JP2008081411A - シアル酸チオグリコシドポリマー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シアル酸チオグリコシドポリマー及びその薬剤上許容される塩並びにそれらの水和物および、感染症予防及び治療のための医薬組成物。
【選択図】図3
Description
さらに、本発明は、該ポリマーを有効成分として含有する医薬の提供を目的とする。
(式中、R1は水酸基、アミノ基あるいはアセチル基であり、R2は水素、金属原子あるいはメチル基示し、m及びnは1以上の整数であって、同一でも相異なってもよい)で表されるシアル酸チオグリコシドポリマーを提供する。
上記薬剤は、一般式(I)で表されるシアル酸チオグリコシドポリマー、その薬剤上許容される塩又はそれらの水和物のうち、1又は複数の種類を含有してもよい。また、一般式(I)で示される本発明の化合物を製剤化する場合には、製剤中、通常、0.1〜50質量%、好ましくは、0.5〜20質量%となるように含有される。
「薬剤上許容される担体」は、溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、アイソトニックに作用して吸着を遅らせる薬剤及びその類似物を含み、薬剤的投与に適するもののことである。該担体及び該担体を希釈するために好ましいものの例には、限定はしないが、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、コラーゲン、ヒト血清アルブミン、有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース等などが含まれる。また、リポソーム及び不揮発性油などの非水溶性媒体も用いられる。さらに、本発明の化合物の活性を保護又は促進するような特定の化合物が、該組成物中に包含されていてもよい。
pHは塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調製することができる。非経口的標品はアンプル、ガラスもしくはプラスチック製の使い捨てシリンジ又は複数回投与用バイアル中に収納される。
錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ及びその類似物は以下の成分又は類似の性質を持つ化合物の何れかを含み得る:微結晶性セルロースのような賦形剤、アラビアゴム、トラガント又はゼラチンなどの結合剤;スターチ又はラクトースなどの、アルギン酸、PRIMOGEL、又はコーンスターチなどの膨化剤;ステアリン酸マグネシウム又はSTRROTESなどの潤滑剤;コロイド性シリコン二酸化物などの滑剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、メチルサリチル酸又はオレンジフレイバーなどの香料添加剤。
注射投与の場合は、例えば、一日に患者の体重あたり約0.1μg/kgから約500mg/kgを投与するのが好ましく、一般に一回又は複数回に分けて投与され得るであろう。好ましくは、投与量レベルは、一日に約0.1μg/kgから約250mg/kgであり、より好ましくは一日に約0.5μg〜約100mg/kgである。
経口投与の場合は、組成物は、好ましくは1.0から1000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供され、好ましくは活性成分が1.0,5.0,10.0,15.0,20.0,25.0,50.0,75.0,100.0,150.0,200.0,250.0,300.0,400.0,500.0,600.0,750.0,800.0,900.0及び1000.0mgである。化合物は一日に1〜4回の投与計画で、好ましくは一日に一回又は二回投与される。
ここで「治療」とは、ウィルスに感染するおそれがあるか又は感染した哺乳動物において、該感染症の病態の進行を阻止又は緩和することを意味し、治療的処置のみならず予防的処置をも含む広い意味として使用される。
治療の対象となる「哺乳動物」は、哺乳類に分類される任意の動物を意味し、特に限定はしないが、例えば、ヒトの他、イヌ、ネコなどのペット動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマなどの家畜動物などのことである。特に好ましい「哺乳動物」は、ヒトである。
10−ウンデセン−1−オール(10)(77.1mg,0.453mmol)をピリジン(0.771mL)に溶解し、塩化メタンスルホニル(70.1μL,0.906mmol)を加えた。アルゴン置換後、氷冷下にて3時間攪拌した。TLCにより反応が終了したことを確認し、クロロホルム(1mL)を用いて希釈し、水(0.5mL)を加え塩化メタンスルホニルをつぶした。1M硫酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順にクロロホルムを用いて抽出を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥後ろ過した。ろ液を濃縮し、10−ウンデセニルメシレート(11)を定量的に合成した(スキーム3)。
Rf0.87[20:1(v/v)クロロホルム−メタノール]
シアル酸チオアセチル体(9)(80.0mg,0.145mmol)をメタノール(0.83mL)に溶解し、アルゴン置換後、氷冷下にて攪拌した。10−ウンデセニルメシレート(11)(70.5mg,0.302mmol)、炭酸カリウム(20.9mg,0.151mmol)を順に加え、室温にて一晩攪拌した。TLCにより反応が終了したことを確認し、酢酸(17.3μL,0.302mmol)を加え攪拌し濃縮に続いた。濃縮後ピリジン(1.54mL)に溶解し、無水酢酸(0.285mL,3.02mmol)を加え室温で一晩攪拌した。氷冷水、1M硫酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順にクロロホルムを用いて抽出を行った。有機層に無水硫酸マグネシウムを加え乾燥し、乾燥後ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム−メタノール,70:1(v/v)]にて精製を行い、新規シアル酸−S−グリコシド誘導体(12)(88.0mg,92.0%%)を合成した(スキーム4、表1参照)。
新規シアル酸チオグリコシド誘導体(12)(50mg,7.58×10−2mmol)を(12)に対して10eq酢酸ビニル(69.9μL,7.58×10−1mmol)、又は20eq酢酸ビニル(139μL,15.2×10−1mmol)に溶解した(表2)。AIBN(1.0mg〜1.3mg,6.09μmol〜7.92μmol)を加え、還流しながら所定の温度で攪拌した。TLCにより反応の経過を確認し、反応終了後メタノールに溶解し濃縮した。ゲルろ過クロマトグラフィー[Sephadex LH−20]によって精製し、シアル酸チオグリコシドポリマー(14)を合成した(スキーム5、表3及び図1参照)。
シアル酸ポリマー(14)(22mg)を1Mナトリウムメトキシド−メタノールの溶媒(1mL)に溶解した。室温にて3時間攪拌した後、0.5M水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加え一晩攪拌した。強酸性陽イオン交換樹脂IR−120B(H+型)により中和後、綿ろ過を行った。ろ液を濃縮しNMRにより構造を確認した。メチルエステルが外れていなかったため、再度1Mナトリウムメトキシド−メタノール溶液(1mL)、0.5M水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を同時に加え溶解し二晩攪拌した。強酸性陽イオン交換樹脂IR−120B(H+型)により中和後、綿ろ過を行った。綿ろ過の後、ろ液を濃縮しNMRにより構造を確認した。アセチル基及びメチル基が外れていることを確認し、ゲルろ過クロマトグラフィー[Sephadex G−50]によって精製後、凍結乾燥により水溶性シアル酸ポリマー(15)を得た(図2参照)。
96穴プレートのウェルに種々の濃度のサンプル溶液(4μL)とA型インフルエンザウィルス(4μL)を混合し、4℃、1時間培養した。そのそれぞれのウェルに0.4mM4−MUNeu5Ac溶液(2μL)を加え、37℃、0.5時間培養した。次いで、そのそれぞれのウェルに反応停止用溶(200μL)を加え、加水分解反応を停止した。それぞれのウェルから100μLを別途用意した蛍光測定用96穴プレートに移し、励起光355nm、発光460nmにおける蛍光強度を測定した(表4及び図3)。
Claims (5)
- 次式(I)
(式中、R1は水酸基、アミノ基あるいはアセチル基であり、R2は水素、金属原子あるいはメチル基を示し、m及びnは1以上の整数であって、同一でも相異なってもよい)で表されるシアル酸チオグリコシドポリマー及びその薬剤上許容される塩並びにそれらの水和物。 - R1が水酸基であり、R2が水素である請求項1に記載のシアル酸チオグリコシドポリマー及びその薬剤上許容される塩並びにそれらの水和物。
- mが1であり、nが1以上9以下の整数である請求項2に記載のシアル酸チオグリコシドポリマー及びその薬剤上許容される塩並びにそれらの水和物。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のチシアル酸チオグリコシドポリマー、その薬剤上許容される塩及びそれらの水和物、並びに薬剤上許容される担体を含有することを特徴とする感染症予防及び治療のための医薬組成物。
- 前記感染症がインフルエンザウィルス感染症であることを特徴とする請求項4に記載の医薬組成物。
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