JP2008080636A - 圧胴洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】オフセット印刷機における圧胴汚れを簡便に除去することができる手段を提供し、洗浄性および安全性に優れた圧胴洗浄剤を提供する。
【解決手段】炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を10質量%以上含有し、さらに研磨剤、及び水を含有することを特徴とする乳化型圧胴洗浄剤;さらにシリコーン化合物を含む上記乳化型圧胴洗浄剤;さらにノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含む上記乳化型圧胴洗浄剤。
【選択図】なし
【解決手段】炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を10質量%以上含有し、さらに研磨剤、及び水を含有することを特徴とする乳化型圧胴洗浄剤;さらにシリコーン化合物を含む上記乳化型圧胴洗浄剤;さらにノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含む上記乳化型圧胴洗浄剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、オフセット印刷機における圧胴の洗浄剤に関するものであり、さらに詳しくは、洗浄性および安全性に優れた圧胴洗浄剤に関するものである。
オフセット印刷機は、平版の印刷で、版胴に取り付けられた印刷版上のインキ画像を一度ブランケット胴面に転写し、紙その他の被印刷物をブランケット胴と圧胴の間に通して、ブランケット胴上の転写像をさらに該紙その他の被印刷物に転写することにより印刷物を連続して印刷するためのものであり、版胴、ブランケット胴(ゴム胴)、圧胴の3胴の組み合わせによって構成されている。
オフセット印刷においては、通常、印刷版ごとに印刷枚数が異なるとともに、印刷される用紙サイズも異なる場合が往々にしてあり、一定枚数を印刷した後、印刷版を交換する必要がある。一般的に、版胴には一定サイズの印刷版が取り付けられ印刷が行われるが、直前の印刷における用紙サイズが大きく、次の印刷が小さい場合、用紙サイズの差分に相当する圧胴表面では印刷版の非画線部に付着したインキがブランケット胴、圧胴へと転移し、ついには圧胴表面にインキが堆積されることなる。さらに、インキが堆積された状態の圧胴のまま、大きな印刷用紙を用いて印刷する場合、圧胴表面に堆積されたインキが印刷用紙の非印刷面に逆転写し、印刷品質に多大な悪影響を及ぼすことになる。
このような問題を未然に防ぐために、通常、印刷用紙のサイズを変更するたびに圧胴表面を清拭し、圧胴表面に付着したインキの除去作業が行われている。また、除去作業には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶剤を用いて清拭するなど、作業環境上問題となっている。
オフセット印刷においては、通常、印刷版ごとに印刷枚数が異なるとともに、印刷される用紙サイズも異なる場合が往々にしてあり、一定枚数を印刷した後、印刷版を交換する必要がある。一般的に、版胴には一定サイズの印刷版が取り付けられ印刷が行われるが、直前の印刷における用紙サイズが大きく、次の印刷が小さい場合、用紙サイズの差分に相当する圧胴表面では印刷版の非画線部に付着したインキがブランケット胴、圧胴へと転移し、ついには圧胴表面にインキが堆積されることなる。さらに、インキが堆積された状態の圧胴のまま、大きな印刷用紙を用いて印刷する場合、圧胴表面に堆積されたインキが印刷用紙の非印刷面に逆転写し、印刷品質に多大な悪影響を及ぼすことになる。
このような問題を未然に防ぐために、通常、印刷用紙のサイズを変更するたびに圧胴表面を清拭し、圧胴表面に付着したインキの除去作業が行われている。また、除去作業には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶剤を用いて清拭するなど、作業環境上問題となっている。
このような問題の解決のために、従来より、種々の提案がなされている。例えば、圧胴に対して表面処理するものとして、離型性シリコーン、フッ素樹脂などによる離型処理(例えば、特許文献1参照。)、シリコン系樹脂の被覆(例えば、特許文献2参照。)、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂の被覆、フッ化黒鉛の分散メッキの被覆(例えば、特許文献3参照。)、などが挙げられる。しかし、これらの公報では、圧胴表面への処理が離型性を備えた樹脂類を圧胴表面に塗布し、高温硬化処理して被覆層を形成するなど、予め圧胴を取り外す必要があり、時間と作業性に問題があった。また被覆層の耐久性においても十分とはいえず未だ改善の余地があった。
また、転写胴クリーニング装置が転写胴(ブランケット胴)に付設され、該装置によって供給されたクリーニング液を転写胴から圧胴に転写してクリーニングするという方法(例えば、特許文献4参照。)、圧胴下部に設置された清拭用の布をロール状に巻いた送りロールにより圧胴を洗浄する方法(例えば、特許文献5参照。)、圧胴の外周面に圧接して設けられた当接部材(ローラー)から構成された装置であり、該ローラーが親油性の高い素材で構成され、該ローラーの駆動によって圧胴汚れを除去する方法(例えば、特許文献6参照。)、印刷胴(圧胴など)の外周面に洗浄液噴射ノズルを備えた洗浄装置を設置して印刷胴を洗浄する方法(例えば、特許文献7参照。)、などが挙げられる。しかし、これらの公報では、圧胴の洗浄装置を新たに取り付ける必要があり、オフセット印刷機の余剰スペースを確保しなければならず、また保守点検など経済的にも負担を要することか
ら多岐にわたって配慮しなければならず、多くの問題があった。
ら多岐にわたって配慮しなければならず、多くの問題があった。
従って本発明の目的は、オフセット印刷機における圧胴汚れを簡便に除去することができる手段を提供することであり、より具体的には洗浄性および安全性に優れた圧胴洗浄剤を提供することである。
本発明者は種々研究を重ねた結果、下記組成の圧胴洗浄剤により上記の諸目的が達成されることを見い出した。従って本発明は、
1) 炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を10質量%以上含有し、さらに研磨剤、及び水を含有することを特徴とする乳化型圧胴洗浄剤である。
2) 好ましい実施態様として、上記1)の組成にさらにシリコーン化合物を含む乳化型圧胴洗浄剤がある。
3) 別の好ましい実施態様として、上記1)又は2)の組成にさらに、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2記載の乳化型圧胴洗浄剤がある。
1) 炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を10質量%以上含有し、さらに研磨剤、及び水を含有することを特徴とする乳化型圧胴洗浄剤である。
2) 好ましい実施態様として、上記1)の組成にさらにシリコーン化合物を含む乳化型圧胴洗浄剤がある。
3) 別の好ましい実施態様として、上記1)又は2)の組成にさらに、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2記載の乳化型圧胴洗浄剤がある。
本発明の乳化型圧胴洗浄剤は、簡便に使用でき、圧胴に付着、堆積したインク汚れのみならず、例えば紙のコーティング剤(炭酸カルシウム、タルクなど)などに由来する親水性物質を容易に洗浄することができる。本発明の乳化型圧胴洗浄剤はまた、洗浄性及び安全性に優れている。圧胴上に親水性物質が厚く堆積している場合でも、激しく擦って圧胴を傷つけたりせずに、本発明の圧胴洗浄剤を十分に含浸させた布で数回往復させて拭き取るだけで、圧胴上に堆積した親水性物質を容易に洗浄、排除できるという顕著な効果を奏する。本発明の圧胴洗浄剤はまた、上記効果を発揮すると同時に乳化安定性に優れている。本発明の乳化型圧胴洗浄剤にはさらにシリコーン化合物を含ませることで、圧胴汚れを防止する効果を高めることができる。
本発明の乳化型圧胴洗浄剤の具体的な組成例として、(1)炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を含む油相と、(2)研磨剤、(3)硝酸塩、硫酸塩及び重硫酸塩から選ばれる少なくとも一種、及び(4)水を含む水相とからなる乳化型圧胴洗浄剤がある。
本発明の乳化型圧胴洗浄剤の別の組成例として、(1)炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を含む油相と、(2)研磨剤、(3)硝酸塩、硫酸塩及び重硫酸塩から選ばれる少なくとも一種、(5)シリコーン化合物、及び(4)水を含む水相とからなる乳化型圧胴洗浄剤がある。
上記組成物には更に、平版インキに対する溶解作用を具備する(6)炭化水素系溶剤及び/又はアルコール類、(7)界面活性剤、(8)水溶性コロイド物質、(9)湿潤剤、(10)チキソトロピィー剤、(11)リン酸、重合リン酸、そのアルカリ金属塩及び有機ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物、(12)有機カルボン酸、(13)pH調整剤などを必要に応じて含有させることができる。本発明の圧胴洗浄剤には、上記成分の他に防腐剤、殺菌剤、錆止め剤、染料などを添加してもよい。
本発明の乳化型圧胴洗浄剤の別の組成例として、(1)炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を含む油相と、(2)研磨剤、(3)硝酸塩、硫酸塩及び重硫酸塩から選ばれる少なくとも一種、(5)シリコーン化合物、及び(4)水を含む水相とからなる乳化型圧胴洗浄剤がある。
上記組成物には更に、平版インキに対する溶解作用を具備する(6)炭化水素系溶剤及び/又はアルコール類、(7)界面活性剤、(8)水溶性コロイド物質、(9)湿潤剤、(10)チキソトロピィー剤、(11)リン酸、重合リン酸、そのアルカリ金属塩及び有機ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物、(12)有機カルボン酸、(13)pH調整剤などを必要に応じて含有させることができる。本発明の圧胴洗浄剤には、上記成分の他に防腐剤、殺菌剤、錆止め剤、染料などを添加してもよい。
本発明で使用する上記成分(1)の炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸としては、具体的にはモノエン、ジエン、トリエン、テトラエン及びペンタエン直鎖状モノカルボン酸が挙げられる。
モノエン直鎖状脂肪酸として、パルミトオレイン酸(C15H29CO2H)、オレイン酸(C17H33CO2H)、エライジン酸(C17H33CO2H)、ペトロセリン酸(C17H33CO2H)、バクセン酸(C17H33CO2H)、リシノール酸(C18H34O3)、エルカ酸(C21H41CO2H)、ネルボン酸(C23H45CO2H)などがあり、ジエン直鎖状脂肪酸としてリノール酸(C17H31CO2H)などがあり、トリエン直鎖状脂肪酸としてα-リノレン酸(C17H29CO2H)、エレオステアリン酸(C17H29CO2H)などがあり、テトラエン直鎖状脂肪酸としてアラキドン酸(C19H31CO2H)などがあり、ペンタエン直鎖状脂肪酸としてエイコサペンタエン酸(C19H29CO2H)などが挙げられる。
該直鎖状不飽和脂肪酸の炭素原子数は好ましくは16〜20、より好ましくは16〜18、最も好ましくは炭素原子数18である。
本発明の乳化型圧胴洗浄剤において、炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でもオレイン酸、リノール酸及びリノレイン酸から選ばれる少なくとも1種を好ましく使用することができる。
直鎖状不飽和脂肪酸としては市販品を使用することができ、例えば日本油脂(株)製エキストラシリーズのオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などがある。
乳化型圧胴洗浄剤における上記直鎖状不飽和脂肪酸の使用量は、組成物の全質量に対して10〜60質量%の範囲が一般的であり、好ましくは10〜50質量%の範囲であり、より好ましくは15〜35質量%の範囲である。
モノエン直鎖状脂肪酸として、パルミトオレイン酸(C15H29CO2H)、オレイン酸(C17H33CO2H)、エライジン酸(C17H33CO2H)、ペトロセリン酸(C17H33CO2H)、バクセン酸(C17H33CO2H)、リシノール酸(C18H34O3)、エルカ酸(C21H41CO2H)、ネルボン酸(C23H45CO2H)などがあり、ジエン直鎖状脂肪酸としてリノール酸(C17H31CO2H)などがあり、トリエン直鎖状脂肪酸としてα-リノレン酸(C17H29CO2H)、エレオステアリン酸(C17H29CO2H)などがあり、テトラエン直鎖状脂肪酸としてアラキドン酸(C19H31CO2H)などがあり、ペンタエン直鎖状脂肪酸としてエイコサペンタエン酸(C19H29CO2H)などが挙げられる。
該直鎖状不飽和脂肪酸の炭素原子数は好ましくは16〜20、より好ましくは16〜18、最も好ましくは炭素原子数18である。
本発明の乳化型圧胴洗浄剤において、炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でもオレイン酸、リノール酸及びリノレイン酸から選ばれる少なくとも1種を好ましく使用することができる。
直鎖状不飽和脂肪酸としては市販品を使用することができ、例えば日本油脂(株)製エキストラシリーズのオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などがある。
乳化型圧胴洗浄剤における上記直鎖状不飽和脂肪酸の使用量は、組成物の全質量に対して10〜60質量%の範囲が一般的であり、好ましくは10〜50質量%の範囲であり、より好ましくは15〜35質量%の範囲である。
本発明に使用される成分(2)の研磨剤としては特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができ、また市販品を使用することもできる。具体的には、天然品のコランダム、エメリー、ダイヤモンド、粘土類、滑石、微晶質ケイ酸、合成品の窒化ホウ素、アルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、アルミナ、酸化クロム、ケイ酸コロイド(SiO2)、酸化鉄などあるいはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。これらの中でも粘土類、滑石、微晶質ケイ酸、アルミナ、酸化クロム、ケイ酸コロイド(SiO2)、酸化鉄などの混合物が好ましく使用でき、市販のものを好適に利用できる。研磨剤の具体例として、白土(粘土類の一種で主成分はケイ酸とアルミナ)及びパーライト(酸化鉄を含んでいる)などがある。
乳化型圧胴洗浄剤と研磨剤との配合比(質量比)は特に限定されないが、乳化型圧胴洗浄剤中の研磨剤の含有量は、洗浄性の観点から1〜30質量%が適当であり、さらに好ましくは2〜20質量%である。圧胴上に、例えば紙のコーティング剤(炭酸カルシウム、タルクなど)に起因する親水性物質が厚く堆積している場合は研磨剤の割合を高くすることが好ましい。
乳化型圧胴洗浄剤と研磨剤との配合比(質量比)は特に限定されないが、乳化型圧胴洗浄剤中の研磨剤の含有量は、洗浄性の観点から1〜30質量%が適当であり、さらに好ましくは2〜20質量%である。圧胴上に、例えば紙のコーティング剤(炭酸カルシウム、タルクなど)に起因する親水性物質が厚く堆積している場合は研磨剤の割合を高くすることが好ましい。
本発明に使用される上記成分(3)の硝酸塩は水溶性の硝酸塩であって、例として硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ニッケル、硝酸ビスマス、硝酸錫、硝酸ストロンチウム、硝酸セシウム、硝酸セリウムなどの硝酸の金属塩、及び硝酸アンモニウムなどが挙げられる。これらの硝酸塩は1種単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の圧胴洗浄剤において、水溶性の硝酸金属塩の使用量は、圧胴洗浄剤全質量の0.5〜10質量%が一般的であり、より好ましくは1〜5質量%である。
本発明に使用される上記成分(3)の硫酸塩又は重硫酸塩として、例えば硫酸塩としては硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウムなどを挙げることができる。重硫酸塩は一般式 M(HSO4)n (但し、Mは金属を示し、nはMの価数を示す。)で表わされ、例えば硫酸水素ストロンチウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素カルシウム、硫酸水素タリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素鉛、硫酸水素ビスマス、硫酸水素マグネシウム、硫酸水素ロジウムなどが挙げられる。これらの硫酸塩及び重硫酸塩から、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いてよい。本発明の圧胴洗浄剤において硫酸塩及び/又は重硫酸塩の使用量は、圧胴洗浄剤の総質量を基準として一般的に0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
本発明の圧胴洗浄剤には硝酸塩、硫酸塩及び重硫酸塩から選ばれる少なくとも一種を含ませることができ、これら成分(3)の含有量は0.5〜10質量%が適当で、より好ましくは1〜8質量%である。
本発明に使用される上記成分(3)の硫酸塩又は重硫酸塩として、例えば硫酸塩としては硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウムなどを挙げることができる。重硫酸塩は一般式 M(HSO4)n (但し、Mは金属を示し、nはMの価数を示す。)で表わされ、例えば硫酸水素ストロンチウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素カルシウム、硫酸水素タリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素鉛、硫酸水素ビスマス、硫酸水素マグネシウム、硫酸水素ロジウムなどが挙げられる。これらの硫酸塩及び重硫酸塩から、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いてよい。本発明の圧胴洗浄剤において硫酸塩及び/又は重硫酸塩の使用量は、圧胴洗浄剤の総質量を基準として一般的に0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
本発明の圧胴洗浄剤には硝酸塩、硫酸塩及び重硫酸塩から選ばれる少なくとも一種を含ませることができ、これら成分(3)の含有量は0.5〜10質量%が適当で、より好ましくは1〜8質量%である。
本発明の圧胴洗浄剤の水相の残余の成分は水であり、その量は本発明の圧胴洗浄剤の総質量に対して30〜85質量%が適しており、より好ましくは35〜80質量%である。
一方、本発明の圧胴洗浄剤にさらに含ませてもよい成分(5)のシリコーン化合物は、好ましくはジメチルポリシロキサン構造を有するものであり、更に好ましくは該構造にポリアルキレンオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基等の親水基、長鎖アルキル基等の油脂基を導入し水への分散性を改良したものである。圧胴洗浄剤にこのようなシリコーン化合物を配合することにより、圧胴洗浄剤において圧胴汚れを防ぐ効果を高めることができる。
シリコーン化合物の具体例としては、下記一般式(II)〜(IV)で表される化合物が挙げられる。
シリコーン化合物の具体例としては、下記一般式(II)〜(IV)で表される化合物が挙げられる。
上記式(II)中、R1、R2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、シクロアルキル基、もしくはアルケニル基を表す。上記式(II)、(III)及び(IV)中、R3、R6、R13、R17、R21は各々、置換基を有していても良い炭素原子数8個以上のアルキル基を表す。式(IV)中、R13、R17、R21は同じでも異なっていてもよい。上記式(II)、(III)及び(IV)中、R4、R7、R9、R12、R14、R16、R18、R20、R22は各々、単結合、置換基を有しても良い2価のアルキレン基、アルケニレン基、もしくはシクロアルキレン基を表す。式(III)中、R7、R9は同じでも異なっていてもよい。式(IV)中、R12、R14、R16、R18、R20、R22は同じでも異なっていてもよい。上記式(II)、(III)及び(IV)中、R5、R8、R10、R15、R19、R23は各々、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基を表す。式(III)中、R8、R10は同じでも異なっていてもよい。式(IV)中、R15、R19、R23は同じでも異なっていてもよい。式(IV)中、R11は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、もしくはアリール基を表す。
上記式(II)、(III)及び(IV)中、X1〜X9は各々、−O−、−CO−O−、−N(R24)−、もしくは−N(R24)−CO−O−を表し、R24は水素原子又はメチル基を表す。式(III)中、X2、X3は同じでも異なっていてもよい。式(IV)中、X4〜X9は同じでも異なっていてもよい。式(II)中、x、y、z、a、bは同じでも異なっていても良く、それぞれ0又は1以上の整数であり、好ましくは0又は1〜40、更に好ましくは0又は4〜20整数を表す。但し、x、y、z、a及びbは同時に0とはならない。式(III)中、c、d、e、f、p、qは同じでも異なっていても良く、それぞれ0又は1以上の整数であり、好ましくは0又は1〜40、更に好ましくは0又は4〜20整数を表す。但し、c、d、e、f、p、qは同時に0とはならない。式(IV)中、g、h、i、j、k、l、r、s、t、u、v、wは同じでも異なっていても良く、それぞれ0又は1以上の整数であり、好ましくは0又は1〜40、更に好ましくは0又は4〜20整数を表す。但し、g、h、i、j、k、l、r、s、t、u、v、wは同時に0とはならない。
上記式(II)、(III)及び(IV)中、X1〜X9は各々、−O−、−CO−O−、−N(R24)−、もしくは−N(R24)−CO−O−を表し、R24は水素原子又はメチル基を表す。式(III)中、X2、X3は同じでも異なっていてもよい。式(IV)中、X4〜X9は同じでも異なっていてもよい。式(II)中、x、y、z、a、bは同じでも異なっていても良く、それぞれ0又は1以上の整数であり、好ましくは0又は1〜40、更に好ましくは0又は4〜20整数を表す。但し、x、y、z、a及びbは同時に0とはならない。式(III)中、c、d、e、f、p、qは同じでも異なっていても良く、それぞれ0又は1以上の整数であり、好ましくは0又は1〜40、更に好ましくは0又は4〜20整数を表す。但し、c、d、e、f、p、qは同時に0とはならない。式(IV)中、g、h、i、j、k、l、r、s、t、u、v、wは同じでも異なっていても良く、それぞれ0又は1以上の整数であり、好ましくは0又は1〜40、更に好ましくは0又は4〜20整数を表す。但し、g、h、i、j、k、l、r、s、t、u、v、wは同時に0とはならない。
また上記アルキル基としては、例えば炭素原子数1〜6個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基を好ましく挙げることができる。シクロアルキル基としては炭素原子数3〜8個のものであって、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を好ましく挙げることができる。アルケニル基としては、例えば炭素原子数2〜8個のアルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基を好ましく挙げることができる。アリール基としては、例えば炭素原子数6〜10個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基等を好ましく挙げることができる。炭素原子数8個以上のアルキル基としては、好ましくは炭素原子数8〜25個のものであって、具体的には、オクチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等を好ましく挙げることができる。また上記アルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素原子数1〜8個のものが挙げられる。アルケニレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いエテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素原子数2〜6個のものが挙げられる。シクロアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素原子数5〜8個のものが挙げられる。
また置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(F、Br、Cl、I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、又はアシロキシ基等が挙げられる。これらの置換基におけるアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエトキシ基等の炭素原子数1〜12個のものが挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素原子数6〜18個のものが挙げられる。アシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等の炭素原子数2〜12個のものが挙げられる。アシロキシ基としては、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基等の炭素原子数2〜12個のものが挙げられる。
なお、上記具体例中のエチレンオキシ、及びプロピレンオキシの繰り返し数はそれぞれ平均値を表す。また、m〜oは10〜100を整数を表す。前記一般式(II)〜(IV)で表される化合物の分子量としては、好ましくは300〜10,000、より好ましくは500〜5,000、更には1,000〜3,000の範囲のものが好ましく使用される。洗浄剤中のシリコーン化合物の添加量は、洗浄剤中に0.01〜5質量%が適当であり、好ましくは0.05〜3質量%、より好ましくは0.1〜2質量%を添加することが効果的である。ここでシリコーン化合物の添加量が多すぎると、ブランケット胴に転写しインキの着肉不良を起こす。一般式(II)〜(IV)で表される化合物は市場において、一般に入手することができる。市販品の例として、信越化学工業製、東芝シリコーン製、東レシリコーン製、チッソ製等のものが挙げられる。
本発明の圧胴洗浄剤の油相にさらに含ませてもよい成分(6)の炭化水素系溶剤及び/又はアルコール類は、平版印刷インキを溶解する作用を有するものである。炭化水素系溶剤としては、通常印刷インキの洗浄に使われている石油留分で沸点が120〜320℃のものが特に有用である。炭化水素系溶剤の例として芳香族系混合溶剤があり、例えばソルベント(日本石油化学(株)製)、スワゾール(丸善石油化学(株)製)及びエクスゾール(エクソン化学(株)製)などがある。また、アルコール類の例として3−メチル−3−メトキシブタノールなどがある。このような成分(6)は1種又は2種以上使用してもよく、その使用範囲は、一般的に圧胴洗浄剤の全質量の0〜40質量%の範囲であり、より好ましくは0〜30質量%である。
本発明で使用する上記成分(1)や上記成分(6)は、成分(4)の水と混ざり合わないため、使用する時に充分混合分散した状態で用いる。このとき分散の安定性を高める目的で成分(7)の界面活性剤を添加することが有用である。本発明に使用できる界面活性剤としてはアニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤がある。
アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などが挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルベンゼンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などが挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルベンゼンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
また、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ヒマシ油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂肪酸エステル類、トリアルキルアミンオキシド類などが挙げられる。その中でもポリオキシエチレン化ヒマシ油類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類などが好ましく用いられる。これらの界面活性剤は二種以上併用してもよい。圧胴洗浄剤における界面活性剤の使用量は特に限定されるものではないが、好ましい範囲は圧胴洗浄剤の全質量の0.5〜10質量%である。
成分(8)の水溶性コロイド物質は粘度調整剤であり、圧胴洗浄剤全体の25℃における粘度が10cps〜1000cpsの範囲となるように使用するのが適当である。好ましい具体例としてはデキストリン、サイクロデキストリン、アルギン酸塩、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなど)などの天然物とその変性体及びポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びその共重合体、アクリル酸共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などの合成物があり、これらの物質は単独又は混合して使うことができる。上述のような粘度範囲とするための水溶性コロイド物質の使用範囲は、圧胴洗浄剤の全質量の1〜24質量%、より好ましくは3〜20質量%から選ぶことができる。
上記成分の他、圧胴洗浄剤に良好な広がり特性を与え、乾燥を抑えて使用適性を良好にする観点から、一種又はそれ以上の湿潤剤(成分(9))も有用である。適当な湿潤剤として一般式:HO−(R−O)n−H(式中Rは CmH2m(m=2〜6)であり、nは1〜500である。)で表される化合物が挙げられる。好ましい化合物の例を挙げると、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどである。その他の湿潤剤としてグリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトールが有用である。湿潤剤の使用量は圧胴洗浄剤の全質量の1〜30質量%の範囲で効果が認められ、より好ましくは2〜20質量%の範囲である。
成分(10)のチキソトロピー剤は動的圧力によって液の粘度が低下し、静置のときは粘度が上昇してスポンジなどで版面を処理するときの作業特性を良好にする。適当なチキソトロピー剤としては、珪酸の微粉末、パミス、炭酸カルシウム、ゼオライトなどが挙げられる。その使用量は圧胴洗浄剤の全質量の1〜10質量%の範囲が適当であり、好ましくは2〜7質量%の範囲である。
本発明の圧胴洗浄剤にはまた、成分(11)のリン酸、重合リン酸、そのアルカリ金属塩及び有機ホスホン酸から選ばれる少なくとも一種を添加してもよい。それらの具体例として、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム、ピロ燐酸、ピロ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸カリウム、ピロ燐酸リチウム、トリポリ燐酸、トリポリ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸カリウム、トリポリ燐酸リチウム、テトラ燐酸、テトラ燐酸ナトリウム、テトラ燐酸カリウム、テトラ燐酸リチウム、ヘキサメタ燐酸、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、ヘキサメタ燐酸カリウム、ヘキサメタ燐酸リチウム、イノシトール六リン酸(別名:フィチン酸)、メチレンジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリスホスホン酸、N−カルボキシメチルN,N−ジ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミン−テトラ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミン−テトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミン−ペンタ(メチレンホスホン酸)、N,N−ジ(カルボキシメチル)−N−メチレンホスホン酸、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジ(メチレンホスホン酸)、N−ヒドロキシメチル−N,N’N’−エチレンジアミントリス(メチレンホスホン酸)、N−ヒドロキシエチル−N’,N’−ジエチルエチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラ(メチレンホスホン酸)、ジ(2−ヒドロキシプロピレン)トリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリ(2−ヒドロキシプロピレン)テトラアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)などを挙げることができる。これらの化合物は市販品として入手でき、例えばモンサント・ケミカル・カンパニー (Monsanto Chemical Company)から「DEQUEST類」としてまたフィリップ・A・ハント・ケミカル・コーポレーション (Philip A Hant Chemical Corp)のウエイランドケミカル部門 (Wayland Chemical Division ) から「WAYPLEX」類として市販されている。上記のような化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
中でもリン酸、ヘキサメタ燐酸、ピロ燐酸、これらのアルカリ金属塩、及びフィチン酸などが好ましく用いられる。
上記成分(11)の圧胴洗浄剤における含有量は0.1〜15質量%が適当であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲の量である。
中でもリン酸、ヘキサメタ燐酸、ピロ燐酸、これらのアルカリ金属塩、及びフィチン酸などが好ましく用いられる。
上記成分(11)の圧胴洗浄剤における含有量は0.1〜15質量%が適当であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲の量である。
本発明の圧胴洗浄剤には成分(12)の有機カルボン酸をさらに含ませてもよい。有機カルボン酸としてはクエン酸、酢酸、マロン酸、酒石酸、りんご酸、乳酸、レブリン酸、酪酸、マレイン酸、ピコリン酸などが使用される。成分(12)として1種又は2種以上の有機カルボン酸を使用することができる。中でもクエン酸、りんご酸、及びマレイン酸が好ましく用いられる。
有機カルボン酸の使用量は圧胴洗浄剤全質量の0.5〜10質量%が一般的であり、より好ましくは1〜5質量%である。
有機カルボン酸の使用量は圧胴洗浄剤全質量の0.5〜10質量%が一般的であり、より好ましくは1〜5質量%である。
本発明の圧胴洗浄剤は、通常酸性で使用されるものであり、一般的にpH1〜4の範囲に調整される。このようなpH範囲に調整するために使用するpH調整剤(成分(13))としては硫酸、亜リン酸、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、酒石酸、りんご酸、乳酸、レブリン酸、酪酸、マレイン酸、ピコリン酸などの酸が使用され、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリを併用してもよい。
本発明の乳化型圧胴洗浄剤の製造方法の一例として、水相と油相とをそれぞれ調製し、水相に油相を滴下して分散液を作り、これをホモジナイザーにかけてさらに乳化することができる。
本発明の乳化型圧胴洗浄剤の使用方法としては、例えばウェスなどに含ませて圧胴表面を拭き、適宜の時間放置して、その後水で拭き取ればよい。
本発明の乳化型圧胴洗浄剤の使用方法としては、例えばウェスなどに含ませて圧胴表面を拭き、適宜の時間放置して、その後水で拭き取ればよい。
次に本発明の圧胴洗浄剤を実施例をもって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお「部」および「%」は他に指定のない限り、それぞれ質量部および質量%を示す。
[実施例1〜8及び比較例1〜4]
水相として純水490質量部に、表1及び2(単位:質量部)に記載するように、研磨剤、シリコーン化合物(前述の構造式に付した符号で表す)を加え、
攪拌しながら溶解し、順次硝酸マグネシウム20質量部、硫酸水素ナトリウム5質量部を添加し、防腐剤として4‐イソチアゾリン−3−オン誘導体 5質量部を混合した。これに水酸化ナトリウム又はクエン酸によりpHを3.0に調整し水を加え合計650質量部となるよう水相を調製した。
一方、油相として表1及び2記載のインキ溶解剤に、乳化剤としてペレックスOT−P(花王(株)製ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム)20質量部、パイオニンD−212(竹本油脂(株)製ヒマシ油エーテル)10質量部、ノニオンOP−80(日本油脂(株)製ソルビタンモノオレート)5質量部を溶解し、合計350質量部となるよう油相を調製した。
次に、上記のように調製した水相を攪拌加温し35℃に調整し、ゆっくりと油相を滴下し分散液を作成し、ホモジナイザーを通し乳白色の乳化型圧胴洗浄剤を作成した。
水相として純水490質量部に、表1及び2(単位:質量部)に記載するように、研磨剤、シリコーン化合物(前述の構造式に付した符号で表す)を加え、
攪拌しながら溶解し、順次硝酸マグネシウム20質量部、硫酸水素ナトリウム5質量部を添加し、防腐剤として4‐イソチアゾリン−3−オン誘導体 5質量部を混合した。これに水酸化ナトリウム又はクエン酸によりpHを3.0に調整し水を加え合計650質量部となるよう水相を調製した。
一方、油相として表1及び2記載のインキ溶解剤に、乳化剤としてペレックスOT−P(花王(株)製ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム)20質量部、パイオニンD−212(竹本油脂(株)製ヒマシ油エーテル)10質量部、ノニオンOP−80(日本油脂(株)製ソルビタンモノオレート)5質量部を溶解し、合計350質量部となるよう油相を調製した。
次に、上記のように調製した水相を攪拌加温し35℃に調整し、ゆっくりと油相を滴下し分散液を作成し、ホモジナイザーを通し乳白色の乳化型圧胴洗浄剤を作成した。
印刷機としてA倍判、4色刷、クロムメッキ処理された圧胴を備えたオフセット印刷機を用いた。圧胴は、予めインプレッションクリーナー(大日精化社製)を含浸させたウエスを用いて圧胴表面に付着された油膜を清拭して除去した。まず、この印刷機により、菊判サイズ(939mm×636mm)の印刷用紙を用いて5万枚の印刷を行った。次に、印刷版を交換し、菊半サイズ(469mm×636mm)の印刷用紙を用いて5万枚の印刷を行い、圧胴汚れを発生させた。
この後、表1〜2記載の圧胴洗浄剤を50mL含浸させた布で2往復させて圧胴上に堆積した親水性物質を洗浄、排除した後、圧胴表面を観察して下記の評価基準により洗浄性を評価した。
洗浄性の評価基準:
◎:残留物がほとんどない。
○:僅かに残留物があるが実用上問題がない。
△:多少残留物があり実用上問題になるレベル。
×:2往復では残留物が残り実用上問題がある。
評価した結果を表1及び2に併せて示す。表1及び2に示す結果から、本発明の乳化型圧胴洗浄剤は、洗浄性に優れていることが判る。
この後、表1〜2記載の圧胴洗浄剤を50mL含浸させた布で2往復させて圧胴上に堆積した親水性物質を洗浄、排除した後、圧胴表面を観察して下記の評価基準により洗浄性を評価した。
洗浄性の評価基準:
◎:残留物がほとんどない。
○:僅かに残留物があるが実用上問題がない。
△:多少残留物があり実用上問題になるレベル。
×:2往復では残留物が残り実用上問題がある。
評価した結果を表1及び2に併せて示す。表1及び2に示す結果から、本発明の乳化型圧胴洗浄剤は、洗浄性に優れていることが判る。
Claims (3)
- 炭素原子数16〜24の直鎖状不飽和脂肪酸を10質量%以上含有し、さらに研磨剤、及び水を含有することを特徴とする乳化型圧胴洗浄剤。
- さらにシリコーン化合物を含む請求項1記載の乳化型圧胴洗浄剤。
- さらにノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2記載の乳化型圧胴洗浄剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006262987A JP2008080636A (ja) | 2006-09-27 | 2006-09-27 | 圧胴洗浄剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006262987A JP2008080636A (ja) | 2006-09-27 | 2006-09-27 | 圧胴洗浄剤 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2006262987A Pending JP2008080636A (ja) | 2006-09-27 | 2006-09-27 | 圧胴洗浄剤 |
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-
2006
- 2006-09-27 JP JP2006262987A patent/JP2008080636A/ja active Pending
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