JP2008080486A - 磁気ディスク用研磨用キット - Google Patents

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JP2008080486A JP2007260822A JP2007260822A JP2008080486A JP 2008080486 A JP2008080486 A JP 2008080486A JP 2007260822 A JP2007260822 A JP 2007260822A JP 2007260822 A JP2007260822 A JP 2007260822A JP 2008080486 A JP2008080486 A JP 2008080486A
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Kiyoteru Osawa
清輝 大沢
Hiroaki Kitayama
博昭 北山
Toshiya Hagiwara
敏也 萩原
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

【課題】アルミナと酸化剤と酸を含有する磁気ディスク用研磨液において、保存期間に依
存することなく、再現性よく高い研磨速度を発現し得る磁気ディスク用研磨液キット、磁
気ディスク基板の研磨方法及び良質な磁気ディスク基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤を含む酸化剤液(B)と、酸を含
む酸剤液(C)とから少なくとも構成される磁気ディスク用研磨液キット、少なくとも、
アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤を含む酸化剤液(B)と、酸を含む酸剤液(C
)とを混合して得られた混合液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給して磁気ディス
ク基板を研磨する研磨方法、並びに下記の工程を有する研磨した磁気ディスク基板の製造
方法:(1)少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤を含む酸化剤液(B
)と、酸を含む酸剤液(C)とを混合して研磨液を調製する工程、(2)磁気ディスク基
板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧する工程、及び(3)工程(1)で調製された研磨
液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を動かして磁気デ
ィスク基板を研磨する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気ディスク用研磨用キット、磁気ディスク基板の研磨方法及び磁気ディス
ク基板の製造方法に関する。
ハードディスクは、最小記録面積を小さくし高容量化を推進するために、磁気ヘッドの
浮上量を小さくすることや表面欠陥(表面汚れ)防止が求められている。このヘッドの浮
上量を小さくするために、アルミナと酸化剤と酸を含む研磨液組成物が検討されている(
特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、これらの研磨液組成物は調製後の保存期間により、研磨速度が十分に発
現されないことがあり、再現性に問題があった。したがって、例えば、研磨速度が低下し
た場合には、必要な研磨量を確保するため、研磨時間を長くしたり、研磨液組成物の希釈
率を下げて使用時の研磨液濃度を高くして研磨速度を維持するといった作業を行う必要が
あり、結果としてよりコストがかかったり、生産性が低下する等の問題があった。
特開2003−147337号公報 特開平11−246849号公報
本発明の目的は、アルミナと酸化剤と酸を含有する磁気ディスク用研磨液において、保
存期間に依存することなく、再現性よく高い研磨速度を発現し得る磁気ディスク用研磨液
キット、磁気ディスク基板の研磨方法及び良質な磁気ディスク基板の製造方法を提供する
ことにある。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤を含む酸化剤液(B)と、酸を含む酸剤
液(C)とから少なくとも構成される磁気ディスク用研磨液キット、
〔2〕アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む添加剤液(D)とから少
なくとも構成される磁気ディスク用研磨液キット、
〔3〕アルミナを含むスラリー(A)と、酸を含む酸剤液(C)から少なくとも構成され
、酸化剤を含む酸化剤液(B)とともに使用される磁気ディスク用研磨液キット、
〔4〕少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤を含む酸化剤液(B)と、
酸を含む酸剤液(C)とを混合して得られた混合液を磁気ディスク基板と研磨布との間に
供給して磁気ディスク基板を研磨する研磨方法、
〔5〕少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む添加剤液(
D)とを混合して得られた混合液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給して磁気ディ
スク基板を研磨する研磨方法、
〔6〕少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む添加剤液(
D)と、有機酸を含む酸剤液(c)とを混合して得られた混合液を磁気ディスク基板と研
磨布との間に供給して磁気ディスク基板を研磨する研磨方法、
〔7〕下記の工程を有する研磨した磁気ディスク基板の製造方法:
(1)少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤を含む酸化剤液(B)と、
酸を含む酸剤液(C)とを混合して研磨液を調製する工程、
(2)磁気ディスク基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧する工程、及び
(3)工程(1)で調製された研磨液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給しながら
、基板と研磨定盤を動かして磁気ディスク基板を研磨する工程、
〔8〕下記の工程を有する研磨した磁気ディスク基板の製造方法:
(1)少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む添加剤液(
D)とを混合して研磨液を調製する工程、
(2)磁気ディスク基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧する工程、及び
(3)工程(1)で調製された研磨液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給しながら
、基板と研磨定盤を動かして磁気ディスク基板を研磨する工程、
〔9〕下記の工程を有する研磨した磁気ディスク基板の製造方法:
(1)少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む添加剤液(
D)と、有機酸を含む酸剤液(c)とを混合して研磨液を調製する工程、
(2)磁気ディスク基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧する工程、及び
(3)工程(1)で調製された研磨液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給しながら
、基板と研磨定盤を動かして磁気ディスク基板を研磨する工程
に関する。
本発明の磁気ディスク用研磨液キットを用いることにより、保存期間に依存することな
く、再現性よく高い研磨速度が発現されるため、良質の磁気ディスクを低コストで製造す
ることができるという効果が奏される。
a)磁気ディスク用研磨液キット
本発明の磁気ディスク用研磨液キットは、以下のように3つに大別される。
(態様a−1) アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤を含む酸化剤液(B)と、酸
を含む酸剤液(C)とから少なくとも構成される磁気ディスク用研磨液キット、
(態様a−2) アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む添加剤液(D
)とから少なくとも構成され、任意に有機酸を含む酸剤液(c)を備える磁気ディスク用
研磨液キット、
(態様a−3) アルミナを含むスラリー(A)と、酸を含む酸剤液(C)から少なくと
も構成され、酸化剤を含む酸化剤液(B)とともに使用される磁気ディスク用研磨液キッ
ト。
本発明の磁気ディスク用研磨液キット(以下、単にキットという)は、前記のような構
成を有することに一つの大きな特徴がある。かかる特徴を有することで、各成分が反応す
ることで生じる塩の発生や各成分の分解を抑えて、研磨速度の低下を防ぐことができるた
め、キットの保存期間に依存することなく、再現性よく高い研磨速度を発現させることが
できるという効果が奏される。
態様a−1〜a−3で使用される各成分について、以下に述べる。
(A)成分:アルミナを含むスラリー
(A)成分のスラリーとは、少なくともアルミナを含み、保存安定性の観点から、後述
の有機酸や酸化剤を実質的に含有しないものである。
本発明に用いられるアルミナとしては、うねり低減、表面粗さ低減、研磨速度向上及び
表面欠陥防止の観点から、アルミナとしての純度が95%以上のアルミナが好ましく、よ
り好ましくは97%以上、さらに好ましくは99%以上のアルミナである。また、研磨速
度向上の観点からは、α−アルミナが好ましく、表面性状及びうねり低減の観点からは、
γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ―アルミナ、η−アルミナ、κ−アルミナ等の中間アル
ミナが好ましい。本発明の中間アルミナとは、α−アルミナ粒子以外のアルミナ粒子の総
称であり、具体的にはγ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、η−アルミナ、κ−
アルミナ、これらの混合物等が挙げられる。その中間アルミナの中でも、研磨速度向上及
びうねり低減の観点から、γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ及びこれらの混合
物が好ましく、特に好ましくはγ−アルミナ及びθ−アルミナである。
アルミナの一次粒子の平均粒径は、うねり低減の観点から、一次粒子の平均粒径は0.00
5 〜0.8 μm がより好ましく、特に好ましくは0.01〜0. 4μm であり、二次粒子の平均粒
径は0.01〜2 μm がより好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.0 μm 、特に好ましくは0.
1 〜0.5 μm である。研磨材の一次粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡で観察(好適に
は3000〜30000 倍)又は透過型電子顕微鏡で観察(好適には10000 〜300000倍)して画像
解析を行い、粒径を測定することにより求めることができる。また、二次粒子の平均粒径
はレーザー光回折法を用いて体積平均粒径として測定することができる。
特に、アルミナが中間アルミナの場合、BET 法で測定された比表面積は、好ましくは30
〜300 m2 /g、より好ましくは50〜200 m2 /gである。
研磨速度向上とうねり低減の観点から、アルミナ砥粒としてはα−アルミナと中間アル
ミナの混合系が有効である。この場合、α−アルミナと中間アルミナの重量比率(α−ア
ルミナ/中間アルミナ)は、好ましくは99/1〜30/70、より好ましくは97/3
〜40/60、さらに好ましくは95/5〜50/50、最も好ましくは93/7〜55
/45である。
アルミナの含有量は、研磨速度向上及び経済性の観点から、スラリー中において好まし
くは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以
上である。また、スラリーの分散安定性の観点から、好ましくは60重量%以下、より好
ましくは50重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下である。即ち、スラリー中の
アルミナの含有量は、好ましくは0.1〜60重量%、より好ましくは0.5〜50重量
%、さらに好ましくは1〜40重量%である。
また、(A)成分のスラリーには、分散安定性やケーキング防止性を高めるために必要
量の硫酸や硝酸等の無機酸やこれらの塩を含有してもよい。無機酸の含有量としては、好
ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.02〜3重量%、さらに好ましくは0
.03〜1重量%である。また、無機酸の塩の含有量としては、好ましくは0.01〜3
0重量%、より好ましくは0.05〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜15重量%
である。
また、スラリーの媒体としては、イオン交換水、純水、超純水等の水が挙げられるが、
殺菌剤や抗菌剤、pH調整剤等を含有してもよい。また、シリカ等の研磨材を含有しても
よい。水分量としては、分散安定性の観点から、スラリー中において、40重量%以上が
より好ましく、40〜99.9重量%がさらに好ましい。
(B)成分:酸化剤を含む酸化剤液
(B)成分の酸化剤液とは、少なくとも酸化剤を含む液であり、保存安定性の観点から
、酸化剤の分解の原因となる金属イオン、金属酸化物及び有機化合物を実質的に含有しな
いものである。従って、酸化剤を分解させないヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
ン酸のような有機ホスホン酸は含有してもよい。
本発明に用いられる酸化剤としては過酸化物、金属のペルオキソ酸又はその塩、酸素酸
又はその塩、硝酸塩、硫酸塩、酸の金属塩等が挙げられる。酸化剤にはその構造から無機
系酸化剤と有機系酸化剤に大別される。それら酸化剤の具体例を以下に示す。無機系酸化
剤としては、過酸化水素、更には過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化カルシウム
、過酸化バリウム、過酸化マグネシウムのようなアルカリ金属、又はアルカリ土類金属の
過酸化物類、ペルオキソ炭酸ナトリウム、ペルオキソ炭酸カリウム等のペルオキソ炭酸塩
類、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カ
リウム、ペルオキソ一硫酸等のペルオキソ硫酸又はその塩類、ペルオキソ硝酸、ペルオキ
ソ硝酸ナトリウム、ペルオキソ硝酸カリウム等のペルオキソ硝酸又はその塩類、ペルオキ
ソリン酸ナトリウム、ペルオキソリン酸カリウム、ペルオキソリン酸アンモニウム等のペ
ルオキソリン酸又はその塩類、ペルオキソホウ酸ナトリウム、ペルオキソホウ酸カリウム
等のペルオキソホウ酸塩類、ペルオキソクロム酸カリウム、ペルオキソクロム酸ナトリウ
ム等のペルオキソクロム酸塩類、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等の過
マンガン酸塩類、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、塩素酸、次亜塩素酸ナトリウ
ム、過沃素酸ナトリウム、過沃素酸カリウム、沃素酸、沃素酸ナトリウム等のハロゲン酸
又はその誘導体類、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)等の無機酸金属塩が用いることができる
。有機系酸化剤としては、過酢酸、過ギ酸、過安息香酸等の過カルボン酸類、t−ブチル
パーオキサイド、クメンパーオキサイド等のパーオキサイド類、クエン酸鉄(III)等の有
機酸鉄塩を用いることができる。これらの内、研磨速度向上性や入手性、水溶性等の取り
扱い性を比較した場合、無機系酸化剤の方が好ましい。さらに、環境問題の点を考慮する
と重金属を含まない無機過酸化物が好ましい。また、被研磨基板の表面汚れ防止の観点か
らは、より好ましくは、過酸化水素、ペルオキソ硫酸塩類、ハロゲン酸又はその誘導体で
あり、特に好ましくは過酸化水素である。また、これらの過酸化物は1種でもよいが、2
種以上を混合して用いても良い。
また、(B)成分の酸化剤液には、後述の硫酸、硝酸、塩酸、リン酸等の無機酸を含有
してもよい。
酸化剤の含有量は、研磨速度の向上及びうねり低減の観点から、酸化剤液中において好
ましくは0.005重量%以上、より好ましくは0.007重量%以上である。また、表
面品質の観点から、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。
即ち、酸化剤液中の酸化剤の含有量は好ましくは0.005〜60重量%、より好ましく
は0.007〜50重量%である。
また、酸化剤液の媒体としては、イオン交換水、純水、超純水等の水が好ましい。該水
分量としては、40重量%以上が好ましく、40〜99.995重量%が更に好ましい。
(C)成分:酸を含む酸剤液
(C)成分の酸剤液とは、少なくとも酸を含む液であり、保存安定性の観点から、前記
酸と反応するようなアルミナ等の金属酸化物を実質的に含有しないものである。また、酸
剤液が有機酸を含む場合は、さらに酸化剤を含有しないものである。
酸としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。
無機酸としては硝酸、亜硝酸等の含窒素無機酸、硫酸、亜硫酸、アミド硫酸等の含硫黄
無機酸、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、ホスホン酸等の含リン無機酸、塩酸、臭酸等
の含ハロゲン無機酸等が挙げられる。これらの内、研磨速度向上の観点から、好ましくは
硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、アミド硫酸であり、より好ましくは硫酸、亜硫酸及びアミ
ド硫酸、特に好ましくは硫酸である。無機酸の含有量は酸剤液中において好ましくは0.
005重量%以上、より好ましくは0.007重量%以上であり、また、表面品質の観点
から好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。即ち、酸剤液中
の無機酸の含有量は好ましくは0.005〜60重量%、より好ましくは0.007〜5
0重量%である。
有機酸は、研磨速度の向上、うねり低減の観点から、そのpK1が7以下、より好まし
くは5以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは2以下であることが好ましい。ここ
でpK1とは25℃における第1酸解離定数の逆数の対数値を表わす。各化合物のpK1
は化学便覧改訂4版(基礎編)II、pp316 〜325 (日本化学会編)等に記載されている。
有機酸としては、研磨速度向上、うねり低減及び表面汚れ防止の観点から、含硫黄有機
酸、カルボン酸、及び含リン有機酸が好ましい。その具体例を以下に示す。ギ酸、酢酸、
グリコール酸、乳酸、プロパン酸、ヒドロキシプロパン酸、酪酸、安息香酸、グリシン等
のモノカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、フタル酸、ニトロトリ酢
酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等の多価カルボン酸、メタンスルホン酸、パラトルエン
スルホン酸、アルキル硫酸等の含硫黄有機酸、エチルリン酸、ブチルリン酸、ラウリルリ
ン酸、ホスホノヒドロキシ酢酸、ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、ホスホノブ
タントリカルボン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸等の含リン有機酸等が
挙げられる。これらの内、研磨速度の向上、及び、うねり低減の観点から含硫黄有機酸や
含リン有機酸が好ましく、より好ましくは有機スルフォン酸類や有機ホスホン酸類、更に
好ましくは有機スルフォン酸類である。また、被研磨物の汚れの観点からは含硫黄有機酸
やカルボン酸が好ましく、より好ましくは有機スルフォン酸類や多価カルボン酸類である
。これらの化合物は単独で用いても良いし、混合して用いても良い。
有機酸の含有量は、研磨速度の向上及びうねり低減の観点から、酸剤液中において好ま
しくは0.005重量%以上、より好ましくは0.007重量%以上である。また、表面
品質及び経済性の観点から、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下
である。即ち、前記酸剤液中の有機酸の含有量は好ましくは0.005〜60重量%、よ
り好ましくは0.007〜50重量%である。
酸剤液の媒体としては、イオン交換水、純水、超純水等の水が好ましい。該水分量とし
ては、40重量%以上が好ましく、40〜99.95重量%が更に好ましい。
また、酸剤液のpHは6以下が好ましく、より好ましくは0.1〜5、さらに好ましく
は0.2〜4である。これらのpHは、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等の塩基性物質を添加したり、含有される酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム
塩等の塩を添加して調整できる。
(D)成分:酸化剤と無機酸を含む添加剤液
(D)成分の添加剤液とは、少なくとも前記の酸化剤と無機酸とを含み、酸化剤の分解
の原因となる金属イオン、金属酸化物及び有機化合物を実質上含有しないものである。従
って、酸化剤を分解させないヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸のような有機
ホスホン酸は含有してもよい。酸化剤の含有量及び無機酸の含有量は前述と同様である。
これらの成分の総量としては、添加剤液中、0.01重量%以上が好ましく、0.01
〜80重量%がより好ましい。
また、該添加剤液の媒体としては、イオン交換水、純水、超純水等の水が好ましい。該
水分量としては、20重量%以上が好ましく、20〜99.99重量%が更に好ましい。
(c)成分:有機酸を含む酸剤液
(c)成分は、少なくとも有機酸を含み、且つ(D)成分と併用される酸剤液を指す。
有機酸の種類や、その使用量としては前記(C)成分と同様であれば特に限定はない。
本態様a−1、a−2及びa−3の各キットは、各キットの構成成分を配合して得られ
る研磨液組成物中の各アルミナ、酸化剤、酸の含有量が所定の範囲になるように、各成分
を配合して使用する。また、必要に応じてイオン交換水、純水、超純水等の水を混合して
使用してもよい。
研磨液組成物中のアルミナの含有量は、研磨速度の向上及びうねり低減の観点から、好
ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1 重量%以上、さらに好ましくは0.5 重量%
以上、特に好ましくは1重量%以上である。また、表面品質及び経済性の観点から、好ま
しくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下、特
に好ましくは20重量%以下である。即ち、研磨液組成物中のアルミナの含有量は、好まし
くは0.05〜40重量%、より好ましくは0.1 〜30重量%、さらに好ましくは0.5 〜25重量%
、特に好ましくは1〜20重量%である。
研磨液組成物中の酸化剤の含有量は、研磨速度の向上、うねり低減及び基板汚れ低減の
観点から、好ましくは0.002 重量%以上、より好ましくは0.005 重量%以上、さらに好ま
しくは0.007 重量%以上、特に好ましくは0.01重量%以上である。また、表面品質及び経
済性の観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好まし
くは10重量%以下、特に好ましくは5 重量%以下である。即ち、研磨液組成物中の酸化剤
の含有量は、好ましくは0.002 〜20重量%、より好ましくは0.005 〜15重量%、さらに好
ましくは0.007 〜10重量%、特に好ましくは0.01〜5 重量%である。
研磨液組成物中の酸の含有量は、研磨速度の向上、うねり低減、及び基板汚れを両立さ
せる観点から、好ましくは0.002 重量%以上、より好ましくは0.005 重量%以上、さらに
好ましくは0.007 重量%以上、特に好ましくは0.01重量%以上である。また、表面品質及
び経済性の観点からは、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに
好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5 重量%以下である。即ち、研磨液組成物中の
酸の含有量は、好ましくは0.002 〜20重量%、より好ましくは0.005 〜15重量%、さらに
好ましくは0.007 〜10重量%、特に好ましくは0.01〜5 重量%である。
また、本発明のキットにおいては、必要に応じて、無機塩、増粘剤、防錆剤、塩基性物
質等を適宜各成分に配合することができる。これらの化合物は単独で用いても良いし、2
種類以上混合して用いても良い。また、その含有量は経済性の観点から、キットから得ら
れる研磨液組成物中好ましくは0.05〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重
量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。
さらに、キットの各成分には、必要に応じて殺菌剤や抗菌剤等を配合することができる
。これらの殺菌剤、抗菌剤の含有量は機能を発揮する観点、並びに研磨性能への影響及び
経済性の観点から、キットから得られる研磨液組成物中、好ましくは0.0001〜0.1 重量%
、より好ましくは0.001 〜0.05重量%、さらに好ましくは0.002 〜0.02重量%である。
研磨液組成物の残部は水である。かかる水の量としては、研磨液組成物中、55〜99
重量%が好ましく、60〜99重量%がより好ましく、70〜95重量%がさらに好まし
い。
また、本発明のキットは、(A)成分等の各成分を他の成分と混合させずに保存してお
くことで、極めて優れた保存安定性が得られるという利点がある。かかるキットの具体的
な態様としては、(A)成分等の各成分をそれぞれの成分に対して耐性のある材質をもつ
缶、ドラム、コンテナ等の容器に入れたキットが挙げられる。
また、キットの各成分は目的成分を任意の方法で添加、混合して製造することができる
本発明のキットの構成成分を配合して得られる研磨液のpHは、被研磨物の種類や要求
品質等に応じて適宜決定することが好ましい。pHは研磨速度とうねり低減の観点から低
ければ低いほど好ましいが、加工機械の腐食防止性及び作業者の安全性の観点からはpH
は7に近いほど好ましい。よって両者を加味した場合、0.1 以上6未満が好ましく、さら
に好ましくは0.5 以上5未満であり、より好ましく1以上4未満であり、特に好ましくは
1以上3未満である。キットのpHは硝酸、硫酸等の無機酸、オキシカルボン酸、多価カ
ルボン酸やアミノポリカルボン酸、アミノ酸等の有機酸、及びその金属塩やアンモニウム
塩、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン等の塩基性物質を適宜、所
望量で配合することで調整することができる。
本発明の対象とする被研磨基板である磁気ディスク基板とは、磁気記録用媒体の基板と
して使用されるものである。磁気ディスク基板の具体例としては、アルミニウム合金にN
i−P合金をメッキした基板が代表的であるが、アルミニウム合金の代わりにガラスやグ
ラッシュカーボンを使用し、これにNi−Pメッキを施した基板、あるいはNi−Pメッ
キの代わりに、各種金属化合物をメッキや蒸着により被覆した基板を挙げることができる
本発明のキットは、ポリッシング工程において特に効果があるが、これ以外の研磨工程
、例えば、ラッピング工程等にも同様に適用することができる。
b)磁気ディスク基板の研磨方法
本発明の磁気ディスク基板の研磨方法とは、以下の態様に大別される。
(態様b−1) 少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤を含む酸化剤液
(B)と、酸を含む酸剤液(C)とを混合して得られた混合液を磁気ディスク基板と研磨
布との間に供給して磁気ディスク基板を研磨する研磨方法、
(態様b−2) 少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む
添加剤液(D)とを混合して得られた混合液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給し
て磁気ディスク基板を研磨する研磨方法、
(態様b−3) 少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む
添加剤液(D)と、有機酸を含む酸剤液(c)とを混合して得られた混合液を磁気ディス
ク基板と研磨布との間に供給して磁気ディスク基板を研磨する研磨方法。
ここで、本発明の磁気ディスク基板の研磨方法に使用される(A)、(B)、(C)、
(D)、(c)成分、磁気ディスク基板等は、いずれも前記のものと同じであればよい。
したがって、前記態様b−1で用いられる混合液は態様a−1のキットの構成成分を配合
して得られる研磨液、態様b−2、b−3で用いられる混合液は態様a−2のキットの構
成成分を配合して得られる研磨液と同じものである。
また、研磨布としては、一般的な磁気ディスク基板の研磨工程に使用されているもので
あれば特に限定はないが、多孔質の有機高分子系のものが好ましい。
前記態様b−1〜b−3の研磨方法において、各成分とを混合して得られた混合液を磁
気ディスク基板と研磨布との間に供給する方法としては、例えば、多孔質の有機高分子系
の研磨布等を貼り付けた研磨定盤で磁気ディスク基板を挟み込み、前記混合液を研磨面に
供給し、圧力を加えながら研磨定盤や磁気ディスク基板を動かすことにより、磁気ディス
ク基板を研磨することができる。研磨定盤としては、一般的な磁気ディスク基板の研磨工
程に使用されているものであれば特に限定はない。また、研磨を行なう際の他の条件(研
磨装置の種類、研磨温度、研磨速度、研磨液の供給量等)についても特に限定はない。
態様b−1〜b−3の研磨方法の例としては、研磨前に前記各成分を容器に仕込み容器
内で攪拌して得られた混合液を供給することが好ましい。研磨前とは、研磨を行なう前を
指し、混合液の安定性の観点から、混合後、研磨に使用するまでの時間は短い方が好まし
い。容器の構造、大きさ及び材質としては、特に限定はなく、研磨液の供給量等に応じて
適宜決定すればよい。
また、前記態様b−1〜b−3の研磨方法の別の例としては、各成分の供給に際して、
それぞれの成分を供給する供給手段を同一又は異なる部位で連結させ、各成分を合流させ
て供給する供給手段とを用いて、混合液を供給する方法が挙げられる。該供給手段として
、パイプを用いることが好ましい。
例えば、態様b−1の研磨方法としては、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と
を、それぞれ第1のパイプ、第2のパイプ、及び第3のパイプに供給し、第1のパイプ、
第2のパイプ、及び第3のパイプが接合された第4のパイプ中で前記(A)〜(C)成分
を混合し、次いで得られた混合液を第4のパイプから供給する方法が挙げられる。さらに
、水を混合するために、第5のパイプを第1〜4の1つ以上のパイプに接合してもよい。
第4のパイプにおける第1〜第3のパイプの接合位置や、各パイプの大きさ、形状、配置
等は、研磨する磁気ディスク基板の一回当たりの枚数、大きさ、各成分中に含有されるア
ルミナ、酸化剤、酸等の化合物の濃度等により一概に限定はできない。
同様に、態様b−2の研磨方法としては、(A)成分と、(D)とをそれぞれ第1のパ
イプと第2のパイプに供給し、第1のパイプと第2のパイプが接合された第3のパイプ中
で(A)、(D)成分を混合し、次いで得られた混合液を第3のパイプから供給する方法
が挙げられる。さらに、水を混合するために、第4のパイプを第1〜3の1つ以上のパイ
プに接合してもよい。態様b−3の研磨方法としては、(A)成分と、(D)成分と、(
c)成分とを、それぞれ第1のパイプ、第2のパイプ、第3のパイプに供給し、これらの
第1のパイプ、第2のパイプ、第3のパイプが接合された第4のパイプ中で、(A)、(
D)、(c)成分を混合し、次いで得られた混合液を第4のパイプから供給する方法が挙
げられる。さらに、水を混合するために、第5のパイプを第1〜4の1つ以上のパイプに
接合してもよい。第3、4のパイプにおける別のパイプの接合位置や、各パイプの大きさ
、形状、配置等は、研磨する磁気ディスク基板の一回当たりの枚数、大きさ、各成分中に
含有されるアルミナ、酸化剤、酸等の化合物の濃度等により一概に限定はできない。
かかる構成を有する本発明の磁気ディスク基板の研磨方法を用いることにより、保存期
間に依存することなく、再現性よく高い研磨速度を発現し得るという効果が発現される。
c)磁気ディスク基板の製造方法
本発明の磁気ディスク基板の製造方法は、以下の態様に大別される。
(態様c−1)下記の工程を有する磁気ディスク基板の製造方法:
(1)少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤を含む酸化剤液(B)と、
酸を含む酸剤液(C)とを混合して研磨液を調製する工程、
(2)磁気ディスク基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧する工程、及び
(3)工程(1)で調製された研磨液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給しながら
、基板と研磨定盤を動かして磁気ディスク基板を研磨する工程。
(態様c−2)下記の工程を有する磁気ディスク基板の製造方法:
(1)少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む添加剤液(
D)とを混合して研磨液を調製する工程、
(2)磁気ディスク基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧する工程、及び
(3)工程(1)で調製された研磨液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給しながら
、基板と研磨定盤を動かして磁気ディスク基板を研磨する工程。
(態様c−3)下記の工程を有する磁気ディスク基板の製造方法:
(1)少なくとも、アルミナを含むスラリー(A)と、酸化剤と無機酸を含む添加剤液(
D)と、有機酸を含む酸剤液(c)とを混合して研磨液を調製する工程、
(2)磁気ディスク基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧する工程、及び
(3)工程(1)で調製された研磨液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給しながら
、基板と研磨定盤を動かして磁気ディスク基板を研磨する工程。
なお、前記(A)、(B)、(C)、(D)、(c)成分、磁気ディスク基板、研磨布
、研磨定盤等はいずれも前記と同様であればよい。したがって、前記態様c−1で用いら
れる研磨液は態様a−1のキットの構成成分を配合して得られる研磨液、態様c−2、c
−3で用いられる混合液は態様a−2のキットの構成成分を配合して得られる研磨液と同
じものである。
前記研磨工程において、押し当て加圧する際の圧力としては、表面平滑性向上、表面欠
陥低減、及び研磨速度向上の観点から、1〜20kPaが好ましく、3〜15kPaがよ
り好ましい。
また、基板と研磨定盤を動かす方法については、公知の方法であれば特に限定はない。
かかる構成を有する本発明の磁気ディスク基板の製造方法を用いることにより、表面平
滑性が向上し、表面欠陥が少ない等の良質な磁気ディスク基板を経済的に再現性よく製造
することができるという利点がある。
実施例1〜3、比較例1〜4
[研磨液の調製]
α−アルミナ(一次粒子の平均粒径0.07μm 、二次粒子の平均粒径0.3 μm 、比表面積
15m2/g、純度99.9% )12.75 重量%、硫酸0.8 重量%、クエン酸4.28重量%、35%過酸化
水素水7.31重量%(過酸化水素として2.56重量%)、残部イオン交換水の配合比で総
重量が1.5kg になるように2Lポリエチレン樹脂製容器に入れ、撹拌混合して研磨液を得
た。さらに、この研磨液とイオン交換水を1:4の配合比(重量比)で4Lポリエチレン
樹脂製容器に総重量が4kg となるように入れ、撹拌混合して、参考例1の研磨液組成物を
得た。
表1に示す構成を有する実施例1〜3、比較例1〜4の研磨液キットの(A)成分、(
B)成分又は(D)成分及び(C)又は(c)成分をそれぞれ、2Lポリエチレン樹脂製
容器に入れ、密閉して60℃で28日間静置した。静置後、各研磨液キットの成分および
イオン交換水を表に示す配合比(重量比)で4Lポリエチレン樹脂製容器に総重量が4kg
になるように入れ、撹拌混合して、実施例1〜3及び比較例1〜4の研磨液組成物を得た
なお、(A)成分には水を媒体とした、α−アルミナを12.75重量%含有するスラ
リーを使用した。表中、他の成分の記載があるものは、これらの成分を前記スラリーに所
定量含有させたものを使用した。
(B)成分には35%過酸化水素水7.31重量%(過酸化水素として2.56重量%
)を使用した。表中、他の成分の記載があるものは、それらの成分をこの過酸化水素水に
所定量含有させたものを使用した。
(C)成分は硫酸とクエン酸を使用した。含有量は表中に記載した量である。(c)成
分はクエン酸を使用した。含有量は表中に記載した量である。(D)成分は硫酸と過酸化
水素水を使用した。含有量は表中に記載した量である。
得られた研磨液組成物の研磨評価を行い、研磨速度を測定した。参考例1の研磨液組成
物の研磨速度を基準値1として、各実施例、比較例の研磨液組成物の研磨速度の相対値(
相対研磨速度)を求めた。結果を表1に示す。なお、・BR>、磨方法および研磨速度の測定は以
下に示す。
[研磨方法]
ランク・テーラーホブソン社製のタリーステップ(触針先端サイズ:25μm ×25μm 、
ハイパスフィルター:80μm 、測定長さ:0.64mm)によって測定した中心線平均粗さRaが
0.2 μm 、厚さ1.27 mm 、直径3.5 インチのNi-Pメッキされたアルミニウム合金からなる
基板の表面を両面加工機により、以下の両面加工機の設定条件でポリッシングし、磁気記
録媒体用基板として用いられるNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板の研磨物を得た。
両面加工機の設定条件を下記に示す。
<両面加工機の設定条件>
両面加工機:スピードファーム(株)製、9B型両面加工機
加工圧力:9.8kPa
研磨パッド:フジボウ(株)製「H9900S」(商品名)
定盤回転数:50r/min
研磨液組成物供給流量:100ml/min
研磨時間:5min
投入した基板の枚数:10枚
[研磨速度]
研磨前後の各基板の重さを計り(Sartorius 社製「BP-210S 」)を用いて測定し、各基
板の重量変化を求め、10枚の平均値を減少量とし、それを研磨時間で割った値を重量減
少速度とした。重量の減少速度を下記の式に導入し、研磨速度(μm/min )に変換した。
重量減少速度(g/min) ={研磨前の重量(g) −研磨後の重量(g) }
/研磨時間(min)
研磨速度( μm/min)=重量減少速度(g/min) /基板片面面積(mm2)
/Ni-Pメッキ密度(g/cm3) ×106
Figure 2008080486
表1に結果を示すように、比較例1〜4の研磨液キットから得られる研磨液組成物は、
60℃保存後の研磨速度が、保存せずに調製後すぐに研磨評価を行った場合(参考例1)
の研磨速度に比べ、著しく低下しているのに対し、実施例1〜3の研磨液キットから得ら
れる研磨液組成物は、60℃保存後の研磨速度が参考例1の場合と同様に再現性よく、高
く維持されていることがわかる。
実施例4、5及び比較例5〜7
表2に示す構成を有する実施例4、5及び比較例5〜7の研磨液キットを用いること以
外は実施例1と同様にして研磨液組成物を得、その研磨液組成物の研磨評価を行い、参考
例2の研磨液組成物の研磨速度を基準値1として、各実施例、比較例の研磨液組成物の研
磨速度の相対値を求めた。結果を表2に示す。なお、参考例2の研磨液組成物は、表2に
示す組成となるようにする以外は参考例1の研磨液組成物と同様にして調製した。
Figure 2008080486
表2に結果を示すように、比較例5〜7の研磨液キットから得られる研磨液組成物は、
60℃保存後の研磨速度が、保存せずに調製後すぐに研磨評価を行った場合(参考例2)
の研磨速度に比べ、著しく低下しているのに対し、実施例4、5の研磨液キットから得ら
れる研磨液組成物は、60℃保存後の研磨速度が参考例2の場合と同様に、再現性よく、
高く維持されていることがわかる。
実施例6及び比較例8〜11
表3に示す構成を有する実施例6及び比較例8〜11の研磨液キットを用いること以外
は実施例1と同様にして研磨液組成物を得、その研磨液組成物の研磨評価を行い、参考例
3の研磨液組成物の研磨速度を基準値1として、各実施例、比較例の研磨液組成物の研磨
速度の相対値を求めた。結果を表3に示す。なお、参考例3の研磨液組成物は、表3に示
す組成となるようにする以外は参考例1の研磨液組成物と同様にして調製した。
Figure 2008080486
表3に結果を示すように、比較例8〜11の研磨液キットから得られる研磨液組成物は
、60℃保存後の研磨速度が、保存せずに調製後すぐに研磨評価を行った場合(参考例3
)の研磨速度に比べ、著しく低下しているのに対し、実施例6の研磨液キットから得られ
る研磨液組成物は、60℃保存後の研磨速度が参考例3の場合と同様に、再現性よく、高
く維持されていることがわかる。
実施例7〜18及び比較例12〜18
表4、5に示す構成を有する実施例7〜18及び比較例12〜18の研磨液キットを用
いること以外は実施例1と同様にして研磨液組成物を得、その研磨液組成物の研磨評価を
行い、参考例4の研磨液組成物の研磨速度を基準値1として、各実施例、比較例の研磨液
組成物の研磨速度の相対値を求めた。結果を表4、5に示す。なお、参考例4の研磨液組
成物は、表5に示す組成となるようにする以外は参考例1の研磨液組成物と同様にして調
製した。
Figure 2008080486
Figure 2008080486
表4、5の結果に示すように、比較例12〜18の研磨液キットから得られる研磨液組
成物は、60℃保存後の研磨速度が、保存せずに調製後すぐに研磨評価を行った場合(参
考例4)の研磨速度に比べ、著しく低下しているのに対し、実施例7〜18の研磨液キッ
トから得られる研磨液組成物は、60℃保存後の研磨速度が参考例4の場合と同様に、再
現性よく、高く維持されていることがわかる。
本発明の磁気ディスク用研磨液キットは、高品質のハードディスク等の磁気ディスク基
板の製造に好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 無機酸及び/又はその塩を含有してなるアルミナを含むスラリー(A)と、硫酸、亜硫酸及びアミド硫酸から選ばれる無機酸と過酸化水素とを含む添加剤液(D)とから少なくとも構成され、それぞれを別々の容器に収容してなる磁気ディスク用研磨液キット。
  2. さらに、有機スルフォン酸類、有機ホスホン酸類及び多価カルボン酸類から選ばれる有機酸を含む酸剤液(c)を備えた請求項1記載の磁気ディスク用研磨液キット。
  3. 少なくとも、それぞれ別々の容器に収容されてなる、無機酸及び/又はその塩を含有してなるアルミナを含むスラリー(A)と、硫酸、亜硫酸及びアミド硫酸から選ばれる無機酸と過酸化水素とを含む添加剤液(D)とを混合して得られた混合液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給して磁気ディスク基板を研磨する研磨方法。
  4. 少なくとも、それぞれ別々の容器に収容されてなる、無機酸及び/又はその塩を含有してなるアルミナを含むスラリー(A)と、硫酸、亜硫酸及びアミド硫酸から選ばれる無機酸と過酸化水素とを含む添加剤液(D)と、有機スルフォン酸類、有機ホスホン酸類及び多価カルボン酸類から選ばれる有機酸を含む酸剤液(c)とを混合して得られた混合液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給して磁気ディスク基板を研磨する研磨方法。
  5. 下記の工程を有する研磨した磁気ディスク基板の製造方法:
    (1)少なくとも、それぞれ別々の容器に収容されてなる、無機酸及び/又はその塩を含有してなるアルミナを含むスラリー(A)と、硫酸、亜硫酸及びアミド硫酸から選ばれる無機酸と過酸化水素とを含む添加剤液(D)とを混合して研磨液を調製する工程、
    (2)磁気ディスク基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧する工程、及び
    (3)工程(1)で調製された研磨液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を動かして磁気ディスク基板を研磨する工程。
  6. 下記の工程を有する研磨した磁気ディスク基板の製造方法:
    (1)少なくとも、それぞれ別々の容器に収容されてなる、無機酸及び/又はその塩を含有してなるアルミナを含むスラリー(A)と、硫酸、亜硫酸及びアミド硫酸から選ばれる無機酸と過酸化水素とを含む添加剤液(D)と、有機スルフォン酸類、有機ホスホン酸類及び多価カルボン酸類から選ばれる有機酸を含む酸剤液(c)とを混合して研磨液を調製する工程、
    (2)磁気ディスク基板を研磨定盤の研磨布に押し当て加圧する工程、及び
    (3)工程(1)で調製された研磨液を磁気ディスク基板と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を動かして磁気ディスク基板を研磨する工程。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1111913A (ja) * 1997-06-19 1999-01-19 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 過酸化水素組成物
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