JP2008081556A - プリプレグとそれを用いた多層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】コア基板のスルーホール内の樹脂組成物の熱膨張率を小さくして、形成される多層板の信頼性を向上させることのできるプリプレグを提供する。
【解決手段】通気度が100cm3/cm2/s以上のガラスクロス4の片面に粒径5μm以下のフィラー5,51を含有する樹脂組成物Aが形成されており、ガラスクロス4のもう一方の面にアスペクト比が5以上のフィラー5,52を含有する樹脂組成物Bが形成されていることとする。
【選択図】図1
【解決手段】通気度が100cm3/cm2/s以上のガラスクロス4の片面に粒径5μm以下のフィラー5,51を含有する樹脂組成物Aが形成されており、ガラスクロス4のもう一方の面にアスペクト比が5以上のフィラー5,52を含有する樹脂組成物Bが形成されていることとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、プリプレグとこのプリプレグを用いて製造される多層板に関する。
従来より、ガラスクロスを基材としたプリプレグとこのプリプレグを用いて積層一体化された積層板が多層プリント配線板の材料として広く用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。多層プリント配線板は、スルーホールを形成したコア基板の表面に、樹脂組成物による樹脂層を形成するとともにスルーホール内に樹脂組成物を充填させて、多層化を行っている。このような多層プリント配線板においては、コア基板の熱膨張率よりも樹脂組成物の熱膨張率の方が大きいため、熱衝撃を受けることによって、コア基板とスルーホール内の樹脂組成物との熱膨張率の差により、スルーホール近傍においてコア基板の表面に形成される樹脂層とコア基板とに剥離が生じ、多層プリント配線板としての信頼性が損なわれてしまうという問題があった。
特許第2570250号公報
特開2002−220513号公報
特開2004−149577号公報
そこで、スルーホール内の樹脂組成物の熱膨張率を小さくするために、フィラーを含む樹脂組成物をスルーホール内に充填することが考えられる。そのための方法として、例えば、フィラーを含む樹脂組成物をガラスクロスに含浸させたプリプレグをコア基板の表面に積層し、これを加熱加圧して、コア基板の表面に樹脂層を形成するとともにスルーホール内にフィラーを含む樹脂組成物を充填させていた。しかしながら、加熱加圧時において、ガラスクロスに含浸された樹脂組成物中のフィラーがガラスクロスを通過できず、結果としてスルーホール内の樹脂組成物中のフィラーが少なくなってしまい、熱膨張率を十分に小さくすることができなかった。
本発明は、以上の通りの背景から、コア基板のスルーホール内の樹脂組成物の熱膨張率を小さくして、形成される多層板の信頼性を向上させることのできるプリプレグを提供することを課題としている。
本発明は、前記の課題を解決するものとして、第1には、通気度が100cm3/cm2/s以上のガラスクロスの片面に粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されており、ガラスクロスのもう一方の面にアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されていることを特徴とする。
第2には、上記のプリプレグにおいて、粒径5μm以下のフィラーは、エポキシシランで表面処理されていることを特徴とする。
そして、第3には、上記第1または第2のプリプレグにおいて、粒径5μm以下のフィラーは、略球形であることを特徴とする。
第4には、上記第1から第3のいずれかのプリプレグにおいて、樹脂組成物にイミダゾールシランが含有されていることを特徴とする。
第5には、上記第1から第4のいずれかのプリプレグにおいて、樹脂組成物は、ビスフェノールAノボラック樹脂を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする。
第6には、上記第1から第5のいずれかのプリプレグにおいて、粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が300〜800ポイズであり、アスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が800〜2000ポイズであることを特徴とする。
第7には、多層板として、以上のいずれかのプリプレグを、スルーホールを形成したコア基板に、プリプレグのアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されている面とコア基板とが接するように重ねて、積層一体化されてなることを特徴とする。
前記のとおりの上記第1の発明によれば、粒径5μm以下のフィラーがガラスクロスを通過しやすくなり、スルーホール内にフィラーを含有する樹脂組成物が充填されるため、コア基板のスルーホール内の樹脂組成物の熱膨張率を小さくして、形成される多層板の信頼性を向上させることができる。
上記第2の発明によれば、フィラーの樹脂組成物中の流動性をより一層向上させることができる。
上記第3の発明によれば、樹脂組成物中でフィラーの分散性が良くなるため、より一層流動性を向上させることができる。
上記第4および第5の発明によれば、以上の効果をより一層顕著なものとすることができる。
上記第6の発明によれば、最低溶融粘度300〜800ポイズの樹脂組成物が最低溶融粘度800〜2000ポイズの樹脂組成物の方に流動しやすくなり、これに伴い、粒径5μm以下のフィラーの流動性をより一層向上させることができ、成型後の板厚のばらつきを小さくすることができる。
以上のような顕著な効果は、上記第7の発明の多層板として実現され、信頼性を大きく向上させることができる。
本発明は前記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明のプリプレグを用いた多層板の製造において、コア基板のスルーホール内にフィラーを含む樹脂組成物が充填される様子を説明するための模式図である。
本発明のプリプレグは、通気度が100cm3/cm2/s以上のガラスクロスの片面に粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されており、ガラスクロスのもう一方の面にアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されている。
このようなプリプレグとスルーホールが形成されたコア基板を用いて多層板を製造した場合、コア基板のスルーホール内に充填される樹脂組成物の熱膨張率を小さくすることができるため、スルーホール近傍においてコア基板の表面に形成される樹脂層とコア基板との間に剥離が生じることを抑え、製造される多層板の信頼性を向上させることができる。
例えば、図1に本発明のプリプレグを用いた多層板の製造において、コア基板のスルーホール内にフィラーを含む樹脂組成物が充填される様子を説明するための模式図を示す。
図1に示すプリプレグ1は、上述したように、通気度が100cm3/cm2/s以上のガラスクロス4の片面に粒径5μm以下のフィラー5,51を含有する樹脂組成物Aが形成されており、ガラスクロス4のもう一方の面にアスペクト比が5以上のフィラー5,52を含有する樹脂組成物Bが形成されている。そして、このプリプレグ1はアスペクト比が5以上のフィラー5,52を含有する樹脂組成物Bが形成されている面とスルーホール21が形成されたコア基板2とが接するように重ねられており、これらが加熱加圧により一体化されて多層板3が形成されている。ここで、スルーホール21内には、アスペクト比が5以上のフィラー5,52を含有する樹脂組成物Bがコア基板2と接しているので、加熱加圧によってこのアスペクト比が5以上のフィラー5,52を含有する樹脂組成物Bが充填されやすくなる。アスペクト比が5以上のフィラー5,52はそのアスペクト比の大きさからガラスクロス4を通過することができないので、粒径5μm以下のフィラー5,51を含有する樹脂組成物Aの側に流動することはない。一方、粒径5μm以下のフィラー5,51はその大きさからガラスクロス4を通過することが可能なので、加熱加圧によりガラスクロス4を通過してアスペクト比が5以上のフィラー5,52を含有する樹脂組成物Bの側に流動可能である。したがって、コア基板2のスルーホール21内には、アスペクト比が5以上のフィラー5,51はもちろん、粒径5μm以下のフィラー5,52も流動してくるため、スルーホール21内の樹脂組成物中のフィラー5が少なくなることはない。このため、熱膨張率を小さくすることができ、形成される多層板3の信頼性を向上させることができるのである。
ガラスクロスは、通気度が100cm3/cm2/s以上であれば適宜なものを用いることができ、例えば、日東紡社製「WEA05E S136」、日東紡社製「WEA106 S136」等がある。
ガラスクロスの通気度が100cm3/cm2/s未満の場合には、加熱加圧時において、ガラスクロスに含浸された樹脂粗組成物中のフィラーがガラスクロスを通過できず、結果としてスルーホール内の樹脂組成物中のフィラーが少なくなってしまい、熱膨張率を十分に小さくすることができなくなり、コア基板とスルーホール内の樹脂組成物との熱膨張率の差により、スルーホール近傍においてコア基板の表面に形成される樹脂層とコア基板とに剥離が生じ、多層板としての信頼性が損なわれてしまう問題を生じる。また、ガラスクロスの通気度が大きくなりすぎると強度などが低下するので、その上限値は一般的には500cm3/cm2/s程度であることが考慮される。
本発明では、ガラスクロスを介して二種類の樹脂組成物を用いるが、そこに含有されるフィラーを除いては、同種のものを用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノ−ル樹脂の単独、及びこれらをベース樹脂とした変性樹脂、これら樹脂の組み合わせ樹脂などを用いることができ、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、各種添加剤を用いることができる。フィラーの流動性を考慮すると、エポキシ樹脂を用いることが好ましく、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールAノボラック型、ビスフェノールFノボラック型、ナフタレン型、ビフェニル型、ジシクロペンタジエン型などのエポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、また、これらの臭素化物などを使用することができ、それらを単独または複数組み合わせて使用することができる。そして、エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミドなどのアミド系硬化剤や、アンモンア、トリエチルアミンなどのアミン系硬化剤やフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などのフェノール系硬化剤や酸無水物類などを挙げることができるが、フィラーの流動性を考慮すると、ビスフェノールAノボラック樹脂であることが好ましい。
本発明におけるフィラーとしては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどを挙げることができる。
粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物およびアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物のいずれの樹脂組成物において、フィラーの配合量としては、スルーホール内における樹脂組成物の熱膨張の低下効果を考慮すると、例えば、樹脂100重量部に対し5〜150重量部配合する。5重量部未満の場合には熱膨張の低下効果が十分でない場合があり、150重量部を超える場合には樹脂組成物の流動性が悪化する場合があるので好ましくない。
粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物について、フィラーはもちろん粒径5μm以下のものを用いることが必要であるが、粒径5μmを超えるものを用いた場合には、フィラーがガラスクロスを通過することができなくなり、スルーホール内の樹脂組成物の熱膨張率を小さくすることができず、形成される多層板の信頼性を向上させることができない。フィラーの粒径の下限値としては、0.1μm程度であることが考慮される。この粒径より小さいフィラーを用いた場合には、樹脂組成物の粘度が高くなって流動性が悪くなる場合があるので好ましくない。
以上の粒径5μm以下のフィラーは、エポキシシランで表面処理されていることが好ましい。これによって、フィラーの樹脂組成物中の流動性をより一層向上させることができる。また、上記フィラーの形状としては、樹脂組成物中でフィラーの分散性と流動性を考慮すると、略球形であることが好ましい。
アスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物について、フィラーはもちろんアスペクト比が5以上のフィラーを用いることが必要である。熱膨張の低下効果が大きくなるからである。このフィラーのアスペクト比の上限値については、一般的には100程度であることが考慮される。アスペクト比100を超えたフィラーを用いた場合には、樹脂組成物の粘度が高くなって流動性が悪くなる場合があるので好ましくない。
本発明では、上記の樹脂組成物にイミダゾールシランが含有されていることが好ましい。これによって、スルーホール内にフィラーをより充填しやすくすることができる。すなわち、樹脂組成物にイミダゾールシランが含有されることにより、フィラーに対する樹脂の濡れ性が向上し、フィラーの流動性が向上する。
また、本発明は、粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が300〜800ポイズとなるようにし、アスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が800〜2000ポイズになるようにすることが好ましい態様として例示することができる。このように本発明のプリプレグにおける樹脂組成物の最低溶融粘度が異なることによって、例えば、このプリプレグとスルーホールを形成したコア基板とを重ねて加熱加圧して多層板を製造する場合、最低溶融粘度の小さい樹脂が最低溶融粘度の大きい樹脂の方に流動することになる。本発明では、最低溶融粘度の小さい樹脂組成物に粒径5μm以下のフィラーが含有されているので、プリプレグのアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されている面とコア基板とが接するように重ねることで、粒径5μm以下のフィラーがコア基板に向けてガラスクロスを通過して流動することになる。したがって、コア基板のスルーホール内には、アスペクト比が5以上のフィラーはもちろん、粒径5μm以下のフィラーも流動してくるため、スルーホール内の樹脂組成物の熱膨張率を小さくすることができ、形成される多層板の信頼性をさらに向上させることができるのである。また、多層板の板厚のばらつきを小さくすることができる。
上述したように、粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が300〜800ポイズになるようにすることが好ましいが、この範囲以下であると樹脂組成物の流動性が大きすぎて、厚みのばらつきが大きくなるので好ましくなく、この範囲以上であると最低溶融粘度の小さい樹脂組成物が最低溶融粘度の大きい樹脂組成物の方に流動せず、コア基板のスルーホールに樹脂組成物が充填されにくくなるので好ましくない。また、アスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度は800〜2000ポイズになるようにすることが好ましいが、この範囲以下であると樹脂組成物の流動性が大きすぎて、厚みのばらつきが大きくなるので好ましくなく、この範囲以上であると最低溶融粘度の小さい樹脂組成物が最低溶融粘度の大きい樹脂組成物の方に流動せず、コア基板のスルーホールに樹脂組成物が充填されにくくなるので好ましくない。
以上の樹脂組成物の調製方法としては、例えば、上記の各成分を所定量配合し、ディスパーやミルなどで均一に混合して、樹脂組成物を得ることができる。
プリプレグの製造方法としては、上記のアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物を樹脂塗工機によりガラスクロスの片面に塗工し、例えば160℃10分加熱した後、もう一方の面に粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物を樹脂塗工機によりガラスクロスの片面に塗工し、例えば160℃10分加熱して製造する方法が挙げられる。
以上のようにして得られたプリプレグは、上述したように、プリプレグのアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されている面とスルーホールを形成したコア基板とが接するように重ね、加熱加圧して一体化し、多層化して多層板を製造することができる。コア基板としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、アルミニウムなどの金属層が形成された基板とされ、具体的には、銅張り積層板を例示することができる。
多層板の具体的な製造方法、製造条件について以下に記載する。
コア基板としての銅張り積層板に公知の方法で穴あけおよびめっきを行うことによりスルーホールを形成する。さらにサブトラクティブ法等を行うことにより積層板の片面または両面を加工して回路を形成した後、黒化処理等の方法で回路の粗化を行う。さらにこのコア基板の両面または片面に上記のプリプレグをアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されている面とスルーホールを形成したコア基板とが接するように重ね、加熱加圧して一体化し、多層化したのち、さらにサブトラクティブ法等を行うことにより多層積層板の片面または両面を加工して回路を形成して多層板を得ることができる。
得られた多層板は、そのコア基板のスルーホール内に樹脂組成物が充填され、その樹脂組成物中にはフィラーが十分に含有されているため、熱膨張率を小さくすることができる。したがって、熱衝撃を受けた場合でも、スルーホール近傍においてコア基板の表面に形成される樹脂層とコア基板とに剥離が生じにくくなり、多層板の信頼性を向上させることができる。
以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって本発明が限定されることはない。
<実施例1〜10および比較例1〜3>
表1および表2に示すガラスクロス、樹脂組成物Aおよび樹脂組成物Bを用いてプリプレグを得た。すなわち、ガラスクロスの片面に樹脂組成物Aを塗工、加熱した後、もう一方の面に樹脂組成物Bを塗工、加熱してプリプレグを製造した。
表1および表2に示すガラスクロス、樹脂組成物Aおよび樹脂組成物Bを用いてプリプレグを得た。すなわち、ガラスクロスの片面に樹脂組成物Aを塗工、加熱した後、もう一方の面に樹脂組成物Bを塗工、加熱してプリプレグを製造した。
次いで、このプリプレグの樹脂組成物Bが塗工された面がコア基材(厚み0.8mm、TH0.3mmφ形成済み)と接するように、コア基板の上下にプリプレグを重ね、これを加熱加圧(170℃、60分、30kg/cm2)して多層板を製造した。
表1および表2中のガラスクロス、フィラー、イミダゾールシラン、硬化剤は、以下のものを用いた。
ガラスクロス:
日東紡社製 WEA116E S136 2116タイプ 通気度 10cm3/cm2/s
、日東紡社製 WEA05E S136 1080タイプ 通気度 130cm3/cm2/s
フィラー:
電気化学社製 FS−15 粒径4.5μm 破砕型シリカ 表面処理なし、
電気化学社製 FB−5SDX 粒径4.5μm 球型シリカ 表面処理なし、
電気化学社製 FS−15をエポキシラン処理実施 粒径4.5μm 破砕型シリカ エポキシシラン表面処理、
電気化学社製 FS−30 粒径6μm 破砕型シリカ 表面処理なし、
四国化成社製 アルボレックス ホウ酸アルミニウム アスペクト比5.5、
四国化成社製 アルボレックス ホウ酸アルミニウム アスペクト比4、
イミダゾールシラン:
日鉱マテリアル社製 IM−1000
硬化剤:
Degusa 社製 ジシアンジアミド(Dicy)、
大日本インキ社製 ビスフェノールAノボラック VH4170
製造した多層板について、(1)成型後板厚ばらつき、(2)コア基板スルーホール近傍のクラックの有無を調べた。
(1)成型後板厚ばらつき
成型品の基板中央、端部の厚みをマイクロメータで測定し、厚みの差を算出した。
(2)コア基板スルーホール近傍のクラックの有無
成型品を288℃10秒フロート処理し、スルーホール付近の断面を観察し、クラックの有無を調べた。クラックが認められない場合には「○」、認められた場合には「×」とした。
ガラスクロス:
日東紡社製 WEA116E S136 2116タイプ 通気度 10cm3/cm2/s
、日東紡社製 WEA05E S136 1080タイプ 通気度 130cm3/cm2/s
フィラー:
電気化学社製 FS−15 粒径4.5μm 破砕型シリカ 表面処理なし、
電気化学社製 FB−5SDX 粒径4.5μm 球型シリカ 表面処理なし、
電気化学社製 FS−15をエポキシラン処理実施 粒径4.5μm 破砕型シリカ エポキシシラン表面処理、
電気化学社製 FS−30 粒径6μm 破砕型シリカ 表面処理なし、
四国化成社製 アルボレックス ホウ酸アルミニウム アスペクト比5.5、
四国化成社製 アルボレックス ホウ酸アルミニウム アスペクト比4、
イミダゾールシラン:
日鉱マテリアル社製 IM−1000
硬化剤:
Degusa 社製 ジシアンジアミド(Dicy)、
大日本インキ社製 ビスフェノールAノボラック VH4170
製造した多層板について、(1)成型後板厚ばらつき、(2)コア基板スルーホール近傍のクラックの有無を調べた。
(1)成型後板厚ばらつき
成型品の基板中央、端部の厚みをマイクロメータで測定し、厚みの差を算出した。
(2)コア基板スルーホール近傍のクラックの有無
成型品を288℃10秒フロート処理し、スルーホール付近の断面を観察し、クラックの有無を調べた。クラックが認められない場合には「○」、認められた場合には「×」とした。
結果を表1および表2に示す。
これに対し比較例1は通気度が100cm3/cm2/s以下、比較例2はガラスクロスの片面に粒径5μm以上のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されているプリプレグを用いているため、比較例3はガラスクロスのもう一方の面にアスペクト比が5以下のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されているプリプレグを用いているため、多層板において288℃10秒フロート1回の熱処理でクラックを生じる。
実施例2はフィラーの表面処理を施しているため、樹脂組成物の流動性が向上し、フィラーがスルーホール内に充填され、多層板において288℃10秒フロート3回の熱処理までクラックを生じない。
実施例3は略球形のフィラーを用いているため、樹脂組成物の流動性が向上し、フィラーがスルーホール内に充填され、多層板において288℃10秒フロート3回の熱処理までクラックを生じない。
実施例4は樹脂にイミダゾールシランを配合しているため、樹脂組成物の流動性が向上し、フィラーがスルーホール内に充填され、多層板において288℃10秒フロート3回の熱処理までクラックを生じない。
実施例5は樹脂の硬化剤としてビスフェノールAノボラックを配合しているため、樹脂組成物の流動性が向上し、フィラーがスルーホール内に充填され、多層板において288℃10秒フロート3回の熱処理までクラックを生じない。
実施例6はアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が2000ポイズ以上であるためフィラーがスルーホール内に充填される効果が小さくなり、288℃10秒フロート1回の熱処理ではクラックを生じないが、2回処理にてクラックを生じる。
実施例7〜10は粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が300〜800ポイズであり、かつ、アスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が800〜2000ポイズであり、樹脂の流動性が適正であるため、厚みのばらつきが小さく、かつコア基板のスルーホールに樹脂が充填されやすいため、多層板において288℃10秒フロート3回の熱処理までクラックを生じない。
1 プリプレグ
2 コア基板
21 スルーホール
3 多層板
4 ガラスクロス
5 フィラー
51 粒径5μm以下のフィラー
52 アスペクト比が5以上のフィラー
A 粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物
B アスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物
2 コア基板
21 スルーホール
3 多層板
4 ガラスクロス
5 フィラー
51 粒径5μm以下のフィラー
52 アスペクト比が5以上のフィラー
A 粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物
B アスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物
Claims (7)
- 通気度が100cm3/cm2/s以上のガラスクロスの片面に粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されており、ガラスクロスのもう一方の面にアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されていることを特徴とするプリプレグ。
- 粒径5μm以下のフィラーは、エポキシシランで表面処理されていることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。
- 粒径5μm以下のフィラーは、略球形であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリプレグ。
- 樹脂組成物にイミダゾールシランが含有されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプリプレグ。
- 樹脂組成物は、ビスフェノールAノボラック樹脂を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプリプレグ。
- 粒径5μm以下のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が300〜800ポイズであり、アスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物の最低溶融粘度が800〜2000ポイズであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のプリプレグ。
- 請求項1から6のいずれか一項のプリプレグを、スルーホールを形成したコア基板に、プリプレグのアスペクト比が5以上のフィラーを含有する樹脂組成物が形成されている面とコア基板とが接するように重ねて、積層一体化されてなることを特徴とする多層板。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9468109B2 (en) | 2014-07-08 | 2016-10-11 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Method for fabricating wiring board |
JP2021028137A (ja) * | 2019-08-09 | 2021-02-25 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | Frp前駆体の製造方法、frp前駆体、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージ |
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2006
- 2006-09-26 JP JP2006260983A patent/JP2008081556A/ja active Pending
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