JP2008080976A - 電動式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度が変化しても、回転軸及び減速機構の入力軸に付与した予圧の変動が無く、負荷電流の増加を抑制した電動モータを有する電動式ステアリング装置を提供する。
【解決手段】電動モータ6及びハウジング65の温度が変化すると、低温時には、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも収縮するが、予圧調整ねじ69を介して弾性部材82を圧縮させることで、収縮量の差を吸収するため、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧の増加が抑制される。また、高温時には、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも膨張するが、圧縮されていた弾性部材82の弾性変形が復帰することで、膨張量の差を吸収するため、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧の減少が抑制される。
【選択図】図5

Description

本発明は電動式ステアリング装置、特に、ステアリングホイールのチルト位置またはテレスコピック位置を、電動モータにより調整することができる電動式ステアリング装置に関する。
運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイールのチルト位置やテレスコピック位置を調整する必要があり、このチルト位置、または、テレスコピック位置の調整を、電動モータを使用して楽に行うようにした電動式ステアリング装置がある。
このような電動式ステアリング装置の電動モータは、電動モータの回転をウォームギヤとウォームホイールで構成される減速機構で減速して、コラムのチルト運動、または、テレスコピック運動として伝達しているが、電動モータの正転時と逆転時で、ウォームギヤに作用する軸方向のスラスト力の方向が変化するため、ウォームギヤが軸方向に移動して異音を発生することがある。
このようなウォームギヤの異音を解消するために、ウォームギヤに予圧を付与して、ウォームギヤの軸方向のガタを排除するようにした電動モータとして、特許文献1、特許文献2に開示された電動モータがある。
図8は、特許文献1、特許文献2に開示されている電動モータの断面図である。図8に示すように、従来の電動モータ6は、有底円筒状のモータケース61を有し、モータケース61の内周面611には、マグネット62が固定されている。マグネット62の内側には、ロータコアとロータコイルを有する電機子63が回転可能に収容されている。
電機子63はその軸心に回転軸64を有している。モータケース61はマグネット62のヨークを兼ねており、モータケース61の左端のフランジ部612には、ハウジング65のフランジ部651が、図示しないボルトにより結合されている。ハウジング65はアルミニウム製で、内部に減速機構を内蔵している。
回転軸64の左端(図8の左側)には、ウォームギヤ(減速機構の入力軸)66が回転軸64と同一軸線上に一体的に成形され、ウォームギヤ66はハウジング65内(図8の左側)へ延出している。このウォームギヤ66がウォームホイール72に噛み合って減速機構を構成し、電動モータ6の回転軸64の回転を減速して、送りねじ71に伝達する。モータケース61、回転軸64(回転軸64と一体のウォームギヤ66)は、熱膨張係数が略等しい鉄系の材料で形成されている。
回転軸64はその右端外周が、すべり軸受(ラジアル荷重だけを軸支するジャーナル軸受)671によって回転可能に軸支されている。すべり軸受671の外周は、モータケース61の右端に圧入されると共に、回転軸64の外周とすべり軸受671の内周の嵌合は、すきまばめになっている。
回転軸64の左端(回転軸64がモータケース61のフランジ部612から突出した位置であって、回転軸64がウォームギヤ66に接続する位置の近傍)は、深みぞ形ラジアル玉軸受68によって回転可能に軸支されている。回転軸64の外周と深みぞ形ラジアル玉軸受68の内輪681の内周の嵌合は、すきまばめになっている。
深みぞ形ラジアル玉軸受68の外輪682の外周は、ハウジング65のフランジ部651に形成された環状凹部652に内嵌している。深みぞ形ラジアル玉軸受68の外輪682の左端面は、環状凹部652の底面653に当接している。深みぞ形ラジアル玉軸受68の外輪682と環状凹部652との嵌合は、しまりばめになっている。
ウォームギヤ66はその左端部661の外周が、すべり軸受(ラジアル荷重だけを軸支するジャーナル軸受)672によって回転可能に軸支されている。すべり軸受672の外周は、ハウジング65の左端に形成された環状凹部654に圧入されると共に、ウォームギヤ66の左端部661の外周とすべり軸受672の内周の嵌合は、すきまばめになっている。
ハウジング65の左端には、予圧調整ねじ69がねじ込まれており、予圧調整ねじ69の端面691とウォームギヤ66の左端部661の左端面662との間には、すべりスラスト軸受673が介挿されている。また、モータケース61の右端と回転軸64の右端面641との間には、すべりスラスト軸受674が介挿されている。すべりスラスト軸受673及び674は、摩擦係数が小さく、耐摩耗性に優れた樹脂材料で成形されている。
予圧調整ねじ69を適度にねじ込み、すべりスラスト軸受673を介してウォームギヤ66を右方に押圧した後、ロックナット692を締め付けて、予圧調整ねじ69をハウジング65の左端に固定すると、回転軸64の右端面641がすべりスラスト軸受674に強く押圧される。従って、ウォームギヤ66及び回転軸64は、すべりスラスト軸受674とすべりスラスト軸受673によって、図8の左右両方向のスラスト力に対して予圧が付与されて、ガタの無い状態になる。
しかしながら、電動モータ6及びハウジング65の温度が変化すると、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも熱膨張係数が大きいため、熱変形量が大きい。従って、低温時には、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧が増加し、高温時には、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧が減少する。
従って、高温時には、ウォームギヤ66及び回転軸64の軸方向のガタによって、ウォームギヤ66及び回転軸64が軸方向に移動して異音を発生する。また、低温時には、予圧の増加によって、電動モータ6の作動時に回転軸64に加わる負荷が大きくなるため、電動モータ6の負荷電流が増加する問題が生じることがあった。
特開平10−271753号公報 特開2001−69714号公報
本発明は、温度が変化しても、回転軸及び減速機構の入力軸に付与した予圧の変動が無く、負荷電流の増加を抑制した電動モータを有する電動式ステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、車体後方側にステアリングホイールが装着されるステアリングシャフト、上記ステアリングシャフトを回転可能に軸支するとともに、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整、または、上記ステアリングシャフトの中心軸線に沿ったテレスコピック位置調整が可能なコラム、電動モータ、上記電動モータのモータケースに回転可能に軸支された回転軸、上記回転軸の回転を減速して、上記コラムのチルト運動、または、テレスコピック運動として伝達する減速機構を内蔵し、上記モータケースに結合されたハウジングを備えた電動式ステアリング装置において、上記電動モータの回転軸と減速機構の入力軸は同一軸線上に形成され、上記回転軸と入力軸は、弾性部材を介して軸方向の予圧が付与されていることを特徴とする電動式ステアリング装置である。
第2番目の発明は、第1番目の発明の電動式ステアリング装置において、上記弾性体は金属製であることを特徴とする電動式ステアリング装置である。
第3番目の発明は、第1番目または第2番目のいずれかの発明の電動式ステアリング装置において、上記弾性体は皿バネまたはコイルバネであることを特徴とする電動式ステアリング装置である。
第4番目の発明は、第1番目または第2番目のいずれかの発明の電動式ステアリング装置において、上記弾性体は皿バネで構成され、塑性域まで圧縮して軸方向の予圧を付与していることを特徴とする電動式ステアリング装置である。
第5番目の発明は、第1番目または第2番目のいずれかの発明の電動式ステアリング装置において、上記ハウジングはアルミニウム製であり、上記モータケース、回転軸、及び、ウォームギヤは鉄系の材料で形成されていることを特徴とする電動式ステアリング装置である。
第6番目の発明は、第1番目または第2番目のいずれかの発明の電動式ステアリング装置において、上記入力軸にはウォームギヤが形成され、このウォームギヤに噛み合うウォームホイールを介して上記コラムにチルト運動、または、テレスコピック運動が伝達されることを特徴とする電動式ステアリング装置である。
本発明の電動式ステアリング装置では、電動モータの回転軸と減速機構の入力軸は同一軸線上に形成され、この回転軸と入力軸には、弾性部材を介して軸方向の予圧を付与している。従って、温度が変化して、熱膨張係数の異なる部材間の熱変位量に差が生じても、弾性部材が弾性変形して熱変位量の差を吸収する。そのため、回転軸及び減速機構の入力軸に付与した予圧の変動が無く、電動モータの作動時に回転軸に加わる負荷の増加を抑制できるため、電動モータの負荷電流の増加を抑制することが可能となる。
図1は、本発明の電動式ステアリング装置1を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。図1に示すように、電動式ステアリング装置1は、ステアリングシャフト2を回動自在に軸支している。ステアリングシャフト2には、その右端(車体後方側)にステアリングホイール3が装着され、ステアリングシャフト2の左端(車体前方側)には、ユニバーサルジョイント101を介して中間シャフト102が連結されている。
中間シャフト102には、その左端にユニバーサルジョイント103が連結され、ユニバーサルジョイント103には、ラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ104が連結されている。
運転者がステアリングホイール3を回転操作すると、ステアリングシャフト2、ユニバーサルジョイント101、中間シャフト102、ユニバーサルジョイント103を介して、その回転力がステアリングギヤ104に伝達され、ラックアンドピニオン機構を介してタイロッド105を移動し、車輪の操舵角を変えることができる。
図2は、ステアリングホイール3のチルト位置調整を電動モータで行う電動チルト式ステアリング装置を示す一部断面を含む要部概略構成図である。
図2の左側(車体前方側)には、T字状の下部車体取付けブラケット51の上部に形成された取付け部511が、車体53に固定されており、取付け部511からピボット部512が下方に延びている。コラム4の左端は、ピボット部512に軸支されたピボットピン513を支点として、下部車体取付けブラケット51に揺動可能に支持されている。
図2の右側(車体後方側)には、L字状の上部車体取付けブラケット52の上部に形成された取付け部521が、車体53に固定されており、取付け部521からコラム支持部522が下方に延びている。コラム支持部522には、コラム4の右端の左右の側面がチルト位置調整可能に挟持されている。コラム4には、ステアリングシャフト2が回動自在に軸支され、ステアリングシャフト2には、その右端(車体後方側)にステアリングホイール3が装着されている。
コラム4にはブラケット41が一体的に形成され、このブラケット41に、電動アクチュエータとしての電動モータ6が固定されている。また、ブラケット41の上軸支部41Aと下軸支部41Bには、図示しないころがり軸受を介して、送りねじ71の上下両端が各々軸支されている。
電動モータ6の回転軸64には、ウォームギヤ66が一体的に形成され、送りねじ71に固定されたウォームホイール72がウォームギヤ66に噛み合っている。ウォームホイール72とウォームギヤ66で減速機構が構成され、電動モータ6の回転が送りねじ71に減速して伝達される。
送りねじ71には、送りねじ71の回転を直線運動に変換するナット73が螺合している。送りねじ71とナット73で構成される送り機構は、送りねじ71の回転をナット73の直線運動に変換する送り機構である。
ナット73には図2の右側に、球面状の突起を有するボール74が一体的に形成されている。コラム支持部522の左端面522A(図2から見て)には円筒状のスリーブ75が一体的に形成され、ボール74の外周がスリーブ75の内周75Aに摺動可能に嵌入することで、球面継手を構成している。
ステアリングホイール3のチルト位置を調整する必要が生じた場合、図示しないスイッチを操作すると、電動モータ6の回転軸64が正逆いずれかの方向に回転駆動される。すると、電動モータ6の回転軸64の回転が、ウォームギヤ66からウォームホイール72に減速して伝達され、ウォームホイール72と一体の送りねじ71が回転することにより、例えば、ナット73が送りねじ71に沿って軸方向に下降する。
すると、ナット73と一体のボール74もコラム4に対して下降し、ボール74がスリーブ75に嵌合しているため、コラム4が上方にチルト移動する。また、ボール74が上昇した場合には、コラム4は下方にチルト移動する。コラム4がチルト移動すると、ボール74はスリーブ75の内周75A内で、自由に回転及び摺動するため、コラム4のチルト移動を阻害したり、ボール74とスリーブ75との間に、不要な応力や摩擦を生じさせることがない。
図3は、ステアリングホイール3のテレスコピック位置調整を電動モータで行う電動テレスコピック式ステアリング装置を示す一部断面を含む要部概略構成図である。図4は図3の下面図である。
中空円筒状のアウターコラム42には、インナーコラム43が軸方向(図3の左右方向)にテレスコピック摺動可能に嵌合している。アウターコラム42の下部には、矩形形状の開口部45が形成され、この開口部45を通して、インナーコラム43に固定したスリーブ75が、下向きに外方に突出している。開口部45は、テレスコピック位置調整時にスリーブ75の外周が開口部45の前端45A、後端45Bに当接することで、ストッパとしての機能を果たし、また、インナーコラム43の回転方向の回り止めの機能も果たしている。
インナーコラム43には、ステアリングシャフト2が回動自在に軸支され、ステアリングシャフト2には、その右端(車体後方側)にステアリングホイール3が装着されている。アウターコラム42の下面には、開口部45を挟んで前後に、前軸支部44A、後軸支部44Bが下向きに突出して一体に形成され、図示しないころがり軸受を介して、送りねじ71の前後両端が各々軸支されている。また、アウターコラム42の側面には、電動モータ6が固定されている。
電動モータ6の回転軸64には、ウォームギヤ66が一体的に形成され、送りねじ71に固定されたウォームホイール72がウォームギヤ66に噛み合っている。ウォームホイール72とウォームギヤ66で減速機構が構成され、電動モータ6の回転が送りねじ71に減速して伝達される。
送りねじ71には、送りねじ71の回転を直線運動に変換するナット73が螺合している。ナット73には、上方に球面状の突起を有するボール74が一体的に形成されており、ボール74の外周が上記スリーブ75の内周75Aに摺動可能に嵌入することで、球面継手を構成している。
ステアリングホイール3のテレスコピック位置を調整する必要が生じた場合、図示しないスイッチを操作すると、電動モータ6が正逆いずれかの方向に回転駆動される。すると、電動モータ6の回転が、ウォームギヤ66からウォームホイール72に減速して伝達され、ウォームホイール72と一体の送りねじ71が回転することにより、例えば、ナット73が送りねじ71に沿って、左方向(車体前方側)に移動する。
すると、ナット73と一体のボール74も左方向に移動し、ボール74がスリーブ75に嵌合しているため、インナーコラム43が左方向にテレスコピック移動する。また、ボール74が右方向(車体後方側)に移動した場合には、インナーコラム43は右方向にテレスコピック移動する。インナーコラム43がテレスコピック移動すると、ボール74はスリーブ75の内周75A内で、自由に回転及び摺動するため、インナーコラム43のテレスコピック移動を阻害したり、ボール74とスリーブ75との間に、不要な応力や摩擦を生じさせることがない。
次に、本発明の実施例1の電動モータ6の詳細な構造について説明する。
図5は、本発明の実施例1の電動モータ6の断面図であって、(1)は全体断面図、(2)は(1)の左端の予圧付与部の拡大断面図である。電動モータ6は、有底円筒状のモータケース61を有し、モータケース61の内周面611には、マグネット62が固定されている。マグネット62の内側には、ロータコアとロータコイルを有する電機子63が回転可能に収容されている。
電機子63はその軸心に回転軸64を有している。モータケース61はマグネット62のヨークを兼ねており、モータケース61の左端のフランジ部612には、ハウジング65のフランジ部651が、図示しないボルトにより結合されている。ハウジング65はアルミニウム製で、内部に減速機構を内蔵している。
回転軸64の左端(図5の左側)には、ウォームギヤ(減速機構の入力軸)66が、回転トルクを伝達可能に、カップリング642によって、回転軸64と同一軸線上に連結されている。モータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66は、熱膨張係数が略等しい鉄系の材料で形成されている。各々別体で成形された回転軸64とウォームギヤ66を連結する手段は、カップリング642に限定されるものではなく、セレーションやスプライン、ゴムカップリング等、回転トルクを伝達可能なものであればよい。
回転軸64はその右端外周が、すべり軸受(ラジアル荷重だけを軸支するジャーナル軸受)671によって回転可能に軸支されている。すべり軸受671の外周は、モータケース61の右端に圧入されると共に、回転軸64の外周とすべり軸受671の内周の嵌合は、すきまばめになっている。
ウォームギヤ66はその右端部663の外周が、すべり軸受(ラジアル荷重だけを軸支するジャーナル軸受)675によって回転可能に軸支されている。すべり軸受675の外周は、モータケース61の左端に形成された環状凹部613に内嵌している。すべり軸受675の外周と環状凹部613との嵌合は、しまりばめでもすきまばめでもよい。
ウォームギヤ66はその左端部661の外周が、すべり軸受(ラジアル荷重だけを軸支するジャーナル軸受)672によって回転可能に軸支されている。すべり軸受672の外周は、ハウジング65の左端に形成された環状凹部654に圧入されると共に、ウォームギヤ66の左端部661の外周とすべり軸受672の内周の嵌合は、すきまばめになっている。すべり軸受672の左端面は、環状凹部654の左側の底面655に当接している。
ハウジング65の左端には、予圧調整ねじ69がねじ込まれており、予圧調整ねじ69の端面691とウォームギヤ66の左端部661の左端面662との間には、すべりスラスト軸受673、スラスト荷重支持プレート81、弾性部材82が、左端面662からこの順序で介挿されている。弾性部材82は、合成ゴム等の弾性変形しやすい合成樹脂で形成されている。
ハウジング65の左端には、環状凹部654の左側の底面655よりも左側に、環状凹部654よりも小径の小径環状凹部656が形成されている。スラスト荷重支持プレート81及び弾性部材82の外径寸法は、小径環状凹部656の内径寸法よりも若干小径に形成されて、小径環状凹部656内に、図5の左右両方向に円滑に移動可能に内嵌している。すべりスラスト軸受673の外径寸法は、小径環状凹部656の内径寸法よりもかなり小径に形成されている。
また、モータケース61の右端と回転軸64の右端面641との間には、すべりスラスト軸受674が介挿されている。すべりスラスト軸受673及び674は、摩擦係数が小さく、耐摩耗性に優れた樹脂材料で成形されている。
予圧調整ねじ69を適度にねじ込み、弾性部材82、スラスト荷重支持プレート81、すべりスラスト軸受673を介してウォームギヤ66を右方に押圧した後、ロックナット692を締め付けて、予圧調整ねじ69をハウジング65の左端に固定すると、弾性部材82は所定寸法だけ弾性変形し、回転軸64の右端面641がすべりスラスト軸受674に強く押圧される。従って、ウォームギヤ66及び回転軸64は、すべりスラスト軸受674とすべりスラスト軸受673によって、図5の左右両方向のスラスト力に対して所定の予圧が付与されて、ガタの無い状態になる。
この状態で、電動モータ6及びハウジング65の温度が変化すると、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも熱膨張係数が大きいため、熱変形量が大きい。
従って、低温時には、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも収縮するが、予圧調整ねじ69を介して弾性部材82を収縮させる(弾性変形させる)ことで、収縮量の差を吸収するため、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧の増加が抑制される。
また、高温時には、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも膨張するが、圧縮されていた弾性部材82の弾性変形が復帰して膨張することで、膨張量の差を吸収するため、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧の減少が抑制される。
弾性部材82は、温度変化による各部の熱変形量の範囲では、予圧力が過大にならないような弾性係数に設定されている。また、初期に設定される予圧力は、電動モータの通常の作動時に、ウォームギヤ66に作用するスラスト力の最大値よりも大きく設定されている。
従って、温度が変化しても、電動モータの作動時に回転軸に加わる負荷の増加を抑制できるため、電動モータ6の負荷電流の増加を抑制できる。
実施例1では、軸受671、672、673、674、675はすべり軸受であるが、玉軸受やころ軸受等のころがり軸受にしてもよい。
次に本発明の実施例2を説明する。実施例2は実施例1の変形例であり、予圧を付与する弾性部材として皿バネを使用した例である。以下の説明では、上記実施例1と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例1と同一部品には同一番号を付して説明する。
図6は、本発明の実施例2の電動モータの予圧付与部の拡大断面図である。図6に示すように、ハウジング65の左端には、予圧調整ねじ69がねじ込まれており、予圧調整ねじ69の端面691とウォームギヤ66の左端部661の左端面662との間には、すべりスラスト軸受673、スラスト荷重支持プレート81、弾性部材としての皿バネ83、スラスト荷重支持プレート84が、左端面662からこの順序で介挿されている。
予圧調整ねじ69を適度にねじ込み、スラスト荷重支持プレート84、皿バネ83、スラスト荷重支持プレート81、すべりスラスト軸受673を介してウォームギヤ66を右方に押圧した後、ロックナット692を締め付けて、予圧調整ねじ69をハウジング65の左端に固定すると、回転軸64の右端面641がすべりスラスト軸受674(図5参照)に強く押圧される。
従って、ウォームギヤ66及び回転軸64は、すべりスラスト軸受674とすべりスラスト軸受673によって、図6の左右両方向のスラスト力に対して予圧が付与されて、ガタの無い状態になる。皿バネ83を金属製とし、塑性域まで圧縮して予圧を付与して使用することもできる。皿バネ83を塑性域まで圧縮して予圧を付与すれば、塑性域では、皿バネ83を単位量圧縮するのに必要な荷重の傾きが小さくなるので、予圧力の変動が小さくなり、好ましい。
この状態で、電動モータ6及びハウジング65の温度が変化すると、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも熱膨張係数が大きいため、熱変形量が大きい。従って、低温時には、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも収縮するが、予圧調整ねじ69を介して皿バネ83を圧縮させることで、収縮量の差を吸収するため、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧の増加が抑制される。
また、高温時には、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも膨張するが、圧縮されていた皿バネ83の弾性変形が復帰することで、膨張量の差を吸収するため、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧の減少が抑制される。
従って、温度が変化しても、電動モータの作動時に回転軸に加わる負荷の増加を抑制できるため、電動モータ6の負荷電流の増加を抑制できる。
次に本発明の実施例3を説明する。実施例3は実施例1の変形例であり、予圧を付与する弾性部材としてコイルバネを使用した例である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
図7は、本発明の実施例3の電動モータの予圧付与部の拡大断面図である。図7に示すように、ハウジング65の左端には、予圧調整ねじ69がねじ込まれており、予圧調整ねじ69の端面691とウォームギヤ66の左端部661の左端面662との間には、すべりスラスト軸受673、スラスト荷重支持プレート81、弾性部材としてのコイルバネ85、スラスト荷重支持プレート84が、左端面662からこの順序で介挿されている。
予圧調整ねじ69を適度にねじ込み、スラスト荷重支持プレート84、コイルバネ85、スラスト荷重支持プレート81、すべりスラスト軸受673を介してウォームギヤ66を右方に押圧した後、ロックナット692を締め付けて、予圧調整ねじ69をハウジング65の左端に固定すると、コイルバネ85は弾性変形し、回転軸64の右端面641がすべりスラスト軸受674(図5参照)に強く押圧される。コイルバネ85は金属製であることが望ましい。
従って、ウォームギヤ66及び回転軸64は、すべりスラスト軸受674とすべりスラスト軸受673によって、図7の左右両方向のスラスト力に対して予圧が付与されて、ガタの無い状態になる。
この状態で、電動モータ6及びハウジング65の温度が変化すると、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも熱膨張係数が大きいため、熱変形量が大きい。従って、低温時には、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも収縮するが、予圧調整ねじ69を介してコイルバネ85を圧縮させることで、収縮量の差を吸収するため、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧の増加が抑制される。
また、高温時には、アルミニウム製のハウジング65は、鉄系の材料で形成されたモータケース61、回転軸64、ウォームギヤ66よりも膨張するが、圧縮されていたコイルバネ85の弾性変形が復帰することで、膨張量の差を吸収するため、ウォームギヤ66及び回転軸64に作用する予圧の減少が抑制される。
従って、温度が変化しても、電動モータの作動時に回転軸に加わる負荷の増加を抑制できるため、電動モータ6の負荷電流の増加を抑制できる。実施例2及び実施例3では、電動モータ6の最大トルクが作用した時のスラスト力によって、皿バネ83及びコイルバネ85は、密着しないようなバネ定数とたわみ量を有する仕様に設定されている。
上記実施例においては、電動モータ6のモータケース61の内周面611にマグネット62が固定され、回転軸に電機子63が取り付けられているが、モータケース61の内周面611に電機子を固定し、回転軸にマグネットを取り付けたブラシレスモータに適用してもよい。また、上記実施例においては、ウォームギヤ66の左端部661の左端面662側に、弾性部材を介して予圧が付与されているが、回転軸64の右端面641側に弾性部材を介して予圧を付与してもよい。
さらに、上記実施例においては、ウォームギヤとウォームホイールで構成される減速機構に適用した例を示したが、はすば歯車、平歯車、かさ歯車等で構成される減速機構に適用してもよい。また、上記実施例においては、テレスコピック位置調整またはチルト位置調整のどちらか一方のみを行うステアリング装置に適用した例を示したが、テレスコピック位置とチルト位置の両方を調整可能なステアリング装置に適用してもよい。
本発明の電動式ステアリング装置を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。 本発明の電動チルト式ステアリング装置を示す一部断面を含む要部概略構成図である。 本発明の電動テレスコピック式ステアリング装置を示す一部断面を含む要部概略構成図である。 図3の下面図である。 本発明の実施例1の電動モータの断面図である。 本発明の実施例2の電動モータの予圧付与部の拡大断面図である。 本発明の実施例3の電動モータの予圧付与部の拡大断面図である。 従来の電動式ステアリング装置に使用される電動モータの断面図である。
符号の説明
1 電動式ステアリング装置
101 ユニバーサルジョイント
102 中間シャフト
103 ユニバーサルジョイント
104 ステアリングギヤ
105 タイロッド
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングホイール
4 コラム
41 ブラケット
41A 上軸支部
41B 下軸支部
42 アウターコラム
43 インナーコラム
44A 前軸支部
44B 後軸支部
45 開口部
45A 前端
45B 後端
51 下部車体取付けブラケット
511 取付け部
512 ピボット部
513 ピボットピン
52 上部車体取付けブラケット
521 取付け部
522 コラム支持部
522A 左端面
53 車体
6 電動モータ
61 モータケース
611 内周面
612 フランジ部
613 環状凹部
62 マグネット
63 電機子
64 回転軸
641 右端面
642 カップリング
65 ハウジング
651 フランジ部
652 環状凹部
653 底面
654 環状凹部
655 底面
656 小径環状凹部
66 ウォームギヤ
661 左端部
662 左端面
663 右端部
671、672 すべり軸受
673 すべりスラスト軸受
674 すべりスラスト軸受
675 すべり軸受
68 深みぞ形ラジアル玉軸受
681 内輪
682 外輪
69 予圧調整ねじ
691 端面
692 ロックナット
71 送りねじ
72 ウォームホイール
73 ナット
74 ボール
75 スリーブ
75A 内周
81 スラスト荷重支持プレート
82 弾性部材
83 皿バネ
84 スラスト荷重支持プレート
85 コイルバネ

Claims (6)

  1. 車体後方側にステアリングホイールが装着されるステアリングシャフト、
    上記ステアリングシャフトを回転可能に軸支するとともに、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整、または、上記ステアリングシャフトの中心軸線に沿ったテレスコピック位置調整が可能なコラム、
    電動モータ、
    上記電動モータのモータケースに回転可能に軸支された回転軸、
    上記回転軸の回転を減速して、上記コラムのチルト運動、または、テレスコピック運動として伝達する減速機構を内蔵し、上記モータケースに結合されたハウジングを備えた電動式ステアリング装置において、
    上記電動モータの回転軸と減速機構の入力軸は同一軸線上に形成され、
    上記回転軸と入力軸は、弾性部材を介して軸方向の予圧が付与されていること
    を特徴とする電動式ステアリング装置。
  2. 請求項1に記載された電動式ステアリング装置において、
    上記弾性体は金属製であること
    を特徴とする電動式ステアリング装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載された電動式ステアリング装置において、
    上記弾性体は皿バネまたはコイルバネであること
    を特徴とする電動式ステアリング装置。
  4. 請求項1または請求項2のいずれかに記載された電動式ステアリング装置において、
    上記弾性体は皿バネで構成され、
    塑性域まで圧縮して軸方向の予圧を付与していること
    を特徴とする電動式ステアリング装置。
  5. 請求項1または請求項2のいずれかに記載された電動式ステアリング装置において、
    上記ハウジングはアルミニウム製であり、上記モータケース、回転軸、及び、ウォームギヤは鉄系の材料で形成されていること
    を特徴とする電動式ステアリング装置。
  6. 請求項1または請求項2のいずれかに記載された電動式ステアリング装置において、
    上記入力軸にはウォームギヤが形成され、このウォームギヤに噛み合うウォームホイールを介して上記コラムにチルト運動、または、テレスコピック運動が伝達されること
    を特徴とする電動式ステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011207457A (ja) * 2010-03-31 2011-10-20 Hitachi Automotive Systems Ltd パワーステアリング装置
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KR101920041B1 (ko) * 2017-06-20 2018-11-20 계양전기 주식회사 기어조립체 일체형 엑츄에이터장치
KR200489020Y1 (ko) * 2017-12-01 2019-04-18 계양전기 주식회사 댐핑수단이 구비된 엑츄에이터장치

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