JP2009514898A - ガリウムを使用する、肝臓の有害状態の処置および予防 - Google Patents

ガリウムを使用する、肝臓の有害状態の処置および予防 Download PDF

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Abstract

本発明は、個体において肝臓の有害状態を治療する方法および組成物を提供する。ガリウム(III)の錯化合物、ガリウム(III)の塩、ガリウム塩以外のガリウム(III)の無機化合物、またはタンパク質結合ガリウム(III)の形態でのガリウムを薬剤として許容できる担体と共に含む薬剤組成物を、治療または予防上効果な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量で個体に投与する。上記の方法において、治療または予防上有効な血清ガリウムレベルは、通常は少なくとも約10ng/mLである。

Description

(関連出願への相互参照)
この出願は、2005年11月7日に出願された米国仮出願第60/734,406号(この内容は、その全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
本発明は、ガリウム含有組成物、ならびに肝臓の有害状態の治療および予防におけるその使用に関する。
(背景)
肝臓は、体の最大の内部器官であり、健康の維持に不可欠な多数の機能を果たす。肝臓は、代謝、消化、免疫、および血液化学の制御において重要な役割を果たす。また、肝臓は、有害物質を解毒し、血液から除去する、体の主要な手段を構成する。肝臓は、それ自体を治癒し、さらには傷害後に再生する顕著な能力を有するが、毒性があり、感染性があり、または他の損傷を与える因子に繰り返し曝露されると、様々な肝疾患および障害が生じることがある。これらの疾患および障害は、肝臓が多くの重大な機能を果たしているので、通常重篤であり、一般的に死に至る。
多くの周知の肝機能には、摂取された食物、飲料、および薬物に由来する有害物質を解毒すること;有害金属、抗原、微生物毒素、ある種の細菌類およびウィルス類、ならびに老廃または損傷赤血球など、血液からの潜在的に有害な物質を除去すること;リンパ系のための血漿を産生・制御すること;グルコース、脂肪酸、リン脂質、多くのアミノ酸類、多くのビタミン類、鉄、銅、血液凝固因子、コレステロール(HDLおよびLDLを含む)、多くのホルモン類(エストロゲン類、アンドロゲン類、および甲状腺ホルモンを含む)、ビリルビン、「急性期」タンパク質類(補体および多くのサイトカインを含む)、および水の血中レベルの制御に役立つことが挙げられる。肝障害の目に見える一徴候は、ビリルビンの不完全な排泄に起因する黄疸(皮膚および白眼の黄変)である。この肝機能一覧の一部から、肝臓に対する障害が健康に深刻な影響を及ぼす恐れがある理由は明らかである。
肝障害は、食物、飲料、薬物、空気、または感染因子に含まれている、またはそれらに由来する毒素への肝臓の曝露に起因することがある。毒素は、皮膚を通して摂取、吸入、吸収され、粘膜を通して吸収され、または内因感染もしくは他の疾患に由来することがある。損傷は、例えば放射線、熱、または身体的外傷に起因することもある。損傷のよくある原因は、アルコール飲料の摂取によるアルコール(通常は、エタノール)への曝露である。損傷は、高アルコール濃度への曝露によって急性、またはより低いアルコール濃度への長期間にわたる曝露によって蓄積性になり得る。肝障害の別のよくある原因は、ウイルス性肝炎、具体的にはBまたはC型肝炎である。経時的に、このような原因による肝障害は、肝硬変を生じることがある。肝硬変は、肝組織の永久的破壊(正常な肝組織が結合組織によって置換されることになる)、およびその結果として起こる肝機能の喪失である。肝機能の喪失は、毒血症、およびその結果として生じる、他の器官への損傷を含めて、様々な健康問題を生じ、一般的に死に至る。
肝臓の有害状態の特定原因を処置するよう意図されている利用可能な医薬品はいくつかあるが、これらは一般に特定の損傷因子に特異的であり、したがって肝臓の広範な保護にはならない。例えば、細菌性肝感染の治療は、一般に特定の抗生物質で成功することができる。しかし、B型肝炎、C型肝炎、および肝硬変を含めて、多くの重篤な肝疾患の確実に有効な治療法はない。
したがって、広範囲の肝臓の有害状態、特に現在いかなる治療方法もまたは適切な治療方法もない多くの病態に対する有効な治療法が求められている。さらに、どのような病態であるかと完全に診断する前に使用することができる、肝臓の有害状態のより全身的な治療法が求められている。さらに、病原因子への将来における曝露に起因する肝臓の有害状態を低減またはなくすための予防的治療法が求められている。
(要旨)
本発明は、個体において肝臓の有害状態を治療、緩和、または予防する方法、組成物、およびキットを提供する。
一態様では、本発明は、肝臓の有害状態を治療、緩和、または予防する方法であって、単位用量のガリウム含有組成物を個体に投与することを含み、単位用量が治療または予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量のガリウム含有組成物を含む方法を提供する。一実施形態では、本発明は、それを必要とする個体において肝臓の有害状態を治療する方法であって、単位用量のガリウム含有組成物を個体に投与することを含み、単位用量が治療上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量のガリウム含有組成物を含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、薬理活性剤もしくは放射線療法の投与、または毒性物質への個体の曝露に起因する潜在的な肝臓の損傷を緩和する方法であって、薬理活性剤もしくは放射線療法の投与、または毒性物質への個体の曝露の前、最中、または後に単位用量のガリウム含有組成物を投与することを含み、単位用量が予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量のガリウム含有組成物を含む方法を提供する。
本発明の方法では、治療または予防上有効な血清ガリウムレベルは、通常は少なくとも約10ng/mLである。他の実施形態では、血清ガリウムレベルは、少なくとも約25ng/mL、50ng/mL、100ng/mL、200ng/mL、または500ng/mLである。他の実施形態では、血清ガリウムレベルは、約10ng/mL〜約50ng/mL、約25ng/mL〜約100ng/mL、約100ng/mL〜約500ng/mL、約500ng/mL〜約1000ng/mL、約50ng/mL〜約10,000ng/mL、約100ng/mL〜約7,500ng/mL、約200ng/mL〜約5,000ng/mL、または約500ng/mL〜約2,000ng/mLである。
様々な実施形態では、治療または予防上有効な血清ガリウムレベルには、個体にガリウム含有組成物を投与後少なくとも約1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、48時間、または72時間以内に到達する。いくつかの実施形態では、治療または予防上有効な血清ガリウムレベルには、約1時間〜約12時間、約6時間〜約12時間、約12時間〜約24時間、約24時間〜約48時間、または約48時間〜約72時間以内に到達する。
本明細書に記載する方法では、ガリウム含有組成物は、ガリウム(III)の錯化合物、ガリウム(III)の塩、塩以外のガリウム(III)の無機化合物、またはタンパク質結合ガリウム(III)を含み、あるいは本質的にそれらからなることができる。ガリウム含有組成物は、一般に薬剤として許容できる担体と共にガリウム含有組成物を含む薬剤組成物として製剤される。
いくつかの実施形態では、ガリウム含有組成物は、ガリウム(III)の塩、例えば硝酸ガリウム、塩化ガリウム、炭酸ガリウム、および硫酸ガリウムから選択される、例えば無機塩、またはその水和もしくは溶媒和の形、あるいはそれらの組合せを含む。
いくつかの実施形態では、ガリウム含有組成物は、例えば酸化ガリウム、酸化水酸化ガリウム、またはその水和もしくは溶媒和の形、あるいはそれらの組合せから選択されるガリウム塩以外のガリウム(III)の無機化合物を含む。
いくつかの実施形態では、ガリウム含有組成物は、例えば酢酸ガリウム、酒石酸ガリウム、クエン酸ガリウム、ギ酸ガリウム、シュウ酸ガリウム、グルコン酸ガリウム、アスコルビン酸ガリウム、パルミチン酸ガリウム、およびヒドロキサム酸ガリウム、またはその水和もしくは溶媒和の形、あるいはその組合せから選択される有機塩を含む。
いくつかの実施形態では、ガリウム含有組成物は、ガリウム(III)の錯化合物、例えばガリウム中心に配位している3つの同一または同一でない二座リガンドを含む錯体を含む。いくつかの実施形態では、ガリウム含有組成物は、中性の3:1(ヒドロキシピロン:ガリウム)錯体の形態での錯化合物を含み、ここでヒドロキシピロン分子はそれぞれ、無置換であり、または1個、2個、もしくは3個のC〜Cアルキル置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、ヒドロキシピロン分子はそれぞれ、無置換であり、または2位、5位、および/もしくは6位がC〜Cアルキル基、またはその組合せで置換されている。いくつかの実施形態では、ヒドロキシピロンはそれぞれ、3−ヒドロキシ−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロン、および3−ヒドロキシ−6−メチル−4−ピロンからなる群より選択される。一実施形態では、ヒドロキシピロン分子はそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロンである。別の実施形態では、ヒドロキシピロン分子はそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロンである。いくつかの実施形態では、ガリウム含有組成物は、ガリウム(III)の錯化合物を含み、ここでリガンドは、式Ar−O−を有し、式中、Arはアリール基、ヘテロアリール基、置換アリール基、または置換ヘテロアリール基である。一実施形態では、錯体は、8−ヒドロキシキノリンのアニオンを含む。いくつかの実施形態では、リガンドは、構造R−(CO)−O−を有するカルボキシラートリガンドから選択され、式中、Rはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、または置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、およびそれらの組合せである。
本明細書に記載する方法で治療、緩和、又は予防することができる肝臓の有害状態としては、肝疾患、障害、および肝臓を損傷する他の病態が挙げられる。このような病態としては例えば、アルコールの使用、薬物使用、肝毒性薬物、放射線、物理的傷害、肝毒性物質への曝露、肝臓への外傷性傷害、または感染(ウイルス、細菌、マイコプラズマ、真菌、原虫、寄生虫、または蠕虫感染を含む)によって引き起こされる肝疾患が挙げられる。いくつかの実施形態では、肝臓の有害状態は、肝臓の肥大(肝腫大)を含む。
肝疾患、および肝臓を損傷することがある他の疾患としては例えば、脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、胆道閉鎖、ヘモクロマトーシス、α1−アンチトリプシン欠損症、糖原病1型、ポルフィリン症、チロシン血症、ウィルソン病、自己免疫性肝炎、新生児肝炎、ライ症候群、サルコイドーシス、肝嚢胞症(総胆管嚢胞、カロリ症候群、先天性肝線維症、および多嚢胞肝を含む)、炎症性肝疾患(例えば、原発性硬化性胆管炎)、嚢胞性線維症、結核、バイラー病、およびニーマン・ピック病が挙げられる。いくつかの実施形態では、肝疾患は、肝炎(例えば、慢性肝炎、急性肝炎、類狼瘡肝炎、自己免疫性肝炎、またはウイルス性肝炎)を含む。いくつかの実施形態では、肝疾患は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、非A−E型肝炎、サイトメガロウイルス、エプスタイン−バーウイルス、およびそれらの組合せからなる群より選択されるウイルスによって引き起こされる肝炎を含む。いくつかの実施形態では、肝疾患は、例えばレプトスピラ種、リケッチア種、およびストレプトコッカス種、およびそれらの組合せからなる群より選択される細菌によって引き起こされる細菌感染、マイコプラズマ感染、原虫感染、または蠕虫感染によって引き起こされる肝炎を含む。
一実施形態では、肝臓の有害状態は、肝毒性薬物、例えば処方薬物または非処方薬物によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、肝毒性薬物は、抗炎症剤、脂質低下剤、免疫抑制剤、抗糖尿病剤、抗生物質、抗真菌剤、レチノイド類、抗痙攣剤、向精神剤、およびホルモン類、ならびにそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、肝毒性薬物は、NSAID類(例えば、アセトアミノフェン)、スタチン類、ニコチン酸、アカルボース、シクロスポリン、ピオグリタゾン、スルホニル尿素類、アモキシシリン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、トロレンドマイシン、イソニアジド、ニトロフラントイン、フルコナゾール、フルオキセチン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、エトレチナート、フェニトイン、バルプロ酸、ブプロピオン、クロルプロマジン、三環系抗うつ剤、タモキシフェン、テストステロン、ハロタン、メトトレキサート、ピラジナミド、コカイン、およびそれらの組合せから選択される。
一実施形態では、肝臓の有害状態は、例えば環境汚染物質、ハロゲン化炭化水素、石油、石油副産物、殺虫剤、製造で使用される化合物、有機溶媒、またはそれらの組合せなどの毒性物質への個体の曝露によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、毒性物質は、例えばキク科(Asteraceae family)(ヒナギク)、ムラサキ科(Boraginaceae family)(ルリジサ)、シソ科ニガクサ属(Teucrium chamedrys)(ニガクサ)、ハマビシ科ラレア属(Larrea tridentate)(チャパラル)、アコラス種(Acorus species)、およびアサルム種(Asarum species)に由来するピロリジジンアルカロイド類を含む植物に由来する。
本発明の方法では、ガリウム含有組成物は、1日1回の用量、または1日複数回の用量、例えば2回、3回、4回、またはそれ以上の用量で投与することができる。一般に、ヒトに投与する場合、ガリウム含有組成物を、ガリウムの1日の総量が約2mg/kg/日〜約800mg/kg/日になるように投与する。いくつかの実施形態では、ガリウムの1日総投与量は、約2mg/kg/日〜約15mg/kg/日、約8mg/kg/日〜約40mg/kg/日、約15mg/kg/日〜約80mg/kg/日、約40mg/kg/日〜約160mg/kg/日、約150mg/kg/日〜約325mg/kg/日、約300mg/kg/日〜約550mg/kg/日、約500mg/kg/日〜約700mg/kg/日、または約600mg/kg/日〜約800mg/kg/日である。ガリウム含有組成物は、吸入によって、または埋め込みリザーバーを経由して、経口投与または非経口投与、例えば静脈内、皮下、筋肉内、経皮、経粘膜投与することができる。一実施形態では、ガリウム含有組成物を、1日1回または複数回、経口剤形で経口投与する。一実施形態では、ガリウム含有組成物は、ガリウム(III)と3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロンの錯体であり、1日1回経口投与される。
いくつかの実施形態では、ガリウム含有組成物が、肝臓の有害状態の治療を適応とする第2の活性剤と組み合わせて投与される。一実施形態では、肝臓の有害状態は肝炎であり、第2の活性剤は、サイトカイン、例えばインターフェロン(例えば、α−インターフェロン)、ヌクレオシド剤、またはそれらの組合せである。別の実施形態では、肝臓の有害状態は細菌性肝炎であり、第2の活性剤は抗菌剤である。
別の態様では、肝臓の有害状態の治療のための薬剤組成物であって、本発明は、治療または予防上有効な血清ガリウムレベルを提供する量のガリウム含有組成物、および肝臓の有害状態の治療に適応される治療上有効量の第2の作用剤を含む薬剤組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、肝臓の有害状態を治療、緩和、または予防するためのキットであって、少なくとも1つの単位用量のガリウム含有組成物を含み、単位用量は、ガリウム含有組成物を個体に投与した後に治療または予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量のガリウム含有組成物を含むキットを提供する。キットはさらに、肝臓の有害状態を治療または緩和するガリウム含有組成物を使用するためのパッケージングおよび/または指示書を提供することがある。一実施形態では、キットは、経口投与のために製剤されたガリウム含有組成物を含む少なくとも1つの経口剤形を含む。いくつかの実施形態では、経口剤形は、中性の3:1(ヒドロキシピロン:ガリウム)錯体の形態での錯化合物を含み、ここでヒドロキシピロン分子はそれぞれ、無置換であり、または1個、2個、もしくは3個のC〜Cアルキル置換基で置換されており、例えば3−ヒドロキシ−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロン、または3−ヒドロキシ−6−メチル−4−ピロンである。一実施形態では、ヒドロキシピロン分子はそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロンである。別の実施形態では、ヒドロキシピロン分子はそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロンである。
詳細な説明
定義
別段の示唆のない限り、本発明は、特定の合成方法、類似体、置換基、医薬品製剤、製剤成分、投与モードなどに限定されず、したがって変わり得る。本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を示すためのものにすぎす、限定するものではないことも理解されよう。
明細書および添付の特許請求の範囲で使用するように、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈上からそうでないことがはっきりしていない限り、その複数が含まれる。したがって、例えば「ある置換基(a substituent)」という言葉には、単独の置換基、および同じでも異なってもよい2つ以上の置換基が含まれ、「ある化合物(a compound)」という言葉は、異なる化合物の組合せまたは混合物、および単独の化合物を包含し、「薬剤として許容できるある担体(a pharmaceutically acceptable carrier)」という言葉には、2つ以上のかかる担体、および単独の担体が含まれる。
本明細書では、用語の「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシルなど、およびシクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基など、必ずしもそうではないが通常は1個〜約24個の炭素原子を含む分岐または非分岐の飽和炭化水素基を意味する。一般に、やはり必ずしもそうではないが、本明細書のアルキル基は、1個〜約18個の炭素原子、好ましくは1個〜約12個の炭素原子を含む。用語の「低級アルキル」は、1個〜6個の炭素原子のアルキル基を意図する。好ましい低級アルキル置換基は、1個〜3個の炭素原子を含み、特に好ましいこのような置換基は、1個または2個の炭素原子を含む(すなわち、メチルおよびエチル)。下記でさらに詳述されているように、「置換アルキル」は、1つまたは複数の置換基で置換されているアルキルを意味し、用語の「ヘテロ原子含有アルキル」および「ヘテロアルキル」は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されているアルキルを意味する。特段の指示のない場合、用語の「アルキル」および「低級アルキル」は、直鎖、分岐、環式、無置換、置換、および/またはヘテロ原子含有アルキルもしくは低級アルキルをそれぞれ包含する。
本明細書では、別段の指定のない限り、用語の「アリール」は、単独の芳香族環、または縮合、直接結合、もしくは(異なる芳香族環がメチレンまたはエチレン部分などの共通の基に結合しているように)間接結合している複数の芳香族環を含む芳香族置換基を意味する。好ましいアリール基は、5個〜24個の炭素原子を含み、特に好ましいアリール基は、5個〜14個の炭素原子を含む。アリール基としては例えば、1つの芳香族環、または縮合または結合した2つの芳香族環、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノンなどが挙げられる。下記でさらに詳述されているように、「置換アリール」は、1つまたは複数の置換基で置換されているアリール部分を意味し、用語の「ヘテロ原子含有アリール」および「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されているアリール置換基を意味する。特段の指示のない場合、用語の「アリール」は、無置換、置換、および/またはヘテロ原子含有芳香族置換基を包含する。
「ヘテロ原子含有アルキル基」(「ヘテロアルキル」基とも呼ぶ)または「ヘテロ原子含有アリール基」(「ヘテロアリール」基とも呼ぶ)におけるような「ヘテロ原子含有」という用語は、1つまたは複数の炭素原子が炭素以外の原子、例えば窒素、酸素、硫黄、リン、ゲルマニウム、またはケイ素、通常は窒素、酸素、または硫黄、好ましくは窒素または酸素で置換されている分子、結合、または置換基を意味する。同様に、用語の「ヘテロアルキル」は、ヘテロ原子含有のアルキル置換基を意味し、用語の「ヘテロ環式」は、ヘテロ原子含有の環式置換基を意味し、用語の「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」はそれぞれ、ヘテロ原子含有の「アリール」および「芳香族」置換基を意味する。ヘテロアルキル基としては例えば、アルコキシアリール、アルキルスルファニル置換アルキル、N−アルキル化アミノアルキルなどが挙げられる。ヘテロアリール置換基としては例えば、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリルなどが挙げられ、ヘテロ原子含有脂環式基としては例えば、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノなどである。
「ヒドロカルビル」は、アルキル基、アルケニル基、アリール基など、直鎖、分岐、環式、飽和、および不飽和の種を含めて、1個〜約30個の炭素原子、好ましくは1個〜約24個の炭素原子、より好ましくは1個〜約18個の炭素原子、最も好ましくは約1個〜12個の炭素原子を含む1価のヒドロカルビル基を意味する。「置換ヒドロカルビル」は、1つまたは複数の置換基で置換されているヒドロカルビルを意味し、用語の「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル」は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されているヒドロカルビルを意味する。別段の示唆のない限り、用語の「ヒドロカルビル」は、置換および/またはヘテロ原子含有ヒドロカルビル部分を包含すると解釈されるべきである。
「置換アルキル」、「置換アリール」などにおけるような「置換」は、上記の定義の一部で記載されているように、アルキル、アリール、または他の部分において、炭素(または他の)原子に結合している少なくとも1個の水素原子が、1つまたは複数の非水素置換基で置換されていることを意味する。このような置換基としては例えば、ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C〜C24アルコキシ、C〜C24アルケニルオキシ、C〜C24アルキニルオキシ、C〜C24アリールオキシ、アシル(C〜C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC〜C24アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C〜C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C〜C24アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、ハロカルボニル(−CO)−X、式中Xはハロである)、C〜C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C〜C24アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO)、カルバモイル(−(CO)−NH)、モノ−(C〜C24アルキル)−置換カルバモイル(−(CO)−NH(C〜C24アルキル))、ジ−(C〜C24アルキル)−置換カルバモイル(−(CO)−N(C〜C24アルキル))、モノ−(C〜C24アリール)−置換カルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、ジ−(C〜C24アリール)−置換カルバモイル(−(CO)−N(アリール))、ジ−N−(C〜C24アルキル)、N−(C〜C24アリール)−置換カルバモイル、チオカルバモイル(−(CS)−NH)、カルバミド(−NH−(CO)−NH)、シアノ(−C≡N)、イソシアノ(−N≡C)、シアナト(−O−C≡N)、イソシアナト(−O−N≡C)、イソチオシアナト(−S−C≡N)、アジド(−N=N=N)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH)、モノ−(C〜C24アルキル)−置換アミノ、ジ−(C〜C24アルキル)−置換アミノ、モノ−(C〜C24アリール)−置換アミノ、ジ−(C〜C24アリール)−置換アミノ、C〜C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C〜C24アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH、式中、R=水素、C〜C24アルキル、C〜C24アリール、C〜C24アルカリール、C〜C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル)、式中、R=水素、C〜C24アルキル、C〜C24アリール、C〜C24アルカリール、C〜C24アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール)、式中、R=水素、C〜C24アルキル、C〜C24アリール、C〜C24アルカリール、C〜C24アラルキルなど)、ニトロ(−NO)、ニトロソ(−NO)、スルホ(−SO−OH)、スルホナト(−SO−O)、C〜C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ぶ)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ぶ)、C〜C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C〜C24アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C〜C24アルキルスルホニル(−SO−アルキル)、C〜C24アリールスルホニル(−SO−アリール)、ホスホノ(−P(O)(OH))、ホスホナト(−P(O)(O)、ホスフィナト(−P(O)(O))、ホスホ(−PO)、およびホスフィノ(−PH);ならびにヒドロカルビル部分C〜C24アルキル(好ましくはC〜C18アルキル、より好ましくはC〜C12アルキル、最も好ましくはC〜Cアルキル)、C〜C24アルケニル(好ましくはC〜C18アルケニル、より好ましくはC〜C12アルケニル、最も好ましくはC〜Cアルケニル)、C〜C24アルキニル(好ましくはC〜C18アルキニル、より好ましくはC〜C12アルキニル、最も好ましくはC〜Cアルキニル)、C〜C24アリール(好ましくはC〜C14アリール)、C〜C24アルカリール(好ましくはC〜C18アルカリール)、およびC〜C24アラルキル(好ましくはC〜C18アラルキル)などの官能基が挙げられるが、これらに限定されない。
さらに、上記の官能基をさらに、特定の基が許せば、1つまたは複数の追加の官能基、あるいは上記に具体的に列挙するものなど、1つまたは複数のヒドロカルビル部分で置換することができる。同様に、上記のヒドロカルビル部分をさらに、具体的に列挙するものなど、1つまたは複数の官能基あるいは追加のヒドロカルビル部分で置換することができる。
可能な置換基の一覧の前に、用語の「置換」がある場合、この用語はその基のあらゆるメンバーに適用されるものである。例えば、語句の「置換アルキル、アルケニル、およびアリール」は、「置換アルキル、置換アルケニル、および置換アリール」と解釈されるべきである。同様に、可能なヘテロ原子含有基の一覧の前に、用語の「ヘテロ原子含有」がある場合、この用語はその基のあらゆるメンバーに適用されるものである。例えば、語句の「ヘテロ原子含有アルキル、アルケニル、およびアリール」は、「ヘテロ原子含有アルキル、ヘテロ原子含有アルケニル、およびヘテロ原子含有アリール」と解釈されるべきである。
「オプションの」または「場合によっては」は、引き続いて記載される状況が起こるかもしれないし、または起こらないかもしれないことを意味し、したがってこの記述は、その状況が起こる場合と起こらない場合を包含する。例えば、語句の「場合によっては置換されている」は、非水素置換基が所与の原子上に存在していてもよく、または存在していなくてもよいことを意味し、したがってこの記述は、非水素置換基が存在している構造と非水素置換基が存在していない構造を包含する。同様に、点線または破線で示される「場合によっては存在している」結合という語句は、結合が存在していてもよく、または存在していなくてもよいことを意味する。
本発明の化合物を活性剤として述べる場合、出願者らは、用語の「化合物」または「活性剤」が指定する分子単位だけでなく、塩、エステル、アミド、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、抱合体、活性代謝物、ならびに他のこのような誘導体、類似体、および関連化合物を含めて(これらに限定されない)、その薬剤として許容できる薬理活性類似体を包含するように意図している。
本明細書では、用語の「治療する」および「治療」は、症状の重症度および/もしくは頻度の低減、症状および/もしくは根本原因の排除、症状および/もしくはその根本原因の出現の予防、ならびに/または損傷の向上もしくは改善を引き起こすことを意味する。したがって、患者を本発明の化合物で「治療する」ことは、影響を受けやすい個体における特定の障害または生理的有害事象を予防すること、および臨床症候性の個体を障害もしくは疾患を抑制し、またはその寛解を引き起こすように管理することを包含する。治療は、予防、療法、または治癒を包含し得る。例えば、肝炎の治療は、肝炎を発症しやすい(例えば、遺伝的素因、環境因子、素因性疾患または障害などの結果として、肝炎を発症するリスクがより高い)患者における化学的予防、およびB型肝炎患者の疾患を抑制し、またはその寛解を引き起こす治療を包含する。
用語の「有効量」は、所望の治療成績を与えるのに十分な量のガリウムを提供するガリウム含有組成物の量を意味する。有効量は、1つまたは複数の投与内で成立することができ、すなわち所望の治療終点を実現するためには、単回投与または複数回投与が必要であることがある。「治療上有効量」は、所望の治療成績(例えば、肝臓の有害状態の重症度の低減、または肝臓の有害状態の排除)を生じるのに十分な量のガリウム含有組成物を意味する。「予防上有効量」は、例えば毒性物質への曝露によって肝臓の有害状態の影響を受けやすく、かつ/または肝臓の有害状態を発症する可能性がある個体に投与したとき、将来の肝臓の有害状態の重症度を予防または低減するのに十分な量のガリウム含有組成物を意味する。
用語の「放出制御」は、薬物の放出が即時でない薬物含有製剤またはその一部分を意味する。すなわち、「放出制御」製剤の場合、薬物を投与しても、吸収プールに即時には放出されない。この用語は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed.(Easton,PA:Mack Publishing Company,1995)に定義される「非速放性」と同義に使用される。一般に、本明細書では、用語の「放出制御」は、徐放製剤および遅延放出製剤を包含する。
「薬剤として許容できる」は、生物学的にまたはその他で望ましくないものではない材料を意味する。すなわち、患者に投与する薬剤組成物に、著しく望ましくない生体効果を全く引き起こすことなく、または材料が含まれる組成物の他の成分のいずれとも有害に相互作用することなく、材料を組み込むことができる。用語の「薬剤として許容できる」が、薬剤担体または賦形剤を述べるために使用される場合、担体または賦形剤は、毒性および製造試験の必要とされる基準を満たしていること、あるいはU.S. Food and Drug Administrationによって作製されたInactive Ingredient Guideに含まれていることが示唆される。
「個体」は、脊椎動物、通常は哺乳動物、一般的にはヒトを意味する。
使用方法
ガリウム含有組成物を肝臓の有害状態の治療または予防を必要とする個体に投与する方法を提供する。本発明の方法を使用して、肝臓の有害状態の予防、療法、または治癒をもたらすことができる。方法は、治療または予防有効量のガリウム含有組成物の1回または複数の単位用量の投与を含む。本発明の方法では、ガリウム含有組成物は、一般に薬剤として許容できる担体で投与される。
本発明の方法では、1つまたは複数の毒素への曝露によって生ずる肝臓の肥大など、肝臓の有害状態の予防または治療のための治療または予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量のガリウム含有組成物を個人に投与する。一実施形態では、投与後約24時間で少なくとも約10ng/mLのガリウムの血清レベルをもたらす単位用量のガリウム含有組成物を投与する。様々な実施形態では、治療または予防上有効なガリウムの血清レベルは、投与後約24時間で、約10、25、50、100、200、または500ng/mLの少なくともいずれかである。本発明の方法のいくつかの実施形態では、Cmaxの血清ガリウムレベルは、約20ng/mL〜約50ng/mL、約25ng/mL〜約100ng/mL、約100ng/mL〜約500ng/mL、約500ng/mL〜約1,000ng/mL、約50ng/mL〜約10,000ng/mL、約100ng/mL〜約7,500ng/mL、約200ng/mL〜約5,000ng/mL、または約500ng/mL〜約2,000ng/mLのいずれかとすることができる。様々な実施形態では、治療または予防有効量のガリウムをもたらすガリウム含有組成物の単位用量によって、ガリウムのピーク血清レベルが少なくとも約20ng/mL、50ng/mL、100ng/mL、または500ng/mL、1000ng/mL、2000ng/mL、3000ng/mL、または4000ng/mLのいずれかになり、上限が約50ng/mL、100ng/mL、500ng/mL、1000ng/mL、2000ng/mL、3000ng/mL、4000ng/mL、または5000ng/mLのいずれかをもたらす。
本発明の方法では、治療または予防上有効な血清レベルには、通常、個体にガリウム含有組成物を投与後約1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、48時間、または72時間以内に到達する。いくつかの実施形態では、治療または予防上有効な血清ガリウムレベルには、約1時間〜約12時間、約6時間〜約12時間、約12時間〜約24時間、約24時間〜約48時間、または約48時間〜約72時間以内に到達する。
治療または予防上有効な用量は、1日単回投与または1日複数回投与で投与することができ、ヒトの個体において、1日の総用量はガリウムの総用量約2mg/kg/日〜約550mg/kg/日を含む。様々な実施形態では、本発明の方法は、ガリウムを約2mg/kg/日、3mg/kg/日、5mg/kg/日、6mg/kg/日、8mg/kg/日、16mg/kg/日、78mg/kg/日、160mg/kg/日、235mg/kg/日、315mg/kg/日、400mg/kg/日、470mg/kg/日、550mg/kg/日、600mg/kg/日、700mg/kg/日、または800mg/kg/日のいずれかで投与することを含む。様々な実施形態では、ガリウムを1日当たり、約2mg/kg〜約15mg/kg、約10mg/kg〜約40mg/kg、約15mg/kg〜約80mg/kg、約40mg/kg〜約160mg/kg、約150mg/kg〜約325mg/kg、約300mg/kg〜約550mg/kg、約500mg/kg〜約700mg/kg、または約600mg/kg〜約800mg/kgで投与する。一実施形態では、1日当たりガリウムを1日1回約2mg/kg〜約15mg/kgの用量で投与する。一実施形態では、本方法は、投与後約24時間で少なくとも約10ng/mLの有効なガリウム血清レベルをもたらす用量の、ガリウムマルトレート(3価のガリウムイオンと3つの脱プロトン化マルトール(2−メチル−3−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン)基の錯化合物)を含む薬剤組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、2つ以上のガリウム含有組成物を共投与することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のガリウム含有組成物と、例えばインターフェロンや抗菌性物質など、1つまたは複数の追加の治療上有益な物質を共投与する。
ガリウム含有組成物
本明細書に記載する本発明の方法によれば、例えばガリウム(III)の錯化合物、ガリウム(III)の塩、塩以外のガリウム(III)の無機化合物、またはタンパク質結合ガリウム(III)を含むガリウム含有組成物を投与することができる。個体に投与する場合、本明細書に記載するガリウム含有組成物および薬剤として許容できる担体を含む薬剤組成物を投与することができる。
ガリウム(III)錯化合物は、1つまたは複数のリガンドに配位しているGa(III)中心を含む錯体である。ガリウム(III)の錯化合物として、N−ヘテロ環のガリウム(III)錯体(トリス(8−キノリノラト)ガリウム(III)など)、3−ヒドロキシ−4−ピロンの中性の3:1ガリウム錯体を含めて、ヒドロキシピロン類とのガリウム(III)錯体(ガリウムマルトレートなど)、ヒドロキシピリジノン類または置換ヒドロキシピリジノン類とのガリウム錯体、ガリウムポルフィリン類(ガリウム(III)プロトポルフィリンIXなど)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラゾンガリウム(III)、およびポリエーテル酸類のガリウム塩錯体が挙げられるが、これらに限定されない。このような錯化合物としては、3つの二座リガンドまたは1つの3座リガンドを含むものが挙げられるが、これらに限定されない。二座リガンドはそれぞれ、2つの酸素、窒素、または硫黄原子を介してガリウム(III)中心に配位しており、これらの2つの配位原子は同じでも異なってもよい。同様に、二座リガンドは、3つの酸素、窒素、または硫黄原子を介してガリウム(III)中心に配位しており、これらの3つの配位原子は同じでも異なってもよい。配位リガンドはすべて同じでもよく、または異なるリガンドの混合物が存在してもよい。
二座リガンドは、例えば非置換ヒドロキシピロン、または2位、5位、および/もしくは6位がC〜Cアルキル基で置換されているヒドロキシピロンとすることができる。特に、二座リガンドは、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン(マルトール)や3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロン(エチルマルトール)などの2位置換または5位置換ヒドロキシピロンとすることができる。二座リガンドの他の例は、非置換ヒドロキシピリジノン類、または2位、5位、および/もしくは6位がC〜Cアルキル基で置換されているヒドロキシピリジノン類とすることができる。3座リガンドの例は、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラゾンである。
さらに、リガンドは、式Ar−O−を有することができ、式中、Arはアリール基、ヘテロアリール基、置換アリール基、または置換ヘテロアリール基である。例えば、Ar基は、8−ヒドロキシキノリンのアニオンなどの場合によっては置換されているヘテロアリール基とすることができる。
リガンドは、構造R−(CO)−O−を有するカルボキシラートリガンドから選択することもでき、式中、Rはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、または置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビルである。
一実施形態では、本発明の方法による使用に適したガリウム組成物は、例えばガリウムマルトレートなどの3−ヒドロキシ−4−ピロンのガリウム錯体を含む。このような錯体の合成および医薬品製剤としての錯体の調製は、例えば米国特許第5,258,376号、第5,574,027号、第5,883,088号、第5,968,922号、第5,981,518号、第5,998,397号、第6,004,951号、第6,048,851号、および第6,087,354号に記載されている。
ガリウム塩としては、無機塩と有機塩の両方が挙げられる。無機塩および関連無機化合物としては例えば、塩化ガリウム、硝酸ガリウム、硫酸ガリウム、炭酸ガリウム、およびリン酸ガリウムが挙げられるが、これらに限定されない。これらの塩の水和もしくは溶媒和の形が含まれる。有機塩として例えば、酢酸ガリウム、クエン酸ガリウム、ギ酸ガリウム、ヒドロキサム酸ガリウム、シュウ酸ガリウム、グルタミン酸ガリウム、パルミチン酸ガリウム、および酒石酸ガリウム、ならびにそれらの水和および溶媒和の形が挙げられるが、これらに限定されない。ガリウム塩以外の無機ガリウム化合物の例は、酸化ガリウムおよび酸化水酸化ガリウム、ならびにそれらの水和および溶媒和の形である。
本発明の方法での使用に適した他の組成物としては、結合させたガリウムを含有するペプチド類およびタンパク質類が挙げられる。このような組成物としては例えば、ガリウム−ラクトフェリンおよびガリウム−トランスフェリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、タンパク質は治療対象の種に由来する。いくつかの実施形態では、タンパク質結合ガリウム含有組成物は、1つまたは複数の他の活性剤と抱合されている。このような抱合体の例は、ガリウム−トランスフェリン−ドキソルビシン抱合体である。
肝臓の有害状態
本明細書では、「肝臓の有害状態」は、しばしば毒素または病原体への曝露の結果、有害なまたは潜在的に有害な効果を個体の肝臓に及ぼす状態を意味する。本明細書では、「毒素」は、物質を摂取し、投与され、またはそれに曝露されている個体の健康に対して有害作用を引き起こす、あるいは潜在的に引き起こす可能性がある物質を意味する。「毒素」は、化学起源または生物起源とすることができる。肝臓の有害状態の多くは、処方、一般用、および/もしくは違法薬物、天然もしくは製造毒素、またはそれらの組合せによって引き起こされ得る。このような毒素は、その他の点では非毒性の材料の操作によって放出されるものもあれば、その他の点では有害でない成分間の化学反応の副生成物であるものもある。
本発明の方法は、肝臓の有害状態の少なくとも1つの症状を低減し、軽減し、取り除き、または予防することができる。このような症状としては、肝臓の肥大(拡大)(肝腫大)が挙げられる。
薬物および/または毒素への曝露に関連する肝臓の有害状態としては例えば、アルコールの使用もしくは乱用、薬物使用もしくは乱用、肝毒性薬物、および/または他の肝毒性物質への曝露によって引き起こされる肝疾患が挙げられる。多数の薬物は肝毒性があることがわかっている。肝毒性がある薬物としては例えば、いくつかの抗炎症剤、脂質低下剤、免疫抑制剤、抗糖尿病剤、抗生物質、抗真菌剤、レチノイド類、抗痙攣剤、向精神剤、ホルモン類、抗癌剤、プロテアーゼ阻害剤、アンフェタミン類、プロトンポンプ阻害剤、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。具体的な例としては、いくつかの非ステロイド系抗炎症薬(アセトアミノフェン、アスピリン、ジクロフェナク、スリンダク)、スタチン類、ニコチン酸、アカルボース、ピオグリタゾン、シクロスポリン、スルホニル尿素類、アモキシシリン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、トロレンドマイシン、イソニアジド、ニトロフラントイン、フルコナゾール、フルオキセチン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、エトレチナート、フェニトイン、バルプロ酸、ブプロピオン、クロルプロマジン、三環系抗うつ剤、タモキシフェン、テストステロン、ハロタン、メトトレキサート、ピラジナミド、コカイン、およびそれらの組合せが挙げられる。これらの薬物の多くは、アルコールと、またはそれら同士で使用する場合、肝毒性が増大する。
肝臓の有害状態を引き起こすことがある他の毒素としては、石油やその揮発性副生成物、殺虫剤、有機溶媒、多くの重金属類、および製造で使用される化合物などの環境汚染物質が挙げられる。
真菌の生育の結果として、貯蔵穀物および他の食物において生じ得る毒素である特定のアフラトキシン類を摂取すると、肝疾患の発症も伴う。
自然または移植の植物相は、特に粉砕および/または摂取された場合に肝臓の有害状態を引き起こすことがある。例えば、キク科(Asteraceae family)(ヒナギク)およびムラサキ科(Boraginaceae family)(ルリジサ)のものなど、ピロリジジンアルカロイド類を含有する植物が挙げられる。肝臓の有害状態を引き起こすことがある他の植物としては、多くのマッシュルーム変種、エキネシア(Echinacea)(コーンフラワー)、シソ科ニガクサ属(Teucrium chamaedrys)(ニガクサ)、ハマビシ科ラレア属(Larrea tridentate)(チャパラル)、ならびにアコラス(Acorus)種およびアサルム(Asarum)種が挙げられる。
肝臓の有害状態は、放射線への曝露または肝臓への物理的外傷によっても引き起こされることがある。
肝臓の有害状態としては例えば、アルコール性肝疾患、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、多嚢胞肝などの肝嚢胞症、先天性肝線維症、カロリ症候群、および炎症性肝疾患が挙げられる。炎症性肝疾患としては例えば、自己免疫性肝炎、類狼瘡肝炎、慢性肝炎、および急性肝炎が挙げられる。
肝炎は、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、非A−E型肝炎ウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタイン−バーウイルス、およびそれらの組合せなどのウイルス感染によって引き起こされることがある。細菌感染およびマイコプラズマ感染も、肝炎を引き起こすことがある。ヒトにおいて肝炎を引き起こす細菌としては例えば、レプトスピラ、リケッチア、ストレプトコッカス、およびそれらの組合せが挙げられる。肝臓に感染し、肝障害を引き起こすことが知られている他の生物としては、プラスモジウム種(Plasmodium spp.)(マラリアを引き起こす)、リーシュマニア・ドノバニ(Leishmania donovani)、エンテロシトゾーン・ビエヌーシ(Enterocytozoon bieneusi)、およびエントアメーバ・ヒストリティカ(Entamoeba histolytica)などの原生生物類、ならびにシストソーマ種(Schistosoma spp.)、エキノコックス種(Echinococcus spp.)、クロノルキス・シネンシス(Clonorchis sinensis)/オピストルキス・ビベリーニ(Opisthorchis viverrini)、およびFasciola hepaticaなどの蠕虫類が挙げられる。
肝臓の有害状態を引き起こす可能性がある因子への所期の将来の曝露、肝臓の有害状態の遺伝的素因、素因性疾患もしくは障害、または別の原因のいずれによってであろうと、肝臓の有害状態の素因を有する個体もある。曝露もしくは素因の影響、および/または結果として生じる肝状態の1つもしくは複数の症状を「緩和」、すなわち予防または限定する本発明の方法を使用して、予防措置をとることができる。いくつかの実施形態では、毒素曝露に起因する可能性がある将来の肝臓の有害状態の重症度を予防または軽減するために、毒素曝露の前、最中、または後に、1つまたは複数のガリウム含有化合物を予防的に投与することができる。例えば、病原因子への将来の曝露の場合は、病原因子を、予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに有効な量のガリウムと組み合わせて、例えば病原因子の投与と同時に、またはその後1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、48時間、もしくは72時間以内に投与することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも24時間、少なくとも約10ng/mLの血清レベルをもたらす用量のガリウム含有組成物を投与する。
毒素曝露に起因する肝臓の有害状態の例は、肝腫大、すなわち肝臓の肥大である。肝硬変は、肝実質の萎縮および結合組織の肥大に起因する、この病態のあり得る一結果である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する1つまたは複数のガリウム含有組成物を投与して、有害状態を低減または軽減することによって、肝腫大の個体を本発明の方法で治療することができる。一実施形態では、ガリウムマルトレートを含む薬剤組成物を個体に投与して、1つまたは複数の毒性物質への曝露に起因する肝腫大を低減または軽減する。
投与モード
本発明の方法によるガリウム含有化合物は、所望の治療または予防上有効な血清レベルを提供する任意の経路で投与することができる。一般に、1つまたは複数のガリウム含有組成物を、単位用量の本組成物および薬剤として許容できる担体を含む薬剤組成物として投与する。例えば、投与は、経口または非経口(例えば、吸入、または埋め込みリザーバーの剤形による、静脈内、皮下、筋肉内、経皮、経粘膜(頬側、経鼻、直腸、舌下、および経腟を含む))とすることができる。
いくつかの実施形態では、例えばガリウム(III)の錯化合物、例えばガリウムマルトレートなどのガリウム含有組成物を経口投与する。いくつかの実施形態では、錯化合物は、ガリウム(III)と3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロンの錯体である。いくつかの実施形態では、この錯体を1日1回経口投与して、治療または予防上有効なガリウムの血清レベル、例えば少なくとも10ng/mLの血清レベルを実現および維持する。
所期の投与モードに応じて、医薬品製剤は、例えば錠剤、カプセル剤、カプレット剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル、坐剤、顆粒剤、ペレット剤、ビーズ剤、散剤などの固体、半固体、または液体、好ましくは正確な用量の単回投与に適した単位投与剤形とすることができる。医薬品製剤の分野の技術者に周知であり、関連するテキストおよび文献、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy(Easton,PA:Mack Publishing Co.,1995)に記載の通常の方法を使用して、適切な薬剤組成物および剤形を調製することができる。経口活性化合物の場合、経口剤形が一般に好ましく、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、溶液剤、懸濁剤、およびシロップ剤が挙げられ、カプセル封入してもしなくてもよい複数の顆粒剤、ビーズ剤、散剤、またはペレット剤も含むことができる。好ましい経口剤形は錠剤およびカプセル剤である。
標準錠剤成形手順および設備を使用して、錠剤を製造することができる。直接圧縮および造粒技法が好ましい。活性剤に加えて、錠剤は、一般に結合剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、着色剤など、薬剤として許容できる不活性担体材料を含有する。結合剤を使用して、錠剤に粘着性を付与し、したがって錠剤が損なわれないことを確実にする。適切な結合剤材料としては、デンプン(トウモロコシデンプンおよびα化デンプンを含む)、ゼラチン、糖類(スクロース、グルコース、デキストロース、およびラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス類、ならびに天然および合成ゴム類、例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系ポリマー類(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを含む)、およびVeegumが挙げられるが、これらに限定されない。滑沢剤を使用して、粉体流を促進し、圧力を軽減する場合に粒子キャッピングを予防して(すなわち、粒子破砕)、錠剤製造を容易にする。有用な滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびステアリン酸である。崩壊剤を使用して、錠剤の崩壊を容易にする。一般的に、デンプン、クレー、セルロース、アルギン、ゴム、または架橋ポリマーである。充填剤としては、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末セルロース、および微結晶セルロースなどの材料、ならびにマンニトール、尿素、スクロース、ラクトース、デキストロース、塩化ナトリウム、およびソルビトールなどの可溶性材料が挙げられる。当技術分野で周知の安定剤を使用して、例として酸化反応が挙げられる薬物分解反応を抑制または遅延させる。
カプセル剤も好ましい経口剤形であり、この場合、活性剤含有組成物を液体または固体の形でカプセル封入することができる(顆粒剤、ビーズ剤、散剤、またはペレット剤などの粒子剤を含む)。適切なカプセル剤は硬質または軟質とすることができ、一般にゼラチン、デンプン、またはセルロース系材料で作製され、ゼラチンカプセル剤が好ましい。2つの部分からなる硬質ゼラチンカプセル剤は、好ましくはゼラチンバンドなどで封止されている。例えば、カプセル封入された薬剤を調製するための材料および方法を記載する、上記に引用のRemington:The Science and Practice of Pharmacyを参照のこと。
経口剤形は、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、または粒子剤のいずれにしても、望むなら長期にわたる活性剤の徐放が行われるように製剤することができる。一般に、当業者によって理解されているように、親水性ポリマーなど、徐々に加水分解できる材料のマトリックス内に活性剤を分散することによって、またはこのような材料で薬物含有固体剤形を被覆することによって、徐放剤形を製剤する。徐放コーティングまたはマトリックスを提供するのに有用な親水性ポリマーとしては、例としてヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセタート、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系ポリマー;好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸アルキルエステル類などから生成されるアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、および/またはメタクリル酸エチルのコポリマー;ならびにポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、およびエチレン酢酸ビニルコポリマーなどのビニル系ポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
非経口投与向けの本発明による調製物としては、無菌水溶剤および非水溶剤、懸濁剤、ならびに乳剤が挙げられる。注射可能な水溶液は、活性剤を水溶性の形で含有する。非水溶媒またはビヒクルとしては例えば、オリーブ油やトウモロコシ油などの脂肪油類、オレイン酸エチルやトリグリセリド類などの合成脂肪酸エステル類、プロピレングリコールなどの低分子量アルコール類、ポリエチレングリコールなどの合成親水性ポリマー類、リポソーム類などが挙げられる。非経口製剤は、可溶化剤、保存剤、湿潤化剤、乳化剤、分散剤、および安定剤などのアジュバントも含有することができ、水性懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、およびデキストランなど、懸濁剤の粘性を増加させる物質を含有することができる。滅菌剤の組込み、細菌保持フィルターを通す濾過、照射、または熱によって、注射製剤を無菌にする。注射製剤は、無菌の注射可能媒体を使用して製造することもできる。活性剤を、注射投与の直前に適切なビヒクルで再水和することができる、乾燥、例えば凍結乾燥の形とすることもできる。
本発明の化合物は、皮膚に固定される薬物送達装置として機能する積層構造内に活性剤が含まれる通常の経皮薬物送達システムを使用して経皮投与することもできる。このような構造では、薬物組成物は、上部のバッキング層の下にある層または「リザーバー」に含まれる。積層構造は、単一のリザーバーを含むことができ、または複数のリザーバーを含むことができる。一実施形態では、リザーバーは、薬物送達中にシステムを皮膚に固定するように機能する、薬剤として許容できる接触接着剤材料のポリマーマトリックスを含む。あるいは、薬物含有リザーバーおよび皮膚接触接着剤は別々の異なる層として存在しており、この場合、接着剤の下に、上述のようなポリマーマトリックスとすることができ、または液体もしくはヒドロゲルリザーバーとすることができ、何らかの他の形を取ることができるリザーバーがある。経皮薬物送達システムは、さらに経皮透過増強剤を含有することができる。
前述の製剤に加えて、化合物を活性剤の放出制御、好ましくは長期にわたる徐放のための埋め込み調製物に製剤することもできる。これらの徐放剤形は、一般に移植(例えば、皮下もしくは筋肉内、または筋肉内注射)によって投与される。
本組成物は、一般に経口、非経口、経皮投与、または埋め込みデポー剤によって投与されるが、他の投与モードも同様に適している。例えば、好ましくは活性剤に加えて、座剤ワックスなどの賦形剤を含有する坐剤を使用して、直腸投与または経腟投与とすることができる。経鼻または舌下投与向けの製剤は、当技術分野で周知の標準的賦形剤も用いて調製される。本発明の薬剤組成物を吸入向けに、例えば生理食塩水溶液、または乾燥粉末、またはエアロゾルとして製剤することもできる。
ガリウムと第2の活性剤を組み合わせた投与
いくつかの実施形態では、ガリウムを、肝臓の有害状態の治療を適応とする第2の活性剤と組み合わせて投与する。一例として、肝臓の有害状態がウイルス性肝炎である場合、ガリウムをインターフェロンおよび/またはヌクレオシド剤と投与することができる。投与は、ガリウムと同時、もしくは組み合わせ、または各成分に適したレジメンの後とすることができ、あるいはガリウム含有組成物および第2の活性剤は連続投与することができる。
潜在的肝障害の緩和方法
場合によっては、潜在的な肝臓の有害状態の特定できる原因が知られている。このような原因の影響は、個体を1つまたは複数のガリウム含有組成物で前治療することによって緩和することができる。あるいは、化学療法薬などの病原因子を本発明のガリウム化合物の1つまたは複数と共に投与することができ、またはガリウム含有組成物を、病原因子の投与後に投与することができる。上記に指摘したように、別の因子「と共に」投与は、同じまたは異なる組成物として同時または連続的に投与することを包含する。ガリウム含有組成物は、通常少なくとも約10ng/mLの血清ガリウムレベルを実現するのに十分な量で投与され、通常投与後6時間以内にそのレベルに到達する。
個体が肝臓の有害状態の病原因子に曝露されることがわかっている場合、病原因子によって引き起こされる可能性がある損傷を予防または緩和するために、個体を本発明の方法に従ってガリウム含有組成物で治療することができる。このような因子としては例えば、天然または製造毒素、殺虫剤、製造で使用される化合物、および有機溶媒などの環境汚染物質が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、本発明は、毒性物質への個体の曝露に起因する潜在的な肝臓の損傷を緩和する方法であって、毒性物質への個体の曝露の前、最中、または後に単位用量のガリウム含有組成物を投与することを含み、単位用量が、予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量のガリウム含有組成物を含む方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、個体への薬理活性剤の投与に起因する潜在的な肝臓の損傷を緩和する方法であって、個体への薬理活性剤の投与の前、最中、または後に単位用量のガリウム含有組成物を投与することを含み、単位用量が、予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量のガリウム含有組成物を含む方法を提供する。本明細書では、「薬理活性剤」は、潜在的に肝毒性の結果を有する個体に投与され、または摂取される潜在的に治療上有益な物質を意味する。薬理活性剤をガリウム含有組成物と(別々の製剤として同時に、または単一の製剤として組み合せて)共投与することができ、または別々の製剤として異なる時間に(すなわち、異なる投薬レジメンの状況内で)連続投与することができる。ガリウムと共に送達することができる、肝毒性がある処方薬物としては例えば、抗炎症剤、脂質低下剤、免疫抑制剤、抗糖尿病剤、抗生物質、抗真菌剤、レチノイド類、抗痙攣剤、向精神剤、ホルモン類、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。具体的な例としては、アセトアミノフェンなどのNSAID類、スタチン類、ニコチン酸、アカルボース、ピオグリタゾン、シクロスポリン、スルホニル尿素類、アモキシシリン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、トロレンドマイシン、イソニアジド、ニトロフラントイン、フルコナゾール、フルオキセチン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、エトレチナート、フェニトイン、バルプロ酸、ブプロピオン、クロルプロマジン、三環系抗うつ剤、タモキシフェン、テストステロン、ハロタン、メトトレキサート、およびそれらの組合せが挙げられる。
同様に、癌治療用の放射線の前、それと同時に、またはその後に、ガリウムを投与することができる。一実施形態では、本発明は、個体への放射線療法の投与に起因する潜在的な肝臓の損傷を緩和する方法であって、個体への放射線療法の投与の前、最中、または後に単位用量のガリウム含有組成物を投与することを含み、単位用量が、予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量のガリウム含有組成物を含む方法を提供する。
薬物送達システム
上述したように、本発明の化合物を経皮または経粘膜送達することができる。この送達を容易にするために、薬物リザーバー、バッキング層、およびシステムを皮膚に固定する手段を含む送達システムで利用することができる化合物を作製することができる。薬物リザーバーは、ガリウム(III)の錯化合物、ガリウム(III)の塩、またはタンパク質結合ガリウム(III)の形のガリウムと経皮または経粘膜薬物送達に適した担体との組合せを含む。場合によっては、薬物リザーバーは、システムを皮膚に固定するのにに適した皮膚接触接着剤材料から構成される。様々な経皮薬物送達システムは当技術分野で周知であり、本発明の化合物と組み合わせて、本発明の方法を実施することができる。
薬剤組成物
本発明は、本明細書に記載する通り、肝臓の有害状態を治療または緩和するための薬剤組成物であって、治療または予防上有効な血清レベルをもたらすのに十分な量の本明細書に記載するガリウム含有組成物、および肝臓の有害状態の治療に適応される治療上有効量の第2の活性剤を含む薬剤組成物を提供する。
一実施形態では、肝臓の有害状態は肝炎によって引き起こされ、第2の活性剤はインターフェロン、ヌクレオシド剤、またはそれらの組合せである。
キット
キットは、肝臓の有害状態の治療または予防のための本発明の方法で使用するために提供される。キットは、例えば少なくとも1つの単位用量のガリウム含有組成物を含めて、本発明の方法で使用するための薬剤組成物、およびこのような使用に関する情報を医療提供者または患者に提供する指示書を含む。指示書は、印刷された形、またはフロッピー(登録商標)ディスク、CD、もしくはDVDなどの電子媒体の形、またはこのような指示書を得ることができるウェブサイトアドレスの形で提供することができる。
適切なパッケージングが提供される。本明細書では、「パッケージング」は、システムで慣例上使用され、固体への投与に適したガリウム含有組成物を一定の範囲内に保持することができる固体のマトリックスまたは材料を意味する。このような材料としては、ガラスおよびプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリカーボネート)のビン、バイアル、紙、プラスチック、ならびにプラスチック箔積層薬袋などが挙げられる。電子線滅菌技法を用いる場合、パッケージングは、内容物の滅菌を可能にするのに十分に低密度であるべきである。
いくつかの実施形態では、このようなキットは、剤形、例えば別々に封止され、個別に取り出すことができる、1つの容器に包装された単位投与剤形を含むことができ、ここで各単位剤形は、(a)(i)単位投与量の本明細書に記載するガリウム含有組成物および(ii)薬剤として許容できる担体を含有する薬剤組成物であって、単位投与量が、好ましくは哺乳類個体への組成物の投与後6時間以内に、例えば少なくとも10ng/mLの治療または予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに有効である薬剤組成物と、(b)肝臓の有害状態を治療するのに有効な剤形投与方式を説明する指示書を含む。
いくつかの実施形態では、キット中のガリウム含有組成物は経口活性の形であり、薬剤として許容できる担体は経口薬物送達に適しており、指示書は、肝臓の有害状態を治療するのに有効な経口剤形投与方式を説明する。
本発明はその好ましい特定の実施形態に関連して説明されているが、上記の説明および下記の実施例は本発明の範囲を例示するものであって、限定するものではないことを理解されたい。本発明の範囲内の他の態様、利点、および修正は、本発明に関連する技術分野の技術者に明らかであろう。
下記の実施例は、本発明を例示するものであって、限定するものではない。
別段の注記のない限り、材料は、商業上利用可能な供給業者から入手し、さらに精製することなく使用した。
実施例1
前臨床動物モデルを使用して、アジュバント誘発急性関節炎を伴う肝腫大を治療する上で経口ガリウムマルトレートの有効性を試験した。試験では、雄Lewisラットを使用した。試験デザインは、Bendeleら、(1999) Toxicologic Pathology 27(1):134−142およびBendele(2001) J Musculoskel.Neuron.Interact.1(4):377−385に詳細に記載された。
材料および方法
試験0日に、雄Lewisラット(ガリウムマルトレート群7匹、正常対照群およびデキサメタゾン処置群4匹)の尾部の基部に、麻酔下に100μLの完全フロインドアジュバント/類脂質アミン(FCA/LA)を皮下注射した。このモデルにおいて、足首炎症、肝臓および脾臓の肥大、骨吸収、ならびに軽度軟骨破壊を含めて、関節炎症状の急速な発症が見られる(7日)。
対照ビヒクルまたはガリウムマルトレート(1%のカルボキシメチルセルロースと共に、それぞれ16または47mg/kgのガリウムを懸濁させて含有する100または300mg/kgのガリウムマルトレート)をアジュバント注射する7日前に投与することによって、予防的治療をアジュバント注射する7日前に開始した。終了するまで毎日強制経口投与した。デキサメタゾン処置対照動物に、1日経口用量のデキサメタゾン(0.1mg/kg)を投与した。試験の過程において、体重を定期的に計量して、アジュバント病を発症することによって誘導される体重減少に及ぼす薬物の効果を追跡し、それに応じて、投与量を調整した。腫大の発生前であるが全身性疾患の確立後に(アジュバント注射して約7日後)、足首関節のカリパス測定を行った。足首をアジュバント注射後14日まで毎日測定し、ラットに麻酔をかけ、屠殺した。ガリウム定量化のため最終投与して1時間後に、血清を収集した。組織病理学的評価のため、後肢、肝臓、および脾臓を計量、固定、および処理した。炎症および骨吸収について、アジュバント関節炎の足首は、0〜5(0=正常;5=重度)で評価した。炎症の評価に使用される基準と同様な基準を使用して、脾臓の炎症変化、髄外造血増加、およびリンパ系萎縮を0〜5で評価した。主たるエンドポイントは、肝重量および病理組織診断で確定して、肝腫大であった。
結果
Lewisラットにガリウムマルトレートを100または300mg/kgの1日経口用量で14日間処置した場合、毒性の徴候は生じず、到達した血清ガリウムレベルは用量依存的であった。両方の用量で肝臓および脾臓の肥大が顕著に縮小していることから、肝臓および脾臓が保護されていることが示唆された。ガリウム処置および無処置のアジュバント関節炎ラットに由来する肝臓の病理組織学的検査によって、ガリウム処置が肝臓病理の発症を抑制することがわかった。図1〜3に結果を示す。
要約すれば、アジュバント誘発急性関節炎モデルにおいて、ガリウムマルトレートとして送達された経口ガリウムは、14日間毎日投与した後に毒性の徴候は観察されず、安全であった。アジュバント誘発肝腫大からの顕著な保護は用量依存的であることが観察された。
実施例2
ヒト患者を肝障害剤に曝露する前に、錠剤またはカプセル剤の形の、ガリウムマルトレートの形のガリウムと適切な標準的賦形剤および/または充填剤との組合わせで処置する。患者の血清中で少なくとも10ng/mLのガリウムが得られるのに十分な量のガリウムマルトレートを投与する。このレベルに到達するのに必要なガリウムマルトレートと賦形剤の量は、使用する製剤および患者の身長に依存する。患者は、血清ガリウムレベルを確立し、少なくとも10ng/mLの血清レベルを維持する量の経口薬を服用し続ける。
最高72時間後、またはガリウム血清濃度が所望のレベルに到達したとき、患者を肝障害剤に曝露する。
肝臓酵素の血清レベルを、ガリウム処置の開始時、およびその12時間毎にモニターする。特に、SDOTおよびSGOTのレベルを測定する。これらの酵素のレベルは大幅には上昇せず、患者の肝臓に対する損傷がないことを示すものと予想される。肝障害のリスクが終了した後、ガリウムマルトレート投与を中止する。
実施例3
コンカナバリンA(Con A)は、Tリンパ球の強力なマイトジェンであり活性化剤であり、マウスへのその静脈内投与は、急性免疫媒介性肝炎を開始させる。急性肝傷害の発症に及ぼす予防的ガリウムマルトレート投与の効果をin vivoで評価した。
6〜8週齢のBalb/c雄性マウス(体重25g)にCon Aを250μlのリン酸緩衝生理食塩水中25mg/kgで尾静脈に注射することによって、肝傷害が誘発された。試験動物のマウスを1群2〜8匹の3群に分けた:
(a)Con A処置
(b)Con A処置前に4日間、ビヒクル(1%のカルボキシメチルセルロース水溶液)を強制経口投与
(c)Con A処置前に4日間、150mg/kgのガリウムマルトレートを強制経口投与。
図4および5に結果を示す。血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)レベルを決定するために、コンカナバリンAを投与して16時間後に、血液を異なる群のマウスから採取し、市販の酵素アッセイで測定した。コンカナバリンA処置前にガリウムマルトレートを投与されたマウスは、他の2つの試験群のマウスに比べて、ALT(肝細胞リアーゼ)レベルが大幅に低下した。(図4)。肝臓の小葉中心性壊死の組織学的評価は、0〜3のスケールで重症度を評価した。(図5)。コンカナバリンA処置前にガリウムマルトレートを投与されたマウスにおいては、壊死は観察されなかったが、他の2つの試験群のマウスにおいては、壊死が観察された。
上記の発明を、明確に理解するために例示および実施例によってある程度詳細に説明してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、いくつかの変更および修正を実施できることは、当業者には明らかとなるであろう。したがって、説明を、添付の特許請求の範囲によって記述される本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
すべての本明細書に引用される刊行物、特許、および特許出願は、すべての目的で、かつ個別の刊行物、特許、または特許出願がそれぞれ具体的にかつ個別に、参照によりそのように組み込まれていることが示唆されているかと同じ程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
正常ラット(正常対照)、無処置アジュバント関節炎ラット(疾患対照)、および21日間、ガリウムマルトレートの100mg/kg/日もしくは300mg/kg/日を経口処置またはデキサメタゾンの0.1mg/kg/日を腹腔内処置したアジュバント関節炎ラットの肝重量。示された百分率は、疾患対照に対する肝重量の低下を表し、正常対照は、100%の低下である。 無処置アジュバント関節炎疾患対照ラットの肝臓。図2Aは、100倍拡大図を示す。小葉構造の明瞭化が観察され、小葉中心領域(輪郭が黒色の白色矢印)は、門脈周囲領域(黒色矢印)より青白く染色されている。図2Bは、肥大を示す門脈周囲領域の高拡大図(400倍)を示す。代表的な肝細胞の輪郭を黒色で示す。これらは、図2Cおよび図3に示す肝細胞に比べて肥大されている。黒色矢印は、シヌソイドの内膜である肝臓マクロファージ(クッパー細胞)を特定する。図2Cは、小葉中心領域の高拡大図(400倍)を示す。代表的な肝細胞の輪郭を黒色で示す。黒色矢印は、シヌソイドの内膜であるクッパー細胞を特定する。 ガリウムマルトレートの300mg/kg/日を21日経口処置したアジュバント関節炎ラットの肝臓。図3Aは、100倍拡大図を示す。小葉構造の明瞭化は認められず、小葉中心領域(輪郭が黒色)は、門脈周囲領域(白色矢印)と同様に染色されている。図3Bは、門脈周囲領域の高拡大図(400倍)を示す。代表的な肝細胞の輪郭を黒色で示す。黒色矢印は、シヌソイドの内膜であるクッパー細胞を特定する。図3Cは、小葉中心領域の高拡大図(400倍)を示す。代表的な肝細胞の輪郭を黒色で示す。黒色矢印は、シヌソイドの内膜であるクッパー細胞を特定する。 コンカナバリンAで処置したマウスにおけるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性に及ぼすガリウムマルトレートの効果。 コンカナバリンAで処置したマウスにおける肝小葉中心性壊死に及ぼすガリウムマルトレートの効果。

Claims (59)

  1. 肝臓の有害状態の治療を必要とする個体において肝臓の有害状態を治療するための方法であって、単位用量のガリウム含有組成物を該個体に投与することを含み、該単位用量が治療上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量の該ガリウム含有組成物を含む、方法。
  2. 前記治療上有効な血清ガリウムレベルが少なくとも約10ng/mLである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記治療上有効な血清ガリウムレベルが少なくとも約100ng/mLである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記治療上有効な血清ガリウムレベルが少なくとも約500ng/mLである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記方法が、前記ガリウム含有組成物を1日あたりガリウム総量約2mg/kg〜約550mg/kgで、ヒトに投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ガリウム含有組成物が、1日あたり単回投与として投与される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ガリウム含有組成物が、1日あたり複数回投与として投与される、請求項5に記載の方法。
  8. 前記ガリウム含有組成物が、ガリウム(III)の錯化合物、ガリウム(III)の塩、ガリウム(III)の無機化合物、またはタンパク質結合ガリウム(III)を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ガリウム含有組成物が、中性の3:1(ヒドロキシピロン:ガリウム)錯体の形態での錯化合物を含み、ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、非置換であるか、または1個、2個、もしくは3個のC〜Cアルキル置換基で置換されている、請求項1に記載の方法。
  10. ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、3−ヒドロキシ−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロン、および3−ヒドロキシ−6−メチル−4−ピロンからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  11. ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロンである、請求項10に記載の方法。
  12. ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロンである、請求項10の方法。
  13. 前記ガリウム含有組成物が経口投与される、請求項9に記載の方法。
  14. 前記治療上有効な血清レベルが、前記単位用量を投与した後約1時間〜約12時間以内に達成される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記有害状態が前記肝臓の肥大を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記肝臓の有害状態が、アルコールの使用、肝毒性薬物、放射線、毒性物質への曝露、または前記肝臓への外傷性傷害によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
  17. 前記肝臓の有害状態が、抗炎症剤、脂質低下剤、免疫抑制剤、抗糖尿病剤、抗生物質、抗真菌剤、レチノイド類、抗痙攣剤、向精神剤、およびホルモン類、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される肝毒性薬物によって引き起こされる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記肝臓の有害状態が、環境汚染物質、ハロゲン化炭化水素、石油、石油副産物、殺虫剤、製造で使用される化合物、有機溶媒、およびピロリジジンアルカロイドからなる群より選択される毒性物質への曝露によって引き起こされる、請求項16に記載の方法。
  19. 前記肝臓の有害状態が、脂肪症、アルコール性肝疾患、原発性胆汁性肝硬変、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、嚢胞性疾患、炎症性肝疾患、肝炎、および原発性硬化性胆管炎から選択される肝疾患を含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記ガリウム含有組成物が、前記肝臓の有害状態の治療を適応とする第2の活性剤と組み合わせて投与される、請求項1に記載の方法。
  21. 前記肝臓の有害状態が肝炎であり、前記第2の活性剤がインターフェロン、ヌクレオシド剤、またはそれらの組合せである、請求項20に記載の方法。
  22. 個体への薬理活性剤の投与に起因する潜在的な肝臓の損傷を緩和するための方法であって、該個体への該薬理活性剤の投与の前、最中、または後に単位用量のガリウム含有組成物を投与することを含み、該単位用量が予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量の該ガリウム含有組成物を含む、方法。
  23. 前記予防上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約10ng/mLである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記予防上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約100ng/mLである、請求項22に記載の方法。
  25. 前記予防上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約500ng/mLである、請求項22に記載の方法。
  26. 前記薬理活性剤および前記ガリウム含有組成物が、同時に投与される、請求項22に記載の方法。
  27. 前記薬理活性剤および前記ガリウム含有組成物が、単一の製剤で投与される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記薬理活性剤および前記ガリウム含有組成物が、連続投与される、請求項22に記載の方法。
  29. 前記薬理活性剤および前記ガリウム含有組成物が、異なる投薬レジメンの状況内で投与される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記薬理活性剤が、抗炎症剤、脂質低下剤、免疫抑制剤、抗糖尿病剤、抗生物質、抗真菌剤、レチノイド類、抗痙攣剤、向精神剤、ホルモン類、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項22に記載の方法。
  31. 個体への放射線療法に起因する潜在的な肝臓の損傷を緩和するための方法であって、該個体への放射線療法の投与の前、最中、または後に単位用量のガリウム含有組成物を投与することを含み、該単位用量が予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量の該ガリウム含有組成物を含む、方法。
  32. 前記予防上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約10ng/mLである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記予防上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約100ng/mLである、請求項31に記載の方法。
  34. 前記予防上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約500ng/mLである、請求項31に記載の方法。
  35. 毒性物質への個体の曝露に起因する潜在的な肝臓の損傷を緩和するための方法であって、該毒性物質への該個体の曝露の前、最中、または後に単位用量のガリウム含有組成物を投与することを含み、該単位用量が予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量の該ガリウム含有組成物を含む、方法。
  36. 前記予防上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約10ng/mLである、請求項35に記載の方法。
  37. 前記予防上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約100ng/mLである、請求項35に記載の方法。
  38. 前記予防上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約500 ng/mLである、請求項35に記載の方法。
  39. 前記毒性物質が、環境汚染物質、ハロゲン化炭化水素、石油、石油副産物、殺虫剤、製造で使用される化合物、有機溶媒、およびピロリジジンアルカロイドから選択される、請求項35に記載の方法。
  40. 肝臓の有害状態を治療または緩和するための薬剤組成物であって、該組成物が、(a)治療上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量のガリウム含有組成物と、(b)該有害状態の治療に適応される治療上有効量の第2の活性剤とを含む、薬剤組成物。
  41. 前記治療上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約10ng/mLである、請求項40に記載の薬剤組成物。
  42. 前記治療上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約100ng/mLである、請求項40に記載の薬剤組成物。
  43. 前記治療上有効な血清ガリウムレベルが、少なくとも約500ng/mLである、請求項40に記載の薬剤組成物。
  44. 前記肝臓の有害状態が肝炎であり、前記第2の活性剤がインターフェロン、ヌクレオシド剤、またはそれらの組合せである、請求項40に記載の薬剤組成物。
  45. 前記ガリウム含有組成物が、ガリウム(III)の錯化合物、ガリウム(III)の塩、ガリウム(III)の無機化合物、またはタンパク質結合ガリウム(III)を含む、請求項40に記載の薬剤組成物。
  46. 前記ガリウム含有組成物が、中性の3:1(ヒドロキシピロン:ガリウム)錯体の形態での錯化合物を含み、ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、非置換であるか、または1個、2個、もしくは3個のC〜C置換基で置換されている、請求項40に記載の薬剤組成物。
  47. ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、3−ヒドロキシ−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロン、および3−ヒドロキシ−6−メチル−4−ピロンからなる群より選択される、請求項46に記載の薬剤組成物。
  48. ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロンである、請求項46に記載の薬剤組成物。
  49. ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロンである、請求項46に記載の薬剤組成物。
  50. 前記組成物が、非経口投与のために製剤される、請求項40に記載の薬剤組成物。
  51. 前記組成物が経口投与のために製剤され、該組成物が経口剤形を含む、請求項40に記載の薬剤組成物。
  52. 前記組成物が、経皮または経粘膜投与のために製剤される、請求項50に記載の薬剤組成物。
  53. 請求項42に記載の組成物を含有する薬物リザーバーを含む経皮送達システム。
  54. 肝臓の有害状態を治療または緩和するためのキットであって、(a)少なくとも1つの単位用量のガリウム含有組成物であって、該単位用量が該組成物を個体に投与した後に治療または予防上有効な血清ガリウムレベルを提供するのに十分な量の該ガリウム含有組成物を含む、ガリウム含有組成物と、(b)肝臓の該有害状態を治療または緩和する該ガリウム含有組成物を使用するための指示書とを含むキット。
  55. 前記ガリウム含有組成物が経口投与のために製剤され、前記単位用量が経口剤形の形態である、請求項54に記載のキット。
  56. 前記ガリウム含有組成物が、中性の3:1(ヒドロキシピロン:ガリウム)錯体の形態での錯化合物を含み、ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、非置換であるか、または1個、2個、もしくは3個のC〜Cアルキル置換基で置換されている、請求項55に記載のキット。
  57. ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、3−ヒドロキシ−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロン、および3−ヒドロキシ−6−メチル−4−ピロンからなる群より選択される、請求項56に記載のキット。
  58. ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロンである、請求項57に記載のキット。
  59. ヒドロキシピロン分子がそれぞれ、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロンである、請求項57に記載のキット。
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