JP4930929B2 - シアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物 - Google Patents

シアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物 Download PDF

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Description

本発明は、シアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物及び該デンドリマー化合物を有効成分として含有する医薬に関する。より詳細には、シアリルラクトサミンを結合させたデンドリマー化合物であって、インフルエンザウィルスによる感染阻害活性を有するデンドリマー化合物、及び該デンドリマー化合物を有効成分として含有する医薬に関する。
デンドリマーとは、ギリシャ語の「dendra」(樹木)を語源とする規則正しく分岐した樹状高分子化合物の総称である。デンドリマーによる球状のナノメートルスケールの空間は、様々な官能基を組み込むことで比較的自由にデザイン可能であることから、ナノテクノロジーの分野において、新規デンドリマーのデザインが現在盛んに行われている。
特に、近年、生体機能分野におけるデンドリマーの利用が著しく、生体系における外部刺激に応答するデンドリマー、DDS(薬物送達システム)に利用可能なデンドリマー、分子センサーとして機能し得るデンドリマーなど、多面的にその有効性を生かすべく研究が進んでいる。
なかでも、生体に対する外部環境からの干渉、特に、細菌やウィルスなどの感染に対する有効な防御ツールとしてデンドリマーの利用は、特に、注目を浴びている。
例えば、腸管出血性大腸菌O−157が産生するベロ毒素による生体への攻撃を有効に防御し得るデンドリマーの開発などが行われている。腸管出血性大腸菌O−157が産生するベロ毒素は、赤痢菌由来のシガ毒素と類似した細菌毒素のAB5ファミリーに属するタンパク質である。これらの毒素は、腎臓細胞上のグロボトリオシルセラミド(Gb3、Galα1−4Galβ1−4Glcβ1−Cer)中のグロボ3糖部分を認識し、接着することにより細胞内に取込まれ毒性を示すことが報告されている。
すでに、本発明者らは、当該グロボ3糖を結合したカルボシランデンドリマー をコア骨格とするクラスター化合物を合成し、それに強いベロ毒素阻害活性があることを報告している(非特許文献1及び2、並びに特許文献1及び2参照)。
また、本発明者らは、各種糖鎖含有カルボシランデンドリマー化合物に関する知見に基づいて(非特許文献3参照)、インフルエンザウィルス等のウィルス表面に存在するヘマグルチニンを特異的に接着し、生体に対するウィルス感染を防止し得る物質として、シアリルラクトース含有デンドリマーを開示した(特許文献2参照)。さらに、生体内における適合性および安全性に優れたアミド結合を介して糖鎖を結合するデンドリマーの開示も行っている(特許文献3参照)。
Matsuoka等,Tetrahedron Letters 40:7839-7842 1999 Nishikawa等,Proc.Natl.Acad.Sci., USA.99:7669-7674 2002 Matsuokaら,Bull.Chem.Soc.Jpn.,71:2709-2713 1998 特開2004−107230 国際公開公報WO02/02588 特開2003−212893
しかしながら、例えば、インフルエンザウィルス等においては、A型、B型などの異なるタイプによってその有効性に差異が認められており、全ての型に対して共通に効果を示し、かつ、生体内における適合性および安全性に優れた治療薬の開発が依然として望まれている状況であった。
特許文献2で開示されているカルボシランデンドリマー表層に結合されている糖鎖構造はシアリルラクトースである。天然においてシアリルラクトースはインフルエンザのヘマグルチニンの接着のレセプターとしてよく知られている。しかしながら、ヘマグルチニンとの接着において、より強固な接着活性を有するシアリルラクトサミンを結合させた本発明に係るデンドリマーは、インフルエンザウィルスの感染抑制効果において、さらに顕著な効果を示すものであり、本発明の化合物群を含有してなる医薬はウィルスの感染予防、および治療において極めて高い効果を発揮することが期待できる。
よって、本発明は、生体内における適合性及び安定性に優れ、特に、インフルエンザウィルスの感染防御に効果を示すデンドリマー化合物の提供を目的とする。
さらに、本発明は、該デンドリマー化合物を有効成分として含有する医薬の提供を目的とする。
本発明者らは、上記事情に鑑み、生体内における適合性及び安定性に優れ、かつ、全ての型のインフルエンザウィルスの感染防御に効果を示すデンドリマーの開発において鋭意研究を行った結果、ヘマグルチニンと強く結合するシアリルラクトサミンを結合させたデンドリマーがインフルエンザの感染を有効に阻害し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、次式(I)
Figure 0004930929
(式中、E、E、及びEは、炭素、ケイ素、ゲルマニウムのいずれかであり、互いに同一でも異なっていてもよく、R、R、及びRは、同一又は異なった炭化水素基を示し、R、R、R及びRは、同一又は異なった炭化水素鎖を示し、Yはシアリルラクトサミン残基もしくは他の官能基であって少なくとも1つはシアリルラクトサミン残基を示し、lは0〜2の整数であり、m及びnは同一又は異なった0〜2の整数であり、iおよびkは0または1の数を示し、kが0のときは3−nは1であり、iが0のときは3−mは1である)で表されるシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物を提供する。
また、本発明は、上記式(I)中のE、E、及びEがケイ素であるシアリルラクトサミン結合カルボシランデンドリマー化合物を提供する。
さらに、上記化合物を有効成分として含有する医薬を提供する。
本発明のシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物は、抗細菌活性、抗ウィルス活性、特に、抗インフルエンザ活性を有し、かつ、生体内における適合性及び安定性に優れた化合物である。
本発明のシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物は、高純度標品を比較的少ない精製ステップにより得ることができるため、コスト的側面においても有用である。
上述のごとく、本発明のシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物は、特に、顕著な抗インフルエンザ活性を有し、生体内における適合性及び安定性に優れ、かつ、高純度標品を容易に取得することができることから、インフルエンザによる感染予防治療に有効な医薬の開発に有用である。
1.シアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物の製造
式(I)中、E、E、及びEは、炭素、ケイ素、ゲルマニウムのいずれかであり、互いに同一でも異なっていてもよいが、炭素又はケイ素が好ましく、ケイ素が最も好ましい。
、R、及びRは、同一又は異なった炭化水素基を示すが、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ビニル基、及びアリル基のいずれかが好ましく、このうち炭素数1〜4のアルキル基が最も好ましい。
、R、R及びRは、同一又は異なった炭化水素基を示すが、炭素数1〜6のアルキレン基、及びアルケニレン基のいずれかが好ましく、アルキレン基が最も好ましい。
Yは、特に下記化学式(II)で表されるシアリルラクトサミン残基もしくはその他の官能基であって、式(I)中少なくとも1つはシアリルラクトサミン残基であり、好ましくは全てのYがシアリルラクトサミン残基である。その他の官能基としては、例えば、アセチル基、ハロゲン基、水酸基などが好ましい。
Figure 0004930929
lは0〜2の整数が好ましく、m及びnは0〜2のまでの整数が好ましく互いに同一でも異なっていてもよい。さらに、kは0または1の数を示し、kが0のときは3−nは1である。
式(1)のシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物の構造は、k、l、m、nの組み合わせに応じて種々の構造を取り得るが代表的な化学式は下記のようになる。
(R(−R−S−R−A) (Ia)

(R{(−R−E)[(−R−S−R−A)](Ib)

{(−R−E)[(−R−S−R−A)] (Ic)
(式Ia、Ib、IcにおいてAはシアリルラクトサミン残基を示す)
本発明の式(I)の化合物は、例えば、次の反応式に従って製造することができる。
Figure 0004930929
上記式中、Xはハロゲン原子、Xは反応脱離性のメルカプト保護基を示し、Yは、特に式(II)で表されるシアリルラクトサミン残基もしくはその他の官能基であって、式(I)中、少なくとも1つはシアリルラクトサミン残基であり、好ましくは全てのYがシアリルラクトサミン残基である。その他の官能基としては、例えば、アセチル基、ハロゲン基、水酸基などが好ましい。
また、Aは、式(II)で表されるシアリルラクトサミン残基である。
〜R、i、l、m、n及びkは前記と同じである。
すなわち、式(III)で表されるハロゲン化デンドリマー と式(IV)で表されるスルフィド化合物とを反応させ、必要に応じてシアリルラクトサミン残基の保護基を脱離させることにより本発明の式(I)の化合物が製造できる。
のハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。Xのメルカプト保護基としてはアセチル基等のアルカノイル基、ベンジル基等が好ましい。また、Aの水酸基の保護基としては、アセチル基等のアシル基、ベンジル基、トリメチルシリル基等の有機ケイ素等が挙げられるが、アセチル基が好ましい。
式(III)のハロゲン化デンドリマー は、例えばトリクロロメチルシランもしくはジメチルジクロロシラン等のクロロシラン類もしくはクロロメタン類を原料として、グリニャール反応によりアリル基を導入し、ヒドロケイ素化反応もしくはヒドロ炭素化反応、グリニャール反応を繰り返すことにより式(III)に対応する骨格を形成する。得られたデンドリマーの末端アリル基は、ヒドロホウ素化、それに続く加水分解反応により相当するアルコールへと変換し、次いで常法によりメシル化後、臭化ナトリウム等で処理することにより、末端がハロゲン原子で置換された化合物へと誘導することができる。
まず、Lemieuxら(Can. J. Chem., 60: 63-67, 1982)により報告されている方法を参考にラクトースを出発物質として6段階の合成反応にて既知化合物であるベンジル 3,6,2’,3’,4’,6’-ヘキサ-O-アセチル−2−アジド−2−デオキシ−ラクトースを合成し、それの3’,4’位選択的なイソプロピリデン保護、およびその脱保護反応によりグリコシルアクセプターである1,3,6,2’,6’-ペンタ-O-ベンジル−2−アジド−2−デオキシ−ラクトースを合成した。また、グリコシルドナーは、シアル酸の水酸基のアセチル化、カルボキシル基のジアゾメタンによるメチル化、および1−ドデカンチオールによるグリコシル化反応により合成した。それぞれ合成したグリコシルアクセプターおよびドナーをN-ヨードコハク酸イミド、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルと作用させる事によりシアリルラクトサミンの3糖構造を構築した。
式(III)の化合物と式(IV)の化合物の反応は、例えばナトリウムメトキシド等の塩基の存在下に行うことができる。また、Aの保護基の脱離は、例えばナトリウムメトキシド等の塩基を用いた加水分解により行うことができる。
得られた本発明の式(I)の化合物は、洗浄、各種クロマトグラフィー、ゲル濾過等により精製することができる。
2.医薬組成物の調製
本発明の式(I)の化合物は、細菌、ウィルスなどによる感染を効果的に阻害する活性を有することから、抗ウィルス剤、特に、インフルエンザの予防薬などの医薬組成物として有効に使用することができる。
本発明のシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物は、生体に対して悪影響を及ぼさない医薬組成物の形態で治療薬として使用することができる。通常、そのような組成物には、シアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物の他、薬剤的に受容可能な担体が含まれる。
「薬剤的に受容可能な担体」は、溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、アイソトニックに作用して吸着を遅らせる薬剤及びその類似物を含み、薬剤的投与に適するもののことである(Gennaro等: The science and practice of pharmacy. Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PA. 2000)。該担体及び該担体を希釈するために好ましいものの例には、限定はしないが、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、及びヒト血清アルブミンなどが含まれる。また、リポソーム及び不揮発性油などの非水溶性媒体も用いられる。さらに、本発明の化合物の活性を保護又は促進するような特定の化合物が、該組成物中に包含されていてもよい。
本発明に係る医薬組成物は、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入なども含む)、経皮及び経粘膜への投与を含み、治療上適切な投与経路に適合するように製剤化される。非経口、皮内、又は皮下への適用に使用される溶液又は懸濁液には、限定はしないが、注射用の水などの滅菌的希釈液、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒、ベンジルアルコール又は他のメチルパラベンなどの保存剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなどの無痛化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩などの緩衝剤、塩化ナトリウム又はデキストロースなど浸透圧調製のための薬剤を含んでもよい。
pHは塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調製することができる。非経口的標品はアンプル、ガラスもしくはプラスチック製の使い捨てシリンジ又は複数回投与用バイアル中に収納される。
2−1.注射可能な製剤
注射に適する医薬組成物には、滅菌された注射可能な溶液又は分散媒を、使用時に調製するための滅菌水溶液(水溶性の)又は分散媒及び滅菌されたパウダーが含まれる。静脈内の投与に関し、適切な担体には生理食塩水、静菌水、CREMOPHOR ELTM(BASF, Parsippany, N.J.)、又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が含まれる。注射剤として使用する場合、組成物は滅菌的でなくてはならず、また、シリンジを用いて投与されるために十分な流動性を保持していなくてはならない。該組成物は、調剤及び保存の間、化学変化及び腐食等に対して安定でなくてはならず、細菌及び真菌などの微生物由来のコンタミネーションを防止する必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及び適切な混合物を含む溶媒又は分散媒培地を使用することができる。例えば、レクチンなどのコーティング剤を用い、分散媒においては必要とされる粒子サイズを維持し、界面活性剤を用いることにより適度な流動性が維持される。種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、及びチメロサールなどは、微生物のコンタミネーションの防止に対して使用可能である。また、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール及び塩化ナトリウムのような等張性を保つ薬剤が組成物中に含まれてもよい。吸着を遅らせることができる組成物には、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤が含まれる。
滅菌的な注射可能溶液は、必要な成分を単独で、又は他の成分と組み合わせた後に、適切な溶媒中に必要量の活性化合物を加え、滅菌することで調製される。一般に、分散媒は、基本的な分散培地及び上述したその他の必要成分を含む滅菌的媒体中に活性化合物を取り込むことにより調製される。滅菌的な注射可能な溶液を調製するのための滅菌的パウダーの調製方法には、活性な成分及び滅菌溶液に由来する何れかの所望な成分を含むパウダーを調製する真空乾燥及び凍結乾燥が含まれる。
2−2.経口組成物
通常、経口組成物には、不活性な希釈剤又は体内に取り込んでも害を及ぼさない担体が含まれる。経口組成物には、例えば、ゼラチンのカプセル剤に包含されるか、加圧されて錠剤化される。経口的治療のためには、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、錠剤、トローチ又はカプセル剤の形態で使用される。また、経口組成物は、流動性担体を用いて調製することも可能であり、流動性担体中の該組成物は経口的に適用される。さらに、薬剤的に適合する結合剤、及び/又はアジュバント物質などが包含されてもよい。
錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ及びその類似物は以下の成分又は類似の性質を持つ化合物の何れかを含み得る:微結晶性セルロースのような賦形剤、アラビアゴム、トラガント又はゼラチンなどの結合剤;スターチ又はラクトースなどの、アルギン酸、PRIMOGEL、又はコーンスターチなどの膨化剤;ステアリン酸マグネシウム又はSTRROTESなどの潤滑剤;コロイド性シリコン二酸化物などの滑剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、メチルサリチル酸又はオレンジフレイバーなどの香料添加剤。
2−3.担体
本発明のシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物は、植込錠及びマイクロカプセルに封入された送達システムなどの徐放性製剤として、体内から即時に除去されることを防ぎ得る担体を用いて調製することができる。エチレンビニル酢酸塩、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの、生物分解性、生物適合性ポリマーを用いることができる。このような材料は、ALZA Corporation(Mountain View, CA)及びNOVA Pharmaceuticals, Inc.(Lake Elsinore, CA)などから入手することが可能で、また、当業者によって容易に調製することもできる。また、リポソームの懸濁液も薬剤的に受容可能な坦体として使用することができる。有用なリポソームは、限定はしないが、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG誘導ホスファチジルエタノール(PEG−PE)を含む脂質組成物として、使用に適するサイズになるように、適当なポアサイズのフィルターを通して調製され、逆相蒸発法によって精製される。例えば、抗体のFab’断片などは、ジスルフィド交換反応を介して、リポソームに結合させてもよい(Martin及びPapahadjopoulos, J Biol Chem. 257:286-288, 1982)。
2−4.投与量
本発明の化合物よる特定の疾患の治療又は予防において、適切な投与量レベルは、投与される患者の状態、投与方法等に依存するが、当業者であれば、容易に最適化することが可能である。
注射投与の場合は、例えば、一日に患者の体重あたり約0.1μg/kgから約500mg/kgを投与するのが好ましく、一般に一回又は複数回に分けて投与され得るであろう。好ましくは、投与量レベルは、一日に約0.1μg/kgから約250mg/kgであり、より好ましくは一日に約0.5〜約100mg/kgである。
経口投与の場合は、組成物は、好ましくは1.0から1000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供され、好ましくは活性成分が1.0,5.0,10.0,15.0,20.0,25.0,50.0,75.0,100.0,150.0,200.0,250.0,300.0,400.0,500.0,600.0,750.0,800.0,900.0及び1000.0mgである。化合物は一日に1〜4回の投与計画で、好ましくは一日に一回又は二回投与される。
2−5.単位投与量
医薬組成物又は製剤は、一定の投与量を保障すべく、均一単位投与量により構成されなくてはならない。単位投与量は、患者の治療に有効な一回の投与量を含み、薬剤的に受容可能な担体と共に製剤化された一単位のことである。本発明の単位投与量を決定する場合には、製剤化される化合物の物理的、化学的特徴、期待される治療上の効果、及び該化合物に特有な製剤化における留意事項等により影響を受ける。
3.医薬組成物に関するキット
本発明の医薬組成物はキットの形態で、容器、パック中に投与の説明書と共に含めることができる。本発明に係る医薬組成物がキットとして供給される場合、該医薬組成物のうち異なる構成成分が別々の容器中に包装され、使用直前に混合される。このように構成成分を別々に包装するのは、活性構成成分の機能を失うことなく長期間の貯蔵を可能にするためである。
3−1.容器
キット中に含まれる試薬は、構成成分が活性を長期間有効に持続し、容器の材質によって吸着されず、変質を受けないような何れかの種類の容器中に供給される。例えば、封着されたガラスアンプルは、窒素ガスのような中性で不反応性ガスの下において包装されたバッファーを含む。アンプルは、ガラス、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの有機ポリマー、セラミック、金属、又は試薬を保持するために通常用いられる他の何れかの適切な材料などから構成される。他の適切な容器の例には、アンプルなどの類似物質から作られる簡単なボトル、及び内部がアルミニウム又は合金などのホイルで裏打ちされた包装材が含まれる。他の容器には、試験管、バイアル、フラスコ、ボトル、シリンジ、又はその類似物が含まれる。容器は、皮下用注射針で貫通可能なストッパーを有するボトルなどの無菌のアクセスポートを有する。
3−2.使用説明書
また、キットには使用説明書も添付される。当該医薬組成物からな成るキットの使用説明は、紙又は他の材質上に印刷され、及び/又はフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、Zipディスク、ビデオテープ、オーディオテープなどの電気的又は電磁的に読み取り可能な媒体として供給されてもよい。詳細な使用説明は、キット内に実際に添付されていてもよく、あるいは、キットの製造者又は分配者によって指定され又は電子メール等で通知されるウェブサイトに掲載されていてもよい。
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1:アクセプターサイト(9)の合成
Figure 0004930929
1.ラクトースのアセチル化
酢酸ナトリウム(7.56g,92.1mmol)を無水酢酸(191mL,2.00 mol)に懸濁し、110℃に加熱した。そこへラクトース(1)(30.01g,83.3mmol)を少量ずつ加え3時間攪拌した。反応終了後、放冷し、氷水中に溶液をあけて一晩撹拌し、得られた結晶をろ別し乾燥することで、β−アセテート体(2)(52.4g,93%)を得た。
2.ラクタール(4)の合成
β-アセテート体(2)(17.96g,26.46mmol)に33 %臭化水素-酢酸溶液(30mL)を加え、塩化カルシウム管をつけて遮光し室温で4時間攪拌した。反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出を行い、得られた有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別しエバポレーターで濃縮し、更に真空ポンプで乾燥することで(3)を得た。これ以上の精製は行わず、ラクタール(4)合成の原料をして用いた。これに酢酸(20mL)を加えた溶液を溶液Aとした。
水(67mL)に酢酸ナトリウム(21.76g,265.2mmol)と硫酸銅(2.02g,8.08mmol)を加え溶解させた後、酢酸(47mL)を加え氷浴で冷却した。そこに亜鉛(17.47g,267.3mmol)を加えた溶液を溶液Bとした。氷浴で冷却した溶液B中に溶液Aを加え1時間撹拌した。亜鉛をろ別した後、ろ液を酢酸エチルと水で希釈した。酢酸エチルで抽出を行った後、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別して濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン: 酢酸エチル=10:1〜5:1〜4:1〜3:1)で精製し(4)を得た。
収量は、8.38g(14.95mmol)(収率:57%(2steps))であった。
3.(4)のアジドニトロ化、(5)の1-ブロモ化及び(6)の1-ベンジル化
アジ化ナトリウム(1.48g,22.76mmol)と硝酸二アンモニウムセリウム(IV)(30.27g,55.20mmol)を300ml三口フラスコに入れアルゴン雰囲気にして、−20℃に冷却した。(4)(8.38g,14.95mmol)のアセトニトリル(71mL)溶液をシリンジを用いて加え−20℃で24時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で希釈して、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別して濃縮乾燥して(5)を得た。
アルゴン雰囲気下で(5)をアセトニトリル(50mL)に溶解させ、そこに臭化リチウム(6.56g,75.5mmol)を加え室温で5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で2回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別して濃縮乾燥して(6)を得た。
アルゴン雰囲気下で(6)をニトロメタン(59mL)に溶解させ、そこにベンジルアルコール(4.4 mL,42.32mmol)と活性化したDrierite(14.2 g)を加え室温で1時間撹拌した。この溶液を-20℃に冷却し、炭酸銀(12.77g, 22.76mmol)を加え-20℃で23時間撹拌した。ろ過を行い不溶物を取り除いた反応液に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で2回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別して濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1〜5:1〜1:1〜1:2〜0:1)で精製し(7)を得た。
収量は、9.19g(12.95mmol)(収率:87%(3steps))であった。
4.(7)の脱アセチル化及び3’,4’-イソプロピリデン化およびベンジル化、(8)の脱3’,4’-イソプロピリデン化
アルゴン雰囲気下、(7)(2.79g,3.93mmol)をメタノール(18mL)に溶解させてメタノールメトキシド(0.13g,2.41mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。溶液を濃縮乾燥しアルゴン雰囲気下にした後、N,N-ジメチルホルムアミド(22mL)を加え溶解させ、アセトンジメチルアセタール(2.0mL,16.3mmol)と活性化したDrierite(2.0g)を加え室温で1時間撹拌した。この溶液に(+)-10-カンファースルホン酸(0.85g,3.67mmol)を加え80℃で14時間撹拌した。氷浴で冷却した後、炭酸ナトリウム(0.79g,7.49mmol)を加えろ過した。ろ液を濃縮してcrudeを得た。乾燥雰囲気下、ヘキサンで洗浄した50%油性水素化ナトリウム(2.73 g,113.0mmol)にN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)を加え氷冷した。これに先の実験で得たcrudeのN,N-ジメチルホルムアミド(33mL)溶液を滴下し、更に氷冷下でベンジルブロミド(4.8mL,40.4mmol)を滴下し室温に戻しながら15時間撹拌した。反応終了後、メタノール(15mL)を加え反応液を濃縮した。残査を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別して濃縮乾燥して(8)を得た。
(8)に80%酢酸水溶液(40mL)を加え、80℃で15時間撹拌した。反応液を濃縮後、10:1〜5:1〜4:1)で精製し(9)を得た。
収量は、1.81g(2.22mmol(収率:56%(4steps))であった。
実施例2:ドナーサイト(12)の合成
Figure 0004930929
1.N-アセチルノイラミン酸(10)のアセチル化およびメチルエステル化、(11)の2-チオラウリル化
N-アセチルノイラミン酸(10)(15.0g,48.7mmol)をピリジン(100mL)に溶解し、氷冷下で撹拌した。無水酢酸(120mL)を滴下後、反応液を室温に戻して17時間攪拌した。反応液を濃縮し、メタノール(50mL)に溶解させた後、氷冷しジエチルエーテル(50mL)を加えた。この溶液に氷冷下、ジアゾメタンエーテル溶液を滴下した。TLCで反応が完全に進行したのを確認した後、酢酸を加え余剰量のジアゾメタンの処理を行い反応液を濃縮し(11)を得た。
アルゴン雰囲気下、(11)にジクロロメタン(150 mL)を加え溶解させ、ドデカンチオール(35.0mL,147mmol)を加え氷冷した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(37.0mL,292mmol)を滴下後、30分攪拌し室温に戻して6.5時間攪拌した。反応液を氷水にあけクロロホルムで希釈し、水で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別して濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜3:1〜2:1〜1:1〜1:2)で精製し(12)を得た。
収量は、 25.6 g(37.9mmol(収率:78%(3steps))。
実施例3:シアリルラクトサミン誘導体の合成
Figure 0004930929
1.グリコシル化(三糖の合成)
アルゴン雰囲気下、(12)(7.01g,10.4mmol)、(9)(3.95g,4.83mmol)をアセトニトリル(100mL)に溶解させ、MS3A(12g)を加え、1.5時間攪拌した。反応液を−35℃に冷却し、N-ヨードコハク酸イミド(5.26g,23.4mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.9mL,10.5mmol)の順で加え、2時間攪拌し、トリエチルアミンを加え−35℃で20分撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、不溶物のろ過を行った。ろ液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水の順で洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別して濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1〜4:1〜1:1〜1:1.5)で精製し(13)を得た。
収量は、 5.04g(3.90mmol(収率:81%)であった。
2.(13)の脱アジドおよび脱ベンジル化及びアセチル化
三糖誘導体(13)(1.36g,1.06mmol)をメタノール(6.0mL)に溶解し、20%水酸化パラジウム/活性炭(1.5g)をメタノール(16.0mL)を用いて加え、水素雰囲気下で64時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮後、ピリジン(2.0mL)、無水酢酸(5.0mL,2.6mmol)を加え、室温で21時間攪拌した。反応液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1〜4:1〜1:1〜1:1.5)で精製し(14)を得た。
収量は、0.97g(0.87mmol(収率:83 %(2steps))であった。
3.オキサゾリンの合成
アルゴン雰囲気下、(14)(0.88g,0.79mmol)に1,2-ジクロロエタン(10.0mL)を加え溶解させ、50℃に加熱した。この溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.22 mL,1.22mmol)を加え50℃で11時間撹拌した。反応液を氷浴で冷却した後、トリエチルアミ 3.90mmol)を加え0 ℃で20分撹拌し濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し(15)を得た。
収量は、0.499g(0.476 mmol(収率:60%)。
4.(5)の1-ペンテニル化
アルゴン雰囲気下、(15)(0.499g,0.476mmol)に1,2-ジクロロエタン(9.0mL)を加え溶解させ、(+)-10-カンファースルホン酸(55.9mg,0.258mmol)を加え室温で1時間、更に75℃で6.5時間撹拌した。氷浴で冷却した後、トリエチルアミン(0.1mL,0.78mmol)を加え12時間撹拌後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜1:1〜0:1〜クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し(16)を得た。
収量は、0.451g(0.397 mmol(収率:83%))であった。
5.(16)のチオアセチル化
アルゴン雰囲気下、(16)(0.451 g,0.397mmol)を1,4-ジオキサン(1.ml)に溶解させ、チオ酢酸(0.6 ml,8.43 mmol)を加え、50℃に加熱した。AIBN(0.344g,2.10mmol)を加え、80 ℃で3時間撹拌した。その後、過剰なAIBNを潰すためシクロヘキセン(0.22 ml,2.17mmol)を加え、室温で20分撹拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜5:1〜1:1〜1:2〜0:1〜クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し(17)を得た。
収量は、0.423g(0.350mmol(収率:88%)であった。
実施例4:シアリルラクトサミン誘導体のカルボシランデンドリマー骨格への導入反応
以下に示す3種類のカルボシランデンドリマー骨格を糖鎖導入反応に用いた。
Figure 0004930929
糖鎖導入反応は以下のスキームで行った(Fan(0)3-NeuLacNAc(OAc)の合成を例示する)。
Figure 0004930929
1.Fan(0)3-NeuLacNAc(OAc)の合成
アルゴン雰囲気下、(17)(0.329g,0.272mmol)とデンドリマー骨格(Fan(0)3-Br:21.3mg,45.2mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.4ml)に溶解させ、メタノール(0.33ml)を加え室温で30分撹拌した。そこへナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.07mL,0.28mmol)を加え室温で47時間撹拌した。反応終了後、酢酸(0.1ml)を加え室温で20分撹拌した後、濃縮し、残査をピリジン(0.5ml)に懸濁させ、無水酢酸(1.0ml,10.5mmol)を加え室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、氷水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を1N塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶液をろ過して濃縮した。残査をGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で精製しFan(0)3-NeuLacNAc(OAc)を得た。
収量は、0.138g(収率:82%(2steps))であった。
2.Dumbbell(1)6-NeuLacNAc(OAc)の合成
アルゴン雰囲気下、(17)(0.602g,0.497mmol)とデンドリマー骨格(Dumbbell(1)6-Br:38.3mg,41.2mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.5ml)に溶解させ、メタノール(0.4ml)を加え室温で25分撹拌した。そこへナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.13mL,0.52mmol)を加え室温で35時間撹拌した。反応終了後、酢酸(0.1ml)を加え室温で30分撹拌した後、濃縮し、残査をピリジン(1.0 ml)に懸濁させ、無水酢酸(2.0 ml,21.0mmol)を加え室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、氷水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を1N塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶液をろ過して濃縮した。残査をGPCで精製しDumbbell(1)6-NeuLacNAc(OAc)を得た。
収量は、0.190g(収率:62%(2steps))であった。
3.Ball(1)12-NeuLacNAc(OAc)の合成
アルゴン雰囲気下、(17)(0.423g,0.345mmol)とデンドリマー骨格(Ball(1)12-Br:25.8mg,14.6mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.4ml)に溶解させ、メタノール(0.31ml)を加え室温で30分撹拌した。そこへナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.09mL,0.36mmol)を加え室温で23時間撹拌した。反応終了後、酢酸(0.1ml)を加え室温で15分撹拌した後、濃縮し、残査をピリジン(1.0ml)に懸濁させ、無水酢酸(2.0 ml,21.0mmol)を加え室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、氷水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を1 N塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶液をろ過して濃縮した。残査をGPCで精製しBall(1)12-NeuLacNAc(OAc)を得た。
収量は、0.111g(収率:51%(2steps))であった。
実施例5:シアリルラクトサミン結合カルボシランデンドリマーの合成(脱保護反応)
Dumbbell(1)6-NeuLacNAcの反応式を例示する。
Figure 0004930929
1.Fan(0)3-NeuLacNAcの合成
Fan(0)3-NeuLacNAc(OAc)(0.138g,36.9μmol)をメタノール(1.5mL)に溶解させ、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.05mL,0.2mmol)を加え室温で37時間撹拌した後、濃縮乾燥を行い0.1M水酸化ナトリウム水溶液(0.1mol/L,2.22 mL,0.222 mmol)を加え室温で47時間撹拌した。濃縮し酢酸で中和後ゲルろ過(Sephadex G-25)を行うことにより無機塩を取り除き目的物であるFan(0)3-NeuLacNAcを得た。
収量は、66.2mg(収率:70%)であった。
2.Dumbbell(1)6-NeuLacNAcの合成
Dumbbell(1)6-NeuLacNAc(OAc)(0.186g,24.9μmol)をメタノール(2.0ml)に溶解させ、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.1mL,0.06mmol)を加え室温で24時間撹拌した後、濃縮乾燥を行い0.1M水酸化ナトリウム水溶液(0.1mol/L,3.0 mL,0.3 mmol)を加え室温で46時間撹拌した。濃縮し酢酸で中和後ゲルろ過(Sephadex G-25)を行うことにより無機塩を取り除き目的物であるDumbbell(1)6-NeuLacNAcを得た。
収量は、0.119g(収率:94%)であった。
3.Ball(1)12-NeuLacNAcの合成
Ball(1)12-NeuLacNAc(OAc)(0.103g,6.94μmol)をメタノール(1.0 mL)に溶解させ、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.1mL,0.076mmol)を加え室温で21時間撹拌した後、濃縮乾燥を行い0.1M水酸化ナトリウム水溶液(0.1mol/L,1.7mL,0.17mmol)を加え室温で43時間撹拌した。濃縮し酢酸で中和後ゲルろ過(Sephadex G-25)を行うことにより無機塩を取り除き目的物であるBall(1)12-NeuLacNAcを得た。
収量は、63.3mg(収率:90%)であった。

Claims (4)

  1. 次式(I又は(Ic)
    (R {(−R −E )[(−R −S−R −A)] (Ib)
    {(−R −E )[(−R −S−R −A)] (Ic)
    (式中、E 及びE 、炭素、ケイ素、ゲルマニウムのいずれかであり、互いに同一でも異なっていてもよく、 、同一又は異なった炭化水素基を示し、R 、R 及びRは、同一又は異なった炭化水素鎖を示し、はシアリルラクトサミン残基である)で表されるシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物。
  2. 同一又は異なる炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ビニル基、又はアルキル基である請求項1に記載のシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物。
  3. 、R 及びRが同一又は異なる炭素数1〜6の直鎖アルキレン基、又はアルケニレン基である請求項1又は2に記載のシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物。
  4. 及びE ケイ素である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシアリルラクトサミン結合デンドリマー化合物。
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