そこで、出力光のパワー低下を抑える構成として、特許文献1のようなレーザ光源装置が提案されている。このレーザ光源装置では、内部共振タイプのレーザ光源から射出され、SHG素子を通過した光を、波長が変換された第一のSHG光と、残余基本波光とに分離する。そして、残余基本波光を、再度SHG素子に通すことによって、波長が変換された第二のSHG光を取り出す。第二のSHG光は、第一のSHG光と偏光方向が90°異なる偏光に変換された状態で、第一のSHG光と合成される。特許文献1のレーザ光源装置では、このようにして、第一のSHG光と第二のSHG光の合成光を出力光として利用することにより、出力光のパワー低下を抑えている。
特開昭59−128525第三号公報
特許文献1に記載のレーザ光源装置では、残余基本波光を、再度SHG素子に通すことによって波長が変換された第二のSHG光を利用することはできるものの、再度SHG素子を通過しても波長が変換されなかった残余基本波光を利用することができない。よって、光の利用効率が劇的に向上することは無い。また、このような残余基本波光を、そのまま基本波レーザ光源へ戻すと、基本波レーザ光源のパワーが低下したり、不安定になってしまったりする恐れがあるため、残余基本波光を光源へ戻さないようにする構成が必須となる。よって、光学系が大型化してしまう可能性がある。また、光路の長さが大きくなったり、光学要素を通過する回数が増えてしまったりするため、光の損失が発生してしまう可能性もある。
さらに、特許文献1に記載のレーザ光源装置では、第一のSHG光と第二のSHG光とを合成するために、偏光方向を互いに90°異なる状態にしているため、出力光が2種類の偏光の合成光となってしまう。よって、特許文献1に記載のレーザ光源装置を、1種類の偏光しか利用できない偏光制御型のデバイス(例えば液晶デバイス)と組み合わせて使用することを考えた場合、第一のSHG光と第二のSHG光の偏光方向を揃えるための構成を設けなければ、一方のSHG光しか利用することができなくなってしまう。
つまり、特許文献1に記載のレーザ光源装置では、出力光のパワー低下をある程度抑えつつ、安定した出力を得ることは可能であるが、光の利用効率はそれ程上がらない。特に、偏光制御型のデバイスと組み合わせて使用する場合は、光の利用効率がまったく上がらない可能性もある。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、出力光のパワー低下を効率よく抑えて、光利用効率が高く、出力光の偏光方向が揃っており、かつ、出力が安定したレーザ光源装置を提供することを目的とする。また、かかるレーザ光源装置の利用により、光の利用効率が向上した画像表示装置及びモニター装置を提供することを目的とする。
本発明に係るレーザ光源装置は、第一の波長の光を射出する光源と、前記第一の波長の光を選択的に反射して前記光源の方に向かわせる外部共振器と、前記光源と前記外部共振器との間に形成された第一光路上に設けられ、入射した第一の波長の光のうち一部の光の波長を前記第一の波長とは異なる第二の波長に変換する波長変換素子と、前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう過程で前記第二の波長に変換された光を、前記第一光路とは異なる第二光路に取り出す光路変換素子と、を備え、前記外部共振器から射出される前記第二の波長の第一のレーザ光と、前記光路変換素子から射出される前記第二の波長の第二のレーザ光とを出力光として利用するレーザ光源装置であって、前記光路変換素子は、前記光源と前記波長変換素子との間に設けられ、前記第二の波長の光を選択的に反射する選択反射膜と、前記選択反射膜によって反射された光を反射して、前記第一のレーザ光の進行方向とほぼ同じ方向へ向ける反射面と、前記選択反射膜と前記反射面とを一体化する透光性部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、光源と外部共振器とによって構成された共振構造(第一光路)中に波長変換素子を設け、外部共振器によって反射されて光源へ向かう過程で波長が変換された第二のレーザ光を、光路変換素子によって第二光路に取り出して利用することにより、出力光のパワー低下を効率よく低減することが可能である。また、本発明では、光源と外部共振器とによって構成された共振構造の内部に波長変換素子を設けているため、外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう過程で第二の波長に変換されなかった光を光源に戻さないようにする構成は不要である。よって、光学系の大型化を招く恐れが少なく、光路の長さが長くなったり、光学要素を通過する回数が増えてしまったりすることによる光の損失を低減することも可能である。さらに、本発明では、第二のレーザ光を、第一のレーザ光の進行方向とほぼ同じ方向へ向けるだけで良いため、偏光方向がほぼ揃った出力光を得ることができる。よって、偏光制御型のデバイスと組み合わせて使用する場合であっても、光の利用効率を向上させることが可能である。さらにまた、出力光のパワーは、選択反射膜と反射面の位置の変動によって影響され易いが、本発明ではこれらが透光性部材によって一体化されていることにより、選択反射膜と反射面との位置合わせが不要であり、かつ、選択反射膜と反射面との位置がずれることもないので、安定した出力を得ることも可能である。
すなわち、本発明によれば、出力光のパワー低下を効率よく抑えて、光利用効率が高く、出力光の偏光方向が揃っており、かつ、出力が安定したレーザ光源装置を得ることが可能となる。
本発明に係るレーザ光源装置において、前記透光性部材は、第一のプリズムと第二のプリズムとを有し、前記第一、および第二のプリズムは、それぞれ第一の面と第二の面とを有し、前記第一のプリズムの第二の面と、前記第二のプリズムの第一の面との間に、前記選択反射膜が設けられ、前記光源から射出された光は、前記第一のプリズムの第一の面から前記光路変換素子に入射して、前記第一のプリズムの第二の面、前記選択反射膜、前記第二のプリズムの第一の面をこの順に通過して、前記第二のプリズムの第二の面から前記波長変換素子に向けて射出され、前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光は、前記第二のプリズムの第二の面から前記光路変換素子に入射して、前記第二のプリズムの第一の面を通過して、前記選択反射膜に入射し、前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜を透過して前記光源の方へ向かう光は、前記第一のプリズムの第二の面を通過して、前記第一のプリズムの第一の面から前記光源に向けて射出され、前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜によって反射された光は、前記反射面によって反射されて、前記第二のプリズムの第二の面から射出される構成とすることが好ましい。
かかる構成によれば、プリズムの面を介して、光路変換素子に光を入射させたり、光路変換素子から光を射出させたりすることができるため、光路変換素子に入射する光や、光路変換素子から射出させる光の方向を制御し易い。
特に、前記第一のプリズムの第一の面と、前記第二のプリズムの第二の面とが平行である場合には、光路変換素子に入射する光と、光路変換素子から射出される光の方向を同一にすることが可能であり、光の方向の制御が更に容易となる。
また、この場合において、前記反射面は、前記第二のプリズムの第三の面によって構成することができ、このとき、前記第三の面は、前記第三の面に入射する光に対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面であることが好ましい。かかる構成によれば、反射面の反射効率をほぼ100%にすることができるため、光の利用効率をより向上させることが可能である。
また、この場合において、前記反射面は、前記第二のプリズムの第三の面に設けられた反射膜によって構成することもできる。かかる構成によれば、第三の面を、全反射条件を満足する角度に配置しなくても良いため、光路設計の自由度が増す。
本発明に係るレーザ光源装置において、前記透光性部材は、第一の面と第二の面とを備えた板状部材であり、前記選択反射膜は、前記板状部材の第一の面に設けられ、前記反射面は、前記板状部材の第二の面に設けられた反射膜であることが好ましい。
かかる構成によれば、透光性部材としてプリズムを用いた場合よりも、軽量な光路変換素子を得ることができる。また、板状部材はプリズムに比べて加工が容易である。よって、レーザ光源装置の軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
本発明に係るレーザ光源装置において、前記透光性部材は、第一、第二、第三の面を備えたプリズムからなり、前記第一の面に前記選択反射膜が設けられ、前記光源から射出された光は、前記選択反射膜を介して前記第一の面から前記光路変換素子に入射して、前記第二の面から前記波長変換素子に向けて射出され、前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光は、前記第二の面から前記光路変換素子に入射して、前記第一の面を通過して、前記選択反射膜に入射し、前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜を透過した光は、前記光源の方へ向かい、前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜によって反射された光は、前記第三の面で反射されて、前記第二の面から射出されることが好ましい。
かかる構成によれば、1つのプリズムと選択反射膜だけで光路変換素子を構成することが可能であるため、構成部品点数が低減し、レーザ光源装置の低コスト化に寄与することができる。
また、この場合において、前記反射面は前記第三の面によって構成することができ、このとき、前記第三の面は、前記第三の面に入射する光に対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面であることが好ましい。かかる構成によれば、反射面の反射効率をほぼ100%にすることができるため、光の利用効率をより向上させることが可能である。
また、この場合において、前記反射面は、前記第三の面に設けられた反射膜によって構成することも可能である。かかる構成によれば、第三の面を、全反射条件を満足する角度に配置しなくても良いため、光路設計の自由度が増す。
本発明に係るレーザ光源装置において、前記外部共振器から射出される前記第二の波長の第一のレーザ光と、前記光路変換素子から射出される前記第二の波長の第二のレーザ光とは、ほぼ平行であることが好ましい。
本発明に係るレーザ光源装置は、レンズ、フィルター、ミラー、回折格子、プリズム、光変調素子など、他の光学デバイスと組み合わせて利用される可能性が高いが、このような光学デバイスの多くは、入射光の角度に依存して特性が変化したり、出力結果が変化してしまったりする。そこで、第一のレーザ光と第二のレーザ光とをほぼ平行とすれば、レーザ光源装置の後に配置される光学デバイスの設計や配置が容易となる。従って、かかる構成によれば、特に、本発明に係るレーザ光源装置を、画像表示装置やモニター装置等に応用した場合に、光学設計の自由度が非常に高まるという効果がある。
さらに、このとき、前記波長変換素子の、前記第一のレーザ光と前記第二のレーザ光とに直交する線と平行な方向の幅をW1とし、前記第一のレーザ光と前記第二のレーザ光との間の距離をW2としたとき、W2>W1であることが好ましい。
かかる構成により、第一光路と波長選択膜との相対位置が多少ずれたとしても、第二光路が波長変換素子によって遮られることが無い。よって、光路変換素子の位置合わせが比較的容易となる。
本発明に係るレーザ光源装置において、前記光源は、アレイ化された複数の発光部を備えることが好ましい。本発明では、このようにアレイ化された光源を用いたとしても、選択反射膜、反射面、波長選択素子や外部共振器の光入射出端面の面積を、アレイに対応した面積に拡張すれば良いだけである。このように、本発明では、光源がアレイ化されたとしても、装置の過度な大型化を招くことが無く、簡単な構成で対応することが可能である。よって、本発明では、光源がアレイ化されたとしても、出力光のパワー低下を効率よく抑えて、光利用効率が高く、出力光の偏光方向が揃っており、かつ、出力が安定したレーザ光源装置を得ることが可能となる効果をそのまま保持しつつ、アレイ化による光量の増加を、効果的に出力光のパワーアップに繋げることが可能である。
また、本発明に係るレーザ光源装置において、前記波長変換素子は、擬似位相制御型の波長変換素子であることが好ましい。擬似位相制御型の波長変換素子は、他のタイプの波長変換素子よりも変換効率が高いため、本発明の効果をより高めることが可能である。
本発明に係る画像表示装置は、上述したようなレーザ光源装置と、前記レーザ光源装置から射出されたレーザ光を画像情報に応じて変調する光変調素子とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るモニター装置は、上述したようなレーザ光源装置と、前記レーザ光源装置により照射された被写体を撮像する撮像手段とを備えたことを特徴とする。
かかる画像表示装置及びモニター装置は、上述したようなレーザ光源装置を用いているため、光の利用効率を向上させることが可能である。
以下、本発明における実施形態を図面に基づいて説明する。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係わるレーザ光源装置の概略構成を示す模式図である。
レーザ光源装置31は、光源311、波長変換素子312、外部共振器313、光路変換素子314を備えている。光源311は、第一の波長の光を射出する。
図2は光源311の構造を模式的に示す断面図である。図2に示した光源311は、いわゆる面発光半導体レーザであり、例えば半導体ウエハからなる基板400と、基板400上に形成され、反射ミラーとしての機能を有するミラー層311Aと、ミラー層311Aの表面に積層されるレーザ媒体311Bとを有する。
ミラー層311Aは、基板400上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)により形成された、高屈折率の誘電体と低屈折率の誘電体の積層体によって構成されている。ミラー層311Aを構成する各層の厚さ、各層の材料、層の数は、光源311から射出される光の波長(第一の波長)に対して最適化され、反射光が干渉し強め合う条件に設定されている。
レーザ媒体311Bは、ミラー層311Aの面上に形成されている。このレーザ媒体311Bは、図示しない電通手段が接続されており、電通手段から所定量の電流が流されると、所定波長の光を射出する。また、レーザ媒体311Bは、ミラー層311Aと、図1に示した外部共振器313との間で、第一の波長の光が共振することにより、特定の波長(第一の波長)の光を増幅させる。すなわち、ミラー層311Aや、後述する外部共振器313により反射された光は、レーザ媒体311Bにより新たに射出される光と共振して増幅され、レーザ媒体311Bの光射出端面からミラー層311Aや基板400に略直交する方向に射出される。
波長変換素子312は、入射した光の波長をほぼ半分の波長(第二の波長)の光に変換する。波長変換素子312は、図1に示すように、光源311と外部共振器313との間に形成された第一光路O1上に設けられている。
図3は波長変換素子312の構造を模式的に示す断面図である。波長変換素子312は、例えば四角柱形状をなし、波長変換部312Aと、波長変換部312Aの光源311側の面(入射端面)に形成された反射防止(AR:anti-reflective)膜312Bと、波長変換部312Aの外部共振器313側の面(射出端面)に形成されたAR膜312Cとを備えている。
波長変換部312Aは、入射した光の第二高調波を生成する第二次高調波発生(SHG:Second Harmonic Generation)素子である。波長変換部312Aは、周期的な分極反転構造を備えており、擬似位相整合(QPM:Quasi Phase Matching)による波長変換によって、入射した光の波長をほぼ半分の波長(第二の波長)の光に変換する。例えば、光源311から射出される光の波長(第一の波長)が1064nm(近赤外)である場合、波長変換部312Aは、これを半分の波長(第二の波長)532nmに変換して、緑色の光を生成する。ただし、背景技術でも述べたように、波長変換部312Aの波長変換効率は、一般的に30〜40%程度である。つまり、光源311から射出された光のすべてが、第二の波長の光に変換されるわけではない。
周期的な分極反転構造は、例えばニオブ酸リチウム(LN:LiNbO3)やタンタル酸リチウム(LT:LiTaO3)などの無機非線形光学材料の結晶基板内部に形成されている。具体的には、周期的な分極反転構造は、このような結晶基板内部に、光源311から射出された光に対して略直交する方向に、相互に分極方向が反転した2つの領域312Aa,312Abを、所定の間隔で交互に多数形成した構成となっている。これら2つの領域312Aa,312Abのピッチは、入射光の波長と結晶基板の屈折率分散とを考慮して、適宜決定される。
なお、一般に半導体レーザから発振されるレーザ光は、利得帯域の中で複数の縦モードが発振し、温度の変動などの影響によりそれらの波長が変化する。すなわち、波長変換素子312において変換される光の波長の許容幅は0.3nm程度であり、使用環境温度の変化に対して、0.1nm/℃程度変動する。
AR膜312B,312Cは、例えば単層または多層からなる誘電体膜であり、第一の波長の光および第二の波長の光の双方を例えば98%以上の透過率で透過させる。なお、これらのAR膜312B,312Cは、波長変換素子312の機能を達成する上で必須の構成ではないため、省略することも可能である。つまり、波長変換素子312を、波長変換部312Aのみで構成することも可能である。
外部共振器313は、第一の波長の光を選択的に反射して光源311の方に向かわせ、それ以外の波長(第二の波長を含む)の光を透過する機能を有する。外部共振器313は、第一の波長の光を選択的に反射することで、増幅する光の波長を狭帯域化する機能も担っている。外部共振器313は、図1に示すように、第一光路O1上に、第一光路O1に対して略直交するように設けられている。また、その入射端面は、波長変換素子312の射出端面に対向している。
図4は外部共振器の構造を模式的に示す断面図である。外部共振器313は、波長変換素子312と同様、四角柱形状をなしている。そして、ブラッグ格子構造が内部に形成された体積型位相格子としてのブラッグ格子部313Aと、その波長変換素子312側の端面(入射端面)に形成された反射防止(AR)膜313Bとを備えている。
ブラッグ格子部313Aは、光路O1に沿って設けられた多数の層によって構成されている。
ブラッグ格子部313Aは、SiO2を主体とした例えばアルカリボロアルミノシリケートガラスなどのガラス層に所定波長の紫外線を照射し、ガラス層中に屈折率の異なる干渉パターンを層状に形成したものである。このブラッグ格子部313Aによって、上述した外部共振器313の機能がもたらされる。
AR膜313Bは、単層または多層からなる誘電体膜であり、第一の波長の光および第二の波長の光の双方を例えば98%以上の透過率で透過させる。AR膜313Bは、ブラッグ格子部313Aの入射端面だけでなく、射出端面にも形成することが可能である。
なお、AR膜313Bは、外部共振器313の機能を達成する上で必須の構成ではないため、省略することも可能である。つまり、外部共振器313を、ブラッグ格子部313Aのみで構成することも可能である。
図5は光路変換素子314の斜視図である。光路変換素子314は、図1及び図5に示すように、透光性部材としての第一、及び第二のプリズム315,316と、これらの間に設けられた選択反射膜317とを備えている。
第一のプリズム315は、例えば、BK7などの光学ガラスからなり、二等辺三角柱の形を成している。このプリズム315の側面は、二等辺三角形の頂角を挟む二辺を含む面315A,Bと、斜辺を含む面315Cから構成されている。
プリズム315の面315Aは、図1に示すように、光源311と対向するように配置されている。また、この面315Aは、第一光路O1に対して略直交するように配置されている。さらに、この面315Aと、後述するプリズム316の面316Cとは、平行である。
面315Cには、選択反射膜317が形成されている。この選択反射膜317は、例えば誘電体多層膜によって構成される。このような誘電体多層膜は、例えばCVDによって形成することが可能であり、多層膜を構成する各層の厚さ、各層の材料、層の数は、求められる特性に応じて最適化される。選択反射膜317は、光源311と、波長変換素子312との間に設けられ、第二の波長の光を選択的に反射し、第一の波長の光を透過させる特性を有する。選択反射膜317の、第一波長の光に対する透過率、及び第二波長の光に対する反射率は、高ければ高いほど良いが、80%以上あれば十分である。
第二のプリズム316は、プリズム315と同様に、例えば、BK7などの光学ガラスからなり、二等辺三角柱の形を成している。このプリズム316の側面は、二等辺三角形の頂角を挟む二辺を含む面316A,Bと、斜辺を含む面316Cから構成されている。プリズム316を構成する二等辺三角柱の頂角を挟む二辺の長さは、プリズム315を構成する二等辺三角柱の斜辺の長さと略同じである。
プリズム316の面316Bは、選択反射膜317が形成されたプリズム315の面315Cと、例えば、紫外線光で硬化する光学用接着剤などにより貼り合わされている。
面316Cは、その一部が波長変換素子312と対向するように配置されている。また、この面316Cは、第一光路O1に対して略直交するように配置されている。面316Aは、入射光IL(図1参照)に対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面である。
面316Cと選択反射膜317は、プリズム315と316とが貼り合わされることによって一体化されている。なお、プリズム315と316とは貼り合わせ以外の方法によって一体化されていても良い。
なお、選択反射膜317は、プリズム315の面315Cではなく、プリズム316の面316Bに形成されてもよい。要するに、選択反射膜317は、プリズム315の面315Cと、プリズム316の面316Bの間に設けられていれば良い。また、プリズム315の面315A、プリズム316の面316Cに反射防止(AR)膜を形成してもよい。これらの面にAR膜を形成することにより、これらの面を介して、光路変換素子314に光が入射したり、光路変換素子314から光が射出されたりする際の光の損失を低減することが可能となる。
次に、レーザ光源装置31から出力光が得られるまでの過程について、図1〜図5を参照して説明する。
光源311は、レーザ媒体311Bに電流が流されると、第一の波長の光を射出する。
光源311から射出された第一の波長の光は、プリズム315の面315Aから光路変換素子314に入射して、プリズム315の面315C、選択反射膜317、プリズム316の面316Bをこの順に通過して、プリズム316の面316Cから波長変換素子312に向けて射出される。
光路変換素子314から射出された第一の波長の光は、波長変換素子312に入射する。
波長変換素子312では、入射した第一の発振波長の光のうち一部の光の波長が、半分の波長(第二の波長)に変換される。
波長変換素子312から射出された光のうち、第二の波長に変換された光は、外部共振器313を透過して、第一のレーザ光LS1として外部共振器313から射出される。
一方、波長変換素子312から射出された光のうち、第二の波長に変換されなかった光(第一波長の光)は、外部共振器313によって反射され、光源311の方に向かう。
外部共振器313によって反射された第一の波長の光は、光源311の方へ向かう過程で再び波長変換素子312を通過する。そして、そのうち一部の光が、第二の波長に変換される。
そして波長変換素子312から光源311の方へ射出された光は、プリズム316の面316Cから光路変換素子314に入射して、プリズム316の面316Bを通過して、選択反射膜317に入射する。
このようにして選択反射膜317に入射した光のうち、第一の波長の光は、選択反射膜317を透過する。
そして、選択反射膜317を透過した第一の波長の光は、プリズム315の面315Cを通過して、プリズム315の面315Aから光源311に向けて射出される。
さらに、この光は光源311に戻り、ミラー層311Aによって反射され、再び光源311から射出される。このように、第一の波長の光は、光源311と外部共振器313との間に形成された第一光路O1を往復することにより、レーザ媒体311Bにて新たに発振される光と共振して増幅される。すなわち、レーザ光源装置31は、光源311のミラー層311Aと外部共振器313との間に形成された共振構造を備えている。
一方、外部共振器313によって反射されて光源311の方へ向かう過程で波長変換素子312によって第二の波長に変換された光は、選択反射膜317によって反射される。 そして、プリズム316の反射面としての面316Aによって反射されて、第一のレーザ光LS1の進行方向とほぼ平行な方向へ向けられる。さらに、面316Aによって反射された光は、第二のレーザ光LS2として、プリズム316の面316Cから射出される。
すなわち、光路変換素子314は、外部共振器313によって反射されて光源311の方へ向かう過程で第二の波長に変換された光を、第一光路O1とは異なる第二光路O2へ取り出す機能を備えている。
そして、光路変換素子314は、このような機能を達成できる限度において、二等辺三角柱以外のプリズムを用いて構成することも可能である。
なお、図1において、L1は、光源311から射出され、波長変換素子312によって第二の波長の光に変換され、第一のレーザ光LS1として外部共振器313から射出される光を示している。光路O1は、光源311から射出され、波長変換素子312によって第二の波長に変換されること無く射出され、外部共振器313によって反射され光源に向かう過程においても波長変換素子312によって第二の波長に変換されず、選択反射膜317を透過して光源311に戻る光を示しており、このような光によって光路O1が形成されると考えることができる。さらに、L2は、光源311から射出され、波長変換素子312によって第二の波長に変換されること無く射出され、外部共振器313によって反射され光源に向かう過程において、波長変換素子312によって第二の波長に変換されて、選択反射膜317へ入射する光を示している。図1では、L1、O1、L2を異なる位置に示しているが、これらは説明の便宜上、異なる位置に示されているだけであり、本来は同じ位置に存在する。
最後に、第一のレーザ光LS1と第二のレーザ光LS2との間の距離と、波長変換素子312の幅との関係について、図1を参照しながら説明する。図1において、W1は、波長変換素子312の、第一のレーザ光LS1と第二のレーザ光LS2とに直交する線(図示せず)と平行な方向の幅を示している。W2は、第一のレーザ光LS1と第二のレーザ光LS2との間の距離を示している。本実施形態のレーザ光源装置31は、W2>W1の関係となるように構成されている。
本実施形態に係るレーザ光源装置31は、以下の効果を奏する。
(1)光源311と外部共振器313とによって構成された共振構造(第一光路O1)中に波長変換素子312を設け、外部共振器313によって反射されて光源311へ向かう過程で波長が変換された第二のレーザ光を、光路変換素子314によって第二光路O2に取り出して利用することにより、出力光のパワー低下を効率よく低減することが可能である。また、光源311と外部共振器313とによって構成された共振構造の内部に波長変換素子312を設けているため、外部共振器313によって反射されて光源311の方へ向かう過程で第二の波長に変換されなかった光を光源311に戻さないようにする構成は不要である。よって、光学系の大型化を招く恐れが少なく、光路の長さが長くなったり、光学要素を通過する回数が増えてしまったりすることによる光の損失を低減することも可能である。さらに、第二のレーザ光LS2を、第一のレーザ光LS1の進行方向とほぼ同じ方向へ向けるだけで良いため、偏光方向がほぼ揃った出力光を得ることができる。よって、偏光制御型のデバイスと組み合わせて使用する場合であっても、光の利用効率を向上させることが可能である。さらにまた、出力光のパワーは、選択反射膜317と反射面としての面316Aの位置の変動によって影響され易いが、これらがプリズム315,316によって一体化されていることにより、選択反射膜317と面316Aとの位置合わせが不要であり、かつ、選択反射膜317と面316Aとの位置がずれることもないので、安定した出力を得ることも可能である。
すなわち、本実施形態によれば、出力光のパワー低下を効率よく抑えて、光利用効率が高く、出力光の偏光方向が揃っており、かつ、出力が安定したレーザ光源装置31を得ることが可能となる。
(2)プリズム315,316の面315A,316Cを介して、光路変換素子314に光を入射させたり、光路変換素子314から光を射出させたりすることができるため、光路変換素子314に入射する光や、光路変換素子314から射出させる光の方向を制御し易い。
なお、本実施形態では、第一のプリズム315の面315Aと、第二のプリズム316の面316Cとが平行であるが、これらは平行でなくても良い。しかし、本実施形態のように、第一のプリズム315の面315Aと、第二のプリズム316の面316Cとを平行にすれば、光路変換素子314に入射する光と、光路変換素子314から射出される光の方向を同一にすることが可能であるため、光の方向の制御が極めて容易となる。
(3)第二のプリズム316の面316Aが、入射光ILに対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面であるため、反射面の反射効率をほぼ100%にすることができ、光の利用効率をより向上させることが可能である。
なお、面316Aに反射膜を設け、この反射膜によって第二のレーザ光LS2を第一のレーザ光LS1の進行方向とほぼ同じ方向へ向けるようにしても良い。このような構成とした場合は、反射効率が多少低下する可能性はあるものの、面316Aを、全反射条件を満足する角度に配置しなくても良いため、光路設計の自由度が増す。
(4)本実施形態に係るレーザ光源装置31は、レンズ、フィルター、ミラー、回折格子、プリズム、光変調素子など、他の光学デバイスと組み合わせて利用される可能性が高いが、このような光学デバイスの多くは、入射光の角度に依存して特性が変化したり、出力結果が変化してしまったりする。しかし、本実施形態に係るレーザ光源装置31では、第一のレーザ光LS1と第二のレーザ光とLS2とがほぼ平行であるため、光源装置の後に配置される光学デバイスの設計や配置が容易となる。従って、本実施形態に係るレーザ光源装置31を、画像表示装置やモニター装置等に応用した場合は、光学設計の自由度が非常に高まるという効果がある。
(5)W2>W1であることにより、第一光路O1と選択反射膜317との相対位置が多少ずれたとしても、第二光路O2が波長変換素子312によって遮られることが無い。よって、光路変換素子314の位置合わせが比較的容易となる。
(6)波長変換素子312が、擬似位相制御型の波長変換素子であり、他のタイプの波長変換素子よりも変換効率が高いため、(1)の効果をより高めることが可能である。
[第二実施形態]
図6は、第二実施形態に係わるレーザ光源装置41の概略構成を示す模式図である。
第二実施形態のレーザ光源装置41は、光路変換素子414の構成だけが第一実施形態のレーザ光源装置31と異なっており、それ以外は、前記第一実施形態と同様である。したがって、図6において、第一実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。また、レーザ光源装置41から出力光が得られるまでの過程についても同様であり、その詳細な説明も省略または簡略化する。
図6に示すレーザ光源装置41において、光路変換素子414は、透光性部材としての板状部材414Aと、選択反射膜317と、反射膜416とを備えている。板状部材414Aは、例えばBK7などの光学ガラスからなり、L字形状に折り曲げられた形状を有している。なお、板状部材414Aは、2枚のガラス基板をL字形状に配置して、光学用接着剤により貼り合わせ等することによって一体化されたものであっても良い。板状部材414Aの第1の面414Bには、選択反射膜317が形成されている。また、板状部材414Aの第2の面414Cには、反射膜416が設けられている。
反射膜416は、選択反射膜317と同様、誘電体多層膜によって構成することが可能である。このとき、反射膜416を構成する誘電体多層膜は、選択反射膜317と異なる誘電体多層膜でも良いが、同じ誘電体多層膜でも良い。また、反射膜416はアルミニウム、クロム、銀などの金属膜によって構成しても良い。一般的に、誘電体多層膜の方が、金属膜に比べて耐熱性に優れている。また、誘電体多層膜は、これを構成する各層の厚さ、各層の材料、層の数の最適化により、特定波長の光に対する反射率を高めることが可能であり、レーザ光のように波長帯域が狭く、指向性の高い光を効率よく反射するにも適している。一方、金属膜は、コスト面において誘電体多層膜よりも有利である。
なお、選択反射膜317および反射膜416は、反射効率を考慮すると、板状部材414Aよりも入射光に近い側、つまり、板状部材414Aの波長変換素子312側の面に設けた方が良いが、板状部材414Aの光源311側の面に形成するようにしても良い。また、選択反射膜317、反射膜416のうち、いずれか一方を板状部材414Aの波長変換素子312側の面に設け、他方を光源311側の面に形成するようにしても良い。さらに、選択反射膜317および反射膜416が形成された面とは反対側の面に反射防止(AR)膜を形成するのが好ましい。これらの面にAR膜を形成することにより、これらの面を介して、光路変換素子414に光が入射したり、光路変換素子414から光が射出されたりする際の光の損失を低減することが可能となる。
次に、レーザ光源装置41から出力光が得られるまでの過程について、図6を参照して説明する。
光源311は、第一の波長の光を射出する。光源311から射出された第一の波長の光は、光路変換素子414に入射して、板状部材411A及び選択反射膜317を通過して、波長変換素子312に向けて射出される。光路変換素子414から射出された第一の波長の光は、波長変換素子312に入射する。波長変換素子312では、入射した第一の波長の光のうち一部の光の波長が、半分の波長(第二の波長)に変換される。波長変換素子312から射出された光のうち、第二の波長に変換された光は、外部共振器313を透過して、第一のレーザ光LS1として外部共振器313から射出される。
一方、波長変換素子312から射出された光のうち、第二の波長に変換されなかった光(第一波長の光)は、外部共振器313によって反射され、光源311の方に向かう。外部共振器313によって反射された第一の波長の光は、光源311の方へ向かう過程で再び波長変換素子312を通過する。そして、そのうち一部の光の波長が、第二の波長に変換される。
そして波長変換素子312から光源311の方へ射出された光は、選択反射膜317に入射する。
このようにして選択反射膜317に入射した光のうち、第一の波長の光は、選択反射膜317を透過する。そして、選択反射膜317を透過した第一の波長の光は、光路変換素子414から光源311に向けて射出される。
さらに、この光は光源311に戻り、その内部に設けられたミラー層によって反射され、再び光源311から射出される。このように、第一の波長の光は、光源311と外部共振器313との間に形成された第一光路O1を往復することにより、レーザ媒体311Bにて新たに発振される光と共振して増幅される。すなわち、レーザ光源装置41は、光源311の内部に設けられたミラー層と外部共振器313との間に形成された共振構造を備えている。
一方、外部共振器313によって反射されて光源311の方へ向かう過程で波長変換素子312によって第二の波長に変換された光は、選択反射膜317によって反射される。 そして、反射膜416によって反射されて、第一のレーザ光LS1の進行方向とほぼ平行な方向へ向けられ、第二のレーザ光LS2として射出される。
第二実施形態のレーザ光源装置41によれば、第一実施形態の上記効果(1)及び(4)〜(6)に加え、以下の効果を奏することができる。
透光性部材としてプリズムを用いた場合よりも、軽量な光路変換素子414を得ることができる。また、板状部材はプリズムに比べて加工が容易である。よって、レーザ光源装置の軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
[第三実施形態]
図7は、第三実施形態に係わるレーザ光源装置の概略構成を示す模式図である。
第三実施形態のレーザ光源装置51は、光路変換素子514の構成だけが第一実施形態のレーザ光源装置31と異なっており、それ以外は、前記第一実施形態と同様である。したがって、第一実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。また、レーザ光源装置51から出力光が得られるまでの過程についても同様であり、その詳細な説明も省略または簡略化する。
図7に示すレーザ光源装置51において、光路変換素子514は、透光性部材としてのプリズム515と、選択反射膜317とを備えている。プリズム515は、例えばBK7などの光学ガラスからなり、二等辺三角柱の形を成している。プリズム515の側面は、二等辺三角形の頂角を挟む二辺を含む面515A,Bと、斜辺を含む面515Cから構成されている。プリズムの面515Aには、選択反射膜317が形成されている。この面515Aは、光源311から射出された光が入射角αaで入射するように配置されている。
プリズム515の面515Bは、入射光ILに対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面である。また、プリズム515の面515Cは、外部共振器313によって反射されて光源311の方へ向かう光が、入射角δaで入射するように配置されている。 なお、プリズム515の面515Cには、反射防止(AR)膜を形成してもよい。この面515CにAR膜を形成することにより、この面515Cを介して、光路変換素子514に光が入射したり、光路変換素子514から光が射出されたりする際の光の損失を低減することが可能となる。
次に、レーザ光源装置51から出力光が得られるまでの過程について、図7を参照して説明する。
光源311は、第一の波長の光を射出する。光源311は、レーザ光L1及びL2に垂直な面(図7の紙面に垂直な面)Sに対して、その内部に設けられたミラー層の面がθaだけ傾斜するように配置されている。光源311から射出された第一の波長の光は、選択反射膜317を介してプリズムの面515Aから光路変換素子514に入射する。選択反射膜317、プリズム515の面515Aに対する光の入射角はαaである。
プリズム515の面515Aに入射角αaで入射した光は、空気とプリズム515との屈折率差により、面515Aの法線に対して角度βaをなす方向に屈折してプリズム515内を進行する。
そして、プリズム515の面515Cに入射角γaで入射して、プリズム515の面515Cから波長変換素子312に向けて射出される。
プリズム515の面515Cから射出された光は、プリズム515と空気との屈折率差により、面515Cの法線に対して角度δaをなす方向に屈折して波長変換素子312へ向かう。
このようにして光路変換素子514から射出された第一の波長の光は、波長変換素子312に入射する。波長変換素子312では、入射した第一の波長の光のうち一部の光の波長が、半分の波長(第二の波長)に変換される。波長変換素子312から射出された光のうち、第二の波長に変換された光は、外部共振器313を透過して、第一のレーザ光LS1として外部共振器313から射出される。
一方、波長変換素子312から射出された光のうち、第二の波長に変換されなかった光(第一波長の光)は、外部共振器313によって反射され、光源311の方に向かう。外部共振器313によって反射された第一の波長の光は、光源311の方へ向かう過程で再び波長変換素子312を通過する。そして、そのうち一部の光の波長が、第二の波長に変換される。
そして波長変換素子312から光源311の方へ射出された光は、プリズム515の面515Cから光路変換素子514に入射する。このとき、面515Cに対する光の入射角はδaである。面515Cから光路変換素子514に入射した光は、空気とプリズム515との屈折率差により、面515Cの法線に対して角度γaをなす方向に屈折してプリズム515内を進行する。そして、面515Aを介して選択反射膜317に入射する。このとき、面515Aに対する光の入射角はβaである。
このようにして選択反射膜317に入射した光のうち、第一の波長の光は、選択反射膜317を透過する。そして、選択反射膜317を透過した第一の波長の光は、光路変換素子514から光源311に向けて射出される。この射出光は、プリズム515と空気との屈折率差により、面515Aの法線に対して角度αaをなす方向に屈折して光源311へ向かう。
さらに、この光は光源311に戻り、その内部に設けられたミラー層によって反射され、再び光源311から射出される。
このように、第一の波長の光は、光源311と外部共振器313との間に形成された第一光路O1を往復することにより、光源内部のレーザ媒体にて新たに発振される光と共振して増幅される。すなわち、レーザ光源装置51は、光源311の内部に設けられたミラー層と外部共振器313との間に形成された共振構造を備えている。
一方、外部共振器313によって反射されて光源311の方へ向かう過程で波長変換素子312によって第二の波長に変換された光は、選択反射膜317によって反射される。そして、プリズム515の面515Bによって反射されて、第一のレーザ光LS1の進行方向とほぼ平行な方向へ向けられ、第二のレーザ光LS2として、プリズム515の面515Cから射出される。
なお、角度θa、αa、βa、γa、δaは、例えば空気の屈折率をn=1、プリズムの屈折率をn=1.5とした場合に、θa=65°、αa=35°、βa=22.5°、γa=22.5°、δa=35°に設定することが可能である。これらの角度は、プリズム515の屈折率や、面515A,B,Cの傾きに応じて、適宜変更可能である。
図8は、第三実施形態の変形例のレーザ光源装置61の概略構成を示す模式図であり、角度θa、αa、βa、γa、δaを、それぞれ別の値θb、αb、βb、γb、δbに変更した例を示している。角度θa、αa、βa、γa、δaを、それぞれθb、αb、βb、γb、δbに変更した点以外は、図7のレーザ光源装置51と同様である。
図8のレーザ光源装置61において、角度θb、αb、βb、γb、δbは、θb=41.7°、αb=88°、βb=41.7°、γb=3.3°、δb=5.0°に設定されている。
以上の第三実施形態のレーザ光源装置51,61によれば、第一実施形態の上記効果(1)及び(4)〜(6)に加え、以下の効果を奏することができる。
1つのプリズム515と選択反射膜317だけで光路変換素子514を構成することが可能であるため、構成部品点数が低減し、レーザ光源装置51,61の低コスト化に寄与することができる。
プリズム515の面515Bが、入射光ILに対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面であるため、反射面の反射効率をほぼ100%にすることができ、光の利用効率をより向上させることが可能である。
なお、面515Bに反射膜を設け、この反射膜によって第二のレーザ光LS2を第一のレーザ光LS1の進行方向とほぼ同じ方向へ向けるようにしても良い。このような構成とした場合は、反射効率が多少低下する可能性はあるものの、面515Bを、全反射条件を満足する角度に配置しなくても良いため、光路設計の自由度が増す。
[実施形態の変形例]
本発明は前述の第一実施形態から第三実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。以下に変形例として挙げられているような形態であっても、前述の実施形態と同様な効果を得ることができる。
光源311としては、面発光型半導体レーザ以外に、いわゆる端面発光型半導体レーザまたは半導体励起固体レーザを用いることができる。なお、端面発光型半導体レーザを用いる場合には、光源311と光路変換素子314,414,514,515との間に、光源311から射出された光を平行化するためのレンズを設けることが好ましい。
また、光源311は、アレイ化された複数の発光部を備えたものとすることができる。図9(A)及び図9(B)は、いずれも発光部がアレイ化された光源を示す模式図である。図9(A)の光源321では、複数の発光部322が一列に並んでいる。また、図9(B)の光源323では、複数の発光部322が2列に並んでいる。なお、発光部の数や、列の数は、図9(A)や(B)に示したものには限らない。上述したレーザ光源装置31,41,51,61では、このように発光部がアレイ化された光源を用いたとしても、選択反射膜、反射面、波長選択素子や外部共振器の光入射出端面の面積を、アレイに対応した面積に拡張すれば良いだけである。
このように、上述したレーザ光源装置31,41,51,61では、光源がアレイ化されたとしても、装置の過度な大型化を招くことが無く、簡単な構成で対応することが可能である。よって、上述したレーザ光源装置31,41,51,61では、光源がアレイ化されたとしても、出力光のパワー低下を効率よく抑えて、光利用効率が高く、出力光の偏光方向が揃っており、かつ、出力が安定したレーザ光源装置を得ることが可能となる効果をそのまま保持しつつ、アレイ化による光量の増加を、効果的に出力光のパワーアップに繋げることが可能である。
波長変換素子312を構成する非線形光学材料としては、先にLN(LiNbO3)や、LT(LiTaO3)を例示したが、これ以外にもKNbO3、BNN(Ba2NaNb515)、KTP(KTiOPO4)、KTA(KTiOAsO4)、BBO(β―BaB24)、LBO(LiB37)などの無機非線形光学材料を利用してもよい。また、メタニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、カルコン、ジシアノビニルアニソール、3,5−ジメチル−1−(4−ニトロフェニル)ピラゾール、N−メトキシメチル−4−ニトロアニリンなどの低分子有機材料や、ポールドポリマなどの有機非線形光学材料を用いてもよい。
波長変換素子312として、上述したSHG素子に変えて、第三次高調波発生素子を用いても良い。
外部共振器313としては、先に説明した体積型位相格子以外に、結晶型の体積ホログラム、フォトポリマ体積ホログラム、ブレーズド型回折格子(溝の断面形状が鋸歯状である回折格子)などを用いても良い。
[レーザ光源装置の応用例]
以上に述べたようなレーザ光源装置31,41,51,61を画像表示装置やモニター装置に応用することにより、これらの装置における光の利用効率を向上させることが可能である。以下画像表示装置とモニター装置への応用例について説明する。
[応用例1:プロジェクタ]
次に、第一の実施形態に係るレーザ光源装置31を応用した画像表示装置の一例として、プロジェクタ3の構成について説明する。図10は、プロジェクタ3の光学系の概略を示す模式図である。
図10において、プロジェクタ3は、レーザ光源装置31、光変調装置としての液晶パネル32、偏光板331及び332、クロスダイクロイックプリズム34、投射レンズ35などを備えている。なお、液晶パネル32と、その光入射側に設けられた偏光板331及び光射出側に設けられた偏光板332によって液晶ライトバルブ33が構成される。
レーザ光源装置31は、赤色レーザ光を射出する赤色光用光源装置31Rと、青色レーザ光を射出する青色光用光源装置31Bと、緑色レーザ光を射出する緑色光用光源装置31Gを備えている。これらの光源装置31(31R,G,B)は、それぞれクロスダイクロイックプリズム34の側面三方にそれぞれ対向するように配置されている。図10では、クロスダイクロイックプリズム34を挟んで、赤色光用光源装置31Rと青色光用光源装置31Bとが互いに対向し、投射レンズ35と緑色光用光源装置31Gが互いに対向しているが、これらの位置は、適宜入れ替えることが可能である。
液晶パネル32は、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として用いたものである。各レーザ光源装置31から射出された色光は、入射側偏光板331を介して液晶パネル32に入射する。液晶パネル32に入射した光は、画像情報に応じて変調されて、液晶パネル32から射出される。液晶パネル32によって変調された光のうち、特定の直線偏光だけが、射出側偏光板332を透過して、クロスダイクロイックプリズム34に向かう。
なお、レーザ光源装置31から射出される光は、偏光方向が良く揃った光であるため、原理上は、入射側偏光板331を省略することも可能である。しかしながら、実際は、レーザ光源装置31から射出された光をそのまま照明光として利用する場合は少なく、レーザ光源装置31から射出された光を照明光に適した光に加工するための光学要素(例えば、回折格子、レンズ、ロッドインテグレータ等)が、光源装置31と液晶パネル32との間に設けられることが多い。そして、このような光学要素を通過することにより、偏光に多少の乱れが生じる可能性もある。偏光が乱れた光を液晶パネル32にそのまま入射させると、投射画像のコントラストが低下したり、投射画像に色むらが生じたりする可能性もある。そこで、液晶パネル32の入射側に偏光板331を設けて、液晶パネル32に入射する偏光の方向を揃えるようにすれば、投射画像のコントラストの低下や、色むらの発生を低減することができ、より質の高い画像を得ることが可能となる。
クロスダイクロイックプリズム34は、各液晶パネル32によって変調された各色光を合成して、カラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム34は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなしている。そして、これら4つの直角プリズムの界面には、2種類の誘電体多層膜がX字状に設けられている。これら誘電体多層膜は、互いに対向する各液晶パネル32から射出された各色光を反射し、投射レンズ35に対向する液晶パネル32から射出された色光を透過する。このようにして、各液晶パネル32にて変調された各色光が合成されて、カラー画像が形成される。
投射レンズ35は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。この投射レンズ35は、カラー画像Lを拡大投射する。
なお、この応用例では、第一実施形態に係るレーザ光源装置31(31R,G,B)を用いているが、これらのうち一部もしくは全部を、他の実施形態に係るレーザ光源装置41,51,61に置き換えても良い。
さらに、レーザ光源装置31R,G,Bのうち、一部を、基本波レーザの波長をそのまま利用するレーザ光源装置に置き換えても良い。
この応用例では、光変調素子を3つ用いたプロジェクタの例について説明したが、第一〜第三実施形態のレーザ光源装置31,41,51,61は、光変調装置を1つ、2つ、あるいは4つ以上用いたプロジェクタにも適用することができる。
また、この応用例では、透過型のプロジェクタについて説明したが、第一〜第三実施形態のレーザ光源装置31,41,51,61は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、光変調素子が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、光変調素子が光を反射するタイプであることを意味している。
また、光変調素子は液晶パネル32に限られず、例えばマイクロミラーを用いたデバイスであっても良い。
さらに、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行うフロントタイプと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行うリアタイプとがあるが、第一〜第三実施形態のレーザ光源装置31,41,51,61は、いずれのタイプにも適用可能である。
さらにまた、この応用例では、レーザ光源装置31を応用した画像表示装置の一例として、画像を拡大投射する投射レンズ35を備えたプロジェクタを紹介しているが、第一〜第三実施形態のレーザ光源装置31,41,51,61は、投射レンズ35を用いない画像表示装置にも応用可能である。
[応用例2:モニター装置]
次に、第一の実施形態に係るレーザ光源装置31を応用したモニター装置40の構成例について説明する。図11は、モニター装置の概略を示す模式図である。モニター装置40は、装置本体410と、光伝送部420とを備える。装置本体410は、前述した第一実施形態のレーザ光源装置31を備える。
光伝送部420は、光を送る側と受ける側の2本のライトガイド421,422を備える。各ライトガイド421,422は、多数本の光ファイバを束ねたもので、レーザ光を遠方に送ることができる。光を送る側のライトガイド421の入射側にはレーザ光源装置31が配設され、その出射側には拡散板423が配設されている。レーザ光源装置31から出射したレーザ光は、ライトガイド421を伝って光伝送部420の先端に設けられた拡散板423に送られ、拡散板423により拡散されて被写体を照射する。
光伝送部420の先端には、結像レンズ424も設けられており、被写体からの反射光を結像レンズ424で受けることができる。その受けた反射光は、受け側のライトガイド422を伝って、装置本体410内に設けられた撮像手段としてのカメラ411に送られる。この結果、レーザ光源装置31により出射したレーザ光により被写体を照射したことで得られる反射光に基づく画像をカメラ411で撮像することができる。
以上のように構成されたモニター装置40によれば、高出力のレーザ光源装置31により被写体を照射することができることから、カメラ411により得られる撮像画像の明るさを高めることができる。
なお、この応用例では、第一実施形態に係るレーザ光源装置31を用いているが、これを、他の実施形態に係るレーザ光源装置41,51,61に置き換えても良い。
第一実施形態に係わるレーザ光源装置の概略構成を示す模式図。 光源の構造を模式的に示す断面図。 波長変換素子の構造を模式的に示す断面図。 外部共振器の構造を模式的に示す断面図。 光路変換素子の斜視図。 第二実施形態に係わるレーザ光源装置の概略構成を示す模式図。 第三実施形態に係わるレーザ光源装置の概略構成を示す模式図。 第三実施形態の変形例のレーザ光源装置の概略構成を示す模式図。 発光部がアレイ化された光源を示す模式図。 プロジェクタの光学系の概略を示す模式図。 モニター装置の概略を示す模式図。
符号の説明
31,41,51,61…レーザ光源装置、31B…青色光用光源装置、31G…緑色光用光源装置、31R…赤色光用光源装置、32…液晶パネル、33…偏光板、34…クロスダイクロイックプリズム、35…投射レンズ、311…光源、311A…ミラー層、311B…レーザ媒体、400…基板、312…波長変換素子、313…外部共振器、314,414,514…光路変換素子、315…第一のプリズム、316…第二のプリズム、317…選択反射膜、416…反射膜。

Claims (15)

  1. 第一の波長の光を射出する光源と、
    前記第一の波長の光を選択的に反射して前記光源の方に向かわせる外部共振器と、
    前記光源と前記外部共振器との間に形成された第一光路上に設けられ、入射した第一の波長の光のうち一部の光の波長を前記第一の波長とは異なる第二の波長に変換する波長変換素子と、
    前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう過程で前記第二の波長に変換された光を、前記第一光路とは異なる第二光路に取り出す光路変換素子と、
    を備え、
    前記外部共振器から射出される前記第二の波長の第一のレーザ光と、前記光路変換素子から射出される前記第二の波長の第二のレーザ光とを出力光として利用するレーザ光源装置であって、
    前記光路変換素子は、
    前記光源と前記波長変換素子との間に設けられ、前記第二の波長の光を選択的に反射する選択反射膜と、
    前記選択反射膜によって反射された光を反射して、前記第一のレーザ光の進行方向とほぼ同じ方向へ向ける反射面と、
    前記選択反射膜と前記反射面とを一体化する透光性素子と、
    を備えることを特徴とするレーザ光源装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ光源装置において、
    前記透光性素子は、第一のプリズムと第二のプリズムとを有し、
    前記第一、および第二のプリズムは、それぞれ第一の面と第二の面とを有し、
    前記第一のプリズムの第二の面と、前記第二のプリズムの第一の面との間に、前記選択反射膜が設けられ、
    前記光源から射出された光は、前記第一のプリズムの第一の面から前記光路変換素子に入射して、前記第一のプリズムの第二の面、前記選択反射膜、前記第二のプリズムの第一の面をこの順に通過して、前記第二のプリズムの第二の面から前記波長変換素子に向けて射出され、
    前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光は、前記第二のプリズムの第二の面から前記光路変換素子に入射して、前記第二のプリズムの第一の面を通過して、前記選択反射膜に入射し、
    前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜を透過して前記光源の方へ向かう光は、前記第一のプリズムの第二の面を通過して、前記第一のプリズムの第一の面から前記光源に向けて射出され、
    前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜によって反射された光は、前記反射面によって反射されて、前記第二のプリズムの第二の面から射出される
    ことを特徴とするレーザ光源装置。
  3. 請求項2に記載のレーザ光源装置において、
    前記第一のプリズムの第一の面と、前記第二のプリズムの第二の面とが平行であることを特徴とするレーザ光源装置。
  4. 請求項2に記載のレーザ光源装置において、
    前記反射面は、前記第二のプリズムの第三の面であり、
    前記第三の面は、前記第三の面に入射する光に対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面であることを特徴とするレーザ光源装置。
  5. 請求項2に記載のレーザ光源装置において、
    前記反射面は、前記第二のプリズムの第三の面に設けられた反射膜であることを特徴とするレーザ光源装置。
  6. 請求項1に記載のレーザ光源装置において、
    前記透光性部材は、第一の面と第二の面とを備えた板状部材であり、
    前記選択反射膜は、前記板状部材の第一の面に設けられ、
    前記反射面は、前記板状部材の第二の面に設けられた反射膜である
    ことを特徴とするレーザ光源装置。
  7. 請求項1に記載のレーザ光源装置において、
    前記透光性部材は、第一、第二、第三の面を備えたプリズムからなり、
    前記第一の面に前記選択反射膜が設けられ、
    前記光源から射出された光は、前記選択反射膜を介して前記第一の面から前記光路変換素子に入射して、前記第二の面から前記波長変換素子に向けて射出され、
    前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光は、前記第二の面から前記光路変換素子に入射して、前記第一の面を通過して、前記選択反射膜に入射し、
    前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜を透過した光は、前記光源の方へ向かい、
    前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜によって反射された光は、前記第三の面で反射されて、前記第二の面から射出される
    ことを特徴とするレーザ光源装置。
  8. 請求項7に記載のレーザ光源装置において、
    前記反射面は前記第三の面であり、
    前記第三の面は、前記第三の面に入射する光に対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面であることを特徴とするレーザ光源装置。
  9. 請求項7に記載のレーザ光源装置において、
    前記反射面は、前記第三の面に設けられた反射膜であることを特徴とするレーザ光源装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のレーザ光源装置において、
    前記外部共振器から射出される前記第二の波長の第一のレーザ光と、前記光路変換素子から射出される前記第二の波長の第二のレーザ光とは、ほぼ平行であることを特徴とするレーザ光源装置。
  11. 請求項10に記載のレーザ光源装置において、
    前記波長変換素子の、前記第一のレーザ光と前記第二のレーザ光とに直交する線と平行な方向の幅をW1とし、
    前記第一のレーザ光と前記第二のレーザ光との間の距離をW2としたとき、
    W2>W1であることを特徴とするレーザ光源装置。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載のレーザ光源装置において、
    前記光源は、アレイ化された複数の発光部を備えることを特徴とするレーザ光源装置。
  13. 請求項1乃至12の何れか一項に記載のレーザ光源装置において、
    前記波長変換素子は、擬似位相制御型の波長変換素子であることを特徴とするレーザ光源装置。
  14. 請求項1乃至13の何れか一項に記載のレーザ光源装置と、
    前記レーザ光源装置から射出されたレーザ光を画像情報に応じて変調する光変調素子と、
    を備える画像表示装置。
  15. 請求項1乃至13の何れか一項に記載のレーザ光源装置と、
    前記レーザ光源装置により照射された被写体を撮像する撮像手段と、
    を備えるモニター装置。
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