JP4187030B2 - レーザ光源装置及びそのレーザ光源装置を備えた画像表示装置並びにモニター装置 - Google Patents
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Description
こうしたレーザ光源装置としては、基本波レーザの波長をそのまま利用するものと、基本波レーザの波長を変換して利用するものとがある。後者のレーザ光源装置において、基本波レーザの波長の変換を行う素子として、第二次高調波光発生(SHG:Second Harmonic Generation)素子が知られている。
すなわち、本発明によれば、出力光のパワー低下を効率よく抑えて、光利用効率が高く、出力光の偏光方向が揃っており、かつ、出力が安定したレーザ光源装置を得ることが可能となる。
特に、前記第一のプリズムの第一の面と、前記第二のプリズムの第二の面とが平行である場合には、光路変換素子に入射する光と、光路変換素子から射出される光の方向を同一にすることが可能であり、光の方向の制御が更に容易となる。
また、この場合において、前記反射面は、前記第二のプリズムの第三の面に設けられた反射膜によって構成することもできる。かかる構成によれば、第三の面を、全反射条件を満足する角度に配置しなくても良いため、光路設計の自由度が増す。
かかる構成によれば、透光性部材としてプリズムを用いた場合よりも、軽量な光路変換素子を得ることができる。また、板状部材はプリズムに比べて加工が容易である。よって、レーザ光源装置の軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
また、この場合において、前記反射面は前記第三の面によって構成することができ、このとき、前記第三の面は、前記第三の面に入射する光に対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面であることが好ましい。かかる構成によれば、反射面の反射効率をほぼ100%にすることができるため、光の利用効率をより向上させることが可能である。
また、この場合において、前記反射面は、前記第三の面に設けられた反射膜によって構成することも可能である。かかる構成によれば、第三の面を、全反射条件を満足する角度に配置しなくても良いため、光路設計の自由度が増す。
本発明に係るレーザ光源装置は、レンズ、フィルター、ミラー、回折格子、プリズム、光変調素子など、他の光学デバイスと組み合わせて利用される可能性が高いが、このような光学デバイスの多くは、入射光の角度に依存して特性が変化したり、出力結果が変化してしまったりする。そこで、第一のレーザ光と第二のレーザ光とをほぼ平行とすれば、レーザ光源装置の後に配置される光学デバイスの設計や配置が容易となる。従って、かかる構成によれば、特に、本発明に係るレーザ光源装置を、画像表示装置やモニター装置等に応用した場合に、光学設計の自由度が非常に高まるという効果がある。
かかる構成により、第一光路と波長選択膜との相対位置が多少ずれたとしても、第二光路が波長変換素子によって遮られることが無い。よって、光路変換素子の位置合わせが比較的容易となる。
また、本発明に係るモニター装置は、上述したようなレーザ光源装置と、前記レーザ光源装置により照射された被写体を撮像する撮像手段とを備えたことを特徴とする。
図1は、第一実施形態に係わるレーザ光源装置の概略構成を示す模式図である。
レーザ光源装置31は、光源311、波長変換素子312、外部共振器313、光路変換素子314を備えている。光源311は、第一の波長の光を射出する。
ブラッグ格子部313Aは、光路O1に沿って設けられた多数の層によって構成されている。
なお、AR膜313Bは、外部共振器313の機能を達成する上で必須の構成ではないため、省略することも可能である。つまり、外部共振器313を、ブラッグ格子部313Aのみで構成することも可能である。
プリズム315の面315Aは、図1に示すように、光源311と対向するように配置されている。また、この面315Aは、第一光路O1に対して略直交するように配置されている。さらに、この面315Aと、後述するプリズム316の面316Cとは、平行である。
面316Cは、その一部が波長変換素子312と対向するように配置されている。また、この面316Cは、第一光路O1に対して略直交するように配置されている。面316Aは、入射光IL(図1参照)に対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面である。
光源311から射出された第一の波長の光は、プリズム315の面315Aから光路変換素子314に入射して、プリズム315の面315C、選択反射膜317、プリズム316の面316Bをこの順に通過して、プリズム316の面316Cから波長変換素子312に向けて射出される。
波長変換素子312では、入射した第一の発振波長の光のうち一部の光の波長が、半分の波長(第二の波長)に変換される。
波長変換素子312から射出された光のうち、第二の波長に変換された光は、外部共振器313を透過して、第一のレーザ光LS1として外部共振器313から射出される。
外部共振器313によって反射された第一の波長の光は、光源311の方へ向かう過程で再び波長変換素子312を通過する。そして、そのうち一部の光が、第二の波長に変換される。
このようにして選択反射膜317に入射した光のうち、第一の波長の光は、選択反射膜317を透過する。
さらに、この光は光源311に戻り、ミラー層311Aによって反射され、再び光源311から射出される。このように、第一の波長の光は、光源311と外部共振器313との間に形成された第一光路O1を往復することにより、レーザ媒体311Bにて新たに発振される光と共振して増幅される。すなわち、レーザ光源装置31は、光源311のミラー層311Aと外部共振器313との間に形成された共振構造を備えている。
そして、光路変換素子314は、このような機能を達成できる限度において、二等辺三角柱以外のプリズムを用いて構成することも可能である。
(1)光源311と外部共振器313とによって構成された共振構造(第一光路O1)中に波長変換素子312を設け、外部共振器313によって反射されて光源311へ向かう過程で波長が変換された第二のレーザ光を、光路変換素子314によって第二光路O2に取り出して利用することにより、出力光のパワー低下を効率よく低減することが可能である。また、光源311と外部共振器313とによって構成された共振構造の内部に波長変換素子312を設けているため、外部共振器313によって反射されて光源311の方へ向かう過程で第二の波長に変換されなかった光を光源311に戻さないようにする構成は不要である。よって、光学系の大型化を招く恐れが少なく、光路の長さが長くなったり、光学要素を通過する回数が増えてしまったりすることによる光の損失を低減することも可能である。さらに、第二のレーザ光LS2を、第一のレーザ光LS1の進行方向とほぼ同じ方向へ向けるだけで良いため、偏光方向がほぼ揃った出力光を得ることができる。よって、偏光制御型のデバイスと組み合わせて使用する場合であっても、光の利用効率を向上させることが可能である。さらにまた、出力光のパワーは、選択反射膜317と反射面としての面316Aの位置の変動によって影響され易いが、これらがプリズム315,316によって一体化されていることにより、選択反射膜317と面316Aとの位置合わせが不要であり、かつ、選択反射膜317と面316Aとの位置がずれることもないので、安定した出力を得ることも可能である。
すなわち、本実施形態によれば、出力光のパワー低下を効率よく抑えて、光利用効率が高く、出力光の偏光方向が揃っており、かつ、出力が安定したレーザ光源装置31を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、第一のプリズム315の面315Aと、第二のプリズム316の面316Cとが平行であるが、これらは平行でなくても良い。しかし、本実施形態のように、第一のプリズム315の面315Aと、第二のプリズム316の面316Cとを平行にすれば、光路変換素子314に入射する光と、光路変換素子314から射出される光の方向を同一にすることが可能であるため、光の方向の制御が極めて容易となる。
なお、面316Aに反射膜を設け、この反射膜によって第二のレーザ光LS2を第一のレーザ光LS1の進行方向とほぼ同じ方向へ向けるようにしても良い。このような構成とした場合は、反射効率が多少低下する可能性はあるものの、面316Aを、全反射条件を満足する角度に配置しなくても良いため、光路設計の自由度が増す。
図6は、第二実施形態に係わるレーザ光源装置41の概略構成を示す模式図である。
第二実施形態のレーザ光源装置41は、光路変換素子414の構成だけが第一実施形態のレーザ光源装置31と異なっており、それ以外は、前記第一実施形態と同様である。したがって、図6において、第一実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。また、レーザ光源装置41から出力光が得られるまでの過程についても同様であり、その詳細な説明も省略または簡略化する。
光源311は、第一の波長の光を射出する。光源311から射出された第一の波長の光は、光路変換素子414に入射して、板状部材411A及び選択反射膜317を通過して、波長変換素子312に向けて射出される。光路変換素子414から射出された第一の波長の光は、波長変換素子312に入射する。波長変換素子312では、入射した第一の波長の光のうち一部の光の波長が、半分の波長(第二の波長)に変換される。波長変換素子312から射出された光のうち、第二の波長に変換された光は、外部共振器313を透過して、第一のレーザ光LS1として外部共振器313から射出される。
そして波長変換素子312から光源311の方へ射出された光は、選択反射膜317に入射する。
さらに、この光は光源311に戻り、その内部に設けられたミラー層によって反射され、再び光源311から射出される。このように、第一の波長の光は、光源311と外部共振器313との間に形成された第一光路O1を往復することにより、レーザ媒体311Bにて新たに発振される光と共振して増幅される。すなわち、レーザ光源装置41は、光源311の内部に設けられたミラー層と外部共振器313との間に形成された共振構造を備えている。
透光性部材としてプリズムを用いた場合よりも、軽量な光路変換素子414を得ることができる。また、板状部材はプリズムに比べて加工が容易である。よって、レーザ光源装置の軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
図7は、第三実施形態に係わるレーザ光源装置の概略構成を示す模式図である。
第三実施形態のレーザ光源装置51は、光路変換素子514の構成だけが第一実施形態のレーザ光源装置31と異なっており、それ以外は、前記第一実施形態と同様である。したがって、第一実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。また、レーザ光源装置51から出力光が得られるまでの過程についても同様であり、その詳細な説明も省略または簡略化する。
光源311は、第一の波長の光を射出する。光源311は、レーザ光L1及びL2に垂直な面(図7の紙面に垂直な面)Sに対して、その内部に設けられたミラー層の面がθaだけ傾斜するように配置されている。光源311から射出された第一の波長の光は、選択反射膜317を介してプリズムの面515Aから光路変換素子514に入射する。選択反射膜317、プリズム515の面515Aに対する光の入射角はαaである。
そして、プリズム515の面515Cに入射角γaで入射して、プリズム515の面515Cから波長変換素子312に向けて射出される。
さらに、この光は光源311に戻り、その内部に設けられたミラー層によって反射され、再び光源311から射出される。
1つのプリズム515と選択反射膜317だけで光路変換素子514を構成することが可能であるため、構成部品点数が低減し、レーザ光源装置51,61の低コスト化に寄与することができる。
なお、面515Bに反射膜を設け、この反射膜によって第二のレーザ光LS2を第一のレーザ光LS1の進行方向とほぼ同じ方向へ向けるようにしても良い。このような構成とした場合は、反射効率が多少低下する可能性はあるものの、面515Bを、全反射条件を満足する角度に配置しなくても良いため、光路設計の自由度が増す。
本発明は前述の第一実施形態から第三実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。以下に変形例として挙げられているような形態であっても、前述の実施形態と同様な効果を得ることができる。
以上に述べたようなレーザ光源装置31,41,51,61を画像表示装置やモニター装置に応用することにより、これらの装置における光の利用効率を向上させることが可能である。以下画像表示装置とモニター装置への応用例について説明する。
次に、第一の実施形態に係るレーザ光源装置31を応用した画像表示装置の一例として、プロジェクタ3の構成について説明する。図10は、プロジェクタ3の光学系の概略を示す模式図である。
さらに、レーザ光源装置31R,G,Bのうち、一部を、基本波レーザの波長をそのまま利用するレーザ光源装置に置き換えても良い。
また、この応用例では、透過型のプロジェクタについて説明したが、第一〜第三実施形態のレーザ光源装置31,41,51,61は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、光変調素子が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、光変調素子が光を反射するタイプであることを意味している。
さらに、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行うフロントタイプと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行うリアタイプとがあるが、第一〜第三実施形態のレーザ光源装置31,41,51,61は、いずれのタイプにも適用可能である。
次に、第一の実施形態に係るレーザ光源装置31を応用したモニター装置40の構成例について説明する。図11は、モニター装置の概略を示す模式図である。モニター装置40は、装置本体410と、光伝送部420とを備える。装置本体410は、前述した第一実施形態のレーザ光源装置31を備える。
なお、この応用例では、第一実施形態に係るレーザ光源装置31を用いているが、これを、他の実施形態に係るレーザ光源装置41,51,61に置き換えても良い。
Claims (9)
- 第一の波長の光を射出する光源と、
前記第一の波長の光を選択的に反射して前記光源の方に向かわせる外部共振器と、
前記光源と前記外部共振器との間に形成された第一光路上に設けられ、入射した第一の波長の光のうち一部の光の波長を前記第一の波長とは異なる第二の波長に変換する波長変換素子と、
前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう過程で前記第二の波長に変換された光を、前記第一光路とは異なる第二光路に取り出す光路変換素子と、
を備え、
前記外部共振器から射出される前記第二の波長の第一のレーザ光と、前記光路変換素子から射出される前記第二の波長の第二のレーザ光とを出力光として利用するレーザ光源装置であって、
前記光路変換素子は、
前記光源と前記波長変換素子との間に設けられ、前記第二の波長の光を選択的に反射する選択反射膜と、
前記選択反射膜によって反射された光を反射して、前記第一のレーザ光の進行方向とほぼ同じ方向へ向ける反射面と、
前記選択反射膜と前記反射面とを一体化する透光性素子と、
を備え、
前記透光性部材は、第一、第二、第三の面を備えたプリズムからなり、
前記第一の面に前記選択反射膜が設けられ、
前記光源から射出された光は、前記選択反射膜を介して前記第一の面から前記光路変換素子に入射して、前記第二の面から前記波長変換素子に向けて射出され、
前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光は、前記第二の面から前記光路変換素子に入射して、前記第一の面を通過して、前記選択反射膜に入射し、
前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜を透過した光は、前記光源の方へ向かい、
前記外部共振器によって反射されて前記光源の方へ向かう光のうち、前記選択反射膜によって反射された光は、前記第三の面で反射されて、前記第二の面から射出されることを特徴とするレーザ光源装置。 - 請求項1に記載のレーザ光源装置において、
前記反射面は前記第三の面であり、
前記第三の面は、前記第三の面に入射する光に対して全反射条件を満足する角度に配置された平滑面であることを特徴とするレーザ光源装置。 - 請求項1に記載のレーザ光源装置において、
前記反射面は、前記第三の面に設けられた反射膜であることを特徴とするレーザ光源装置。 - 請求項1乃至3の何れか一項に記載のレーザ光源装置において、
前記外部共振器から射出される前記第二の波長の第一のレーザ光と、前記光路変換素子から射出される前記第二の波長の第二のレーザ光とは、ほぼ平行であることを特徴とするレーザ光源装置。 - 請求項4に記載のレーザ光源装置において、
前記波長変換素子の、前記第一のレーザ光と前記第二のレーザ光とに直交する線と平行な方向の幅をW1とし、
前記第一のレーザ光と前記第二のレーザ光との間の距離をW2としたとき、
W2>W1であることを特徴とするレーザ光源装置。 - 請求項1乃至5の何れか一項に記載のレーザ光源装置において、
前記光源は、アレイ化された複数の発光部を備えることを特徴とするレーザ光源装置。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載のレーザ光源装置において、
前記波長変換素子は、擬似位相制御型の波長変換素子であることを特徴とするレーザ光
源装置。 - 請求項1乃至7の何れか一項に記載のレーザ光源装置と、
前記レーザ光源装置から射出されたレーザ光を画像情報に応じて変調する光変調素子と、
を備える画像表示装置。 - 請求項1乃至7の何れか一項に記載のレーザ光源装置と、
前記レーザ光源装置により照射された被写体を撮像する撮像手段と、
を備えるモニター装置。
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