JP2009013077A - 中皮腫の治療剤及び治療方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の中皮腫の治療剤及び治療方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明はセラミドを有効成分とする、中皮腫、特に、悪性の中皮腫の治療剤を提供するものであり、また、該治療剤を用いた中皮腫、特に、悪性中皮腫の治療方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明はセラミドとその付加塩又はそれらの水和物、並びにそれらの化合物を含有する医薬組成物に関する。
中皮腫とは、肺、心臓、胃腸、肝臓などを包んでいる膜の表面を覆っている中皮細胞が腫瘍化したものである。中皮腫には、悪性と良性が存在するが、悪性中皮腫は予後が悪く、その治療法の早期確立が強く望まれている。
胸膜、腹膜に発生する悪性中皮腫の多くは、アスベストを吸引したことが原因で発生することが分かっており、吸引から発生までの期間が非常に長いという特徴を有している(最短で30年〜40年)。
悪性中皮腫には限局性のものと、びまん性のものがあり、多くはびまん性で胸膜や腹膜などに広範に浸潤し、広がっていく。現在のところ、効果的な治療法は確立されておらず、外科的な治療、放射線療法、化学療法などが行われているが、非常に予後が不良であるため、発生が確認されてから数年以内に死亡するケースが多い。中皮腫の治療に有効なものとして、これまでにメチロール含有化合物(特許文献1)、4−ピリジルメチルフタラジン誘導体(特許文献2)、ウィルムス腫瘍抗原ポリペプチド断片(特許文献3)などが報告されているが、実際に治療効果を示す段階には至っていない。
一方、抗腫瘍剤として、セラミド類似体(特許文献4)、スフィンゴミエリン(特許文献5)などが有効であるとの報告も行われている。しかしながら、これらの化合物が中皮腫に効果的に作用することなどは明らかとなっておらず、現状においては、中皮腫の有効な治療方法、治療剤は依然として不明のままである。
特開2005−104982号 特開2006−507319号 WO01/062920号 WO01/007418号 WO00/57916号
本発明は、中皮腫を効果的に治療するための治療剤、治療方法の提供を目的とする。
本発明者らは、中皮腫の治療剤として効果的な薬剤の創出を目的に、鋭意研究を重ねた結果、下記一般式で表されるセラミドが中皮腫に治療に効果を示すことを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、
一般式(1)〜(5)

[式中、n1は10〜16の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基

(ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
一般式(2):

[式中、n2は9〜15の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基

(ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
一般式(3):

[式中、n3は9〜15の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基

(ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
一般式(4):
[式中、n4は11〜17の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基

(ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
一般式(5):

[式中、n5は12〜18の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基

(ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
で表されるセラミド、若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする中皮腫治療剤である。
本発明に係る薬剤は、中皮腫の腫瘍細胞の増殖を抑制し、死滅させる効果を有する。
一般式(1)〜(5)において、Rは、炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基のいずれかであってもよいが、直鎖の飽和炭化水素基が好ましい。
n1は10〜16、n2は9〜15、n3は9〜15、n4は11〜17、n5は12〜18の整数を表す。
また、mは0〜33の整数を表す。
好ましくは、式(1)において、n1が12のときmが0又は16であり、式(2)においてn2が11のときmが22であり、式(3)においてn3が11のときmが21である。最も好ましくは、式(1)において、n1が12のとき、mが0である。
本発明の一般式(1)〜(5)で表される化合物は、当業者にとって公知の方法より製造することができるが、市販のもの(例えば、Sigma A7191 N-Acetyl-D-sphingosine)を入手することもできる。
本発明に係る薬剤は、生体に対して悪影響を及ぼさない医薬組成物の形態で中皮腫の治療薬として使用することができる。通常、そのような組成物には、本発明の化合物の他、薬剤上許容される担体が含まれる。
「薬剤上許容される担体」は、溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、アイソトニックに作用して吸着を遅らせる薬剤及びその類似物を含み、薬剤的投与に適するもののことである。該担体及び該担体を希釈するために好ましいものの例には、限定はしないが、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、コラーゲン、ヒト血清アルブミン、有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース等などが含まれる。また、リポソーム及び不揮発性油などの非水溶性媒体も用いられる。さらに、本発明の化合物の活性を保護又は促進するような特定の化合物が、該組成物中に包含されていてもよい。
本発明に係る医薬組成物は、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入なども含む)、経皮及び経粘膜への投与を含み、治療上適切な投与経路に適合するように製剤化される。非経口、皮内、又は皮下への適用に使用される溶液又は懸濁液には、限定はしないが、注射用の水などの滅菌的希釈液、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒、ベンジルアルコール又は他のメチルパラベンなどの保存剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなどの無痛化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩などの緩衝剤、塩化ナトリウム又はデキストロースなど浸透圧調製のための薬剤を含んでもよい。
pHは塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調製することができる。非経口的標品はアンプル、ガラスもしくはプラスチック製の使い捨てシリンジ又は複数回投与用バイアル中に収納される。
注射に適する医薬組成物には、滅菌された注射可能な溶液又は分散媒を、使用時に調製するための滅菌水溶液(水溶性の)又は分散媒及び滅菌されたパウダーが含まれる。静脈内の投与に関し、適切な担体には生理食塩水、静菌水、又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が含まれる。注射剤として使用する場合、組成物は滅菌的でなくてはならず、また、シリンジを用いて投与されるために十分な流動性を保持していなくてはならない。該組成物は、調剤及び保存の間、化学変化及び腐食等に対して安定でなくてはならず、細菌及び真菌などの微生物由来のコンタミネーションを防止する必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及び適切な混合物を含む溶媒又は分散媒培地を使用することができる。例えば、レクチンなどのコーティング剤を用い、分散媒においては必要とされる粒子サイズを維持し、界面活性剤を用いることにより適度な流動性が維持される。種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、及びチメロサールなどは、微生物のコンタミネーションの防止に対して使用可能である。また、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール及び塩化ナトリウムのような等張性を保つ薬剤が組成物中に含まれてもよい。吸着を遅らせることができる組成物には、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤が含まれる。
滅菌的な注射可能溶液は、必要な成分を単独で、又は他の成分と組み合わせた後に、適切な溶媒中に必要量の活性化合物を加え、滅菌することで調製される。一般に、分散媒は、基本的な分散培地及び上述したその他の必要成分を含む滅菌的媒体中に活性化合物を取り込むことにより調製される。滅菌的な注射可能な溶液を調製するための滅菌的パウダーの調製方法には、活性な成分及び滅菌溶液に由来する何れかの所望な成分を含むパウダーを調製する真空乾燥及び凍結乾燥が含まれる。
経口組成物には、不活性な希釈剤又は体内に取り込んでも害を及ぼさない担体が含まれる。経口組成物には、例えば、ゼラチンのカプセル剤に包含されるか、加圧されて錠剤化される。経口的治療のためには、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、錠剤、トローチ又はカプセル剤の形態で使用される。また、経口組成物は、流動性担体を用いて調製することも可能であり、流動性担体中の該組成物は経口的に適用される。さらに、薬剤的に適合する結合剤、及び/又はアジュバント物質などが包含されてもよい。
錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ及びその類似物は以下の成分又は類似の性質を持つ化合物の何れかを含み得る:微結晶性セルロースのような賦形剤、アラビアゴム、トラガント又はゼラチンなどの結合剤;スターチ又はラクトースなどの、アルギン酸、PRIMOGEL、又はコーンスターチなどの膨化剤;ステアリン酸マグネシウム又はSTRROTESなどの潤滑剤;コロイド性シリコン二酸化物などの滑剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、メチルサリチル酸又はオレンジフレイバーなどの香料添加剤。
本発明の化合物は、植込錠及びマイクロカプセルに封入された送達システムなどの徐放性製剤として、体内から即時に除去されることを防ぎ得る担体を用いて調製することができる。エチレンビニル酢酸塩、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの、生物分解性、生物適合性ポリマーを用いることができる。このような材料は、当業者によって容易に調製することができる。また、リポソームの懸濁液も薬剤的に受容可能な担体として使用することができる。有用なリポソームは、限定はしないが、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG誘導ホスファチジルエタノール(PEG−PE)を含む脂質組成物として、使用に適するサイズになるように、適当なポアサイズのフィルターを通して調製され、逆相蒸発法によって精製される。
本発明の化合物による特定の疾患の予防又は治療において、適切な投与量レベルは、投与される患者の状態、投与方法等に依存するが、当業者であれば、容易に最適化することが可能である。
注射投与の場合は、例えば、一日に患者の体重あたり約0.1μg/kgから約500mg/kgを投与するのが好ましく、一般に一回又は複数回に分けて投与され得るであろう。好ましくは、投与量レベルは、一日に約0.1μg/kgから約250mg/kgであり、より好ましくは一日に約0.5μg〜約100mg/kgである。
経口投与の場合は、組成物は、好ましくは1.0から1000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供され、好ましくは活性成分が1.0,5.0,10.0,15.0,20.0,25.0,50.0,75.0,100.0,150.0,200.0,250.0,300.0,400.0,500.0,600.0,750.0,800.0,900.0及び1000.0mgである。化合物は一日に1〜4回の投与計画で、好ましくは一日に一回又は二回投与される。
医薬組成物又は製剤は、一定の投与量を保障すべく、均一単位投与量により構成されなくてはならない。単位投与量は、患者の治療に有効な一回の投与量を含み、薬剤的に受容可能な担体と共に製剤化された一単位のことである。本発明の単位投与量を決定する場合には、製剤化される化合物の物理的、化学的特徴、期待される治療上の効果、及び該化合物に特有な製剤化における留意事項等により影響を受ける。
本発明の医薬組成物はキットの形態で、容器、パック中に投与の説明書と共に含めることができる。本発明に係る薬剤組成物がキットとして供給される場合、該薬剤組成物のうち異なる構成成分が別々の容器中に包装され、使用直前に混合される。このように構成成分を別々に包装するのは、活性構成成分の機能を失うことなく長期間の貯蔵を可能にするためである。
キット中に含まれる試薬は、構成成分が活性を長期間有効に持続し、容器の材質によって吸着されず、変質を受けないような何れかの種類の容器中に供給される。例えば、封着されたガラスアンプルは、窒素ガスのような中性で不反応性ガスの下において包装されたバッファーを含む。アンプルは、ガラス、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの有機ポリマー、セラミック、金属、又は試薬を保持するために通常用いられる他の何れかの適切な材料などから構成される。他の適切な容器の例には、アンプルなどの類似物質から作られる簡単なボトル、及び内部がアルミニウム又は合金などのホイルで裏打ちされた包装材が含まれる。他の容器には、試験管、バイアル、フラスコ、ボトル、シリンジ、又はその類似物が含まれる。容器は、皮下用注射針で貫通可能なストッパーを有するボトルなどの無菌のアクセスポートを有する。
また、キットには使用説明書も添付される。当該医薬組成物からな成るキットの使用説明は、紙又は他の材質上に印刷され、及び/又はフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、Zipディスク、ビデオテープ、オーディオテープなどの電気的又は電磁的に読み取り可能な媒体として供給されてもよい。詳細な使用説明は、キット内に実際に添付されていてもよく、あるいは、キットの製造者又は分配者によって指定され又は電子メール等で通知されるウェブサイトに掲載されていてもよい。
さらに、本発明には、中皮腫に罹患した、又は罹患する危険性のある哺乳動物の該疾患に関する予防又は治療方法も含まれる。
ここで「治療」とは、中皮腫に罹患するおそれがあるか又は罹患した哺乳動物において、中皮腫の病態の進行を阻止又は緩和することを意味し、治療的処置のみならず予防的処置をも含む広い意味として使用される。
治療の対象となる「哺乳動物」は、哺乳類に分類される任意の動物を意味し、特に限定はしないが、例えば、ヒトの他、イヌ、ネコなどのペット動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマなどの家畜動物などのことである。特に好ましい「哺乳動物」は、ヒトである。
以下に本発明のセラミドの1例として、C2−セラミドを用いて、セラミドの中皮腫細胞への影響について詳細に記載する。
〔実施例1〕C2−セラミド(6)の中皮腫細胞への影響
式(6)で示されるセラミド(以下、C2−セラミドと称する)が、中皮腫細胞へ与え
る様々な影響について検討した。
本実施例で使用したC2−セラミドは、Sigma社(Sigma A7191 N-Acetyl-D-sphingosine)から入手した。
1.材料と方法
1−1.細胞培養
ACC−及びY−中皮腫細胞は、関戸好孝博士(愛知県立がんセンター)より供与頂いた。細胞は、10% FBS(Gibco BRL,Rockville,MD,USA)及び抗生物質(Wako Pure Chemicals,Osaka,Japan)を添加したRPMI−1640培地(Sigma Aldrich,Irvine,UK)中で、37℃、5%CO条件下で培養した。実験を行う12−18時間前に1×10細胞をディッシュに播種した。C2−セラミドはDMSOに溶解させて使用した。
1−2.トリパンブルー排除法
中皮腫細胞の成長又は細胞死に対するC2−セラミドの効果は、トリパンブルー排除法によって測定した。細胞(3×10)は、種々の濃度のC2−セラミドの存在下又は非存在下において24時間培養した。その後、細胞をトリプシン処理し、PBSに懸濁した。培養液中に浮遊する死細胞とトリプシン処理された細胞の数をトリパンブルー溶液(Sigma)中で、ヘモサイトメーターを用い、顕微鏡下にてカウントした。
1−3.細胞増殖アッセイ
細胞増殖の測定は、96−ウェル細胞培養プレート(BD Falcon,Franklin Lakes,NJ,USA)を用いて行った。中皮腫細胞は、10%FBSを含むRPMI−1640中に、各ウェルあたり、約0.1−0.5×10細胞の初期密度となるように播き、各ウェルに種々の濃度のC2−セラミドを添加したのち、総体積を200μlとした。その後、細胞をウェル接着させるため24時間インキュベートした。セラミド依存下での培養をコントロールとして用いた。細胞の数はCell Counting Kit−8(CCK−8;Wako)を用いて測定した。10μlのCCK−8溶液をプレートの各ウェルに添加し、プレートを37℃、5%COの加湿インキュベーター中で1時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞の増殖の程度を450nmにて、比色法により決定した(Titertec Multiskan Plus,Flow Laboratory,McLean,VA,USA)。細胞数はスタンダード曲線と比較して、吸光度から算出した。
1−4.フローサイトメーター分析
細胞を6ウェルプレート中で培養し、接着細胞及び浮遊細胞を集め、遠心により沈殿させ、PBSで洗浄後、冷70%エタノール中、−20℃にて一晩固定した。細胞を洗浄した後、1.0mlのヨウ化プロピジウム溶液(100μg/ml RNase A/ml、50μg/ml ヨウ化プロピジウム)に懸濁し、37℃で30分間インキュベートした。アポトーシス細胞は、FACSort Becton Dikinson Flow Cytometer(Becton−Dickinson Bioscience,San Jose,CA)を用いて、488nmでアッセイし、データは、CELL Quest Softwareで解析した。サブ−G期のヨウ化プロピジウムの取り込みのある細胞がアポトーシスを起こしていると考えられる。アポトーシス細胞のパーセンテージは、全細胞集団に対するサブ−G1細胞集団の割合として計算した。
1−5.DNA断片化解析
C2−セラミド(80μM)又はDMSO(0.4%)の処理後24時間において、接着した中皮腫細胞と非接着の中皮腫細胞を、アッセイを行うために沈殿に回収した。細胞を1mlのPBSでリンスした後、Apoptosis Ladder Detection Kit(Wako,Japan)を使用し、説明書に従って、細胞からDNAを抽出した。抽出の間、サンプルをRNase(0.1μg/ml)と37℃で60分間インキュベートした。抽出したDNAは、1.5%アガロースゲルで電気泳動し、Chemi DocXRS(Bio Rad)を用いて、断片化のパターンを視覚化し検出した。
1−6.カスパーゼ3アッセイ
タンパク質の濃度は、BSAをスタンダートとしてブラッドフォード法(Bio−Rad)で測定した。カスパーゼ−3活性は、Colorimetric Assayキット(Bio Vision,USA)を説明書に従って使用し、MultiScan flow cytometerでアッセイを行った。
1−7.乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)アッセイ
細胞に対する毒性は、細胞からの乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の放出を測定することにより決定した。中皮腫細胞を、80μMのC2−セラミドで、1時間、6時間、12時間及び24時間処理した後、培養上清をLDH活性のアッセイに使用した。LDHは、日本臨床化学会認定の方法に従い(Japanese Society of Clinical Chemistry.CK Recomalignant mesotheliomaended Method and Consensus Method.J Clin Sci 1992;21:159−160;Ohsawa S.Consensus Method of LD,CK.J Med Tech 1993;37:512−518)、日立型自動化学分析器(Hitachi Medical Corp.Tokyo,Japan)で解析した。
1−8.ウェスタンブロッティング
細胞は、ホモジナイズ用バッファー(10mM リン酸ナトリウム、10mM フッ化ナトリウム、1mM オルトバナジン酸ナトリウム、1mM PMSF、1μl/ml プロテアーゼインヒビター混合物(Wako Pure Cehmicals)、0.1M Tris−HCl(pH7.5))で集めた。その後、細胞をソニケート(超音波処理で破砕し)し、遠心した。上清中のタンパク質濃度は、Bio−Rad試薬(Bio−Rad,Hercules,CA,USA)を用いて測定した。抽出したタンパク質(40μg)を10又は12%のSDS−PAGEで電気泳動し、PVDF膜に転写した。タンパク質が転写されたPVDF膜を1次抗体で、4℃、一晩インキュベートし、TTBS(0.5% ツイーン20/TBS)で1回、TBSで3回洗浄した。洗浄後PVDF膜を2次抗体で、室温、1時間インキュベートし、TTBSで1回、TBSで3回洗浄した。次に、抗体−抗原複合体をphototope−HRPウェスタンブロット検出システム(Cell Signaling Technology,Beverly,MA,USA)を使用し、Chemi Doc XRS(Bio−Rad)で検出した。シグナル強度は、Quantity One(Bio−Rad)を用いて定量した。
1−9.インビボの実験
培養細胞(5×10)を洗浄し、0.3mLのPBSに再懸濁し、6週齢のBALB/c(nu/nu)マウスの右背部の皮下にインジェクトした。また、コントロールとして0.3mlのPBSのみを、コントロールマウス群の右背部の皮下にインジェクトした。中皮腫細胞のインジェクション7日後、腫瘍が明らかに見分けられる頃(腫瘍サイズが直径6−9mm程度)にセラミドによる処理を開始した。ACC−及びY−中皮腫細胞を各々6匹のマウスに移植し、各グループ、以下の処理を行った:1)溶媒のみのコントロール(DMSO,1%)、2)C2−セラミド(0.046mg)を腫瘍に直接インジェクション(DI)、3)C2−セラミド(0.137mg)を腹腔内へインジェクション(IP)。C2−セラミドは、1日おきに、DI(0.2ml PBS)又はIP(0.4ml PBS)処理を行った。処理後、マウスの腫瘍サイズを一日おきに測定した。腫瘍体積は、キャリパーを用いて長さ×幅×0.5で算出した。本研究は、東京大学動物実験委員会の承認を受け、マウスの扱いは、そのガイドラインに従って行った。腫瘍組織を摘出し、10% リン酸バッファーホルマリン液中で固定した。組織をパラフィンに包埋し、切片化し、ヘマトキシリン−エオシン染色を行った。組織サンプルは組織学的検査に使用した。
1−10.統計分析
結果は、値±標準偏差として示す。統計分析は独立スチューデントテストを用いて行った。グループ間の腫瘍体積の差は、2ウェイ分散分析を用いて統計的有意を検査した(ANOVA)。p値<0.05を統計的に有意とした。
2.結果
2−1.C2−セラミドによる中皮腫細胞の増殖阻害
C2−セラミドは、ACC−及びY−中皮腫細胞の成長を濃度依存的(5〜80μM)、時間依存的(3〜24時間)に阻害した(図1及び図2)。80μMのC2−セラミドにより、ACC−中皮腫及びY−中皮腫の成長が、各々、28.5%及び23.7%抑制された。一方、C2−セラミドを溶解したDMSOには有意の抑制効果は認められなかった。これらの結果から、以降の実験では、80μMのC2−セラミドを使用することとした。
2−2.C2−セラミド誘導アポトーシスの測定
C2−セラミドにより誘導される細胞増殖の阻害がアポトーシスによるかどうかを検討するため、アポトーシス情報伝達系の主要な阻害因子であり、細胞死プログラムの担い手であるカスパーゼ3活性のアッセイを行った。検討した2つの細胞株において、80μMのC2−セラミドの抗増殖効果は、カスパーゼ3活性の増大とパラレルに上昇した。予想通り、ACC−中皮腫細胞中のカスパーゼ3活性は添加後6時間以内に上昇しはじめ、12−16時間後にピークに達した(図3A及びB)。これらの結果から、C2−セラミドを誘導する細胞死は、カスパーゼ3によって担われていることが明らかとなった。
2−3.乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)解析
次に、LDHアッセイを使用して、C2−セラミド処理後の細胞の生存に対するC2−セラミドの影響を評価した。死に向かう細胞はLDHを培養液中に放出する。C2−セラミド(80μM)は、無処理のグループと比較すると、乳酸デヒドロゲナーゼの放出を有意に増大させた(図4)。
2−4.FACS解析を用いたC2−セラミドによるアポトーシスの検出
ACC−(図5A)及びY−(図5B)中皮腫細胞が時間依存的にアポトーシスを起こすことをFACS解析により示した。C2−セラミドの処理により中皮腫細胞が特異的な細胞周期のパターンを示すかどうかを検討した。G−G期にある細胞の割合が増加し、ACC−及びY−中皮腫細胞のいずれにおいてもサブG期の存在が認められた。サブG期にある細胞はアポトーシス状態にあると考えられている。G−G期にある細胞の増加の他、これに対応してS及びG−M期の細胞量の減少が認められる。
2−5.ヌクレオソームDNAの断片化アッセイ
セラミドによって誘導されるアポトーシスをさらに確認するために、DNAの断片化について解析を行った(図6)。C2−セラミドを一過的に中皮腫細胞へ導入した24時間後、C2−セラミドによりDNAの断片化が顕著に誘導された。この場合、DMSOのみではDNAの断片化は誘導されなかった(図6、レーン2及び5)。
2−5.中皮腫細胞中の種々のタンパク質発現に対するC2−セラミド処理の影響
Baxはアポトーシスの制御において中心的な役割を果たしており、Bcl−2ファミリーに属する細胞死プロモーターである。本発明において、C2−セラミド処理を行ったACC−及びY−中皮腫細胞中でBaxが増大することが見出された。C2−セラミドで細胞を処理し、ある一定の時間後に細胞から抽出された総タンパク質に対して、抗Bcl−2抗体を用いてウェスタンブロッティングを行った(図7A)。Bcl−2は24時間後にわずかに減少した。セラミドによって誘導されるアポトーシスには、MAPKシグナル経路が関与していることが報告されているため、次に、中皮腫細胞においてセラミドによって誘導されるアポトーシスがMAPKサブファミリーの活性化と関連性を有するか検討した。細胞を種々の時間セラミドで処理し、ERK及びc−JUN N末端プロテインキナーゼの活性化を、各リン酸化フォームに特異的な抗体を用いウェスタンブロッティングによって検討した。図7Bに示される様に、セラミドはERKの活性化を誘導し、処理後6時間には明確な活性化を示した。同様に、C2−セラミドはJNKの活性化に対しても顕著に影響を与えた。また、ERKの活性化は、ERKの上流キナーゼであるMEK1/2の特異的な阻害剤であるU0126によって阻害された(図7D)。さらに、U0126はセラミドによって誘導されるアポトーシスを濃度依存的に抑えることが明らかとなった(図7C)。以上の結果から、MAPKがセラミドによって誘導されるACC−及びY−中皮腫細胞のアポトーシスにおいて、重要な役割を果たしていることが示唆される(図7C)。
2−6.皮下に移植した腫瘍に対するインビボにおけるC2−セラミドの影響
インビボにおいて、C2−セラミドが中皮腫の進行を阻害するかどうか検討した。腫瘍の増殖に対するC2−セラミドの効果を調べるために、ヌードマウスに移植した腫瘍の体積の減少について検討した。マウスの皮下に移植した中皮腫に対し、無処理及びC2−セラミドを腫瘍に直接インジェクトした腫瘍の状態を図8に示す。C2−セラミドを腫瘍に直接(DT)又は腹腔内(IP)にインジェクトした3日目以降の腫瘍体積の変化を、インジェクト3日目を0日として、20日まで測定した(図9)。腫瘍のサイズは無処理群と比較すると、C2−セラミドの処理により著しく縮小した。
本発明の治療剤及び治療方法は、これまでに有効な治療剤及び治療法が確立されていない悪性中皮腫の治療の分野に多大なる貢献をもたらすものである。
図1は、C2−セラミドが、中皮腫細胞の成長を濃度依存的に抑制することを示す結果である。C2−セラミド(20μM、40μM、60μM及び80μM)で中皮腫細胞を処理し、細胞の成長を測定した。コントロールは、0.4%DMSOを添加した結果である。データは、コントロールグループと比較して、平均値±標準偏差、n=6で示した。**p値<0.01 図2は、C2−セラミド(80μM)のACC−中皮腫細胞(A)及びY−中皮腫細胞(B)に対する影響を示す結果である。細胞を80μMのC2−セラミドで、3、6、9及び24時間処理した。0.4%のDMSOをコントロールに使用した。hrは時間を意味する。**p値<0.01、p値<0.05 図3は、ACC−(A)及びY−(B)中皮腫細胞のカスパーゼ3活性に対するC2−セラミド(80μM)の効果を示すグラフである。種々の時点において、薬剤存在下で細胞をインキュベートした。C2−セラミドの活性化後、カスパーゼ3活性をマルチスキャン比色分析アッセイによってモニターした。結果は、C2−セラミドの存在下において、吸光度(縦軸)として表示した。各3回の実験の平均値±標準偏差である。hrは時間を意味する。**p<0.01、p<0.05(0時間の実験との比較) 図4は、C2−セラミドにより中皮腫細胞からLDHが放出されることを示す結果である。ACC−及びY−中皮腫細胞を、一定の時間C2−セラミド(80μM)と接触させ、細胞死の程度を培地中へのLDH放出量を検出することで評価した。LDH値は、コントロールに対して標準化し、平均値±標準偏差で示した。p<0.05(無処理グループとの比較)、n=3 図5は、コントロール(0時間)及びC2−セラミドで6、12又は24時間処理した中皮腫細胞の核に存在するDNA量をフローサイトメトリーにより解析した結果を示す。ACC−中皮腫細胞(A)及びY−中皮腫細胞(B)のDNA量を測定した。C2−セラミドによる中皮腫細胞のアポトーシス性サブG集団の増加が明確に認められる。G/G、G/M及びS期の細胞の割合、及びサブG1期の細胞の割合をグラフ化した。 図6は、セラミド処理した中皮腫細胞のヌクレオソームDNAの断片化アッセイの結果を示す。ACC−(レーン1〜3)及びY−(レーン4〜6)中皮腫細胞をC2−セラミドで0時間(レーン1及び4)、24時間(レーン3及び6)処理した。DNAの断片化をアガロースゲル電気泳動によって検出した。また、DMSOのみの影響をレーン2及び5に示す。 図7は、ACC−及びY−セラミドにおける種々のタンパク質レベルに対するC2−セラミド(80μM)の影響を示す結果である。Bcl−2、Bax及びアクチン抗体を用いて、各時間経過後におけるタンパク質レベルを調べた(A)。また、セラミド処理後各時間経過後に抗リン酸化ERK抗体(p−Erk1/2)及び抗リン酸化JNK抗体(p−JNK1/2)を用いてウェスタンブロッティングを行い、JNK及びERK1/2のリン酸化レベルを測定した(B)。同じサンプルを用いて、ERK1/2(Erk)及びJNK(JNK)のタンパク質量も同時に測定した(B)。抽出タンパク質レベルが変動していないことを確認するために、アクチン量を抗アクチン抗体で確認した(B、Actin)。Cは、U0126(MAPKの阻害剤)のセラミドによって誘導されるアポトーシスへの影響を調べた結果である。無処理、DMSO(0.3%)処理、C2−セラミドのみの処理(C2(60μm))、U0126のみの処理(U(1μm)、U(2μm)、U(4μm)、U(6μm))、U0126とC2−セラミドによる処理(U(1μm)+C2(60μm)、U(2μm)+C2(60μm)、U(4μm)+C2(60μm)、U(6μm)+C2(60μm))を行ったACC−(□)及びY−(■)中皮腫細胞の細胞死レベルを細胞カウンティングkit−8を用いて評価した(C2−セラミド処理と比較してp<0.05、n=6)。Dは、C2−セラミド処理した中皮腫細胞(ACC又はY)中でのErkのリン酸化に対するU0126の影響を調べた結果である。アクチンのレベルをタンパク質総量のコントロールとして確認した(Actin)。C2−セラミド(80μM)のみ、又はU0126(6μM)で前処理した後C2−セラミド(80μM)処理を24時間行った後、抗リン酸化Erk抗体により、Erkのリン酸化のレベルを調べた。 図8は、中皮腫細胞を移植したマウスに対する、C2−セラミド又は1%DMSO(コントロール)をインジェクトした後の腫瘍の様子を示した図である。 図9は、中皮腫の腫瘍体積を一日おきに測定した結果を示す。controlはPBSを、DMSOはセラミドの代わりに1%DMSOを腹腔内にインジェクトした。また、I.P.は腹腔内にセラミドをインジェクトしたグループ、D.T.は腫瘍に直接セラミドをインジェクトした結果である。p<0.01(DT及びIPグループ共に、コントロールグループと比較して)

Claims (9)

  1. 一般式(1):
    [式中、n1は10〜16の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基
    (ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
    で表されるセラミド、若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする中皮腫治療剤。
  2. 前記n1が12、mが0である請求項1に記載の中皮腫治療剤。
  3. 前記n1が12、mが16である請求項1に記載の中皮腫治療剤。
  4. 一般式(2):
    [式中、n2は9〜15の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基
    (ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
    で表されるセラミド、若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする中皮腫治療剤。
  5. 前記n2が11、mが22である請求項2に記載の中皮腫治療剤。
  6. 一般式(3):
    [式中、n3は9〜15の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基
    (ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
    で表されるセラミド、若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする中皮腫治療剤。
  7. 前記n3が11、mが21である請求項2に記載の中皮腫治療剤。
  8. 一般式(4):
    [式中、n4は11〜17の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基

    (ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
    で表されるセラミド、若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする中皮腫治療剤。
  9. 一般式(5):

    [式中、n5は12〜18の整数を表し、Rは炭素数1〜34の直鎖又は分岐の飽和、不飽和又はヒドロキシの炭化水素基

    (ただし、mは0〜33の整数を表す)のいずれかである]
    で表されるセラミド、若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする中皮腫治療剤。
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