JP2008081630A - 摺動部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動部材へのダイヤモンドライクカーボンの高い密着性を実現すると共に、低摩擦性を示す摺動部材を提供すること。
【解決手段】基材5上へ、クロム層からなる中間層6を設け、当該中間層6上へは、ダイヤモンドライクカーボンからなるDLC多層膜10をUBMスパッタリング法により形成し、当該DLC多層膜10は、傾斜層12および傾斜層12側から高硬度層と低硬度層とが周期的な構造を有する積層構造層11を形成することにより、ダイヤモンドライクカーボン層の摺動部材への密着性を高め、且つ、摩擦係数を低くして、優れた摺動性を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明はダイヤモンドライクカーボン層を備えた摺動部材に関し、詳細には、ダイヤモンドライクカーボン層の摺動部材への密着性を高め、且つ、摩擦係数を低くして、優れた摺動性を備えた摺動部材に関する。
従来、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)は、硬度、耐摩耗性、固体潤滑性、化学的安定性等に優れていることが知られている。そして、このダイヤモンドライクカーボンを表面に設けて、耐摩耗性及び摺動性を高めた摺動部材が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載摺動部材では、基材上にCr層、Cr−カーボン層組成傾斜層、ダイヤモンドライクカーボン硬度傾斜層、硬質ダイヤモンドライクカーボンの順に積層した構造の保護層を設けて、保護層の密着性の向上及び摺動性の向上を図っている。
特開2004−10923号公報
しかしながら、ダイヤモンドライクカーボンは、内部残留応力が高く、高負荷な条件下では、密着性が著しく低くなると言う問題点があり、特許文献1に記載のような構造の摺動部材でも高負荷な条件下では密着性が低下するという問題点があった。また、大気中で優れた低摩耗性、耐摩耗性、耐焼付性及び耐久性を示す水素含有量が少ない硬質ダイヤモンドライクカーボン材料は、潤滑油存在下においては、その摩擦低減効果が必ずしも大きくない。このようなダイヤモンドライクカーボン材料に、ジチオリン酸亜鉛など、極圧添加剤として使用されている有機亜鉛化合物や摩擦調整剤として使用されるジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)を含有する潤滑油を適用しても、ダイヤモンドライクカーボン表面が極めて安定であり、不活性であるゆえに、これら添加物が表面にて機能せず、摩擦摩耗低減効果は十分に発揮されないという問題点があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、摺動部材へのダイヤモンドライクカーボンの高い密着性を実現すると共に、低摩擦性を示す摺動部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の摺動部材では、基材と、当該基材上に設けられた金属を含む中間層と、当該中間層上に設けられ、当該中間層から離れるに従って、硬度が連続的又は段階的に増加するダイヤモンドライクカーボン層からなる第1ダイヤモンドライクカーボン層と、当該第1ダイヤモンドライクカーボン層上に設けられ、所定硬度のダイヤモンドライクカーボン層からなる低硬度層と当該低硬度層より高い硬度のダイヤモンドライクカーボン層からなる高硬度層とが、前記第1ダイヤモンドライクカーボン層上側から、高硬度層、低硬度層の順に交互に積層された第2ダイヤモンドライクカーボン層とを備え、前記第1ダイヤモンドライクカーボン層及び第2ダイヤモンドライクカーボン層中の水素含有量が20at%〜50at%であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の摺動部材では、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記第1ダイヤモンドライクカーボン層の厚みは、50nm〜700nmであることを特徴とする。
また、請求項3に記載の摺動部材では、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記第2ダイヤモンドライクカーボン層の最表面は、前記低硬度層から構成され、当該最表面の低硬度層の水素含有量が20at%〜50at%であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の摺動部材では、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の構成に加え、前記第2ダイヤモンドライクカーボン層の最表面に塗布される潤滑剤には、有機モリブデン化合物及び有機亜鉛化合物を含むことを特徴とする。
請求項1に記載の摺動部材では、前記第1ダイヤモンドライクカーボン層及び第2ダイヤモンドライクカーボン層中の水素含有量が20at%〜50at%であるので、基板あるいは中間下地層との境界において応力の集中が抑制されて、基材と前記第1ダイヤモンドライクカーボン層及び第2ダイヤモンドライクカーボン層との密着性の低下を防止することができる。また、硬度が連続的又は段階的に増加する第1ダイヤモンドライクカーボン層(以下、「傾斜層」とも言う。)の上に、高硬度層、低硬度層の順に交互に積層された積層周期構造を有する第2ダイヤモンドライクカーボン層を設けることにより、表層側の内部応力を抑えて靱性を向上することができる。さらに、摩耗係数が低く摺動性が良好な被膜を得ることが出来る。
また、請求項2に記載の摺動部材では、請求項1に記載の発明の効果に加え、第1ダイヤモンドライクカーボン層の厚みを50nm〜700nmとすることにより、摩耗係数が低く摺動性が良好な被膜を得ることが出来る。
また、請求項3に記載の摺動部材では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、粘着材は、前記第2ダイヤモンドライクカーボン層の最表面は、前記低硬度層から構成され、当該最表面の低硬度層の水素含有量が20at%〜50at%であることにより、ダイヤモンドライクカーボン層の表面に、水素基を多く存在させることにより剪断力が低下し、結合力の弱い水素基が摩擦によって脱落することによって、有機亜鉛化合物潤滑剤や有機モリブデン化合物潤滑剤に含まれる成分が吸着しやすい状態とすることによって、トライボケミカル反応被膜が形成され固体潤滑剤としての機能を発揮でき、ダイヤモンドライクカーボンの低摩擦性・低摩耗性をさらに向上できる。
また、請求項4に記載の摺動部材では、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の効果に加え、第2ダイヤモンドライクカーボン層の最表面に塗布される潤滑剤には、有機モリブデン化合物及び有機亜鉛化合物を含むので、トライボケミカル反応被膜が形成され固体潤滑剤としての機能を発揮でき、ダイヤモンドライクカーボンの低摩擦性・低摩耗性をさらに向上できる。
以下、本発明の一実施形態である摺動部材について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である摺動部材1の断面図の模式図である。本実施の形態の摺動部材1は、鋼材(一例として、クロムモリブデン鋼や超硬合金等)からなる基材5上へ、クロム層からなる中間層6を設け、当該中間層6上へは、ダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」とも言う。)からなるDLC多層膜10を設けたものである。
そして、このDLC多層膜10は、図1に示すように、中間層6側にDLCの硬度が層内で傾斜した傾斜層12(本発明の第1ダイヤモンドライクカーボン層に相当する)が設けられ、当該傾斜層12上に、DLC膜の積層構造層11(本発明の第2ダイヤモンドライクカーボン層に相当する)が設けられている。尚、DLC多層膜10の生成は、周知のUBMスパッタリング法 (Unbalanced Magnetron sputtering process)を用いて行った。
次に、傾斜層12について説明する。図1に示すように、摺動部材1では、中間層6側にDLCの硬度が層内で傾斜した傾斜層12が設けられている。この傾斜層12は、1つの層内で、中間層6側は硬度が低く、反対側(積層構造層11側)は硬度が高く形成されているものである。
次に、DLC多層膜10を構成する積層構造層11について説明する。図1に示すように、DLC多層膜10を構成する積層構造層11は、硬度の異なるDLC層を交互に積み重ねた複数の層からなるDLCの多層膜である。即ち、本実施の形態の積層構造層11では、傾斜層12側から、高硬度層13、低硬度層14、高硬度層15、低硬度層16、高硬度層17、低硬度層18、高硬度層19、低硬度層20、高硬度層21、低硬度層22と積層している。即ち、この積層構造層11は、DLCの高硬度層と低硬度層のペアを1周期(10nm)として、積層構造層11の膜厚を満たすまで積み重ねて形成している。上記実施の形態では、高硬度層13から低硬度層22までを例示しているが、積層する層数は、これよりも多い場合や、少ない場合でもよく、積層構造層11の必要な膜厚と、高硬度層及び低硬度層の膜厚により積層する層数は決定される。
次に、図2に示す、試験結果の表を参照して、DLC多層膜10の製造方法とその製造方法により製作されたDLC多層膜10を有する摺動部材1の耐久試験の結果について説明する。図2は、DLC膜を有する試料1〜11のUBMスパッタリング法におけるバイアス電圧、生成されたDLC膜厚比、DLC膜厚、積層周期、耐久試験に於ける耐久性(耐久時間)、内部応力、押込み試験結果、スクラッチ密着試験の於けるスクラッチ密着力を示す一覧表である。
図2の表に示すように、この試験に用いた摺動部材1については、基材5上に設けられた中間層6上に、DLC膜を単層だけで設けた試料と、積層構造層だけ設けた試料と、傾斜層だけで設けた試料と、傾斜層上に積層構造層を異なる膜厚比で7種類設けた試料の合計11種類を作成して、耐久試験、押込み試験及びスクラッチ密着試験を行った。
耐久試験では、天秤軸と天秤軸受とを摺動させて実験を行い、摺動部の寿命を計測した。本実験は、室温40℃の環境で、天秤軸を3300rpmで回転させて、焼き付きが起こるまでの時間(耐久性)を測定した。天秤部分のPV値は、P=1.4MPa、V=6.4m/sである。また、天秤軸に塗布されるグリスは、基油にDOS(セバシン酸ジオクチル)、増ちょう剤にLi石鹸16重量%、添加剤にZnDTp(ジチオリン酸亜鉛)及びMoDTC(ジチオカルバミン酸モリブデン)を5重量%を使用した。尚、DOSの40℃での動粘度は12mm/sである。
尚、本耐久試験では、天秤軸と天秤軸受と焼き付きまでの耐久性(耐久時間)を3500時間を合格値とした。この3500時間を合格基準としたのは、一般に工業ミシンでは、1年間に平均700時間程度の実働時間であることが知られている。そうすると、3500時間は5年分の稼働時間となり、3500時間の耐久性を備えたミシンでは、5年に一度潤滑油を給油すれば良いことになる。従来は、1年毎のグリス補給が必要であったが、5年に一度と潤滑油の給油サイクルが非常に長くなり、作業者の潤滑油の供給作業を大幅に削減することができる。また、 焼き付き寿命が3500時間以上になると、約5年のメンテナンスフリーに相当し、工業ミシンの一般的な買い替え寿命が10年といわれているので、製品寿命において、1回の潤滑油の給油(グリスアップ)で済み、作業の軽減効果が大きいからである。
次に、押込み試験について説明する。今回の押込み試験では、ロックウェルCスケール硬度測定用圧子を試料1〜11に押し込み、圧痕周りの剥離の発生の有無を光学顕微鏡にて観察した。圧痕の押し込み荷重としては、150kgfを印加した。
次に、スクラッチ試験について説明する。スクラッチ試験では、先端半径200μmのロックウェルCスケールのダイヤモンド圧子を試料1〜11に垂直荷重をかけて、一定方向に移動させた。そして、垂直荷重が増加して臨界荷重を越えると圧子進行方向前方の被膜が剥離して接触が圧子と被膜から圧子と基板に変わるため摩擦係数と応力の成分が変化してスクラッチ摩擦力が大きく変化する荷重すなわち摩擦力による臨界荷重が得られる。この臨界荷重を密着力として定量評価した。
以下、図2に示す表を参照して、試料1(No:1)〜試料11(No:11)のDLC膜の構造と、試験結果を説明する。まず、試料1(No:1)としては、図2に示すように、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を300Vの一定に維持して、DLC膜を単層の1μmの膜厚のものを作成した。当該DLC膜の水素の含有量は9.7at%である。そして、この試料1では、焼き付きを起こすまでの寿命が900時間の耐久性で、不合格である。そして、試料1のDLC膜の内部応力は、1.3GPaであった。また、押込み試験では、剥離を生じ、スクラッチ密着力は65Nであった。
また、試料2(No:2)としては、図2に示すように、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を300Vの一定に維持して、DLC膜を単層の1μmの膜厚のものを作成した。当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。そして、この試料2では、焼き付きを起こすまでの寿命が1500時間の耐久性で、不合格である。そして、試料2のDLC膜の内部応力は、1.3GPaであった。また、押込み試験では、剥離を生じ、スクラッチ密着力は65Nであった。
また、試料3(No:3)としては、図2に示すように、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を0Vと300Vを交互に印加して、DLC膜を積層構造にして1μmの膜厚のものを作成した。当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。尚、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を0Vとしたときには、硬度の低いDLC膜が形成され、バイアス電圧を300Vとしたときには、硬度の高いDLC膜が形成される。従って、中間層6から硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜と交互に積み重ねられ、DLC膜の積層周期は、10nmであり、表層が硬度の低いDLC膜となっている。そして、この試料3では、焼き付きを起こすまでの寿命が2000時間の耐久性で、不合格である。そして、試料3のDLC膜の内部応力は、0.3GPaであった。また、押込み試験では、剥離を生じることが無く、スクラッチ密着力は75Nであった。
また、試料4(No:4)としては、図2に示すように、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を50V〜300Vに傾斜して昇圧して印加して、1つのDLC膜内にバイアス電圧を50Vで形成した硬度の低い部分からバイアス電圧を300Vで形成した硬度の高い部分まで、DLC膜の硬度を連続的又は段階的に増加する傾斜層とした。この傾斜層は、1μmの膜厚のDLC膜で、当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。この試料4では、焼き付きを起こすまでの寿命が1800時間の耐久性で、不合格である。そして、試料4のDLC膜の内部応力は、1.2GPaであった。また、押込み試験では、亀裂を生じ、スクラッチ密着力は110Nであった。
また、試料5(No:5)としては、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を50V〜300Vに傾斜して昇圧して印加して、1つのDLC膜内にバイアス電圧を50Vで形成した硬度の低い部分からバイアス電圧を300Vで形成した硬度の高い部分まで、DLC膜の硬度を連続的又は段階的に増加する傾斜層の上に、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を0Vと300Vを交互に印加して、DLC膜を積層構造にして1μmの膜厚のものを作成した。この傾斜層+積層構造のDLC膜の厚みは、1μmであり、当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。従って、中間層6上に傾斜層12が形成され、その上に、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜と交互に積み重ねられ、表層が硬度の低いDLC膜となっている。そして、傾斜層と積層構造との膜厚比は、0.01:0.99であり、全体のDLC膜厚は1μmであり、積層構造のDLC膜の積層周期は、10nmである。そして、この試料5では、焼き付きを起こすまでの寿命が1800時間の耐久性で、不合格である。そして、試料5のDLC膜の内部応力は、0.3GPaであった。また、押込み試験では、剥離を生じることが無く、スクラッチ密着力は75Nであった。
また、試料6(No:6)としては、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を50V〜300Vに傾斜して昇圧して印加して、1つのDLC膜内にバイアス電圧を50Vで形成した硬度の低い部分からバイアス電圧を300Vで形成した硬度の高い部分まで、DLC膜の硬度を連続的又は段階的に増加する傾斜層の上に、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を0Vと300Vを交互に印加して、DLC膜を積層構造にして1μmの膜厚のものを作成した。この傾斜層+積層構造のDLC膜の厚みは、1μmであり、当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。従って、中間層6上に傾斜層12が形成され、その上に、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜と交互に積み重ねられ、表層が硬度の低いDLC膜となっている。そして、傾斜層と積層構造との膜厚比は、0.05:0.95であり、全体のDLC膜厚は1μmであり、積層構造のDLC膜の積層周期は、10nmである。そして、この試料6では、焼き付きを起こすまでの寿命が3800時間の耐久性で、合格である。そして、試料6のDLC膜の内部応力は、0.3GPaであった。また、押込み試験では、剥離を生じることが無く、スクラッチ密着力は95Nであった。
また、試料7(No:7)としては、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を50V〜300Vに傾斜して昇圧して印加して、1つのDLC膜内にバイアス電圧を50Vで形成した硬度の低い部分からバイアス電圧を300Vで形成した硬度の高い部分まで、DLC膜の硬度を連続的又は段階的に増加する傾斜層の上に、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を0Vと300Vを交互に印加して、DLC膜を積層構造にして1μmの膜厚のものを作成した。この傾斜層+積層構造のDLC膜の厚みは、1μmであり、当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。従って、中間層6上に傾斜層12が形成され、その上に、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜と交互に積み重ねられ、表層が硬度の低いDLC膜となっている。そして、傾斜層と積層構造との膜厚比は、0.1:0.9であり、全体のDLC膜厚は1μmであり、積層構造のDLC膜の積層周期は、10nmである。そして、この試料7では、焼き付きを起こすまでの寿命が4000時間の耐久性で、合格である。そして、試料7のDLC膜の内部応力は、0.3GPaであった。また、押込み試験では、剥離を生じることが無く、スクラッチ密着力は95Nであった。
また、試料8(No:8)としては、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を50V〜300Vに傾斜して昇圧して印加して、1つのDLC膜内にバイアス電圧を50Vで形成した硬度の低い部分からバイアス電圧を300Vで形成した硬度の高い部分まで、DLC膜の硬度を連続的又は段階的に増加する傾斜層の上に、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を0Vと300Vを交互に印加して、DLC膜を積層構造にして1μmの膜厚のものを作成した。この傾斜層+積層構造のDLC膜の厚みは、1μmであり、当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。従って、中間層6上に傾斜層12が形成され、その上に、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜と交互に積み重ねられ、表層が硬度の低いDLC膜となっている。そして、傾斜層と積層構造との膜厚比は、0.3:0.7であり、全体のDLC膜厚は1μmであり、積層構造のDLC膜の積層周期は、10nmである。そして、この試料8では、焼き付きを起こすまでの寿命が4200時間の耐久性で、合格である。そして、試料8のDLC膜の内部応力は、0.3GPaであった。また、押込み試験では、剥離を生じることが無く、スクラッチ密着力は105Nであった。
また、試料9(No:9)としては、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を50V〜300Vに傾斜して昇圧して印加して、1つのDLC膜内にバイアス電圧を50Vで形成した硬度の低い部分からバイアス電圧を300Vで形成した硬度の高い部分まで、DLC膜の硬度を連続的又は段階的に増加する傾斜層の上に、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を0Vと300Vを交互に印加して、DLC膜を積層構造にして1μmの膜厚のものを作成した。この傾斜層+積層構造のDLC膜の厚みは、1μmであり、当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。従って、中間層6上に傾斜層12が形成され、その上に、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜と交互に積み重ねられ、表層が硬度の低いDLC膜となっている。そして、傾斜層と積層構造との膜厚比は、0.5:0.5であり、全体のDLC膜厚は1μmであり、積層構造のDLC膜の積層周期は、10nmである。そして、この試料9では、焼き付きを起こすまでの寿命が4400時間の耐久性で、合格である。そして、試料9のDLC膜の内部応力は、0.3GPaであった。また、押込み試験では、剥離を生じることが無く、スクラッチ密着力は105Nであった。
また、試料10(No:10)としては、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を50V〜300Vに傾斜して昇圧して印加して、1つのDLC膜内にバイアス電圧を50Vで形成した硬度の低い部分からバイアス電圧を300Vで形成した硬度の高い部分まで、DLC膜の硬度を連続的又は段階的に増加する傾斜層の上に、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を0Vと300Vを交互に印加して、DLC膜を積層構造にして1μmの膜厚のものを作成した。この傾斜層+積層構造のDLC膜の厚みは、1μmであり、当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。従って、中間層6上に傾斜層12が形成され、その上に、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜と交互に積み重ねられ、表層が硬度の低いDLC膜となっている。そして、傾斜層と積層構造との膜厚比は、0.7:0.3であり、全体のDLC膜厚は1μmであり、積層構造のDLC膜の積層周期は、10nmである。そして、この試料10では、焼き付きを起こすまでの寿命が4000時間の耐久性で、合格である。そして、試料10のDLC膜の内部応力は、0.5GPaであった。また、押込み試験では、剥離を生じることが無く、スクラッチ密着力は110Nであった。
また、試料11(No:11)としては、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を50V〜300Vに傾斜して昇圧して印加して、1つのDLC膜内にバイアス電圧を50Vで形成した硬度の低い部分からバイアス電圧を300Vで形成した硬度の高い部分まで、DLC膜の硬度を連続的又は段階的に増加する傾斜層の上に、UBMスパッタリング法において、バイアス電圧を0Vと300Vを交互に印加して、DLC膜を積層構造にして1μmの膜厚のものを作成した。この傾斜層+積層構造のDLC膜の厚みは、1μmであり、当該DLC膜の表層100nmまでの平均水素の含有量は33at%である。従って、中間層6上に傾斜層12が形成され、その上に、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜、硬度の高いDLC膜、硬度の低いDLC膜と交互に積み重ねられ、表層が硬度の低いDLC膜となっている。そして、傾斜層と積層構造との膜厚比は、0.9:0.1であり、全体のDLC膜厚は1μmであり、積層構造のDLC膜の積層周期は、10nmである。そして、この試料11では、焼き付きを起こすまでの寿命が1800時間の耐久性で、不合格である。そして、試料11のDLC膜の内部応力は、1.2GPaであった。また、押込み試験では、亀裂を生じ、スクラッチ密着力は110Nであった。
以上説明した耐久試験結果により、傾斜層12の厚みが50nm〜700nmである試料6〜試料10が3500時間以上の耐久性を示し合格であったので、DLCの傾斜層12の厚みが50nm〜700nmが好ましいことが判明した。
次に、図3及び図4を参照して、DLC膜の水素含有量とピンオンディスク式摩擦摩耗試験機で測定した摩擦係数の関係について説明する。図3は、水素含有量を変えたDLC膜のピンオンディスク式摩擦摩耗試験機で測定した摩擦係数の表であり、図4は、図3に示す表をグラフにしたものである。このピンオンディスク式摩擦摩耗試験では、クロムモリブデン鋼(SCM415浸炭焼き入れ材)のφ55mmからなるディスクにDLC膜の単層コーティングを施して、潤滑剤を塗布して、その上に、先端極率半径8mmの球面ピンを押しつけて、室温30℃、湿度50%で試験距離1000mで、各水素含有量毎に、滑り速度を変えて摩擦摩耗試験を行った。
尚、潤滑剤(グリス)の添加剤としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)
Figure 2008081630
及びジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)
Figure 2008081630
を用いた。
図3及び図4に示すように、球面ピンの面圧が400MPaの時に、球面ピンの滑り速度を2.0m/秒とすると、DLC膜の水素含有量が9.7at%で摩擦係数が0.18、DLC膜の水素含有量が19at%で摩擦係数が0.11、DLC膜の水素含有量が33at%で摩擦係数が0.10、DLC膜の水素含有量が45at%で摩擦係数が0.09、DLC膜の水素含有量が54at%で摩擦係数が0.20である。
また、図3及び図4に示すように、球面ピンの面圧が400MPaの時に、球面ピンの滑り速度を4.0m/秒とすると、DLC膜の水素含有量が9.7at%で摩擦係数が0.18、DLC膜の水素含有量が19at%で摩擦係数が0.11、DLC膜の水素含有量が33at%で摩擦係数が0.11、DLC膜の水素含有量が45at%で摩擦係数が0.10、DLC膜の水素含有量が54at%で摩擦係数が0.22である。
従って、上記の実験結果からDLC膜の水素含有量と摩擦係数との関係についてDLC膜の水素含有量が9.7at%の時に摩擦係数が0.18と大きく、また、DLC膜の水素含有量が54at%の時にも摩擦係数が0.20以上と大きい。これは後述のように、水素含有量が9.7at%の時にはDLC表面に潤滑剤(グリス)の添加剤由来の成分の吸着が無いために摩擦係数を上げることになる。また、DLC膜の水素含有量が54at%のときは、DLC膜の硬度が低くなり過ぎて摩耗が進行するために固体接触面積が増大して摩擦係数を上げることになる。これに対して、DLC膜の水素含有量が19at%の時に摩擦係数が0.11、DLC膜の水素含有量が33at%の時に摩擦係数が0.10〜0.11、DLC膜の水素含有量が45at%の時に摩擦係数が0.09〜0.10と小さい。従って、DLC膜の水素含有量が19at%〜45at%であれば、摩擦係数が十分に小さく良好な摺動性を実現することができる。
次に、図5及び図6を参照して、接触面元素分析結果について説明する。この接触面元素分析は、上記ピンオンディスク式摩擦摩耗試験を行ったクロムモリブデン鋼(SCM415浸炭焼き入れ材)のφ55mmからなるディスクのDLC膜に、潤滑剤(グリス)の添加剤であるジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)及びジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)由来の亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、硫黄(S)がどの程度含まれているかを電子線マイクロアナライザ(EPMA: Electron Probe Micro-Analysis)により調べたものである。図5は、DLC膜の水素含有量と、当該DLC膜への潤滑剤(グリス)の添加剤由来の成分の含有量を示す表であり、図6は、図5に示す表をグラフにしたものである。
図5及び図6に示すように、DLC膜の水素含有量が9.7at%の場合には、亜鉛が0.00at%、モリブデンが0.00at%、硫黄が0.00at%である。また、DLC膜の水素含有量が19at%の場合には、亜鉛が0.45at%、モリブデンが0.09at%、硫黄が0.04at%である。また、DLC膜の水素含有量が33at%の場合には、亜鉛が0.77at%、モリブデンが0.15at%、硫黄が0.12at%である。また、DLC膜の水素含有量が45at%の場合には、亜鉛が0.99at%、モリブデンが0.21at%、硫黄が0.16at%である。また、DLC膜の水素含有量が54at%の場合には、亜鉛が1.03at%、モリブデンが0.24at%、硫黄が0.17at%である。
従って、DLC膜の水素含有量が19at%〜54at%の場合には、DLC膜から潤滑剤(グリス)の添加剤由来の成分を検出することができ、DLC膜表面において添加剤由来の成分が層状構造膜を形成すると考えられ、固体潤滑剤としての機能を発揮すると考えられる。よって、接触面元素分析結果に基づけば、DLC膜の水素含有量が19at%〜54at%が好ましい。これは、従来の鉄部品と同様に、潤滑剤の成分(添加剤)を吸着して、摺動摩擦によりDLC膜にトライボフィルムを形成するからである。それによって潤滑油下での摩擦係数を低減することができるのである。また、上記接触面元素分析結果から潤滑剤には、有機モリブデン化合物及び有機亜鉛化合物を含むことが好ましいことが判明した。これは、DLC膜の水素含有量が19at%以上〜54at%の場合には、潤滑剤の添加剤であるジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)及びジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)から、亜鉛、モリブデン、硫黄がDLC膜に取り込まれているからである。
次に、図7及び図8を参照して、水素含有量とDLC膜硬度の関係について説明する。図7は、水素含有量とDLC膜硬度の関係を示す表であり、図8は、図7の表グラフにしたものである。ここでは、基材を超硬合金とし、その上に各水素含有量のDLC膜を形成したものを、超微小押込み硬さ試験機(ナノインデンテーションテスター)により、DLC膜硬度を調べた。
図7及び図8に示すように、DLC膜の水素含有量が9.7at%の場合には、硬度が18Gpaであり、DLC膜の水素含有量が19at%の場合には、硬度が16Gpaであり、DLC膜の水素含有量が33at%の場合には、硬度が15Gpaであり、DLC膜の水素含有量が45at%の場合には、硬度が14Gpaであり、DLC膜の水素含有量が54at%の場合には、硬度が6Gpaである。
上記の測定結果からは、DLC膜の水素含有量が9.7at%〜45at%の場合が、DLC膜硬度の低下防止のためには好ましいことが分かる。これは、水素が含有すると、炭素原子間で共有結合する箇所に水素原子が入るため、終端となり、共有結合部分が減少することから過剰な水素の含有は極端な硬度低下を招くからである。従って、水素含有量が50at%を越えると硬度が低くなり過ぎたり、摩耗量が増加し、固体接触面積が増大して摩擦係数を上げることになる。
以上説明したように、本発明の実施形態である摺動部材1によれば、DLC膜の水素含有量とピンオンディスク式摩擦摩耗試験機で測定した摩擦係数の関係では、DLC膜の水素含有量が19at%〜45at%であれば、摩擦係数が十分に小さく良好な摺動性を実現することができることが判明した。また、電子線マイクロアナライザ(EPMA)による接触面元素分析結果によれば、DLC膜が潤滑剤の添加剤成分を吸着するためには、DLC膜の水素含有量が、19at%〜54at%が好ましいことが判明した。また、超微小押込み硬さ試験機によるDLC膜硬度の試験では、DLC膜の水素含有量が9.7at%〜45at%の場合が、硬度10GPa以上を実現できることが判明した。従って、潤滑剤の添加剤成分を吸着させ、且つDLC膜の硬度低下を抑制するためにはDLC膜の水素含有量としては、20at%〜50at%であれば、良いと考えられる。
尚、本発明は、上記実施の形態に限られず、各種の軸及び軸受け部材、摺動部材、その他摩擦の生じる部材の摩擦低減に活用することができる。
本発明の摺動部材は、軸及び軸受けに限らず、各種の摩擦面、摺動面を有する機械に適用できる。
本発明の一実施形態である摺動部材1の断面図の模式図である。 試料1〜11までのUBMスパッタリング法におけるバイアス電圧、生成されたDLC膜厚比、DLC膜厚、積層周期、耐久試験に於ける耐久性(耐久時間)、内部応力、押込み試験結果、スクラッチ密着試験に於けるスクラッチ密着力を示す一覧表である。 水素含有量を変えたDLC膜のピンオンディスク式摩擦摩耗試験機で測定した摩擦係数の表である。 水素含有量を変えたDLC膜のピンオンディスク式摩擦摩耗試験機で測定した摩擦係数のグラフである。 DLC膜の水素含有量と、当該DLC膜への潤滑剤(グリス)の添加剤由来の成分の吸着量を示す表である。 DLC膜の水素含有量と、当該DLC膜への潤滑剤(グリス)の添加剤由来の成分の吸着量を示すグラフである。 DLC膜の水素含有量とDLC膜硬度の関係を示す表である。 DLC膜の水素含有量とDLC膜硬度の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 摺動部材
5 基材
6 中間層
10 DLC多層膜
11 積層構造層
12 傾斜層
13 高硬度層
14 低硬度層
15 高硬度層
16 低硬度層
17 高硬度層
18 低硬度層
19 高硬度層
20 低硬度層
21 高硬度層
22 低硬度層

Claims (4)

  1. 基材と、
    当該基材上に設けられた金属を含む中間層と、
    当該中間層上に設けられ、当該中間層から離れるに従って、硬度が連続的又は段階的に増加するダイヤモンドライクカーボン層からなる第1ダイヤモンドライクカーボン層と、
    当該第1ダイヤモンドライクカーボン層上に設けられ、所定硬度のダイヤモンドライクカーボン層からなる低硬度層と当該低硬度層より高い硬度のダイヤモンドライクカーボン層からなる高硬度層とが、前記第1ダイヤモンドライクカーボン層上側から、高硬度層、低硬度層の順に交互に積層された第2ダイヤモンドライクカーボン層とを備え、
    前記第1ダイヤモンドライクカーボン層及び第2ダイヤモンドライクカーボン層中の水素含有量が20at%〜50at%であることを特徴とする摺動部材。
  2. 前記第1ダイヤモンドライクカーボン層の厚みは、50nm〜700nmであることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記第2ダイヤモンドライクカーボン層の最表面は、前記低硬度層から構成され、
    当該最表面の低硬度層の水素含有量が20at%〜50at%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の摺動部材。
  4. 前記第2ダイヤモンドライクカーボン層の最表面に塗布される潤滑剤には、有機モリブデン化合物及び有機亜鉛化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の摺動部材。
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